2021年6月30日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年8月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年8月号、一昨日の続きです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

そうか、七恵、学生だったか。すっかり忘れてました。

さて、梅雨時の悩みごと、定番どころは洗濯物がどんどん溜まるというやつですが、佳がえらいことになってる。これ、一週間分なの? 干すの忘れてたってことは一度は洗ってあるのか。いや、それぜったい生乾きのにおいするから、洗いなおした方がいいよ!?

と、そういう常識は通じません。いいこと思いついたとばかりにとりあえずアパートの廊下に洗濯物干して、でもこれで終わらないのがおかしいですよね。大量の洗濯物のせいで廊下が通りづらい。さながら障害物、というので、配置をわざわざ工夫して障害物競争タイムアタックやるっていうんですね。

いやあ、これ洗濯物落としたりしたら本末転倒でない? みたいなこと思っていたら、さらに上いくのがこの人たちで、まさか墨いれたバケツまで吊るの!? いやもう、絶対酷い目にあうやつだこれ! この、一番最初の目的の、洗濯物を干すというのが見事にふっとんで面白いに全振りしてしまうところ、おかしくって、でも後先考えずとにかくやってみるスタイルは、人生を楽しく生きるコツかも知れんぞ? みたいにも思ったりするんですよね。

いや、多少は懲りてもいいのかも知れませんけどね?

カントリー少女は都会をめざす!?

都会に憧れる八重。SNSも写真主体の、いわゆる映えるってやつをやっていて、でも自分からはなにも発信していないのか。クラスの皆のSNSの使い方、亜紀はアニメ実況してるというの、今は衛星放送とかオンデマンドとかあるから地方住みにも優しいですよね。ただリアルタイム実況となるとちょっと難しいのか。

八重がSNSに投稿しないのは、田舎暮らしとバレるのではないか、その恐怖がためなのか。気にしなくていいのに、というか、それで都会だ田舎だといって気にしたりチェックしたりするの、多かれ少なかれあなたの同類だと思うですよ?

ここからの八重の迷走、面白かったです。都会人はなにを撮ってもおしゃれに見える。いや……、そうかな? 消しゴムは消しゴムやで? たい焼きもたい焼きやで? この都会のオーラがすべてをよりよく飾ってしまう八重ビジョン、ほんとにおかしい。大河への過剰な評価もまさしくこれだよな!

面白かったの、都会人オーラを期待された大河なのに、笑いの方向に向かっちゃうところ。でもって、八重渾身の物ボケ。東京駅の避雷針!? わ、わからぬ……。画像検索までしたけどそれでもわからぬ……。ほんと、この自分の道を突き進んでいる八重、それが実に素晴しい。でも、東京駅の避雷針をSNSで公開するのはさすがに避けたいんですね。この八重のジレンマ、実によかったです。

『通勤通学クエスト』

メイとアカリの伯父さん、姪っ子たちが可愛くてしかたないんだな。それはいいのだけど、甘やかしてしまうからお母さんたちが大変。高いゲーム機買ってきたり、自作の漫画にアイシングクッキー、やたらとレベルの高い手作り品を持ってくるもんだから、周囲の大人たちへの期待もガンガン上がっちゃうのか。

この母と伯父、すなわち兄妹のやりとり、それが面白くて、あれもやめて、これもやめて、キツいダメ出しがあるんですが、そうかお兄ちゃんからしたら褒められてる気分なのか。でも、実際妹ちゃん、ちょっとツンデレ風なのかも知れない。料理のくだりとかそうだったでしょう? ドレスにいたっては、もう完璧にそう。

褒められて、評価されて嬉しい兄。いろいろしてくれて嬉しい気持ちもあるが、多少のやりすぎに思うところもある妹。このふたりの気持ちの時にコツンとぶつかったり、あるいはふと素直な気持ちが顔をのぞかせたりと、こうした機微がなんだかちょっとむずがゆい? よさがあったんですね。

『とびだせT.O.Z』

アガリ性の柳のためにと思い、いろいろ画策するマナ。緊張のあまり学年別大会でも失敗してしまうのではないだろうか。そう思っていろいろしてくれるのはありがたいけれど、その方法、特訓っていうのがゲーセンいって、ダンスゲームやらバスケのスローインやらで目立とう、目立たせようっていうんだから、ああー、ちょっと荒療治が過ぎない!?

このマナの勢いのよさ、躊躇のなさ。見ていてめちゃくちゃ面白いけど、巻き込まれる柳さんはいろいろ大変だな。結局緊張のあまりぶったおれちゃって、だだだだ大丈夫!?

でも、この一連のマナの行動、直接的な効果はもたらさなかったけど、その後の対話を通じて柳にいい影響与えてくれたっぽいですね。うん、結果オーライ。マナの行動、というかその気持ちといったほうがいいのかな? それがむくわれた、柳のためになったのはよかったなあって思いました。

そしてラスト。兄貴ですよ! さすがのマナも反省しました! すごいな、兄。ものすごい反面教師ですよ、兄!

『オネェの恋のはじめかた』

時宗と凪、調理実習にて頂上決戦勃発です!

いや、普通に、普通に作ればよいのではなくって!? なにも包丁さばき見せつけようと、大根や人参でバラだチョウだって作る必要はなくってよ!? このふたりの対決、ちょっとしたエンターテイメントみたいになってますよね。家庭科選択者はただただ面白がっていて、あるいは慣れきってしまっていて、ツッコミ役の翔人もいないものだからもう野放し。最後の最後まで、ふたりともに、課題の肉じゃがには着手しませんでしたよね!?

諦観しきってる時宗班の男子たちもおかしかった。被害者みたいに思っていいのか!? 補習食らったの時宗と凪ふたりだけみたいだから、男子たちはちゃんと生き延びられたみたいですね!

そして、時宗の愛の料理、ちゃんと桜子の口にもはいって、そしてぽろりと口をついて出た時宗の本心、それが見事に桜子にも届いて、これ、調理実習としては時宗大減点でも、こと恋愛の観点では前進あったようですよ。

2021年6月29日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年8月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年8月号、発売されています。表紙は『ブレンド・S』。夏の照りつける日差し感じさせる強いコントラストのついたその色味。背景に入道雲、ええ実に夏のらしさを感じさせる表紙に仕上がっています。苺香と夏帆、ふたりともにいつになくリアルな存在と感じさせてくれるのも、この色味のためでしょうか。あるいは本編とはまた違った力強さ感じさせるタッチが、身体のそこに在るという感触を強めている、そんな風にも感じさせるイラスト。ちょっとした特別感があります。

今月は新規ゲストが3本です。

『ササエルの中には誰もいない』

ササエルっていうのは天使なのかな? 高校生になって親元を離れて暮らすことになった主人公、駒蔵小依が、新居で出会う不思議な同居人とかなのかな? みたいに思ったら、思いっきり予想はずれてしまった! おおう、ササエルがその小依本人とな。同居する姉の策謀にハメられて、笹かまぼこの天使、ササエルを演じることになったというんですね。

これ、一種の町おこしみたいなものかな? 笹かまぼこが名産、天河市のPRのために生み出されたのがササエル。キャラクターのデザインは姉、日和子によるものなのか。ともあれ、その姉のからみでコスプレさせられることになるというんだけど、あんなに嫌がってたのに、とりあえず一万円でころっと受け入れてしまうのか……。

よく考えるんだ小依よ。その一万円は手付なのか、日当なのか、そのあたりきちんと確認するんだ。それからお金を即ガチャ換算するんじゃない。ガチャは悪い文明だぞ……。

最初はしぶしぶだった小依が、ちびっことコミュニケーションしているうちになんだかノリにノッてきて、楽しくなって、その気になっちゃうのが面白い。うん、こういうことってあると思う。なんかね、テンションあがってきたら最初の恥ずかしさとかすっとんじゃってというの。ただ小依はちょっと暴れすぎちゃって、危ないところでしたね。

なんだかんだいって今後もササエルを演じることになりそうな小依。この金銭感覚の無謀? これは若さなのかあるいはただこの子特有の暴挙なのか。堅実そうに見せていろいろ身を滅ぼすタイプ、そんなにおいがしますよ。

『この恋愛は非実在?』

MMORPGを通じた出会いを描くこの漫画。長く続けているものと初心者で、まるで感覚が違うというのが面白かったですよ。それが描かれたのは終盤も終盤。操作さえおぼつかない初心者を助けてみたら、ぐいぐいこられて、好きになった、つきあってほしいといわれて、いったいこれはどうしたことか!?

ゲーム外での知り合いっぽいんです、その初心者さん。しかし当の天野りくはその事実をまだ知らない。なので、天野視点からすれば、ちょっと親切にしたらつきまといに発展しかねない勢いで距離詰めてこられた! そりゃ当惑しますわな。加えてサブ垢疑惑に出会い目的なのでは云々と、さらに疑いは深まって、いや天野のリスク感、これもよくわかるんですよ。

ただ純粋にゲームを楽しめる時期はとうに過ぎてしまっていたんだね、天野くん。それこそ変な罠みたいなのだったらどうしよう。などなど、りくに告白した眼鏡のお姉さんからしたらただただ出会って一緒に遊べて楽しくて、これこそがチャンス! みたいな勢いでやっちゃったことだけど、前提となる知識、情報、もろもろが違ってるからほんと現状かみあってないというのが面白かったです。

でも実際、これりくの立場だったら、ちょっとこわいよなあ。そのビビる気持ち、めちゃくちゃよくわかります。

『本当にまおうサマ』

なんか普通に魔王と同居してるところから話がはじまってるんですが、いや、まあ、話がはやいといえば悪いこっちゃないです。導入でもたもたするくらいなら、これくらいすぱっと状況作っちゃうくらいの方がむしろ効果的ともいえる。実際、魔王といいながらも実力に欠けるマーヤと、普通の人間ののかとの同居コメディ、それをこの1話でひととおり展開して見せようというなら、導入に紙数を割くより、いきなり最初の4コマで必要な情報全部出して状況説明終わらせるのは大正解だったと思います。

魔王マーヤとののかの関係性、圧倒的にののか優位なのは、家主だからなのか、マーヤが居候だからなのか、マーヤがやたら弱いからなのか、ののかの肝が太いからなのか。そうした疑問もじわじわ湧いてくるんですが、どうも全部っぽいな……。それなりに魔法は使えるけれど、どれもあんまり効果的でないマーヤ。なにかやれば部屋が汚れたり壁に穴開いたりと、そのたびにののかにえらいこと怒られるわけだけれど、まあののかが怒るのも当たり前だよなあ!

奔放な魔王。むしろその子供っぽいふるまいに手を焼かされるののかお母さんってな感じですよね。なるほど母親のそれと考えれば、ののかの一種大雑把な感じ。それにも納得いきますね!

2021年6月28日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年8月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年8月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんがものすごいいい顔して素麺食べておりますよ。今月の表紙、テーマは素麺ですね。『らいか・デイズ』らいかは流し素麺機使ってひとり流し素麺を楽しんでいます。『小森さんは断れない!』は、しゅりと大谷君、ふたりで素麺食べて、その様子、仲のよさに溢れていますね。

今月は新規ゲストが2本です。

『おだまき君の道草ごはん』

学年1位をとれないのは苧環有利がいるから。それはおだまき君が悪いんじゃなくて、彼を超えられないあなたがいけないのではなくって? とか思ったりしちゃったけど、別に恨みに思ったりはしてないっぽい?

主人公、穂高小麦。おだまきのこと、うとましく思いながらも邪魔しようとか妨害しようとか、そういうつもりはないらしい。むしろ弱味を握ってテスト必勝法を聞き出してやるとか、手段こそは間違ってるようにも思うけど、コツ掴んでちゃんと勉強して勝つつもりでいるんだな。言動こそは不穏なのにその根本は正攻法っていうのが、小麦という人の根っから悪いわけじゃないというの物語っていていい感じなんですよね。

おだまきの後をつけていってからのやりとりも、草積んで食べてるおだまき見て、いじめられたりしてるんじゃないかって心配してくれるでしょう? ほんといいやつ。時に素直、時に面倒見のよい、そうした表情がぽろりと出てくるのが好感持ててとてもいい感触でした。

しかし小麦、本当にチョロい。もう普通に素直で真面目な善良キャラでいったらいかんのか!? ほんと、そう思っちゃうほど本質がいいやつなんですね。

『涼子と団地な人々』

めちゃくちゃ面白いですね。転校してきたのは見た目から敬遠されがちな女の子、夏川涼子。転校の挨拶をするも、皆からの注目集めて緊張しちゃって真っ赤になって、でもその様子を怒ったと思われてしまう。うん、ちょっと不憫だ!

この小学校は近くにある団地の子が多いみたいですね。どの号棟に越してきたのかとか聞かれて、なるほど団地住まいが一般的だった頃のお話。冒頭のキャプションには20年前ってありますが、2000年前後ってそんな感じだったのかな? むしろ団地全盛期ってさらに昔の昭和の時分って印象があります。

あんまりにコミュニケーションが苦手だから誤解されてクラスの誰も近づかなくなっちゃって。と、そんな涼子に声をかけてくれたのが秋月まこと。ちんまりした女の子。優しい、クール、知的な感じという涼子の評に反して、実はめっちゃワイルドやん! 遊びにいかないかって誘うその遊びが、近所の酒屋のおっちゃんにちょっかいかけるっていうの、しかも普段からやりすぎて殴られるレベルでやらかしてるのん!? すごいわ。うん、これは平成の物語ではない。昭和や。昭和のにおいがする!

初見でとっつきにくいと思わせて実際はそんなことない普通の子、おとなしいかと思ったらえらい無茶するやんちゃな子、こうしたキャラの個性が生き生きとしてよく動いていたのがよかったです。というか、まことにすっかりしてやられた感がある。ほんと、思いもしないもの見せられて、このびっくり、涼子も同じように感じたのかもな、みたいな共感。そういうところもよかったのかもです。

『おしかけツインテール』

うわー、台風かあ。もう最近は台風がどんどん大きくなって、数年前に関西に上陸してめちゃくちゃにしていったやつがあったでしょう。もうこりごり。毎年夏になると憂鬱でしかたがないんですよ。だから、台風上陸にそなえて雨戸を閉て切って、必要なものも買い出ししてきてと、こういう準備の情景見せられても、嵐の前の若干興奮のいりまじった感覚、なんてものはもう微塵もなくて、怖いわあ、かなんわあ、台風もその備えもほんと大変よなあ、なにごともなかったらええなあ。そうした気持ちでいっぱいになってしまいます。

この漫画では、あいかわらず八重さんがゆるい感じで、お酒買い出しにいっては怒られて、ビールを飲もうとしては白い目で見られてとやってますけど、でも台風の中出勤させる会社についての深くシビアで冷徹そのものの感情。わかる、わかるわ……。ほんと、八重さんは正しい……。

低気圧のせいで頭痛のする花梨。よっぽどみたいですね。はやく寝ることにするんですが、寝つけないこの子のもとにやってきた迷い猫。ずっと姿を見せずにいたこの子が、こうしてつらい思いしてる花梨に寄り添ってくれるところなど、親切にしてくれた花梨へのお礼かな? なんて思われて、ほのぼのと心地のいい読後感残してくれました。

あ、八重さんの絶望、それもよくわかります。風邪をひいたら休む。台風の日も休む。前後数日休む。それが常識になってほしいものだと思います。

『となりのフィギュア原型師』

工房の洗濯、半藤が一手に担っているのか。女性もいるのに信用されてるんだ半藤、とか思ってたら、スクール水着が出てきて驚きですよ。そうか、一応配慮はされてるんだ。普段はこの手の洗濯物はまざらないようになってるんですね。

この物品、持ち込んだのは飯塚。混入されたのははぐちゃん。えらい職場だな。代表の名前が書かれてたせいで風評被害が生じてますやんか。

はぐちゃんのいたずら、いったいなにが目的かと思ったら、半藤に代表のこと意識させるキャンペーンの一環みたいですよ。実際、ここからの派生で半藤から代表かわいい発言を引き出してみせて、やるのうはぐちゃん。いや、これたまたまっぽいな!?

今回の話、ものにつける名前がテーマなんですね。自分のものには名前を書きましょう、という話じゃなくて、自分の持ち物、道具やなんかに愛称つけちゃうって話。学生の頃、楽器に名前をつけるみたいな話が一部で流行したりしましたが、自分の周辺ではついぞ定番化することはありませんでした。この場合のあだ名っていうの、代表がやってるみたいな、スパチュラをスパチュ郎と呼んだり、集塵ブースを吸う蔵、椅子をいす男、電気スタンドを電気マン、って、わりと一貫性がないな……。ともあれ、そういうの。

代表みたいに、そのものの名前から発想されるパターンがあれば、はぐみたくミュージシャンやムービースター由来のつけるとか、ほんと、人それぞれなんだなあ。自分も頑張ってつけてみたりしたけど、結局は製品名とかモデル名に落着しちゃいますね。その点、代表のグラインドマスターIIIとか、半藤の家人と同じタイプです。いや、ちゃんづけはしないか。

半藤の持ち物に名前をつけようというくだりで、またはぐの、半藤に代表を意識させようキャンペーンが発動したりしてね、あらゆる物品がこるりになった……。ここでのはぐの倒錯具合、かつてここまでこの人がいろいろアレな部分をあらわにしたことがあったろうか!? いや、わりとあったかも知れん……。ともあれ、代表からのおしおきに目覚めそうになったりと、これ、なんなんだ、サービスカットなのか? なんかこれはこれであかんもん見せられてる気がするんだけど!?

愛用品にあだ名つけたりするよね? しない? みたいなあるある話かと思わせて、ものすごくカオスな方向に突き進んでしまった今回。ほんと、はぐちゃんの明日はどっちなのか。思った以上にいろいろ屈折させてる子ですね、はぐちゃん。

2021年6月27日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号、昨日の続きです。

『ねことちよ』

急な雨に降られてしまった4人。体を冷やしちゃいけないからとお風呂に入って、そして夕飯はちょっと楽して出前をとりましょう。お寿司でも頼みましょうか、ちよが提案したらば、俄然目の色変えてくる3人がめちゃくちゃ面白かったです。というか、ふみがここまでテンションあげてきたことってあったろうか!? いや、わりとあったわ……。

今回はふみの意外な側面、たくさん描かれていましたね。実はかなりゲームやりこんでるとかね、それからお寿司、そんなに好きなの!? あのエビ食べてる時の表情! 目! めちゃくちゃ面白い。よっぽどだったんだろうなあ。

ねこはいくらとサーモンが好きな模様。あ、どっちも鮭じゃんか。子供は玉子とかかっぱ巻き食べとけってまきがいってますけど、昔、サーモンが寿司ネタになかったころは、子供の食べるのは玉子と相場が決まってたような気がします。いや、そんなに寿司を食べてたわけじゃないから、知らんっちゃあ知らんのですが。

みんなでお寿司食べて、夜も更けてきたらねこを寝かせないといけない、川の字に並んで、ひとり多いけど、そうして寝てる様子が楽しそうで、ほんといい情景でした。地味にふみがちよの布団を堪能してたりと微妙にヤバいんですけど、そういうのも含め、皆にとって楽しい、なんかちょっと特別な感じのする一日だったみたいですね。その心の浮き立つような感じが伝わって、こちらも心が踊るようでした。

『さよなら幽霊ちゃん』

校内で世話をしていた猫、サチを探してほしい。依頼を受けて探したものの、時すでに遅し、サチは死んでしまっていたのでした。

サチの探索を請け負うようにうながしたのは幽霊ちゃんでした。これ、最初から全部わかっていたんですね。霊になったサチがこの部室にやってきて、自分の居場所も知らせてくれていて、すべてを察した幽霊ちゃんがサチの最後の願いをかなえようと動いてくれた。

この迷い猫のエピソード。頼み事を持ち込んだのが漫研の城田先輩。以前とうこが所属していた部の先輩だったわけですが、退部届も出さないままに部に出なくなってしまったとうこのこと、気にしてくれていたんですね。先輩ぶろうとした結果とうこを追いやるハメになってしまった。その後悔と詫びたい気持ちを抱えて、あえてとうこのいるこの部へ依頼をしにやってきたというんですね。

この漫画、どこか気鬱な影があって、どこか不穏な陰りもあって、でも同時に、くすんだ気持ちを慰撫しようとする、そんな優しさもあるように思うのです。今回などはまさしくその典型ともいえるもので、逃げ出してしまった負い目で部にも出られない、先輩と顔もあわせられなくなったとうこの重荷と、後輩をそんな目にあわせてしまった軽率を悔いる先輩と、両者の気持ちのとどこおりが同時に晴らされる顛末は読むだによかったなあと思わずにはおられないものがあって心に沁みました。

人の思いを知るということ、そしてその思いに応えようと動いたこと。その瞬間の気持ちが一度に動き出す様は一種衝動的でもあり、発火するかのような鮮烈さが心を奪っていきました。そして続く、ふたりの心残りが解けやわらいでいく様。言葉少なに物語られる心の機微は静かで穏やかで、豊かで雄弁でした。

2021年6月26日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号、昨日の続きです。

『観音寺睡蓮の苦悩』

四葉の専属メイド、鈴蘭姉妹。蘭がいつもつけているブレスレットがなくなってしまった! 皆で総出で探すことになるのですが、四葉もちゃんと動くところ、姉妹のこと大切に思っていることがわかるようで実によかったです。

さらによかったの、このブレスレットの由来、睡蓮の介入がきっかけで語られることになるのですが、もともと四葉から贈られたものだったんですね。四葉が小三の頃、メイドとして雇われたのが小学2年生の鈴と蘭。ん? 児童労働なのでは? はいいとして、いろいろまだまだ至らないこの子たちをはげまし、ねぎらうためのプレゼント、それが件のブレスレット。メイドの証なのだそうですが、こうしたところにも四葉の気づかいや人を思う気持ちが見え隠れして、ほんとこの子、いい子だよなあ。

登場した頃は、もう見事に悪役ポジションだったと思うのですが、なんだかんだいってチョロいし、こうして睡蓮とも仲良くしてね、自分のそばにいてくれる人のことも大切にしてと、もしかしたらこの漫画随一の人格者なのでは!? ちょっと誤解されやすいだけで。なんて思ったりして、今回もトラブルの原因が四葉本人だったりしたけれど、誰も不幸にすることなく、きれいに問題解決、というか根本の問題が消滅してめでたしめでたし。

こうしたところにも四葉の人徳見えていたように思うのですね。

『巴マミの平凡な日常』

マミさん、テレビを新調します。今使ってるテレビは10年もの。ベゼルがでかくて、画面が小さい。それを評して晩白柚。この発想、めちゃくちゃ面白かった。確かに晩白柚はベゼルが大きいわ!

マミさん、50インチにチャレンジされるみたいだけど、50インチってめちゃくちゃ大きくない!? 今どきはこれくらいで普通なんかな。でも、広々としたリビングならともかく、テレビ、こたつ、マミさん、みたいな距離感じゃデカすぎない!? いやもう圧倒する存在感になりそうですよ。

一口にテレビといってもピンからキリまであって、価格差も相当なもの。いったいなにが違うのか、その迷うところなんかも共感されるところでありますよ。普段の自分の視聴スタイル、それに応じたものを選ぶことになるわけですけど、店員さんの解説聞けば、ゲームモニタとして使う自分はふたつ目のモデルあたりを選ぶことになるわけか。対しマミさんはゲームとかしないから、リフレッシュレートとか考える必要がない。ああ、嫌味とかじゃなく、変にこだわりとか持たないってことはこんなに楽なのか、消去法でどんどん絞り込んでいって低廉なモデルに落ち着けるんだ。

こればかりはちょっと羨ましいと感じてしまいました。

でもってテレビの接続のくだり。クインテットに丸投げしてましたけど、電源とアンテナの同軸繋ぐだけなのでは!? ほんと、この世界線のマミさんは、できないんじゃなくて、ものぐさが災いしてやらない、だからできない。説明だってちゃんと聞かないし、そのせいで損してるしと、あちらこちらに残念感が満ち満ちて、けれどそれが愛嬌になってますよね。

2021年6月25日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号、昨日の続きです。

『スローループ』

『スローループ』は面白くてタメになる漫画。今回は、以前に告知されていたとおり、大晦日のタイイング会が開かれました。楓の獲ったキジのコンプリートスキン。これを資材にしてフライを巻いていくっていうんですが、鳥一羽分材料があるものだから、いろいろやってみよう、オリジナルフライに挑戦してみようという流れができたのが実にいい。自然フライの基礎を解説しつつ、独自性を盛り込んでいけるポイントも示されることとなって、いやあ実にタメになりました。

いや、自分がフライを作ることはこの先一生一度もないだろうと思うのですけども。

恋先生のフライ講座、これが面白くて、クールな印象のある子がね、なんかノリよく授業はじめちゃう、その絵面からが面白くて、それになりよりなにかに詳しい人っていうのは魅力的だ。ただだらだらと情報を流してくるんじゃなくて、適宜ポイントを作りながら、ここという要点を見せていくのが実にいい。ほんと、実に面白かったです。

いくつか気になったポイントもありまして、漫画の感想じゃもうなくなっちゃいますが、ニンフを作る時に鉛のワイヤを使ったでしょう。最近は鉛による水汚染が問題になっていて、散弾とかも鉛使わなくなっていったりしてるわけですが、釣りの資材では大丈夫なんでしょうか。毛鉤も魚にとられたり、あるいは根がかりしたりして、どうしても回収しきれない時があると思うんですよね。と、そういや錘が鉛だったりしたな。このあたりどうなんだろう。後でちょっと調べてみよう。

と、こんな具合に与えられた情報が次の興味を引き出していく。それは、それだけもとの情報提示が魅力的だったからだと思うのですね。

ところで、恋の父上、狙いの魚がかからなくてがっかりしながら帰ってくるの、7年もぼうずなの? って双子のぼうずにいわれてますが、七年ぼうずっていうと海に出る妖怪じみてきますよね。それから恋の母上、ほんとよく似てらっしゃる!

今回はフライづくりあり、蕎麦づくりありと、見どころいっぱい、とても楽しい回でした。

『球詠』

前回に続き、深谷東方戦が描かれて、どんどん調子をあげていく松岡。試合は見事に投手戦の様相を見せ、けれどその戦いの果てに松岡と光、ふたりが互いを知り、認めあっていくように感じられた。その様子が本当に素晴しくて、スポーツを通じ育まれていく感情、友情なのか相互理解なのか、とてもよいなあと思っていたんですね。

でも、ずっと気にかかっていたのが今回のサブタイトル、「気づいてあげられなかった」。光に不調でもあったのか、どこか故障などあったりしたのか。みたいなこと気にしながら読み進めていたのですが、これがまさかヨミのこととは最後の最後まで思わず、でもって終盤に描かれた咲桜戦での鬼気迫るヨミの姿。これまで見せていた、どこかのんびりと、なにより野球を楽しむ姿とはまるで違う、魂を削るかのような渾身の投球。敵意さえ感じさせるその様子に驚かされてしまって、いったいなにごと!? なにがあった、どうしてここまで!? 当惑しないではおられなかった。

これについては次回以降に語られるのでしょうが、ほんと、予想もしない展開に茫然とする思いです。

『ちょっといっぱい!』

ちゆりの送別会。店にやってきたちゆりを迎えるはお店のスタッフ一同。たくさんの料理、そして飾り付け。もう見事なサプライズで、さらに渾身の寄せ書きまで。

これね、寄せ書きをただそのまま渡すのではなく、酔っ払い、ええと、花園の飛び入り追記を経た後に渡されることとなったの、すごく大きかったと思う。寄せ書きがある、思いの丈を込めました。けれどその披露は花園の介入で先延ばしにされて、その間、なぜちゆりがここで働くこととなったのか、ここでなにを経験し変わってこられたのか、そうした話をする余地が生まれた。

この余地が場を温めて、寄せ書きに込められた思いの数々、それをばっと広げふくらませるための助走となったのだと思うのですね。

いやもう、あの寄せ書き、それを見せられただけで感動的だと思いました。皆にとってちゆりがどれだけかけがえのない存在であったか、その感情が一度に押し寄せるようで、ああ、本当にひとつの節目だなあ。ちゆりの卒業は寂しいけれど、でもいい送別会になったなあ。

などと思ってたら、まだこの上に思いは重ねられて、送別会ではずっと明るく振る舞っていた真澄の本心、それは皆の帰った後、店長を前にしてはじめて明らかにされるのですね。ああ、ずっと我慢してきた、こらえてきた思いの一度に溢れるその様は、胸苦しさ感じさせるまでに深くしめやかで、ああ寂しいね、悲しいねと、ともに思わずにはおられないものでありました。

2021年6月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年8月号、発売されました。表紙は『マギア・レコード』、この夏にTVアニメ2ndシーズン放送との告知がされていますよ。いろはが向きあうアンティークな鏡、そこに映る姿は首枷をつけられたさなという、意味深なイラストであります。どことなく不穏で、庇護欲をかきたてるかのような雰囲気ある表紙。いろはにさな、ふたりのこちらに向ける視線のその意味するところなど、つい思いをいたす、そうしたニュアンスに満ちています。

今月は新連載が1本、新規ゲストが1本です。

『すぱいしーでいず!』

家庭の事情で、急遽伊豆大島に移住することとなった芦屋すてら。突然の引っ越し、右も左もわからない島での暮らしのはじまろうというその日、出会ったのは可愛いものが大好きという女の子、佐々木あい。ぐいぐい押してくるあいに、人づきあいの苦手なすてらはもうあっぷあっぷしちゃって、逃げるようにその場を離れてしまう。

けれど、この子、あいとその友達、田端なつみと湯ノ原こずえ。その三人とじきに再会することになるんですね。

お腹がすいてふらりと入ったお店。食堂? 雰囲気ある外見に、おしゃれでかわいい内装。そしてそこで働くあいたち三人。この店、オープンを間近に控えたカレー屋。しかもちょっと凝ったものを出します。今日のメニューはバターチキンカレー。辛いのが苦手なこずえにも安心なやさしい甘さ。隠し味のカリメスティ? ええ、不安だった島での暮らし、その展望がこの出会いを通じて一度に転換、知りあった子らと友達にもなれて、世界が広がった、そんな感触が印象的でした。

カレーのレシピがしっかりきっちり紹介されるのもいいですね。当たり前みたいにタンドールが出てくるんですが、いやいや、ないから! オーブンでもOKだそうですけど、いやいや本格的。でも食べてみれば親しみある味なのかな? 食へのチャレンジ、興味など、こうした魅力も一味添えていましたよ。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

おお、こいつは悪くないですよ。学内屈指のお嬢様、美都と、ちょっとはみ出しもの? ちょい悪な見た目の女の子、甘奈が共有した秘密。大食がっつり肉が大好きな美都に、甘いもの、かわいいものに目がない甘奈。誰かに知られるわけにはいかないと、隣町まで遠征していたというのに、偶然ばったり出喰わしてしまってさあ大変。

でも、ここで取り引きを持ち掛けるの、美都からなんですね。学校ではふんわりやわらか、おとなしく優等生を演じているこの子の本質みたいなのがここからもうにじみ出ていたように感じられて、いいですね、ちょっとしたたか女子。でもってここから食を通じてどんどん接近していくふたりの様子がコンパクトに描かれるでしょう。これがもうチャーミングで、いいですね。というか、あんまりにたくさん食べる美都に甘奈がひいている。うん、ギャップという点では美都の圧勝ですよね。

この漫画のタイトル、Sugar Meats Girlを修正してSugar Meets Girlにしてるの、なるほど、砂糖、肉、女の子という意味を響きに持たせてるんだ。さらにいえば佐藤甘奈に美都という名前も、甘い砂糖にミート、すなわち肉ですもんね。いやはや徹底しています。

そんな美都の弱味というか弱点というか、この食べ歩きを父には知られたくなかったんですね。厳格な父。私自身よりも世間体ばかり気にしている。そうした父とのわだかまり。ずっと自分の思いを告げることのできずにいた美都が、甘奈との食べ歩きを父に知られたその時、自分を庇おうとしてくれた甘奈の誤解を解こうと、自分の思いをはっきり言葉にしたんですね。

ここからの家族の和解。これまで美都の思い悩んできたことは取り越し苦労だったというところに落ちついて、急転直下、めでたしめでたし。むしろたくさんのギャップを抱えていた母の秘密が明らかになったりと、コメディとしての面白さ、深刻をきれいに払ってすっきり気持ちよく読み終えられる、そんなよさがありました。

2021年6月23日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、昨日の続きです。

『のむラリアット!』

星がみるくから突きつけられた課題。ありすとの対話を通じて、しっかり答を出してきましたね。星がプロレス部に入るにいたった経緯から、そこで自分の目指そうとしてきたこと。チームのために戦いたいと思った自分の気持ちを出発点に、みるくの気持ちにまで思いを押し広げていくくだり。ありすのアシストも見事。そしてこの後の星の行動も、もう本当に素晴しかった。

タッグを組みながらも、チームではなかった。その問題を解決するために、みるくを実家の中華料理屋に招いた星。そこからの対話は本当に真摯そのもので、ああ、もうふたりは大丈夫ですね。もうすっかり安心して、これはありすや先輩たちも同様っぽいんですけど、いやいや、青井先輩はご自身の課題が残ってますよ!?

ともあれ、心配を払拭してくれた今回。星、みるくペアにどんと弾みのつくのではないかという期待に胸震えますね。

『いのち短し善せよ乙女』

今回の一日一善アイテムはサイコロ。ということで、デモニカが危険なすごろくで勝負を仕掛けてくるんですが、デモニカ、自分には向いてない系のゲームでよく挑む気になったよね!?

停まったマス目に書かれた課題、それをクリアしないと死ぬ! やべえ。『ジュマンジ』とか、それ系のヤバい盤ゲームじゃねえか。でもってデモニカ、自身が背負うリスクについて、まるで考えてなかったのか! ほんと、この人は刺客に向いてません。

この盤ゲーム、課題というの基本誰かに親切をするというのですが、なんで悪魔の持ち物が善行系ゲームなのだろう? その謎が最後にちゃんと判明するのもよかったんですけど、そうかあ! ルシファーの父ちゃん、神様なんかー! でもってルシファーがグレて堕天するにいたった原因がこのゲーム。おお、神様も業が深いなあ……。

今回は乙女が自分自身を省みる、そんな回でもありましたね。生き返るために善行を積んでいる。でもこの子が善行を積むのは決して自分のためだけじゃない。そうしたことのよく見えた回でもありました。ほんと、乙女、いい子です。

『六条さんのアトリビュート』

このみのピンチ? アパートにひとり暮らししているこのみ。けれど、母親の介入が発生、悪くするとひとり暮らしの許可を取り消されてしまうかも! というのも、このみの誤魔化し力の弱さがため。誰かとの同居を疑われて、とっさに気のきいた切り替えしできなくて、パニックになって、誤解を招くような行動とってしまった。

とはいえ、ユーレイとの同居とかいったら、さらに怒りを招きそう。うん、ちょっとこの状況、このみにとって不利ですね。

でも、この冒頭の状況だけだとね、下手を打ったのはこのみで、むしろお母さんの心配もわかるよなあ、そんな感じでいたんですけどね、読み進んでいくとヤバいの。このみの母、めちゃくちゃヤバい。

過干渉ないしは支配的な母親? まさか修学旅行にまでついてくるん!? ヤバい。今回のエピソード、そこかしこから漂うヤバさ、なんかこれまでの比ではないな。六条さんもなんかアドバイスしてくれてるけどさ、このみがあそこまで追い込まれるの、パニックに陥ってまったくといっていいほどコミュニケーションとれなくなってしまうの、それもこれまでの母娘関係あってのことかも知れない。

そもそもちゃんと対話の成立する母なんだろうか……。

いやもうめちゃくちゃ不安を煽ってくるエピソードでしたよ。で、終盤、母に自分の置かれている状況を説明しようとつとめるこのみなんですけど、またもや誤解を招くような意味深ないいかたしちゃって、おおまい、ここからどうやってリカバーしていくんだろう。いやもう本当に不安しかない。とりあえず母ちゃん来襲、どんな母ちゃんがくるのか、ちゃんとこのみは今の生活を守れるのか、ハラハラしながら待つことになりました。

2021年6月22日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、一昨日の続きです。

『エンとゆかり』

ああ、終わっちゃったよー。まだまだこれから面白くなりそうみたいに思ってたところでの終了。ショック! なんだけど、剣の能力を失ったエンは王都に残るし、そしてゆかりたちの駆け出し組と一緒にパーティ組んで、簡単なクエストこなしてるのがね、無理なく自分たちのペースで歩んでいく彼女らのテンポ感を表して、よかったなあって思ったんですね。

思えば、ゆかりは全然そんなに才能にめぐまれてるわけでもないし、伝説のなんとかみたいなバックグラウンドあるわけでもないし、でもなんだかエンとの縁でやたら大変な目にあってきてたよなーって思い出されて、鍵の魔物とか相当だったじゃないですか。

でもこうしてピンチを何度も生き延びてきて、そこにはエンの不思議な能力があって、でも今は自分たちの力量に応じた活動できていて、そうした波瀾万丈ものんびりマイペースもとても楽しかった。この子たちの続く旅路、明かされることのなかった謎なんかもね、全部まとめて好きでした。

『ななどなどなど』

わーお、小町ちゃんもななども、社会生活送るに必要な知識量、ほぼゼロなんですか。

ばあやさんのお暇で明かされるふたりの駄目さ。ばあやさんの運転がなくなるので、学校へはバスでいかねばなりません。でもそこで、バスの乗り方知らないとか、そもそも路線という概念からがなかったとか、もう予想を何段階にも超えてきましたよね。でもまあ、朝丘雪路の逸話もあります。小町ちゃんが公共交通使えないのは、なんもおかしくないのかもなあ。でも小町ちゃんは通貨や支払いの概念知ってるだけ、随分しっかりしてるものだと思いますよ。

初日のバス、のっけからビビりまくってる小町ちゃんと、ずっとわくわくしてるななどと、このふたりの対照、すごくよかった。でもね、このなにに対しても好奇心いっぱいで、チャレンジしようって気持ちにあふれかえってるななどが、二日目のタクシーチャレンジ失敗でげっそり。さらに翌日の自転車チャレンジでボロボロ。ほんと、ふたりともどれほどに打たれ弱いのか。というか、ななどはネットに接続して情報収集とか、そういうのできてませんでしたか!? いやほんと、今回の一連のできごと、小町ちゃんよりななどの方がダメージ深刻だったの、すごく意外でびっくりでした。

これきっと、マイナススタートの小町ちゃんと、プラスからスタートして挫折したななど、その差なんだろうなあ。

しかし今回のトラブル。もともとは小町ちゃんの発言にあったんですね。知らない人がくるのは嫌! 自分たちでなんとかするから、って無理な約束しちゃったんかあ。これ、つまるところ小町のななどへの信頼の現れか。あるいは状況を甘く見ていたか……。両方の気がしますよね。

『ちなはきょうも幸福です。』

貧乏神のカガシと福の神のチロノタ、ふたりの神様と御縁ができてしまったちな。この神様がふたりして、ちなのこと幸福にするっていって、勝負なんですけど、なぜチロノタはこんなにもカガリに強く当たるのかと思ったら、貧乏神が福の神を騙るのが面白くなかったんだ。チロノタちゃん、プライドが高いんだな。

それだけにといったらいいのかな、ちなの口にした望み、私と友達になってほしいっていうのにダメージ受けるチロノタが面白かった。そうかー、友達と思ってましたかー。この気持ちの一方通行。悲しいよね。うん、自分もたまにやらかす。口は災いのもと。ちなさん、一緒に反省しましょう。

今回の対決を通じて、いろんなことわかってきましたね。チロノタが一緒にいるとカガシのもたらす不幸やちな本人の不運を中和できるとか、カガシに福の神になれる可能性が示されるとか。そしてちなの身を第一に案じるカガシの気持ちや、カガシのためになれるかも知れないことを喜ぶちな。そのふたりともに互いを思いやり、その気持ちを大切にしようとする様子、大変よかったですよ。

2021年6月21日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年6月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、一昨日の続きです。

『今日の授業は恋愛です!』

こみねが中間テストに向けて勉強に打ち込んでいます。天才だから飛び級してきたんじゃないんだ! 確かに他の子よりも優秀だったかも知れないけれど、それ以上に努力努力勉強勉強、その積み重ねでもってここまできたっていうんですね。

ある意味、現実的だ! みたいに思ったんですけど、いや実際、漫画の飛び級キャラとしてはめずらしいタイプかも。でも、こうやって努力する姿、なんでも簡単楽勝とかじゃなく、やるべきことをしっかりやりきろうとするその姿勢。ただただ頭が下がります。

今回は、そんなこみねの休養、労いも兼ねて、皆で街に繰り出します。そこで発覚する、さがりのダサセンス。うん、この子はやっぱりこれでこそだと思う。ほら、こないだのMPD☆Vで語られてた制服の着こなしの話。さがりは基本標準のままというの、おしゃれとかそういうのなんも考えてないからよねって思ってたんですが、まさにその答あわせができた気がします。

皆で、というかなとせの力でさがりフルコーディネート。さがりさんからさがりちゃんになった! ちょっとまだ服が身にあってない感があるの、それもまた可愛い感があります。

今回描かれたこみねのプライベート。母とのふたり暮らし。家のことや家業の和菓子屋の仕事も手伝い、そして勉強にも手を抜かない。そうした頑張る姿に、家族のことを思っている気持ちのまっすぐに現れてくるところ、本当によかったと思います。基本感情が素直に出る子というのもあるでしょう。気ぐるみ脱いだ時の笑顔とか、ああ、さがりに会えたの嬉しかったんだなあ! ってわかる。さがりがお店で買い物してくれたこともね、それから自分のためにお菓子を贈ってくれたこともね、本当、喜びがストレートで、いい子だよねえ。

なんだろう、頑張りすぎてるきらいもある子です。ついつい見守り気分になっちゃいますね。

『ぬるめた』

わーお、麻雀回だよ。なんだか最近麻雀やってるのでタイムリーというか、今日、たまたま国士無双であがれました。いや、そんなことはどうでもいいや。

いつもの面々で麻雀やろうかという話になったんだけど、しゆきは麻雀のルールを知りません。ということで急遽呼び出されたこごめさん。おお、新メンバーですか? 追加戦士でありますか!?

最初、しゆきとこごめの見せた微妙な距離感に、なるほどふたりともに人づきあいが苦手というか、ぐいぐい自分からいくタイプではないんだなってのがわかる。あと、ふたりともにちあきたちのノリを変に誤解してるというか、そういうのが面白くって、でラストにあのどんでん返しでしょう? ええ、一気に距離感が変わるというか、気づいてびっくり、それまでどこか他人行儀で遠慮がちだったのが、もうすっかり大声だ! こういうの、なんかリアルだよねえ。

リアルといえば、しゆきの麻雀の理解、これもおかしかった。アニメや漫画から得た知識、それが妙に偏ってるってのが、ほんと、わかる、あるある、そんなリアル感。これもまた見せ方のうまさよなあ。

今回の麻雀の欄外ルール解説、これがざっくり大雑把で面白かったです。ふつうの技、テクい技、ヘンな技、ウマい技。ざっくりすぎる! でもまあ、麻雀の雰囲気をそれっぽく味わいながら漫画を読むには、これくらいざっくりしとるくらいでちょうどいいのかも知れません。だって、この漫画読んで麻雀に詳しくなる必要とか、まったくないもんな!

でもって、役満ばんばん出るの! これ積み込みを疑うよ!? でもほんと、麻雀ビギナーはよくわからないまま四暗刻であがりがちみたいな話ありますが、ポンを知ってるからこその字一色。引きが強いなあ! いやほんと、こうしたアクシデントみたいな麻雀、面白かったです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

桔香の悪役令嬢キャラ、不評なんだ! どうもクレームが出ているらしい。でも悪役のロールが迷惑とかじゃなくて、挙動不審が原因になってるの、うん、実にこの子らしいと思う。実際、悪役らしいことなんにもできてないもんな。むしろこの子のやってることって、気をつかったりへつらったりと、悪役でもなければ令嬢でもない! ほんと、無理しちゃあ駄目だよ、そんな気にさせられることばかりだものなあ。

今回も、委員長、副委員長からクレーム出てる件告げられて、しかも花瓶割ったのもあなたでしょう、あらぬ疑いまでかけられてと、わりと踏んだり蹴ったり。でも、それでもなんだかんだ前向きで、まあ結果は伴わないんですけども、土下座までしても結果は実らずさすがに落ち込んでしまうわけですけど、でも不機嫌撒き散らかしたり誰かに当たったりはしないじゃないですか。妙に卑屈になったとしても、泣いてる子がいたら助けになろうとしてくれる。桔香はそんな子!

うん、悪役じゃない。まあなんかいっていいとこ小悪党よね……。

しかし今回の重要人物、委員長に副委員長、ふたりともにまた個性強いよね。真面目すぎる委員長に、やたら厳しい副委員長。でも、まさか今回の活動を通じて、委員長が桔香のシモベになってくれるとは! というか、友達よね? しかも名前で呼びあう仲になって、うん、やっぱり友達よね? で、ここでまさか副委員長の嫉妬!?

この感情の暴発? いろいろしくじってる人がいっぱいって感じの展開、ほんとに面白くって、いやもう個性的が過ぎる、そんな子ばっかりなの。おかしいやら、それでいて可愛いやらと、その塩梅が見事です。

2021年6月19日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年6月18日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

うわわ、なんか重大な新事実が判明ですかい!?

つららの新メニュー、それを皆で試食するというのですが、やけに気合いの入ってる饗子、いったいいつから絶食してるというのだろう……。

雪女のつらら、この人のこだわり、すべての料理をひんやり冷たくというの、カレーにまで及ぶというのですか。でも、あれって油分が固まっておいしくなくなっちゃうよね? そう思ったら、伊織のアドバイス受けて、小麦粉やバターを使わないカレーを開発。こうした工夫、開発の努力、こりゃ妖怪とかなんとか関係なく面白い。そして伊織、つららの料理にまつわるエピソード、そこに睦子が関わっているというのがなんだかよくって、妖怪の皆のために奔走しているこの人の、知らず知らず与えている影響。妖怪の生き方、それを変えさせてきたんだなあ。人の社会で生きるという新しい可能性とともに、伊織にもつららにも、料理という新しい世界への目を開かせた。思えばこれまで睦子の関わってきた妖怪たちのエピソード。そこにも彼女の足跡がしっかりと残っていた、そんな感じでしたよね。

さて、ここで新事実ですよ。もうびっくりした。伊織、まだ小学生やったの!? ちょっと待って? 子供だっていわれてたのは覚えてるけど、そこまで小さいとは思ってなかった。社会勉強のため役所でアルバイト、というから高校生くらいなのかなって思ってた。いやあ、小学生をバイトで雇うの、妖怪だったら大丈夫なの!?

と、それだけでなく、睦子について、もしやという情報が開示されて、いやいや睦子とは明言はしていない。とはいえ、あのくしゃみ、書き文字の位置から、まさかの二口女!? いやいや、その後のつららたちとの会話でも、睦子の身の上に関わるニュアンス滲ませて、いやもう、これどうなんだろう。ミスリードなのか、あるいは本当にそうした可能性あるのかと、これ結構な宙ぶらりん状態に置かれた感あって、今後の展開に注目! なんですが、とりあえず今は伊織真実に動揺しています。

『瑠東さんには敵いません!』

和村ちゃん! 追試が確定! 対して瑠東はというと、見事な好成績。ほんと、和村ちゃん、出来がいいとは思ってなかったけど(酷い)、これほどとは……。平凡女子っぽいオーラから、平均かぎりぎり平均に届かないくらいのぼちぼちな出来を予想していたんですね。いやあ、予想を超えてきましたね! 悪い方向に!

きたる追試に向けて瑠東が勉強を教えてくれます! わりと無理矢理に。でもこうして教えてくれるの、ありがたいことだと思うよ。普段から復習ノートまとめて貸してくれたり、授業中もいろいろ助けてくれたりしてくれている。けど、むしろこれが悪いのかもよ。

学生の頃、ドイツ語の教師に他の学生に教えちゃいけないってしょっちゅういわれていたんです。なんで? その都度教えてあげた方がタメにならない? そう思ってたら、自分がちょくちょく教えてた連中、ことごとく不可とっちゃって、なんでや! ほんま、あれはショックだったわー。だからこそ、瑠東の気持ちはわかる気がします。君ら、ほんと、頑張れよ。

今回の瑠東のノリノリな様子、そうか、瑠東先生をやりたかったからなんだな。でもほんと和村の体たらく! 自分のことやで? 頑張って? とか思ってたら、瑠東の見つけた和村をその気にさせる方法! いやもうこれすごいな。瑠東だからこそできる技かも。自分がやったらなんかのハラスメントになっちゃうけど、瑠東さんなら大丈夫そうだ!

これ、瑠東にとっては和村にかまいまくれる、和村からしたら成績向上の成果を上げられる。Win-Winってこういうことかね!? ほんと、素晴しい指導法でした。和村にとっては屈辱かも知らんけど、とりあえず赤点常連から脱出するきっかけ、意気込みの向上に見事貢献しましたね。

『ホレンテ島の魔法使い』

うわー、これものすごいな。軽いものを動かす能力を持つかるて。その応用で鍵開けに成功していましたが、理解がすすめばどこまでも応用の範囲を広げていけると判明した今回。いやもう、尋常じゃないよこれ。

小さなものしか動かせない。機械式の錠なら鍵がなくとも開けられる。ならばその操作の対象を、砂にすれば自由に砂絵を描けるし、さらに小さなもの、分子に働きかけ運動エネルギーを加えてやれば熱だって発生させられる。

ずっと以前に読んだ小説RPGを下敷きにしたものなのですが、そこで語られる魔法の原理がまさしくこれでした。いわく、炎の魔法、冷気の魔法とは、分子に働きかけて生じさせた熱エネルギーを云々。ただ魔法というお約束で片付けるのではなく、その向こうにあるかも知れない原理を科学の装いでもって解説することで、ありえそうという確からしさを演出し想像させる、そんな魅力のある物語であったのですね。

ホレンテ島に関しては、これまでは島の伝承というロマン、魔法という夢物語の向こうに頑然と横たわる現実を描いては、強固にして崩せない日常の退屈さ、無常さを見せつけてくれていたわけですが、こと魔法の存在が明かされた今となってはまったく正反対に舵が切られて、ありきたりで退屈な日常、つまらない現実に隠されていた不思議、ロマン、夢の存在がこうも鮮やかに顔を覗かせてくるまでになって、いやそれどころかいよいよその存在感を強めてきて、あああれほど強固と感じられた現実が突き崩されるその瞬間を目撃した!

その実感、心が打ち震えるかのようで、いやもう鮮烈そのもの。素晴しい。今はこの一言に尽きます。

2021年6月17日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。雨の夜、ひとり傘の下、憂鬱? いやこれで平常運転かな? ちょっと憂いを帯びた表情、物思いする様子など感じさせてくれますね。雨、すなわち梅雨の季節にあわせてのイラストでしょうか。気取るでもなくポーズつけるわけでもなく、笑顔見せるでもなく、あくまでも普段どおりの後藤ひとり。その自然体がこの子のよさだと思うんですよね。というか、緊張すると逆方向に振り切れて、自然じゃなくなる……。ええ、自然体が一番ですよ。

今月は新規ゲストが4本です。

『農道のファッショニスタ』

これ、面白いですね。テンポがいい、わかりやすい、キャラクターがのびのび動いてる。

基本、3人が3人とも無茶ですよね。一緒に出掛けるつもりが、あまりの私服のダサさに悶絶、おでかけはとりやめになりました。いや、ダサいとはいわれてるけど、エキセントリックお嬢サクラコはTPOわきまえてないだけで、決してダサかったりはしないよな……。それに引き換え主役のナーコ、不良っぽいカオルコ、ふたりはきっちりダサかった。いや、カオルコの方がずっとマシか。過剰な装飾をいくつかオミットしたらなんとか戦えるところまで持っていけると思う。対してナーコはすごいよな。制服やと、ちゃんと可愛い子やのになあ。

この子たちのやりとり、わりと危険球投げあうような言動がおかしくて、そのテンポ感、次へ次へと読み進む推進力生み出して、とてもよかったです。さらに男女平等な校風パンチの絵面。こういうスパイシーさ感じさせるインパクトが、ぽんと放り込まれてきて、昔の漫画みたいだ! とか思ってたら最後にまたくるっていうね! いやもう面白かったです。あれは笑いました。

基本、シンプルなのがいいと思います。目的、わかりやすい。キャラクター、それぞれの役割が明確。そしてこの一話で動機づけから目標設定、そして挫折まで描いてみせたの。これがとてもよかったと思います。

『リリカお嬢様に振り回される!』

脚が不自由なお嬢様、リリカ。我が身さえも自由にならないままならなさがためか、あるいは両親にまるで興味を持たれていない、その寂しさゆえか、ワガママをいっては家政婦のユリを困らせる。とはいえ、底意地の悪さ、陰険陰湿みたいなのがないのはいい感じ。むしろ、かまってもらいたさ、あるいは愛されていることの確認行動みたいなのが目につく感じですね。

困らせるようなことをしても受け入れてもらえる、見捨てられない、その確認を繰り返すことで、満たされない気持ちを慰撫している。そうした感触があるのですね。

第一回は、そうしたリリカについての情報や彼女の置かれている環境を整理して、伝えてくれた。そうした印象が強かったです。実際に事件ないしが起こるのか、あるいはリリカに意識変革をもたらすようなきっかけないしができるのか、そうしたことは続くエピソードでもって語られていきそうですね。

『ユメル・マジカル・ボタニカル』

植物園で学芸員として働くシーのもとに突如現れた魔女を自称する少女ユメル。自分を助け、魔法を授けてくれた恩人セラとの再会を願い、託された奇妙な植物図鑑の植物を収集しようとしている。シーはその手伝いをすることになるというんですが、謎の植物をただ探せばいいというのではなく、いわば植物のキメラ、図鑑の絵を頼りに様々な植物からパーツを集め、それを魔法で合成していくことになるのですね。

舞台は植物園なだけに、必要となる素材には困らない。シーの知識で必要な植物を見繕い、その種を採取して魔法で促成栽培していくというのですが、その収集の段階で植物についての解説など入るというのですね。

ちょっと普通のガーデニングにはならなさそうなこの漫画。わりかし危険、それこそ自然の摂理に逆らい、生命の禁忌にさえ触れそうな、神をも畏れぬ所業の数々。でもまあ魔女だもんな、魔法だもんな。しかしこの魔物じみた植物を集めきった先に訪れるもの、それはいったいなんなのか。不安が少々まじるスタートでありますよ。

『いただきますは天使と一緒に。』

漫画家を志すゆり子のもとに現れた、ふたごの天使? めめちゃんとももちゃん。人の世界で迷ってしまった、お腹がすいたというので、食事の用意をしていたゆり子の部屋の戸を叩いたというのですが、もやしの焼肉のタレ炒めでもこんなにも喜んでくれたふたり。その様子に、疲れたゆり子も癒しを覚えている模様です。

しかしこの話、ちょっと不穏さはらんでいるのですか? ゆり子が撮ったふたりの写真。友人に送ったものの、その写真にはただもやしのせご飯が2膳写るのみ。あー、天使だから写真には写らないんかねー。とか思ってたけど、いやいや、ゆり子の幻覚とかそういうのんなの!? だって撮った写真を送る時、いやそもそもそれ以前に撮った時点で、どんな写りか確かめるよね。ということは、この無人の写真にゆり子は天使を見ているというのですか!

実在の天使も写真に写った天使もゆり子にしか見えない。あるいは、そもそもゆり子は存在しない天使を見ている。いずれにしてもゆり子の精神状態、心配されてしまうやつだ! 仮に前者だったとして、天使の存在をどうやって友人に信じさせる?

思った以上に剣呑なシチュエーションかも知れませんね、これ。とりあえずゆり子は強く生きてください。

2021年6月16日水曜日

Real VR Fishing

 どんなゲームを買っても結局は『Real VR Fishing』に戻ってきてしまう。『Myst』を買ったり『The Room VR』も買ったりと、視野を広げるべくいろいろ試してみたりしてはいるんですが、酔うとか気軽にちょっと遊んでぱっと終われないとか、そういう理由で結局はシンプルなゲームに戻ってきてしまうんですね。自分に向いてるのは単純なやつだと思うんです。『Pinball FX2 VR』、これは大当たりでした。ヘッドセットの電池が切れるまで遊び続けられる危険性があります。ですがここしばらくは釣りづくしでありまして、それはちょっとややこしい理由があったりします。

Apple Watchが原因なのですよ。Apple Watchのフィットネスアプリのバッジ、6月の月間チャレンジが問題となりました。

6月の1ヶ月をかけて21,500kcalを消費せよという課題を課せられてしまいましてね、1日あたり717kcal消費が目標です! とかいわれちゃって、そんな無茶な! 毎日そんなに運動ばっかりしてられないよ!

というわけで釣りの出番となりました。

Real VR Fishingはリールを使ったルアー釣りのゲームです。えーいと遠くまでキャストしたリールを、くるくる巻きとっていく。その巻きとり動作がですね、Apple Watchからしたら室内ウォーキングと判定されるらしく、遊んでいるとそれなりのカロリーを消費するんですね。実際にはどうかはわかりませんよ? でも誤認だろうとなんだろうと、時計がそう判断することが重要です。ええ、日常の動作と日課の『Fit Boxing』、これに釣りゲームでのカロリー消費を加えることで目標となる1日720kcalを達成しようとしているのです。

毎日そんなにルアーをくるくるしとって飽きてこない? そう思われるかも知れませんが、これが意外や飽きないんですよ。むしろ巻けば巻くほど面白くなってくる。最初は感じとれなかった引きの感触とか、そういうのがだんだんわかってくるようになってきて、リールに伝わる重さからかかった魚種を推し量ったりと、楽しみの幅がだんだん広がってきているように感じます。

公開されているロードマップによると、今年中に浮き釣りとフライフィッシングが追加されるのだそうです。また、もう少ししたらリリースされる予定のアップデートで、ルアーの動きに深さの概念が加わる? 今の、単純に巻いて竿を振ってというだけでない、より魚にアピールする動きをさせられるようになるというのですから今からもう楽しみです。

またDLCとなるでしょうが、夏頃には日本の釣り場が、そして冬頃には北米の釣り場が追加される予定となっていて、それに伴い新たな魚種も追加されることになると思うと、いやもう楽しみでならないですよね。

当面の目標は、アオザメ捕獲のトロフィー獲得なので海を点々としながら釣っています。今月に入ってから2頭を釣り上げて、残すは1頭、トロフィーにリーチがかかった状態にまで持ってきているんですね。でもこうなってからが長くて、もう数日アオザメを見ていません。釣れてもイタチザメ。でも、急いで遊びきってもしかたないので、ここはのんびり目当てのサメがかかるのを待ちたいと思います。

2021年6月15日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年6月14日月曜日

2021年6月13日日曜日

『まんがタイムきらら』2021年7月号

 『まんがタイムきらら』2021年7月号、昨日の続きです。

『ぎんしお少々』

おおう、これ無理難題だよ。姉の友人という触れ込みでもゆるに接近したせつな。写真にも詳しいと嘘に嘘を重ねてしまっているんですが、持ち込まれる相談事がまさかの銀塩フィルムで、しかも中判。さらに加えて疑問の焦点が姉の残したメモ書きだっていうんでしょう?

わからん! これはほんとわからん! そもそも今どきの高校生とか35mmフィルムも知らんやろ? それがまさかの中判って。銀塩時代にカメラに触れてても120とかに手を出してた人は少ないし、でもって姉のメモ書き。ぱっと見、西暦に見えるんだけど、フィルムの熟成とかするジャンルって存在したりするの? わからん、ほんとわからん。

この状況でも投げ出さず、なんとか理解できないか、少しでも答に近づけないかと頑張ったせつなさん、立派だと思います。まあ姉に対する下心とか、ファンとしてのプライドとか、感情を素直に表すもゆるに情が移りかけてるからとか、いろいろあるけど、それでもお手上げとはしなかった。これ、一緒に悩んで考えてくれる、それだけでもゆるには心強く感じられたんじゃないかなあ。

今回のやりとりで、せつなからもゆるへの距離、それも近くなったように思います。自分でもいってましたけど、実質姉気分になってる? その見守ってくれている感じはなるほど素敵だったと思います。

『そらコミュニケーション』

4月、新学期ですか。それでソラ、テンペスタの母が遠隔で登場。娘たちの制服姿に目を細めているんですが、ふたりともに親馬鹿発揮させてて、いや、でも実際お嬢さんがた可愛いよね。大きくなったんじゃないかしら? なんていって、身体はロボットだからと娘から冷静に指摘されてるソラ母が面白かったです。お母さん、落ち着いて?

新学期が嬉しい組、憂鬱な組、それぞれ発生していて、なるほど璃乃は不安なのですね。人見知りする自分にとっては死活問題! 雄弁ですなあ。でも今年はせんりと一緒のクラスになれて、よかったですね。このあたり、ある程度配慮などあったりしたのかな? どうなんだろ。

ソラたち中学生組も仲よし4人全員が同じクラスになれて、よかったねえ。これも特殊な転校生、ソラ、テンペスタに対する配慮などあったのかな?

皆が高校生になった自分達を想像してますが、ソラはきっと美少女になっているというの、身体はロボットだからなあ、千十星に頼んで高校生ボディを作ってもらわないと。

そして帰宅後のこと。娘たちの進級祝いに超高級宇宙生物が送られてきた! なんとまあ、生きとるの!? カニとかエビみたいなもんなの? とりあえず心配しかない、というか、こんなの地球に持ち込んで大丈夫なの!? いやもう、尋常ではなくヤバ気なもの登場して、姿も見せないまま食べられちゃいました。ほんと、これ、検疫通らない系ではないかなあ。少なくとも地球人たちは手を出す気にはなれない代物だったぽいですね。

『しゅーしゅーまにあ』

やっぱりこれ面白い。集めてるものこそは違えども、同じ収集家の同志を得ることができた牧野と朝霧。ふたりだけの秘密というのも嬉しいポイントみたいですね。でも、この秘密がバレないように、とりわけ朝霧がシリカゲル集めてるのバラしたりしないようにと奮闘する牧野が大変で、一般人メグナにごまかそうとシリがかゆいというなんて、おお、牧野よ、自己犠牲も辞さない覚悟なのですか。

メグナにどんどん誤解されていく牧野がおかしかったですよ。シリがかゆいにはじまって、朝霧さんほのかにイイニオイとかいってるところ聞かれちゃったものだから、朝霧の追っかけしてると思われてさ、よっぽどの誤解ですよ。ふたりのつながり、ちょっと周囲からは予想もできない感じなんでしょうね。これまでそれほど近しくなかったのに急接近したの、牧野からぐいぐいいってると思われて、でも一種ストーカー疑惑っていうの、メグナにとっての牧野ってどんな女の子なんだろう!

しかしこの誤解を、シリのかゆみに効く薬をわけてもらってたとごまかして、おお、牧野よ、自己犠牲も辞さない覚悟なのですか!

いやもう、このやりとりのコミカルさ。素晴しかったですよ。みんなほんと、面白くて可愛いです。

My Private D☆V

『今日の授業は恋愛です!』のつみきつきです。

おお、これは明確なD☆Vポイントが語られました。「個性的な制服の着こなし方にドキドキします!!」。これ、確かにいい感じ。描かれてる子たちは、『今日の授業は恋愛です!』からりっか、こみね、そしてさがり……、いや違うよ!? ひいろだよ!? 背景にちっこくデフォルメされてるしらべとみあおも可愛いですね!

確かにひいろ、本編でもスラックスでしたね。男性っぽい凛々しさとそれでもやっぱり表に出てくる女性的なラインの共存するその姿、実際魅力的だと思います。そしてそこまで個性押し出さないりっかたちですが、それでもカーディガンや靴下に個性を見せてきて、おお、こみねは萌えソデできましたよ。この子については、いずれ大きくなってやるという気持ちで制服のサイズも先取り、みたいな感じだったりするのかな。そういう、あえてやってるからこそ気になる意図、思惑、こだわりなどなど。いわばキャラクターの背景を読み取る余地ができるのも面白さで、また共感を覚えるポイントになるんだろうなあ。

実際の人物でも、服の好みや、身につけているアクセサリー、小物類から人となりが見えてくるものです。これは当然漫画、イラストの人物においても同様で、ことそれが学園ものなら、全員が同じ制服を着た上で、その着こなしやアレンジにその子が自身の個性、どういう自分を演出したいか、見せたいと思っているかを読みとる楽しみも出てくるわけですよね。ワンポイントでキメる、大きく崩してくる、逆に指定どおりきっちりするなどなど、制服というフォーマットがあるからこそ、そこに表現される個性はより際立ったものになるのかも、なんて思ったりしたのですよ。

なとせとさがりは、きっちり指定どおり派なのかな? でも同じきっちりでも、崩さない理由、それぞれに違った背景がありそうな感じしますよね。そして今回のセンター、りっかの立ち姿。あのあご、頬に添えた指に袖からのぞくベストの袖が可愛さ演出していて強いですね。わずかに寄せた膝も可憐さ感じさせて、おお、さすがは恋愛科の面目躍如、ヒロインの風格というやつですか。

しかしこうしてポイントが明示されると、細部に現れる皆それぞれの個性、より一層に注視したくなるってものですよ。

2021年6月12日土曜日

『まんがタイムきらら』2021年7月号

 『まんがタイムきらら』2021年7月号、昨日の続きです。

『えるくえすと!』

連載になってきましたね。連載初回ということで、ゲスト時のおさらいをざっとすませて、さらに膨らませてきたといった感触。たいへんよかったです。謎のゲームソフトから飛び出してきたエルヴィーラと、後に合流してきたルチア。そのあらましやプロフィール語られたと思ったら、舞台となるゲームショップの日常。何曜日には混みやすいみたいな話も出てきて、こういうの結構好きなのでいい感じでした。

今日は暇な曜日。なのでゲームをしましょう。店長ご乱心!? かと思いきや、この世界のことをまだよく知らないエルとルチアに、ゲームというものを知ってもらおうという試みだっていうんですね。加えて、プレイ映像を流して販促にも繋げようとしている。結構ちゃんとしている感じ。さすが店長! といっていいものでしょうか。

エルの経験してみたゲーム、いきなりがエクササイズ系っていうの、意外で面白かったですよ。こちらの世界にやってきてしばらく、規則正しい生活を送り、日々の鍛錬も欠かしていないといってましたけど、戦闘もそんなに発生しないし、というので鈍ってたりする!? ぜーぜーいってるエルがいい感じに面白さ盛り上げてくれていました。

そこからの多様のジャンルに触れていくくだりね、反応が面白くて、FPSで画面酔い! というか、エルもいまいち状況把握できてない。というか、あのおっとりした店長が人の変わったように! いやもう、面白かったですよ。

かくして経験を積んでレベルアップ。使える魔法の増えたルチア。毒消しは二日酔いとかに効きそうですね! 今回は魔法を覚えなかったエル、それを気にしていたのもよかった。こうしたところに、エルの人となり、というか注目されたい気持ちが見えるの、なんか愛らしさありましたよね。

『推しごとびより』

ロゼとの対決、ついにその日がやってきたというのですが、いまいち緊張感がないのはこの子たちらしいといっていいのでしょうか。というか、心町、ロゼを応援する気満々じゃん!

心町の姉もなかなかで、審判をやるっていうんですが、もう最初っからロゼ優勢と思ってるの。これ、公正といっていいのかどうなのか。いや、公正であることは間違いないな。身内びいきとかまるでないっていうの、シビアだ……。というか、ちょっとくらいひいきした程度で結果は覆らないってことでもあるのかもなあ。いずれにしてもシビアだ……。

ライブ対決前に前座対決? 前哨戦でアイドル能力いろいろを試す対決やってみようっていうんですが、今回はこれがほぼメインじゃないですか! でも面白かった。こういうこんまいことはカラフルリウムに分があって、握手対決ではなるの勝ち。サイン対決では柚葉が活躍と、それぞれの個性が存分に発揮される。というか、アイドルクイズ対決とアイドルアニメソングイントロクイズは、心町と空の土俵すぎない!?

これ、花を持たせてくれたのかもよ? それほどまでにライブ対決で差が開いて、ああ、勝ちのポイント制ではなかったんですね。前哨戦は前哨戦、本戦は本戦、そこはきっちりわけて、ぐうの音も出ないほどにきっちり彼我の差を見せつけてくれたロゼ。勝敗については、カラフルリウムの皆も納得せざるを得ないほどに明確で、ここまできっちり自分の負けを認めざるを得ない展開見せられたら、ああ、これは次は負けを飲んで先に進もうってやつだ! ってなりますよね。

なりましたよ! かくして夏合宿へと続きます。ええ、この子たちへの動機づけ。きっちり丁寧に段階つけて、けれど過酷だったりみじめになったりはさせず、面白さ、楽しさをちりばめながらのステップアップに、カラフルリウムの皆のみならず、読者である私たちにも向けられた優しさのようなもの感じたりしましたよ。

『むすんで、つないで。』

学園もの、それも凛々しい女生徒のかっこよさが際立つような古典寄り少女漫画のテイスト感じさせてくれるつなぐ。七色に話しかける、その姿の凛々しくも美しい様! 吹く風すらも味方につけて、揺るぎない自信が下支えしている、そんな言葉の数々に、ああ、なんて素敵なのつなぐさん! と思うんだけど、実は自信なんて欠片もありませんでしたーっ!

って、こりゃちょっとしたパロディだよね。私たち友達になりましょう、あなたのことをもっとよく知りたいの、そうした言葉のストレートさに、ハンサムガールの系譜に連なるつなぐ像など感じながらも、その背景が同時に開示されていく親切仕様。セリフつっこみの数々。失敗したかなという不安。でもね、これね、今まで見てきたハンサムな彼女たち、その凛々しくも尊い笑顔の向こうにはこうした気持ちも波打ちさざめいていたのかも知れないね。そんなこと思ったりなんかして、この漫画は笑わせよう、面白くしよう、そうした工夫でこれら隠した気持ちの開示をやってるわけだけれど、でもそこには人付き合いのリアルが感じられて、より一層につなぐの、七色のこと、悩んで迷って勇気出して思いきって、懸命に生きている、そんな存在の厚みを感じさせる効果にもなっていると思っちゃうんですよ。

もうつなぐも七色も大好きですよ。進みそうで進まない。けどつなぐの言葉に思い切って踏み出そうと決意した七色、その気持ちの一瞬の高揚にはぐっと胸を打たれて、なんだこれ、美しいぞ! 素晴しいなあ! って、薗部苺、ここでお前が割り込んでくるんかーっ!

いやもう、めちゃくちゃ面白かった。お前なあ、美少女なのになあ、なのにオールマイティ残念キャラだよなあ。いやもうほんとに、美しいキャラ、美しい仕草、美しい気持ちの揺れ、触れ、動く様をこれほどに積み重ねた挙句に、こんな落とし方してくるの。贅沢といっていいのか!? 贅沢といっていいのですか!?

2021年6月11日金曜日

『まんがタイムきらら』2021年7月号

 『まんがタイムきらら』2021年7月号、一昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

伊豆沼遠征。現地に到着すると、そこには日の光を反射してきらきらな湖沼。これはすがすがしいものありますね。まずはオオハクチョウがおでむかえ。のびやかに羽を広げるその姿。それを真似するすずが可愛い。なかなかに調子取り戻してきてるのではないでしょうか。

サンクチュアリセンターというのがあるんですね。伊豆沼について学べる施設。渡り鳥をはじめとして、多種多様な野生動物の生息域となっている湖沼。これはあれだな、ラムサールなあれだ。その展示で知るマガンの大きさ。って、でっか! そんなに大きいんだ。もう少し小さい印象があったんだけど、人が手を大きく広げたくらいの大きさしてるんだ。でも結構軽い。まあそうだよねえ。鳥は体重を軽くするために体の構造からが違う。骨とかね、中空だもんね。

鳥との共生に悩んだすずをここに連れてきた翼の意図。それもはっきりとした今回。ただ湿原があるからだけじゃない。その近くに人の営み、田んぼがあるからこそ鳥にとって過ごしやすい、棲息しやすい場所となっている。その事実を知ったその後に、眼前に広がる湖沼の夕景、空に舞い飛ぶ雁たち。ああ、本当に素晴しい情景。一度に心を持っていかれる、そんな瞬間が誌面いっぱいに広がっていましたよ。

『けいおん!Shuffle』

新入生歓迎会でライブをすることとなった一年生組。唐突な指令にさすがに色めきたつ一年生たち。もう3月頭ってことは準備期間1ヶ月か。大変だな。レパートリーがあるならまだしも、できるの1曲だけっていうんだからちょっとしたピンチですよ。でも文句いいたい一年生を差し置いて、莉子先輩がものすごい剣幕で怒ってるの、めちゃくちゃ面白い。しなのはきっとこれ思いつきなんだよ、みたいに感じちゃうけど、それなりに考えるところもあるっぽいっちゃああるっぽい。それを最初から素直にゆうとったらよかったのにね。でも、こういう掛け合い、面白いです。

しかし今回面白かったの、真帆ですよね。楓の家に集まることになってからのテンション、めちゃくちゃおかしくなってるの。それを呆れがちにつっこんでいく紫がとてもよい。しまいにはいい加減にしてって、お怒りではないですか。もうほんと、真帆はどこに向かおうとしているのか。当初は一番自由なのは紫みたいな印象だったのに、気づけば一番の常識人枠になってる? ほんと、真帆の暴走はこの子がいないと収まらないのか。いや、この子がいても収まってない気もするんですが。

今回のエピソードは、新入生歓迎ライブの振りで、そして一年生と上級生の師弟ペアが形成される、そんな回でもあったんですね。楓、紫は心配いらなさそう。ということは、真帆、しなの組、こここそが台風の目なのかい!? ええ、この相性そんなによくなさそうなふたり、がっちり組むとどんな化学反応が得られるのだろう。俄然楽しみになってきました。

『スロウスタート』

文化祭の二日目。園芸部のお芋を賞味して、いまいち人の入りがよくないからと宣伝手伝って、はいいんだけど、冠、まだその仮面を持ち歩いているのか。気にいってるな?

今回はいつものメンバー以外のクラスメイト、園芸部の高橋さん、茶道部の岩崎さんと椿森さん。いろんな人が出てきて面白かった。椿森って、あれだ、栄依子に毒を盛る人だ! こじらせた愛情抱えている人。いつもなにかしら仕込まれてて、今回も椿森提供のお茶を口にしたら栄依子がくらあって! やばい! でも栄依子は椿森のこと信頼してるからって、笑顔でね、人体には無害であること疑わないんですね。ほんと、椿森さん、いけませんよ。信頼されてることを盾に、狼藉くわだてるのはよくない。と思ったら、さすがに反省しましたか! 自分の用意したお茶を一気に飲んで倒れちゃった!

これで文化祭のエピソードは一段落ですね。しかし最後の男子校文化祭への不参加を決断する花名。冒頭の、文化祭二日目への不参加を決断した万年さんのリフレインとなってるの、これまた見事でした。

2021年6月10日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年6月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2021年7月号

 『まんがタイムきらら』2021年7月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』。ゆずこと縁が傘のうち。ふたり揃いのレインコート着て、雨の季節にフル装備、といった具合なんですが、あ、もう晴れているではないですか。雨の中、ふたりひとつの傘を使って、そうした仲のよさ、距離の近さなど感じさせるところも大変にいいですね。ところでこの傘大きな葉っぱのかたちしてますか? ほら、大きな蕗の葉とかそういうイメージ。そのせいもあって、緑のレインコートがちょっとカエルっぽくて可愛く感じてしまいます。

今月は新作ゲストが2本です。

『ほぐして、癒衣さん。』

ずっと座りっぱなしでコンピュータに向かう仕事。自然背も丸くなって、肩こり、眼精疲労に偏頭痛。疲れているのに眠れないと、酷い状態に陥ってしまっている主人公。23歳、川口夏鈴。入社当時ははつらつとしていたのに、わずか半年ですっかりくたびれてしまった。これ、実際のところ、悩みでしょうね。自分で自分の肩を押せないほどに体が固くなってしまって、ああこれはもう自力ではどうにもできないレベルだ。

先輩の癒衣さんはというと、同じくらい、いやむしろもっとずっとたくさん働いているのに涼しい顔しているんですね。体が凝らないよう、合間合間にヨガ、柔軟などやってほぐしている。そんな先輩にほぐしてもらった夏鈴。ちょっとほぐしただけでも、随分と軽快するんですね。実際、自分も昔は肩こりとか酷くて、もうどうしようもなくなった時にマッサージ受けると、血流が回復して体温の上がるの自覚できるくらいに違うんですね。今回のマッサージ受けた夏鈴も、そうした感覚など味わったのでしょうか。実際、肩の荷をおろした? なにか開眼したかのように雰囲気も違っていますね。

このマッサージのお礼が、まさかのハグというの、驚きの展開、予想外ってやつでした。夏鈴にとっても同様だな。戸惑い覚えながらも、まずはお礼と割り切って、そして今後もマッサージしてくれるといわれて、ハグを受け入れる。これ、最初のうちは恥ずかしかったり気まずかったりするけれど、段々に慣れていきますよね。そうなった時に夏鈴は、そして癒衣はどうなるのか。先が楽しみになってくる、そんな導入でした。なんなら発展してくださってかまいません!

『蜂も刺さずばうたれまい』

普通の女子高生を装う蜂須賀すずめ。けれどその実体は……、というほどなにか大きなもの隠しているわけではないけれど、中学時分ヤンキーだった過去を隠して潜伏中。なんで脱ヤンキーすることになったのか、それはまだ語られてはいないんですけど、気になりますよね? 髪など染めて、いや脱色か、喧嘩に明け暮れていた日々から、今の普通の女子としての生き方、授業出て勉強して、そんなイメージチェンジ。これ、よっぽど頑張ったのか、あるいは結構なポテンシャル隠していたのか、それとも不良時代もそれなりに勉強など頑張ってたのか。

高校ではそうした過去を隠していたすずめ。けれどひょんなことから、その過去がバレてしまって、隣りのクラスの源元、自分のお気に入りのサボり場に入り込まれて、話も聞かれて、でも昔の写真をコピーされてしまったの、あれはすずめの落ち度だよなあ。

源元、ちょっと謎なところがある子です。でも悪い子ではないっぽい。すずめのこと気にいったのか、いろいろ昔のこと聞いて、写真保存して、それを誰かにいいふらすとか、そういうつもりはまったくなくて、むしろもっとよくすずめのこと知りたい、仲よくなりたいと思っている? でも友達いないのかってのは禁句のようで、プライド傷つけてしまったかちょっとヘソを曲げた感あったけれど、だからって仲がこじれたりはなさそう。

すっかり源元に主導権をとられてしまっている蜂須賀すずめ。この関係はいずれ変わりゆくのか、あるいはずっとこのままで、むしろこの状況がすずめにとって心地よくなっていくのか。それは全然わからんけど、こうして気兼ねなく昔のことを話せる相手のできたこと、これ自体はすずめにとってもよかったのではないかなあ、なんてこと思いました。いや、実際のところわからんのやけど!

2021年6月8日火曜日

『まんがタイム』2021年7月号

 『まんがタイム』2021年7月号、昨日の続きです。

『茨城ってどこにあるんですか?』

おお、多恵が学生っぽいことしています。もうすぐ期末考査、赤点取ったら補習が確定。補習となったら編集部には顔を出せなくなる。そうか、茨城PRの仕事に熱心というよりも、憧れの鈴子にあえなくなるのがつらいんだなこの子。ほんと見事に懐いちゃって、可愛い子ですよ。

しかし赤点回避のための行動、なにをおいても牛久大仏への願掛けなのか。あかん、先は暗いな……。と思ったら鈴子が勉強教えてくれる運びとなって、ああ、これは赤点回避確定か! 期待したらですよ、鈴子の茨城理解トークがはじまってしまうという、ああー、やっぱり先は暗いのか。

英語が苦手という多恵に、まずは英語に慣れようと、簡単な英語しばりでトークするくだりは面白かったです。森戸は安心できるなあ。そして多恵の茨城知識披露、その確かさ! この子、好きなもの、ことはきっちり覚えられるんだな。とまあ、こうした多恵の個性が見えて楽しい、愉快なエピソードでした。

でも赤点回避の鍵がですね、あんな他愛もない冗談めかした会話にあったっていうの、これはいい展開でした。なるほどなあ、思いもしない駄洒落が多恵を生かした。その恩に報いようとする多恵の律儀さ、義理堅さ。ええ、これもまた多恵の個性ですね。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島の言葉に心揺らしている白石。薬丸社長との関係はどうなる!?

きっと自分にはあわない。そう思って、自身の過去をカムアウトする白石。おお、この情報、話して大丈夫なのかい!? いや、最初は心配はしなかったんですよ。薬丸社長、きっとちゃんとした人だろう。実際、白石の話を聞いても、それだけで幻滅したり距離置こうとしたりしなかった。むしろ興味を持ってくれて、こんだけ理解があるってんなら、この社長、いいんじゃないの!?

みたいに思ったら、薬丸社長、白石にしていること、基本他の人にも同じようにしていることが判明した。これは誰にも分け隔てなく接する、いわば社長の美徳であるのか。あるいはそれとも!?

真島からの意味深なメール。これが意味するところ、めちゃくちゃ気になりますよね。真島の呼び出し、そこで語られることとはなんなのか!? いやきっと悪い人じゃないよってなるとは思うんだけど、それでも油断なりません。ということで、白石のカムアウトの件、途端に不安になってきたというんですね。

『午前0時のおねだりごはん』

大阪からやってきた、米沢の友人にしてライバル、松阪副所長。含みのある美人? 米沢がストレートな実力派としたら、松阪はなにか裏を感じさせる搦め手の使い手、そんな印象。有能であることは間違いないっぽいんですが、その雰囲気? 物言い? なんか損してそうな気がする。立てずにすむ波風立てちゃうタイプ? 素直に賞賛できないのも、なんか損してそうじゃないですか。

でもそんな松阪のこと、しっかり理解してる米沢もよかったですよ。友人というの、なるほど納得です。

今回、牛喰からの期待に応えたいという米沢。あまりに望外のお言葉に涙浮かべる牛喰がほんとうに面白かった。そしてここからはおねだりでも、仕事のサポートでも、張り切る牛喰。そうした様子見て、松阪も牛喰のことをちょっと認めてくれたみたい。この米沢の周辺をうかがう松阪もおかしくって、ああ友人っていうのは本当なんだな。気になる、その成長、ひいては成功を見守りたい。そんな感情が溢れんばかりでした。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音、仕事の幅を広げるチャンスかも知れませんよ。気難しいと有名な皆本先生の料理番組に出演する機会を得られて、これ、留莉が先生のこと怒らせちゃったから琴音に御鉢が回ってきたっていうんですが、周囲の心配をものともせず、思ったこと、感じたことを伸び伸び口にしていく琴音が、ハラハラで、けどこの子らしくて、すごく魅力的だったんですね。

ネガティブと感じられる言動も、続く言葉を知ればそうじゃない、むしろ前向きな気持ちの現れとわかる。またおばあちゃん子の琴音ならではの強みが発揮されて、年長の皆本先生にはすごく気のあう、まるで孫と過ごすかのような時間を送れたみたい。

こうした、無理にあわせるとかじゃない、自然体で接してそれが心地よく近しく感じられるという琴音の個性。天気予報でも発揮されていますけど、皆本先生との料理番組でも十全に発揮されたみたいで、適任ってやつなのでは!?

でもこのチャンスを自分のものにすべくガツガツいくんじゃなくて、失敗を取り返したい留莉にアドバイスして、先生との仲をいわば取り持ってくれたところ。困ってる人がいたら放っておけない。そんな琴音の、ちょっとお人好しかもだけど、自分のことよりも他の人、皆のしあわせを優先してしまう人柄感じとれて、とてもよかったです。こうしたところ、きっと誰かが見てくれてると思うんですよ。

2021年6月7日月曜日

『まんがタイム』2021年7月号

 『まんがタイム』2021年7月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。楽しくぬりぬり? ペンキ塗りがテーマの表紙。なぜ!? とは思うけど、背景の青地に黄色がいい色彩で、ぱっと目立って明るい気持ちにさせてくれる、そんなよさがあっていいですよ。『花丸町の花むすび』花子もハケで、『テレパス皆葉と読めない彼女』澄花もハケでペンキを塗ってる。あのちょいちょいついてるペンキ汚れが可愛いですね。あ、部長代理もですよ。

今月は新作ゲストが1本です。

『完食!!ラーメン淑女』

みわとゆうこは大学生。授業を終えての帰り道? ラーメン屋の行列にラーメン食べたい気持ちがむくむくと盛り上がってくるけれど行列には並びたくない。と思ったところに見つけたのが、行列のできないラーメン屋。見るからにハズレ店。

この漫画、主人公の女子ふたり、キャラクターがまったく違う方向に振り切ってる。感性のまま動くみわと、よくいえば思慮深く、あるいは思い切りに欠けるゆうこ。自分はゆうこタイプですね。失敗は少ないかも知れないけど、これという成果もあげられない。そんな人生を生きてきました。

今回の新規ラーメン店開拓もみわの無鉄砲あってのものでしたね。見た目がヤバい。いろいろこじらせている感があちらからこちらから漏れ出していて、ゆうこの第一印象、こわいだもの! でもラーメンのできは確かで、ああ、惜しいよねえ。こういう悪い意味でのこだわりがなければもっとお客に恵まれるだろうに。でもそのこだわりあってこその味だったりするんかな。と考えたら良し悪しだよなあ。

みたいなこと思ってたら、違うんか! ここでも無鉄砲なみわの大活躍。私語厳禁の店内で、店長ルールをものともせず賞賛を口にする。ここからのやりとりね、この店のルール、別に店長のこだわりじゃないんか。むしろ真似だったりするんか! ほんと、このふたりが入店してくれてよかったね。実際、店の雰囲気よくなったらお客も入ってるみたいじゃないですか。で、ここでもみわの行動力が光ってる。ほんと、この子、面白いですね。

『ローカル女子の遠吠え』

穂垂主任、いいですよね。アンガーマネジメントをダムの治水に例えて思う。覚えた怒りやストレスを、小出し小出しにして決して決壊させない。でも放水にタミヤをつきあわせるのか。

言葉を選んで、感情をなだめていく穂垂主任。その感情の機微をムシャムシャやりながらも的確にとらえていくタミヤ、この子すっごいな。この子のすごさ、その後も見事にあらわれて、穂垂主任の金原明善トーク、クライマックスに向けて盛り上がっていく気配感じとって、りん子、雲春の席に合流するの、りん子たちからしたら流れ弾食らったみたいなもんでは!? と思ったら、りん子の受けが的確すぎて、おおう、穂垂主任、見事に大回復やんか。めちゃくちゃ面白かったですよ。

しかし、今回の穂垂主任、素晴しく美しかった。りん子にいいとことられてシュンとする、その姿さえも美しい。憂いがあり、思慮があり、好きなものに向ける情熱あり。最高でありました。

『良倉先生の承認欲求』

今回は良倉と古岩、ふたりの時間ですよ。冒頭の、良倉先生はSNS映えに詳しいですよね? この問いから徐々に追いつめられていく感じ。めちゃくちゃ面白く、思い出される星畑の警告、そして古岩に嘘をついてる心苦しさ。ああ、良倉の真面目さが光りましたね。決して古岩をないがしろにはしない。そんな気持ちが見えたの、ほんとによかったです。

でも、まさか古岩くんがSNS映えについて教えを乞うとかね! これまでずっと深刻な顔してた良倉が、ここにきてものすごいいい笑顔見せるのな! そこからの映え講座も、ひと口に典型的な映えを教えるのではなく、古岩の個性、センスをベースにしたものを大切にしようという姿勢見せてですね、これもまたよかったなと。

でも、古岩の誤解! あー、そうか、そうだった。古岩、良倉のこと誤解してたわ! 忘れてたわ。最初とはまったく違う方向に追いつめられる良倉の焦り、戸惑い、めちゃくちゃ面白い。ほんと、まさかこんな展開見せるだなんて、まるで予想もできませんでした。素晴しい切り返し。すっかり翻弄されて、最高でした。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

皆葉の不調、解決しましたね。

自分の気持ちをつぶさに見つめることもままならない。そんな人の心の難しさみたいなものがこのところ描かれてきていましたが、離れた場所で見知らぬ男たちに絡まれて困ってしまっている澄花のこと、助けたいその一心で動いた皆葉が、さらにその先へと気持ちを進ませるんです。

なぜ澄花の心だけ読めなかったのか。その理由にまで辿り着いた。このところ働かなかったテレパスも復活し、向き合う男たちに対峙するその間、考えていること、その動きさえも先読みして、ああ、完全復調じゃないか。

そして、ここからも。皆葉は、この数日の不調を通して、自分の気持ちに向きあってきたんですね。けれど、ついにこうして不調を脱しても、第一に考えるのは澄花の気持ち。こうしたところは本当に皆葉のよさだと思う。誰かを思いやれる。おおごとにせず問題を解決できたことも、彼にとってはよいことだったんですね。これもまた澄花のためなのかも、なんて思えてね、ほんと、皆葉すごくよかった。

これまではっきりとしていなかった感情、澄花に向ける好意について、こうして自覚することとなった皆葉。大きな転換点、新しいステージに進みますね。

2021年6月6日日曜日

『まんがタウン』2021年7月号

 『まんがタウン』2021年7月号、昨日の続きです。

『新婚のいろはさん』

ベッドの上でだらけてるふたり。お祭り屋台のたこ焼きが食べたいとか、他愛もない話をとりとめもなくしているんですが、この時点で具体的にお祭りいこうとかそういう話ではないんですよね。ただただ頭に浮かんだこと、そのまんましゃべってるだけみたいな状態。このだらけ生活、始の仕事が一段落ついた、その開放感からくつろぎモードに入っちゃってるっていうんですが、もう数日にわたってダラダラ? すごいな、これもまた才能だと思う。というか、ふたりしてともにダラダラというのがいい。どちらかがね、あれしないといけない、ゴロゴロしてないで手伝って、みたいになったらこの状態は成立しないでしょう? 似たもの夫婦といえばいいでしょうか、そのマッチング、素晴しいマリアージュを感じさせてうらやむ思いです。

たこ焼き、家にあるものでなんとかしよう。その発想がまたおかしいんです。やみくもに買ってみたたこ焼き粉の出番。でもたこ焼きの鉄板がないのか。タコもない。それでもやる。たこ焼き生地のお好み焼き。あー、普通においしいの!? だろうなあ。そらおいしいと思う。これ、試しに作ってみたくなるものありますね。

たこ焼き食べたくなったこの日、たまたま近所で花火やってて、もちろん屋台も出ててというの。おお、最後の打ち上げをぎりぎり見られたんですね! そして出会うはお祭りから帰ってきた早倉さん。浴衣姿。かわいい。めちゃくちゃかわいい。ほんと、ここからのたこ焼き求めて河川敷に向かうふたりと顛末。それがもうおかしくて、ダメな一日の締めにふさわしいダメさがほんとおかしくて楽しそうで、まったくうらやむ思いですよ。

『立ち呑み布袋でもう一杯』

素晴しい扉絵だ……。これ、伸ばしてポスターにしましょう。

今回は夕立しおん、この人と店長のやりとり、それが主軸になってましてね、普段の男相手では出てこないような話題があって、休みの日の過ごし方、つきあってる人とかいないんですか? そうした話題に興味津々の男性陣。ぐーっと傾いていって、仕事が恋人ですよにほっと安心する。こうしたしおんとのやりとり、やっぱりいつもの店長さんのノリとは違ってて、同性同士の気安さみたいなのがあるのかもなあ。会話のイニシアチブをしおんに握られてるところなんかも、可愛さが出てたと思うんですね。

と思ったら、しおんのひとこと、ウチの子は私のごはん嫌いみたいで多分お昼残してるんだろうなー。これ耳にして、きっぱり態度でメッセージを送る店長ですよ。ひとりぼっちにされたらなに食べてもものたりないでしょう? そうしたことを言葉でではなく行動で示すところ。これまで受け身にまわってた店長の、ここぞという場面では妥協しない芯の強さのようなもの感じさせるし、同時にこうした対応してもきっと通じるだろうという、しおんに対する信頼感のようなものも思わせて、すごくよかったと思うんですね。

だからですよ。店長の意図にはっと気づいたしおん、その反応受けた店長、そして応えるしおんの表情がすごくよかったじゃないですか。このコミュニケーションがしっかりと成立する関係。悪くないなあって思ったのでした。

しかしそれだけに白瀬の残念感極まります! ここぞというところで通じない彼! さらに今回は、店長との縁、どうも薄そうだぞってのが男性連中からの評価となって、ほんと残念感を一身に背負わさてれるね白瀬さん! いやもうほんと面白い。これ、白瀬の役割、しおんの役割、それぞれがきれいに立っていましたね。

『君と銀木犀に』

葉介、なんかまたへこんじゃってますね。起こされる前に起きられなかった。弁当のはしセット出し忘れていた。めだまやき落としてしまった。小さな失敗積み重なって、どうもめげてしまったようで、学校にもいかないって。土曜なのに運動部の応援に駆り出されるの納得いかないって、もうすっかりヘソを曲げちゃってるんですね。

基本、この子、こういうところあるよね。なんかプンスカしちゃう。間が悪い、運が悪い、そういって落ち込んじゃってますけど、失敗重ねちゃって落ち込むとか自分にもあるけど、それにしてもここまで……? そう思ったら、ああ、この子、ここまで落ち込むのそれだけの理由があるんだな。

母親が怒る。それをかばおうとしてか、父や祖母が、怒るのよしなって、どうせいってもできない子だから可哀そうだからって……、よけいに心の傷を深くするようなことをいってくる。

なにかあるたびにこうしたこといわれて、その都度自信を損なってきたのが葉介だったのか。そんな子が、どうにかこうにかやるぞって気持ちになれたのがシナリオコンクールだったのにそれも選にもれてしまって、自分はなにやっても駄目なんだって、もうそんだけ打ち拉がれてしまってるんだろうなあ。

この漫画。まだまだ発展途上な子たちの、互いに違った感性を持ち寄って、ともに世界を広げていく。そうしたところが魅力と思っていたのですが、むしろスポイルされているところさえある、そんな負の状況からの回復もテーマだったりするのでしょうか。今回の葉介の置かれている環境、やりきれない思いなど知れば、またこれまでとは違う感想も出てきて、ええ、こうした子は救われてほしい、そんな思いでいっぱいです。

2021年6月5日土曜日

『まんがタウン』2021年7月号

 『まんがタウン』2021年7月号、発売されました。表紙は『かりあげクン』。植田まさし先生画業50周年とありまして、かくしてかりあげ正太も紋付袴でご挨拶でありますよ。いやあめでたいといいましょうか、すごいですよね。自分が子供の頃にはすでに大人気で、いくつもの連載があって、どれもが単行本になってて、みたいな印象がありますよ。で、どれも面白かった。それぞれに個性というか違ってましてね、中でも好きだったのは『かりあげクン』でしたねえ。いや、『フリテンくん』とかも読んでましたけどさ、小学生は麻雀やらんしさ、体で払うネタとかわからんしさ、やっぱこのへんは懲りないいたずらを素直に笑って楽しい『かりあげクン』が圧勝でしょう。みんな読んでた、そんな印象ありますよ。

今月は新連載が1本、新作ゲストが1本です。

『んじゃま、ここらでお茶にしましょうか。』

さすが胡桃ちの、ベテランの技だと思う。ざっと初回で主人公のキャラクター、思い切りよくて、ちょっと粗忽で、コミュニケーションに長けていて、そして食べることが大好き、そうしたことがしっかりばっちり伝えられつつも、人物紹介に留まらずひとつのエピソードがしっかり展開されてまとまりもって締められる。

しかもこのエピソードに、吉野山の桜についての情報盛り込み、重ねて当地の名物、柿の葉寿司にさくら羊羹紹介していく流れ。こうしたところも実にうまいと思うのですよ。

四コマ漫画って、いろいろ情報盛り込んでいくタイプのジャンルがありますが、食事、旅行、レシピとかですね、これもその系統と考えていいのかな? 奈良吉野が毎回の舞台となるのか、あるいは次は違う土地、違う風物に名物を紹介していくことになるのか。後者かな? こうした話の広がっていきそう感を見せていくところも絶妙だったと思います。

しかし、吉野山を取り上げるのに葉桜の時期を選ぶというのもまたすごい。あえてハズしてくる。いや、普通桜の盛りを描きたくなりそうなもんじゃないですか! これもまた思い切りでありますね。

『相方が俺を好きすぎる』

コンビ解消したばかりのお笑い芸人のもとに相方志望の若者が現れる。その彼が自分のこと好きすぎるっていうんですが、のっけから自分の顔プリントのシャツ着てくるとかね、えらい方法でファンアピール。好きなんだな! というよりも、ヤベえ! ってのを的確に表現してきたの、見事でしたよ。

この彼が、寡黙ながらも時に情熱的にぐいぐいと迫ってくるところ。結構な恐怖展開でもあると思うんですが、あんまりそこまでヤバいと感じなくなってくるの、なんだかんだでキャラクターの持ち味なのかな。主人公の天津昇のちょっと気弱な感じがうまく利いてると思う。いくらなんでも自宅に呼んじゃうのはマズくない!? と思ったらもうご飯まで作ってもらってるしというスピード展開。ぐいぐいいかれてるやん! これは櫛田泰斗、ヤベえファンの押しの強さがためなのか、あるいは断わりきれなかった!? 後者だろうなあ。ってのが読んでいくほどに強く感じられるのはよかったです。

泰斗、わりと昇への気持ち、しっかりしたもの持ってるんですよね。でも言葉が少なすぎてルックスで一目惚れみたいになっとる。ヤベえ。でもって的確な説得、そして抱擁!

いいのではないでしょうか。いいのではないでしょうか。次回も期待したい、そう思わせる初回でしたよ。

『ルナナナ』

これ、いいですね。月ならではの事情盛り込んできて、そうか月ってそうなのか! そうした意外さ感じさせてくれた上で、作者の持ち味っていっていいでしょう、それでそうなっちゃうの!? みたいな展開してみせるのが本当に面白かった。

今回の月情報は自転速度ですね。月の一日は約4週間です! っていうの。なので、昼と夜が2週間ずつ続く。なるほどなあ、地球に同じ面を向けて一ヶ月かけて回るんだからそうなるよなあと思わせるのが最初の意外で、そこに乗っけてくるのが、月の日の出は祝日。日の入りは労働報酬半額。日の出の祝日はわかるけど、なんで日の入りは罰ゲームに罰ゲームを重ねるみたいなことになっちゃってるの!? ええ、こういうバランス感覚いかれてる様子を具体例もって見せてくれるところ、思わずふふふふって笑ってしまう、そんな面白みあるんですね。

実際、夜が2週間続いてからの夜明けって相当なテンションになってしまったりするものなんでしょうか。かも知れんなあ。街も賑わいを見せて、まさかの路上パフォーマンスで小遣い稼ぎとかね、でもこれ寮則違反なのか。ぱっと稼いで、ぱっと飲んで、それでふらふらしてたらまたお金が増えてるとかいうのも、なんか楽しくてよかったんですね。

この常識からズレた感覚と、なんかわかるという共感。その合間を突いてくるようなバランスが絶妙だと思います。そこに加えてあの見事な落ち。あー、冒頭の振り! じっくり見せてからのきれいな回収。見事でした。舌を巻きますよね。

2021年6月4日金曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年6月3日木曜日

『まんがホーム』2021年7月号

 『まんがホーム』2021年7月号、昨日の続きです。

『歌詠みもみじ』

山城家、アパートから一戸建てにお引っ越し。もみじ1歳半の頃ということは、今から15年ほど前のことですね。パパさん頑張ったんですね。戸建、建て売りじゃなく注文建築。ローンてんこ盛りみたいだけど、お金借りられるのも能力のうちだから!

しかしパパさん、基本的に迂闊なんですよね。ママさんが小賢しい系失敗をしちゃうのに対して、パパさんは不用意な行動で自滅するタイプ。ママさんの失敗は引っ越し費用を抑えようとして家賃を余計に払ってしまってるというもの。対してパパさんは、重さ確認せず荷を持ち上げて腰をやってしまったり、チビもみじに断わらず片づけちゃえばいいのに、わざわざ話しかけて、音まで鳴らして、おもちゃの存在意識させちゃったりね、ほんと不用意さんです。加えて極めつけは、手を出さないでと遠回しにいわれてるのに引っ越しの荷運びに手出しして落としちゃうとかね、これ、業者が一番困るやつや! 実際、手出ししたがる依頼主は困るらしいですよね。破損なんかが出たときに責任の所在がわかりにくくなる。でも、パパさん、しっかり反省したからまだよかったですよ。

基本失敗続きのパパさん。そうか、酔ったら旧宅に帰っちゃうか……。ほんとパパさんいいとこ少なかったな。そう思ったら、最後の最後にママさんの大失敗……。うん、ちゃんと夫婦で釣り合ってるのだと思いました。この服、あえて今開けてみたらどうなんでしょうね。時代遅れ? それとも一周まわって、大きくなったもみじに似合ったりはしないものでしょうか。

『吸血鬼と死体ちゃん』

生前のニナが描かれてますよ。明るくて、エドガーの駄洒落にも笑ってくれて、よくしゃべる、ほがらか。まだ小さかったこの子と数年間を過ごしてきたエドガー。それなりにニナのこと理解して、仲を深めて、けれどそれでもまだ最後の距離を詰められずにいた。そんな関係。

後にニナの真実を知って、エドガーは後悔したりなどしたのでしょうか。エドガーの吸血が、なんら影響を及ぼさないものでなく、相手に不死を与えるものであったら彼はそれを選択したのでしょうか。

なにせこれまでニナは死体として、無表情、感情薄めに描かれてきて、けれどかつては全然違ったのですよ。将来の夢をおぼろに見つつも、もともと弱かった身体のこと、その夢もどこまで本気だったかはわからない。そしてエドガーに血を与えようという19歳のニナの気持ち。もう覚悟などはあったのでしょうか。エドガーは彼女の死期の近いということを知っていたのか、あるいはニナはどうだったのか。

こうして語りに入ったということは終わりが近いのかも知れません。なにか当たり前に掲載されている、そんな気持ちでいたのだけれど当然そんなわけはなくって、ああ終わるのだとしたらさみしくなりますね。死を内包した話だけにどこかものがなしさ感じさせた漫画。そこになにか希望があるのだとしたら、ちょっと期待したくなるんですよ。

『うちの秘書さま』

田中さん、倒れる! 過労!? いや、ただの空腹!? 心配して大慌てしたはじめが、豚骨ラーメンのリクエストにちょっと怒りをにじませてるのがおかしかったです。

でもちゃんとラーメン用意して、チャーハンも、さらにはギョーザとから揚げの追加にも応えてくれて、この家の人、いい人ばかりだよなあ。でもって加えて、きちんと休むことを要求、寝床まで、寝間着も、用意してくれて、本当いいお屋敷ですよ。

なかなかいうことを聞かず、逃げ出そうとする田中さんを抑える秘策が、山田を召喚するぞという脅しなのがめちゃくちゃ面白い。どんだけ苦手としているのか、それが見事ににじみ出て、そこからはじまる寝間着ファッションショー。いや、着せ替え? ぶかぶかパジャマ、可愛かったですよ。

今回は屋敷の皆の優しさと、なかなか素直になれないワーカホリック田中さんのやりとり、攻防? それがおかしくて、面白くて、すぐ仕事に戻ろうとする田中さんを止めるために縛りあげるとか、どんどん加減がなくなっていくの! 最高だったと思います。

そして最後には田中さんも居心地のよさ感じながら眠りにつくじゃないですか。このお屋敷、やっぱり人が優しいんだと思うんですね。

2021年6月2日水曜日

『まんがホーム』2021年7月号

 『まんがホーム』2021年7月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。竹田デザインのてるてるぼうずを手にしたらいかがこちらに振り向いているんですね。梅雨の季節、『孔明のヨメ。』月英夫妻はふたり傘の下、あじさいの花を愛でています。『若王子主任は後輩ボイスに抗えない!』若王子主任は手にあじさいの切り花を持っています。『ラブアマ』柴田はレインコート。これもまた雨の季節の定番です。

『スクールカウンセラーうさみ先生の悩み相談室』

これはFUZで連載されてる漫画ですね。単行本が発売される、ということでゲストで登場。市立黒丸中学校の名物スクールカウンセラー、うさみ先生の活躍が描かれるのですが、うさみ先生、うさぎなのか!

毛深いといわれたの気にして相談しにきた生徒には、全身毛むくじゃらのうさぎのあり方から哺乳類にとっての毛の重要性を語っていく。というか最終的にうさぎとしての愛らしさで陥落させてますよね。他の生徒たちの相談にも、自身の可愛さで、あるいはうさぎとしての食事情でもって共感? をともに解決していくというんですね。

先生はうさぎですが、生徒は人間。姓あるいは名に動物の名前が入ってますね。ちょっと不条理? それからほのぼの? ゲスト回は登場人物の紹介、あるいは先生の仕事の様子を伝える、そういう基本的なところにしぼってる感ありました。

『孔明のヨメ。』

孔明による孫家降伏派攻略が開始されました。まずは降伏派の勢いを削ぎ、次いで開戦派に勢いを与えたのちに孫権の決断を導こうという、その第一段階となる今回の攻略。どのように出るべきか、孔明にはいくつかプランがあって、状況次第でどれを繰り出していこうか、そんな余裕感じさせてさすがの頼もしさです。

そして会議堂にて、まさかの並み居る降伏派。ここで孔明を屈服させて、孫権に目通りさせることなく退場いただこうという腹みたいですが、むしろこの状況は孔明にとって好都合なのか。

ここでの張昭と孔明とのやりとり、これは創作ではなく史実ないしに根拠となるエピソードなどありそうな気がします。ともあれまずは孔明優勢、さらには攻略の筋道もついたと見える今回。この孔明の余裕綽々といった雰囲気。頼もしさしかありませんな!

『天国のススメ!』

人を怖れさせようと画策する人形。動けるというんですが、出会った相手が悪かった。ショーウィンドウから笑いかけた相手がまさかの、というか期待どおりの草間! おおー、見事食いついたぞ。笑ってみせたの、微笑みかけてくれたみたいな受け取りかたしとるぞ。さすがだ、さすがの草間だ。期待を裏切らない。

それで今回、その人形が太一を頼って相談にくる。って、草間の脅威、どれほどなのか。ともあれ、怖くありたいと願う人形の悩み。過去の出来事が自信を失わせ、アイデンティティの喪失に苦しんできたこの子の気持ちが痛いほど伝わってくるエピソード。これ、悩みの主体は人形だけれど、同じ悩みを抱えているものは人、人形問わず多いのではないか。それゆえに胸に迫ってくる、そのように感じたのですね。

だからこそ、太一の母の心からの賞賛、丁寧に触れ、いつくしんでいく指先の優しさ。そしてかけられた言葉の温かさ。これもまた素晴しいと、胸に響くものあったと思ったのでした。

ほんと、人形の子、よかったなあ。願わくば、この人形が救いを得られたように、悩み苦しんでいるすべての人が救われるといいな、そんな願いさえ抱いてしまう。素敵なエピソードでした。

『ちくちく推して』

ブルーレイ鑑賞のため皆でカラオケ店にいきます! 会員証があるからと愛菜が選んだカラオケ店、ここからがもう面白くって、この子、この店の親会社に縁故があるのか! 会員証というのがVIPカードで、店長もびっくり、挨拶に出向こうとするわ、さらには様々過剰なほどのサービスが提供されて、ペンライトの貸し出しはともかく、食事のサービスはやりすぎですよ!

思いっきり警戒しているゆみちと、まるで頓着せずもりもりいっちゃうえりか。このふたりの性格の差よ。ほんと面白い。常識的にはゆみちが正しい、過剰サービスへの警戒もそうだし、教師として特定の生徒と一緒に遊びにいくのはいいのか悪いのか、そうした心配もそう。対してえりかはなにに対しても奔放で、細かいことは気にしない! 楽しさ、面白さ、そうしたもの最優先ですよね。

ああ、絶対生きるならえりかのスタンスがいいと思った! でも自分はゆみちタイプなんだよなあ。分別くさいというか、気が小さくて思いきりに欠けるというか。ねえ、ゆみちは気苦労やらなにやらで疲れたりはせんですか?

さて、愛菜です。今回の支払いをポイントで全部すませてくれたこの子! ほんと、頼もしいな! この揺るぎなさ、素晴しい。でもって先生ともまた今後のデートを約束してね、えらいこっちゃ、先生、愛菜にイニシアチブ握られてますよ!? もうどんどんいってほしい。見事、楽しくなってきた。そんな気持ちでいっぱいです。

2021年6月1日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年7月号、昨日の続きです。

『あやしびと』

校長が引きあてた温泉旅行。保護者役をユユに任せて、アヤたち生徒たちに権利を譲ったんですね。かくしてはじまる温泉旅館でのコミュニケーション。なんとふぶきも参加していて、ずっと口押さえている、風呂場では理性崩壊しないよう目隠ししている。なんか違う種類の妖人みたいですよ。

オバケ、妖怪が人の姿で生活しているこの世界。あやかしすべてがそうやって生活しているわけじゃないんだってこと、今回はこれでもかと描いてくれて、いやあ、剣呑剣呑。

夜の湖を見にいこう。ちょっとしたロマンチック体験目的で皆で繰り出したのはいいけれど、そこで出会ったのが不思議な女性。体調不良というのだけど、親切に肩を貸そうとしたみぞれがすんでのところで食われるところだった! しかし、サカサが殺意を感じとる前にこの女の正体を牛鬼と見極めたアヤ、有能だよなあ。さすがの妖怪マニア。

ともあれ、牛鬼ってのは怖いよね。ある年齢以上の人間には、鬼太郎のアニメ(多分第2シリーズ)でトラウマを植えつけられている。多分、この牛鬼と今回出てきた牛鬼は違うタイプなんだろうけど、かつてテレビで見た牛鬼、話の詳細は忘れても恐怖感だけは残っている。かくして、名前聞くだけでヤバいやつや! ってなってしまうわけです。

というわけで、みぞれに牙をむいた牛鬼相手にマジ怒りのお姉ちゃんです。先日、校長には手も足も出なかったお姉ちゃんだけど、今回こそは活躍期待したいですね。

『かぐらまいまい!』

最終回を迎えました。

例大祭を終えてからの皆の様子。日常に戻りつつ、将来のことなど考える、そんな時間が学生としての彼女らの本分をあらためて感じさせてくれますね。

この皆の語る将来への希望。そこには御神楽、皆で舞を舞ってきた経験が、それぞれに違ったかたちで息づいて、町の将来を考えたり舞の継承に携わりたいと思ったり、そして神社に勤めたいという希望もあって、ああ、こふくですよ。美夜とともに神社で働きたい。その希望をふたりともに抱くにいたるその様子。ああ、『かぐらまいまい!』だ! そんな感触しっかり感じさせてくれるくだりでありました。

さて、お姉さん、姿が見えなくなった理由なども皆で一緒に考えて、そして将来への夢をかためつつあるこの子たちのことちゃんと見守ってくれているという嬉しい描写などもあって、ええ、最後の最後に気持ちのほっとあたたまる、そうした最終回。舞姫部のその後と発展している様子もまた嬉しくな、あっ! お姉さんが後ろに!

『ポンポコタヌキとへっぽこ王子』

タヌキの豆子! よくこれまで正体バレずにきたもんだね!? いやもう、ほんとに心底そう思わないではおられないほどに迂闊というか、素直に自分の正体をさらけだしていくスタイル? とりあえず場をごまかすということさえも満足にできなくて、いやもう、玲音だけが正体を知ることになるのかと思っていたのに、早速鳴にもバレてしまって、これ、最終回までにどれだけの人間に正体バレるのかな。まさかこのふたりで終わりってこともあるまい!? そう思うくらいに迂闊なタヌキなのですよ。

豆子が演劇部に入ります。それはいいのだけど、部長と副部長。このふたりも普通の人間ではないような予感がしますよ!? 少なくとも副部長は猫又かなんかだろう。だって、名前がその正体を現している! というか隠す気ないよね!? でもって部長は神様なのかな。

なんともいえない登場人物たくさんで、いやこれなら豆子がタヌキバレしてもまあ大丈夫そうかな? なんて楽観が生じてきましたね。

『ちぐはぐ*るーむしぇあ』

授業中に手紙をやりとりしてたら先生にバレてしまいました。それで叱られた詩乃。職員室に呼び出されて、お昼もそこで食べることになったっていうんですけど、手紙をやりとりしていて相手をいいなさい。筆跡も変え名前も書かずにいたまひるの作戦勝ち? 詩乃も心得たもので、友達なんていない、全部自分一人の自作自演と涙ながらに訴えて、これ、先生に通った!?

これが全然通ってませんでした。イマジナリーフレンドと食べなさい、先生が詩乃を憐れんで恵んでくれたチョコレート。これが憐みでもなんでもなく詩乃を泳がせた上で、手紙の相手を特定するための策だとわかるラストなど、面白かった。騙し騙され出し抜きあう、そんなまひると先生のやり合いが、詩乃を間に置くことで直接対決するよりもずっと面白くなっていたと感じました。