2021年6月3日木曜日

『まんがホーム』2021年7月号

 『まんがホーム』2021年7月号、昨日の続きです。

『歌詠みもみじ』

山城家、アパートから一戸建てにお引っ越し。もみじ1歳半の頃ということは、今から15年ほど前のことですね。パパさん頑張ったんですね。戸建、建て売りじゃなく注文建築。ローンてんこ盛りみたいだけど、お金借りられるのも能力のうちだから!

しかしパパさん、基本的に迂闊なんですよね。ママさんが小賢しい系失敗をしちゃうのに対して、パパさんは不用意な行動で自滅するタイプ。ママさんの失敗は引っ越し費用を抑えようとして家賃を余計に払ってしまってるというもの。対してパパさんは、重さ確認せず荷を持ち上げて腰をやってしまったり、チビもみじに断わらず片づけちゃえばいいのに、わざわざ話しかけて、音まで鳴らして、おもちゃの存在意識させちゃったりね、ほんと不用意さんです。加えて極めつけは、手を出さないでと遠回しにいわれてるのに引っ越しの荷運びに手出しして落としちゃうとかね、これ、業者が一番困るやつや! 実際、手出ししたがる依頼主は困るらしいですよね。破損なんかが出たときに責任の所在がわかりにくくなる。でも、パパさん、しっかり反省したからまだよかったですよ。

基本失敗続きのパパさん。そうか、酔ったら旧宅に帰っちゃうか……。ほんとパパさんいいとこ少なかったな。そう思ったら、最後の最後にママさんの大失敗……。うん、ちゃんと夫婦で釣り合ってるのだと思いました。この服、あえて今開けてみたらどうなんでしょうね。時代遅れ? それとも一周まわって、大きくなったもみじに似合ったりはしないものでしょうか。

『吸血鬼と死体ちゃん』

生前のニナが描かれてますよ。明るくて、エドガーの駄洒落にも笑ってくれて、よくしゃべる、ほがらか。まだ小さかったこの子と数年間を過ごしてきたエドガー。それなりにニナのこと理解して、仲を深めて、けれどそれでもまだ最後の距離を詰められずにいた。そんな関係。

後にニナの真実を知って、エドガーは後悔したりなどしたのでしょうか。エドガーの吸血が、なんら影響を及ぼさないものでなく、相手に不死を与えるものであったら彼はそれを選択したのでしょうか。

なにせこれまでニナは死体として、無表情、感情薄めに描かれてきて、けれどかつては全然違ったのですよ。将来の夢をおぼろに見つつも、もともと弱かった身体のこと、その夢もどこまで本気だったかはわからない。そしてエドガーに血を与えようという19歳のニナの気持ち。もう覚悟などはあったのでしょうか。エドガーは彼女の死期の近いということを知っていたのか、あるいはニナはどうだったのか。

こうして語りに入ったということは終わりが近いのかも知れません。なにか当たり前に掲載されている、そんな気持ちでいたのだけれど当然そんなわけはなくって、ああ終わるのだとしたらさみしくなりますね。死を内包した話だけにどこかものがなしさ感じさせた漫画。そこになにか希望があるのだとしたら、ちょっと期待したくなるんですよ。

『うちの秘書さま』

田中さん、倒れる! 過労!? いや、ただの空腹!? 心配して大慌てしたはじめが、豚骨ラーメンのリクエストにちょっと怒りをにじませてるのがおかしかったです。

でもちゃんとラーメン用意して、チャーハンも、さらにはギョーザとから揚げの追加にも応えてくれて、この家の人、いい人ばかりだよなあ。でもって加えて、きちんと休むことを要求、寝床まで、寝間着も、用意してくれて、本当いいお屋敷ですよ。

なかなかいうことを聞かず、逃げ出そうとする田中さんを抑える秘策が、山田を召喚するぞという脅しなのがめちゃくちゃ面白い。どんだけ苦手としているのか、それが見事ににじみ出て、そこからはじまる寝間着ファッションショー。いや、着せ替え? ぶかぶかパジャマ、可愛かったですよ。

今回は屋敷の皆の優しさと、なかなか素直になれないワーカホリック田中さんのやりとり、攻防? それがおかしくて、面白くて、すぐ仕事に戻ろうとする田中さんを止めるために縛りあげるとか、どんどん加減がなくなっていくの! 最高だったと思います。

そして最後には田中さんも居心地のよさ感じながら眠りにつくじゃないですか。このお屋敷、やっぱり人が優しいんだと思うんですね。

0 件のコメント: