2020年1月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年3月号、発売されました。表紙は『SA07』。物思いの茉愛ですよ。勉強中? 机に肘ついて頭を支えたそのままに、眼差しをこちらにふっと向けてくる、その仕草、悔しいが可愛いな。まさかこの子があんなにヤバいキャラだとは! この絵だけではわかるまい。そんな雰囲気ではあるんですが、実際この子、いろいろ落ち着けばもっと魅力的になる、そんなポテンシャルある子だと思う。癖は強いけど決して悪い子じゃない。そんなこの子のよさ、もっと出てきたらきっともっと好きになる。そんな予感がある。その予感を下支えする、そんな表紙だと思います。

今月は新作ゲストが2本です。

『ココロフレーミング』

美術もの? なんだけど、額縁にフォーカスしてくるの、面白い目のつけどころだと思いました。

美高に通っているお嬢さん? その子がクラス展に用意した絵が、独特の雰囲気こそあるのだけど教師受けがとにかく悪くて、独創性のマネごとだ、独りよがりだといって、もう散々ないわれよう。しかし、ちょっと教師、悪辣すぎやしないか? 最後の校長の登場、そこでギャフンといわされるところまで含めてのこのキャラクターなのだと思うけれど、それにしても怖ろしい。

自分の表現したいものはあるけれど、いわれたことに面と向かって抗弁できずにいたこの子。けど、譲れない気持ちを絵にして仕上げて、そしてそこに画材店のお姉さんのサポート、一緒に額縁を見立てることで、気持ちも定まり、より強くなっていくっていうんですね。

絵に描いたもの。不安を優しく包んでくれる好きな人のイメージ。その人こそが画材店のお姉さん。一緒に選んだ額縁が、まさに絵を優しく包んでくれた。そのことがまた彼女の支えとなって、高圧的な教師にも、しっかり自分の言い分いえるようになった。

抱擁、額縁が、お姉さんが支えとなって、絵もヒロインも力をつけていく。テーマをしっかり重ねてきてましたね。

『彼女のスキは伝わらない』

学校に好きな人がいる。けれどその人の前では全然素直になれなくて、憎まれ口ばかりきいてしまって……。でも、それにしてもあんまりにあんまりな態度じゃない? 好きとはいえないまでも、あえてわざわざ大嫌いとかいわなくってもいいのでは?

みたいに思ってたら、まさかの呪い! かつて先祖が神の怒りを買ってしまって、かくしてあまのじゃくの呪いをかけられてしまうはめになった。この呪い、子々孫々にたたるのか! 呪いは常に発動するわけじゃなく、このヒロインで100年ぶり。それでそろそろ許してもよいだろう、神使がつかわされてきたというんですね。

この呪いを解くには、彼女の好きな女の子と両思いになる必要がある。というんですが、それができたら世話はない。この呪いがために、ただでさえハードモードなのがナイトメア級じゃないか。ここで手を貸す神使。神の使いってからにはさぞや有能なのではあるまいか、期待するもあんまり役にたってないんですけどね。

それでも不器用なあまのじゃくヒロインの気持ち、意地悪されてる女の子もちゃんとわかってたっていうの、それが示されるところに未来の明るい展望感じさせていい落着だったと思います。でもって、人情の機微をつかめない神使が言葉のまんまに受け取って、悪口いってましたよって伝えてくる。この落ち、なかなかに面白かったですよ。

『SA07』

まさかのガンプラ回! いやね、作者がTwitterでガンプラ描きたくて権利者から許可とってもらったっていってるの見ましてね、マジかーっ! ガンプラ回かーっ! ええーっ、それいったいどんなの。めちゃくちゃ楽しみにしちゃってましたよ。

でもなんでガンプラ? と思ったら、そうだった、そうだった、みんなで秋葉原いくって流れだった。秋葉原といったらガンダムカフェ。そうなの? よく知らんのだけど、ともあれ宮田がふらふらと吸い込まれていって、店内狭しと積み上げられたガンプラに大興奮。しかもここからのガンプラトークが濃い! 自分でもわからん! ええーっ、MGバルバトス、エイハブリアクターが回るん? って、エイハブリアクターって露出しとったっけ? さっぱりわからん! ガンダム見てて、オルフェンズも見てて、ガンプラも作ったことあって、それでもついていけないガンプラトーク。けど、このついてこれるやつだけついてこーい! ってなノリは面白い。むしろ、このわからなさにワクワク、ニヤニヤがとまりませんでした。

そしてここからの展開も面白い。まちかもガンプラ買います! どんなの買うのかな? いろいろ予想してたの思いっきり裏切ってくる展開な! R・ジャジャとバーザムからの二択。ここのテキストの圧! もう、めっちゃくちゃに面白かったんだけど、これ、ほんと、ついてこれるやつだけついてこーいだよなあ! そしてさらりと出てくる、俺はギャン子推しの男。笑いがとまらないよ!

しっかし、ほんと面白かった。なんだ、この熱量。でも、ただのガンプラマニアトークだけでなく、帰宅する途中のまちかと宮田の対話とか、なんかしみじみと心の伝わる、そんな雰囲気があって、なんだろうなあ熱狂を過ぎて静かに落ち着いた気持ちが優しく触れる。とかそこまでいっていいんかわからんけどさ、恋とかなんとか関係なしに、まちかと宮田の関係の、少しこれまでとは変わったのが確かさもって伝わったと思われて、それがとてもよかったと思うのですよ。

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