2023年2月17日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』。メインの4人が可愛い格好で勢揃い。やたら翼が凛々しい表情なのが面白いのですが、その皆がそれぞれに一文字ずつ書いた文字。それが「ありがと」というメッセージになっていて、ええ、今月をもって最終回、グランド・フィナーレを迎えた、そのお礼の言葉が記されているというのですね。表紙はほがらかに明るく、笑顔で、この暖かで素直な感じは本当に彼女たちらしいと思いました。

今月は新規ゲストが2本です。

『ももいろ*てぃーぱーてぃ』

全寮制のお嬢様学校に入学した犬山三鈴。浮かれてしまってまるで入学式の挨拶も耳には入っていないのですが、あ、これ、もしかしたら学校についていろいろ勘違いしてるとかそういうやつかな?

違いました! けど勘違いというか、思い違いというか、憧れのあまりその存在を追って進学先をこの学校に決めさせることとなった見影うらら、この人の本質を思いっきり見誤っていたようですよ!

見影うららの声と残り香を頼りに辿り着いた一室。きっとここで秘密のお茶会が! と思いきや、思いっきり和室だ! 湯呑みに日本茶、煎餅と気さくな感じと、それ以前の問題として、憧れのうらら先輩の奇行。なんでパンツを被ってるんですか!? しかもそれ、自分がはいとったやつなんか!

理解が追いつかないと絶望する三鈴。それはいいんだけど、これ、ついていけるのか!? 混乱する読者、すなわち私! いやもうどうしたものかと思ったんですが、なるほどうらら先輩はそうした奇行を嗜まれるタイプというわけでなく、漫画に描かれていた行為、それを実地で試してみていたというのですか。

そもそもこのお茶会というのが、うららにとっての地を出せる大切な場所だというのです。皆から慕われる完璧な人物像を演じることに疲れてしまった。そうしたうららにとって、気兼ねなく過ごせるこの時間は代え難いもの。かくしてうららは奔放に、猥談に下ネタにと思いを馳せるのでした。

この地がわりと下世話というの、結構現実的な描写なんかも! みたいにも思われて、今後の展開、その下世話な話題や言動がどこまで振れるのか、なかなかに楽しみと感じます。それに、うららにしても三鈴にしても、そしてもうひとりの登場人物、小廻周にしても、それぞれに常識があるのがよいと思いました。皆がちょっとずつ非常識? 常軌を逸した言動見せるかと思えば、反面それらをおかしいと判断できる正常さも持ちあわせていて、この常識と非常識の互いに引き合う力関係、あっちに傾きこっちに揺らぐ、そうしたバランス? アンバランス? の塩梅にこそ面白みが出てくるのではないかなんて感想持たせてくれる第1話でありました。

『六波羅探題におまかせだいっ!』

鎌倉時代の京都を舞台に繰り広げられる、ええとオカルトもの? いや、あるいは探偵もの? どちらだろうと読み進めていけば、おお、これは事件の真相を見抜き解決していく探偵ものであるようですよ。

登場人物は、女性の姿で描かれた六波羅探題執権の北条義宗。彼女が鎌倉から京都にやってきた矢先に関わることとなった、東国出身者が次々惨殺されるという非常事態。洛中の噂によると、人魂を背負った亡霊の仕業。いずれ自分達も標的となるのでは、そう思い落ち込むものも多数、となればなんとかせねばなるまい。

かくして義宗は、同じく女性として描かれた前執権である北条時輔の知恵を借り、この事件解決に乗り出すこととなるのでした。

といいたいけれど、義宗は狂言回しの役割担って、解決するのは時輔の役目の模様。新たに発生した事件を検分し目撃情報を集めてみるも、義宗は見当をつけることかなわず、解決は時輔の推理に委ねられることとなりました。

さて、その真相やいかに! 解決編は次号でありますが、つまり読者には今回提示された情報をもとにして、時輔の見出した解決の糸口、それがなにか、誰がこの事件を引き起こしたのか、自ら推理する楽しみが残されたわけで、期限はあと一ヶ月! ちょっとした宿題気分で、挑戦してみるのも面白そうでありますよ。

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