『まんがタイムきらら』2023年3月号、昨日の続きです。
『スロウスタート』
皆、額にお題の書かれた札をかざして、いったい何事!? ああ、その言葉を口にしたら負けってゲームですね。といいたいけれど、その文言が物騒すぎる! ブチ殺ス、皆殺し、呪殺、って、君らそんなキャラだったっけ!? と思ったら、次から次に禁止ワードを口にして、それもすんごい笑顔で!
ああ、これ、花名の悪夢だったんですね。でも今どきの女子高生なら、これくらいの酷いワード、普通に笑顔で使いそうな気がする。偏見ですかね? でも、スロスタの面々には口にして欲しくない。ええ、花名が後にひくくらいダメージ負ってしまった、その気持ち、よくわかります。
そして夢の話から、NGワードゲームを実際にやってみようということに。紆余曲折あって高橋奈々さんが禁止ワードを考えてくれたのですが、この人、すごくよく皆のことわかってるんだ! 次から次に撃沈していって、残すは栄依子と花名のふたり。一騎討ちですよ。
ここで栄依子のしかける罠。それがあやしいとわかりながらも、あえて禁止ワードを口にした花名の気持ちがとても愛らしかった。みんなで旅行をという話、それをそらしたくないという気持ち。たとえ自分が負けるとしても、皆と一緒の楽しい話題を大切にしたいと思う、その心根に打たれて、ええ、とてもいいお話でした。
そして、それは実現する!? 悪夢ではなく、よい夢になって返ってきた、この顛末もまたいいお話でありました。
『キミはあくまでも。』
学校を休んでいる坊ちゃんのために、家庭教師になりましょう。エクールカの申し出に戸惑い覚えるヴェネルですが、エクールカはとにかく乗り気。意味深発言が飛び出すのはいつものことだけど、いざ勉強となるとちゃんと教えてくれるのは意外といったら失礼、立派な先生ぶりでした。
でもね、まさか坊ちゃんが興味を持ったメンダコ、こいつに変身するとは予想もしませんでしたよ。ゆるキャラみたいになっとる! 人間体からすでに可愛かったのが、違うベクトルの可愛さ手に入れて、でもこのなんでもかんでも変身できるの危ういのでは? 坊ちゃんが、まさかさすがのエクールカも饅頭には変身できないだろう。できますよ、大変身ですわ〜☆ からのぱくっと捕食とか、そんなことになったら目もあてられません!
人間の世界の知識にも詳しいエクールカさん。長く生きているがために身につけたものがあれば、自ら学び知っていったこともある。その学ぼうと思った動機ってなんだったんだろう。エクールカという存在についての謎、なにを思い生きているのか、なぜヴェネルをこんなに大切にしてくれるのか。その背景についての謎。
坊ちゃんも気にしながらも聞けなかったこの謎。今は謎でも、いずれは明らかになっていくのでしょうか。その時に、坊ちゃんはなにを思うのか。坊ちゃんに、そしてエクールカにしあわせは訪れるのか。そうした未来についての謎もまた深まったと思えたエピソードでした。
それはそれとして、坊ちゃん視点のエクールカ、あの「?」浮かべてるエクールカ、べらぼうに可愛かったですね。もう、どうしたらいいかわからんほど可愛い。いや、なにもせんでいいのはわかってます。
『ほぐして、癒衣さん。』
夏鈴、発熱! それでもなんとか会社にいこうとする夏鈴。すぐに思ってる以上の調子の悪さに気づくんだけど、それでも午前休ですませようとするの、真面目といっていいのかあるいは社畜的発想が染みついてしまっているというべきか。
後者よね。実際、社会の発熱に対するスタンダードは変わってしまいました。といいたいけど、社会全般ではまだ夏鈴みたいな考えの人も多いのかも。でも癒衣がちゃんと止めてくれました。
かくして会社を休むこととなった夏鈴。なんと、これが初! あ、そうか、この人、新入社員だったな。あらすじによると入社半年。すっかり忘れてました。
ゴミ出しにも苦労する夏鈴。自宅に帰ろうとするも、間違えて違う階で扉をガチャガチャやって住人をビビらせてしまう。無事帰りついてからも、ひとり眠っている時のさみしさに、どんどん気弱になってしまう。
そんな夏鈴の見る夢が、優しく寄り添う癒衣だよ! 玄関カギをピッキングで開けたの!? ってのを示唆するコマがあるから、あ、これ夏鈴の夢だ! って気づけるんですけど、こんな夢を見てしまうくらい夏鈴は癒衣を求めてしまってるんですね。もはや精神の支柱とさえいえる。
夢では癒衣がきてくれたけど、現実には癒衣に依頼された富美子がきてくれました。夏鈴のおでこ触って、私と同じくらいって、そうだった、富美子は体温がやたら高かったですよね。でもって、夏鈴のパジャマ脱がせはじめる富美子。焦る夏鈴がちょっと可愛かったです。
たまご粥作ってくれた富美子。ちゃんと看病してくれて、面倒見のいい優しい人だなあ! 見直したんですけど、電話で癒衣と会話してる夏鈴に嫉妬して荒れちゃうの! いやはや困った姉さんなんだけど、けどちょっとこういう感情見せてくれるところも可愛いなって思うようになってきました。なんだかんだ、この不憫なお姉さんのこと気にいっちゃってるんだなって実感させられちゃいましたよ。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第3号(2022年3月号)
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