2009年6月29日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年8月号

ようし、今日こそ『まんがタイムきららキャラット』で書きますよ。さてさて、アニメ化効果なんでしょうか、いつも四コマ誌を買っているコンビニ、『キャラット』が大量に入荷していて驚きました。その数、7冊。って、売れるんか? いや、売れると思う。『GA』が始まったらきっと売り切れる、といいきるのは、先日出たところの『フォワード』、これが売りきれていたからで、そんなに数が入ってたわけでもないけど、でも例月は私の他に買ってる人いるのかな? そう思うくらいに残っているのが普通だった。けど、8月号は早々に売り切れて、やっぱり『けいおん!』の効果なんでしょうね。だから、いつも以上に入荷していた『キャラット』も、きっと売れてしまうだろう。そのように思っています。

さて、『キャラット』8月号の巻頭は、チェルシーの面々による『GA — 芸術科アートデザインクラス』アフレコレポート! しかし、これが面白い。ほんと、よくわからないつかみから始まって、適当なボケをまじえながら、どんどん進んでいく、その推進感がすばらしい。えーと 誰役ですか? とかどうする?! 踊る?! とか、人を食ったようなハイテンションは小気味好く、それで声優さんずらりと紹介するところの最後なんて、もうね。へー、シークレットがあるんだ、とか普通に思って、ボケを殺してしまいました。ごめんよ、ユキちゃん……。

しかし、声優さん、ちっともわかんなくなりました。具体的にわかる人ったら、堀江由衣さんくらいなんじゃないかな。戸松遥さんは、『バスカッシュ!』でアイドルむらさきをやってる人かな? いや、違うし。アイドルレッドじゃん! もう駄目駄目です。いや、Wikipediaで出演作をざっと見て、見てたものっていったら、『To Heart!』だけか……。どんだけアニメから離れてたっていうんだろう……。

しかし、チェルシーのキャラクター、よく動いて、いいなあ。というのは後にも書くので、ここではこのへんにしておきたいと思います。

『GA』。花を作る話。下級生組と上級生組が、直接に関係することなく、並行して動いて、そして最後に交差するっていう、その構図、仕掛けはすごくうまいと思います。誰かにスポットライトはあたるけれど、その人だけが主役じゃない。皆が動いて、関わりあうことで生じる小さなドラマっていう雰囲気が素敵なんだと思うのです。とにかく人が多い、けれどごちゃごちゃするとは感じない。個は自由に動いているのに、その自由な動きがひとつの物語を編んでいる。本当。いい感じです。

ひだまりスケッチ』は、なずなが正面向いてるのかと思ってどっきりしたら、背中でした。なんてこった……、そんな自分にがっかりだ。先輩としてなにができるか、そうしたことを思い悩むゆのがなんだかすごくいい人で、そういう誰かになにかしてあげたい、そうした気持ちは大切だな。そんなことをしみじみと思わせるいい話であったと思います。

『Aチャンネル』、なるべく腕だしたくない私は、夏でも長袖です。しかし、わけわからないこといって煙にまこうとするトオル、可愛いなあ。反面、好きなら好きと、はぐらかしたり、ごまかしたりせず、はっきりいってしまうトオルのその真っ直ぐさはとてもいいなと思われて、そしてそれをきっちり受け止める、そんなるんとの関係がとてもよいと思うのでした。これ、でも、いい漫画だなあ。

『せいなるめぐみ』、さらにひとり増えまして、おっとりしたいい子に見せて、実はそういい子ってばかりでもないっていうキャラクター。いいな。荒井チェリーらしいキャラクターだと思います。『チェルシー』は素敵な扉ゴマ。そしてお姉ちゃんが登場して、うお、この人なんかいいな。妹ほどではないけど、結構自由きままなふるまい見せて、なんかこういう気持ちがまっすぐばーんと出てますって感じがするところ、その一挙手一投足にその時々のキャラクターの感情があふれるようなところ、やっぱりいいと思います。小さなコマに大きなアクション。ほんと、その伸びやかさが素敵です。

ふら・ふろ』は、縁日をめぐる感情のゆきかいが描かれて、ちょっと叙情的。ナンセンスなコメディをやるかと思えば、ナンセンスにとどまらない、そんな、ちょっと懐かしいと感じさせるような心の風景が描かれるところ、不思議と嬉しくなる、そんな味わいがよかったです。

うらバン!』、泳げなかったひとり、なんか珍しいポジションに立って、すごく意外、けどとてもよいです。あのフル装備になるところなんかも! 今回は先生出ないのかと思ったら、ちゃんと出てきてよかった。ところで、バイトについてですが、非常勤教員から副業をとったら暮らしていけません。というか、この人は教員が本業なのか、それとも他に本業があるのか。どっちなんでしょうね。なんか、謎の多い、そういうところ気にいってるんです。ところで、プールで管楽器は、楽器にはあんまりよくなさそうだけど、響きはよさそうだなあ。屋内っぽいからなおさら。あんなところで思いっきり演奏できたら、気持ちいいだろうな。そんな営業、どっかにないかな。ないだろうな……。

とらぶるクリック!!』、杏珠のPCって、iNote G4かと思ってたら、さらにその前の世代だったのか! そりゃ、そりゃもう遅いよ。今の、どんどん重くなるWebだと、ずいぶんしんどいんじゃないのか。というようなことは置いておいて、明らかになった杏珠の秘密、ええと、いや、いいんだ、明らかになったんだ。そして新メカ登場の流れになって、これまでお世話になったコンピュータとお別れをするっていう場面、なんといったらいいんだろう、しんみりとした。気持ちはわかる。はじめて手にしたコンピュータ。そいつとともに、新しい世界と出会ってきた。そうした感慨というものは私にもあって、はじめてのコンピュータ、捨てずに残していますから。杏珠の場合、決して手にすることができないと思っていた、そんな状況でしたからなおさら格別の思いでしょう。そうした、これまでの光景が一気に去来するかのようで、じんとした。静かだけれど、これはひとつのクライマックスであった。そのように思います。

次回への引きに関しては、今はなにもいいません。ただ静かに来月を待ちたいと思います。

『アクアリウム』。整った、イラストレーションといった趣のある絵。話は、オーソドックスな恋愛ものの導入といった感じで、そこにアクアリウムがどういうふうに組み込まれていくのか。どういう舞台となるのか。まだわかんないんだけど、不思議と目を引く、そんな雰囲気が画面から感じられて、ちょっと興味津々です。

『空の下屋根の中』、同年代の人間と、今の自分を比べると、なんか妙に焦りを感じたり。私もあります。足踏みしてると思う。あまりの進歩しなさ、取り残されてるっていう思いがすごくつらい。それが痛いほどわかるのはなんだろう。私も今をなんとかしのぎながら、大逆転のチャンスはないものか、それを伺っている。伺っているということを言い訳に、一時しのぎの自分から目を反らしている。そんな気がする。なんというのだろう、ヒロインかなえの抱える空虚さ、それに似た空っぽを自分も持っている。そんなところがちょっとドキドキとさせる、そんなところがこわいです。そして、単行本の表紙でしょうか、広告のイラスト、その力なく投げ出された体の感じさせる空っぽさ、いたましい。自分とはなんだろうとつかみあぐねている人には、ぐさりとささる、そんな鋭さのあるイラスト。自宅警備中だなんて書かれているけれど、そうではない。ニートだとかじゃなく、仮に職にありつけていても、自分という人間の置き場を社会に見出すことのできずにいる、そんな人間の感じている不安、理由のわからない不安、ぬぐえない不安、それゆえの空虚、それがこの漫画には強く投影されている。そんなことを感じさせるイラストであると思いました。

『ツバサとらいある』、ええと『ゆかひめ!』にも触れておこう。できないと見せて、実は優秀。今はそういうキャラクターが熱い? いや、でもすごくいい感じ。私は、一見駄目っぽいんだけど、実はできる、っていうキャラクターにすこぶる弱いんです。なにに対しても完璧という人よりも、実は、というのが効くんですね。ところで、ヒロインのツバサは、一見できそうなんだけど、実はあんまりって感じですね。いや、でもこういう人も好きよ。ギャップが好き? そうなのかも知れません。『ラジオでGO!』の、クールに見せて実はアイドル声優大好きっていうあの人も大好きです。

アットホーム・ロマンス』。やべえ、ケツがやべえよ!! 親父のケツがやべえよ! 親父の次は、息子のケツもやべえの? わくわくしますね。いや、ごめんなさい。全然本筋じゃないところに食い付きまして……。

父親というものは、息子に自分の仕事を理解してもらえるっていうことが、すごく嬉しいことみたいですね。以前の、ほら第2巻収録のプロレスにきっぱりと区切りを付けた時もそうでした。そして、今回もそう。竜太朗の迷いながらも、留まることなく進んでいこうという姿勢。それが、父親にそれから姉に、なっちゃんに、そして祖父、母親に共鳴していくというようなところ、牽引するとかではなく、その様子に自分も歩き出そう、そう思わせるようなところ、すごくよいと思います。情熱過多の少年の、熱意がほとばしるようで、本当、やつはまぎれもない主人公だな、そう思わされるんですね。

『ミクスチル』、あんまり写真が表立って出てこない写真部もの。いや、写真部漫画の伝統といったところ? 写真やカメラに関してはほんとにちょっとだけ、さわり程度。けれど、そうした環境において、女の子たちがたわむれる。そのたわむれかたは、他にないちょっと独特なタッチがあって、悪くないと思いました。平気なふりして、実はショックっていうような表現、あれがよかったなって思います。

うらがアルっ!』、合宿終了。いや、本当に遊んで終わる、まさに旅行でありました。けど、遊べるうちに遊ぶのがいいよ。ちょっと成長したりあのん。ついに鼻血を隠し通した麗亜せんぽい。そしてお母さんの可愛さ。お母さんの前では素直なりあのん、そのりあのんに対するお母さん、ふたりのその仲よい母娘って感じがとてもいいんです。普段、りあのんは背伸びしてるけれど、そうした頑張りがすっと抜ける、その描写がすごくいいのだと思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第8号(2009年8月号)

引用

  • シバユウスケ「アニメGA — 芸術科アートデザインクラス アフレコレポート!」,『まんがタイムきららキャラット』第5巻第8号(2009年8月号),5頁。
  • 風華チルヲ「アットホーム・ロマンス」,『まんがタイムきららキャラット』第5巻第6号(2009年6月号),203頁。

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