2023年2月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号、昨日の続きです。

『ちょっといっぱい!』

定休日のこはる屋に集まる人たち。すずめ亭を継ぐと決めた紅葉にいろいろ教えてくれるというのですが、そのためにリンまで駆けつけてくれて、ああ万全の指導体制ではありませんか。店には皐月と真澄が待っていて、かくして揃ったこはる屋の中核メンバー。ここで振る舞われたのが、今月号表紙に描かれた梅酒だったのですね。

とっておきの梅酒。あ、未成年には梅シロップね。そのおいしさに驚く紅葉に、この梅酒のいわれがリンの口から語られたのです。

こはる屋開店に向けて動き出した彼女らが、つらい時、あきらめそうになった時に、これを飲んで乗り越えよう。その思いで作った本気のお酒。大切な大切なとっておき。そしてこの話を聞いて、紅葉、いずれ自分もすずめ亭開店に、そして店を軌道にのせるために、歯をくいしばる思いをすることになるかも知れない、そこまで悟って、この梅酒の意味を大切に受け取るのですね。

皐月たちは、紅葉にかつての自分たちを見ているのでしょうね。すずめ亭で働いて、こはる屋を開店するに至った自分たち。そのこはる屋が、次代のすずめ亭店主、紅葉を育んだその縁。こうして引き継がれる思いの確かな様、ぐっとくるものありました。

次回、最終回! マジかよ! 今号で表紙を飾ったの、てっきりアニメ化発表とかかと思ったのに! いやほんと、泣いても笑ってもあと一回。来月には紅葉たちの頑張りがどうかたちを成すのか、それを知ることもできるのかも知れませんね。

『スローループ』

船でアナゴを釣った小春たち。二葉に招かれて、アナゴにキスを調理して食べる機会を得るのですが、二葉の家に大切に飾られていたひよりたちが船釣りした時の写真。それを見て、もう一年がたったんだと感慨にふける皆の胸中。とりわけ二葉のそれが切々として、素晴しかった。ええ、この船釣りでのひよりとの出会いをきっかけに、ずっと怖れていた気持ちに決別できたのでしたね。それは、それは、人生の一大転機であったわけですね。

そんな二葉の重大発言! 私…、ずるい女なんですっ! 吹き出す小春に恋ですよ。というか、恋がこんなになるの珍しいな。そんな言葉どこで覚えたの、恋だな! 恋だろうと小春に濡れ衣着せられる恋がおかしい。そして続く二葉の言葉。どこか子供っぽい、あるいはだめなところがあるひより、それを放っておけない、放っておきたくない、というかずっとそのままでいてほしい。そんな欲をかいちゃうんだって告白に、小春も恋も共感してしもうとるがな!

愛されひよりさんだなあ。

と思ったら、口元にアナゴのタレをつけて帰ってきたひよりの世話をかいがいしく焼く恋先生ですよ! 悪いのは恋ちゃんでした! 小春に続いて、二葉もいうんですよ。ずるい人だったんですね!

いやもう、今回は破壊力大きかったです。コメディとしても面白いし、皆の心情もよくよく伝わるし、もう、最高だったのでは? というか、ひよりさん、愛されまくりだな。いやもう、素晴しいエピソードでした。

ところで、キスのてんぷら食べてふわふわ…! っていってる恋先生、めちゃくちゃ可愛いですよね。このコマ引き伸ばして、額装したいほどでした。

『球詠』

合宿に突入した新越谷野球部の面々。朝の5時に叩き起こされたかと思えば、さっそく早朝ランニングです。ここで皆がなんかおかしくなってる。半分寝ぼけてる息吹が日本一はやい始発動画とか見てるんですが、なんだそれ! 謎の行動出ちゃってますよ。

合宿のエッセンスがこの一回にぎゅーっと凝縮されて充実でした。体力おばけのヨミと意地で張りあう主将のプライドが見られたかと思えば、体幹トレーニングをして朝食すませば、午前に練習、午後も練習。内野ノックで捕球に失敗したら全員でバーピー10回という過酷メニューに、部員からの怨嗟も溜まる! で、ここで芳乃を守るため? いや、自分も同じく責めを負わんとして先生が自分の発案と噂を流させたりしていまして、この、誰かをひとりにしない、同じ重荷を背負おうとする姿勢、今回を通じて語られた重要なこと、それがここにも顔を出していたのかも知れませんね。

午前の練習でヘバった状態での午後練。疲れ果ててるのにめちゃめちゃ打てる白菊にも笑ったんだけど、さらにテンションまでおかしくなってるという追撃がはいって、なんだ今回ウルトラ面白いな。かくして暮れる5日間の合宿。最後のメニューは外周20周のマラソンだ!

走って走って精魂尽き果てて、ようやく終わった、走り終えたと思ったその時、ひとり1周を残した息吹を見て、黙っていられなかった主将に泣かされました。

本当ならもう走りたくなんてない。そうした気持ちを飲み込んで、苦しい息吹を放っておかない。ひとり駆け出して、息吹を助ける主将に泣かされたかと思ったら、主将に続き追い掛けてくる皆の姿! って、ヨミは本当に体力おばけだな! この、全員がヘバって、もう動けない、その状況から、互いに身を支えあいながら追走してくる。この姿にはたまらないものありました。

合宿の目的は、日本一のキツい合宿、それを乗り越えたという自信を持って強豪に挑もうというものでしたね。いわばその総仕上げとなる最後のメニュー。それがただキツいメニューを越えるばかりか、皆が一丸となり成し遂げた、そうしたチームとしての強さ、自信をも持たせるにいたったこと。これは芳乃にして予想外の結果だったりしたのでしょうか。

正直なところ、合宿前にも触れられていましたが、キツいばかりのメニューは前時代的ではあるんです。そう思いながらも、そうした思いを払拭させる、そんな感情の高まりにすっかりやられてしまいました。

そして芳乃の傷跡に触れられましたね。これは、芳乃にスポットライトがあたるということでしょうか。先を楽しみに待ちたく思います。

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