2009年6月17日水曜日

『まんがタイムファミリー』2009年8月号

うへえ、雑誌の日付けはもう8月にはいってしまって、なんだろうこの先取り感。いつごろからかはもう覚えてないけれど、びゅんびゅんと月日が過ぎていく、そうしたことを痛く実感するようになって久しいのですが、このひと月以上も先の、8月ですよ、月が表示されているのを見ると、うわあ、と思わないではおられない。けど、本当にうわあと思うのはひと月半先のこと、気付けば本当に8月になっていて、うわあ、いつのまに!? なにもできないでいるうちに8月になっちゃったよ、そう思って愕然とする。人生は短かい。光陰矢の如しよ! つくづく好機逸すべからず、これを痛感いたします。

『はちみつカフェ』。ふじのはるかの新作です。持ち前の熱血が災いして、会社を辞めるはめになってしまったヒロイン蜂谷まりもが、憧れ(?)の先輩の妹が経営するカフェで働くことになる、そんな具合の第1話。感触としては悪くないな、そんな風に思いました。美人すぎて近寄りがたいといわれた妹が、今どんな風になっているのか、それが面白そう。そのまま成長させるか、実はこんな人でしたとひっくりかえすか。どっちでくるんだろう。楽しみに次号を待ちたいと思います。

ラディカル・ホスピタル』は、あの地図が毛布だったというのに気付くのが遅れたことで、最初うまく話を掴めませんでした。シーツだと思い込んでしまっていました。しかし人生の地図みたいな話。自分の明日はどうなんだろうなあ。こうしたことは、えてして自分ではわからないことなのかも知れません。『Smileすいーつ』は、お姉ちゃんが可愛いという話。うん、この漫画で一番可愛いのはあの姉だと思います。エレガントに見せて、実はそうでないというギャップがよいのかも知れませんが、このギャップを知ってる人ってそんなにはいないわけだから、その可愛さにも気付きにくい。そうしたことは、現実でも同様かも知れませんね。

『美大道!』、美大受験に失敗した娘さんの話です。まあ、イチローもまた楽しいものですよ。けど、美大受けるというのに予備校なり研究所なりに通ってなかった、美術の教師に習っていただけという、その状況は無謀というかなんというか。コー君とやら、先輩なんだったら、受験するってそんときにアドバイスしておあげよ。でも、美大の状況は詳しくは知らないけど、多分昔に比べるとずっと入りやすくなってるんだろうなあ……。

ヒロイン彩は、コー君と同じ学校にいきたいから、みたいなことをいってるけど、それだけではなく、オープンキャンパスで見た絵にみせられて、という理由もある、そういうところはよいと思いました。そういう素朴な動機というのは、意外に馬鹿にできないものだと思うんですね。けど、基本的にはなにも考えてなさそうなヒロイン。大丈夫かな。といったわけで、ちょっと応援してみよう、そんな気になったのでした。

『となりのなにげさん』。学校外でも人助け。小学生に、それからお婆さんに。でも、助けようとして力及ばずというところ、なんだか微笑ましくてよかったです。あの小学生の、ランドセルを守ってあげようなんてのもよかった。こういうシンプルなところ、気持ちが素直に伝わると感じられるところ、魅力的だと思います。

『一緒にかえろう』、頑張りすぎる詩緒、そして垣間見える母娘関係。顔は似てるのに、性格の似てない母娘。お父さんを庇う詩緒、べそべそと泣く詩緒、可愛いなあと思った、なんていうと不謹慎な感じもするけど、でも不器用なのは母も娘も同じで、あの母のあの口調、いいようにしても、娘を愛してるんだろうなということはわかるように思います。詩緒の肩の力が抜けて、もっと自然に、誰とも付き合えるようになれば、この母娘の関係も変わるのでしょうか。

『東洋に魔女』。スライムってせんたくのりで作れるの? パフェにコーンフレークだけ食べたいってのは、パフェに入っているコーンフレークが好きになれないって話をどこかで読んだところだったから、余計に面白いと思って、しかし手の込んだ復讐です。ところで、夜子の兄貴は初登場? なんか一筋縄ではいかない兄。夜子の家族はきっとみんなこうなんだろうなという予感をさせる話でした。

『おかいあげ!』第2回。テンポのよさは相変らずで、見た目にも楽しいと感じさせる。そんなところが話のテーマにもなっていて、よい感じでした。しかし、高島先輩がよいな。食えない人って感じで、けれど、まだ中途半端って感じでもあって、そのどちらのポジションにも立てる、あるいはどちらにも立てないのか? その多面的な表情がよいです。

『かのじょにごはん』、イラストレーターやってる妻との生活。妻は、とりあえずかわりものって感じです。気の赴くまま、思い付きで動くみたいな、けれど思いつかないことには仕事にならない、そういうタイプの人みたいです。面白いな。微妙に迷惑かも知れない、そんなところが面白いです。ところで、大人用ランドセルって実在するの?

『さくらんぼステップ』、これ好きです。かっちりとした絵、それがどうも気に入ってるみたいで、それからしっかり者の十子さん、彼女のしっかりしたところと、稚気あふれるとでもいうのでしょうか、なんだか面白いことを思い付いてしまうところ。それもまた魅力的で、あと凛々しさ? いいですね、いいです。ところで、三角関数ってそういうものだったんだ。知ってると便利そうだなあ、生活の役には立たないだろうけど、ちゃんと学んどけばよかったって思いましたよ。

『プチタマ』のカブトムシを増やすという話、昔、子供のころ、卵が生まれて、ちゃんと孵化して、けれどそこから育てられなくて、全滅させたこと思い出しました。『ネコ式生活』、こういうこと知ると、猫とは共存できないなあって思ってしまう。しかし、シーツの下のムームーさん、可愛いなあ。ぴゃっぴゃとないて抗議するニャソさんも可愛いなあ。猫は人の意に沿わず好きに活動するところ、それが魅力なんだろうなあ。

『よめ×ヨメかなたさん』、疑われる父の妻。誤解がとけず、父も疑われるし、息子も疑われるし、この誤解の連鎖するというところがうまくて、面白かったです。『おはよ♪』は、珍しく怒る雪乃さん。けど、あんまり怒ってるように見えない、そんな慣れなさが可愛いなあ。うろたえてるって感じです。『天然MAMA日記』の、子供ひとりひとりの赤ちゃんへの対しかたの違い、それがなんかいいです。でも、蓮くん、それはあんまりにアグレッシブすぎ。でも、なんか、いいなあと思えて、しかし縄はないよ。面白い少年です。

『ことりコーラス』、思っていた以上にいい感じ。前向きでちょっと自信過剰気味の細谷カナの、実際頑張ってるっていうところがわかるし、あの駄目出しの嵐に一瞬怯んでも、決して負けない、むしろ受け入れようとしているようにも見えて、いいじゃん。そして、引っ込み思案の三浦るりを引き込む、そのやりかた、そして三浦るりのちょっと自信を持って、前向きになっていくというところ、いいな、いいね、そう思って、こりゃちょっと続いて欲しいです。

『不適なおくさま』、ハガネの肉体から包丁に向かう流れは力道山を思い出したりして、それはそうとして、子供の箸使いに対する自慢を、握り箸の批判で返すというあの攻防、あれは面白かったけど、こうした系統のネタが増えるとそれはそれで困りそう。基本は可愛い奥様って漫画だと思います。結構シビアというところ、それはちょっと魅力的です。

おこしやす』の、祇園祭のちまきをほどいてしまうっていう話、これはよくある誤解だそうですね。ちまきやお守りを売る際の、言葉、節回し、それが鉾、山ごとにちょっとずつ違っていて、いろいろ回ってみるのもなかなかに楽しいものなんです。木賊山だったら、木賊山の迷子のお守りはこれより出ます、ご信心のおんかたさまは、うけてお帰りなさいましょう、と来て、その後に、ちまきどうですか、お守りどうですか、と続くんですね。なんか、懐かしい。そろそろ祇園祭、昔は毎年いっていました。

『ペンフリーク早間坂さん』、大量にペンを持ち歩く娘の話です。私は8本ペンを持ち歩いていから、ちょっとなんともいえないものがあります。身近に感じる? あるいは、そうか自分はネタになるような存在だったのかと自覚した? 文具のマニアは昔からいます。女子に多いような印象がありましたが、それのさらに度を過したようなところ、同病相哀れむの類かも知れないけど、なんかよいなと思いましたさ。

  • 『まんがタイムファミリー』第27巻第8号(2009年8月号)

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