2023年2月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。バレンタインのチョコレートをこちらに差し出している海果、なのですが! あの緊張に、プレッシャーに弱いこの子が、これほどに柔和な表情でチョコレートを贈れるだなんて、これは、つまりは、表紙のこちらにはユウがいるのでしょうね。喜びをともに気持ちを伝える、その思いの暖かさもいっぱいに広がる、素晴しいイラストです。

今月は新規ゲストが4本です。

『1979年地球の危機』

扉絵がピンクレディーの『UFO』だ! ということは、タイトルの1979年というのは『UFO』発表年? と思ったら、1977年末にリリースされ1978年に大ヒットした、ということで、扉でふたりがこの曲の振りつけしてるのはタイミング的にはばっちりでありますね。

1970年代はオカルトが大ブーム。UFO、超能力、ツチノコなどUMAも話題になって、それで高校大学にオカルト同好会とかがたくさん作られたんだ。オカルトブームはその後も何度もきてるから、自分が知ってるのはその後のブームなのだと思うのですが、最初の70年代のものは社会にも強烈なインパクトを与えたらしいですよね。五島勉の『ノストラダムスの大予言』が73年。そして、そのブームのどんづまりが、この漫画の主人公、森田静芽の経験するおかしなできごとである模様です。

人の集まらないオカルト部にただひとり所属している静芽。彼女のもとに現れた謎の人物は、人の姿に擬態した惑星探査ロボット。アヴァンギャルド星人によって作られただなんだと、やたらおかしな言動振り撒いているこの人、実際やること見てみれば、普通の人間ではありえない。サンプル採取と称して、本から椅子から猫からパトカーから、なんでも飲み込んでしまう。しかし、このサンプル採取、なんのためかと思ったら、いずれ滅びる地球の文明を記録するためだという。

この滅亡というの、ノストラダムスの予言の成就かといえばさにあらず、アヴァンギャルド星人が滅ぼすのだという。その期日が翌々日! って、急だな! 神社でであったドジモリさん、この人が神かなんかで、アヴァンギャルド星人に対抗したりするのかどうなのか。いずれにしても、あまりなんかの役にはたたなさそうな静芽。この子が果たす役割とはなんなのか、期待して読み進めたいと思います。

『好都合セミフレンド』

今日から寮生活をはじめることとなった久留真珠海。不安をともに自室の扉を開いたら、そこにはいかがわしい行為にふける女性がふたり! 珠海、のっけから逆境ですよ。影が薄い、押しも弱い。内気で気弱でなにかと不安が先に立つこの子の暮らしにかかわる一大事。自室に恋人なのかなんなのか、引き込んだりするのがルームメイト! しかもさらに悪いことに、取っ替え引っ替えときましたよ。

ただでさえ人見知りなのに、知らない人は苦手なのに、次から次から知らない人を部屋に引き込まれたらたまったもんじゃない。かくして暮らしの平穏を守るべく、同室の浜薔薇輝子相手に、誰か連れ込むのはやめてほしいと交渉しはじめるんですね。

ただ、その過程にいろいろ問題があって、輝子の相手はいわゆるセフレ。しかし珠海はその言葉を、意味を知らず、そこで咄嗟に輝子がセミフレンドの略だとごまかしたものだから、状況の本質に踏み込まないまま、珠海の誤解が先走る。輝子が誰も連れ込まなくてよいように、私がそのせふれとやらになりましょう。

受け身で消極的と思われた珠海が、こうと決めたら有無をいわさずぐいぐいいく。攻守交代、下剋上的雰囲気をさえ感じさせたこの展開。これは今後も、誤解なのかなんなのか、そのへん曖昧にしながらも、珠海の暴走が輝子を圧倒してくれたら面白いぞ。なんて思わされたりしたのでした。

『プリカのヒミツ』

花里プリカには秘密がある。それは、人口減少の危機に対策すべく作り出された人型ミジンコであるということ。見た目には小柄で可愛い女の子なれど、その実態はミジンコ。完璧に見える擬態にもほころびがあって、食事の際には腹に隠した多数の胸脚があらわになってしまう!

って、わりと致命的な欠陥では!? ここまで完璧に人の姿に似せたんだから、もうちょっとがんばろうよ、政府!

存在そのものが国家機密であるプリカ。その正体は誰も知らない知られちゃいけない、隠し通さないといけないのですが、転校初日にさっそくのバレ。

いや、やっぱり胸脚露出は大欠陥ですって。普通にお昼に食事しないといけないのに、その度に胸脚バレのリスクがあるんでしょう? 今回バレたのはわりと理解のある? 牧野千波だったからよかったものの、そうでなければ即みんなに知られかねない危機でした。

と思ったら、胸脚、全然隠しきれてない! たびたびポロリしそうになる胸脚。千波がフォローしてくれてるからなんとかなってるだけど、プリカひとりだったら駄目だった! いやほんと、バレたのが千波でよかったですよね。そうでなかったら、世界ミジンコ化計画は公然になってしまうところでした。

『めいどきゃんのっと!』

かつてメイドに助けられたことをきっかけとして、メイドに憧れを持つようになった市子こころ。メイド募集の求人に、夢が叶うと思い応募してみたところ、なんと家政婦ではなくコンセプトカフェのメイドでありました。

って、まあ、今どきメイドでバイトとなるとこっちになるよね。むしろ家政婦募集の方がレアな気がします。

面接には浮かったものの、誤解してたとわかってからは憂鬱なこころ。断らなくては、ちゃんとお店の人に間違いでしたと伝えなくては。そう思いはするものの、店の装飾にテンションあがっちゃって、流されるまま制服も着用。研修もところどころしくじりながらも、なんとか乗り切ってしまってる!

こころにはコンカフェのメイドとしての素養があるのでは? まだ緊張が拭えない、いろいろつたないところはあるけれど、リーダーメイドしゃるの可愛さ、萌えに対する感受性を見せたところなど、こちらのメイドへの適性の高さ感じさせられましたよね。

あくまでも目標とするのは使用人としてのメイドではあったけれど、断りきれず、というかわりとその気になってコンセプトメイドとしての道を歩みはじめたこころ。そのゆきつく先はどのような地平なのか。少なくとも、しゃるとの相性はよさそう。実際、結構向いてるように思うんですよね。

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