2009年6月30日火曜日

Pioneer ブルーレイディスクプレーヤー BDP-320

 買わなくちゃ、Blu-ray Discプレーヤーを買わなくちゃ。いやね、Blu-ray Discプレーヤーも持ってないのに、Blu-ray Discを買うと決めちまったものですから、決めたどころか予約しちゃってるものですから、プレーヤーを買わんといかんのです。けど、Blu-ray Discプレーヤーといっても、そうそうお安いものでもないからなあ。そんなことから、最初はPLAYSTATION 3を買うつもりでいたんです。プレーヤーとしての能力は充分。ゲームもできる。魅力的と思った。けど、ちょっとひっかかるところもあって、それは発熱、それを冷却するためのファンの音、などでしょうか。結構大きいといいますね。でも、映像見る程度なら平気だろう、そう思っていたら、いやいや、Blu-ray Discの再生でかなり発熱するらしいですね。そうかあ、うるさいのはいやだなあ。そう思って、新型の動向をうかがっていたんですけど、正式なアナウンスも一向にないわけで、だから、専用プレーヤーかなと思っていた。と、そこへ比較的安価なプレーヤーがリリースされたとの話を知って、これは、と思ったんですね。

 比較的安価なBlu-ray Discプレーヤー、それはパイオニアのBDP-320であります。って、BDP-120じゃないんだ。いや、最初はBDP-120に興味を持ったんです。二万円台で買えるBlu-ray Discプレーヤー。おお、PS3までの繋ぎに最適じゃなくって? そう思った。で、もうちょっと調べてみたところ、一万円ほど足すとその上位機種が買えることがわかって、まあそうなると、PS3と値段の差はなくなってしまうわけなんですが、でも、まあ買うなら、BDP-320かなと思ったんです。

その理由は — 、そんなにないです。ノイズリダクションがついてる、画質もよくなってるらしい、それくらいですか。起動に関しては、クイック起動のあるBDP-120の方が優れているらしく、またCMバック、CMスキップもBDP-120にしかついていない……。とはいっても、テレビ録画をディスクに保存したりはしないから、これはあんまり関係なさそうか。

起動に時間がかかるといっても、まあそんなに急いで見ようってこともないだろうから、気にはしません。それ以前に、今うちのDVD試聴環境であるPlayStation 2ですけど、ドライブが弱ってまして、なかなかディスクをマウントしないんです。だから、起動に時間がかかることに関しては気にならないです。それよりも画質が重要だよな、って思う。ハイエンドを求めるまでじゃないけど、そこそこの質は確保したいものだ。そう思ったから、BDP-320が欲しいと思っています。

しかし、同価格帯で他メーカーの製品もあるのに、なぜパイオニアかといいますと、パイオニア、結構好きなんですよ。LDプレーヤーもパイオニアを選びました。で、ちょっといい機種を買ったんでしたっけね。パイオニアにしたのは、音質とか画質とかにちょっと気の利いたプラスαを感じさせる要素があったからで、気にいって使って、それで故障したときのケアも満足いくもので、けどパイオニアっていいもの作るっていうけど、一般うけしないっていうか、なんか目立たない印象があるでしょう。だからこそ、応援したいなって思ったんですね。聞いた話によれば、BDP-120はシャープのOEM? 共同開発? どっちか忘れましたけど。対してBDP-320はパイオニアの最後の純正機になるの? なんかこういう話を聞くと、断然BDP-320を選びたくなって、いや、シャープが嫌いとかはないんです。そうではなく、パイオニアらしい製品をと思うとBDP-320になってしまうってことなんです。

さて、具体的に購入を考えているので、量販店にいって価格を聞いてみたところ、取り寄せで4万4千円ほどだそうで、対してネットだと3万3千円くらいにまでなる。ちょっとくらい高くても地上の店で、と思ってきたけど、一万円以上の差が出ると、さすがにちょっと考えてしまいます。さあ、どうしようかな。これはちょっと悩みどころのように思います。

2009年6月29日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年8月号

ようし、今日こそ『まんがタイムきららキャラット』で書きますよ。さてさて、アニメ化効果なんでしょうか、いつも四コマ誌を買っているコンビニ、『キャラット』が大量に入荷していて驚きました。その数、7冊。って、売れるんか? いや、売れると思う。『GA』が始まったらきっと売り切れる、といいきるのは、先日出たところの『フォワード』、これが売りきれていたからで、そんなに数が入ってたわけでもないけど、でも例月は私の他に買ってる人いるのかな? そう思うくらいに残っているのが普通だった。けど、8月号は早々に売り切れて、やっぱり『けいおん!』の効果なんでしょうね。だから、いつも以上に入荷していた『キャラット』も、きっと売れてしまうだろう。そのように思っています。

さて、『キャラット』8月号の巻頭は、チェルシーの面々による『GA — 芸術科アートデザインクラス』アフレコレポート! しかし、これが面白い。ほんと、よくわからないつかみから始まって、適当なボケをまじえながら、どんどん進んでいく、その推進感がすばらしい。えーと 誰役ですか? とかどうする?! 踊る?! とか、人を食ったようなハイテンションは小気味好く、それで声優さんずらりと紹介するところの最後なんて、もうね。へー、シークレットがあるんだ、とか普通に思って、ボケを殺してしまいました。ごめんよ、ユキちゃん……。

しかし、声優さん、ちっともわかんなくなりました。具体的にわかる人ったら、堀江由衣さんくらいなんじゃないかな。戸松遥さんは、『バスカッシュ!』でアイドルむらさきをやってる人かな? いや、違うし。アイドルレッドじゃん! もう駄目駄目です。いや、Wikipediaで出演作をざっと見て、見てたものっていったら、『To Heart!』だけか……。どんだけアニメから離れてたっていうんだろう……。

しかし、チェルシーのキャラクター、よく動いて、いいなあ。というのは後にも書くので、ここではこのへんにしておきたいと思います。

『GA』。花を作る話。下級生組と上級生組が、直接に関係することなく、並行して動いて、そして最後に交差するっていう、その構図、仕掛けはすごくうまいと思います。誰かにスポットライトはあたるけれど、その人だけが主役じゃない。皆が動いて、関わりあうことで生じる小さなドラマっていう雰囲気が素敵なんだと思うのです。とにかく人が多い、けれどごちゃごちゃするとは感じない。個は自由に動いているのに、その自由な動きがひとつの物語を編んでいる。本当。いい感じです。

ひだまりスケッチ』は、なずなが正面向いてるのかと思ってどっきりしたら、背中でした。なんてこった……、そんな自分にがっかりだ。先輩としてなにができるか、そうしたことを思い悩むゆのがなんだかすごくいい人で、そういう誰かになにかしてあげたい、そうした気持ちは大切だな。そんなことをしみじみと思わせるいい話であったと思います。

『Aチャンネル』、なるべく腕だしたくない私は、夏でも長袖です。しかし、わけわからないこといって煙にまこうとするトオル、可愛いなあ。反面、好きなら好きと、はぐらかしたり、ごまかしたりせず、はっきりいってしまうトオルのその真っ直ぐさはとてもいいなと思われて、そしてそれをきっちり受け止める、そんなるんとの関係がとてもよいと思うのでした。これ、でも、いい漫画だなあ。

『せいなるめぐみ』、さらにひとり増えまして、おっとりしたいい子に見せて、実はそういい子ってばかりでもないっていうキャラクター。いいな。荒井チェリーらしいキャラクターだと思います。『チェルシー』は素敵な扉ゴマ。そしてお姉ちゃんが登場して、うお、この人なんかいいな。妹ほどではないけど、結構自由きままなふるまい見せて、なんかこういう気持ちがまっすぐばーんと出てますって感じがするところ、その一挙手一投足にその時々のキャラクターの感情があふれるようなところ、やっぱりいいと思います。小さなコマに大きなアクション。ほんと、その伸びやかさが素敵です。

ふら・ふろ』は、縁日をめぐる感情のゆきかいが描かれて、ちょっと叙情的。ナンセンスなコメディをやるかと思えば、ナンセンスにとどまらない、そんな、ちょっと懐かしいと感じさせるような心の風景が描かれるところ、不思議と嬉しくなる、そんな味わいがよかったです。

うらバン!』、泳げなかったひとり、なんか珍しいポジションに立って、すごく意外、けどとてもよいです。あのフル装備になるところなんかも! 今回は先生出ないのかと思ったら、ちゃんと出てきてよかった。ところで、バイトについてですが、非常勤教員から副業をとったら暮らしていけません。というか、この人は教員が本業なのか、それとも他に本業があるのか。どっちなんでしょうね。なんか、謎の多い、そういうところ気にいってるんです。ところで、プールで管楽器は、楽器にはあんまりよくなさそうだけど、響きはよさそうだなあ。屋内っぽいからなおさら。あんなところで思いっきり演奏できたら、気持ちいいだろうな。そんな営業、どっかにないかな。ないだろうな……。

とらぶるクリック!!』、杏珠のPCって、iNote G4かと思ってたら、さらにその前の世代だったのか! そりゃ、そりゃもう遅いよ。今の、どんどん重くなるWebだと、ずいぶんしんどいんじゃないのか。というようなことは置いておいて、明らかになった杏珠の秘密、ええと、いや、いいんだ、明らかになったんだ。そして新メカ登場の流れになって、これまでお世話になったコンピュータとお別れをするっていう場面、なんといったらいいんだろう、しんみりとした。気持ちはわかる。はじめて手にしたコンピュータ。そいつとともに、新しい世界と出会ってきた。そうした感慨というものは私にもあって、はじめてのコンピュータ、捨てずに残していますから。杏珠の場合、決して手にすることができないと思っていた、そんな状況でしたからなおさら格別の思いでしょう。そうした、これまでの光景が一気に去来するかのようで、じんとした。静かだけれど、これはひとつのクライマックスであった。そのように思います。

次回への引きに関しては、今はなにもいいません。ただ静かに来月を待ちたいと思います。

『アクアリウム』。整った、イラストレーションといった趣のある絵。話は、オーソドックスな恋愛ものの導入といった感じで、そこにアクアリウムがどういうふうに組み込まれていくのか。どういう舞台となるのか。まだわかんないんだけど、不思議と目を引く、そんな雰囲気が画面から感じられて、ちょっと興味津々です。

『空の下屋根の中』、同年代の人間と、今の自分を比べると、なんか妙に焦りを感じたり。私もあります。足踏みしてると思う。あまりの進歩しなさ、取り残されてるっていう思いがすごくつらい。それが痛いほどわかるのはなんだろう。私も今をなんとかしのぎながら、大逆転のチャンスはないものか、それを伺っている。伺っているということを言い訳に、一時しのぎの自分から目を反らしている。そんな気がする。なんというのだろう、ヒロインかなえの抱える空虚さ、それに似た空っぽを自分も持っている。そんなところがちょっとドキドキとさせる、そんなところがこわいです。そして、単行本の表紙でしょうか、広告のイラスト、その力なく投げ出された体の感じさせる空っぽさ、いたましい。自分とはなんだろうとつかみあぐねている人には、ぐさりとささる、そんな鋭さのあるイラスト。自宅警備中だなんて書かれているけれど、そうではない。ニートだとかじゃなく、仮に職にありつけていても、自分という人間の置き場を社会に見出すことのできずにいる、そんな人間の感じている不安、理由のわからない不安、ぬぐえない不安、それゆえの空虚、それがこの漫画には強く投影されている。そんなことを感じさせるイラストであると思いました。

『ツバサとらいある』、ええと『ゆかひめ!』にも触れておこう。できないと見せて、実は優秀。今はそういうキャラクターが熱い? いや、でもすごくいい感じ。私は、一見駄目っぽいんだけど、実はできる、っていうキャラクターにすこぶる弱いんです。なにに対しても完璧という人よりも、実は、というのが効くんですね。ところで、ヒロインのツバサは、一見できそうなんだけど、実はあんまりって感じですね。いや、でもこういう人も好きよ。ギャップが好き? そうなのかも知れません。『ラジオでGO!』の、クールに見せて実はアイドル声優大好きっていうあの人も大好きです。

アットホーム・ロマンス』。やべえ、ケツがやべえよ!! 親父のケツがやべえよ! 親父の次は、息子のケツもやべえの? わくわくしますね。いや、ごめんなさい。全然本筋じゃないところに食い付きまして……。

父親というものは、息子に自分の仕事を理解してもらえるっていうことが、すごく嬉しいことみたいですね。以前の、ほら第2巻収録のプロレスにきっぱりと区切りを付けた時もそうでした。そして、今回もそう。竜太朗の迷いながらも、留まることなく進んでいこうという姿勢。それが、父親にそれから姉に、なっちゃんに、そして祖父、母親に共鳴していくというようなところ、牽引するとかではなく、その様子に自分も歩き出そう、そう思わせるようなところ、すごくよいと思います。情熱過多の少年の、熱意がほとばしるようで、本当、やつはまぎれもない主人公だな、そう思わされるんですね。

『ミクスチル』、あんまり写真が表立って出てこない写真部もの。いや、写真部漫画の伝統といったところ? 写真やカメラに関してはほんとにちょっとだけ、さわり程度。けれど、そうした環境において、女の子たちがたわむれる。そのたわむれかたは、他にないちょっと独特なタッチがあって、悪くないと思いました。平気なふりして、実はショックっていうような表現、あれがよかったなって思います。

うらがアルっ!』、合宿終了。いや、本当に遊んで終わる、まさに旅行でありました。けど、遊べるうちに遊ぶのがいいよ。ちょっと成長したりあのん。ついに鼻血を隠し通した麗亜せんぽい。そしてお母さんの可愛さ。お母さんの前では素直なりあのん、そのりあのんに対するお母さん、ふたりのその仲よい母娘って感じがとてもいいんです。普段、りあのんは背伸びしてるけれど、そうした頑張りがすっと抜ける、その描写がすごくいいのだと思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第8号(2009年8月号)

引用

  • シバユウスケ「アニメGA — 芸術科アートデザインクラス アフレコレポート!」,『まんがタイムきららキャラット』第5巻第8号(2009年8月号),5頁。
  • 風華チルヲ「アットホーム・ロマンス」,『まんがタイムきららキャラット』第5巻第6号(2009年6月号),203頁。

2009年6月28日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2009年8月号

ようし、今日は『まんがタイムきららキャラット』で書くぞ。昨日から、その気でいたら、ええと、ああ、『オリジナル』のほうが先か。ううむ。ちょびっと肩透かし。昨日、27日に『まんがタイムオリジナル』と『きららキャラット』とKRコミックスが出たものですから、まずはKRコミックスで書いて、それから本来の発売日の早い順に書こうと思って、その発売日を勘違いしてしまっていたというわけですね。勘違いはよくあることです、っていうか、今でも正直迷います。今は公式カレンダーで確認しながら手帳で管理していますが、それをやめたら、もうわけわからなくなるだろうなって思います。

『あかるい夫婦計画』の捨てられないタイプ。これには大別して二種類あるらしく、なにかに使えるかも知れないと思って捨てられない人と、それからそのものに愛着があって捨てられない人と。こちらの旦那は前者、そして私は後者です。いらないとなればぼんぼん捨てますが、愛着や思い出があるためにどう考えても今後なんの役にも立たないだろうものを残したりします。それはさておき、職場に前者のタイプの人がいまして、その人はファイルをゴミ箱に捨てるんじゃなく、デスクトップに何年のゴミ箱というフォルダを作って、すべてそこに移動させているっていうね。実質的にファイルは消さないんだそうで、まあ今はハードディスクも大きくなったから、こうしたスタイルでも問題ないかなって、そんな時代になったんですね。けど私は無用のものがあふれている状況は我慢ならないので、いらないファイルは捨てたくてたまりません。はなこさんタイプに近い? いや、多分はなこさんから見たら、どっちもどっちだろうと思います。

『ささきまみれ』の「未知への挑戦」ですけど、世の中っていうのは、たいていこんなものかという気もしましてね、同じものを、名前を変え、見た目を変えて何度も売る。そうしたものは、結構多いように思います。はやりが過ぎて、忘れられたころにやるのがお勧めね。

『今日から寺バイト』は、扉ゴマ、とてもいい。黒ベタいっぱいでそれで凛々しいお嬢さん。スカートも長い! 完璧だ! と思ったら、なんかシビアそのものといった感じのお姉さんになってた。でも、なんかこういう媚びない感じ、漫画が媚びないといってもいいかも知れませんが、特に男性読者に対して、そういうところ、ちょっといいかもって思いはじめています。

開運貴婦人マダム・パープル』は、今回もとってもモエモエな感じでした。居酒屋阿鼻叫喚!! はものすごい笑った。口紅も、それから伸子も。派手さはないけど、レベルは高い漫画、本当にモエモエな漫画だと思います。

『恋するマロン』は、ほのぼのお姉ちゃんの雰囲気が軸になっていて、ゆるいギャグ、けれどそれがいいと思える、そんな空間になっているように思います。シビアさとか、そういうのはないけれど、むしろそういうのがないっていうのがよいのだろうな、そんな風に思います。

『先生のたまご』、フリーダムな教師たちが楽しいなあと思って、多分現実にこういうことやると、大変なことになってしまったりするんでしょうけど、けどさ、こういうのを許す、そんな空気は世の中には必要だと思うんですよ。以前私のいったイタリア、営業中の店のレジで、電話ごしにおいおい泣きながら別れ話しているお姉さんがいて、けれどそれでも別におかしくなかった。仕事はちゃんとして、にっこりとグラツィエ。なんら問題ない。知人に聞いた話、アメリカでのこと、イーグルスのライブにいったら、フリーのTシャツを配る列に制服の警官が並んでた。パトカーに残る同僚に、にこにこしながら、これどうよ、みたいな感じで見せているのがすごい面白かった。もちろん誰もなんもいわない。警邏は、同僚がちゃんとやっているからいいんでしょう。こういう、世の中のゆとりみたいなもの、ぎすぎすとしない、すきま、歯車の遊びみたいなもの、そういうのがない社会は息苦しい! そう思う私には、すごく楽しい漫画でした。教師がフリーダムでもいいじゃないか。プロとして求められるものがあって、それに応えているというのなら、そこにプラスαでゆとり、遊び、そういうのがあってもいい。その楽しそうな様がとてもいい! そんな風に思いました。

そこぬけRPG』は、私は女子過多の大学に通っていたのですが、友人がやっぱり服だなんだのチェックがあるから大変だっていってました。でもって、カナさんのネックレスって、Vivienne WestwoodのOrb Locketとかいうやつ? 詳しくないから、よくわからんのだけど。すごいよね、こういうのの値段。っていいながら、もっと高い楽器を買おうと画策している自分、結局人の趣味なんて理解できないってことなのだと思います。アクセサリーに金を払う余裕はないわー。

女の子会議に関しては、カナさんの仕切りがはいって、こういう差配ができるところが女王様といわれる所以なんだろうなと、そんなことを思って、ということは、この人はきっと大女王様なんだろうな……。55cm藤崎さんにスポットライトの当たりそうな流れに、次回への興味も高まります。

『明日もひまわり荘!』、松田円のゲスト掲載作。大学の裏手のアパート? に入った女学生がヒロイン。けど、今回はまだ序盤だから、なんともいえない感じです。悪くはないと思いました。そのアパート? の謎が明らかになる次回、本当にどんな秘密があるのだろう、それが楽しみです。

『おかまん研』、なんともいわれんものがあります。私は、こういうの嫌いじゃない。つまり、好き。あの連続離脱のところなんかは、かなり面白かった。けどこれが一般的かといわれると難しい。一般的でなくてもいいんですが、私は一般からかなり離れてるだろうと思いますし、ただこれが残らなかったら残念だな、なんとか残ってくれるといいな……、などと思っています。

L16』、コンテストにエントリーできなくてごねるユキの、あの吊り目がいいなと思ったり。けど、ああいう浴衣にはちょっとなんか抵抗あるなあ。いや、でも強いて浴衣と思わなければ、わりかしオッケーです。普通に着物や浴衣が不断着として残り続けていたら、こういう発展もあったのかも知れないな、なんて思ったりすることもあります。

『SPさん』、淡々として面白いです。薬味とか、カリカリとか。いや、でも、あのロボット掃除機ですか? あれはなんかペットみたいに感じてくる瞬間があるとかなんとか聞きます。無生物にも、なんか愛着を持ってしまうみたいな感じ、すごく微笑ましい、なんて思います。

『ミラクル書店』、最終回でした。前回の続き、告白されて、けれどばたばたするうちに、なんか蚊帳の外みたいになっちゃう西田くんはちょっとかわいそう。でも、店長、紺野さんは大逆転だったなあ。好きな漫画でした。終わっちゃうのは残念です。そして『マルビプリンセス園華サマ』の周辺、恋愛のもろもろに決着がつくか? そう思わせて、そうではなかった。現状のまま、けれどあの頼りなかった正太が帰ってくる、それもしっかりとした、そんな感じになって帰ってくるというラストで、これはお姫様に相応わしい王子様になりましたってことなんでしょうね。いい終わりかただったと思います。『ミラクル書店』も『マルビプリンセス園華サマ』も、本当にお疲れ様でした。

ただいま勉強中』、そうかこれからは第一次産業が熱いな……。いや、大変なことはわかってるけどさ、けど今後第一次産業が重要になる時代がかならずくる、と思ってるのは事実で、ただその時代がくる前に疲弊しきったりしたら大変ね。千里のオカルトに対するスタンスが最高でした。信じてないんじゃん! 妙に現実的なところ。そういうのはいいなと思います。

『Oh! トラブル小町』、新田朋子の新連載。ソムリエになりたくて、居酒屋に勤めることになる女の子の話。素直な田舎の子と、ちょいとすれた女将さんのキャラクター、それで話を進めていくのだと思います。『ご近所コネクション』は岡田がるの新連載。マイホーム、ええとマンションかな? を購入して、個性的な隣近所と関わって、という話のようです。しかし、マンションの自主管理方式とか委託管理方式とか、そういうの意識したことなかったから、これは知っておいた方がいいんだろうな。どちらもまだはじまったばかりで、どういう風に展開していくかは、次回以降ってところ。楽しみに読みたいと思います。

『時間がない!!』の空調の話。以前、私の職場でそういうことがあって、しかもサーバ室がそうで、で、熱でサーバが止まっていて、大騒ぎでした。ダンボールでダクトを作って、他の部屋から冷気を流したりして、大変でした。この漫画の場合、サーバ室じゃないから大丈夫でしょうけど、でも熱で暴走したりするマシンも出たりするんじゃないか。とにかく、コンピュータというのは発熱うんぬんが厄介で、これからの季節、大変です。というか、パネルヒーターみたいなもんだからなあ……。

『おたママ♥』の夏休みのしおりは、きっと気付く親はあるはずだ……。でも、気付く人間は仲間だから大丈夫なのか? 『花咲だより』、試験会場でやりたい放題のお姉ちゃんがいいなあ。なんのかんのいって、弟思いなんだよなこの人、っていうのがたまに見える。今回もそういうところがちらほらあって、よい話でした。

『毎週火曜はチューズデイ!』が帰ってきた! ガジガジしながら帰ってきました! あいかわらず面白いな。あの個人的な感想ですってところのナンセンスさ、ああいうの、実によいなと思います。

オリジナル新人ギャグまんが展は、結構よかったです。「ゴミ出し」とかもいい、「姉のがんばリズム」なんかもいい。失敗した姉に対する弟のはげましの言葉、ああいうの、なんかいいなと思いました。

  • 『まんがタイムオリジナル』第28巻第8号(2009年8月号)

引用

  • ÖYSTER「毎週火曜はチューズデイ!」,『まんがタイムオリジナル』第28巻第8号(2009年8月号),169頁。

2009年6月27日土曜日

メロ3

 先月に引き続いて、野々原ちきのコミックスが出ました。その名は『メロ3!』。高校デビューをはかるオタク少年福田本太が主人公。いや、それはもしかしたら違うかも知れない。だって、主人公は彼に気のある女の子三人。小鶴木ノ子、松島ころな、高砂スズメなのかも知れないのだから。委員長タイプ、ほがらか、のんびりお嬢様という、ある種の典型を揃えてみて、しかしその三人が三人とも、ポン太のことが好きなんだというんです。なんというハーレム状況! だけど、ポン太のあまりに強すぎる自己否定感情が、彼女らの好意を認識させないっていうんだから、もうむくわれるんだかむくわれないんだか。そんな恋愛模様が楽しい漫画であると思います。

しかし、連載でも楽しみにして読んでいたんですが、単行本で読むと、より一層に面白い。そんな風に思えて、なんなんでしょうね、この単行本エフェクトとでもいうべき現象は。面白さ増幅のメカニズムはいったいどういうものなのか、読んでいて、楽しさも面白さもこれまでに感じていた以上にふくらんで、そしてなんだかじんときて泣きそうになっちゃったりもしてね。いやね、だって、駄目な子であるはずのポン太が、折々にかっこいいの。不良にからまれたりいじめられたり、それでいつもびくびくしてる。そんな彼なのに、女の子の危機に際しては、どんと前に立って、代わりに殴られたりしてみせるって、そりゃ好きになってもしかたないわ。とはいえ、そんな理由で彼女らがポン太を好きになったわけじゃないんですが。

この漫画でじんとくるのは、ポン太がかっこいい、からというよりも、ヒロインもポン太も、どことなく自信がなくって、それで迷っていたりする、そんなところにぐっと胸しめつけられるような思いをするからなんですね。ヒロインサイドではとにかく木ノ子が切なくて、『姉妹の方程式』の来来軒の悪魔っぽい女の子なんですが、気が強くて、ちょっとツンデレっぽくて、結構純情で、そしてサディスティックな嗜好があるという、まるで天使のような娘なんですが、この子が中学で委員長をしていたというその理由。それが語られる一連の流れ、ぐっときた。ポン太に認めてもらっていたんじゃん、むくわれてよかったじゃん。そんな思いもする回で、そしてこうした感情は、スズメの自分が変だと自覚した回? あそこでのポン太のはげまし。自分の発した言葉がポン太自身にも反響する、そうしたところ、とてもよかった。

基本的に、女の子がわいわいとやっているコメディなんだと思います。個性的で、ちょっとかわりもので、けどみんな素直で、彼女らの様子見ているだけでなんか楽しいのですが、そこにポン太という微妙に蚊帳の外の彼が加わる。なんのかんのいって前向きな女の子たちと、どこまでいっても後ろ向きなポン太のギャップも面白くて、やっぱり野々原ちき、いいなあって思ってしまう。ええ、すごく面白い漫画だと思います。

ところで、カバー下の落ち。あれにはちょっと笑ってしまった。妹、真都のクールなコメントにはやられました。しかし、この真都、なんのかんのいっても兄思いで、いい子だなあって思う。こういう、ぽろっとふいに描かれる、キャラクターの気持ち、それがすごくよいのだと思います。真都にかぎらず、他のキャラクターにおいても同じ。コメディの中に心をとらえる瞬間がある。その時私は、ほっと息をつくように安らぐ、そんな思いがしてすごく嬉しくなるのですね。ええ、野々原ちき、大好きな作家です。

    野々原ちき『メロ3』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。 以下続刊

2009年6月26日金曜日

『月刊アフタヌーン』2009年8月号

 『月刊アフタヌーン』2009年8月号はとうに発売中です。表紙は『宙のまにまに』、天文部に所属する少年少女の青春ものといった漫画でありますが、なんでか私は読んだり読まなかったり読まなかったりで、うん、ほとんど読んでない、そんな具合なので、アニメになったというのを聞いて、そうかあ、人気なのかあ、ちゃんと読んだり見たりしたら面白いんだろうなあ、そんなことを思っています。いや、アニメはまだ始まってないのか、つうか関西はサンテレビだけか! うち入んないよ! ありがとうございました。縁がなかったと思ってあきらめます。

『友達100人できるかな』、先月出てきた、キュートな堅物眼鏡。これはいったいどういう関わりかたをしてくるんだろう。敵にはならんだろう。共闘するのか、と思っていたらまさにそのとおり。理屈でもって物事を推し量ろうというユカリに対して、理屈じゃないんだ、とにかく体当たりで挑む直行。しかし、その友達になりかたというのが、子供の姿でありながら実際には大人である、未来に自分の子や妻を置いてきている、そうした事情を共有し、共感しあうというもので、しかしそういうところ、なんだかしみるところがあり、直行の独白など、もう、本当によかったです。

『武士道シックスティーン』、面白いかも。まだ序盤、ヒロインふたり、磯山香織と西荻早苗が出会った、お互いをあの時の相手と認識した、そうしたところで終わって、だから本当に序盤も序盤。けれど、これからなにかおこりそうな感じがひしひしとする。その緊迫した感じがすごくいい。あまりに違いすぎるヒロイン、ふたりが出会って、関わりあうことで、変わっていくんだろうな、そんな予感がわくわくとさせます。

『アストライアの天秤』、完結の後編。ちょっとできすぎのストーリー、けれど歌舞伎の見せ方を下敷にするというギミックから考えれば、こうであるのがむしろ自然とも思えて、わかりやすく、見るものの感情に訴えかけるという、そういうところ、わるくなかったと思います。しかし、ちょっと癖も感じられる絵で、迫力たっぷりに語りかけるといった感触。よいですね。好みかといわれると違うんだけど、それでもひきつけられる、そんな魅力を持っている漫画です。

百舌谷さん逆上する』は、竜田入院時代にさかのぼって、つまり夏休みの前ですな。この話では、主にたまちゃんの変態性とたっちゃんのあほさかげんと、それから、なんだ、ええと、ともかく竜田と勇次郎が顔見知りであるという事実を確認しておこうという回だったのかと思います。しかし、竜田は半ズボンが似合わんな。しかし危機的状況に脱いで立ち向かう竜田は、本当にあほなんだけれど、しかしなんか格好よかったな。ていうか、勇次郎が可愛いな。

『いもうとデイズ』、これ大好き。ホストのお兄さんのいい人っぷりが最高で、そりゃパパっ子のまりかちゃんも惚れちゃうってもんですよ。しかし、今回は本当にディアナに振り回されるお兄さん、近所づきあいなんかも頑張って、なんかほのぼのとしてすごくいい。そう思うんだけど、これからは、この兄さん、このご近所さんに振り回されることになるんだろうなあ。ディアナの健気さと、それから兄さんの人のよさ。そうしたところが、なんともいえないよさ、味わいを出していると思うんです。

そして、フサさん、さいてーだ。いや、今にはじまった話ではないけれど。しかし、これは一時の気の迷いで、得られるはずのものを失なってしまう話と捉えてよいのかな? たぶん違いますね……。

2009年6月25日木曜日

Paddy field, taken with GR DIGITAL

Underground shopping center月末、となると、好例のGR Blogトラックバック企画であります。6月のテーマはといいますと水。やっぱり梅雨の季節ですものね、って関西ではまったくといってもかまわないくらいに降らない日が続いているのですが、いや、もう、都会では季節がようわかりません。けれど、都会というほどでもない私の身辺には、やはり季節を感じさせる風景があって、思えば私がGR DIGITALを買おうと決意したのも、移りゆく季節の変化を見過しにしたくないという思いからでした。そんなわけで、今月もトラックバック企画 水 に参加します。

水、といっても水はメインではないかも知れません。仕事から帰る途中、赤く染まる空の下、静かにただ広がっていた田んぼ、水田の面に空が映っている。その様が美しいなと思って撮った、それがこの写真です。

Paddy field

思えば、子供の頃に過ごしたところは、周囲に田んぼ、畑、たくさんあって、春、水を張られて田植えを待つ田、夏の青々と伸びる稲、そして秋の日に輝く稲穂。そこに季節というものを感じたものでした。けれど、田んぼもどんどんなくなっていって、ともない季節の機微というものも薄らいでいった、そんなことを思う。けれど、それでも日常のあちこちに季節は残っているんだ、そうしたこともまた事実であるのですね。自分のまわりに残る季節の表情、日々の暮らしにあくせくとして、気にもとめなかった。けれど、それでは駄目なんだ、そんなことを思う初夏の夕方でした。

さて、今回はちょっとおまけ。水といえば、数年前にいった九寨溝。あそこはすごかった。とどまっている水はおそろしいほどに澄んで、流れ落ちる水は雄大。水の静的であり、また動的でもある、そうした両極を感じとれる場所でありました。特に説明はつけません。ただ見てください。

Jiuzhaigou valley

Jiuzhaigou valley

Jiuzhaigou valley

Jiuzhaigou valley

Jiuzhaigou valley

2009年6月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2009年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』8月号、発売です。表紙は『S線上のテナ』。7月13日にコミックス第6巻が出る、さらに7月24日にはドラマCDも出るそうで、このあたりの展開は今ではそう珍しいという気もしないですが、多様なメディアに進出していく様、一昔前からすると、大躍進だなと感じます。大躍進といえば、現在アニメ化でちょっとブームになってる『けいおん!』がこの8月号に掲載されているということで、いつも以上に売れたりするんでしょうか。今号はさらに、『コミックエール!』から移籍してきた漫画が、前回までのあらすじ付きで載りはじめたりして、だから初見の人にも多少やさしい号なのではないかと思います。

『S線上のテナ』は、テナとアルンに哀れまれる恭介。けど、落ち着いたと思ったら、ちょこちょこ裏で動きがある、しかも今回なんて、ずっとほのぼのとした雰囲気で進んでいったと思っていたのに、実はそうではなかった。ここにも、まだ表には出ていない動きがあると知らされて、それも思いもしなかったところから知らされて、本当、どうなるんだろう。岬下部せすなだから、そんなに怖ろしい展開は待ってないだろう、そうは思うけれど、波乱はありそうだな、そんな気がしてはらはらしますね。

けいおん!』は、澪と律の馴初め話。って、友人なんだから、馴初めは変か。しかし、久しぶり、単行本描き下ろし以来のコマ割り形式ですかね。四コマとはまた違ったテンポで、面白かったです。話としては、番外編という感じで、子供時代の澪律、一コマだけ唯と憂、あれ紬は? 子供律の着ていたTシャツのデザイン、ちょっといい感じ。あんなのあったら欲しいな。楽器は、というかドラムは、アニメ同様にHipGigになってました。こういう、影響が遡上してくるところ、面白いです。

純真ミラクル100%』、エールからの移籍、所長の陰謀でしょっぱなからゴスロリ、というかあれは白ロリ? 着せられるモクソンが可愛いという話。所長の密かな楽しみと、それが裏目に出て、いや、表目か、あたってしまってラッキーというジレンマが久々に見られて、満足でした。けれど、本編はモクソンの焦りやら、その様子を見ていろいろ思うモクソンやら、さらには二宮さんの思惑なんかも、王道ながらも、その王道っぷりがよかったです。私はどうも、二宮さんが好きみたいですよ。

『さんぶんのいち。』、これもエールからの移籍。海都をめぐる騒動が一段落ついて、だからちょうど読み始めるにはいいところかも知れません。しかし、ついつい忘れがちなんだけれど、この人たち中学生なんですね。開き直った葵、葵に対する楓の気持ち、そうしたものが交錯する。そうした様子が今一度整理されたって感じがします。うん、これから読み始めるにはいいところだと思います。

『トランジスタティーセット — 電気街路図』は、ロボコン編の続き、というか、メイド喫茶顛末って感じになってます。謎の多すぎるみどりについての話も動き出した? ともあれ、エミ太くんが可愛いです。ボクっていうのがあんなに効くのは、それが逆に女の子っぽさを広げるから? ちょっと新たな扉が開いた。いや、すでに開いてたんだけど、そこに明確な認知がついたって感じです。いいぞ、エミ太くん。背の高い娘さん、大好きさ! ビラビラのフリルとか着せたいなあ。

『夢喰いメリー』は、夢魔っていうものがどういうものかという駄目押しがあって、そして主人公が主人公として活躍できる素地、その前提のおさらいがあって、という感じでした。キャラクターの描き方が上手いのか、状況はさほど動いていないのに、思わせてくれるところはずいぶんと大きくて、面白かったです。

『少女素数』、いきなり余談ですけど、フィギュアに使う粘土って本当に毒物含んでるんですか? 知らなかった。いや、富士夫兄さんの単なる脅しかも知れないけど、いや、けど、多分含んでるんだろうなあ。

今回は、双子の、双子だけどそれぞれに違っているんだよ、っていうところが強く押し出されて、しかしそれにしても、意外と思えるほどのすみれの様子。暗いというのともちょっと違う。気弱というのもちょっと違う。ちょっとアンニュイで、そしてうちになにかを抱えていそうという、そうした様子が気にかかる、そんな話でした。後に語られることもあるでしょう。そうしたことを思わせるところなどは、人の内面、心の動きに注視する、そんな視線が感じとれるからかと思います。テーマは人なんだな、そんな感じがするのですね。

『空色スクエア』、深雪にフォーカスが当たってやったあと思ってたら、文香との板挟みになるという、まあ王道といえばそうなんでしょうが、思った以上の急展開だったように思いました。文香は文香で、まだその内心になにを抱えているのとかがわからない。だから、本格的に話が動くのはこれからなんだろうなというところです。というか、文香がなにを思っているかわからないので、深雪ほどに肩入れできないっていうのが素直な感想のように思います。しかし、射的の描写、あれは面白かったです。やけにシリアスな深雪、馬鹿にしたような景品の表情。で、全敗するっていうね。射的の景品はそもそも取れないようにできている、そんな話を思い出しました。

銘高祭!』は、今度は美術部のお嬢さんがフォーカスされまして、文化祭のポスターの絵、その絵に託そうと思った気持ち。けれど、その絵のできあがる前にわかってしまったこと。そうした思いのもろもろを描く、それはこの作者の持ち味がよく発揮されて、とてもよかった。最後に完成した絵の、そこにのせられた思い、小夜子の、それからページにのせた作者の意図、そうしたものがよかった、そう思います。

天秤は花と遊ぶ』、愁の秘密がばれた! その一連の騒動の中、愁は自分の本心をはっきりと自覚し、そして愁の今後に触れられた。以前愁の兄、蓮宮の過去についていろいろいってましたが、そのあたりがちょっと明らかになって、アドバイスがあって、それで彼女はどういう選択をするのだろう、そうしたことを思わせる、そんな、結構な重要性を持った回だったように思います。

『乙女王子 — 女子高漫研ホストクラブ』は不思議設定が導入。最初はどうかと思ったけれど、事前に仕込まれた台詞が、後から飛び出してくるという、なんだか変に緊迫する設定になって、面白い。しかし、暴走する副会長。副会長に嫉妬するものまであらわれて、どうなるんだ、どういう方向に向かおうとしてるんだ。ちっともわからんというね。結局私は、次回が楽しみだというほかない。ええ、次回が楽しみです。いや、本当に。なんか、気になる漫画なんですね。

『おいでませ!ねこのてや』、今回唯一のゲスト、っていや、『けいおん!』もゲストだったか。仕事のない便利屋の話。やっときた仕事の依頼は、見た目に反してやたらに強い犬を散歩させるというもので、話自体はそんなに込み入ったものではなく、非常に素直なものだったと思います。そして、こういう素直さはわるくないと思います。読み切りで描けるものをしっかり描いた、そんな感じのする話でした。

2009年6月23日火曜日

Have You Ever Seen the Rain

 今朝のラジオで聴いた歌、すごく懐しい響き、アメリカンロック、アコースティックギターのストローク、力強い歌声、特徴的なベースの下降音型。ああ、いい歌だなあ、なんだったっけ。クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのHave You Ever Seen the Rain、日本語でのタイトルは『雨を見たかい』。すごく有名な歌。昔から何度も聴いている。以前、クラシカルロック専門のネットラジオ局にはりついていた頃、あの頃にも何度も聴いた。それを今日再び聴いて、ああ、いい曲だ。この時期にこの歌を流したのは、きっと梅雨のシーズンだからだろう。雨の季節に雨の歌を流す。だから、今よりもアメリカンロックの盛んであった頃、この季節にはこの歌を聴くことは多かったろう、そんな風に思います。

ところで、先日iTunes Storeのダウンロードコードを貰ったんですよ。1曲分。期限付きのコードだったので、早めに使わないといけない。けれど、これといって欲しい一曲がない。なぜって、同じ買うならアルバムでまとめて買っちゃうよな、というわけで、どうしようかなと思ってきて、そうだ『雨を見たかい』にしよう。思い立って、Have You Ever Seen the Rainで探してみたのでした。

そうしたら出てくる出てくる。もちろん本家クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルも出るのだけど、トップに出たのはロッド・スチュワート。他にはラモーンズなんかも出てきて、ちょっと驚いた。ともあれ、すごくたくさん、それこそ百曲を超えるほどの結果を見て、あらためてこの歌が愛されているということを知ったように思ったのでした。そして、ダウンロード。もちろんクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、といいたいところだけど、これはやめた。いやね、40th Anniversary Editions Box Setなんていうのがありまして、これがHMVだと六千円弱で買えてしまう。よし、CCRはこっちで押さえよう。

といった理由で、トップダウンロードのロッド・スチュワートが歌う『雨を見たかい』をダウンロードしたのでした。

しかし、このロッド・スチュワートの歌うの、どう考えても聴くのはじめてじゃないっていう感じで、2006年のリリースらしいですけど、CMかな、この歌い方、すごく耳に残ってる。アレンジは、オリジナルの雰囲気をしっかりと残していて、あまりしっかり聴かない人なら、区別なく聴いててもおかしくない、そんな雰囲気です。でも、ロッド・スチュワートはロッド・スチュワートの味があって、やっぱり独特だよなあと思う。もちろん、オリジナルにもオリジナルの味があって、カバーというのは、そうした持ち味の違いを楽しむものでもある、そうしたことを強く意識させるものでありました。

CCRのボックスは、一週間くらいかかるそうです。早く着いてくれたら嬉しいけど、けど今はのんびりと待とうと思います。待つこともまた、楽しみのひとつであると思いましょう。

2009年6月22日月曜日

『まんがタイムスペシャル』2009年8月号

いやあ、この数日、やけに暑くなりました。今日なんかは朝から雨だったんですが、高湿度で気温も高い、不快感はもうすごかったですね。こうした天候だからこそというべきか、通勤の車内、急病人が発生したとのことで、十分遅れるというアクシデント。電車は遅れると、ただでさえ満杯の通勤の車内が、輪をかけていっぱいになるんですよね。もう、四コマ漫画読んでるどころではありませんでした。ええ、今日は『まんがタイムスペシャル』の発売日。もちろん購入して、そしてもちろん読んでいますよ。

『スーパーメイドちるみさん』は、佐々木先生への愛に迷いをもってしまった男の話。というか、あの人のいいところって、本当にあんまりないような。あのろくでなしな性格、あの破天荒さに魅力を感じるような人でないとだめなように思います。ところで、倉田先生宅にちるみさんがやってきて、久しぶりに破壊が破壊として認知されることになって、だって、いつもはあんまりにそれが自然というか、慣れきってしまっているというかで、だから不思議な新鮮さがありました。

たまのこしかけ』は、マーヤ、ぎりぎりまでこの人は男なんじゃないかと疑ってました。よく考えたら、女装美人はもういるから、ここであえてもうひとり女装美人を出す必要はないですよね。で、女装美人、あれはセクハラになるんでしょうか。なりそうな気がしますが、あの係長はもう女性相手じゃ駄目なのか。

花の湯へようこそ』は、前回、新常連の登場といっていた新婚カップル、見事に再登場。けど、新キャラというよりも、もうすっかり馴染んじゃってみたいな、そんな風で、この自然と溶け込む感覚。これが花の湯の醍醐味である、そのように思います。ところで、園生君は売り上げに影響するほどに通ってるのか。この人の一ヶ月の銭湯代はいくらくらいなんだろう。

ふたご最前線』は、年頃の子供にはありがちの、習い事への興味であります。バレエは、なんか独特の体型になるよね。あれはとても美しいんだけど、なんか現実の向こう側って感じですか? すごいよね。杏、李のふたりは剣道やってるのか。意外。いつもなら、剣道やってる娘さんは凛々しくってよいよね、くらいはいうけど、うちは姉が剣道やってた(段持ち)から、そうはいわんぞ。『えすぴー都見参!』は、いつもより魅力を増した三剣殿がメインのお話。あの人が作家志望というのは、ずいぶん前にもいわれていたけれど、それが具体的に進んで、けれどこうした悩みや苦悩は、具体的にこの雑誌の作家陣も感じていたりするんでしょうね。大変な仕事だと思います。書きたいことを、書きたいように書くだけでは駄目なんでしょう。本当に大変だと思います。

『もう一歩恋よ!』、ちょっと騙し討ちみたいなんて思っちゃったりして。しかし、宮部さんは本当に気付いてないのか? 可愛げがないという宮部さんへの評価ですが、可愛げなんて最初のうちだけで、いずれそんなぶったなんとかかんとかはいらんと思うんですが、世間的にはどうなんでしょうね。『ポンチョ。』は、いい話だった。子供の子供らしいふるまいに振り回されるカレシ。移り気で、気持ちが楽しそうなこと、面白そうなものにふらふらとする子供時代。なんだかいいなと思わせる、そんな楽しさ満載で、そしてその子供らしさに救われるカレシ。いい話じゃんか。いい子らじゃないですか。この感情のアップダウンアップアップするところ、大好きです。

『ゆたんぽのとなり』は、ゆたんぽのライバル真知さんの可愛さ梃入れなのか。いや、ほんと、なんかいい人そうで。この漫画のいいところは、なんかみんないい人そうだっていう、そこだと思うから、こうした流れは実にいい感じ。大歓迎です。『はっぴぃママレード。』のキャベツ、熱冷ましにキャベツは本当に効きます。うちでも、風邪ひいて熱出したりするとキャベツが出てきます。吉村先生大活躍。実によい、実にいい回でした。

『21時のシンデレラガール』、藤凪かおるの新連載。ちょっと古風というか、うっとうしい父を持った娘の話。門限21時。で、数時間かけて東京に働きに出る、それも内緒の仕事、モデル事務所に働きにいく娘さんの話。これは、いずれ、娘さんには強くなってもらってだな、あの横暴親父を凹ますくらいになっていただきたいものがあります。したたかに、したたかにやっていただきたい。そんな感じに思った第1回でした。

『ハニーtheバンドガール』、前回の龍樹結成話は今回の展開のための準備だったんかな。毎回毎回の単発ネタではなくて、長めのスパンで展開される、そんな話になってきているみたいですね。前回の話では、ソガの歌唱の魅力が龍樹の柱になっている、そんなようなことが描かれたわけですが、その柱がどうなる? そんな動きに龍樹メンバーがどうこたえるのだろう。その顛末がこれからなんでしょうね。

『レイさんのお局日和』には驚きました。レイさん。いい人みたいだ。いや、いい人でいいんですけど。駄目な人に魅かれてしまう人の話はまれに聞きますが、典型的な新人典子の恋愛の顛末が馬鹿馬鹿しいけど、けれどこういう人は冗談抜きでいるそうですから、なんともはや。しかし、思いやりを見せるレイさんだけど、まわりからはなかなかそうと思ってもらえない、その周囲の見る目というのがなんともいえず悲しいけれど、でもこれがレイさんの築いてきた結果なんでしょう。わびしいけれど、それがレイさんなんだと思えば、うけいれられるように思います。がんばれレイさん、もっとギスギスいってください。

『おおつぶこつぶ』、おおつぶの一番でありたいこつぶが可愛いなあ。真中君には悪いけれど、この漫画に関しては、色恋ざたのうんぬんはなしで、ふたりの友情が描かれていくのがよい、そんな風に思うんですね。だから、真中君は永遠の真中でお願いします。その前に、連載になったりはしないのですか? 本当にお願いします。

『カンヅメコーポのチリー』は、うわあ、いやな話だー。こういうの見ると、動物との共存は考えてしまいます。でも、いやな話っていうのは、わらわらわらっていうあのへんがいやってだけで、漫画自体は変わらず好きで、チリーとの暮らしの中で、ちょっとずつみゆきが変わっていく。チリー大事に、チリーメインになっていく。こういうのは、動物と一緒に暮らすということの楽しみ、醍醐味なんだろうなと思うんですね。それはすごく魅力的に思えて、だからちょっと怖くて動物とは共存できない、そんな風にも思います。

『ココロノミカタ』は、やっぱりあのお猿、ミカタさんが面白くて、やっぱり一向に通じてないってところ、相変らずでいい感じです。それはそうと、これは戦後すぐを舞台にしているみたいだけど、いつか現代にまで辿りつくのでしょうか。そうだとしたら、ココロさんは尋常ならざるものということになるのかも知れないけれど、はたして本当にそうなるのか。それはまだわかりません。そして、最後のページ、あのモノローグ、今の私には眩しすぎて、あのようには考えられない。考えられないながらも、そうであれればよいなと、そんなことを思いました。

あいどく!』は土下座隊結成。印刷所を止めると、その担当者は謝りたおさないといけないとかって、いろいろ聞きますけど、ここまでだとしたら本当に大変だな。私は、あんまりこういう土下座みたいな話は好きじゃないんですけど、どちらかというと不快と感じてしまう口なんですけど、けどこの話に関しては、なんか皆御互い様というか、力関係がぐちゃぐちゃになっているというか、あの所長の見本ですかね、あのへんでどうでもよくなって、楽しくなってきたのでした。でも、やっぱり土下座とかいやだな。

『MISHIMAデパートメンズ館』は、『ラブリー』からやってきた漫画。けど、なんか以前から『スペシャル』に載ってたような感じで読んでしまいました。今回の新要素、社長の思い付きは凛々しい女性のボディガード。男役やってましたで謝ってみたりするところ、なんかおかしかったです。男装の麗人たちだけれど、あくまでも女性なんだというのはピエールに話しかける飛鳥からも感じられるところで、しかしこうした男装の女性は、女性の求める男性像を見事に体現したりするから、現実の男には太刀打ちできないものがあったりするとかいいます。ニューハーフが女性よりも女性らしい、というような話に似たようなものかも知れません。

ところで、フランス語は、Vous avez du temps ? が、お時間ありますか? Vous avez quel âge ? はおいくつですか? といったような感じですね。とりあえず、日本ではフランス語が全然通じないということがよくわかりました。がっかりです。

『瞬け!シャイン』は齢800歳の不老不死OLビクニさんの過去が明らかに!? けど、全然たいしたことないってのがらしいです。実際、不老不死だったりすると、人生はこんな感じに費されるのかも知れませんね。そして、マージ・ヤン、イソ・ズウリというゴノレフに変わる新たななにかが現れて、やっぱり新聞沙汰がまずかったのかな。ゴノレフ部の面々は自粛中なのかも知れません。

『4コマの星』のどちらに転んでも嬉しい…発言は、なんかわかるような気がする……。けど、私は過去に一度だけメイド喫茶にいったことがあるんだけど、ここまで手のこんだ店ではなかったのだけれど、ジャンケン一回300円とか、ケチャップで絵とか、こうしたのりには参加できないんです。その場のルールに抵抗してしまう、そうした性格で楽しめるものも楽しめず、ずいぶん損をしている、そんな風に思います。

『なでしこ3on3』は鞠子のレベルアップが見られて、このずっと伸びなかった人がちゃんとしたプレイヤーとして活躍できるまでになったところ、これはよいなと思えて、やっぱり私は、できなかったことができるようになるということ、できなかった人ができるようになるということ、そうした話が好きなようです。正直、恋愛模様よりも、プレイヤーとしての成長ものとして楽しみたいと思っている節があったりするくらいです。

そして、できない人、花形まつるが主役をはっていた『白衣の男子』が、ついに最終話を迎えて、前回前々回の、伊達と花畑の話が主役花形にバトンを渡すかたちで終了。みな、それぞれの道を歩く。そうした中、主役花形はいたらないながらも、段々に覚悟を決めていって、このちょっとは成長している、けれどそれでも完成されてるわけじゃないっていうところ、これは花形というキャラクターを一貫させて、よかったです。長く続いた漫画でしたね。もう十年くらいやってたんでしょうか。私は単行本から入ったんでしたっけね。学生から看護師になって、そして数年。もうそれだけの時間がたったんだなって思わせる、そんな最終回だったと思います。長らくの連載、お疲れさまでした。結構好きで、楽しみにしていました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第18巻第8号(2009年8月号)

引用

  • 藤島じゅん「4コマの星」,『まんがタイムスペシャル』第18巻第8号(2009年8月号),148頁。

2009年6月21日日曜日

So Clear

 iPodで音楽を聴く時は、全曲をシャッフルで流すようにしていて、そうしたらある朝流れてきたのがPentangleSo Clear。歌っているのはジョン・レンボーンだそうですね。彼が中心になっているナンバーで、調べてみれば彼のベスト盤にも収録されているらしいじゃありませんか。それがPentangleのアルバムReflectionのものと同じかどうかはわからないけれど、違うものなら聴いてみたいものだな。そう思ってiTunes Storeで試聴してみたら、ああ同じものなのか。これは残念。バリエーションがあるなら、それを聴いてみたかった。Jack Orionでそうしたように、また違った歌われかたを聴いてみたかった、などと思ったのでした。

Pentangleの、というかむしろジョン・レンボーンのといった方がよいのでしょうか。So Clearという曲、とても美しい。アコースティックギターの伴奏にエレキギターのメロディーが重なり、そしてベースも加わって、音楽が広がる。スローな曲、歌もまた静かで、朴訥として、語りかけるようで、その情感が心に沁みいるよう。すごく美しい。決して声はりあげるような歌いかたはしない。楽器も、間奏において場を盛り上げるけれど、あくまでも静かに、淡々と、しかし情熱を感じさせる、そんな演奏で、そして再び歌に帰ってくる。

盛り上がる、そういう表現よりも、深まる、そういった方がずっとこの歌の性質をよく表していると感じます。沈思する、物思うような曲で、孤独の中、過ぎた時間を懐しんでいる。切なく、しかしつらさやむなしさを洗い流してくれるような、やわらかなタッチが心地よい。やさしい歌、けれど甘ったるくなどはない。清浄な歌であると思います。

私の持っているアルバムには歌詞カードと対訳が付いていたのだけれど、そのことをすっかり忘れてしまっていたものだから、ネットで検索してしまった。そうしたら、So Clear歌詞を拾っている人たちがいて、ありがたいことにコードも拾ってくれていたから、練習して歌えるようにしよう、そうした気持ちが俄然湧いてきて、だから私はいずれこの歌を歌えるようになるのだろうと思います。とても美しい歌。少なくとも自分のために、自分の孤独をやわらげるために、私はこの歌を歌うだろう。そのように思います。

2009年6月20日土曜日

PandoraHearts

 もう十年近くアニメを見なかったのが、ついつい見てしまったアニメ『けいおん!』、これがきっかけとなって、ちょこちょこ他のアニメも見るようになってしまって、いや、やっぱり面白いものは面白いんですね。これはまたまたはまるかも知れない。だから、気をつけて、あんまり近づきすぎないようにしよう、とは思うんだけど、ちょっとでも好きになると、しっかり見たいなあって思ってしまうのはしかたない。ええ、ちょっとDVDが欲しいなと思うようになっていて、それはなにかといいますと、『Pandorahearts』。MBSにおいては『けいおん!』の後に、BS-TBSにおいては『けいおん!』の前に放送されているアニメであります。いや、これが気になっちゃってしかたないんですよ。

なにがよかったのか。まずはアリス。血染めの黒うさぎですな。公式サイトの紹介見てみると、凶暴で男勝りな性格。オズを「所有物」扱いとか書いてあって、もう、なんて素晴しいんだろう。あの尊大さ、最高だと思う。アリスになら、八つ裂きにされて殺されても文句はないなあ。これは、おそらくは、多くの方に共感いただける意見だと思う。尊大で、ちょっと物知らずで、なんかちょっと寂しがりやなのか? もう、本当、最高です。

そして、ギルバート。アリスに対し、俺のマスターを侮辱するなといって詰め寄る。うう、素敵すぎる。私は、最初このアニメを見ていたとき、ギルバートとオズの関係を見て、それからアリスの性格を見て、女性作家による女性向けの漫画が原作かと思ったんですが、作者は、ええと、調べたら女性か、掲載誌は、ええと、『月刊Gファンタジー』か。これって女性向け? ともあれ、オズ、アリスよりも、オズ、ギルバートのほうがずっとカップルっぽくて、うわ、これは萌ゆる。アニメでは何話になるんだろう、ええと、調べたら7話かな? オズから、お前の絶対を信じてたなんていわれて、それで、これからも私はあなたの従者です、なんていっちゃって、うわあ、もう、こりゃたまらん。

私は『Pandorahearts』を最初から見とらんのです。『けいおん!』が終わると寝る、だから地上波では見てませんでした。BSでは、『けいおん!』待ちでなんとなくテレビをつけて、それがきっかけで見始めたのですが、最初の数回はまったく見てないか、途中からしか見てないか、そんな具合で、だから頭から終わりまで通しで見るようになったのは、この数回なんです。だから、ちゃんと見たい。だから、DVDがちょっと欲しい。けど、なんで今どきDVDなの? やるならBlu-ray Discで出そうよ。あんなにきれいな絵なのに。あんなにアリスは美しいのに。それがDVDって、ちょっとがっかりだよ。

今はDVDで出しておいて、いずれBlu-ray版も出すよ、ってことかも知れない、なんて思って、それでちょっとDVD買いにくいのよさ。正直、アニメから入って、原作もまだ見てないくらいだから、特典のトランプとかはそれほど興味なくって、それこそ、美しくアニメを観賞できればそれでいい。でも、今はDVDしかないわけだから、しかたがないDVDを揃えるか。それで、後からBlu-ray版出しますよ、なんていわれたら、もう立ち直れないかも知れない。そのあたり、『けいおん!』は、初回限定とはいえBlu-ray版が出るからいいよ。いや、ほんと、どうしようかな。迷っていて、Retrace: Iは安いから、これだけでも買っておこうかな。けど、1話ってアリス出てたの? というか、へたしたらギルバートも子供なのか? これはやばいなあ。Retrace: Iを買ったら、ずるずると残りも買ってしまう、そんな危険がある。けど、どうせ買うなら、Blu-rayがいいと思ってしまうんですね。プレイヤーも持ってないのに。

いつか出るかも知れないBlu-ray版を待つか、はやく見たい一心でDVDで買うか、それが問題です。けど、私の場合、再放送を期待するのが一番かも知れません。でも、今のアニメって再放送とかするの? しないような気がするから、DVDを買うかどうか、それが本当に問題です。

引用

2009年6月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2009年8月号

『まんがタイムきららMAX』は、表紙にて大きく告知があって、アニメ『かなめも』7月5日スタート、なのだそうですよ。時間は深夜1時30分。けど、これはテレビ東京での話だから、まあ関西はきっと一週間遅れだろうな、そう思って確認したら、7月7日、ふつか遅れなんだそうですよ。七夕かあ。と、時間も確認したところで、問題は見るかどうかなんですよね。なんだよ、お前、『けいおん!』は見て、『かなめも』は見ないのかよ、っていわれたら、まあ確かに『かなめも』を見ようとしない理由というのもないんですよね。うう、見ようかな。せっかくテレビも新しくなったんだ。録画体制も整ってるんだから、まずは見てみる、のがよいのかも知れませんね。

そして、『かなめも』本編。ああ、なんという可愛さよ、久地院。しかし、それにも増して、はるかの秘密がひとつ明らかになって、 — ということは、あの人、普段は酒気帯びなのか。キレイなはるかがこんなにも珍しいということは、つまりは、いつかこの人、奈良漬になるんじゃないだろうか。しかし、知っているつもりだった人の、知らない表情にとまどう気持ち。その表情の向こうにあるものを思い、そしてそれをこれまで知らずにきたということ、そうしたことにいろいろと思う気持ちの描かれかたはたいへんによかった、そう思います。こういう、感情の、心の動くところを描くと、やっぱりこの人はうまいよな、そう思いました。

『フィギュ☆モ』は実にいい感じ。なんか歪んじゃってるような女の子が、ドールと会話をしちゃっている。しかし、それは腹話術なんかではなくって!? 変わりもので捻くれものと見せて、なんだか結構ツンデレっていう、なんかいいぞ、これはいいぞ、そう思わせるものがあって、いやほんと、私もちょろいな、ちょろいよ。しかし一番最後のページ、大オチのカバーしている範囲がどこまでか、それで随分解釈が違ってくるんじゃないか? ただの痛い娘なのか、それともままミステリアスであるのか。どっちでもいいなあ。どっちに転んでも面白いんじゃないかな。そんな感じで、ちょっと期待してしまっています。

『りくのすてーじ』、なんかいい感じ、面白いな。キャラクター、というか、絵の描き方の可愛さで押し切るのかなって思ってたけど、それだけじゃないなっていう感じがして、思った以上の好印象です。最後の先生の置かれた状況、あれが駄目押しになっていたと思います。

兄妹はじめました!』、妹が生まれて、少しずつ変わっていく兄妹の関係。それは今までのままのようであり、けれど今までとは違う、そうしたところが見えてきて、そうした変わりゆく関係が、次回どのように決着するのか。来月、最終回! おおう、ついにこの日がきたか。心して待ちたく思います。

天然女子高物語』。ああ、私も眠れる獅子です。いや、僕は風に向かって立つライオンでありたい。しかし、相変らずのシビアな台詞の応酬。面白いなあ。にこにこしながら、実に酷い。それは天然なのか。けど、そういうシビアさが実によいです。

『表色89X系』、ダイエットの話。『くすりのマジョラム』もダイエットの話。まあ、後者は痩せるのが目的ではないんですが、けれどどちらも筋肉つけましょうという話で、けど全然テイストが違っているっていうのが面白いなと思って、そしてそれは色気のうんぬんについても同様。想像させる婀娜っぽさは、前作もそうでしたけど、『マジョラム』、かなりのもので、そうか、やっぱりそうくるのか、実にいい感じです。しかし、どちらもヒロインが実に魅力的、読んでいて楽しいです。

『つかえて!コハル』、ゲスト後半。仲違いまでのプロセス、そういうのいいってという言葉の強さ。それまでも、それからも、べたといえばべたな流れですけど、そのべたさはよかった、そう思います。

『ストロマロジック』、来月、最終回! がー、ナンセンスで結構面白かったと思ってたんだけどな。今月は「押し売り忍者!」の最終回? ということは、来週は「炭酸飲料一気飲み部」の最終回? なんかいったりきたりする、この不思議な感じが面白かったんですよね。特に、忍者の、突飛な設定なのに妙に日常の生活感があふれているという、そこが気にいってました。残念です。

ぐーぱん!』、トランクスを愛用する女性はまれにあるという話で、締め付けが少ないから楽だとかなんだとか、そういう話もあるから、あれは結構ありなんじゃないかと思ったり。

はなまるべんと!』もいよいよ佳境の模様です。これまで、ちょこちょこと語られていた、スズとちか、あやめの関係、そしてちかの周辺がはっきりと描かれて、こうしたいろいろが影響してちょっと変わってしまった、そんな彼女らの関係が、もう一度、以前のように戻れるとよいな、そんなこと思うほどにしんみりとさせる回でした。好きだったんですね、あのわきあいあいとした雰囲気が。だから、次のちかの行動、それがどうした動きを生みだすのか、それが気になってしまいます。

『あぶさーどライフ!』、『PHz』、『つばき絶対数値』、次号、最終回! 『あぶさーどライフ!』は、松原舞がなんだか妙に気に入っていて、あの目が小さいところ、全然可愛くなくってさ、けれどそれが変によかったのでした。『PHz』は、ここにきて剣劇持ち込むなど、結構なはっちゃけぶりで、惜しいなあ。だんだんに面白くなってきてると思ってたんだ。そしてそれは『つばき絶対数値』もそうで、なじんできたかなって思ったころに訪れる別れ、そいつはちょっと悲しいものがあります。まあ、もう慣れっこなんですけどさ。

『ぽすから』、なんだ、この気恥ずかしい青春。しかし、微妙に踏み込んで、けれど踏み込みきれないという、こうした距離感のもどかしさ。それがすごくよいなと、忘れてた感覚を思い起こさせてくれるように感じます。しかし、こんな時代は私にもあったのかな。もうなにも思い出せないけれど、だからこそ、『ぽすから』に描かれる情景、それにひかれるのかも知れません。

超級龍虎娘』の、意外にもてもてな主人公。しかし、あまりに低い自己評価が、そのもてている状況を気付かせないという悲しさ。いいね、いいよ。どんどん裏に裏に張っていく、その裏目感が最高です。しかし、龍楼は可愛い。その龍楼のいう、毬虎のイヤラしさ。そういう人のイヤラしいところを描いて、なお魅力的というキャラクターの強さ、それが大変によいと思います。人は、漫画のキャラクターも、いい顔だけじゃつまらない、そんなことを思わせてくれて、楽しい漫画です。

『R18!』が面白かったよ。いや、面白くてもいいんだけど、ゲームの立ち絵に関する話、こういうちょこっと解説してくれるようなところ、それが私をひきつけるみたいです。ところで、私はあの突起の表現、あれが嫌いです。

まん研』はギャルゲーの話題。そして、今さらながら『ときめきメモリアル』は偉大だったのだなと実感してみたりして、だってここに出てくる代表的なキャラ、網羅してたんじゃなくって? 幼馴染み、ナイスバディ担当もいた、けなげな下級生もいた、クール系いた、文学少女いた、おっとりさんいた、ツンデレはどうだっけ? 極めつけは、色物なんだと思う。マッドサイエンティストがいた。そして、異性装もいた。あれだけ古いゲームだけど、ギャルゲーの基本形というものを確立させた、それだけのことはあったんだなと思わせて、ところでメインのヒロインがメガネって駄目ですか? 少なくともあのコマ、私にはガツンときたんだけどなあ。ところで、私はパンツ見せは嫌いです。

そして僕らは家族になる』はシリアスを継続させて、知っている人の、よく知りたい人の見せる、知らない表情。だんだんに距離を縮めてきた、けれどそれでもまだ埋まらない距離があるということを実感させられて、しかしそれを埋めようと踏み込む鈴音がいじらしくて。そういえば、鈴音のアドバイス、ドラマはまだまだいっぱいあるし それと同じくらい好きになるのがきっとあるよ! 昔、これにほぼ同様のアドバイスをうけたことがあって、まだふられてへんっちゅうねん、というか、そのアドバイスの主のこと私は蛇蝎のように嫌っていたから、もう全然心に届かないのね。けど、それが鈴音さんのようにしてなされたアドバイスだったら、受け入れられたのかな。どうなんだろう。しかし、彩子さんのようになされるはげましは、ちょっと危険です。ありゃあ駄目だよ。眠れる獅子も目を覚ましてしまうかも知れません。ともあれ、親身にあろうとするふたりの、その心掛けの綺麗さに、なんかほっとさせられるものがある、そんな気がします。

  • 『まんがタイムきららMAX』第6巻第8号(2009年8月号)

引用

  • さだまさし『風に立つライオン
  • ねことうふ「つかえて!コハル」,『まんがタイムきららMAX』第6巻第8号(2009年8月号),91頁。
  • 荒木風羽「そして僕らは家族になる」,同前,195頁。

2009年6月18日木曜日

「けいおん!」イメージソング 秋山澪

 おとついいってましたように、キャラクターイメージソングシリーズ、平沢唯から置くこと一日、本日は秋山澪です。曲目はHeart Goes Boom!!Hello Little Girl、そして全キャラボーカル持ち回りで歌う『レッツゴー』の三本です。いや、どうでもいいことなんだけど、『レッツゴー』と聴くとどうしてもベンチャーズの『レッツ・ゴー』を思い出してしまって、未だにイントロからレツゴー! の掛け声まで、ベンチャーズのしか出てこなくって、『けいおん!』の『レッツゴー』が覚えられないんです。これ、いつか上書きされる日がくるんでしょうか。こなかったりしてね。いや、それでもいつか覚える日がくると思うんですけどね。

さて、ポップでキュートだといっていた唯のイメージソングに対し、澪のイメージはどうかといいますと、思ったよりもナーバスではない、思ったよりも大人びた感じじゃない、かといって子供っぽいってわけでもないし、そしてわりと普通。普通ってなんだよ、っていわれたら困りますが、イメージソングとか関係なしに、声優ご本人名義のアルバムに収録されててもおかしくないような、そんな雰囲気を持っていて、それは特にHello Little Girlに顕著だったと思います。楽器にフォーカスしているHeart Goes Boom!!は、ルートとか四本の弦とか、さらにはジャズベとか、やったぜ、フェンダー、よかったじゃない、商品名でてますよ。ああ、次はムスタングだ。いや、USAではもうムスタング作ってないから、関係ないのんか。閑話休題、Heart Goes Boom!!はベースに関しての歌になってるから、さすがに秋山澪というキャラクターにしっかり結びついているって思いますが、Hello Little Girlはこの一曲を取り出してもなんらおかしくないような汎用性のある歌詞、内容で、けれどそれでもちゃんと秋山澪をフォローしている、そのへんのさじ加減がうまいなって思わないではおられないです。

あ、いや、Hello Little Girlドキドキも涙も左手で綴るだけなのか。しっかり、秋山澪フォーカスだなあ。

これは噂ですが、アニメ『けいおん!』の新OP、新EDが用意されてるらしいなんて話も出ていて、OPはScramble Dash!、EDは『ぼんぼん!ぼん!?』ですか? これを頭のすみに置いていたものだから、Heart Goes Boom!!は『ぼんぼん!ぼん!?』を改名してイメージソングに流用したのか? なんて思ってしまいまして、というのは、この歌にBo Boom Boom Boom Boom!! っていう歌詞があるんですね。しかも、曲のしめにこれでもかと出てくる、すごく印象的。で、私は二度目に出てくる時の、一度下がって、それから上がる歌い方のが好き。最初は意外と思ったものだけど、聴いているうちに気に入ってしまったみたいですよ。それから、イントロ、間奏のイエッっていうの。妙に気になって、これは唯の『ギー太に首ったけ』のうーっもそうかも。Instrumental、すなわちカラオケにはこの声が入ってないんですが、それがもう物足りなくて物足りなくて。けど、これは全員同様の演出してくるのかな? だとしたら、紬はなんというんだろう、律はどうだろう。梓は? それがちょっと楽しみ、とかいってたら、なかったりしてね。いや、別にそんなことでがっかりはしないですけど、いや、本当にしないですよ。

ところで、ジャケットアートがすごくいいですね。唯は赤、澪は青、それも単純に赤、青っていうんじゃなくて、ちょっと色調が違えてある、そのトーンがすごくいいと思います。そしてキャラクターの表情、描かれ方もすごく魅力的だし、そして楽器をあしらったアクセサリーがいいアクセントになってると思います。唯はレスポールのイヤリング、澪はジャズベース(ちゃんとレフティ)のネックレス。じゃあ、律はヒップギグのなんなんだ? 紬はトライトンの指輪? ブレスレット? あとアクセサリーっていったらなにがある? か、髪飾りか。ちょっと苦しいな。そうしたイラストレーションの魅力というものも大きいと思います。しかし、このアクセサリー、ガラスかなんかで作って売られたりしたら、ちょっと欲しいかも。楽器をモチーフにしたアクセサリーはたくさんありますが、そうしたもののひとつとして、充分に魅力のある、そんなグッズになりそうに思います。

Blu-ray Disc

DVD

原作

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用

  • 大森祥子『Hello Little Girl
  • 大森祥子『Heart Goes Boom!!

2009年6月17日水曜日

『まんがタイムファミリー』2009年8月号

うへえ、雑誌の日付けはもう8月にはいってしまって、なんだろうこの先取り感。いつごろからかはもう覚えてないけれど、びゅんびゅんと月日が過ぎていく、そうしたことを痛く実感するようになって久しいのですが、このひと月以上も先の、8月ですよ、月が表示されているのを見ると、うわあ、と思わないではおられない。けど、本当にうわあと思うのはひと月半先のこと、気付けば本当に8月になっていて、うわあ、いつのまに!? なにもできないでいるうちに8月になっちゃったよ、そう思って愕然とする。人生は短かい。光陰矢の如しよ! つくづく好機逸すべからず、これを痛感いたします。

『はちみつカフェ』。ふじのはるかの新作です。持ち前の熱血が災いして、会社を辞めるはめになってしまったヒロイン蜂谷まりもが、憧れ(?)の先輩の妹が経営するカフェで働くことになる、そんな具合の第1話。感触としては悪くないな、そんな風に思いました。美人すぎて近寄りがたいといわれた妹が、今どんな風になっているのか、それが面白そう。そのまま成長させるか、実はこんな人でしたとひっくりかえすか。どっちでくるんだろう。楽しみに次号を待ちたいと思います。

ラディカル・ホスピタル』は、あの地図が毛布だったというのに気付くのが遅れたことで、最初うまく話を掴めませんでした。シーツだと思い込んでしまっていました。しかし人生の地図みたいな話。自分の明日はどうなんだろうなあ。こうしたことは、えてして自分ではわからないことなのかも知れません。『Smileすいーつ』は、お姉ちゃんが可愛いという話。うん、この漫画で一番可愛いのはあの姉だと思います。エレガントに見せて、実はそうでないというギャップがよいのかも知れませんが、このギャップを知ってる人ってそんなにはいないわけだから、その可愛さにも気付きにくい。そうしたことは、現実でも同様かも知れませんね。

『美大道!』、美大受験に失敗した娘さんの話です。まあ、イチローもまた楽しいものですよ。けど、美大受けるというのに予備校なり研究所なりに通ってなかった、美術の教師に習っていただけという、その状況は無謀というかなんというか。コー君とやら、先輩なんだったら、受験するってそんときにアドバイスしておあげよ。でも、美大の状況は詳しくは知らないけど、多分昔に比べるとずっと入りやすくなってるんだろうなあ……。

ヒロイン彩は、コー君と同じ学校にいきたいから、みたいなことをいってるけど、それだけではなく、オープンキャンパスで見た絵にみせられて、という理由もある、そういうところはよいと思いました。そういう素朴な動機というのは、意外に馬鹿にできないものだと思うんですね。けど、基本的にはなにも考えてなさそうなヒロイン。大丈夫かな。といったわけで、ちょっと応援してみよう、そんな気になったのでした。

『となりのなにげさん』。学校外でも人助け。小学生に、それからお婆さんに。でも、助けようとして力及ばずというところ、なんだか微笑ましくてよかったです。あの小学生の、ランドセルを守ってあげようなんてのもよかった。こういうシンプルなところ、気持ちが素直に伝わると感じられるところ、魅力的だと思います。

『一緒にかえろう』、頑張りすぎる詩緒、そして垣間見える母娘関係。顔は似てるのに、性格の似てない母娘。お父さんを庇う詩緒、べそべそと泣く詩緒、可愛いなあと思った、なんていうと不謹慎な感じもするけど、でも不器用なのは母も娘も同じで、あの母のあの口調、いいようにしても、娘を愛してるんだろうなということはわかるように思います。詩緒の肩の力が抜けて、もっと自然に、誰とも付き合えるようになれば、この母娘の関係も変わるのでしょうか。

『東洋に魔女』。スライムってせんたくのりで作れるの? パフェにコーンフレークだけ食べたいってのは、パフェに入っているコーンフレークが好きになれないって話をどこかで読んだところだったから、余計に面白いと思って、しかし手の込んだ復讐です。ところで、夜子の兄貴は初登場? なんか一筋縄ではいかない兄。夜子の家族はきっとみんなこうなんだろうなという予感をさせる話でした。

『おかいあげ!』第2回。テンポのよさは相変らずで、見た目にも楽しいと感じさせる。そんなところが話のテーマにもなっていて、よい感じでした。しかし、高島先輩がよいな。食えない人って感じで、けれど、まだ中途半端って感じでもあって、そのどちらのポジションにも立てる、あるいはどちらにも立てないのか? その多面的な表情がよいです。

『かのじょにごはん』、イラストレーターやってる妻との生活。妻は、とりあえずかわりものって感じです。気の赴くまま、思い付きで動くみたいな、けれど思いつかないことには仕事にならない、そういうタイプの人みたいです。面白いな。微妙に迷惑かも知れない、そんなところが面白いです。ところで、大人用ランドセルって実在するの?

『さくらんぼステップ』、これ好きです。かっちりとした絵、それがどうも気に入ってるみたいで、それからしっかり者の十子さん、彼女のしっかりしたところと、稚気あふれるとでもいうのでしょうか、なんだか面白いことを思い付いてしまうところ。それもまた魅力的で、あと凛々しさ? いいですね、いいです。ところで、三角関数ってそういうものだったんだ。知ってると便利そうだなあ、生活の役には立たないだろうけど、ちゃんと学んどけばよかったって思いましたよ。

『プチタマ』のカブトムシを増やすという話、昔、子供のころ、卵が生まれて、ちゃんと孵化して、けれどそこから育てられなくて、全滅させたこと思い出しました。『ネコ式生活』、こういうこと知ると、猫とは共存できないなあって思ってしまう。しかし、シーツの下のムームーさん、可愛いなあ。ぴゃっぴゃとないて抗議するニャソさんも可愛いなあ。猫は人の意に沿わず好きに活動するところ、それが魅力なんだろうなあ。

『よめ×ヨメかなたさん』、疑われる父の妻。誤解がとけず、父も疑われるし、息子も疑われるし、この誤解の連鎖するというところがうまくて、面白かったです。『おはよ♪』は、珍しく怒る雪乃さん。けど、あんまり怒ってるように見えない、そんな慣れなさが可愛いなあ。うろたえてるって感じです。『天然MAMA日記』の、子供ひとりひとりの赤ちゃんへの対しかたの違い、それがなんかいいです。でも、蓮くん、それはあんまりにアグレッシブすぎ。でも、なんか、いいなあと思えて、しかし縄はないよ。面白い少年です。

『ことりコーラス』、思っていた以上にいい感じ。前向きでちょっと自信過剰気味の細谷カナの、実際頑張ってるっていうところがわかるし、あの駄目出しの嵐に一瞬怯んでも、決して負けない、むしろ受け入れようとしているようにも見えて、いいじゃん。そして、引っ込み思案の三浦るりを引き込む、そのやりかた、そして三浦るりのちょっと自信を持って、前向きになっていくというところ、いいな、いいね、そう思って、こりゃちょっと続いて欲しいです。

『不適なおくさま』、ハガネの肉体から包丁に向かう流れは力道山を思い出したりして、それはそうとして、子供の箸使いに対する自慢を、握り箸の批判で返すというあの攻防、あれは面白かったけど、こうした系統のネタが増えるとそれはそれで困りそう。基本は可愛い奥様って漫画だと思います。結構シビアというところ、それはちょっと魅力的です。

おこしやす』の、祇園祭のちまきをほどいてしまうっていう話、これはよくある誤解だそうですね。ちまきやお守りを売る際の、言葉、節回し、それが鉾、山ごとにちょっとずつ違っていて、いろいろ回ってみるのもなかなかに楽しいものなんです。木賊山だったら、木賊山の迷子のお守りはこれより出ます、ご信心のおんかたさまは、うけてお帰りなさいましょう、と来て、その後に、ちまきどうですか、お守りどうですか、と続くんですね。なんか、懐かしい。そろそろ祇園祭、昔は毎年いっていました。

『ペンフリーク早間坂さん』、大量にペンを持ち歩く娘の話です。私は8本ペンを持ち歩いていから、ちょっとなんともいえないものがあります。身近に感じる? あるいは、そうか自分はネタになるような存在だったのかと自覚した? 文具のマニアは昔からいます。女子に多いような印象がありましたが、それのさらに度を過したようなところ、同病相哀れむの類かも知れないけど、なんかよいなと思いましたさ。

  • 『まんがタイムファミリー』第27巻第8号(2009年8月号)

2009年6月16日火曜日

「けいおん!」イメージソング 平沢唯

 あーるふぁーるふぁー。ええと、禁止事項、またやぶっちゃいます。申し訳ない。本来なら明日発売の「けいおん!」キャラクターイメージソングシリーズ、買ってきましたよ。平沢唯と秋山澪、まずは先行で出たこのふたり分。もう、この今日という日が待ち遠しくてしかたなかった。あまりにも気が急いていたものだから、危なくカメラを忘れて帰るところでした。そんな風にして入手して、そしてここに書くのをですね、明日、発売日まで待つと、『まんがタイムファミリー』とかちあって、それで一日さらに延べると、今度は秋山澪が『まんがタイムきららMAX』とぶつかるというね。いわゆるフラゲという状態で言及するのは好きじゃないのですが、行儀の悪さをおゆるしください。

でもって、冒頭のあーるふぁーるふぁーですが、これ、コマーシャルでいきなり唯がいう言葉、ですね。はじめて聞いたとき、いったいなんだと思って驚いて、けどあの語感、響き、とてもキュートで、すっかり虜になってしまって、CMはスキップせずにちゃんとアルファルファを聴くようになってしまいました。しかし、なんでアルファルファなんだろう、そう思っていたら、歌詞に出てくるのですよ。2曲目、Sunday Siesta、これにα波が出ちゃうっていうフレーズがありまして、そうか、アルファ波からの連想でアルファルファだったのか、って思ってたら、ちゃんとアルファルファそのものが出てくるから、二度びっくりで、しかしこの歌、なんかすごくいいんですね。

日本語にするなら、にちようおひるね、って感じでしょうか。本当にキャラクターソングって感じなのですが、すごくポップな感じに仕上がっていて、歌詞も可愛いし、歌はキュートだし、これはいいなあ。ちょっと気に入っています。そして、これは『ギー太に首ったけ』も同様なのですが、本編エピソードからうまく状況をピックアップして、『ギー太に首ったけ』なら楽器を買いにいったエピソードを中心に、Sunday Siestaなら、休みの日はごろごろしてるっていうそうした情景をうまく描いて、ふくらませて、ああ、私もしあわせ、α波が出ちゃいそうですよ。こういう、そのキャラクターの思ってるようなこと、日常の光景が思い浮かぶような、そんなね、雰囲気がすごくいいと思えて、だからこれは間違いなくキャラクターイメージソング。キャラクターのイメージを継承して、そしておおきくふくらませて、キャラクターにふたたび返すという、そんな歌であると思います。本当によくできてる。ポップでキュート、本当に唯らしいと思える、そんな歌であると思います。

そして『レッツゴー』、これ同じ歌をボーカル持ち回りで歌うという趣向なんですが、唯は澪とは全然違っている。これは、スタイルなんだろうな。演じわけとかいうとなんかがっかりかも知れないけど、歌う人あるいは演出する人が、唯なら唯、澪なら澪のキャラクターをよく把握して、歌をそのキャラクターに引き付けて表現している。そのうまさ。こうした技量に支えられて、キャラクターは確かなものになっているのだなと実感しました。

これはキャラクターソング、ファンのための音楽であると思うから、『けいおん!』のファン、特に唯が好きな人には強力に働きかける、そんな感じであるのですが、また同時に開かれてもいるから、『けいおん!』を知らないっていう人でも充分にひきつける、そんな力も持った歌であると思います。ポップでキュート、もう大好きです。

Blu-ray Disc

DVD

原作

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用

  • 大森祥子『Sunday Siesta

2009年6月15日月曜日

あずまんが大王

 『あずまんが大王』が、新装版で出るんだっていうんですね。その話を聞いた時には、そうかあ、『あずまんが大王』ももうすっかり昔の漫画になったんだなって思って、そうしたら10周年なんだっていう話で、うわあ、もうそんなになるのか、つうか、前世紀末かと驚いて、そして出版者がメディアワークスじゃなくて小学館というのだからまたびっくりでした。出版者変わっちゃったんだ。ということは、もう電撃のコミックスは買えないのかな、と思ったら、あれ、まだ売ってることは売ってるの? 店頭在庫限り? それとも、今後も併売していく? よくわかりませんが、でももう十年たつのか。なんだか感慨深いものがあります。

小学館から出た新しい『あずまんが大王』は、判型が変わりました、加筆修正もされてます、もちろん描き下ろしだってあります、ということで、旧版を持っていてもちょっと買ってみようかなと思える、そんな具合であります。1巻ごとに1学年分を収録して、全3巻。それでいて、各巻ともに電撃版よりも安いのだから、なおさら買いやすい。もちろん、といいきっていいものかどうかわかりませんが、私も買いました。ぎりぎりまでどうしようかと思っていたけど、書店で見て、まあいいか、買おうかと、そんな風に思えたのですね。

『あずまんが大王』は、電撃版はいうに及ばず、英語版も買って、アニメは途中までしか見なかったんだけど、Webアニメは買ってたりして、好きだった漫画です。この時、既に私は『まんがタイムラブリー』の読者であったのだけど、見慣れている四コマ漫画とはまた違う表現、面白さに出会って、こんなのもありか! 面白いな! と思ったものでした。萌え四コマ、萌えキャラだけで中身がないなどといって批判する人もありましたが、けれど大多数に指示されたというのは実際のところ。この後に、ポストあずまんが大王、あずまんが大王フォロワーというような漫画が、多種多様に出て、それが実際今の『まんがタイムきらら』の素地を作ったんだろうなと。もう『きらら』は、『あずまんが大王』の作った、そういう場をはるかに離れてしまっていますが、確かに最初は、『あずまんが大王』の切り開いた地平に打って出ようとした、そんな感じだったように思います。

『あずまんが大王』新装版、読んでみれば、実際修正はかなり多くて、絵が変わっている、ネタ、落ちが違っている、そんなものも多くて、ともない雰囲気も違ってきています。これを、今風になったと見るか、それとも、オリジナルのままでよかったのにと思うか、それは受け取り手それぞれなんだと思いますが、私は元来保守的な人間だからなあ、改訂前の方が面白いと思います。何度も読んで、ネタの、話のテンポが、もうしみついてしまっています。だから、一コマ目から落ちまで、とんとんとんって進んでいく、そんな具合に読んでいたのが、新装版だとつっかえつっかえになって、なんか間の手がうまく入ってこない、そんな感じに思ってしまうんですね。その違和感は、新装版を読んで読んで読んでいくうちに、馴染んで、解消されるものなのでしょうか。その可能性はあるけれど、でもあのころほどに読み込むということはもうないと思う。だから、きっと私はオリジナルに心を捕われ続けるのだろうなと思うんですね。

しかし、『あずまんが大王』、今読んでも面白い。けれど、あの時代であったからこその面白さがあった、そんな風にも思って、時代は超えた、たしかに超えているけれど、今この時にあの時ほどに面白かった『あずまんが大王』は生まれないのかも知れないななんて思ってしまったのは正直なところです。あんまりときめかないんです。けど、電撃版の1巻、その表紙を今あらためて見返してみて、あの5人が連れ立って歩いているところ、なんか胸苦しくなるほどの胸の高まりを感じて、これはノスタルジーがためなのか、それともあの表紙が力を失っていないということなのか。私には、それははっきりとはわからない。けれど、今あえてまた旧版を読みたい、そんな気になっているのは確かなのです。

  • あずまきよひこ『あずまんが大王1年生』(少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2009年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王2年生』(少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2009年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王3年生』(少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2009年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王』第1巻 (Dengeki comics EX) 東京:メディアワークス,2000年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王』第2巻 (Dengeki comics EX) 東京:メディアワークス,2000年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王』第3巻 (Dengeki comics EX) 東京:メディアワークス,2001年。
  • あずまきよひこ『あずまんが大王』第4巻 (Dengeki comics EX) 東京:メディアワークス,2002年。

2009年6月14日日曜日

GENERATION XTH CODE-REALIZE

 GENERATION XTH CODE-REALIZE、メインシナリオのクリア、なりました。こ、これでゆっくり眠れる……。いやね、寝ないでっていうと大げさですけど、それでもかなり睡眠を削ってプレイしていたものですから、もうこのところ、眠くて眠くてたまらんかったんです。ほら、このあいだ、雑誌の感想書いている途中で力尽きたことがありましたけど、あれなんかはまさにゲームの影響で、だから、とりあえずこうして一段落ついたことで、ゆっくり休めることになるんじゃないかと思います。少なくとも、一日一時間とか、そういうペースでゆっくり楽しもうっていう、そんな感じになれるんじゃないかと思います。

しかし、Code Hazardからはじまって、Code Breaker、そして今作Code-Realize、だんだんクリア速度があがってるっていうのがなんですね。第1作では、およそひと月かけて26時間でシナリオクリア、第2作は丁度ひと月かけて45時間51分でシナリオクリア、しかし第3作は、およそ2週間でクリア。クリアに要した時間は40時間10分。って、どんだけ遊んでたんだ。確かに、日課がおろそかになってる、そんなところもあって、これはもう大問題。けれど、これくらいの勢いでやっつけないことには、きっと日常に押し流されてクリアできずに終わったに違いない。だから、だんだんにクリア速度があがるというのは、なんとしてもクリアしてやるぞ、っていう意識の現れだったと思うんですね。

クリア時のレベルは34。これは、ちょっとゆっくり目なんじゃないかと思います。おかげで、最終のイベント戦もそんなにてこずることなく終えることができました。パーティは、ウシワカ、無双、ブリュンヒルト、ヨシュア、エンジェル、ツクヨミ、あいかわらずスタンダードな構成ですが、しかし今回に関してはツクヨミはずして金毛九尾/白面九尾をいれた方が効率がよかったかも知れません。ってのは、呪文の習得がゆっくりなものだから、魔術師が活躍できるのは、本当に最終盤なんですよ。だから、魔術師がいなかったら、もう少し低いレベルでクリアできたかも知れません。私の御定まりの戦法である、マジックバースト / オープンパンドラでパーティを強化して粘るという手が、もう本当に最終の連戦くらいでしか使えず、というか、あんまりスペルが揃わないから、スペルなしで戦うのに慣れてしまって、だから今回は魔術師はあんまり活躍できません。Wizardry系に限らず、魔術師職が好きな私にはちょっと残念です。

 今回のプレイ、難易度は、以前にもいってましたようにベテラン。ノーリセットは貫きました。というか、そんなにハードではないので、敵に先手をとられてブレスで半壊逃げそこねて全滅みたいなことはありませんし、必ず逃げられるアイテム、スペルも存在するし、蘇生成功率もある程度したら100%になるし、宝箱の罠を回避してくれるアイテムもあるしで、泣きながら、もう駄目だ、もういやだ、なんて思うようなことはなかったです。いや、以前どのWizをプレイしたときにも、そこまでのことはなかったですけどさ。けど、比較的やさしめとはいっても、死ぬ時には死にます。31回かな? クリティカルヒットで死ぬときもあるけど、クリティカルヒット関係なしに、多段ヒットを食らって死ぬことの方が多かったような気がします。特に終盤がそんな感じでしたっけね。

そして、シナリオ。これはなかなかにやられました。SFとか、そういうの読んでる人にはそれほど衝撃じゃないのかも知れないけど、私はもう、うわ、そうなのかー、やられた、素直にそう思って、あの東京の成り立ちもそうなら、一度なすすべもなくやられて、どうしようもなくなったと思ったところから復帰する流れなんかも、それから、その流れが再び終盤に戻ってくるところなんかも、うまいわあ、やられたわあ、というか、あの子は死んだら死にっぱなしかと思ったものだから、Wiz XTH 1のアスカ、サーカスがそうだったように、Wiz XTH 2の静流がそうだったように、死んでも生きかえるというシステムを持っていながら、それでもあえて絶対の死を持ち込んでくるところに、シナリオの本気を思ったものでしたっけ。けれど、本作では、それを見事に救ってみせた。ご都合主義って感じではなく、すでに用意したシナリオ上のギミックを利用しての救出劇に、いいなあと、素直にそう思って、それでその後のちょっとしんみりとさせる、ああいよいよ終わるんだなって思わせる、そんな流れにじんときて、ええ、すごくよかったですよ。楽しかったし、面白かったし、なによりプレイして、クリアしてよかったなと思えた。いいゲームだったと思います。

とはいえ、まだ終わってない。まだ追加のクエストがあるはずだし、それにサブブラッド全然試してないし、使ってないブラッドコードもいくつか残ってるし、そのへんを少しずつでも遊んでいけたらいいなと思います。

あ、それから、桜子さん、どうぞどうぞ、沖縄いってきてください。沖縄気楽にいって楽しめるくらいに、成功してくれたらいいなあ、そう思っています。

2009年6月13日土曜日

銘高祭!

 『銘高祭!』は『まんがタイムきららフォワード』にて連載中の漫画。作者は『眼鏡なカノジョ』のTOBIで、連載がはじまると知ったときには、意外そしてちょっと嬉しい、そんなことを思ったものでした。いや、眼鏡だからじゃない。派手さはないけれど、地道な展開が期待されるなって、そんなことを思ったんですね。そして、その予測はほぼ当たって、地味で、けれど登場人物の感情を丁寧に描いていこうとする、そんな漫画となりました。舞台は高校。中学生のころに見た銘高祭に憧れたみちえが、文化祭実行委員長に抜擢されて — 、という物語。そして、みちえを軸としながらも、他の実行委員たちにスポットライトが当たっていく。その過程で描かれる、彼らの思い、感情、それがなかなかによいのですね。

物語はみちえを軸としながらも — 。確かにみちえはヒロインで、彼女が『銘高祭!』において、大きな役割りを担っているのは確かであるのですが、しかし、『銘高祭!』はみちえの物語でありながらも、みちえだけの物語ではありません。生徒会長、副会長がいて、会計委員のふたりがいて、新聞部がいて、そして実行委員ではない普通の生徒たちもいて、銘高祭に関わるみなの思いをすくいあげようというかのような感触があるのです。誰よりも熱い情熱をもって、必ずや銘高祭を成功させようと奔走するみちえがいる。けれど、そのまわりにいる委員たち、彼らの思いがみちえに劣るのかといえば、決してそういうわけではない。誰もが、それぞれに違った思いをいだきながら、ひとつのテーマに向かって進んでいく。そして、それほど熱心ではない一般の生徒にもドラマがある。温度の高低はあれど、銘高祭というものを、ほかでもない今年の銘高祭をいうものを、多様な目、気持ちを通して描こうとする、そんな意図が感じられるのです。

銘高祭は一年通して最大のイベント。だからこそ熱くなってる人がいる…。けど、私にはそれがよくわからない。文化祭に自分の青春を燃焼させるみちえのような人を見て、私が思ってきた気持ちもひろいあげられている、そのように感じて、だからなおさら好きになったのだと思います。誰もがひとつのことに一丸となって取り組めるとは限らない。そうした温度差、むらも描いてこその文化祭ものかも知れない。けれど、ただ冷めているだけじゃない。それが、この漫画のよいなと思ったところで、なぜみちえがあんなに熱心になれるのか最後まで見届けてやろうじゃない。ただ、わからないといって立ち竦んでいるのではなく、わからないなら、それをわかろうとして飛び込んでみる。みちえのように熱くなれるかはわからないけれど、遠巻きにしてるだけじゃなく、少しでも歩みよろうというその姿勢が、なんだかすごく健全だなって思ったのでした。

そして、ちょっとだけひっかかったところ。あの先生の態度に実は納得いってないんだ。きっと過去になにかがあったんだろう、それも銘高祭がらみでなにかあったんだろう、それは充分理解して読んでいたんだけど、それでも彼女は教員で、プロフェッショナルとして教育という仕事に従事する、そんな立場の人間なんです。それが、ああいう、感情に引き摺られたとしか思えない、配慮に欠けた態度で臨むのはどうだろう、などと思ったのは、私の教員という職に対する期待度があまりに高すぎるからなのでしょうか。現実を見れば、もう、とんでもなく酷いのもいます。だから、こういう、自分の過去に捕われるというのも、自然で、ありえる話なのでしょう。それはわかる。教員だって人だもの。そんなことがあってもいい。けれど、そうだとしても、仮にこういう教師がいるのだとしたら、私は、それはプロとしてどうだろう、そのようにいわざるを得ない、そんな風に思います。

彼女の発言は、みちえの思いに一歩踏み込んで、銘高祭は自分のものじゃない、だから、みんなでやらなきゃだめなんだ、その言葉を引き出して、一種ひとりよがりだったみちえの思いをより高いところに引き揚げる役目を担ったのですね。そして、おそらくは、彼女の言葉は、かつての自分自身にも向けられた、そうした言葉は、今という時に、今年の銘高祭に取り組む生徒たちを通して、自分自身にも返って、過去を乗り越えさせるきっかけとして働いたのだろう、そのように思います。

『銘高祭!』は、銘高祭というできごとに関わるものの思いをよくひろいあげて、つぶさに描こうとする試みです。この先にできあがっていくだろう銘高祭。それはどのようなものになるのだろう。それが、部外者、傍観者である私にとっても楽しみでならないのは、何かが始まる、そして何かが起こっている、そうした実感が、私をも引き込んでしまっているから、なのでしょうね。

  • TOBI『銘高祭!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用

  • TOBI『銘高祭!』第1巻 (東京:芳文社,2009年),12頁。
  • 同前,107頁。
  • 同前.108頁。
  • 同前,116頁。
  • 同前,163頁。
  • 同前,33頁。

2009年6月12日金曜日

『まんがタイムラブリー』2009年7月号

毎月13日は『まんがタイムラブリー』の発売日。けど、なぜか今日買えました。なぜか今月は12日発売。例月よりも1日はやく発売されて、土曜に出歩かなくてすんでラッキー、だったのかな? だから、発売日入手圏にお住いの方は、今日買えます。しかし、第2週は配本が休みとか、そういうとりきめでもあるんでしょうか。いやね、芳文社のカレンダーを見てみたら、今週を除いて、きれいに土曜にコミックスやら雑誌やらが発売されるものですから。しかし、来週から連続で、休みの日に出歩かないといけないわけか。ちょっとがっかりしますね。

『天使な小悪魔』は、花園の面々を描いた漫画というより、失意のアイドル、カイトの明日はどっちだ? という、そんな雰囲気になってしまって、けどちょっと面白い。あの、お母さんがすごいよね。以前からなんだけど、徹底している。そしてそれは今回も。やさしい笑顔の影に隠れた本性が実にいやな感じで、それだけにカイトから目が離せないって感じになっています。きっとカイトは立ち直るんでしょうけど、それまでにどんな紆余曲折があるんだろうか。それが気になります。

うさぎのーと』は、カツ揚げがうまい先生がカツアゲを阻止する話。カツアゲの由来は、恐喝して巻き上げるから、かつあげなのか。それは知りませんでした。しかし、あの人があの発言をすると洒落にならない、それがとてもよいと思います。

それにしても今回は面白かった。ミラクルの予測不可な落ち。片岡の強烈な魅力にまいっている男子数名。しかし、いや、これ以上は変態的になるからしゃべらない。今まであまり意識してこなかった大鎌くん、彼のモチーフはカマキリですね、なんだかちょっとわくわくさせてくれて、ああいうキャラクター、実はすごいよ、っていうようなのね、好きみたいですよ。でも、大鎌くんがおおかまなら、片岡はなにかまなんだろう。大好きです、片岡。で、犬飼(弟)先生の、怖いんだか圧倒的なんだかよくわからない見せ場。あれもいい。あの、目付き悪くぼーっと座ってるだけみたいなコマから、凄んで見せるあの流れ、いいね、いいよ、先生素敵! 馬鹿馬鹿しいネタを積み込みながら、けど大きな流れは暖かみにあふれていて、いい話でした。

『だんつま』、ドロ遊び!! で誤魔化せてしまう主婦、素晴しいな。こういう稚気にあふれた人、実によいと思います。そして、この人のまわりの人たちも、負けず劣らず、笑顔で怒る未歩さんなどとても魅力的です。『先生はお兄ちゃん。』は、園児まゆと高校生月子が出会ったという話。しっかりしてるんだかしてないんだかわからんまゆが可愛くて、あのきっぱりとしたしゃべりかた、この頃からだったんだ。この口調が好きなんだ。なんだかよくわからんが、たまらんのだ。そして、ちょっとずつムンチャイ関係者の設定があきらかになっていって、そうか、じーさんがムーンチャイルド作ったんだな。しかし、月子が生まれてムーンチャイルドを作ったのか、そうだとすると、そんなに古い会社じゃないのかな? などいろいろ思ってしまうのは、そうしたところ気に入ってるんでしょうね。とりあえず、人さらい 人さらい 食べられるーはよかったです。

『たたかえ!WACちゃん』、さすがにちょっと無理がないですか……。けど実際問題として、こういう人は入れるんだろうか。けど、それ以上にヅカの人はなんなんだろう。なんであんなに詳しいんだろう。マニア? 最初先輩かと思ったんだけど、どうもそうではないみたいだし、なんだかなあ。解説役なんだろうけど、しかし普通に半長靴という用語が出るというね。割と自衛隊の宿舎は自由で、売店でゲーム誌買えたりするとかいう話ですけど、こんなにゆるいってこともないと思うんだけど、なんかもうちょっとぴりっとお願いしたいところです。

パニクリぐらし☆』、風呂敷って駄目ですか? というか、柄の問題? 唐草模様の風呂敷って漫画とかネタグッズでしか見たことないんですけど、本当は由緒正しい柄なんですよね。なんか、その扱いの変化が不憫と感じたりしたのでした。で、漫画はというと、ちょっといい話。もちろん落ちもついて、いいじゃん、仲良し家族だよ。鞄は兄妹お揃いで使えばいいんじゃないでしょうか。より仲良し家族といった感じが強調されてよさそうです。

『ペンとチョコレート』は割と好き。けど実は序盤、『なのはなフラワーズ』とちょっとごっちゃになってました。あの思わせぶりで、いうこところころ変わる編集はどっちの編集だった!? みたいになってて、それでちょっと入り込みにくかったような覚えがあります。最近ではあんまり読まなくなったけど、こうしたレディーズ誌に載ってそうな漫画、結構好きで読んでたんですね。あの恋愛に関して自爆して、それでしみじみ語って照れるところとか、あのすみっこに座りこんで話し込むっていうところとか、そういう細部にひかれているように思います。

『アイムホームあかり』、ゲストです。というか、ゲスト多いよね。ここからゲストラッシュだよ? 漫画の雰囲気、なんかどっかで見覚えが? と思ったんだけど、はじめましてだそうなので、多分勘違い。新しくやってきた大家代理の娘さんの奮闘記。結構強引な手腕、そしてまだまだ発展途上というところ。まだ顔見せといった感じだけど、続けて読んでるうちに馴染んでいくんじゃないかなって思っています。あの、お婆さん、と呼ぶのも失礼な気がするけど、あの御婦人の存在がいいなって思ってます。

リカってば!』、安曇さんはかわいい、うん、かわいい、すごくかわいい。しかし、本編はほとんどリカとの悶着の思い出じゃないか。なんか不毛な恋愛してるなって気もしないでもないけど、しかし、それでも安曇さんがかわいいと思えるならいいのんか。その安曇さんですが、可愛いだけではない、そんな表情が現れてきて、とてもいい感じに思います。塚田の魅かれる女は、きっとみんなミカちゃんタイプなんだよ。以前の彼女もそうだったじゃないか。だから、きっと安曇さんもそうなんだよ。

『きまぐれオフィス』、私がラブリー読みはじめたころの四コマ誌は、こういう感じの漫画が多かったような気がします。古くさいっていってるんじゃないよ。駄目な先輩と、どじな新人、微妙な人材が働くオフィスもの。楽しみにしようと思います。

『縁側ごはん』は、え? なに? 逆転ホームラン? この漫画の主人公、あまりに自由人、そう思っていたら、姉は輪をかけて自由人だったという。というか、常識を意に介さないって感じですね。せかせかこせこせとした日常から外れている、そうした雰囲気が気に入ってるんだと思うのですが、妙に厳格な家に育ったヒカルちゃんは、非常識姉弟に感化されてしまうんでしょうか。だったらいいなあ。で、レギュラーになったらいいなあ。などなど。

『ミニっきえにっき』は、なんか変なの出た、と思ったら、いきなりの変態呼ばわり。酷いのか妥当なのか、それがわかりません。どうでもいいことだけど、このBlogで一番読まれている記事は、変態と連呼する漫画に関するものだったりして、そうか、やっぱりみんな変態が好きなんですね。でも、この漫画の変態は、別にそんなに変態ではなくって、暑苦しい体育会系というのを絵にしてみましたといった感じで、しかもそれがイルカだから、なんともいえない奇怪な感じがただよっています。いい話を期待してがっかりするミニ様が見どころかも知れません。しかし、このなんでも強く言い切ってしまうことで、そうなんだ! と思わせる技法は、現実世界においても有効なのではないかと思われますね(というか、結構有効らしいです)。

『私のヤンチャな執事クン』は、てっきり勝気なお嬢様に従順に付き従う若く優秀な執事ものかと思ったら、違ったのか。作者は藤城ショーコ。この人の絵、結構好きなんです。けど、従順に調教されていく尊大なお嬢様っていうのは、私の好みとはまるで逆だから、なんともいいにくいものがあります。最近の私のお気に入りのアリスといえば、GENERATION XTHの尊大なアリス隊長や、PandoraHeartsの血染めの黒うさぎだったりするので、こちらのアリスさんにも頑張ってもらいたいものだと思います。

『FLIGHT TAXI』、わけありなお嬢さんなのかと思ってたら、そうでもなくて、まあよかったなあと。神経質な絵、辛気臭い雰囲気は正直なところ好みです。でも、あんまり残らない漫画だったと思います。台詞とか、随分ぶってたんだけどなあ。

『できる女には秘密がある』は、覚えてるよ、第3回まんがタイム新人4コマまんが大賞の人だ。何賞だったかは忘れたけど、このお姉さんは覚えてる。どうも私は、ちゃんとした人に見せてるけど、その実は酷いろくでなし、でたらめな大人というキャラクターに魅力を感じてしまうようで、だからこのお姉さんは実にいい感じです。まあ、ろくでなしの種類、でたらめの程度にもよるんでしょうけど、しかしこのお姉さんはとてもいい感じです。悪い人間じゃない、人に迷惑かけることもあるけど、陥れよう、足を引こうというような感じがない。自分の駄目なところもわかってる、なんとかしないといけない、そういうこともわかってる、けどどうにもできないというもどかしさに共感してしまうのかも知れません。

共感してしまうというところからも明らかかと思いますが、私とこういうお姉さんは、共存できません。駄目のチキンレースみたいになること請け合いです。

『ヒーロー警報』、Yのいい人さが際立ってます。パリから舞い戻ってくれたんだ。しかし、この漫画は、かつて悪の側にいた人が成功していて、正義の側にいた人は微妙なポジションという、そうしたところ、なんか妙にシビアで、だって、Hって普通のサラリーマンですよね。昔は天才少年だったとか、そんなだったと思うのに、栄光は少年時代でピークというわびしさ。それがもう不憫で不憫で。けど、それでも楽しそうだからいいのでしょうね。最後の最後、大おちは素晴しかったです。そうか、成層圏を超えたんだ。なんか、かっこいいな。

『カフェらった!』は、男装女子大好きなので、普通に嬉しかったり。王子いいじゃん、けど王様のほうがもっと好きです。それはそうと、あのモアイのお嬢さん、彼女をもっと可愛く描いてあげて欲しい。あの人が初登場したときに、少女漫画的な残酷さがあると感じたのでした。けど、実際のところ、だんだんに可愛くなってきているようにも思います。頑張れ、千歳。応援しています。

『人生相談はじめました。』、ゲスト。なんとも酷い喫茶店なんだけど、あの店長が登場してくるところで、なんかよさそうだと思った自分が自分で理解できません。ゆるギャグを標榜している、そんな漫画で、たしかにゆるい、そんな感じではあるのですが、けどそんなにゆるすぎることもないと思います。最後の落ちの流れは結構好き。悪くないと思います。

サクラ町さいず』は、ミニブタが可愛いなあ。貯金箱みたいだ。ロッタちゃんのぬいぐるみみたいだ。でも、ああいうふれあいコーナーって、いや、やめとこう。ハシビロコウはそのインパクトからか、あちこちで人気であるようで、しかし本当に動かない鳥みたいですね。いい味出してると思います。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第7号(2009年7月号)

引用

  • 渡辺志保梨「だんつま」,『まんがタイムラブリー』第16巻第7号(2009年7月号),36頁。
  • テンヤ「先生はお兄ちゃん。」,同前,41頁。
  • 長谷川スズ「リカってば!」,同前,97頁。
  • 藤城ショーコ「私のヤンチャな執事クン」,同前,146頁。

2009年6月11日木曜日

ぎふと

 先日休刊した雑誌、『コミックエール!』に連載されていた漫画、『ぎふと』の単行本が出ていて、これは掲載誌を『ドラゴンエイジ』に移して続くとのこと。正直それはありがたいことだなあと思っていて、それはやっぱり、この『ぎふと』という漫画を気に入っていたから、なのです。ロボットの女の子、ぎふこが人の感情を学ぶ過程で、いろいろな人との関係を結んでいく。そうした様がなんだか微笑ましくて、そしてそのぎふこと知り合った人たちが見せる感情の揺れ動きがよくて、いい漫画だと思っていたんです。だから、この続きがあるということが、本当にありがたいと思います。

この漫画は、ぎふこの感情の成長というものをメインに置いた、SFというよりもファンタジー、そうした色合いを持っていたのですが、うまいなと思ったのは、ぎふこが人の感情を知る際に用いるギミック、キャンディーを通して感情を同調させるという、それですよ。この仕掛けがあるから、ぎふこには感情がダイレクトに伝わる。そして、読者はぎふこの反応を通して、彼ら彼女らの感情を知ることとなる。そうした感情を知る、追体験するような感覚がすごくいいと思ったのでした。

このあいだ、休刊する『エール』について書いたとき、この作者について、人の気持ちを丁寧に描いて、いい。そんな作家だと思います、というようなことをいっていました。そして、それは『ぎふと』にも当然いえることでありまして、ぎふこが傍観者となって、恋愛の、恋愛未満の感情に立ち会う、その気持ちの動きが力感たっぷりに描かれるところ、素晴しくて、時に凝った画面構成に読む順番を見失ったりもしたのだけれど、そんなことちっとも気にならない。これは、いいな、そう思って、そしてぎふこの知り合いたちがまた繋がっているというところも最高だなって思っていて、本当、いい漫画なのであります。

これまでぎふこは傍観者であると、そのようにいっていましたが、ぎふこにはぎふこの物語が描かれる日がくるのだろう、そう思っていたところに、あの衝撃の展開があって、私は本当に驚いてしまって、そして、それ以降は『ドラゴンエイジ』にて描かれます。これは過去編ということなのかな? こうした動きは、それっぽいほのめかしがあったように、最初からの規定路線なのか、それとも突然決まったらしい雑誌休刊を受けて、急遽路線変更したものなのか。そのあたりはわかりませんが、いや、あとがきを見るかぎり、既定路線みたいですね。一気に浮上してきたと感じられたぎふこの物語、それがいつか収束し、そしてその際にはなにかしあわせな感情が生まれるようであればよいなと、そんなことを願っています。

  • 山田J太『ぎふと』第1巻 (角川コミックス ドラゴンJr.) 東京:富士見書房,2009年。
  • 以下続刊

引用

2009年6月10日水曜日

『まんがタイムきらら』2009年7月号

雑誌の感想を書いていて、途中で力尽きるだなんて思いもしませんでした。『まんがタイムきらら』2009年7月号、とりあえず昨日は前半だけを書いて、具体的には『かみせぎ!』まで。しかし、こうして前後編になるんだったら、もっとしっかりみっちりと書いていけばよかったよ。なんていうけど、それをしたら、多分もっと早い段階でリタイアしたんだろうなと思います。

そんなわけで、再開は『境界線上のリンボ』から。いたずらっこたちと自宅で迷いこむ不思議な空間。こういう、不思議がなにくわぬ顔して身近に隠れているっていうのは、なんか見ていてわくわくさせるものがあると思います。子供なんかだとなおさらだと思うのですが、日常に非日常が隣接しているという感覚、それはいくつになっても求めてしまいたくなるものなのかも知れません。『リンボ』は、日常といいきれるほど日常に暮らしているわけではないけど、だからこそ可能になるより一層の非日常表現、それが日常にまざりあうようにして存在している。なんか、よいなと思います。

こどもすまいる!』は、牧場にいくお話。全体に広がる楽しそうな雰囲気に、あの馬のやめとけみたいなちょっとおかしな表現が、なお面白みを強めていたと思います。そしておつかれさまです。やっぱりいい漫画だなって思います。『うぃずりず』はサイレント風味でやっていて、あの宙を舞う自転車、あれは面白かった。けど、自転車って描くのべらぼうに難しいと思うんですが、それがこんなにたくさんでて、いやほんと、大変だったんじゃないかと思います。

『PONG PONG PONG!』、本当は怖いリコの師匠。神さまなめてかかっちゃいけないって話でした。けど、祐太、なんかいいやつだなあ。しかし、どんどん株が下がるな。羨ましいは単純なんだけど、それだからこその面白さがあったと思います。『まーぶるインスパイア』は、いよいよ話は進まず、けどこの普通なら枝葉末節としてオミットされるような話がむしろメインといった感覚、たまらんものがあります。そして唐突に男湯の風景。親父さんの溢れる娘愛。すさまじいな。すさまじいからこそ面白いなと思います。

『だんで・らいおん』、私も待ってろといわれたら、じっと待ってるタイプだわ。昔は違ったんだけど、だんだんそんな風になってしまって、あんまりよくないなあ。なんて思うけど、本当はどっちがいいんだろう。この漫画、悪い漫画じゃないと思います。なんだか引っこんでしまっているヒロインが、だんだんに開かれていく。そうした様を見るのは、悪くないものだと思います。

『夏色スニーカー』、これもゲスト。猫探しの散歩。猫と出会って写真を撮って、そうしたいろいろを通してキャラクターを魅力的と感じられたらよさそうです。ぺぺぺって名前はいいなあ。ヒメと対立してるようで、そうでないっていう。その様子は面白かったです。

『びすとろふぃーゆ!』、これもゲスト。才能はあるんだけど、引っ込み思案というか自己否定感情というか、自己肯定感の欠如というか、そんなヒロインがちょっといい感じ。だから、回を重ねると好きになるんじゃないかなあ。そんな雰囲気です。

『からめるマフィン』、卵白を先に泡立てるオムレツ、今度試してみようと思います。『ダブルナイト』、『ぼくパイ』って略称は、さすがに一般層には通じないんじゃないでしょうか……。『ぼくの生徒はヴァンパイア』、略して『ぼくバイ』だと思うんですが、パイでいいの? うん、まあいいや。細かいことはいいのよ。

そしてMy Private D☆Vは『キルミーベイベー』のカヅホさん。ショートカット、いいですね。ジャージ、素晴しいですね。けど、このジャージは私の好みである普段着がジャージとはちょっと違って、けどこれも魅力的かと思います。で、スパッツだそうですが、これ、小学生の時に見たアニメの影響じゃないかとのことですが、それって『飛べ!イサミ』? まさか『カードキャプターさくら』? ところで、さくらってスパッツだったっけ? そう思って軽く検索してみたら、自分の文章がヒット。ぎゃーっ!

しかし、いいイラストを描く人だと思います。色気は少なめ、さらりとしていて、ほのかにただよう程度。で、魅力もしっかりとあって、よいなあ。表情、そして手足の表現がよいのかな。キャラクターはちんまりとしてるんだけど、小さくまとまってるような感じはしない。その、大きな動きの見せかたが逆にキャラクターの小ささを強調するようで、よいなあと思うんですね。

で、アホの子。うん、アホの子は可愛いですね。私も好きです。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第7号(2009年7月号)

引用

  • 娘太丸「こどもすまいる!」,『まんがタイムきらら』第7巻第7号(2009年7月号),122頁。
  • 同前,124頁。
  • リサリサ「PONG PONG PONG!」,前掲,137頁。

2009年6月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2009年7月号

『まんがタイムきらら』7月号、発売です。表紙は、アニメになって人気がものすごいことになってる『けいおん!』。いや、ほんと。こんなに人気が出るなんて想像だにしていませんでした。アニメになるって聞いて、驚いて、最初は見るつもりもなかったのに、予告編がちょっといい雰囲気だったものだから、じゃあ試しに見てみるかと思ったら、こんなにはまってしまうだなんて……。深夜アニメなんて見てらんねーよ、とか思ってたのに、しっかり起きて見てるし、おかげで睡眠不足だし、けどたった12話で終わっちゃうのは残念だなって思ってる。あれ、13話だっけ? どっちでもいいけど、終わっちゃうのは残念だなって思います。

といったわけで、表紙が『けいおん!』、巻頭の特集も『けいおん!』で、もちろん漫画も載ってます。カラー。梅雨時の話題。雨が降ると楽器を運ぶのが大変という話であったのですが、いや、もう、本当に雨はいやなもの。楽器は、特にギターは水濡れ厳禁ですから。雨がちになるとネックが反るという話ですが、経験上、湿度が高くなると順反りするんですが、そうなるとオクターブチューニングも狂うのか。そりゃそうだろうな。もう、面倒くさいなあ。

漫画『けいおん!』は、アニメ『けいおん!』がはじまってから、あきらかに雰囲気が変わったと思います。けど、それは変質したというより、のりのりになったとでもいいますか、よりバラエティに富むようになった、そんな感じ。面白いのは、それでもアニメの雰囲気とは違うっていうところなんですね。原作には原作独特ののり、雰囲気があって、こんな感じにアニメ、原作それぞれに違った楽しみかたができるなら、それはとてもよいなと思っています。

今回の見どころは、部室以外ではやっぱり猫をかぶっているさわちゃん、楽器命名、そして楽器の傷? 楽器は大切に扱ってるほど、傷がいくとショックなものです。私はいまでもくよくよしますよ。楽器に名前は、それじゃ私のはマスタングだから「まっさん」とか? 高校の頃、クラリネットをくーちゃんと名付けている女の子がいましたが、私はどうも楽器をはじめ、道具に名前を付けるというのはなじまないみたいです。

あっちこっち』で榊が握っているにぶ伊御っていうの、どう見ても、いや、やめとこう。『ふおんコネクト!』、おもちゃはマンション一戸に入りきる分まで。うん、そうだよなあ、そうやってどっかで線を引かないといかんよなあ。ちょっと反省中。『天然あるみにゅーむ!』がきて、そして『ゆゆ式』でカレーパン!。以前のけいおん部のケースもあるし、これってきっと狙ってるんでしょうけど、ということはかなり早い段階で掲載の並び順って決まっているんでしょうか? あるいは内容を見て、並び順を変える? わかんないけど、こういう本誌ならではの遊び、面白いなと思います。

三者三葉』は、薗部のメールの文面が普通じゃなくて、けどこの人、前もこんなのあったような気がしますが、なんていうんでしょう、気持ちがざわつく、そんな嫌な感じを残す文面。そりゃ拒否したくもなるなと思います。しかし双葉は、どう見てもケーキ目当てっぽいけれど、なんのかんのいって付き合いのいい娘だなあ。『ネズ巫女ちゅー』、濡れネズミはやっぱり避けては通れないネタであった模様です。しかし、なんともいえない味わいの漫画です。で、結構好き。あの、防毒マスクとかいいですね。あれは完璧に近い対処だと思います。

『Aチャンネル』がゲストで本誌にやってきて、しかしこの人の絵、スカートがやっぱりシャンプーハットっぽい。動き勢いがあって魅力的だけど、けどちょっと目の毒かも知れません。パンツじゃないから恥ずかしくない? 恥ずかしいわ!!とか、元ネタは名前しか知らないのですが、けどその勢いが面白かった。ところで、本当に貧乳萌えブームなんて到来してるんですか? そのあたりの動向はわかりませんが、だぶだぶのセーターのブームは個人的にちょっと到来してます。

『メロ3』は初回限定を買い逃す話。でも、訓練されたオタクなら、店員が知り合いだろうが、経営者が同級生だろうが、躊躇なく買えるものです。その点、本太はまだ現実に夢を見出そうとしてるわけで、少くとも未練があるわけで、偉いな。偉いか?

『かみせぎ!』。ゲストだそうですが、今、『きらら』では神さまがはやってる? 狛ネズミとか狸とか。けど、そのどれともまた違った感じがあって、この導入の序盤をすぎて、どんな感じになるのかな。どうも、お姉さんが小さな神さまを愛でる、そんな方向に向かいそうですが、実際それがどんな風に展開されるのか、その次第によってたくさんあるうちのひとつか、そうでないか決まるのでしょうね。

ところで、今日はちょっと疲れてます。続きはまた明日!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第7号(2009年7月号)

引用

  • 異識「あっちこっち」,『まんがタイムきらら』第7巻第7号(2009年7月号),20頁。
  • ざら「ふおんコネクト!」,同前,30頁。
  • 三上小又「ゆゆ式」,同前,42頁。
  • bb「Aチャンネル」,同前,85頁。

2009年6月8日月曜日

ぼくの生徒はヴァンパイア

 ぼくの生徒はヴァンパイア』の2巻、この表紙がすごい。いや、もう、本当に。メイベルに寄り添うカミラ、ちょっと肖像画などを思わせるようなイラストでありまして、しかし、なんという美しさ、なんという華やかさでありましょうか。えんじ色のカーテン、ビロード張りなのか豪奢なソファに座ったふたりのなりも表情も対照的で、片やすました美人、片やいとけなくしかし優美な美少女、もう最高じゃないですか。背景含めて色はかなり多いのに、うるさいとは感じない。むしろ品のよさを感じたりもするのだけれど、そうした落ち着きを破っているのがカミラで、静止した時間のなか、身を乗り出すように、また表情も自然にほころんで、その動きが彼女の印象を強めて、いや、本当にいい表紙だと思います。

しかし、この表紙、これは肖像画というよりも肖像写真みたいなのを意識しているんでしょうか。ほら、こないだの『MAX』で、チェスのうんぬんからルイス・キャロルの叔母を思い出したとかいってましたけど、このルイス・キャロルの時代、写真はとても露光に時間がかかるものだから、被写体はみなじっと身を硬ばらせていたんですね。長時間、じっとしておかないといけないから、体をどこかにもたせかけて支える、そんな構図が多かった。メイベルが深く椅子に腰掛けているように。カミラがメイベルの手を取って、支えにしているように。そんなだから、自然な表情なんて望めないわけです。こうした見方は、ただ自分がそのように見たいという願望に過ぎないのですけど、メイベルの無表情にそうした時代の写真の撮られ方を思って、しかしカミラは撮影時のルールにとらわれることなく自然な表情を見せている。さすがヴァンパイア、人の世の理に反して生きる存在だぜ! みたいに思ったりするのは、我ながらやりすぎだと思うけれど、けれどカミラにそういった超越的、あるいは超常的なありようを感じたいと思ってしまうのも正直なところなのであります。

ヴァンパイアといいながらも人が怖い、お気に入りのブラム先生の前では従順など、どうにも迫力に欠けているカミラですが、第2巻では実に吸血鬼らしい側面が描かれて、それがとてもよかったのでした。ガブリエラに血を吸われてしまったブラム先生、その血を舐めてカミラがいった言葉は美味しい…。それまで、吸血鬼やなんだといいながらも、ほのぼの同居ものといった色が強かったこの漫画に、異質な色合いがさっと加えられて、その怪異な感触が一層に魅力を増さしめた。そのように感じたのですね。ブラム先生の血の味を知ったカミラの表情こそは描かれなかったけれど、そのひとことの重みは確かにあって、なにか艶かしい、色気を感じさせて、ああこの漫画はやっぱり吸血鬼ものなのか。怪奇、ホラーの類にはどこかしら艶かしさというものが感じられたりするものですが、意識していなかったところにぱっと現れてきたそうした感触にまいりました。転倒しました。価値が、印象ががらりと変わりました。そして、続きの回においてのカミラの吸血鬼としての本能と、女の子としての感情との狭間に揺れたあげく、ガブリエラをガブリ、ごめんなさい、衝動的にガブリエラの血を吸うという描写にいたっては、ちょっとぞくぞくするものがありました。すぐそばにいるものが、それも子供の姿をしているものが、人とは本来相容れない、人ならぬものであるという、そうしたところが垣間見られて、素晴しい、なおさらに好きになったのでした。

ガブリエラは普段から人でなしといった感じだから、吸血鬼としての本性を無邪気に全開にしてきても、まあそんなもんか、ガブリエラだもんな、それくらいですんでしまうけれど、いつもはおとなしいカミラが吸血の誘惑に抗えなかったという、その描写が意外だったからこそ、この人たちの人に似て人ではないなにかであるというところがよりはっきりしたように思います。そして、その人でないというところが、より一層に魅力を強めている、そんな風に感じるのです。純粋の吸血鬼でないカミラであっても、吸血鬼に他ならないという、その隠された本性に、ぞくぞくするような魅力を感じるのです。

引用

2009年6月7日日曜日

『まんがタイム』2009年7月号

『まんがタイム』発売です。本来なら7日発売なのですが、今日7日は日曜日ということもあって、前日6日に発売日前倒しとなったのでした。なので、『まんがタイム』発売してます、っていうのが多分正しい。もちろん、発売日に買ってます。読んだのは今日でしたけど。いやね、昨日は買い物から戻ってきてから、寝ちゃったものだから、読む時間がなかったのでした。なんだかだらけてしまっている六月です。

『おとぼけ課長』、あぐらをかいてもしびれるという話ですが、実際に私がそうです。尻の肉が薄いのが原因かと思うのですが、あぐらをかくと、尻からももから足先までしびれて、大変な目にあうんですね。だから、座敷みたいなのはちょっと苦手なんです。三角座りするわけにもいかんしさ。

『はこいり良品』は、古書店の現実が語られて、いや、やっぱりそうだろうなあ。どう考えても不良在庫にしかならんものは、処分していくしかないんだろうなって思います。以前、古書店を開いた人が、そのへんのシビアさにうまく対応することができず、撤退されたこと思い出します。商売は甘くないんだなって、今でも時にその人のこと思い出しては、お元気だろうかと消息を心配します。

ニッポンのワカ奥さま』は、なんでもそつなくこなす和歌さんにも、うまくできないことがあるってわかって、しかしそれでもクッキーだといいはるその姿が貴重で、意外な可愛さを感じさせてくれます。しかし、しょうゆが隠されてるイタズラ、本当にへんなイタズラだけど、面白いなあ。実は私はしょうゆとかドレッシングとかなくっても平気なタイプなので、このイタズラはあまり効果的じゃないです。

天子様が来る!』、ヌンヌン痛いというその語感の面白さと、それをいっている鶏の表情の微妙さ、あいまって独特なおかしみをうみだしています。ところで、実写化はつらく悲しい責め苦です。実録系ならいいんだろうけど、萌え系とかで実写はつらいものがあると思います。って、そういえば、最近はミュージカルとかあるんだっけ。うまくすれば、わりといけるものになるのかな。「未だに怖くて携帯・ネットを利用してない」同盟は、おしい、携帯は使ってないけど、ネットは使ってる。残念。けど、携帯を使っていない人はいても、ネットを利用してない人って、本当に少ないんじゃないかな。いや、携帯以外の手段でネットを使ってない人のほうが、携帯持ってない人より多いかも知れませんね。

Smileすいーつ』、チャイナやバニーがはいってる福袋、いったいどんな店の福袋なんだろう。しかし、衣装を選ぶその姿、よいものです。振袖を羽織っているその姿、まだまだ大丈夫って感じじゃないですか。印象派絵画みたいでしてよ。『プチタマ』、ヒルに吸われてるっていうのは、いやだなあ。あれ、むしりとったらだめっていうけど、子供は火なんて持ってないから、どうしたらいいんだろう。トマトのネタは、なんか面白いなあ。あえてケチャップ。けど、自家製ケチャップ、きっとおいしいでしょう。でも、モッツァレラチーズとのサラダ、そっちのほうがおいしそうだな。子供っぽくみせて、たまり、けっこういいの食べてるな。

『わさんぼん』は思いのほか真面目に修行、というか練習して、まあそれでも落ちがつくところがらしいなと思います。しかし、いきなりの秤なしの餡切り、まずはやってみてその難しさを知るというのは、大切なことのように思います。できないことをあえてやって、自分にはできないということを知る、それがすべてのはじまりだと思うので、この点に関してはむしろ微笑ましく見てしまったのでした。というか、私もきっと同じことすると思う。しかしいい餡、煉切を自由に使わしてもらえるって、どんだけいい修行場なんだろうと思います。だからがんばらんといかんえ。

みそララ』、見事な畳み掛け。エスリープの大将、なんだかいい感じじゃねえ。あの陥落の様、そして自分のケーキを美味しそうに食べる美苑の表情を見て口元に笑みをこぼす、その様もいい。味のあるおっさんだと思います。しかし、こうしてうまくことが運んで、ということは次回はなんかひどいことになるのか!? 無事、事件らしい事件もおこらず、スムーズにことが運んでくれるといいなあと思うけど、それじゃ漫画にならんから……、なんかあるのかな? あの、クーラーボックスが心配でならんとです。

すいーとるーむ?』は美好さんのパジャマが! しかし可愛い人だなあ、中身は例によって例のごとく、たいがいな人なんだけど……。今回は、職場に寝床を確保するまでのゆかりさんの闘争の歴史が語られて、そりゃそうだろうな、いくらなんでもはいどうぞお泊まりくださいとはいかんわなあ。しかし、部長が可愛いな。娘さんも可愛いけど、部長も負けてないと思います。

『天然☆無農薬一家』は、息子よりも農業大好きの親父のほうがずっと魅力的なような気がしてきました。あの、耕耘機について語る親父さんは、なんかちょっとかっこよかったよ。この親父さんの農業愛が炸裂した日には、もうたまらんものがあるんじゃないか、そんな気がしています。

『おやコミュ』、絵がかわいいのはいいなあ。娘三人が可愛くて、娘と同じかあるいはそれ以上のはしゃぎっぷりを見せる手のかかる親父さん、そのしょうがないところ、それをたしなめたりする娘のちょっと背伸びした感じとか、よいなあと思うのです。娘を負うて、重くなったことをしみじみ思う。それは成長した娘に対する感慨なんでしょうな。

『放課後のアインシュタイン』、耳が痛い。私も室内で被災しかねません。しかし、すぐ役に立たないものは処分、なんていわれたら、まず私が処分対象ですよ? 世の中の理とは、きびしいものであるなあ。しかし、研究室なんていうものは、大かれ少なかれ、どこもごちゃごちゃのように思います。っていうのは偏見なのかな? 研究に急がしくて片付けてる暇なぞないわって人は、わりと多いように思います。

『小悪魔ティーチャー』、コマの割りかたが独特で、ちょっと読みにくいんだけど、絵の雰囲気は結構好きな感じです。けどあの長女は、キャバ嬢として大成することが夢だといってますが、経営者やったほうがずっといいような感じです。私はもちろん次女が好みです。けど研修してる長女もわるくないと思いました。スーツが好きなんです、スーツが。

『木綿のえぷろん☆』、二度揚げの話は、困った親父だなあ。他人の仕事に手出しするのは、マナー違反ですよ。悪天候にもめげず、売り上げのばそうとする、その前向きさというのはとてもいいと思います。この漫画のよさは、ヒロインの前向きさほがらかさ、そうしたところも大きいと感じられます。『乙女プレス』は、嫌いではない感じだけど、もうちょっとが足りない、そんな気もして、でも続くうちに私が馴染めば問題なしとなるような気もします。あのおしゃれ作業着とか、ああいうの好きなんですよね。『来れ萌荘』、めばえそうと読むのだそうです。ただ迷惑な大家兄妹というのではなく、持ち込まれた案件に主人公が興味持っちゃってるっていう、そういうところ面白いです。

『安堂友子の生きてます日記』、その環境は確かにつらいです! 子供のころなら平気だったのになー。なんで大人になると駄目になるんだろう。『PEACH!!』、武田のお嬢っぷりが最高です。これはクルージングのつもりが漁業なのか、漁業なのにクルージングと勘違いしてるのか。多分、前者だろうなあ。あれだけのマグロなら、数百万とかするんでしょうか。しかし、蕎麦といい天麩羅といいうどんといい、よくよく食べ物が美味しそうな漫画です。ああ、またうどん食べたい。今日の昼は蕎麦だったんだけど、毎日麺でもかまわないなあ。

  • 『まんがタイム』第29巻第7号(2009年7月号)

引用

  • 安堂友子「天子様が来る!」,『まんがタイム』第29巻第7号(2009年7月号),38頁。
  • 仁川志帆「放課後のアインシュタイン」,同前,141頁。

2009年6月6日土曜日

ただいま勉強中

 ただいま勉強中』の2巻が発売されました。女子校を舞台とした学生ものなんだけれど、華やかというよりは自然体。気取らず、それぞれみなが個性、というか地を丸出しにして過ごす学校生活が、見ていて楽しくて好きなんです。なにか目標があるわけではない。部活動やってるとかじゃないですから。熱い友情ものなんてこともない。彼女らはただ、今という時間を彼女らなりに過ごしている。精一杯という感じでもないし、だからといっていい加減というわけでもない。その、中庸な感じがよいのだと思います。決して平均的でも標準的でもない娘らの、気張らない、普通の日常。そのお仕着せではない普通さ、それが心地いいのです。

主要人物紹介が帯にあって、4人、彼女らを表現することばが面白かったのでした。うっかり、きっぱり、さっぱり、ちゃっかり。私はうっかりが好きです。江端由良。単行本には由良ときっぱり、風間飛鳥の出会いが描かれて、小学生時分の勝気丸出しの飛鳥も可愛ければ、今以上にぽーっとしてる由良も可愛くて、そんな由良を、と、ネタばれになるからこの先は書かないよ。けど、由良は飛鳥と出会えてよかったな。けど、多分、飛鳥にも由良という友人がいてよかったんだろうな。

メインのヒロインは由良で飛鳥だと思っているんですが、しかしそれ以外の娘らの話も面白くて、オカルト好きの千里、この子はちゃっかり、そして元気でちょっとおっちょこちょいなのか? バレー部所属の葉菜子、さっぱり、そして他にも担任教師やら理事やら、そして美術部所属の娘やら。えっと、教師は珠子、理事は麗、美術部は初音、みんな闊達で、からっとしててね、気持ちがいいんです。バレー部の上級生、岡田と藤堂もいいコンビで、藤堂はちょっと闊達とかいう風ではないけれど、けどこの人の場合はその弱気だったりするところ、それが魅力になっているっていうね。長身でフリフリでも大丈夫。可愛いよ、なんて思うんだけど、一般的にはどうなんだろう。

漫画だからといわれればそうなんだろうけれど、この娘らがあまりにも個性的すぎるという、それが面白いんだというんですね。他の誰でもない、その人っていう感じがする。借り物ではない、無理してるわけでもない、本来個性っていうのはそういうものだと思うのですが、自然にあらわれてくるその人のらしさを受け入れて、よい点もわるい点もあるけれど、けれど人に迷惑かけるわけでなし、そうした個性を隠すことなくいられる、彼女らのコミュニティ。その場の持つ雰囲気というのからして魅力的だと思うのですね。

キャラクターが魅力的、それは実際そのとおりだけれども、辻灯子の漫画の場合、そのキャラクターの存在する場の雰囲気、それもまた魅力的であると思うのです。ちょっと憧れる、そういっちゃってもいいような、そんな素敵な場所です。

  • 辻灯子『ただいま勉強中』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 辻灯子『ただいま勉強中』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年6月5日金曜日

『まんがタウン』2009年7月号

今日は5日。『まんがタウン』の発売日です。私の購読している、唯一の芳文社以外の四コマ誌であります。表紙は伝統的に『クレヨンしんちゃん』、と思ってたら、今月は『そんな2人のMyホーム』の舞も大きく扱われていて、ちょっと雰囲気違って感じます。けど、なんだか舞さんの頭がおおきくて、不思議な頭身です。表紙に、デフォルメされてるわけでない人物の全身をいれようとすると、こうなってしまうんでしょうね。となりにいるしんのすけとの対比がちょっと面白い感じです。

さて、『クレヨンしんちゃん』は、今回はカラーページ、4ページだけです。いつもはひまわりとかあって、ページ数も多いんだけど、単行本のからみかでページ数少なめでした。しかし、いつにないみさえの神経質な態度、それで自分からしくじるという、そのわびしさ。よくある話というか、その落ち込みようはひとごととは思えないものがあって、ええ、私もこんなことはよくします。共感度の高い話でありました。

『そんな2人のMyホーム』は、子供時代の思い出編が終わり。どろっどろになった舞が大声で泣きながら雨にうたれて帰ってくる。そこにいたるまでの流れ、切ないものがあって、ヒロちゃんの子供らしいエゴ、それが舞を傷つけたと、当人が今も忘れず覚えているから、ああしてすんなりと身をひいたんでしょうね。これは、今となっては、傷つけた側のほうが辛いんじゃないだろうかな、なんて思うような話でした。

三色だんご』は、早くもピークを過ぎてしまった市川さんが悲しい。けど、なでしこにせよ、よもぎにせよ、市川さんを心配してくれているっていう、そういうのが伝わってくるのはいいなと。素直でないなでしこ、ろくでもない女だけど、それでも悪い女じゃないんだなあ。そんな、ふたりの独特の距離感、なんか同志みたいなさ、悪くないなあ、そんなこと思います。

『天下無双!恋メガネ』は、はやりの草食系、肉食系とやらを扱って、そして実に素直でしっくりとくる、そんなラストに向かって、いい話でした。ありきたりの枠組みに押しこまれて、それでわかったように扱われることが嫌だっていう感情はよくわかります。実際この漫画の登場人物が、それぞれの個性を見せてくれるように、現実の私たちも個性的であるわけですから。だから、各自自己申告の、独特の系でいいんだろうって思う。けど、そうすると私はなんなんだろう。ちょっとの付く系っていうのが思いつきません。しかし、誤解されている連須くん、今日はもう早退したいっていうのがしびれました。むくわれない兄さんだなあ。

ほほかベーカリー』は、ついに三谷の悲願がかなうのか? と思わせて全然そうじゃないっていう、そのむくわれなさよ。なんか、むくわれないってばかり書いてるな。しかし、自分の酷い部屋だけど、こうして他人に、それも好きな女の子に掃除してもらいたいとは思わないなあ。見られてマズいモノがある、思い切って捨てられたら困るモノがある、理由はいろいろ。でも、それですましてちゃいかんなあ。最後の猫と犬の一本、面白かったです。

『りさいくるくる繁盛記』、田中なつが帰ってきた! 嬉しいな。ちょっと凝った設定。けれど一本一本の四コマは、シンプルなわかりやすさを残しているから、読んで、ピンときて、楽しい。この人のらしさ、味は変わっていないと感じました。

『70's 愛ライフ』、私は子供のころ、門扉のあたりで遊んでいるところを、訪問販売に蹴りとばされたことがあるそうですよ。断わられて、むしゃくしゃきたんでしょうが、それにしても酷い。父親が怒ったそうですが、でもまあ、これが昭和という時代なのかな? 英語の教材とか学習教材、そういうのは確かに訪問販売で扱われてたけど、うちでは買わなかったです。酒屋の御用聞きとかも見たことないなあ。学研はとってました。基本は科学、ふろくによって学習、どちらかしかとってもらえなかったんですね。まれに両方とってもらっているのがいたりしましてね、そのブルジョアぶりに激しく嫉妬したものでしたよ。うちには、学研のおばちゃんが届けてくれました。月末が楽しみでした。

光の大社員』、秘書のちはる君はどれほど魅力的なんだろう。振り向きもせずにダメです。しびれる。でもって、ちょっとおやつなんて風な扉なんてね、もう、どうすりゃいいんだろう。身をもっておみそシりましたよ。「ファミレスでマジシャン」がすばらしい切れ味。「リアルフェイクスイーツ」もまた強烈で、このナンセンスの畳み掛け。最高であります。

『めいみん。』の中国語ネタは香港脚ときて、いや、これは知りませんでした。なんで香港なんだろう。メイミンの書いた変体仮名の連綿ですけど、昔は読めたこれが読めなくなっているという衝撃。白雪はかるしうらすやそらの青 うみの青にもそますたたよふ? わかんない。青はどう見ても違うと思うんだけど……、わかんない。そして忍者係長ならぬ忍者メイミン。思いの外、似合っていると思います。

『よせ☆あげ』のツタンカーメンには、不覚にもやられました。無駄にゴージャス、きんきらきんだから黄金のマスクみたいに見えるのか。しかし、子供の遊びましょの感覚で名前を呼ぶ、なんか無邪気っぽくて微笑ましいなあ。やられると迷惑だろうけど。『みねちゃんぷるー』、あきらめるのはまだはやいよ! 切って切って、無我夢中で切りまくっていくさなかに、切るということがわかる瞬間がくるはずだよ! って、切られるほうはたまったもんじゃないですね。

  • 『まんがタウン』第10巻第7号(2009年7月号)

引用

  • ÖYSTER「光の大社員」,『まんがタウン』第10巻第7号(2009年7月号),108頁。

2009年6月4日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年7月号

毎月4日は『まんがタイムジャンボ』の発売日であります。買ってます、読みました。けれど、最近は一気に読み通すのがしんどくなってきて、これ多分睡眠不足のせいですね。夜はちゃんと寝ないといけません。世の中には一日睡眠三時間で平気っていう人もいるそうですが、私はどうも無理みたいです。よい睡眠がとれてないのかな。

さて、『コミカプ』は打ち切りの話題から。これはきっと、タイトルにスレイブってあったのが駄目だったんだ。自主規制の線引きが変わってしまって、スレイブとか、そういう単語が使えなくなったんだ、そうに違いない。冗談はさておいて、こうした人気商売っていうのは大変だなって思います。けど、2人のコミックファイター!! っていうのは、ちょっとないと思いました。

『白衣とリボン』のハダカ白衣は、ベースだっけ? の人か。ある種一貫したポリシーの持ち主かと思われます。この漫画の中では、一番好きな人です。『ごちゃまぜMy Sister』、のっけからちょっと仕合せです。しかし、妹の大食は知られてないのか。まあ、学内の有名人なんて、そんなもんですよね。クラスとか、学年単位でちょっと知られてるってなくらいなんでしょう。しかし、妹を心配する兄貴の方が、実はよっぽど心配だったりしますな。『ちょー!えど幕末伝』では、将軍が上洛、ともない新選組も京にのぼることとなるのですが、実際新選組が京都にいくことになったのって、将軍上洛の際の警備の徴集に応募したからでしたっけ。で、将軍は結局京都にはいったんでしたっけ、いかなかったんでしたっけ? ずいぶん忘れてしまいました。と思ってたら、欄外に解説されてるよ。わりと史実をそれらしくなぞってるみたいですね。

気分は上々』のメグの天気予報。やっぱり気圧が低いとしんどくなるんだ。経験上、そうしたことは知ってるんだけど、みんなそうなんだって思って安心するべきか、それともつらいよね、いやだよねって同調するべきか。今回は現場中心。面白かったです。もわもわと湿気過剰な状況、ちょっとやだけど、けどもう少ししたらそんな季節になりますね。覚悟しときます。雨に降られたメグは、なんか綺麗だな(いや、普段が綺麗じゃないなんていってないです)。

なのはなフラワーズ』は、こうしてひとりひとりの恋愛模様を描いていくのか? しかし、成就しない思い。成就しないことがわかっている、そんな一方通行の恋愛を描いて、切ないねえ、モーリー。ちょっとやけっぱちのモーリー、ところどころで本心がこぼれる。そういうところ、すごく引き付けられる。金髪だからじゃないよ? 思いどおりにならないことに、ひとり区切りをつけようとする、その思いが切ないですね。

『天使な小悪魔』は二種類のパターンがあると思ってました。にっくき仇のもとに飛び込む泪はあわや返り討ち!? その時あらわれたのは浜村さんだ! こっちだと思ってたんだけどな。いずれにしても、浜村さんが始末をつけるだろうとは思っていたから、予想の範疇だったんですが、ちょっと考えてみると、ろくでなしどもを鉄拳で制裁しましたという、恐怖で圧倒しましたというこの流れは、きっとこいつら反省してないだろう、そんな風にも思われて、だったらもうちょっと酷い目に、なんて思ったりもしたんですが、こういう一波乱あったあとの落としどころって難しいですね。これくらいがコミカルで、いい落着のさせかたなんだと思います。

『あいにゆこう』、可愛いお母さんだなあ。しかし、しゃべるぬいぐるみ、アル、彼を共有の秘密にして、ちょっと心配な子といわれた三人がまとまるのかな、そんな感じの話でした。まだ序盤。そんな感じでもあります。『ただいま勉強中』では、コンタクトだレーシックだと悪魔の囁きが……。しかし、女子の恋愛話好き、めちゃくちゃハイになってる美術部のお嬢さん、可愛いじゃないか。しかしまわりの動きについていけない由良が、結局振り回してる構図になってるのは面白いなと思いました。ところで、顔に刻まれた成果っていうのは、拳法のお稽古の結果か。ぶつかりながらくるみたいな話には、さすがにならんですね。いや、最初、てっきりそう思ったものですから。

先生はお兄ちゃん。』は、これまた心配な兄貴。妹に対してやばいくらい接近する兄貴だけど、やっぱり妹は恋愛対象ではなかったんだ、ってことがよくわかるお話。今はまだ無自覚っぽい兄貴が自覚したら、ああなるんだろうか。それともなんらかの歯止めはかかるんだろうか。そのへんが将来描かれたりしたら面白いかも知れないななんて思ったりしたのでした。

『俺の部屋にはウサギが居る』、ウサギが出るまでの数本がなんかしっくりこないように思います。それを描いた意図はわかるけど、もっとのっけからウサギメインにすればよかったのに、と思ったのは、その流れがあんまり後にかかわってると感じなかったからかと思います。ウサギの、決して愛らしいわけではないひとりごと、あれはよい感じ。憎らしいけど憎めないキャラって風だと思います。

『手のり魔王』の扉を見て、アリスか!? と思ったら、本当にアリスでした。あのドレスとエプロンが、アリスと判断する要素なんでしょうね。最初のころはいまいちのりきれていなかった『手のり魔王』ですが、だんだん面白くなってきていると思います。魔王の鈍臭さ、むくわれなさ、けど粗雑に扱われてるわけではないっていう、そうしたとこ、バランスがいいんだろうと思います。

ひかるファンファーレ』、主役のひかるより結衣が目立っちゃってるというね。しかし、いいキャラクターです。一筋縄ではいかない感じなのに、けれど必要以上に秘密の露呈を怖れているっていうところ。この心を開かないみたいなところ、それがちょっといいのかも。いつか心を開く日がくるんだろうか。くるんだろうな。こないかな?

『ぼくらは魔法が使えない』の髪切りデスマッチ。親子ゲンカで、彼女は勝ってきたのか。たいしたもんだ。しかし、この漫画は恋の浮ついた様子を描いて面白いです。以前掲載されてたもののようなシビアさや生々しさは薄れたけれど、今の雰囲気も面白くて好きです。『子うさぎ月暦』は、ミニ様可愛いなあ。枕? 毛布? 吸ってるの。もう、なんだ、もう、ねえ。しかし、合コンを台無しにする秘訣がここに。なんだろうなあ、どうしようもないなあ。けど、そういう駄目なところがいいんだろうなあ。もてはしないだろうけど。

『ハッピーカムカム』が単行本になるらしい。なるかも知れない。わーい、嬉しいなあ。抜粋とかやめてね? いや、ほんと。冗談抜きで。あれ、がっかり感がものすごいんです。そういえば、この学校、ブラウスの子がいるかと思うと、セーラーの子もいて、このへんどうなってるんでしたっけ? なんて思ったところだから、単行本には大いに期待しますですよ。というか売れてくれるといいな。

前にもちょっといってましたけど、私はこういう女の子コミュニティものが好きなんだけれど、そういうのがばたばたと討ち死にしていった時期があって、だからこそ『ハッピーカムカム』だけは死守したいのさ。最後の砦だと思ってるのさ。売れてくれるといいな。次巻に続くといいな。神仏に祈ったらいいのかな?

しかし、暑くてもベストを脱ごうとしなかった娘たち。けど、さすがに脱ぎましたね。あの、女子校的風景とでもいっていいんでしょうか、ああいう幻想壊れてがっかりなところ、そういうのが好きなんです。というか、女子校だときっともっとえげつない。しかし、扇子は優雅でいいですね。というか、あの勝ち誇った顔がよいです。

そして『Boy’sたいむ』、置島の苦悩。もう、素直になったらいいのに。そこに新しい世界が広がってるのに、と思いながら、けどそうなったら逆転ホームランなのか。そりゃまずいな。男ふたりでわびしい落ちは、どうもまわりが女性だらけみたいなので、それはそれで面白かったり。龍太郎はきっと退屈だったんだろうなあ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第7号(2009年7月号)

2009年6月3日水曜日

K-ON! ORIGINAL SOUND TRACK

 アニメ『けいおん!』のサントラが出ましたよ。私はアニメのサントラが好きで、気にいったアニメがあれば、なにはなくともサントラを買う。そうした性質のあるおかげで、うちには結構アニメのサントラがあるんです。熱心にアニメを見ていた時期はもうずいぶん前だし、視聴傾向も偏っていたから、そんなに幅広く網羅するような買い方はしてないんですが、それでもそこそこは買っているんですね。しかし、なんでそんなにサントラが好きなのさといわれたら、アニメが好きということもありますけれど、それ以外にも理由はあって、いろんなスタイルの曲が収録されている、なにせ多様なシーンに対応させるために、いろんな曲調を用意しますものね、その多様性がよいのですよ。もちろん、作曲者による得意不得意はあるだろうけど、弦や管の使い方がうまい人とか、ジャズ調、ロック風が得意とか、シンセ使いがうまいとか、そんな傾向がわかってくるころには贔屓の作曲者も出てきたりして、そうなるとアニメ関係なしに買っちゃおうかなって思ったりするようになって、こうしてサントラのマニアができあがるのでした。

さて、『けいおん!』サントラ買ってみて、これは思った以上によかったです。期待してなかったわけじゃないのですが、アニメを見ている限り、そんなにはひかれていなくって、好きな曲、耳に残る曲もあるにはあったんですけど、けれど普通かなって思ってました。でも、こうしてサントラで聴いてみると、よくできてますよ。テレビを見ている時は、音楽だけを聴くってことはまあないわけです。だから、気付いてなかったんでしょうね。思っていた以上に音が多くて、それもただ沢山音を詰め込みましたみたいなことはなくて、へえ、こんなとこでこんな風に動いてただなんて気付いてなかった、面白い、凝ってるな、1曲目のHave some tea? の時点でそう思って、だってこの曲、うすくレコード盤を回してる時のノイズがかけてある。それで、目立ったメロディ以外にもいろいろやっていて、ほー、がらりと印象が変わったよ。いいじゃん、面白いじゃん、すごく気にいったのでした。

私がサントラ好きというのを考慮する必要もあるかも知れませんが、これまでに出た『けいおん!』関係のCDの中では、これが一番好き。OP、EDもよかったと思ったんだけど、実際ヘビーローテーションしてたしさ、けど、自分の性にあっていたのはサントラなんだなって思いました。好きな曲、気にいった曲、たくさんある。アニメの時点で耳に残ってたのは、まずそのほとんどが好きに昇格して、そしてアニメでこの曲使われてたっけ? というような曲の中にもいいなって思うのがあって、作曲者は百石元、その名前、覚えたぞ。というか、プロフィール見たらベテランって感じの人でした。私、全然詳しくないからなあ。

さて、これは私の考えすぎかも知れないけれど、結構昔のロックというか洋楽を彷彿とさせる曲が多いように思ったんですよ。アニメ見ているときからそう感じてたんですが、けど多分これは私の考えすぎなんだろうな。だって、そんな話してる人全然いないし。いやね、軽音楽部もののBGMを作るにあたって、懐かし洋楽を思わせるような仕掛けを持ってきたのかなって思って、けど私は洋楽とか詳しくなから、なにかっぽい! と思っても、あれに似てる、これを思い出させるといったような指摘ができなくて、だからきっと考え過ぎなんでしょう。

ライナーノートには作曲者のコメントなんかもあって、コメンタリー大好きな私は嬉しかった。しかし曲名って作曲者がつけてたんですね。こういうシーン、こういうキャラクターにっていう発注に応じて作って、番号で管理してるのを、サントラ出すときにトラック名適当に付けるんだと思ってました。まあ、そういうケースもあるんだろうけど、このアルバムに関しては作曲者が名付けもしていたみたいで、へー、そう思うとしっかりタイトル確認しようという気持ちになりますね。実際、結構いいタイトルだなって思ったのもあるんですよ。「15歳のマーチ」とかいいタイトルだと思うんだ。

ところで、アニメ見ていた時に、この曲いいなあって思ったのがあって、シンプルな曲だったから、ギター一本で弾けないかなって思ったんだけど、サントラ聴いてみても、それがどれだか思い出せないというね。もう、私はなんでこう駄目なんだろう。「2匹の子猫」かなって思うんだけど、いや、アニメを確認したらいいんだよ。でも、どの回のどのシーンだったかわかんないのさ。多分「クリスマス!」だと思うんだけど、自信ないなあ。「いい夢見てね」かなあ。いや、この曲もすごくいい感じだから、なんとか弾けるようにしてみようかなって思うんだけど、まあやるかどうかはわかんない。先のことは常に未定が私です。

Blu-ray Disc

DVD

原作

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊