2020年1月31日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号

『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号、昨日の続きです。

『アニマエール』

夏合宿ですよ。自分も特別になりたいとやる気出してるこはね。けど、この子の場合は気負うほどに駄目になる、空回りタイプでありますね。

新入部員、兎和がいいですよね。日陰から出られない。ずっとスケッチしてただけなのに、疲労困憊、立てないほどに衰弱している。うん、この子、かなり好みですよ。実際この子が自分でもチアをやる日がくるのか、それはわからないのだけど、でもどちらであっても面白くなりそう。今は非チア部員でがんばってほしいところです。

さて、空回りのこはねが出会ったふたり、根古屋姉妹だ! この子たちいいよねえ。奇遇にも夏合宿なんだそうですけど、一緒にいた八木先輩、この人と話したこと、こはねには大きな意味ありましたね。しかし、この八木先輩、かつて特別を感じたひづめに対してネガティブな感情を抱いて、いうならばあの子がチームを抜けるきっかけを作ったひとりだったわけだけれど、その彼女が過去を悔いていること、よく伝わってきて、それだけにこはねと会って話して、そして救われているところ、しみじみ思うところありました。

思えばひづめがチアを続けているのも、こはねあってのことでしたね。ええ、特別じゃないなんて思ってるこはねだけど、いやいや間違いなく特別なひとりですよ。とりわけひづめの中では、みたいにも思わされることたびたびです。

『精霊さまの難儀な日常』

今回はルカのボーナス回だな!

このところルカが感じる謎の視線。しかし表現がアレだな! なめまわすような視線なんだ! 自分は超絶美少女だから云々いって納得してるっぽいところあるけど、いやいやまずいまずい。もっと危機感持っていただかないと!

まあ、その視線の主、サラだから問題ないんですけどね。

サラのことが大好きなルカ。学校でも、皆の注目集めてるサラにやきもち焼いたりして、もう大変なんですけど、今回はそんなサラが自分のこと大注目してくれているとわかったり、さらにはふたりで下校イベント! 半分人である今だからこそできること、手つなぎイベント!! さらに加えて水って綺麗なんだなって、まさしくルカを喜ばせるイベント盛り沢山!

いつもはなかなか素直になれないでいるルカだけど、ふと見せた素直な表情、その姿、大変に美しくて素敵でした。この人、いつもこうしていたらいいのにね。というか、まっすぐ素直に伝えないことには、サラにはいつまでたっても通じませんよ? そんな今回、ラストがね、惜しい! 惜しかった! もうひと息ってところが難しいんですね。でも、こうだからこそルカだ、って感じもするんですね。

『あやしびと』

みぞれ、可愛い……。

アヤ、勉強遅れてるのか。このままだと赤点だって校長から警告うけるんだけど、留年してもいずれもとの世界に戻るから大丈夫って! アヤ、心が強いな。いや違うか、ちょっとしたやぶれかぶれだな。寮からほっぽりだすぞっていわれてはじめてやる気出すアヤ。うん、でもちょっと気持ちはわかります。

勉強会、みぞれが勉強教えてくれるっていうの、目が悪いわけでもないっぽいのに賢そうにみえるからって眼鏡かけてきて、残念! っていいたいけど、いやいや、最高だと思う。

カバネとサカサも参加してくるの、サカサが性懲りもなくアヤの正体探ろうとしたり、ことあるごとにアヤのこと煽ってきたりするんだけど、そのたびにアヤ、渾身のセクハラで対抗するのがねもう完全にお約束になってる。でも、これ、かなり仲良くなってる感あるやりとりではありますよね。悪くない、悪くないですよ。

今回、この世界の常識みたいなことととか、それから彼女らの背景、関係性なんかもよく描かれて、読みごたえある楽しい話になっていました。命名のならわしとか、サカサの成績とか、でもってカバネとみぞれの仲にアヤのこと大好きすぎるみぞれ! あの、アヤがサカサに勉強教わろうとしたときの様子! 拗ねた姿がやたら可愛くて、今回はほんとみぞれ回でした。

『せんぷくボンバー!』

これ、面白いなあ。

敵の組織に潜入しているレッド。完全に組織の仲間にほだされちゃっていて、というか組織のメンバーがあまりに不甲斐ないせいといってもいいものか、役職としては下っぱ戦闘員なのに保護者みたいになってしまってますよね。

潜伏任務中だから戦いに参加できない。なので戦隊メンバーに代わりに出動してもらうよう頼むんですけど、これ、出勤なんだ! まあ仕事なんだろうな。だったら出勤だよな。でも、ブルー、バイト優先しちゃうんだ。

代わりに出勤してきたグリーン。この人もなんかいい人ですね! 戦闘中、猫耳つけてるレッドに当惑しながらも健気に戦って、それで敵幹部を攻撃したら手加減してやれってダメ出しされるの! そうか、帰ってから泣いてるのか。それは確かにつらいな、気の毒だ。そのいたわる気持ちがおかしくて、でもなんだろうなあ、敵幹部、可愛いんだよなあ。レッドがこうなるのわかるんですよ。

でもって極めつけ。なんとグリーンからお見舞いのおまんじゅうが届くのか! 住所ばれてる! しかも詫び状つきって、どいつもこいつもいいやつだな!

このどうにもゆるい戦隊もの。なんか目が離せない、そんな感じになっていて、ああ自分もこの組織のメンバーにほだされちゃってるのかも知れません。

2020年1月30日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号

『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号、一昨日の続きです。

『RPG不動産』

圧倒的なドラゴンの火力になすすべもなく蹂躙されて、なんとか防壁を張るも被害甚大。この漫画がファンタジー的世界観だってことわかってても、その被害というの、大量に死傷者が出てるとなるとゾッとさせられますね。肉体が滅んで魂が抜けると蘇生できなくなる。よほどのことがないかぎり蘇生可能だけど、今回こそはそのよほどの状況で、この一刻をあらそうシチュエーション、はらはらさせられます。

さて、我らがファーに琴音。出産場所を探しているだけというドラゴンを説得すべく、飛龍を駆ってドラゴンのもとに向かうも、荒れ狂うドラゴンにファーの言葉が届かない。さらにこの場にラキラとルフリアもこようとしている、ええ、このふたりがどういう役割を担うことになるのだろう、前のめりに読んでいたらですよ、ここでファーに異変。うわー、ドラゴンに変身するの!

次から次へと、危機的状況とその変化を描いてみせて、この緊張感。ほんと興奮させられます。またファーの変身をうながした謎のフードの人物。この人、最初は敵なのかと思ったんだけど、いや案外見知った人かもなんて思いはじめています。ともあれドラゴンに変化したファー、ここからの活躍? 大期待ですよ。

『まちカドまぞく』

番外編!

作者、体調不良とのこと。心配です。こうして漫画が読めるのは嬉しいけど、どうか無理なさらないでください。

さて、番外編ではちょっと本編のストーリーから離れて、短めの日常話をテンポよく見せてくれますよ。でもって私はこういうの大好き! おお、体調不良じゃなくても、年一くらいはこういうのやってくださっていいのよ? 本編に組み込めずボツになった小ネタ集みたいのでもいいから、他の漫画家さんもこういうのやってくださっていいのよ?

しかし本当に面白かった。思わず水没させてしまったスマートフォンの回復法。米と一緒に密封すると聞いてまさかのあつあつごはん! のっけから笑って、いいですよ、切れてますよ。

これ以降の、ボケか本気かわかりにくいリコとか、やっぱりやばい小倉とか、意外とホワイト白蛇との契約、そしてミカンママ! あの鬼電のくだり、最高だと思う。なんだこの切れ味。もうブルブル震えるほど面白い。ほんとなんなんだこれ。

さらにラストの桃の夢! おかしな夢は即シャミ子のしわざ認定なんだ! まったくの濡れ衣だったわけですが、いやしかし桃さん、シャミ子のこと大好きよね。ほんと、これ地味にきましたよ。

『かぐらまいまい!』

合同公演本番当日。気持ちが高揚、あるいは緊張のせいで、こふくがひとりで大騒ぎしちゃってるのが面白かったです。足袋忘れたかも! 着てくればよかった! と思ったらあった。ほんと、このひとりで慌てて、ひとりで決着しちゃってるの。でもなんだかんだ大変にならずにすんでよかったですよね。

この公演に、以前参考にした動画のグループ、荒魂高校の神楽部も参加していたりね、もしかしたらこの人たちの御神楽を見て、意識しすぎちゃったりするのかな? なんて思っていたら、思いもしなかった方向に展開して、ええ、こふくの前にたびたび現れたあのお姉さんですよ。その姿に気をとられてリハーサルでミスを出した美夜。再び現れたその人に、こふくを連れていかないで、問いつめるその様子、いかにも穏やかでない。まさしく鬼気迫るその姿に、かつてこの人と美夜のあいだになにかあったのかも知れない、いろいろ思ったりしたのですね。

美夜もいってましたけど、この人、神様なのか幽霊なのか。自分は神様だと思ってたんです。美夜の神社の神様で、自分の氏子に関わろうと、導こうとしてるとか? みたいに思ってたんですが、本当のところはどうなのか。いよいよわからない。

むしろかつてこの人と出会ってそのはてに、美夜の大切にしていた誰かが連れ去られた、亡くなるようなことがあった。それが本当かどうかは別としても、美夜がそう思うに充分ななにかがあった。そんなこと思わされて、それだけに美夜に安息が戻ること、望んでしまうというんですね。

Aチャンネル

今回は修学旅行にいっている上級生組がフォーカスされるのかな? 京都でのいろいろ描かれて、なるほど三十三間堂にいったんですね。千本も手があったら便利そうっていうの、わかる! めっちゃわかる! キーボード叩きながら、漫画を支えてページをめくりたい! というのは置いておいても、この旅行先で見せたやりとり、基本いつもと大きくかわるところのないるんたちと、対して意識しまくってる鬼頭先生と、この対照もよかったです。

そしてるんたちの帰りを待つトオルですよ。いつになくそわそわして、でもハグしようと迫ってくるるんたちの迫力に逃げちゃうとか、ほんとこのやりとり! 他愛もないものなんだけど、なんか見てるだけで笑みがこぼれる。そんなチャーミングさありました。

トオルを見守ってるユタカにミホもいいですよね。今は先輩たちと一緒にいたいだろうと、距離おいて眺めている。そこに、この子たちの優しい気持ち、よく表されていたと思うのです。優しさはるんたちも一緒ですね。ひとり離れていたトオルだけど、気持ちは一緒ってことなのかな。皆の写真にトオルも合成してくれていてね、ええ、次は一緒にって、写真こそは雑コラ気味ではあるけれど、その心意気、大変に感じいりました。

2020年1月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年3月号

『まんがタイムオリジナル』2020年3月号、一昨日の続きです。

『ネコがOLに見えて困ります』

最近はやりの猫動画。兄貴さんもOLさんのこと撮影して動画サイトに公開、だなんて考えてるみたいですが、顔出しなんてしたら個人特定されるのではないか! いや、猫の顔で個人特定できるとか、それミコトくらいだから! と思ったんだけど、真の猫好きはできたりしそうな気がする……。

OLさんの可愛いところを撮ろうとしたら、どうしてもあられもないところが映ってしまって、いや普通だったらいいの撮れたってなりそうなところなのに、ミコトが気の毒がって公開するの許さないっていうのが面白いんですね。猫はじめ動物が人に見えるから、どうしても気を使っちゃう。加えていえば、OLさん、妙齢の女子だもんな。

いろいろに気を使いすぎたミコト編集の動画が、手とか耳とかしっぽとか、OLさんのはしっこばっかりになってるの、普通に考えたら失敗動画なんですけど、それが不思議と人気になってるっていうのが面白かったです。新しい切り口ってやつだ! 想像画まで出てるっていうの、これもまたおかしかったです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

有名スポーツ選手がやってくるというの、大河さんと八重のやりとりがべらぼうに面白くって、だってですよ、野球選手の!! ってのに、サッカーです。車のCMしてる人よな! には洗濯機です。冷静沈着、けっして礼を失わない八重のつっこみ。いやもう、あまりの展開にふきだすかと思いました。

ふたりで見物にいくんですね。いつもはどこにいくのも自転車だけど今回はバスでいきます。自転車をめぐる大河とみなの印象の違いとか、もう都会といなかでまるで前提が違ってること押し出してきて、さらに加えて八重の満員バスに乗れただけで満足してるところ。ほんと、普段人出のないこの地域、こうして人が集まるだけで大イベントで、たとえ目当の有名人は見られなくてももう満足っていうの、いやこれいなかあるあるじゃなく、八重だけなんじゃないのか? 一般化しちゃいけないケースだと思います。

今回、乗るバスを間違えると山にはいって大変って話をする八重のね、ほら、バスの中で酷い表情してるやつね、いつも大抵ご機嫌というかポジティブなこの子もこんなになっちゃうんだ! おかしかったですよ。そして今回、痛恨の乗り間違い。ほんと、いろいろままならないもんですね!

『通勤通学クエスト』

リコーダーが苦手なメイちゃん。クラスの子から合奏コンクールで負けたらお前のせいとかいわれちゃってね、さあどうする? と思ったら、練習がんばるんだ! いいねえ。こういうの大好き。

おうちでピープー吹いてたら寝られないから静かにしてって夜勤のお父さんからお願いされたメイちゃん。この子が公園にいってからが面白い。通りがかるご近所さんがいろいろ気にしてくれて、がんばれがんばれって応援したり、その人たちの日々の感想でメイちゃんの上達もちゃんとわかるってところも面白くって、ああこの皆で見守ってる感、すごくいい。

見守ってるっていうの、メイのこと、かわいい子だねって写真撮ってるあやしい男に、学生さんが怒りながら撮影してるやつ、最高だった。ちょっととらないでっていわれたら、かわいいおじさんなので! でしょう? こうして皆で近所の子供を大事にしてるっていうの、ほのぼので、けどそれ以上の暖かみ感じて、本当によかった。

最後の合奏コンクールの勝敗のゆくえ、これ、残念だったんですけどね、でもメイのこと下手だって怒ってた子とちゃんと仲なおりできたの、これはよかった。がんばったらちゃんと認めてくれる。ふたり、いい関係だと思いました。

『大奥より愛をこめて』

大崎様が去って、新たな御年寄が決まって、そうなると人事も刷新されるのか。これ、結構大変。蒔乃なんて降格させられたんだ。調理場にて下働きさせられてて、しかもいろいろ因縁つけられたりして、ああ、煙たがられてしまいましたね。わりと蒔乃が平気そうにしてるのがせめてもの救いでした。

この蒔乃のこと、手伝いにきてくれた菜々緒殿。この人、ほんといい人! って思ったけど、せっかくふたりの友情感じたというのに、ええーっ!? そうじゃないの? 私も友達いないから安心しなって、どうしてそんなにもハードタッチなんだ。

今回、蒔乃が気にしていたこと。自分の役目とかいってますけど、これなんなんだろう。間者ってわけじゃないんでしょう? そう思っていたら、結構無茶な手段でもって定信公に会いにいきましたよ! というか、お茶菓子にけえきって! しかも梅のせてるの? このすっとんきょうな会話のさなかにシベリアが誕生してるってのもおかしいんですが、ここから先の展開、これちょっとシリアス方面にむかってるって考えていいんでしょうか。

とめられない世の変化の流れ。蒔乃の身につけていた西洋由来の知識や技術の数々。否応なくはいりこんでくる西洋列強の事物、風俗、そして思惑。いずれは日本も開国に迫られるのではないか。蒔乃の進言に続いて、おや大崎様だ。知らず遭遇する外国船! ああ、時代が動いていく。

まさかこんなダイナミックな展開がくるだなんてまったく思っていませんでした。この思わぬところからガツンとこられる感覚。見事、してやられたと感服です。

2020年1月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年3月号、発売されました。表紙は『恋する小惑星』。みら、あお、すず、三人がチョコクッキーを作って、バレンタインの準備中? この服装、メイドのかっこうしてるのはスズヤベーカリーの差し金!? 手についたチョコ、ちょっとつまみ食いしてる風のみら、ちょこっと出した舌が可愛い、実にキュートな表情、素晴しいです。あおはなんだか緊張している様子で、これはがんばって作ったチョコレート、みらにどう渡そうかと思案している感じでありますね!

今月は新規ゲストが2本です。

『私の上司は中二病』

会社もので上司が中二病。なんかありそうでなかったみたいなところをさらってきた感がありますよ。

IT企業、企画開発部の部長が中二病。ウィステリアを名乗るも本名は結構普通で藤梅子。本名では呼ばれたくないっていってるの、梅子という名前が古風で嫌だったからとかなんでしょうか。同期で部下の、ええとこちらが主人公なのかな? 漆黒翼がその名前のせいでずっといじられてきて嫌だったというのと、方向性は違えど似た経験があるのかもなんて思いました。

しかしこの上司。ずっと騒いでる? 遊んでる? そんな風ではあるけれど、実際同期を置き去りに部長にまで昇格して、またその明るさ? 元気さ? ポジティブさで人気もあるってところ、これは実際読んでいてもなんだか愉快で、ついつい笑ってしまったりして、ええ実際わかる気がしたのですよ。

中二病ワールドなんていってるけど、自信たっぷりにみせてちょっと打たれよわい? そんなところがどことなく愛され系みたいに思えたところも好感でした。

『まちまちまぁち』

町のおもちゃ屋さん、そんな懐かしさみたいなの感じさせてくれますね。

おもちゃ屋まぁちの店長は、いろいろ駄目で、人気だからと際限なくプラモデル仕入れてしまったり、え? 人気だからいれたってことは、つまり発注ミスってわけではないんですね。ちょっと過剰で、これといれこんだら暴走しちゃう店長と、実質この店をしきっている店員、蒼咲のふたりが切り盛りするお店ライフ。最初はどうにも頼りなさそうな店長だったけど、お客がきて、これというおもちゃを出してきてから、がらりと変わったアクティブ感、ノリが出てきてよかったです。

今回のおもちゃはピンポンキャッチ。円錐型のラケットでピンポン球を打ち出してキャッチして遊ぶおもちゃなんですが、ああなんか昔やったことがあるような!

そういう、ちょっと懐かしさ感じたり、遊んで楽しかったこと思い出したり、ほのかに懐古的味わいあるところなど、昔こどもだった皆に通ずるそんなよさになりそうな感触がありました。

『mono』

おお、立山ダム。桜子の希望っていうんですが、ここで春乃のダムカレーリベンジがくるっていうのね、ああそうだよ、すっかり忘れてた! この執念、どんだけダムカレーを楽しみにしてたのかしのばれて、いきなりちょっと面白かったです。

しかし今回、なんだこのテンション。のっけからダム建設ドキュメンタリーにひっかかり、見事に感動。そこからはもうなに見ても泣く。というかずっと泣きっぱなし。おかしい! 記念写真も泣き笑いやんか君ら! ほんとおかしい。なんかおかしい。泣けば泣くほどこちらはおかしい。まったく不思議なテイストです。

とか思ってたらですよ、最後、ダムにひとしきり感情移入した果てに、泣き顔ばかりじゃもったいないっていって、みんな、笑顔の記念撮影するんですが、それがもう本当にいい笑顔で、あれ? おかしいな。なんでかここで泣けてきちゃった……。

不思議なノリを抜けたところに見えた、皆のすごく素直で自然な笑顔。そこになにかまっさらな気持ちのようなもの思ってしまいましてね、それがすごく胸にしみたんです。ええ、ほんと不思議な漫画。涙に笑わされて、そして笑顔に泣かされました。

『恋する小惑星』

あれ? なんかみらの様子が変です。あんなにやる気でいたのに、今日はどうにもぼーっとしていて、身がはいらない? いや、これ、違うな。あれだ、夜は星を見るから寝不足なのか!

いや、どうなんだろ。ただ単に座学が苦手なだけかも知れん……。

今回のクライマックス、夜の観測ですよ、あおが見つけた動く点に、小惑星かも知れない! そんな可能性見出して、一気に状況も緊迫。みら、あおたちもそうなら、読者である私もそう。一緒にドキドキしながら読み進めて、まさかここで念願の小惑星発見にこぎつけるのか!?

いやあ、ほんと、スリリングでした。可能性にかけて再撮影に臨み、しかしそれが既知天体と判明する瞬間。それまでの高揚した気持ちとあまりに静かで重い落着のコントラスト。自分の服を掴むみらの様子、表情こそは見えなくとも落胆しなかったわけがなく、けれどともに希望をも実感しているところ、これは感動的でした。

そしてきら星チャレンジも終了。発表にむけて資料をまとめる作業中、あおの活動が役立っていたこと、そしてチームの皆で記念撮影しようというときに、あおも一緒にと呼ばれて、皆で手をつないでジャンプ。ひとつの目標に取り組んで、ほんとに仲良くなって……。このくだりにも感動させられました。

ここに加えて、みらの気持ちのゆきついたところ。きら星チャレンジのみんなも地学部のみんなも、それぞれ好きなものが、得意なものが違っている。多様に存在する皆の世界がつながって広がる、そのダイナミズムに心が動いて、ああ、これこそがこの漫画の描こうとしていること、核になるものなのかも知れませんね。本当、素晴しい、そう思わせてくれる描写。みらの表情もまた素晴しかったのです。

2020年1月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年3月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年3月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんがメインで、バレンタインの情景ですよ。チョコレート作ってる山下さん、隣にはマッキー。このふたりの並んで立つところ、おお、プレミアム感あっていいですね! ふたり楽しそうにしてるのがまた魅力的です。『らいか・デイズ』らいかは、チョコレートのラッピングですよ。不器用ながら一生懸命、チョコの包みにリボンかけようとしてるの、ええ、頑張ってます。応援したくなりますね。そして『ネコがOLに見えて困ります』からOLさんがパティシエール姿で登場。おお、めっちゃチャーミング! 手にした皿に乗っている、ネコ姿の自分とミコトのチョコ? これもまたチャーミングであります。

『おしかけツインテール』

引き続き進路の話。メインは由利なんですが、まだ進路が決まらない。どうにもこうにもちゃらんぽらん。それで美代におこられたりしてるんだけど、たびたびに花梨が思い浮かべる駄目な例、俊郎が浮かんでくるのがおかしくったんですね。あまりに達観したかのような花梨もまた面白くって、ええ、このやりとり、ちょっと花梨の経験値、高すぎるんでしょうか。いや、駄目な大人がまわりにいすぎてるだけかも知れないけどさ!

しかし今回なにが面白かったかって、瑠璃と杏夏の花梨争奪戦。さらにそこに美代が参戦してくるところ。でも三者ともに花梨に求めるもの、それがちょっとずつ違ってますよね。その差異がまた面白みになっていて、でもまさかの泥棒猫呼ばわり!? 情念が漏れ出てますよね、ここ。しびれました。

その後の先輩のアドバイス、はいいんだけど、なんで危険人物扱いなんですか元生徒会長! なんとなくわかりますけどさ。ともあれ、アドバイスで皆がそれぞれに方向性定めていくところ、そして変化をも楽しんでいる花梨。ああ、この子たちの成長ですね。それが実によく描かれていて魅力的でした。

しかし、花梨はこのまま俊郎と一緒になにかやっていくんですかね。それはきっと面白い! 俊郎の夢もかなっていくのだとしたら……、なんて考えると楽しさにわくわくさせられます。

『ローカル女子の遠吠え』

水馬さん、昔ダイダラボッチだったんですか。滋賀で掘った土を運んで富士山を作った。その途中、休憩した時に手をついたのが浜名湖になりました。って、そんな言い伝えがあるんだ。しかしダイダラボッチの伝説を、自分を参加させて語る水馬さん、この人のこの発想がのびのびしていていいですね。語る水馬さんのその楽しそうな姿もまた素敵です。

今回は浜名湖、浜松が舞台なんですが、小畑のあのエネルギー! どんだけ浜松を愛してるのか。以前の浜松祭の時もそうでしたけど、今回ももうみちみちに溢れ返る情熱。この、ただただ浜松が好き、あれもこれも浜松の風物が大好き、それを押し出してるだけなのに、なんでかこんなに面白くなってるというの、不思議な漫画だと思います。

最後の方にね、ふたたび披露していた水馬さんのダイダラボッチトーク。これで鎌木がアウト発言しちゃうの、もうめちゃくちゃ面白かった。えらいの放り込まれてきた、というよりも、鎌木の通常運転って感じではあるんですが、それが即アウトってのがまた面白かったです。

『となりのフィギュア原型師』

最高に面白かったです。

そわそわしているおこめ先生。これから社外の人間に会うっていうんだけど、そうか、納期に遅れたから、それ気にしてるのか。すまない気持ちより、怒られたらどうしようの方が大きそうなのが、この人らしくていいですね!

社外の人。フュギュア原型の発注元、倉田が連れてきたフィニッシャーなんですが、フィニッシャー? ああ、なるほど、フィギュアの彩色見本を作る人なんだ。いわゆるデコマス作るのね。なるほど、デコレーションマスター、略してデコマスなんか! めっちゃ勉強になる! これ、こういうフィギュアまわりのこといろいろ知ることができるのも、ほんと魅力的です。

フィニッシャー、鳩居旭。これまた個性的な兄さんだ! なにごとにもきっちりきっぱりはっきりといった印象の人。いろいろ厳しそうで、ちょっとえらそうで、で、この人がですよ、ジャージ姿、だらしない滝舘おこめのこと一度はダメ出ししたっていうのにね、原型見たら本性が漏れ出るのな。

すっげ塗りてぇ〜…!

って、あんたそんなキャラだったの!? さらに極めつけ、

バチピタかよ〜!!

笑いがとまらないよ!

そこからの打ち合わせの様子もおかしくって、って、待って? なんでせっちゃん、バイトほっぽりだして工房にきちゃってるの? マスター、たびたび怒りながらも、なんだかんだせっちゃんのこと店に置いてるのがね、これ優しさ? それともなんか諦めてるの? 謎だわ。謎です。マスター、人間が大きいな。

おこめ先生の彩色所管、これがことごとくせっちゃんにダメージ与えるってのもおかしくって、チャーハン、蛍光黄緑なの!? さらにはハンバーグが暗いグレー。わからん! いや、以前半藤が食わされてましたよね。ほんと、体に悪そう!

しかし、今回、本当に面白かった。最後の倉田のしたたかさもアレなんですけど、ほんと、よくいえば個性的、ありていにいえばろくでもないのが揃ってて、いや本当に最高です。

『僕は女心なんて知りたくない』

バレンタインデーが近づくと穏やかではいられなくなる浄見春喜。そうか、独身女性のアレな本音がドバドバ押し寄せきちゃうから、深くダメージ受けちゃって、心がもたないのか。大変だなあ春喜。でも寮のお姉さんがたは、そのへん大丈夫そうじゃない? ある意味、のほほんとマイペース、それでもってチャーミングです。

今回もっていった方がよいものか、姫谷の本音、これがいろいろ酷くって、さすがでしたよ。見た目はキュート、中身はわりと真っ黒。それが実にこの人らしくって、完全に佐藤をロックオンしているんだけど、それを誤解して自分に気があるのでは? そんなこと思ってる野尻、おお、彼もまた気の毒に。野尻はさっぱりわかってなかったけど、筒抜けの春喜、その心の迷いがまた大変そう。きっと春喜はこういう葛藤をずっとやってるんだなあ。大変そう。

大変だったの、佐藤ですよ! わけもわからず春喜から距離を置かれちゃってね、ショック受けちゃって、春喜のためにチョコレート買ってきてくれるの! 友チョコだって! 春喜に嫌われたら寂しいって、涙目でいうんですよ? もう最高だと思う。春喜よ、佐藤の気持ちに応えてやれよ! そんな気持ちで溢れ返ってしまいました。ほんと、このふたり、この関係、大好きです。佐藤のこと全力で応援してますよ。

2020年1月26日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号、昨日の続きです。

夢喰いメリー

まさしく消耗戦といった様相です。叩かれようと斬られようと、諦めもせず怯むこともなく、夢魔の力を借りて戦い続ける夢路。たとえ白儀が何度夢路を上回ってこようと、その都度自身を鼓舞し、ギリギリの線で踏み止まっていくその姿は、見るだに痛々しく、けれどそれでも絶対にくじけない。

なぜか。なにが夢路にそこまで踏み止まらせるというのか。

その答が導かれるあの展開、素晴しかったです。

白儀に対峙するは夢路。そして校内にあふれる銘無しに対抗する夢路の共闘者たち。夢路に頼まれて戻ったクリオネに助けられた仲間たち、クリオネから夢路の状況を聞いて、人であろうと、夢魔であろうと、ただただ夢路ならきっとやってくれると、厳しい状況は理解しつつ、それでも信じたい、そう思わせるのが夢路であり、それだけのことをずっと続けてきたのが夢路であるということ、もうひしひしと感じさせられた。

また、それに呼応する夢路の言葉、あの表情、それが素晴しく、さらにもうひとり、夢路の、仲間のいまだ捨てない希望に応えようというものがいるっていうんですから、これはたまらない。

ここからの展開、それがどうなるのか。まだまだ壁は何枚も、厚く、高く立ちはだかるのかも知れないけれど、それでも逆転に向けた転換点、いまここに迎えた、そんな気がするのです。

『桃ノ木家の四姉妹』

なにこの衝撃的な導入!

妹の授業参観にはりきって向かう長女。下調べもバッチリだ! っていうんだけど、なんでそれがこんなことになっちゃうの!? しかも思いっきり基本的なところから落としてしまってるし!

あんた、妹の通ってる学校、知らんかったんか! つうか、転校したこと気づいてないって!?

正直、度肝抜かれる思いでした。

ここからの展開、一葉がこないこと気にしてる四稀のこと、励ましてくれようという女の子がいたりね。マリアちゃん、なんかミッフィー的可愛さのある子。この子が、自分も両親こなかったって、貧しい家庭で云々って、自分のこと語ってくれて、でもそれ嘘なんかーっ! そもそも名前からしてマリアじゃないっていうの、すごいな。

この子、本当はお金持ちのお嬢さんなのか。専属の執事がいる。本当の名前は門脇千束。ちょっと嘘ついちゃう悪癖があって、そのせいで友達も少なくてっていうんだけど、執事さん、ララさんが心配しちゃってね、なんとか友達作れるようにって手助けしてくれる。でも、それがフリップなの!? 独特すぎるよ!

この千束をめぐるやりとり、それが面白くて、なんか可愛らしくて、今回は楽しいコメディ調だなあ。お姉さんのポンコツもなんだかんだ許してもらえるだろうし、楽しい嬉しいで終われるかなあ、とか思ってたら、ここからの急激な転換! おおう、お姉ちゃん、四稀の言葉、断片的に漏れ聞いて、それで誤解しちゃったーっ!

この落ち込むお姉さん。どうリカバリーされるのか。一悶着あるのか。いろいろこじれていくんだろうか。ほんと、ハラハラ。なんとか和やかに収束してくれること、そこに期待しちゃいますよ。

『ひまりのまわり』

あー、ひまり、自分の中の兄への気持ち。気づきかけているのか。しかも、それ、なんか恋愛的な感情っぽい? あー、これ、なかなか大変なことになったりしちゃわないか。単純に、素朴な独占欲みたいなのならオッケーだけどさ、兄貴はなんかこの手の展開すると、いろいろこじらせちゃいそうだぞ。

ナノちゃんセンパイ、眼鏡の可愛い小牧さんからお出かけ誘われたという兄。それでやたらそわそわしとったわけですが、最初はねひまりも面白がっちゃって、それでもって焚き付けるみたいなことしちゃって、ほら、買い物のシミュレーションとかね、ノリノリで、楽しそうに、しかもちょっと恋愛含みみたいな雰囲気でやってたのにさ、実際に兄が小牧とふたり、わりかし楽しそうに連れだって歩いている姿見たら、胸に兆す違和感に戸惑ってしまうっていうんです。

これ、はたして本当に恋心的なアレなのか。まあ、ひまりは別に兄に恋愛感情持っても、また兄がそれに応えても問題ないっちゃあないんですけどね。ただ、この漫画がそちら方面に向かうのか。当初の雰囲気、その後の流れからしても、そういった側面はあまり強く押し出してきてなかったですからさ、あれ、そっちいくのかな? いくならいくでオッケーよ? なんかそんな感じ。どちらに向かっても面白くなりそうかな、なんて思いでおりますよ。

2020年1月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号、昨日の続きです。

『球詠』

新越谷、いよいよ大ピンチですよ。一死満塁のチャンス、2点のアドバンテージを覆すことはできるのか!? けど、ここでまさかのダブルプレイ。 制球に優れるピッチャー相手に、そうそう打たせてもらえない。打てたとしても、守備がまた優れているというのですから、いよいよ格の違いが見せつけようというかのごとき展開。これ、ほんと、勝ち目ってあるんですか?

新越谷の守備も負けてないんですよね。ヨミの癖が読まれてしまっているハンデをチーム全員でカバーしようとするかのような好守備。ああ、チャンスこそは逃がしたけれど、これで再びのチャンスに繋げていけるかも知れない。

そう思わせたところで、敵方、柳大川越のあの守備でしょう。ピッチャー大野の投球が場を完全にコントロールしてしまっている。正攻法の野球にはこちらも正攻法で応えるしかない。だというのに相手の守備の厚さが破れない。この逆境!

さあどう切り抜ける? と思うも、本当に勝ち目が見えなくて、でもここで負けるわけにはいかないんでしょう? どこに逆転の目があるというの? ほんとまったく先の見えない状況、一種絶望的なヒキ。ほんと、これ、穏やかじゃありません。

『はるかなレシーブ』

勝負が決しましたね。ギリギリまで粘って粘って、追い付かれて、マッチポイントを制することができるのかという局面。ここでポーキーをずっと警戒させてきたかなたのスパイクが生きるところ。ああ、かつてかなたはこれを武器に戦ってきたんだった。それがここに再び勝ち目を作ったところに熱いもの感じました。

勝負が決してからが本番といってもいいのでしょうか。ただビーチバレーでの勝ち負けが描かれる漫画じゃないということ、しっかり実感させられて、夏希と沙都子の気持ちの通じたところ、それから夏希と姉の会話、じんとくるものありました。ああ、夏希、いろいろを乗り越えたのだということを見せてくれた。姉への宣戦布告、あの表情が実によかった。

そしてはるかなサイドでは、いよいよ次が決勝戦。約束の戦いに臨もうという状況。こちらのドラマも見逃せないですよね。と、ここでちょっと気になるのが、かなたが自分の右手を心配している素振り。あれ、手首を痛めてたりするのかい? 心配になりますよね。どうか満足に戦い抜いてほしい。悔いのない、かなうなら好勝負のすえに勝利を勝ち取ってほしい。そんな気持ちでいっぱいです。

『スローループ』

この漫画は表情がほんとにいいなあ。明るい笑顔の小春。ちょっとかしこまってるひより。そしてなんだこの色っぽさ! 恋がね、ほんと、たまらんよな。と、ここに新しい登場人物、一花の友人、宮野楓が登場ですよ。すっきりとした美人さん。かと思ったら、一花を前にした時のあの表情! いいよなあ。ちょっとぶっきらぼうで、でもってあの半目! ああー、半目が魅力的なのかも知れない。いや、半目といういいかたで正しいのかはわからんのだけど、恋もそうでしょう? すごく魅力的、色気がある。これ、実に強みだと思いますよ。

さて、小春の釣り上げたシイラの調理ですよ。メニューはカルパッチョに決まったのですが、若干一花に振り回されてる感のある楓。なるほど苦手というだけはある。というか、一花には地が出るところがね、なんかいいですよね。一連の会話。そして小春たちが帰った後の昔話も。

ここに、小春たちが友情育んでいるように、かつてともに育みあった一花と楓の物語を感じるようで、なんか嬉しい気持ちがした。思わず笑顔になる、そんな感じがあったのですね。

2020年1月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号、発売されました。表紙は『SA07』。物思いの茉愛ですよ。勉強中? 机に肘ついて頭を支えたそのままに、眼差しをこちらにふっと向けてくる、その仕草、悔しいが可愛いな。まさかこの子があんなにヤバいキャラだとは! この絵だけではわかるまい。そんな雰囲気ではあるんですが、実際この子、いろいろ落ち着けばもっと魅力的になる、そんなポテンシャルある子だと思う。癖は強いけど決して悪い子じゃない。そんなこの子のよさ、もっと出てきたらきっともっと好きになる。そんな予感がある。その予感を下支えする、そんな表紙だと思います。

今月は新作ゲストが2本です。

『ココロフレーミング』

美術もの? なんだけど、額縁にフォーカスしてくるの、面白い目のつけどころだと思いました。

美高に通っているお嬢さん? その子がクラス展に用意した絵が、独特の雰囲気こそあるのだけど教師受けがとにかく悪くて、独創性のマネごとだ、独りよがりだといって、もう散々ないわれよう。しかし、ちょっと教師、悪辣すぎやしないか? 最後の校長の登場、そこでギャフンといわされるところまで含めてのこのキャラクターなのだと思うけれど、それにしても怖ろしい。

自分の表現したいものはあるけれど、いわれたことに面と向かって抗弁できずにいたこの子。けど、譲れない気持ちを絵にして仕上げて、そしてそこに画材店のお姉さんのサポート、一緒に額縁を見立てることで、気持ちも定まり、より強くなっていくっていうんですね。

絵に描いたもの。不安を優しく包んでくれる好きな人のイメージ。その人こそが画材店のお姉さん。一緒に選んだ額縁が、まさに絵を優しく包んでくれた。そのことがまた彼女の支えとなって、高圧的な教師にも、しっかり自分の言い分いえるようになった。

抱擁、額縁が、お姉さんが支えとなって、絵もヒロインも力をつけていく。テーマをしっかり重ねてきてましたね。

『彼女のスキは伝わらない』

学校に好きな人がいる。けれどその人の前では全然素直になれなくて、憎まれ口ばかりきいてしまって……。でも、それにしてもあんまりにあんまりな態度じゃない? 好きとはいえないまでも、あえてわざわざ大嫌いとかいわなくってもいいのでは?

みたいに思ってたら、まさかの呪い! かつて先祖が神の怒りを買ってしまって、かくしてあまのじゃくの呪いをかけられてしまうはめになった。この呪い、子々孫々にたたるのか! 呪いは常に発動するわけじゃなく、このヒロインで100年ぶり。それでそろそろ許してもよいだろう、神使がつかわされてきたというんですね。

この呪いを解くには、彼女の好きな女の子と両思いになる必要がある。というんですが、それができたら世話はない。この呪いがために、ただでさえハードモードなのがナイトメア級じゃないか。ここで手を貸す神使。神の使いってからにはさぞや有能なのではあるまいか、期待するもあんまり役にたってないんですけどね。

それでも不器用なあまのじゃくヒロインの気持ち、意地悪されてる女の子もちゃんとわかってたっていうの、それが示されるところに未来の明るい展望感じさせていい落着だったと思います。でもって、人情の機微をつかめない神使が言葉のまんまに受け取って、悪口いってましたよって伝えてくる。この落ち、なかなかに面白かったですよ。

『SA07』

まさかのガンプラ回! いやね、作者がTwitterでガンプラ描きたくて権利者から許可とってもらったっていってるの見ましてね、マジかーっ! ガンプラ回かーっ! ええーっ、それいったいどんなの。めちゃくちゃ楽しみにしちゃってましたよ。

でもなんでガンプラ? と思ったら、そうだった、そうだった、みんなで秋葉原いくって流れだった。秋葉原といったらガンダムカフェ。そうなの? よく知らんのだけど、ともあれ宮田がふらふらと吸い込まれていって、店内狭しと積み上げられたガンプラに大興奮。しかもここからのガンプラトークが濃い! 自分でもわからん! ええーっ、MGバルバトス、エイハブリアクターが回るん? って、エイハブリアクターって露出しとったっけ? さっぱりわからん! ガンダム見てて、オルフェンズも見てて、ガンプラも作ったことあって、それでもついていけないガンプラトーク。けど、このついてこれるやつだけついてこーい! ってなノリは面白い。むしろ、このわからなさにワクワク、ニヤニヤがとまりませんでした。

そしてここからの展開も面白い。まちかもガンプラ買います! どんなの買うのかな? いろいろ予想してたの思いっきり裏切ってくる展開な! R・ジャジャとバーザムからの二択。ここのテキストの圧! もう、めっちゃくちゃに面白かったんだけど、これ、ほんと、ついてこれるやつだけついてこーいだよなあ! そしてさらりと出てくる、俺はギャン子推しの男。笑いがとまらないよ!

しっかし、ほんと面白かった。なんだ、この熱量。でも、ただのガンプラマニアトークだけでなく、帰宅する途中のまちかと宮田の対話とか、なんかしみじみと心の伝わる、そんな雰囲気があって、なんだろうなあ熱狂を過ぎて静かに落ち着いた気持ちが優しく触れる。とかそこまでいっていいんかわからんけどさ、恋とかなんとか関係なしに、まちかと宮田の関係の、少しこれまでとは変わったのが確かさもって伝わったと思われて、それがとてもよかったと思うのですよ。

2020年1月23日木曜日

Pascal's Wager

結局買いましたよ。『Pascal's Wager』。『ダークソウル』ライクなアクションゲーム。プラットフォームはiOSとAndroidだけど、Android版のリリースにはもう少しかかるそうです。ファミ通の記事には日本語字幕に対応とあるけれど、これももう少しかかるようで、2月16日頃配信予定。それまでは英語でがんばるか、漢字頼りで中文字幕で乗り切るか。私は英語字幕でやってますが、よくわからない単語も多いので、調べず雰囲気でなんとなくやってます。あかんやんけ!

しかしこのゲーム、860円って破格ですよね。売り切り型ゲーム。アイテム課金とかないので、一度買えば最後までノンストップで遊べちゃう! また今後のアップデートも予告されていて、一度クリアしてもさらなる冒険に挑めるというのも嬉しい。ほんと、しかし、これほどのゲームが860円って、採算とれるん? 信じられない価格ですよ。

2月16日までに購入すると、主人公テレンスの別コスチューム、先駆者セットが貰えるというのもあって、気になってるんならくよくよ考えてる間に買って遊んじゃえ。860円なら、仮に駄目でもそうそう痛手ではない。

そう思って購入、さっそく遊んでみたところ、全然駄目じゃない! むしろ、こんなクオリティ、860円でいいの!? 信じられない! もう最高だと思う。大当たりも大当たり、リリース日にこのゲームの存在を伝えてくれたファミ通さんありがとう! すべてに感謝したくなるレベルの良ゲームです。

ダークソウルライクというの、これ、ちょっと笑っちゃいました。だって、タイトルで流れる音楽が月光蝶を彷彿させるもので、うおー、めっちゃダークソウルーっ! あまりのあまりにストレートなリスペクト、それだけでもう楽しくなってくるレベルでした。

ゲームは、まずは初期プレイヤーキャラ、テレンスでプレイすることになるのですが、この人は騎士でいいのかな? 両手に剣を持って、弱攻撃で左のレイピア、強攻撃で右のロングソードを繰り出していく、接近戦特化のキャラっぽいです。

ここで出てきた弱攻撃、強攻撃。隙が少なく連続攻撃できる弱攻撃と出は遅いけど一気にダメージ与えられる強攻撃をボタンで出しわけられる仕様になっています。

基本アクションは歩く、走る、弱攻撃、強攻撃、防御、回避、投げナイフやポーションなどのアイテム、そしてエスト瓶。

ええ、エスト瓶があるんですよ。これ、名前はなんてったかな。ちょっと覚えてないんだけど、『ダークソウル』でいうところの篝火に相当する奇妙な割れ卵オブジェで祈ると、体力全回復し体力回復ポーションも3つ回復する。これ、先に進むと持てる数も増えたりするのかも知れませんが、最初は3つ。それで足りない場合は、消費アイテムでも回復ポーションがあるので、それで補えるから大丈夫。最後に利用した割れ卵オブジェクトが、死亡時のリスポーン場所になるのも『ダークソウル』の篝火に同じ。ただ、『ダークソウル』みたく死亡場所に落としたソウルを回収にいく必要はありません。デスペナルティで、骨のかけら(『ダークソウル』でいうソウル。レベルアップやアイテム売買に必要)をある程度持っていかれるだけで、ごっそりやられるということはありません。

プレイアブルキャラクターは4人いるんだそうです。騎士のテレンス。あと、名前はわからんのだけど、銃を持ってる女性と、なんか金色の面をかぶってるパワー型っぽいの。もうひとりは、まだちょっとわからない。

武器はキャラクターごとに固定のようで、たとえばテレンスの場合、 上級の装備に持ち替えるみたいな仕様にはなってないようです。『ダークソウル』なんかは武器を持ち替えるとグラフィックとともにアクションまでがらりと変わるというのが売りになっていたわけですが、このゲームはそのあたりのバリエーションはないかわりに、スキルツリーみたいなものでアクションを増やしていくという方向でパワーアップさせていきます。あと、見た目には影響しない装備品で攻撃力や防御力など各種パラメータを強化させるという要素もあります。

テレンス以外のキャラは、先に進めば使えるようになり、プレイ中に切り替えていける模様です。おそらく魔法使いキャラとかもいるんでしょう。いろいろ戦い方の変化も楽しめるようになってそうで、おおいに期待しています。

このゲーム独特のギミックとして、正気度、Sanityがあります。行動していくとどんどん正気度が下がっていって、アブノーマルになると体力ゲージは一定割合(3割だったかな?)カットされてしまう。スタミナも減るのかな? いろいろ戦闘で不利になる。あと、視界がゆらゆらしだして、酔ったみたいな感じになる。正気度は割れ卵オブジェで全快できる他、正気度を保てるポーションがあるので、ポーションで正気を保ちながら割れ卵オブジェを目指すのがおそらく正しいプレイングです。

ゲームコントローラーがなくても遊べるようにできていて(当たり前だけど)、画面左、指を置いたところを中心にした操作用サークルが出てきて、それでもって移動できるようになっています。ただ、これ、指を置いた場所が仮想ジョイスティックの中心になるから、敵が出た! 急いで離れたいと思って、ぱっと指を離して置いたら、そこがジョイスティックの中心になる! これ、結構慌ててしまって、そこから走ろうと指をスライドさせたら、どんどん仮想ジョイスティックの位置が動いていっちゃって、しまいには指が届かなくなって、ちょっと不便。アズレンみたいに仮想ジョイスティックの位置は固定だったらよかったのに。

視点移動は画面右側に触れると可能。こちらはジョイスティックみたいなのは出ません。普通にフリック操作するだけでぐるぐる視点を動かせます。

画面右に、攻撃や防御、回避、アイテムのボタンが表示されていて、このボタンをタップすることで様々なアクションが可能です。敵が出てきたらロックオンボタンが表示されるので、ロックしちゃえば視点移動を考える必要はありません。とはいえ、視点が固定されてしまうので、背後から襲われてパニック! みたいなこともしょっちゅうあるので、このへんはむずかしいですよね。

と、まずはこんな感じの印象。快適に遊ぶにはゲームコントローラーがあるにこしたことはなさそう。というわけで、こないだ悩んでいたXbox One ワイヤレス コントローラー、買いました。これについてはまた後日、感想など書けたらよいなと思います。

2020年1月22日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、昨日の続きです。

『ハルメタルドールズ』

眼鏡チズが可愛い。それはさておいても、マコト、ドラムがかたちになってる! まだシンプルなセットでしか叩けないっていうけど、基本ができてきてるっていうのなら、いずれは応用、バリエーションも可能になっていきそうですね。いい展開じゃないですか。

と、ライブの予定があって、練習も軌道にのってきて、じゃああとなにをしないといけないか。それで曲がないっていうの、結構致命的では? メンバー3人でいろいろ話しあうも、これというもの出てこなくって、でもここでハルの曲をやるって決定かあ。チズがやれば勝手にメタルになるだろう。それはいいけど、権利はクリアしとるのか? ともあれ、チズの目的にも合致してる。悪くはなさそう。ただどうも不安そうなチズが気になって……。

とか思ってたら、やっぱりコレだよ! チズに関しては心配するだけ無駄なのかな?

『初恋*れ〜るとりっぷ』

いきなりシリアスな展開? みかげから呼び出しを受けた琥珀。いったいなにごとか。不穏な空気ただようも、ああー、悩んでただけ! 姉、つまりまひろの誕生日になにを贈るか、それがどうにも決まらなくて、そこで琥珀に助けを求めたわけですか。

まひろは大人だから欲しいものがあったら自分で買えちゃう。そんな姉のまだ持ってないものといったらなにか。学生でも手が出せるものでなにかないか。との要望に、鉄道からはなれよう、そう提案できる琥珀、さすがですね。確かに、鉄道ファンだからといって、鉄道だけしか興味がないってわけない、のかな? 人によるよな、みたいに思ったけど、実際これは琥珀のいうとおりだと思う。興味はあって、でも鉄道優先で後回しにされてるもの、そういうのを攻めればいいわけか。うん、これはたいそう役にたつアドバイスですよ。

ここで前回の、同じような服ばかり着てる、これが効いてくるの見事でしたね。服に興味がないわけじゃない。けれどなにを着たらいいかよくわからないから、評判よかったの、それ一本槍で押し通してる。そんな先生に、似合う服を選んで贈ろう。それはいいんだけど、普段着に向かないのばっかり想像するのはなぜ!? でも車掌スタイル、あれは可愛かったな。

今回、服の話、買い物をメインにしながら、途中にかつて仙台に走っていた路面電車のトピック扱ったり、こういうところ、確かさありますよね。なにかあるごとに鉄道の話になる、ここにこの子たちの鉄道が好きという気持ちも感じられるわけで、これ実に好感触です。

そして買い物の情景を描きながら、肝心の先生に贈る服、それがどんななのかは描かない。ああ、これは憎い見せ方ですね。どんな服かはわからないけど、先生が喜んだってのははっきりわかって、それだけにどんなのだろうって気持ちが強くなる。次回、先生、着てきてくれますかね? ええ、興味が先へ、先へといざなわれる思いなんですね。

2020年1月21日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、昨日の続きです。

『しょうこセンセイ!』

すごいな。しょうこ先生、いつもなんか動きが可愛いみたいな、小動物的愛され方しとるわけですけど、実際その知能となると尋常じゃないものあるんですね。それがしっかり描かれた今回、実に面白かったです。

生徒会の最上さん。この人もまた天才なのか。まさかのしょうこ先生に勝負挑んできて、中間テストだと自分は出題側だから勝負にならないと。なので互いに問題出しあって、それで勝負しましょう。

それはいいんだけど、その出題の傾向がですね、やっぱり違うんですね。しょうこ先生は相手のこと考えて、このくらいの問題なら解けそうと思ってテスト作ってる。対して最上さん、持てる知識総動員して、しょうこ先生を捻じ伏せにかかってる! でも、それをばっちり解いてくるってんだからしょうこ先生すごいな。なるほどなあ、面目躍如じゃん。

その後の勝負、かるたやったり将棋やったりも面白くって、そうか、こういうのだとしょうこ先生が勝てないのか。完全にムキになっちゃってるのがね、やっぱりこの人の愛される所以っての描き出してて、でもこうしてしっかりつきあってくれること、それは最上には嬉しかったんでしょうね。

あの、ぐるぐる眼鏡で表情の見えないこの人の、本音、喜びを見せた時のあの表情、素敵でした。ラストのしょうこ先生とのやりとり、これもまた魅力的でありました。

『エンとゆかり』

ゆかりたち新人で組んだパーティを狙って、凶悪な魔物が移動中。ここからの緊迫感、すごかったですよ。青ざめるかなえ。ゆかりを助けるべく、つてを頼って熟練者をゆかり救援に向かわせようとするくだりね。ああー、前回鍵の魔物にやられちゃった冒険者、それがかなえのつてだったんか! しかもこのくだりで、この人たちがかなりの熟練者だったことがわかる。

あかん! ゆかり、ピンチもピンチ、にっちもさっちもいかない大ピンチじゃん!

ここから、エンに助けを求めにいく流れは納得させられるもので、ゆかりの危機と聞いて飛び出していくエン。対しゆかりはというと、鍵の魔物と一緒にクッキーとか食べちゃって、でもなごやかな時間はあまりにも短くて、ああ、魔物が追ってきた魔術の使い手、アメが危ない! ゆかりとチリを逃がそうと、自ら名乗り出て、ああ駄目だ、自分を犠牲にする気でいる。

エンを雇っているロッソ。いまいち正体のわからんこの男の、けれどエンのこといろいろ気にかけているっていうのがわかるくだり、大変よかったです。そしてエンがゆかりたちのこと、大変に大切に思っているということ、それがはっきりするのもとてもいい。

それだけに、ラスト、アメのピンチにぎりぎりで間に合ったエン。その活躍。あまりに強い鍵の魔物にどう対しようというのか、その勝負の行方、気になります。

『のむラリアット!』

大変な人しかいない……。

今回登場した先輩ふたり。部長の美森恵に副部長の青井海音。とりわけ海音がたいがいで、一年生相手に先輩風吹かすの、楽しみにしとったのか! 用があるからと恵、翼は席を外して、なので一年ふたり、みるくと桃のことは海音に託されたわけだけれど、海音さん、いろいろ駄目な人だ!

威勢だけはいいけど実はけっこうビビりとか、でもそのわりに弱い者いじめがしてみたいんだよぉ!! って、そんな迫力いっぱいにいうようなことじゃないよ! かっこわるいよ! しかもそこからのダイブに対する偏愛? かたよってる……。かたよってるよ……。あの、棚橋選手とは何も関係ないポーズですってのは笑っちゃったけど、ここからの特訓? ほんとに海音、駄目すぎて、この人のこと、キャラとして愛していけるだろうか……、ちょっと不安に思ったら、桃のボディプレス炸裂ですよ!

桃、やったぜーっ! しかも最後に伝えようとした言葉、翼ちゃん、メガネもかわいいね。ここに及んでそれ!? でもわかるーっ! おかしくってですね、さらに海音、しっかり恵におしおき受けるの、うん、このバランス、大変よかったと思います。いけないことしたらちゃんと怒られる。ええ、因果応報。

この漫画、海音はヒールとしてのポジションにあるのかも知れませんね。となると恵や翼がベビーフェイスということになるのかな? こうした役割考えならが見るのも楽しむコツになりそうですね。

2020年1月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、昨日の続きです。

『いのち短し善せよ乙女』

めちゃくちゃ面白い。天使よりも天使らしい優しく清らかな少女、神成夏芽。ただ欠点はあって、二重人格? びっくりすると凶暴性が出てしまうっていうのね、それを乙女が悪霊にでも憑かれてるんじゃないかって、そうしたら杏エリカが当たり前みたいに取り憑かれてますよって、ほんと、この展開、おお夏芽がただただ優しく清らかな天使を超える天使になってしまうというのですか!

ほんと、心底やられまくりました。神成夏芽親衛隊の出現にも度肝抜かれたんですが、夏芽に憑いた悪霊が髪を操りグサグサ突き刺していくあのシュールな様! そこに生き残った親衛隊と乙女が協力して立ち向かうっていうの、あの絵面! すごいよな! 普通転がるか!?

しかし今回一番面白かったの、悪霊の由来ですよ。憑かれたの、今回冒頭、あの瞬間か! 二重人格とはなんの関係もないやんけ! ほんと、この徒労感! 労多くして益まるでなし! いや、そうでもないか、乙女の一善が達成されたもんな。ともあれ、気をきかせてくれた悪霊。ええー!? 君、本当に悪霊か? むしろいいやつやんか! もう、めちゃくちゃ面白かったです。

『六条さんのアトリビュート』

ああー、六条さん、めちゃ好み。冒頭1ページ目、あのバアアンと振り返ってみせるあの姿、最高だったと思う。けどそんな六条さんの、なんもかっこよくないところがエピソード通して語られて、いや、そんなあかん子六条さんも魅力的でしたよ。

部屋いっぱいに積まれた本やらなんやら雑多なもの。いきなり崩れてさあ大変なんですが、本を打ちこみ継ぎの石垣みたいに扱うのはいかんよ! 痛むよ! 本棚は木彫りが占領? いろいろ面倒で手をつけられない子なのに、木彫り作ったら即、本をどけて木彫り陳列してって、そういうことはできるのか! なるほど、パッと着火した瞬間はエネルギー漲るタイプだね? わかる! わかる気がするわ。

どたばたのおかたづけ。細かくマメなこのみと六条さんの対比はいいし、途中途中出てくるヤバいもの!? そうした合間に、ちょっとシリアス味感じさせる六条さんの生前の記憶へのきっかけかもっていうの出てきたりね、こうしたコミカルとシリアスとのいったりきたり、ふいに現れてくる真摯な美術エピソード。これ、いい幅になっていると思いました。それに、ただ美術の知識や解説になるのではなく、加えて六条さんを知る可能性になるかも知れない、そんなこのみとの関係の進展思わせたりするところもいろいろ興味を引いたのですね。

『ぬるめた』

この漫画、すごいな。テンションがすごい。あと、見せ方が自由度高くて、こういうのも面白いな。読むテンポ、リズムが時々で変わってくるの、新鮮というかシンプルに面白かった。まさか、途中にナチュラルにワイド四コマ化してくるってね。コマの広さを活用した会話の広がり。さらに、ハンドレッドくるみのインパクト! これか、最終的にこれやりたかったから、大きなコマが必要だったんだな。わかった。素晴しいね。目的のために手段が選ばれているんだなって、ほんと関心しましたよ。

しかし、溢れるようなキャラクター性。ちあき、さきな、くるみにしゆき、4人ともに個性がよく伝わってきてチャーミング。しかも個性が強くて、それぞれに違う理由で友達いなさそうっていうのがおかしいんだけど、あ、くるみは除くよ? でも今回のくるみ増殖騒動でさ、なんか仲良くなっちゃってるのがさ、あれ、よかったよー。なんかほのぼのとした? 気持ちが暖かくなった。ほんと、ちあきはなにこれとかいってますけど、そのなしくずしのハグ。みんないろいろ寂しかったり悲しかったり、それをこうして友達同士で癒しあうのかい? ちあきだって、苦笑もあるかもだけど、そんなに悪い感じしてないっぽいじゃん? ああ、ほんと、よかったですよ。

くるみ増殖から減らしていくときなんかもね、皆の個性、よく出てました。しゆき、共感性が高いんだな。あるいは思い入れ。うん、この子の情の深さ、それにほだされましたよ。いい話。

2020年1月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、昨日の続きです。

『ななどなどなど』

冒頭がすごいな。中間テスト終了直後の小町の様子描いて、本人有頂天だけどその後急降下する運命にあることを畳み掛けてくるーっ! ほんと、笑う。

今回、前回よりちょっと時間巻き戻して、テスト終了後の打ち上げの情景描こうってわけですね。打ち上げというと焼き肉、ネット情報で決めつけてくる小町と、そんな小町のために泣いてくれる高山萌。ああ、萌、いい子や。さらにここに優子も加わって、で、これで嫉妬の嵐があちこちで吹くのか。すごいよ。みんな小町のこと大好きだな。

カラオケに連れてこられて本気で嫌がる小町。でも、カラオケ自体はこれがはじめてなのか。

萌も不憫がってましたけど、小町は持ち前のネガティブでなんでもかんでも悪く決めつけてしまってるんだねえ。けど、今回の経験で少しでも小町にとって楽しい思い出が増えたらよかったなって、さらにはなんでもかんでも決めつけて拒否するんじゃなくて、こうして友達と一緒になにかしら楽しんでってやっていけるといいなって思ったんですね。

いやもう、小町、素晴しかったですよ。歌ってみたら、うまいって、ちやほやされて、すごくいい笑顔じゃん! ああ可愛い、小町が楽しそうでよかった。ほんと、最後のななどの見守る目。これきっと読者みながそうなってたと思う。ああ、小町、本当によかった。輝いていました。

『私を球場に連れてって!』

扉が、扉が素晴しい。猫子、可愛すぎるよな。

さて、今回の主役は猫子のお母さんですな。キャッツが好調、現在1位。なのに、自分が応援にいくとチームが負けるっていって、猫子の母、球場にいきたがらない。ああー、でもわかるよね、こういうの。自分が応援すると負ける、見たら負ける、興味持っただけでも負ける、みたいなの。とか思ったらレオナに酷いこといわれた……。まあしかたがない。自分はもうおっさんなんだ……。

猫子の母、応援にいかないといいつつ、本当はいきたいって気持ちがユニフォームや応援グッズにバリバリ現れてるのおかしくて、けどここまで思いは募るのにネガティブ、不安がために足が向かない。これ、不幸だよね。皆が説得するも気持ちを変えない母。ああ、この母をどうしたら球場に連れていけるというのだろう。

酒で一発だったの、面白かったけど、ダメなお母さんだな。体、悪くするよ?

球場いってからがもっと面白くってまいりました。実際母来場でチーム低迷しちゃうの? 見る見る顔色なくしていくのが笑えて、そこからの浮沈も母がスタンドにいるかどうかで決まるの!? 面白いんだけど、やっぱりちょっと気の毒でした。

終盤でね、キャッツが逆転するでしょう? お母さん嬉しくなっちゃって、お酒ガンガンいっちゃうじゃない? でも、まさかここから負けるなんて展開ないよね? ハラハラしちゃって、ほんと、ページめくるのがちょっと怖かった。

でも、これも取り越し苦労。作者の温情がありがたかったですよー。でもって、猫子母のジンクスの理由。ああーっ、そういうこと! これ、すごいな。ちょっとしたミステリー調。思わぬ真実にやられました。

『みわくの魔かぞく』

今回は試験の結果をめぐる人間模様。まいが赤点! 涼も赤点! ふたり追試が決まって、沙夜香とミラに教えてもらう展開なのかな? そう思ったら、ふたりともに補習!

今回、追試と補習で、ミラと沙夜香、まいと涼というように、いつもとは違うふたりが組み合わされるのがよかったんですね。ミラと沙夜香の間、わだかまりや申し訳なさといった感情が解消して、また沙夜香が涼について思っていること、そうしたものも見てとれて、ああ、ふたり気持ちが少しずつ近づいていきますね。また涼とまいふたりも、勉強はかどらないながらも、共通の趣味があったり、またいろいろ語りあったりね、そうしたことが仲を深めさせていく。

このプロセスがよかったなって思ったんですね。

追試が終わってからも皆のこの関係続いて、ミラと沙夜香は普通に仲良くなってるし、涼とまい、ふたり一緒にいると楽しそうってミラが焼きもち焼いちゃったりね、たまたまの組変えだったけど、それが新しい関係を開いて、より魅力的になった、そんな気がします。そしてなにより、嫉妬してるミラのこと沙夜香がかわいいですよねっていってるの、ええ、こういうの、気持ち開いてるって感じするじゃないですか。ほんと、いいなって思ったんですね。

2020年1月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。お正月だから? しの、アリス、カレンが着物姿で登場ですよ。みんな、ひざ丈のフリルつき着物。振り袖の華やかさ、上半身はオーソドックスに見えるのに、足元はがらりと違えてくるこの鮮烈さ。魅せてくれますね。アリスは大きな傘を持って、その下、しの、カレンが寄り添うかたちになってる。しのがなんかしっかりした感じに見えて、ええ、この子、成長しましたね。着物もよく似合って、もうこけしだなんて思わせない。そんなところもまた魅力になってます。

今月は新規ゲストが1本です。

『ひふみよワーキング』

通販会社の就職面接? けど距離感がおかしくて、面接官、真横に座ってぴったり寄り添ってくるの? セクハラかといえばさにあらず、こぢんまりとした女の子。服装もラフで、デボン紀と大書されたTシャツ着ていて、ええと、これ会社なの? 個人宅で細々とやってる家業なのかな? 作業は姉妹3人で分担してるっていってるし。

タイトルにいうひふみよっていうの、姉妹の名前なんですね。長女がひなみ。次女はふじか。三女がみゆり。そして今、面接受けているのが蒲生よもぎ。おお、ひふみよと揃いました。

しかし、これ、ひふみ姉妹、ちょっとした天才姉妹じゃないの? 三女みゆりは10歳にして高校卒業。しかも主席。そんだけ優秀ならそのまま大学いってとかならないの!? と思うも、そのまま労働。しかも姉ふたりも優秀で、皆高校卒業済み。長女は15、次女14。そのまま家業ってもったいなくない!?

初回は就職面接受けにきて、家政婦として雇われることになるよもぎの話。家事全般駄目な姉妹の実情知られて、そこからのとんとん拍子。よもぎの母がなかなかのダメな人っぽいのも含めて面白かったです。でも、よもぎ姉さん、母と同じ傾向、しっかり持ってますよね。いや、ただ単に姉に憧れた末っ子って解釈でいいのかな?

『ぼっち・ざ・ろっく!』

えらいことになってる。いや、主に大槻さんが。

ライブ当日、リハに臨む結束バンドのおかしさもおかしさなんですが、ダンボールアーマー装備してくるぼっちのインパクト! しかも、モニターの返し大きくしてくれって、ダンボール装備のまま進行してたんか。これ、もう面白さがすごかった。

面白いの、ここからもノンストップで、やさぐれクリスマスにはじまり、どんなライブしようがどうせ滅茶苦茶になるという諦観、シデロスのメンバーが安定しない理由にずっとにらみつけてくる大槻の秘密がバレるところ。そして大槻のマウントに喜多、ぼっちの逆襲が刺さるのがね、ほんとおかしくて。でも大槻、こんな局面で気弱になっちゃったけど大丈夫? あっちもこっちも心配がつきないの。おかしかった。

しかし、一連のやりとりで結束バンド、リラックスできた? 次回のステージシーン、これは大いに期待しちゃいますよ。

『こみっくがーるず』

はー、はらはらさせられました。かおすの誕生日を前にして、なにやら様子のおかしな翼ですよ。なになに? なんか心配ごと? みんなに話せないこと? え? もしかして退寮しちゃうとかそんなシリアス展開が待ってるの? もう本当に本当に心配させられて、これ、どうなるどうなる? あー! 悪い話じゃなかったーっ!

この一転しての安心感!

かおすが、自分のための誕生会開いてくれるの知ってからの挙動もろもろも不審でおかしかったんですけど、誕生会で自分のこと差し置いてもまず翼のこと心配するところ。決して譲らず、ぐっと踏み込んでいくのがね、この子、強くなったよねって思えて、その成長も友達を心配する気持ちも、両方がなんか嬉しく思えたんですね。

けど、最後にはやっぱりネガティブに落ちるのん!? あの急落! すごかった。あまりに唐突で対応しきれてない翼が読者の気持ち代弁してくれてるみたいで面白かったです。

2020年1月17日金曜日

Xbox One ワイヤレス コントローラー

 iOS搭載デバイスで使えるゲームコントローラーが欲しくなっています。先日リリースされたゲーム、Pascal's Wagerが気になっていまして、『ダークソウル』ライクな本格アクションアドベンチャーだっていうじゃありませんか。グラフィック良好、ゲームとしてもハードめなアクション? ゲームコントローラーにも対応して、かつ売り切り型。価格は860円。安っ! これは買いかも知れん。万が一ゲームとしていまいちだったとして、860円ならなんも痛くない。いやもう、すごいよなこの価格! と、ここでふと立ち止まって、コントローラーが高いんだよな……。そうなんですよ。コントローラー、高いんですよ。

AppleはApple Arcadeなんていうサービス開始して、iOS/MacOSでのゲーム展開に乗り気です。この施策の一貫なのでしょう。iOS 13はXbox OneコントローラーとPS4のDualShock 4にも対応して、ゲームパッドで快適に遊べる環境も整備されている。そう、つまりXbox OneかPS4のコントローラー持ってたら、それをそのままiOS搭載デバイスで使えるってわけですよ!

持ってない!

まいった。すごくまいった。なんでSwitch Proコンにも対応してくれなかった。iPhoneでSwitch Proコンが使えないか試したりもしたんですが、残念ながら無理。認識してくれません。そうかあ、iPhone / iPadでゲームしようと思ったら、なにかしら買わないと無理かあ。買うならXbox Oneコントローラーかなあ。

と、ここまで書いて8BitDoのアダプターを思い出しました。これ、Windowsに繋がるモードがあったな……。もしかしたら、Xbox Oneコントローラー準拠だったら、これでそのままiPhoneに繋がったりはしないものだろうか……。

後で試してみようと思います!

2020年1月16日木曜日

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』。追加ファイター5体目が発表されましたね。皆さん、予想は当たりましたか? あるいは期待どおりでしたか? 私は『スペースハンター』アルティアナ期待で、けれど一般向きには『ワルキューレの冒険』ワルキューレを本命にしていました。当てる気ないだろ、といわれたら、そうですねと答えざるを得ないのですが、いやまあ、願望ですから、願望。さて、本日16日に発表された新ファイター、まさかの『ファイアーエムブレム 風花雪月』から主人公のベレト/ベレスでした! いや、風花雪月は予想してた人、わりと多かったんじゃないかと思います。

風花雪月は未プレイなので、最初の映像で、ファイアーエムブレム? とは思ったんだけど、核心持てなくてですね、主人公の名前もわからないし、えらそうな緑髪の余は可愛いしで、え? これなに? これはなんなの? 頭の中に疑問符撒き散らかしながら見てたんですが、風花雪月と確定して、ああ、ファイアーエムブレムが増えた! 荒れたりしないかな? ちょっと心配したのはないしょです。

ファイアーエムブレムから参戦、ということはまたカウンター持ちなのかな? とか思ったら、なるほど、複数の武器を使い分けて戦うタイプのファイター。基本は剣だけど、横方向には槍、遠距離では弓矢、あと重くて遅いけど当たるとデカい斧とか、なかなかにテクニカルなキャラになるのかなあ。剣も蛇腹剣というの? ガリアンみたいなやつ。鞭みたいに伸びて、遠距離から上方向に掴みにいったり、またワイヤー復帰も可能など、これまでとはまた一風違うキャラクターになってて、このあたりはいい感じなんじゃなんでしょうか。少なくとも、これまでのファイターとは確実に差別化された独特なファイターになりそうに感じます。

うまい人だと、リーチの長さを活かして、近寄らせてくれないんだろうなあ。

最近はあまりスマブラで遊べてないのですが、もっとしっかり遊んでいきたいなって改めて思った次第。さらに追加されるという6体のファイターにも期待しつつ、ちょっとずつまた遊ぶ時間、工面していきたく思います。

2020年1月15日水曜日

ビリヤニについて調べてたら時間がなくなったので休みます

ビリヤニについて調べてたら時間がなくなったので休みます。

2020年1月14日火曜日

運び屋

 映画を見ました。夜、テレビがいい番組をやってなかったので、これなら映画見る方がずっといいな。Netflixのアプリ開いて、なにかいいのないかなあ、あまり長くなくて、親世代にも受け入れられそうなやつ。と、ありましたありました。主演、クリント・イーストウッド。タイトルは『運び屋』。うん、とてもわかりやすい。先日見ていたドキュメンタリー『密着!マドリード・バラハス空港警察』、普通の人が麻薬の密輸に手を染める。その裏側? 実情に迫るみたいな映画だったりするのかな? なんて思いながらこれに決めたのですね。

見終えてびっくりしましたよ。これ、実話ベースなんか! ざっとネットで確認してみると、退役軍人で園芸家で、ネットで職が立ち行かなくなり麻薬の運び屋はじめて、その呼び名がエル・タタ。名前こそは違うけれど、基本のところ、多くを映画に取り入れてるわけか。

侘しさ感じさせる映画でした。侘しい老人の話が苦手なんですよ。

昨年のことですけど、恥ずかしい話なんだけどおにぎりが欲しくてアプリいれたらね何十万ってとられちゃって、高いおにぎりになっちゃった……、自嘲ぎみに話してるお爺さんをテレビで見た時など胸がつぶれそうだった。

他にも映画でもドラマでもドキュメンタリーでも、昨年末、年明けと、退職したら妻と一緒に旅行でも、そう思っていたのに、妻が病気で死んじゃって……、みたいな話を聞かされて、お父さんね、仕事なんてどうだってよかった、妻のほうがもっとずっと大切だったって、亡くしてようやく気がつくの。気がついてももう遅いの。悔まれて悔まれて、それはそれは悲しそうに話すその様。つらい。もう取り戻せないというのが本当につらい。人生って悲しいなあ。そういう思いに支配されてしまうんですね。

この映画は、その点まだましだったのかも知れないなんて思います。主人公、アール・ストーンは仕事に、自分の属するコミュニティにうつつを抜かして、家族を二の次にしてきた。記念日もセレモニーもすっぽかして、その結果、妻とは離婚。娘は父を毛嫌いして口も利かない。

さらに加えてネット時代に対応できず、心血注いできた園芸の仕事も駄目になってしまうわけでしょう。もうなにもかもなくしてしまって、残されたのはボロいピックアップトラックだけで、みたいなみじめさ。けれど、ここからの起死回生が麻薬の運搬ってんだから尋常じゃない。というか、犯罪歴もない、交通違反さえしていない人間を、麻薬の輸送という重犯罪に引き込む、そんなきっかけが日常のすぐそばにあるアメリカってのもまあ酷いなって。いや、このあたりは映画のテーマではないんですが。

主人公もわりかしろくでなしなんですよね。だってね、最初はわからないままにやってた闇仕事だけど、途中で自分がなにをやってるか理解して、それでもやめられなくて仕事続けちゃうわけでしょう。最初は、なんかヤバそうだから1回だけ、これっきり、みたいな感じだったのに、2度3度と続けるうちに、なんだかすっかり慣れてきちゃって、また支払われる報酬もどんどん多くなる。そうなると、最初は家族のため、借金の返済など身近な支出に留まってたのが、再びコミュニティのために大金出したりね、ええ、見栄だよねえ、これ。失ったものを取り戻す過程ともいえるかも知れないけど、むしろ積極的にいい目を見ようとしてる。若い女と遊んじゃったりね、麻薬のボスの覚えもめでたくなって、豪勢なパーティに出ちゃったりね、ええ、この欲? 人間の堕落に向かう道、その描写、結構なリアリティあるもんなんじゃないかなあって思ったんですよ。

最初にいってました。この映画がまだましだったっていうところ。侘しい老人であった主人公が、本当に失う前に大切な人とふたたび心を通わせることができた。決定的には間に合わなかったのかも知れないけど、それでも完全に手遅れとはならなかったところ。それは救いだったと思います。家族が一番、仕事は二の次。そういって人に語って聞かせていたとおり、最後の最後に家族を一番にすることができた。それがこの人の悔いを雪いだんじゃないかな。

だからこそ、最後の最後、この人は抗わなかったんじゃないかなって、もうすべてあれでよいと受け入れられるまでになったのかなって、思ったんですね。そういう点では、これはハッピーエンドに近いんだと思う。不器用で利己的な男の、最後に果たしえた愛情のドラマと思っていいのかも知れないなあ、そんな感想いだきました。

2020年1月13日月曜日

悲劇のUSSインディアナポリスを探せ

 Huluに近々くるというので昨年末から楽しみに待っていたドキュメンタリー『悲劇のUSSインディアナポリスを探せ』。この連休中に見ることがかないました。海底に沈んだ戦艦武蔵を発見したことで知られるポール・アレンのチームがフィリピン海海底で発見したインディアナポリス。なるほど、これは深海に眠る艦体を発見するまでの奮闘努力を描く、海底探査ドキュメンタリーだな。そう当たりをつけて、重巡インディアナポリスの来歴なども解説されたら嬉しいなあなど思いながら見始めたら、いやあ、まったくの見当違いでしたよ。メインは重巡インディアナポリスの来歴。撃沈にいたるまで、そして撃沈されてからも続いた悲劇的な物語が語られたのでした。

インディアナポリスで有名なエピソードは、日本に投下された原子爆弾の部品を運搬したというもので、そのエピソードについてもドキュメンタリー中で語られていました。当時の乗組員の談話によると、この任務が極秘であったのは乗組員に対しても同様で、鉛よりも重い物体、あれはなんなのかと艦内でも話題になったとかそういう話は興味深かったです。

そしてもうひとつのインディアナポリスの有名エピソード、沈没にいたる経緯とその後について。あらためて知ると、そのあまりの悲愴なることに、思わず涙ぐむレベルでした。

終戦間際の撃沈となったインディアナポリスは、その沈没したことが知られないまま、生存者は油の浮かぶ海上にてくるかどうかもわからない救助を待ち続け、助けられた後も、戦勝の喜びに水をさした、この不名誉の責任をとらせるべく艦長が軍法会議にかけられ有罪を宣告されるなど、散々な目にあうこととなり、とりわけ艦長の行く末などはたまらなく悲しいものであったのでした。

正直、米軍は、あるいはアメリカという国はフェアで合理的という印象を持っていたのですが、そうではないのだなあ。責任を回避したい軍の姿勢は、ドキュメンタリーの語りようもあるのでしょうが、やはり異質で、だってインディアナポリスを撃沈した潜水艦伊58の艦長を軍法会議に招集して、いかにインディアナポリス艦長が不用意であったか証言させようとしているとかね、戦争はとうに終わっているのに、不毛な責任の押し付けをしている。

こういう体面を守るために末端に責任押し付けるとか、日本軍の話聞いてるとしょっちゅう出てきますけどね、基本それがどの国であろうと多かれ少なかれあるのかと暗澹たる気持ちになれるドキュメンタリーでした。その後の、艦長の名誉回復のくだりこそは多少の救いではあったけれど、それにしたって遅すぎる。艦長は死んじゃってるんだものなあ。悲しさが薄らぐことはなかったです。

そもそもだいたいがこのインディアナポリス撃沈で、800人超が亡くなってるわけでね、それだけでもう暗澹たる気分になれる。これもまた戦争の悲劇であるなあ。心底そう思わされたドキュメンタリーでした。

2020年1月12日日曜日

『まんがタイムきらら』2020年2月号

『まんがタイムきらら』2020年2月号、昨日の続きです。

『スノウ*ライフ』

実は雪女だったフミカ。熱くなると溶けて小さくなってしまうこの人。後輩のゆうきには雪女であるとバレちゃったけど、友人のサナには知られたくない。でも、サナのこと好きなんですねっていわれて照れて、溶けちゃったという小ピンチ。どう切りぬけるのかっていうのが面白かったです。

今日は文化祭。ゆうきのクラスがやっているお化け屋敷に助っ人として参加するんですが、ちんまり小柄、冷気でちょっとおどかしたりしながらも、見た目に可愛いその姿、お客さんには大好評で、リピーターが出るほどか! あの、わ! って飛び出してくるところとか、本当に可愛かったですよ。驚いてるお客さんも笑顔ですごく嬉しそうなの。なんというほのぼの。うん、こういうのでいいのだと思う。

そして、サナに自分の正体を伝えることになったフミカ。嫌われるんじゃないかって心配していたけれど、おお、取り越し苦労。雪女だから、人じゃないからって怖がらず、ちゃんとフミカ自身を見てくれていたんですね。そうしたところ、嬉しいじゃありませんか。いい友情の描かれたその情景、とてもよかったですよ。

『下を向いて歩こう』

オゴクダ浜、硝子にとっては本当に天国なんですね。それこそここに住みたいくらい。想像の中で家を建てようとしている? いやもう、よっぽどの熱中ぶりです。

ここでもかわらずシエルが強運を発揮するのがいいですね。死にたてほやほや、って表現がなんか問題ありありだけどさ、磨耗のないタカラガイを見つけ、そして極めつけ、まさかここで拾えるだなんて思っていなかったもの、イルカの耳骨を見つけちゃった! へー、こういう化石があるんですね。しかも激レア? 硝子とすさみんがふたり冷や汗浮かべて相談しはじめるレベル。いやもう、ほんとに面白かったです。

浜を離れるときの硝子の様子。よっぽど名残惜しいと見えますね。翌日、日常に帰りついても心ここにあらず。ああ、どれほどに串本が、オゴクダ浜が楽しかったのだろう。焦がれるほどに好きなもの、憧れる場所、そういうものがあるって素敵であるなと思わされる。そんな硝子の様子、羨ましく思えるほどでした。

My Private D☆V

『かぐらまいまい!』のあひるです。

D☆Vポイントは、和服×割烹着・エプロン×双子、ときましたよ。イラスト、さすがに魅せてくる、妖艶とさえ思わされるものでありまして、双子、なるほど基本は似ているふたりであるけれど、凛々しさとおっとり、個性が若干違っているというのがねその表情から伝わるようなところ、ああ、わかるー、これいいよねー。

和服も美しい。そしてそこにエプロン、割烹着がついてくる。エプロン、割烹着のすそまわりとかにフリルがついてるの、いいですね。さらに和服の襟元にもフリルがのぞく。こうしたささやかに加えられたデコレーション、それがプラスの可愛さ演出していると感じました。

華やかなふたりの美少女。背景に大輪の百合、そして周囲には蝶が舞って、この華麗さ。実に見応えのあるイラストであります。

2020年1月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2020年2月号

『まんがタイムきらら』2020年2月号、一昨日の続きです。

『トールさんの通り道』

大量に荷運びしてるの、モンスター退治に必要な物資なのか。スライムの母娘は退避済み。ということはこの準備も無駄になるかな? とか思ったら、あれまあ、リモ、スライム娘が討伐隊と遭遇しちゃったよ。

スライムみたいな非定型、うまいこと逃げられたりせんもんなのかな。いや、なかなかそう簡単にはいかんみたいですね。このままだと100%やられるとの母の見立て。魔術で討伐隊を無力化してみたものの、不用意、無力、機転も利かない、そんなリモは逃げることもかなわず、そこに身をていしてかばおうと割ってはいったトール。モンスターと通じてたこと、バレちゃいましたねえ……。

しかしリモの母、ライム、人間に敵対的、容赦ないタイプなのに、使った魔法が非殺傷系というの、気を使ってくれてるのかも知れませんね。ここで人死にを出していないこと、これが後々効いてきたりするんかな。ともあれ、今はリモのピンチ、トールのピンチ。予断を許さない状況であります。

『絶滅危惧種桜子ちゃん』

物語が動き始めましたね。

純血の人間が少なくなった日本。純粋な日本人である桜子が絶滅危惧種となるかも知れない。その状況を受けて軟禁されるというの、これ厳しいよなあ。学校にいかなくていい。勉強もなにも、全部家でできるようにする。そして許婚との結婚。ただでさえ自由のなかった桜子の、数少ない自由が根こそぎ奪われてしまったっていうんですね。

これ、どうなるんだろう。そう思っていたら、忍び込んできてくれたミラ、この子とともに家を抜け出すんだ! いわば自立の時。ここで桜子という名さえ捨てたというのがすごく印象的で、ああ、そうだ、なにも決めず、選びもせずこれまできたこの子、自分の名前をなにも選ばずにきたことの象徴として見たのか。

からっぽだった自分。自らの意思を持たず、決められたことに身を委ねてきた自分。その自分から変わると決めた時の桜子、いやもうどう呼んだらいいかわからない、新しいこの子のあの表情、それまでとはガラリと違って、これも鮮烈な印象残しました。

いいですよ。ドラマチック。はじまった、そんな感覚でいっぱいです。

『夢見るルネサンス』

エマ、来訪! リーチャの姉妹弟子なんだけど、この時を超えてきた姿、ひよりとモモカに見られちゃって、これ結構な大騒ぎなのでは? と思ったら、モモカ、卒倒だよ。本番に弱いタイプって評価、あれおかしかったです。

一緒に倒れてたエマ、こちらは空腹だったんですね。その理由、頼る先もない日本でさまよってたの? とか思えば、違うのか、面倒で食事も忘れるタイプか。ローマでの仕事はパトロンが破産してご破算。その後は、神様に導かれるままにリーチャを追ってきた、いや導かれるままじゃないよな、しっかりものだよ、この子。こうしたディテールの積み上げは面白いよね。

ひよりとモモカへの説明パートもよかったですよ。ふたり、普通に受け入れてくれて、そしてエマの身を置く先も決定して、ええ、モモカの家。これ、モモカ、嬉しかったりするんだろうか。ちょっと張り切ってるように見えるの、なんかよかったなって思えて好感触。またモモカの家に飾られた彫刻に興奮するエマ。鼻息荒くしてるのもまたよかったです。

『海色マーチ』

朝、ベッドから出ようとした途端にすっころぶあまね。どうした、水族館が楽しみすぎてこけたのか? 捻挫か? 運悪いな。とか思ったら、そうか、フィン、足ヒレつけて泳いだ、その筋肉痛でえらいことになっとるんか。珊瑚との待ち合わせ場所に辿り着くのさえ大仕事。今日はもう無理じゃない!? と思うも、いや頑張るんだ。よかった。こんなとこでリタイアとかつまらない。珊瑚に肩かしてもらうんだけどさ、珊瑚から海の香りがするって、そうかやっぱりこういうの気持ち悪いのか。珊瑚、鳥肌たつほどでしたか。

姫との待ち合わせ場所。姫の後輩ってあまねが対決したあの子ですよ。変な先輩扱いされてるあまね、ちょっとひいてる後輩ちゃん、珊瑚の介入も面白くって、やっぱりいい個性が集まってるなあ。

水族館でのいろいろもよかったです。案の定あまねが大騒ぎで、そして珊瑚も結構釣り込まれてたのが意外、こうして日頃見ない雰囲気感じられるの、やっぱりいいですね。そして後輩ちゃんとも打ち解けてきて、ええ、今後の関係にも期待できそうですよ。

後輩ちゃん、古城ひなた。あまねと名で呼びあう関係になって、ちょっとドキドキしてるあまねがいいですね。踏み込み度合いで負けてるって、なんか珍しい。そして珊瑚とも名前で呼びあうようになって、なって? なった? え? キャンセル? どうなるんでしょうね。次回、名前で呼んでたらあまね大勝利ですね。その勝敗のゆくえ、超期待です。

2020年1月10日金曜日

『まんがタイム』2020年2月号

『まんがタイム』2020年2月号、先日の続きです。

『良倉先生の承認欲求』

ほんと面白い。今回初登場の美術教師。若くてイケてそうで、生徒からも人気ありそうな上枝先生。なんと、この人もぶんちょー紳士の秘密を知ってるのか。半年くらい前にバレてしまってましたか! しかも、この人、ひとりでかわいい店にいけない良倉先生にひっぱりまわされてるんだ。すごいな、こいつは面白くなってきたぞ。

上枝先生の良倉先生への対応も面白くって、嫉妬モンスターとか呼んでるし、しかもその理由、SNSのフォロワー数、上枝先生の方が多いからなのか! なるほど、上枝先生、兼業イラストレーターで、しかもイラストの人気、結構あるのか。星畑に上枝先生のアカウントを教えさせないのも、露出度高めイラストがあるから、じゃなくてひとりでもフォロワー増やしたくないから! すごい、すごいよ良倉先生。もうなにも隠そうとしていない。あらわすぎるよ!

でも、こんなでも良倉先生が嫌われないのがすごいですよね。なんというか、この人、可愛げがあるんだよなあ。散々わがままっぷり発揮したかと思ったら、自己嫌悪でヘコむじゃん。そんなところが可愛げなんだろうなあ。あと、度胸がないのね。かわいい店にひとりでいけないっていうの。星畑に頼れない時は上枝先生に頼ってたっていうの、ほんと、良倉先生、ツンデレなの? しかも店でも傍若無人。上枝先生とカップル並び。居心地悪そうな上枝先生とまるで気にしない良倉先生の対比もおかしくって、いやもう最高でした。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

あんまりに皆葉が朴訥少年だったからなのか。最近投入された笹本がいい役割り演じてくれてますね。澄花のお弁当、なんでそこまで頑張ってくれるのか。皆葉はすまなそうにして、感謝してることも間違いなくて、それはいいんだけど、澄花の気持ちはまあ気づいてないよね。そうしたところにいい感じでつっこみ入れてくれてるの、それが笹本。でも積極的に介入しようとしない、そうした距離感は好感持てますよ。

今回のメインは澄花って感じしますね。家で料理作ってるの。お弁当の話題、お母さんは好意的に、対してお父さんは動揺してっていう、この関係。可愛い娘に彼氏だなんて!? まあお父さんは穏かじゃないわけですね。でもそんなお父さん、完全にお母さんに制御されてて、お母さん強いなあ。澄花もいつかはこんな風になるのかな。

お父さん、作曲して生活してるのね。あるいは歌手? その原動力が娘のこととかね、面白かった。そしてちょっと丸くなった澄花。大ピンチ。うん、このいろいろ、思い悩んで、いろんなことに喜んでといった様子、実に魅力的。よかったです。

『瀬戸際女優!白石さん』

SNSに振り回される白石さん。面白いな! それにいろいろと示唆的だ。

これまで気にしたことのなかったSNSでの評判。けれど知ってしまったら意識しないではいられない。劣化したとかね、好きなこと書かれてね、まあ面白くないわけで、好きだ、よいねといってくれる人があれば、嫌い、下手、悪くいう人もあって、意見はいろいろってことわかってても気になるもんは気になるんだ!

わかるー! いやほんと、白石さん、あんまり思いつめないで!

今回、白石さん、いろいろ裏目だったけど、真島監督と会って話して、艶っぽい話にはまったくならなかったけど、白石さん、気持ちが好転したのよかった。ああ、次回は白石さん、挽回の時ですか!? のびのび、楽しそうに仕事に取り組んでるとこ、それが気持ちいい人だから、活躍するの期待しちゃいますね。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

カメラがまわるといろいろ頑張れちゃう琴音。スケートリンクでくるくるスピンしながら天気予報をお伝えって見事だな、すごいよ。

気象予報士の試験を前にして勉強に打ち込む琴音。その原動力、おばーちゃんとの再会、そしてパフェなんですね。でも、そんな琴音に気になる電話。ええーっ、おばーちゃん、手術なの!? 死んじゃったらどうしようって気持ちが揺れちゃって、仕事にも身が入らなくてっていうの。

けれどそこで見せた琴音のプロ意識。意地ですね。ずっと下がり眉だった琴音が、きっと眉尻あげて、続けて仕事への決意を口にするその流れ。この子の頑張り、それがもう痛いほど伝わって、またそれを受けての牧の言葉。ああ、自分の後悔、過去のこと思い返して、そこに琴音の思いを自身にぐっと引き付けて、その上で発されたあの言葉ですよ。琴音もぴしっと気合いみなぎって、ああ、このくだり、素晴しかったです。

結局は取り越し苦労ではあったんですけどね、でも肩透かしだなんて思わない。なにごともなくってよかったなあ! ほんとにそう思いましたよ。それもこれも、琴音のおばーちゃんが好きという気持ち、それがしみじみ感じられるからでしょうね。ええ、いつまでもおばーちゃん元気でいて、琴音の頑張り見てくれたらいいなあって思います。

2020年1月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2020年2月号

 『まんがタイムきらら』2020年2月号、発売されました。表紙は『奥さまは新妻ちゃん』。初詣の情景ですよ。おみくじで小吉、それを振り返りながら見せてくれるその姿。おお、見返りの美人ですよ。落ち着いた着物姿もシックで素敵。ボカされた背景に浮かびあがる新妻ちゃんの、しっかりピントがあっていながら、くっきりしすぎずやわらかに背景に調和するような描かれようも、やさしくて、大変きれいで結構でした。

『星屑テレパス』

遥乃の秘密基地、灯台の地下だったんだ。遥乃の祖父が灯台の管理をしていた。その関係で、この秘密の部屋のことも知っていて、鍵も預っていた。ああ、これからはここがユウや海果、遥乃の活動拠点になっていくってわけですね。

ここからは皆で買い出し。必要な資材買って、お店から廃棄ペットボトルも貰ってと、ここで遥乃が大活躍するんですね。コミュニケーションに長けた仲間がいるの、いいなあ。と、ここで出会ったペットボトル大量回収してるお姉さん。お、この人、ペットボトルロケット作ってたりするのかな? なんか今後かかわってきそうな雰囲気ですね。

そしてここからは皆で遊ぶっていうんですが、いやもう楽しそう。こうして遊ぶのはじめてっていってる海果がしみじみと楽しそうで、嬉しそうで、これは本当によいひとときでした。そして雷門攻略の糸口発見? ああ、海果がいい表情していて、ここからの展開楽しみになる。続く雷門の様子との対照も際だって、期待も高まります。

『スロウスタート』

花名のお母さん、本当に面白い人だなあ。娘を驚かそうと黙ってきちゃったっていうんですけど、まさか合鍵忘れてくるとは。さらには加えて、今日に限って花名の帰りが遅くって、学校で友達と一緒に王様ゲームやっている。ここでのやりとり面白かったですよ。冠女王様の命令でたまてと栄依子が卑屈に振る舞ってる、まさにそのときに電話かけてきちゃって、しかも花名ったらスピーカー通話でうけちゃったから、こちらのやりとりも筒抜け。そしたら娘がね、はなちゃん様、花名様って、様づけで呼ばれちゃってるわけですよ。

そしてこれが続く万年さんの会話に関係してきて、この界隈で花名はVIP待遇なの!? ほんと、この誤解、面白かったです。準備万端いきとどいて、見事に花咲いた感あります。

そこからのトレーナーママさんとかも素敵。そして驚く花名。いやあ、いい表情でした。楽しい。ええ、こうした面白さに、親と子の関係見せてくれて心暖まる、よい話でした。

『さかさまロリポップ』

カラーがきれいだなあ! ふんわりとやわらかな色合い。コマの枠線も色つきで、緑と赤が交互にくるの、こんなの見たことないよ! いつもの原稿に色がつきました、っていうんじゃなく、もう根本から違ってきている。工夫だなあ。ほんと、これ、カラーで見られる機会、本当に貴重だと思います。

さて本編。柚希たちの調理実習風景。ここでの柚希大活躍ですよ。そうでした、この人、料理やお菓子づくり、うまいんでした。妹、詩月に頼まれて作ったおやつ。不評だった時代があって、工夫と努力で克服してきたそのくだり。ああ、柚希の調べて試してついにたどりついたってとこ、あれ、すごくよかったなあ。回想なんだけど、詩月とのやりとりと柚希の努力パート、同じ回想でも表現手法違えてきて、それが流れている時間の違い、時間の質の変化ともいっていいかも、それをしっかり見せてくるんですね。こういう工夫、見せ方、いろいろ、うまいと思います。

今回は他にも、芽依が語る詩月のよさ。あのコマ! 面白い。ここもまたなんか時間の流れというか質というか、違うと感じられますね。照れてなかなか口を開かなかった芽依だけど、一旦口を開いたらこんなにも滔々と言葉が流れ出す! いやあ、圧倒的でした。面白かったです。

『むすんで、つないで。』

ああー、どうしても大人の視点で見てしまう。いや、それはこの漫画にそういう視座がすでにあるんだと思う。小学生の視座、高校生の視座、教員の視座、親の視座。それが多層をなして、けれど重なりあって一緒になって、その自在さに荒井チェリーのたくみさを思うのです。

ものぐさが極まってるつなぐのところにやってきた路歌。花ノ子と苺の担任の先生で、その人が花ノ子の友人、同級生で幼馴染みでお隣さんであるつなぐに悩みを吐露する。こういうところ、なんかぐっときますよね。大人だって悩んでいるんだ!

それだけに、小学4年生組の楽しそうにしてるところがもうほんと見るだに嬉しく思わされましてね、ああ、この子たち、こうして元気にしてくれるだけでもうなんか満足しちゃうよなあ。とか思ってたら、やっぱり苺だけちょっと違うぞ? お土産のチョイス、その気配りというのか気を使うところ、いろいろ細やかだよ? とはいえ、ちょっとつなぐについては見誤ってましたけど。いや、だって、つなぐ、ものぐさがすぎるんだものなあ。

小学4年生と一緒に遊ぶ高校生のつなぐ。大きくなった時のこと話す花ノ子を見て、その時、自分は何歳なのだろう。この描写に、ちょっと距離を感じたんですね。花ノ子が帰ってきて自分の時間も動き出した。その表情はやわらかで、ほっとさせられたのですが、けれどこの一連のモロノーグ、まるでつなぐがもう花ノ子と同じ時間にはいないということも感じさせるようなところあって、この一抹の寂しさよ!

なんて思っていたら、おお苺よ、みんな同じだって、それぞれちょっとずつ違いがあるけど、同じ小学4年生なんだっていってくれて、これ、もしかして一番の年長者であるこの子、つなぐの寂しさを感じとって助けてくれたのか?

みたいに思わせてくれるところ。異なる視座の重なりとそれがまじわり一緒になる……。素敵な瞬間だと思いました。なんだか胸がいっぱいになったのです。

2020年1月8日水曜日

『まんがタウン』2020年2月号

『まんがタウン』2020年2月号、先日の続きです。

『平日休みの堀出さん』

年末年始働きづめで、休みがとれても実家を巡って終了。そんなふたりの遅ればせながらのお正月。って、もう1月も中旬ですか。このマイペースさ、時節に追われないというのはむしろ魅力的ではあります。

とはいえ、正月らしいことはやるのか。初日の出見にいって初詣して、とわりと普通の正月のイベント、そう思ったら、おみくじで全運勢コンプリートするために神社めぐりって、また普通じゃないことやってるし! その発想がものすごい。すなわち作者の発想力でありますなあ。

今回は自宅シーン多いですね。駅伝見たりタブレットで書き初めしたりと、正月気分盛り上げるのに頑張ってますよ。そして宅配のお兄さんとのあのやりとり、これよかったですよ。大変ですね元旦から、この言葉の意味、そうかそうともとれるわけか。こうして頑張ってくれてる人が世界を回してる、誰かのお正月を支えてたっていう妻の言葉もいいじゃありませんか。ええ、この漫画はお休み満喫する話だけど、そこに働く人の頑張る姿なんかも見えるところ、それが厚みになっていましたよ。

『ママはパートマスター』

おお、久しぶりです。好きなんですよ、『ママはパートマスター』。シンプル、わかりやすい、コミカル、チャーミング。こういう漫画がしっかり掲載されるところ、それはこの雑誌の価値だと思う。頼りにしていますよ。

久しぶりの今回も、その面白さといいましょうか、漫画の見せ方は変わるところなく、ちょっとナンセンスで、おかしみがくすぐってくる、そういう楽しさを提供してくれて、ほんと嬉しかったです。このちょこっと読めて面白い。どこから読んでもわかりやすいという漫画も好きなんですよ。ええ、堪能いたしました。

『部長と2LDK』

部長、いい感じにふりまわされて、やわらかくなっていっていますね。買うものリスト作っている部長に、気分で欲しいもの申請する菜々ですよ。必要性をプレゼンせよといわれて、微妙なカタコトアピールするおかしさ。でも、ベッドのよさ説明したらちゃんとわかってもらえて、よかったじゃないですか。菜々さん、プレゼン成功ですよ。

その後のお風呂のくだりも面白い。菜々の持ち込みバスグッズ。アヒルやらカエルやらがあふれかえる空間になってしまってる風呂。部長はもう唖然って感じなんですが、けど実際入ってみればかたくなさも溶けたようで、水鉄砲を便利とかいっちゃってるところとか、打ち解けた感あって大変よかったです。

そして風呂あがりの部長。めちゃくちゃ可愛いじゃん! と思ったら菜々も同意見なのな! と思ったら、菜々の髪がすごい。ここ、風呂あがって、スッピンになって、普段は見せない姿見えてきて、これふたりの距離、一気に縮まった感ありますね。あるいは心の垣根がとっぱらわれた感。よいわ、楽しいわ、魅力的だわ。

この距離感、菜々の驚きの踏み込み力、それあってのことかも知れませんね。まさか隣りあって寝るとかね。さらには恋バナから昔のアニメの話になって、ああー、この会話の様子、上司と部下とかじゃなくて、まるで同級生じゃん、友達同士じゃん。いやもう、ぐっときました。たまりませんでしたよ。

2020年1月7日火曜日

『まんがタイム』2020年2月号

 『まんがタイム』2020年2月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』をメインに、フィギュアスケートですね。ドーンと中央に部長代理がポーズをつけて、その周囲に『六畳一間の憑き物石』こいしが、『俺のベッドはヨーコのもの!?』陽子が、『花丸町の花むすび』花子が、華麗なフィギュア衣装でもって舞っているというのですね。ジャンプ中の陽子、スパイラルをしている花子。こいしは一番ニュートラルな感じ、けどこの人のこういう姿、ものすごくレアだな。とてもきれいで魅力的。ええ、いいイラスト、素敵な表紙です。

『ローカル女子の遠吠え』

秋津さんの奇行。これなにごとかと思ったら、女子から降りようとしてるのか。そうか、女子でいるっていうのは大変なんだな。でもこの人は、そういったものから解放された時が一番魅力的になると思う。無理におばさんになんてならなくても、女子であろうとしないでもいい、みたいなそんな感じ。

そして今回の秋津クッキング。新境地じゃない!? アップルパイ作るんだけど、りん子や江崎の前であの奇行、やっちゃってるんだ。りん子がひいてるのもすごいんだけど、自然体で受け入れてる江崎もまた怪物級じゃない? そして今回のはっちは必見。楽しそうにインテリア工夫して、ニコニコして、りん子に見事に伝わらなくてふくれて見せてっていうのね、おお情感が豊かだ。素晴しかったです。

しかし今回珍しかったの、狼狽したり雲春の指摘に大ダメージ受けたり、そんなりん子の姿見られたのも面白かった。いや、わりとこの人、狼狽したりダメージ受けたりしてますけど、今回はなんか特別なダメージ感ありましたよね。

『六畳一間の憑き物石』

新婚感に浮かれるこいし。この人、人? ともあれ、この人、瞬のこと大好きよねえ。同居して、浮かれて、けどあまり関心持ってもらえないことが面白くなくてっていうの、これ全部亜依に聞かれて、興味津々深掘りされて、その時々のこいしの変化、うろたえよう、これは本当にチャーミングでした。

そんな話題のさなかに、こいしの来歴がわかりそうな情報が差し込まれたりね、瞬がこいしの石を持って帰ってきてしまったあの日、あの夜、その飲み会に亜依も参加しとったのですか。なので、その時の会場、帰り道が推測できたら祠の場所もわかるかもしれない……。

と、そうした解決? の道筋示しながらも、今回一番のトピックはやっぱりこいしの恋心なのだと思う。けど、瞬にはまるで通じないよねー! よほどアクロバティックなことするとか、よほど衝撃的なことあるとかしないと、この関係の進展はなさそうで、こいし浮かばれませんな。

『ハニトラなんか怖くない!』

冒頭から山田さん、輝いてるなあ! 綾小路から興味を持ってもらえたことが嬉しい模様。でも、綾小路、小心者だからプライベートなこととかよう聞けない。まあ部長に釘刺されてる事情もあるからなあ。世間的にもこのへんいろいろ厳しいし。

そんな綾小路の次の展開。ああ、水木部長、いろいろ世話焼いてくれていい人ですねえ。単純に面白がってるようにも見えますけど。今回は折り紙手紙で気持ちを伝えます。いや、気持ちは伝わっちゃいないな。端的にいって質問事項だ。折られた手紙広げる過程で、山田さんが好きが出てくるのいかしますよね。それだけに絶望もまた深そうではあるのですが。

しかし今回、山田さん大失敗。折り紙手紙で凝りすぎて、尋常じゃない複雑なの作っちゃったかあ! 綾小路ちゃんと開けなくてビリビリにしちゃったんだ。その手紙に書かれていた好きな相手っていうの、綾小路のことなのかな。よもや違ったりはあるまいな! わからん、どんな展開くるかわかったもんじゃない! でも、このふたりはじわじわでもなんか進展してるところあるようで、水木部長も満足されるのではないでしょうか。あの手紙の折り方教えたい水木部長、めちゃくちゃ可愛かったですよね。

『茨城ってどこにあるんですか?』

ああー、多恵ちゃん、大ピンチなの? 筑波山からの夜景、鈴子を誘って見にいくことになったんだけど、なんと、森戸がいない。なぜか。森戸抜きで鈴子とふたりきりの状況作りたかったのか!? などなどいろいろ思ったら、あー、ケンカなんだ。と思ったら、多恵が一方的に決めつけて逃げてきちゃってるだけじゃないの!

一緒に筑波山スターダストクルージングにいこうと誘うつもりではいたんだ。でもクラス上位階層の子から原宿にと誘われてる森戸見ちゃって、森戸が答える前に原宿いくと決めつけちゃってるのね、これ多恵の価値観もあるんだろうなあ。この子の中に、原宿いきを誘われて断わるという選択肢はきっとないんだ。それで森戸もそうに違いないって思い込んじゃってるんだな。森戸の一番はいつだって多恵なのになあ!

そんな森戸の大逆転、あれはすごかったですよね。展望台で待ってるんだよ? これ、ストーカーかなんかかと思った。多恵の動向、調査把握とかしとるのかと思った。でも違うのか。これ、前からの約束やったんか! 多恵、ギリギリセーフだったんか。でもほんと今回、森戸がどれだけ多恵のこと大切に思ってるか、そしてまた多恵にとって森戸がどれだけ大切な友達であるか、それがよくよく見てとれて、充実のエピソードでした。

また、森戸が可愛い。というか美人よね。みんなチャーミング、魅力的なんだけど、今回はいつも以上に森戸の魅力が描かれて、大満足でありました。

2020年1月6日月曜日

『まんがホーム』2020年2月号

『まんがホーム』2020年2月号、一昨日の続きです。

『うちの可愛い掃除機知りませんか?』

やる気出してる透の逆八の字眉、いいですよね。やる気空回りしないかな? そんな心配もしたけれど、なんとかケーキも作り終えて、けど、妹十萌の求めているもの、そこにすれ違いはあったっていうんですね。

アプリが、役立ったり役立たなかったり、この微妙というか絶妙な立ち回り。以前聞いていた十萌の本当に求めてるもの、それを調理中の透に伝えようとするも掃除機としての自分の本分を前にしたら全部すっとんでしまったりね、けど透の作ったケーキを前に自分の気持ち押し止めた十萌には、はっきりきっぱり自分の気持ちをいうよう指摘するの。なんでそこでそれいっちゃったかな! でもこれがあったからこそ結果ふたりの思い、それがしっかり噛み合うことにもなったんですよね。

透に一瞬よぎった、アプリや智枝には気持ちを伝えられた十萌が、実の姉である自分にはなにもいってくれないという絶望に似た思い。ドキリとさせて、そうしたらすぐアプリが姉透の気持ちをあからさまに十萌に伝えてくれるでしょう? あれ、すごくほっとした。お互い一緒だったんじゃないかって、ふたりして相手のこと思いすぎて、考えすぎて、いえなくってという不器用? でもそれが嬉しかったって思うんですね。ええ、いい話でしたよ。アプリ、いい仕事しましたよ。

『恋はリベンジのあとで』

初回の鬼久保泉のやらかし? いろいろを受けて、今回はやらかされた石田側の状況語られて、ああー、荒れていますよ。ケツ出されたことあったって、しみじみ昔を思い出してふつふつ怒りの沸いてくるというところ。うん、ちょっとわかるように思う。

でも、この石田のフラストレーションは泉との再会や苦い思い出だけでなく、同僚との関係や、仕事上のモヤモヤ、さらには付き合ってる女性との気持ちのすりあわなさ、そのあたりにもあって、そうかあ、いろいろ大変なんだねえ。いろいろが不満で、気持ちの余裕もどんどんなくなるから、さらに次のいろいろも不満。悪い循環にはいってるのかもなあ。

そんな石田の逆転策? ガーデニング趣味の上司に泉の実家の鬼久保花き園芸、同級生の家だっていって売り込みの材料にしていくんですね。はたしてこれが石田の状況を好転させるきっかけとなってくれるかなあ。あるいは、苦手にしている泉との縁を深めちゃわない? とりあえず、人生の転換点になることは間違いなさそう。あの彼女とかどうなっちまうんですかね。

『うちの秘書さま』

届いた年賀状見ている七瀬、いつになく素敵ですね。

さて、七瀬に届いた年賀状。久しぶりに会いたいとの文言見つけて、差出人は男。誰なのか、元彼なのかと不安になってるはじめにですよ、それはきんがしんねんって読むんですよ、思いっきり失礼なこといっちゃう七瀬、最高でしたよ。めちゃくちゃ笑った。

七瀬は基本的にはじめのこと子供だと思ってるんですよね。それがいたるところから感じられて、はじめのこうありたいという気持ちとすごくくいちがっちゃうところ、その面白さ、よく出ててよかったです。

さらには、昔の男? 藤田大和と七瀬が会うというの、メイドから教えられて、山田もともなって見にいってというくだり。膝からくずおれるはじめ、気をきかしてバレバレの嘘をつくメイド、でもってまるで気持ちの伝わらない七瀬と、この次から次へとたたみかけてくるようなおかしみ、もう最高でした。

加えてそこに、あの大落ちでしょう。七瀬、まさかのBL的発想!? ニブいとかそういう次元を超えている。最高でした。ええ、もう、最高でしたよ。

2020年1月5日日曜日

『まんがタウン』2020年2月号

 『まんがタウン』2020年2月号、発売されました。表紙はクレヨンしんちゃんメインに『まんがタウン』創刊20周年をお祝いしようって雰囲気ですよ。しんのすけのシャツのとこにタウン掲載の漫画、登場人物が勢揃い、そんな雰囲気、これもまたにぎやかでよいですよ。タウン20周年、クレヨンしんちゃんは30周年。ほんと、これはすごいこと。節目ですね。おめでとうございます。

今号は新規ゲストが1本です。

『モフモフおじさんとOL』

ヒロイン、いきなりえらいことになってますね。朝、通勤途中からもう泣いてるのん? いったいなにごと!? 大事件!? 聞けば借金、身売りと物騒な話。さらには結構つぎ込んできた? 悪い男に騙されてるの!? 心配して聞いてみれば、んー? なんか違うっぽい? なんとまあ、地元遊園地の閉園にショック受けてたんだ! 園のキャラクター、トロロに執心していて、しかし園がなくなったらトロロはどうなるの? 私の心の支えはどうなるの!?

よっぽど好きやったんやなあ!

でもそれで、職場に派遣されてきたおじさん、登呂さん、みためぽっちゃり、動きもゆったり、その人にトロロを見出して、初対面でお腹モフらせてくださいー!? 登呂さんも困ったはるやんか。まわりからセクハラだっていわれてるの、そらそうだな、確かにそうだわ。このくだり、おかしかったです。

しかし、この出会いからなにかしらの発展あるのかな? とりあえず登呂さんを登呂さんとして好きになるのだとしたら、トロロからの卒業とか必要になるのかな?

『新婚のいろはさん』

ふたりの年越しの情景。独身時代は適当ながらもそれっぽくやってた始。そうか、切りモチ、カップそばにぶちこんでもちゃんとやわらかくなるんだ。でも、それ、そばがめちゃくちゃのびてない? 年越しそばと年明けの雑煮、一度にすませられる時短効率めしなのでしょうか。

いろはのおせちもいいですね。だて巻きカマボコは店売りのを切っただけ。でも上等なの張り込んで、大げさじゃなくていい、お重にはいってなくてもいい、飾り気なく簡素で、けれど気がきいている。このふたりには似合っている、そんなおせちだと思いました。

ふたりのよさは、この飾り気がないところ。こたつでゴロゴロしてるのもふたりらしくって、いやゴロゴロじゃなくてイチャイチャなのか? この気安くじゃれあうように話している、それでもう充足しているというのが、このふたりなんだと。ちょっと当てられながらも、それでもほっとするような安心感がありました。

『レトロゲーとかマジウケる!』

特別編か! これ、もし2巻が出なかったらどこにも収録されずに終わってしまうんだろうなあ。惜しいなあ。面白いんだからぜひとも売れてほしいって思いますよ。

父が会社でゲーム機もらってきたんだけどあげる、友達のえりながいうんですね。全然わからんからっていうんだけど、せっかくだからちょっと一緒に遊んでみないか。美咲に誘われて押し掛けてくるのがよしおじの部屋なのか! すっかり溜まり場になっとるな。しかも、このえりなって子、新キャラなんだけど、以前美咲がRPGでキャラにつけてた名前、そのひとりっていうのか!

今回出てきたゲーム機、ファミコンならぬヒャミコンなんだけど、おおお、ミニHC! そらそうか、今どき手に入れてくるってなると、そらこっちだよなあ! 皆のあの驚きよう。いつでも好きなとこでセーブできる便利さにも驚いて、でも、美咲がよしおじに影響されまくっとるのおかしかったなあ。

このエピソード、すごくよかった。皆で一緒に遊んだらこんなにも面白いんだっていうの、あらためて思い出させてくれるところが本当に素晴しい。ヘタクソな人のプレイ見て面白がるというのもだけど、わかってもわからんでもいいから、一緒に対戦して勝ち負け関係なく楽しんでっていうのが、そうだった、ゲームってそうだわ、根源的な面白さ、そこまでいっていいのかわからんけど、そんな感じのこと思わせてくれたんですね。

最後のえりなと父のくだりもよかったじゃないですか。ほんと、良エピソード。これは皆に読まれてほしい、心底そう思える話でした。

2020年1月4日土曜日

『まんがホーム』2020年2月号

 『まんがホーム』2020年2月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、おでんを食べてほくほく顔のらいかがメインでありますよ。しかしこの子、なにをさしおいてもまず大根からいってるというのがシブいですよ。さすがです。他には火鍋なのかな? 鍋と肉串食べている孔明、月英夫妻。あの吹き出しの炎、なるほどやっぱり辛いんですね! 『2年B組オネェ先生』はすき焼き前にしてバトル感出している浩介と姉崎いやさ宗次郎のふたりです。他に『ヲトメは義母に恋してる』のカラー告知カットもございます。

『孔明のヨメ。』

状況、どんどん進んでいきます。曹操に対抗すべく新野から樊城に移る劉備。その段取りをつけるのが今回のメインなのかと思いきや、曹操、もはや出立か! 荊州討伐がいよいよ始まるとなって、もう猶予のないという状況。新野の城には、樊城に移るなら我々も一緒にと民が押し寄せてくるという始末。さあ、あっちもこっちももう大変といった話なんですね。

今回描かれたこと、どれほどに劉備が皆から慕われ信頼されているか、その人徳と、劉備をめぐる動きをもって突拍子もない策を打とうとする孔明の大胆さ。そのともに尋常でないということ見せて、ああこの帰結はいかなるものとなるのだろう。期待持たせてくれるのですね。

『スナックあけみでしかられて』

スナックあけみ、ちょっとはやめに店をあけたんですね。誰かくるかなあ、なんて思ってたら、会長さんももう稼動してるし、先代のママ、アケミママも手伝いにきちゃうしと、準備万端じゃないですか。買い出しこそはできなかったみたいだけど、なんとかなりそう。あとはお客だけ? とか思ったら、アケミママ、呼び出しちゃうのか。すごいな。

アケミママがビッグママとか呼ばれちゃうの、面白いですね。あけみさんとの区別もついていいではありませんか。その接客スキルもいい。というか、これもまた人徳なのか? 周りが大体やってくれるって、真似できないっていうか、下手に真似しようとしたら大怪我しそうな荒技じゃないですか。

そんなアケミママの見事な接客、飲めない鈴木先生にノンアルコールのカクテルでお出迎えっていうのね、ああ、ここであけみさんライバル心出すんだ。これは仕事上のこと、あるいはもっと違うもの? 後者っぽいですよね。ええ、負けちゃらんないですね。

『天国のススメ!』

今回もまたえらい話だな。というか、草間が導入に便利すぎる。アイドルグループの写真見せられて、どの子が気になる? それで選ぶのが、どう見ても年上も年上、半世紀年上女子ってんだから桜沢もびっくりです。

太一によると、この人は人魚だという。そこからの展開よ! 街で偶然であったその人に、草間、僕のマーメイドプリンセスなんていっちゃうのね。新年からものすごいセリフきましたよね。さらにそこからのかけおち依頼。最初は抵抗した草間だけど、エラにウロコ、ヒレが貰えると聞いたら心揺れちゃうの!? 尋常ではない。この人は普通ではない。ほんと、草間、強烈すぎます。いつもだけど。

最終的には人魚のささなみさん。ご亭主との誤解もとけてハッピーエンドではあったのだけど、そのほのぼのとした人情の機微、そのよさをしっかり引き出しておきながら、落ちがまた草間。もう、この人、抜群ですよね。

2020年1月3日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号、昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

今回は割烹実習。調理実習のこと、この頃はそういっていたんですか。もちろんエプロンなんてなくて割烹着。ええ、唯月の割烹着姿、素晴しかった。今回、カラーページということで、この時代にはありえない水着を唯月たちに着せてみたり、想像たくましい紡。楽しそうでなによりです。

割烹実習は味噌汁とライスカレー。カレーが定番、っていうのは今どきの話で、大正の頃はハイカラそのものですよね。感動しまくってる初野がよかったですよ。

今回、物語の核心に迫るエピソード、そう思っていいのでしょうか。唯月が作った味噌汁、それを口にした紡が、母の味に似ているという。これ、もしかしたら、この女学で習った味噌汁を娘に伝え、そしてそれが紡に伝わった、そういうことでいいのでしょうね。いい?

こうしたほのめかし、以前にもあったと思うのですが、唯月と紡が血縁である可能性。けれど、今回はそういったこと抜きに、紡が唯月にかけた言葉、本当の家族にあえなくても、唯月がいれば寂しくない。この味噌汁が、私と唯月という家族の味だという、その気持ちのつながりの見えたところ、胸にじんと感じるものあって大変によかったです。

『魔王の娘からは逃がれられない』

ルル様の誕生祭。いつもはルル様大暴れって感じのイベントだけど、今回は召子の意見取り入れてプレゼントお渡し会になって、じゃあ平和なのかと思いきや、全然そんなことないのな! 参列者がやたらと物騒。はぐれた召子がであったアンデッド? 魔獣? きらら誌とは思えぬ画面の黒さ。書き込みようがなんか異質で笑いそう。でもって彼らがまた物騒。なにかあったら喧嘩なのかい? いやこれくらいじゃないと、ルル様大暴れイベントには耐えられんよね。

召子のプレゼント、自分のものと同じヘアピンを贈ったっていうのね、おお平和的! と思ったらそれも魔剣になるんか。ここからの大暴れイベント突入もおかしかったですが、ルルからのお返し。この顛末がよかった。そうか外れないか。中二感溢れる髪飾り? さすがにこれつけて学校いくのは召子にしても恥ずかしいのか。その様子、見ててニヤニヤさせられましたよ。

『あやしびと』

自分の正体に迫りかねない裏返サカサを対策すべく校長に相談するアヤ。いきなり弱みを握って脅そうとか、たしかにみぞれがいうように物騒なんだけど、これくらいじゃないとこの環境を生き抜けないのかもなあ。いやいや、妖人のみんな、なんだかんだでフレンドリーだよ? アヤ、やっぱり過剰防衛がすぎますよね。

今回、アヤのとったサカサ対策。それもまた酷くって! 黙秘権行使するとか話しあうとか、校長が出してくれた穏当な案、全部ふっとばして結局セクハラに訴えるっていうのな! しかしこの妖怪セクハラ娘、無言作戦とってた時にサカサがいってたカイナデ、それとそんなに違わないよね。尻なでるか胸もむかの違いだけじゃん。しかも、サカサの正体詮索、対抗でセクハラできるならそれもまたよしみたいなこといってるし。やっぱり物騒すぎるよ、アヤさん。

サカサは天邪鬼、そのせいもあって友達いなかったのか。でも、なんかアヤが友達になるってね。この今まで出会ってこなかったタイプの子、サカサの前だと、アヤもなんだか生き生きと伸び伸びと地を出せてるみたいで、これはこれでいい感じじゃん。しかもラストでサカサ、アヤにクリティカルヒットきめてるしね、ええ、結構対等な感じでやってやられてやりあって、いい友達になれそうで、これはいい出会いでした。そう思えるところが本当によかったです。

2020年1月2日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号、昨日の続きです。

『アニマエール!』

新人、有望というか、個性的なチア部の面々に全然負けてないのがいいですよね。チアについては見様見真似で覚えたから用語がさっぱりわからないとか。加えて実にマイペース。最初の触れ込みどおり、自分の漫画が大事なの、それが最前面に出てるのがいい。

今回のメインは生徒会なんですね。抜けた副会長の座をめぐって争う書記と会計。このふたりもまためちゃくちゃ個性的なのな。ふたりともに会長のこと好きすぎる。それではいけないんじゃないかって指摘する花和とか、さらには遠隔でつっこもうという虎徹の離れ業とかね、面白かった。

問題解決につながるアドバイスしたひづめとね、その後の照れた様子とかね、たまらん! ってのよくわかる。そして問題解決。ほんと、会長たちがよいのならこれでいいのかな!? でもってずっと静かだった兎和が落ちをつけていくのね、うん、マイペース。いい感じです。

Aチャンネル

三年生が修学旅行で不在なので、その隙に二年生組、お泊まり会ですよ。お母さんにお願いするトオルが可愛いですよね。喜ぶユタカも素晴しい。で、ユタカ、ミポリンにしめおとされるのん?

今回、細かいネタも面白くって、脳内のユタカとか、炭酸が可愛いっていって実はトオルのこと撮ってたとか。策士ミホもいい。トオルの傾向もいい。ええ、この子らの仲よさそうにしているところ、ほんと見ていてよかったです。

2020年1月1日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号、先日の続きです。

『RPG不動産』

落下するファー、危機一髪のところに琴音の助けが入って、ああトトとペガサスのシロに助けを求めたんだ。もしかしたらこれからの展開、これまで琴音たち、RPG不動産の皆が頑張ってきた結果が見られるのかも知れない。個性的なお客さんたち。その個性が生きたりするんでしょうか。

自分を責めるルフリア、その姿も泣けました。こうしてルフリアもラキラもファーのこと追って、これがファーの、あるいはドラゴンにまつわる問題の解決に繋がるのだとしたら、熱い展開ですよね。

そしてドラゴンはというと、圧倒的な強さ見せつけて、これほんとどう決着させられるのだろう。実はモンスターとも話せるファーの存在が解決の道を作ると思っていたのですよ。実際、そういう展開見せて、けどその道が一旦は閉ざされてしまうというね! いやもう、このクライマックス感。ものすごかった。ほんと、この漫画にこんなダイナミックな展開あるなんて、まったく予想していませんでした。見事に心持っていかれています。

『恋する小惑星』

きらチャレ初日夜の観測。小惑星を探すにあたっての基礎知識、それがポンポンとテンポよく提示されるんですが、その気持ちよさ! 参加者のひとりがちょっと詳しくないことで、専門家の説明が、みらたちによってわかりやすく噛み砕かれて、これはいい塩梅だったと思いましたよ。

そしてこの子、飛鳥がいることで、あおが蚊帳の外にならない。みらと史穂がコンビ組んだみたいになっちゃったでしょう。だからひとりじゃ嫌だって、あおのこと引っぱってくれて、よかったよ、おかげであおが部屋のすみにひとりぽつんとい続けるみたいなことにはならなかった。

しかし、今回は小惑星観測の実際解説されて、これだけでももう面白いのに、前のめりにぐいぐいいくみらとかね、すごいよね、こっちもひっぱられる。そして先生たちの思い出語り、これもまたよくって、ああ、夢に、目標に向かって頑張ってる、そんな姿はいつだって魅力的だ。それはつまり、今のみらやあおたちも同様。そして翌朝のみらとあお、違う場所で同じ思い抱いているというの。ああ、これこそがこの漫画の本質なのかも。そう思わされて、じんとしました。

『mono』

ほんと、この漫画、『ゆるキャン△』の対、というか裏だと思う。

キャンプ場にて落ち合えば、みんながだらだらごろごろやってるの、これだけ見れば『ゆるキャン△』でも同じような場面あって、似たテイスト感じとったりするんですが、この後がですよ、もう大変なことに!

上高地のレストラン、食堂の類がことごとく店じまい。そうか、夕方には閉まっちゃうんだ。18時営業終了。はいいとして、15時ははやいな! あのうなだれる面々、遠目に抜いてるのがね本当に面白くって、その後の残念夕飯披露も最高。翌朝のドタバタもね、余韻とかもう全部ぶっとばしてくれる! ああ、この味わいよ! もう面白さの方面に全振りなのかい?

しかし今回も面白かったなあ。ハイキングをキャンセルしてだらだらすることになったあのエピソードもね、なんか含蓄あるっぽいんだけど、ほんとに? みたいな感じもあって、この人を食った感。うん、これこそがあfろの本来の味に近いように感じられて、いや、でも『ゆるキャン△』も間違いなくこの人の手跡、味なんですよ。ああ、この幅よ、この多様さを味わうことができるの、本当に贅沢だと思います。