『まんがタイムきらら』2023年3月号、一昨日の続きです。
My Private D☆V
『またぞろ。』の幌田です。
D☆Vポイントは「街が好きです」からはじまる短い文章が情緒感じさせて印象的。例えば、ひとけのない夜のニュータウン。日中には人の姿もあり、賑わいもざわめきもしているだろうその街が、今この時だけは自分だけ、自分たちだけの場所になっている。
そうしたギャップとでもいうのでしょうか、街のいつもは見せない側面に触れられる時間。その特別な感触、あるいは当たり前の街が当たり前でなくなる非日常感。そうしたところに駆り立てられる感情がD☆Vのポイントとして語られているのだと感じました。
そう考えれば、『またぞろ。』という漫画も、日常系として括られそうなシチュエーションでありながら、それぞれに異なる理由でもって留年した女子たちの集まっているという、ちょっと不思議な世界観を持っていましたね。これもまた異化された日常にスポットライトを当てようという試みで、当たり前の日常に見えて、どこか揺らぐ非日常。そうした日常から一枚隔てたところに隠されている異なる側面、そこにぐっとくる、という仕掛けであるのかも知れませんね。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第3号(2022年3月号)
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