『まんがタウン』2023年3月号、一昨日の続きです。
『あの世で猫になる』
タマ、存在の危機ですか? 生前の記憶を持たないタマ。このままだと、自分がなにものかわからなくなって、自我を持たない黒いもやもやになってしまう。なんとかして思い出さないと、着衣を手掛かりに死亡時期を割り出そうとしたり、またなにが自分の心残りであったか探ろうとしたり、いろいろ手を尽くすけれどなんら結果に繋がるようなもの見つけられなかったんですね。
落ち込んでいるタマに声をかけてくれた朝倉さん。その時にふっと思い出された言葉、あるいは感情もともに? これは誰かを看取る姿なのか、あるいは看取られる時の情景であったのか。いずれにせよ今のところ詳細まではわからない。でも、タマの記憶に繋がる要素、その断片といえるものが見つかった感じがしますよね。
タマの悩みには大島が回答を与えてくれました。生前の記憶こそないけれど、今は朝倉さんのタマとして暮らしているではないか。その自分のありたい姿こそが、タマがタマとしてここに居続ける理由になるというのです。ここにきて明確にされたふたりの絆、これはほっとさせてくれるとともに、じんと胸を暖かくさせるものありました。
『ルナナナ』
ああ、なんだろう、くやしいな。アイドルリコ、可愛いじゃないですか。元気はつらつ、ちんまり快活、屈託ないその様子にはぐっと引かれるものありまして、あかんわ、中身知ってるのに抗えないの、危険だわ。と思ったら、MCが壊滅的? いや、その飾らなさ、裏表のなさは逆に評価されるのでは? ヤバいわ。リコのアイドル活動、これからもずっと続いてほしい、発展してほしい。このエピソードの続編を求めます。
さて、アイドルといえばアキ、そしてのぞみですよ。アキがのぞみと対等に話せるまでに気持ちが安定した、というのでついにアイドル活動開始ですよ。アキプロデュースでのぞみを再デビューさせる。というのはいいのだけど、アイドルがひとりしかいない現状況ではのぞみがやる気を出さない!
かくしてリコもアイドルとしてデビューさせて、ふたりを競わせよう。負けたら引退! 唐突に状況が緊迫してきたわけですが、だってリコだもの、知りあい使って組織票とかやるよ? って、あかんって、そこまでわかっててよく勝負受けたなアキさんよ。
ふたりそれぞれに異なるアイドル活動の目的とかね、アキはアイドルに夢見てるけど、リコの方はえらいこと不純! やつらに吠え面かかせてやる、みたいなのが動機になってるアイドルって嫌だな。いや、実際のところはこんなもんかも知れんけど。で、勝負本番、MCが暴言になってるリコ vs アイドルとして擦れまくってるのぞみ。
これ、どうなるかわからんぞ、下手したらのぞみ負けるかも知らん。だって、変に集金に必死すぎなんだもの!
いや、順当にのぞみが勝ったんですけどね、でもここでアイドルに未練の出てるリコとか最高だったじゃありませんか。そしてこのまま活動継続!
ええ、このテーマ、面白いので、ちょくちょくやりましょう。思い出した頃にやる定番ものみたいになると嬉しいです。
『猫またはごはんを。』
このところ動物病院におとずれないサチ、いやタコ焼き屋のおばあさん! おばあちゃんに高齢猫。心配してお店を訪ねる獣医の先生は本当にいい人ですね。
そして出会うは日々野サチさん! 老猫ロクはというと、ネコマタになっていましたー、っていうんですが、ここでフクについて語られるの、あ、サチの顔、悲しみなのかい、そこに浮かぶ感情は? と思ったら、困惑だったかーっ!
いや、わからん、わからんですよ。前回、あのヒキでフク成仏と思わなかった人ってどれだけいる? みんな、フク成仏、残されたサチはフクとの思い出を胸に元気に生きていきますって最終回だと思うじゃない! ところが、ところがですよ、フク健在! どころか、シッポがさらに増えている! なにごと? ほんとになにごと? いやもう、見事に当惑。いや、フクが生存してくれてたのは本当に嬉しい!
なにより、獣医先生も感じたように、フクとロクとともに生き生きと生活しているサチの姿、これがよかった。ええ、見事なハッピーエンドだったと思います。
しかしこうして一緒に過ごしてくれる誰かがいて、やりがいある仕事もあってと、サチはしあわせものですよ。自分もかくありたい。羨むほどの、サチの逆転人生でした。
- 『まんがタウン』第24巻第3号(2023年3月号)
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