2011年9月30日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年11月号

『まんがタイムオリジナル』2011年11月号、先日の続きです。

『うわさのユーレイちゃん』。おお、本当に噂になっちゃったよ、幽霊じゃなくて妖怪扱いなんですけど。しかし、ユーレイちゃん、物理干渉できるんだ。荷物を運んでいた女子生徒ふたり。重い重いといっていたのが急に軽くなったら、それがユーレイちゃんだ! って、あの喜ばれたことを喜んでるユーレイちゃんが可愛くて、けど妖怪扱いでショックを受ける、あの表情。かつてない表情。いいなあ。あの、先生のはげましも届かないほど。ほんと、今回は最後のオチまで見事でした。ほんと、いい表情なさってる、そう思います。

『ぎんぶら』、若竹が弱くて弱くて最高だ。まったく余裕がない、ちょっと脅されたらすぐ屈する。だらしないというよりか、人間らしい、そんな感じがします。しかし今回の目玉は黒田さんでしょう。若竹にミッションを押し付けた人。この人が尋常でなかった。バイタリティあるなあ。そしてミッション内容。絶対黒田氏の個人的ななんかだと思ってたから、これは意外。なんかちゃんとしてるじゃん。いや、そうでもないのか? 幸福度調査は別にダミーでもなんでもなく、けど今回の話、確実にひとり不幸になってるのが笑えます。可哀そう!

『さくらこRule』、ゲストです。予備校生不動ひかるの暮らす下宿先? の大家さん、塩谷桜子はひきこもり。とはいっても、自分の生活にかかる分、それはもうしっかり確保した上での悠々自適生活。いいなあ、こういうの憧れるわ。やりたいことしかやらない。好きなことをして暮らすという、一種夢の生活であります。ほんと、これは理想だわ。かくありたい、そう思わされる漫画ですよ。

『お茶の間クエスト』は、なんと意外な話。インドア派の代表みたいな人が運動してるっていうんですよ。いや、まあ、インドアでなんですけど。食欲の秋で太った。って、読書も芸術も全部ゲームがらみか。いぶきに顔がパンパンといわれて、仕舞い込まれていた体動かすゲームに復帰したっていうんですね。しかしアリサ、遊も憧れる、そんなスタイルだったのか。普段勇者の格好ばかりだから気付きませんでした。なんかすごく不思議な感じですよ。で、あの万歩計を使った裏技。あんなのできるのか。すごいな、考えたこともありませんでした。しかし本当に面白い。エンディングがないからやる気が出ないは、ああよくわかります。で、早解きゲーマーが死ぬとか、いや、ほんと、こういう細かなところ、いい味、切れ味、とてもいいですね。そして一ヶ月後。胸しぼんだでギャーッですが、いやいや、それでいいんですよ。ほんと、それでいいんですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第11号(2011年11月号)

2011年9月29日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年11月号、昨日の続きです。

うらバン!』はついにコンクール当日ですよ。これまで、目指すは金賞と頑張ってきた。そんな彼女らのコンクールは、どういう結果に終わるのだろう。ええ、残念でしたね。でも、正直こうなるように思っていて、実際、そんなに甘くはないよね、そうは思ったのですが、無我夢中での演奏、それが本当によいものだったというのは本当によかった、なによりだったと思ったのですね。あの、状況がよくわからなくなって、千夏に謝りながら演奏をするという場面は、胸に迫りました。たしかに、ステージではああした乖離感、得ることあります。ああ自分は無力だな、ちっぽけだなって、そう思って、音の遠くに消えていくのを聴いている。あるいは、まるでそこに自分はいないように、遠くから高くから他人のようにして聴いている。ああした不思議な感覚は、一種独特のもので、そこに感動があり、また自分の腑甲斐なさを思えばこそ、もっと頑張ろう、そう思えるんですね。いい話だった。演奏するということ、それがよくよく表現されてた。ステージに立つ、そうしたことがよく伝わる話だったと思います。

『セカイ魔王』、アルシャも、それから先に襲われてたおっさんも、どっちも無事だったんですね。そしてここでマオがアルシャから離脱。魔王が魔物というものを知ろうとしているっていうんですね。しかし、なんとも平和的な魔王ではありませんか。かくしてマオはニッカに接近。ニッカも気にしていた黒い光、この正体を教えれば、ああ、やっぱり魔王っていうのはそういう存在なんだ。けどこの漫画、魔物が妙に庶民的。これからアルシャがどう育っていくのか、それはわからんけれど、この魔王と魔物たちなら、ゆきつく先は平和かもなあ、そんな気がしてナイスですね。

『ひなりな』は、8月号以来ですね。梨菜のことが好きな陽菜。もうほんと、この人は梨菜のこと以外はどうでもいいし、興味もやる気もない。すみれに悪寒、はづきに失礼、ほんと酷い。けど、ひょんなきっかけから書道部に興味を持って、って、梨菜が書道部に入り浸ってる、それだけの理由なんだけど、これで結構ちゃんとした書道ものになったりするでしょうか。いや、ならんだろうなあ。でも、こんな理由からでも書道あつかって、少しでも部のことで話が動いていったらいいかもなあ。なんて風に思ったんですね。でも、あと3ヶ月で3年は引退とかいってますから、ほんとどうなるんだろう。気になる終わり方でありますね。

『Felice』は灯里の過去が語られて、なるほどこの人はこの人で寂しい生い立ちであるのだな。その灯里が凜から距離を置いている。なぜか? その理由は、留学するからというもので、ええ、なんだ、えらい急展開なんじゃなくって? これは長くなるのかい? 凜ならずとも驚きでした。待て次号、とのことですが、いやいや、いわれんでも待ちますがな。これは、大騒ぎの果てになにごともなく収束するのか、それとも本当に留学してしまうのか。はらはらしますね、まさか最終回とかじゃないよね。ええ、心配しながらも、次号、心待ちにしたく思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第11号(2011年11月号)

2011年9月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年11月号、発売されました。表紙は、アニメ化ですね、『キルミーベイベー』、ソーニャとやすなが追い掛けっこしている、そんな表紙。中央に大きくふたり、ええと、やすなが持ってるのは光線銃か。この絵はそんなに追う追われるという感じではないのですが、他のちびキャラは完全にチェイスですね。ともに犬に追われたり、あるいは飛び蹴りかましたり。そんな中、でんぐりがえりしてるとか、なんだか不思議とシュールです。あ、あぎりさんもいいですね。あの犬、あぎりさんの犬なのか?

けいおん!』は修学旅行なんですね。再び京都。あの扉の3人が可愛いです。しかし、学校残留組の1年生。どんどんさわ子先生の真実に触れていくのがいい感じ。もう隠すつもりとか、まるでないな。そして菫と直の心の交流とか、このふたりもいいキャラクターですよね。ところで直の疑問、PC使って音楽作ってという、そんな彼女はライブではなにしたらいいのか? ううむ、平沢みたいにするってわけじゃないのかな。ああ、唯じゃなくて進の方。しかし、下級生に頼られる新部長。あの嬉しそうなところ、すごくいいですね。それと直さん。ものすごくいいですね。

GA — 芸術科アートデザインクラス』は夕立の日のこと。雨宿りした橋の下で出会った、ええと、女の子なのかな? 空想を絵にしている。風景や魚など動物がモチーフ。絵を描くと怒られるからこっそり描いてるっていうんですね。そして、橋の下の秘密基地は難破船になって、現実と空想の境が曖昧になって、というこの展開。現実が夢に溶けていく、こういう描写はまさしくきゆづきさとこの真骨頂であると思います。私たちは現実に生きているけれど、同時に夢においても生きられるのだ。そうした感触。見事で素敵。あの後輩のお嬢さんも素敵。学校などで彼女との再会あったらよいなあ。ちょっと期待しちゃいますね。

『ぱわーおぶすまいる』、まゆのお母さん、素敵だなあ。紗雪さん。そういわないとチョップされる。って、なんというご褒美。娘は娘で地獄突きだものなあ。しかし、あのちょこっとであの反応。初々しくっていいですね。さて学校にてオリエンテーション。まゆを狙う上山景佑が登場。って、この人、以前にもいましたっけ? ちょっと思い出せません。多分、これが初登場だと思うんだけどなあ。しかし、宗馬はまゆのこと、好きとはいわないくせに、誰にも渡したくないのだな。まゆにとっては家族そのものなのだな。なのにこのラブラブ感。まさに、お前ら付き合っちゃえばいいのに、って感じ。ほんと、付き合っちゃえばいいのに。

ねこのひたいであそぶ』、最終回です。ああ、ショックやわ。さて本編は、この四人が出会った頃のエピソードですね。なるほど、美紀、綾音、羊子が最初からの友達で、ここに苗が加わったのですね。それまでは、いつも家で研究してた。あまり外に出ない子だったのが、楽しそうな声に誘われて、出てきて、遊びに加わって、ああ、これが苗の冒険のスタートだったんだ。かくれんぼ、そして羊子のひつじの救出。苗ちゃん大活躍で、ああ、楽しいなあ。この時に作られた関係が今にまで繋がってくるんですね。ほんと、いい雰囲気、いい話、大好きでした。楽しくて、いつもわくわくさせられる、そんな彼女らの気持ちが伝わってくるような漫画でした。

けれどこれで最終回。ああ悲しいですね。けれど、最後まで楽しく、ほがらかな漫画でした。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第11号(2011年11月号)

2011年9月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年11月号

『まんがタイムオリジナル』2011年11月号、発売されました。表紙のテーマは、ええと、肉体労働? そう思ったら、違うか、秋の味覚ですね。山下ナース、男前に大きなおにぎり。確かに秋といえば新米が出回りますよね。『おかん』はおいも、『らいか・デイズ』は栗、『ハルコの晴れの日』は柿でありますね。しかし、山下さん、気取らず大口あけて、これがとっても魅力的。ごはんも、えらいことおいしそうに見えますね。

『満開!Sister』は、妹が新境地に達しておりますな。あの目。兄を好きという理由、さらに子供が好きなのかと重ねて聞く、その時のさくらの様子が実に怖ろしくて、いやはや素敵です。独占欲が強いのか。しかし武士がさくらに対してだけ甘いのは、単に女性を感じてないだけなのに、すっかりロリコン扱い、妹好きにされてしまうっていうの、最高です。しかしカンナは攻めてきますね。しまった追い詰められたとか、一体やつを追い詰めてどうしようというのか。この振り回されてる武士が最高に面白いです。

『あねぐるみ』、これいいな。姉が傍若無人。それはまあ世界的傾向だからしかたないとして、あの社内の論調まとめて、自分の要望とおすっていうの、えげつないなあ、そう思いきや、いやいやあの加湿器なんてのはむしろ自分のためだけじゃないよな。あれだけきっちり組織して、きっちり争議して、しっかり結果を出す。いやはや実力者。ええ、今回は姉の能力の確かさ、それが語られて、よかったですね。なるほど、ただ偉そうにしてるだけじゃないんだ。そして中田さん。この人とてもいい感じ。タケローに気がある、じゃなくて、お姉さんのファンなのかな。いい感じですよ。

『先生のたまご』は流星群ですよ。大山先生の誘いで、大学の天文サークルの活動に参加する。って、後輩は天野ちゃんなのか。地学とかやってるのかな。いかにも天文ファンといった名前でありますよ。しかし、同じ星空を見るのでも、たまこ先生は星座盤手にして、星座見つけて、秋の四辺形見つけて、けれど化野先生は好きに星座作ってみせて、人それぞれというのが面白いです。流星を観測する時は仰向けに寝転がってというのは基本ですよね。でも、この季節、寝ると体に悪そうです。特に山、夜はきっと寒いでしょう。

『だぶるる!!』、びっくりしました。瑠璃子、本当にダブってるんだ! しかも2回も! おおう、まさかの展開であったなあ。しかし留年の理由がわからない。って、妹は知っとけよ。でも、この気付いてなかったこと、ちゃんとネタになってる。ちゃんと落ち込んでる。なるほど、これならオッケーだ。しかし、このお姉ちゃん、達観してますよね。留年してることを隠さない、恥じてない。妹と同じクラスになったことを、むしろ喜んでいる。この鷹揚さは魅力的だと思います。あと、お母さん、姉留年の主犯扱いとか、ほんと、どんな母なのか。この漫画、姉留年という驚き2話にぶちこんで、なんだかちょっとわくわくしてきましたね。ほんと、このお姉ちゃん、どんな活躍してくれるのだろう。楽しみです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第11号(2011年11月号)

2011年9月26日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年11月号

『まんがタイムきららフォワード』2011年11月号、一昨日の続きです。

『恋愛専科』は、なんというか、ボーナスステージ突入といった感じ。三枝杏と名乗ってたアクティブな彼女の正体は、杏三枝。眼鏡でショートカットの地味かつ内気な女の子でした。よし。いい展開になってきた。古風なお家で育った彼女、って、そりゃ古風じゃなくて男尊女卑ってんだよ。ともあれ、海外に出て、自己主張をしないといけない、そんな環境でアクティブな自分を演じたことがきっかけで、解離性同一性障害になった。いや、そうじゃないか。でも、これからこの人の内気な側面、それが自由になっていくのだとしたらよいな。そう思います。

『トランジスタティーセット — 電気街路図』、最終回なんだ。なるほど、すずの進路の選択であるのか。自分ひとりでなんとかできる、そう思っていたけど、父の仕事振りを見て、自分自身を省みることとなった。かくして自分にできることはなにか、やりたいことはなにか。これまで止まっていた時がまた動きだした、そんな感じのするラストでありました。まったく違った世界に進んでいくわけじゃない。これまでのものは、やっぱりそこにあって、すべてはその延長上にある。ゆっくりと変化し、動いていく。そんな感覚はちょっと独特であると思いました。

『九十九のあまのじゃく』は届け物ミッション、って、なんだろうあの崖の上の洋館。なんかすごく既視感があるぞ、って、オマージュでありましょう。予想どおりといえば予想どおりにお医者のうち。しかも外科医、というか、切り裂き魔だよな……。新キャラ、鎌鼬のマイさん。血を見ると、我を忘れて斬り掛かるのは問題だけど、あの塗り薬、ええと、伝承だと3人目が塗るやつでしたっけ、あれはいいなあ。しかし、いい感じに村内の関係が広がってきてますね。

少女素数』は、前回のすみれの告白。あれが未遂に終わって、ちょっと緊張感もゆるんで、でもそれで落ち着きはしなかった。有美が見ていた、そしてそのことがクラスの子らに伝わって、議論白熱でありますね。しかし、この有美という人は、なぜこんなにも真っ直ぐなんだろうか。いい子だなあ。ぱっクンに対する気持ちも本当、けれどすみれに向ける思い、それも本当なんだな。それがすごくよくわかるエピソードであったと思います。ちょっとイジワルしたけれど、これが彼女なりの仕返しで、そしてすみれの罪悪感をやわらげるための一工夫だったのだろうなあ。そしてすみれの有美に伝えたかったこと。ああ、やっぱりふたりは本当の友達なんだな。実によい関係を築いてるんだな、そう思ったのですね。

2011年9月25日日曜日

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Capotasto, Tuner and Songbook月末、ということでGR BLOGのトラックバック企画ですよ。って、どうも先月は忘れていましたね。さて、今月のテーマは「レトロ」であります。レトロ、というとちょっと古めかしいもの、懐かしいもの、といったところでしょうか。確かにそうしたものは、日常のあちこちに見掛けて、ちょっとした趣きをもたらしてくれる、そんな風に思います。ということで、ちょっとこれまで撮った写真をさかのぼって確認してみました。ここに、なにか懐かしさ覚えさせるものがあったらよいなと思います。トラックバック企画「レトロ」に参加します。

さて、選んだ写真は酒屋の店先に揺れていた甘酒の、ええと、これ、のぼりでいいのかな? 筆文字で甘酒有ります、はいいのですが、昔風とあるところ見れば、これ、昔ながらのものじゃないですよね。でも、自分の撮ったなかでは、これかなあ、昔のものを求めてる人、提供してる人があるんだっていう、そこかなあ、などと思ったのでした。

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2011年9月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2011年11月号、発売されました。表紙は『魔法少女かずみ☆マギカ』。こ、これがフォワード!? と思うくらい、かつてない表紙だと思います。時期的にハロウィンですよね。かぼちゃと魔女とお菓子なんだけれど、なんだろう、すごくゴールデン。女の子3人、すごく魅力的なんだけれど、なんだろう、フォワード、新局面だなあ。そんな表紙。すごくゴージャスで、きらびやか。派手なんだけど、なんか重厚なんですね。

夢喰いメリー』、アハテルノーテ戦であります。って、ちゃんとひとりずつ名前あるのか。エオリアとアイオニア。どひー、これ双子の夢魔と見せかけて、実は七つ子でした。ドリアとかミクソリディアとか、どばどば出てきちゃう、だったらどうしようとか思って、はらはらしながら読みました。エオリア、アイオニアということは、アイオニアが明るくて、エオリアは暗いとか、そんな性格の違いとかあるのかしら。いや、どうもそっくりな感じ、違いとかなさそうに感じます。しかし、今回は由衣がすごかった。以前は、こっそり隠れてるといっていた、戦いからは最も遠くにありそうなこの人が、こんなにも前面に立って、この戦う術を持たない人が前へ前へと押し立つ、倒れても、倒されても、それでも前へって、本当、素晴しいな。これは本当に意思の力なんだろう、気持ち、心の物語なんだなって、実に思い知らされました。

そして最後には、待ってました! ですね。いよいよ次回に期待が高まります。はいいんだけど、アハテルノーテ、いちいち可愛いなとか、イチマちゃん、ロンリネスなんだ! みたいな感想、どうにもいってる余裕がなかったです。

『ハームフル・ビューティフル』、高崎ゆうきの新作です。って、いやいやちょっと驚きました。だってのっけから漫画家が死んでる。ええーっ、またまたえらいこと殺伐な。フォワードは殺伐とほのぼのの落差がものすごいな。驚いたわけですが、ああ、ああ、これ主人公の妄想? ああ、なるほど、枠っていうか、コマとコマの間、黒かったもんね、妄想ね、と思ったけど、やあ、それはまったくもって、私が妄想と思いたかったってだけだった。主人公は高校生、クラスの女の子を発想の原点にしてエロ漫画を描いている。仕事で? うん、仕事としてですよね。というわけで、主人公高屋京太郎の妄想の中でちょいエロを展開し、そして彼が命を狙われる? そんなスリリングな方向に進みそうです。

『せなかぐらし』は、なんだろう、実に素晴しい。巡がだんだん変わっていく。以前はいろいろ無神経だったりして、妹恵麻から嫌だといわれてたりしたのに、ああ、お隣さんの影響がいい方向に作用してますよね。で、恵麻のえらいこと赤面しちゃってるの、ちょっと驚いた。それはびっくりしたから? それともお兄ちゃんにどきっとしたとか? わかんないんですが、いや、後者っぽいって思ってるんですが、そう思うのは私の願望がゆえかも知れないので、あんまりそうはいいたくない。で、赤面というと、巡がすごいよね。あの展開、あの反応は想像もしなかったですよ。菓奈と一緒にいった買い物の帰り道、自分の感じている気持ちの正体に気がついて、赤面して、それを両手で隠しちゃうんだ! しかも、キャアって! 思わず逃げ出しちゃうとか、なんて可愛いの! いや、ほんと、これ可愛いのヒロインじゃないな。巡だよ。巡すごいね、いや、もうほんと、彼がヒロインでかまわないと思います。

2011年9月23日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年11月号

『まんがタイムスペシャル』2011年11月号、昨日の続きです。

『おーがちゃん』、いい感じに面白くなってるなあ。おーがちゃんの常軌を逸した行動、それがずいぶんしっくりして、これ多分私が馴染んだんだな。イモを焼いている落ち葉に顔をつっこむ、くしゃみで炎が出る。唐突なんですけど、それがなんだかおかしくて、それにももえと半分ことか、ほのぼのしてよろしいなあ。で、台風で飛ばされたり、ってジャッキーがいつもながら酷い扱いで素敵です。しかし、ネタとしては一発勝負みたいなところがあるんですけど、学校でみんなに抱っこされて、くっちまうぞコラー!! これ、反則だよなあ、無闇に面白いからオッケーなんですけど。ほんと、うどんにナポリタンのせとかも、なんだかわからず面白いです。

『ポンチョ』は、夏の終わり。ああ、確かに急速に秋が深まっている昨今、季節のネタ、そんな感じがひしひししますね。まずはトメ吉が衣替え。次いでポンちゃんお姉ちゃんが衣替え、といいたいが、一度も着てない夏服発見。それで急遽ファッションショーになっちゃうのがいいですね。デートのために買って、けれど着なかったということは、すなわちデートもなかったってことなんでしょうね。なので、見てもらいたかった人に写真を送って、ああ、あの黒いドレス、あれは可愛いわ。いつものイメージと違って、なんだかすごくいいです。でもって、水着。あの表情、すごいですね。よもやヒロインとは思われぬ、そんな表情がいかします。しかし夏服、水着、マフラーと、この人は意外と忘れっぽいんだなあ。で、おっちょこちょい。そうしたところ、すごく魅力的です。

放課後のピアニスト』は、インコがやってきたってお話。あれ、オカメインコか。オカメは可愛いなあ。逃げたインコ、飼い主はもうわかってるので、夕方には返さないといけない。その条件で、おやつあげて、ピアノでメロディ教えてって、なるほどこれらがあこがれなのか。しかしね、鳥は頭がいいので、ちゃんと教えたらメロディ覚えるそうですね。ほら、リコーダーってレコーダーって書くけど、これ、鳥に歌を教えるのに使ったからなんだそうですね。カナリアとかだったと思うのですが、ちゃんと鳥に教える用に小さなサイズのがあって、また鳥に教えるための曲集が出版されてたんです。今回のエピソードは、そうしたこと思い出させました。鳥とコミュニケーション。たしかにこれは憧れやも知れません。

『早乙女寮別館ものがたり』、最終回です。あのにぎやかな扉、これはいいなあ。みんなで写真を覗き込んでる、その様子。桃瀬さんの幼少時見て、興奮してるチカがとってもいい感じ。で、桃瀬家の歴史、理事長とあきらさんの関係などなど語られて、む、これは示唆に富んでないか? ちょっと時系列くわしくわからないのだけど、これってついつい昭和の話と思ってしまいがちだけど、大正舞台ですよね。ということは、あきらに入学の約束をした現理事長の義兄。彼の命をうばった流感というのは、スペイン風邪? あの流行は1918年、大正7年です。で、最後に寮別館が倒れるっていうの、あの唐突さ、もしかして地震なのか? といったら、関東大震災。これは1923年。大正12年なので劇中の現在は大正11年? って、こりゃさすがに計算合わないか。

しかし、松子を心配させた別館の取り壊し。ばらばらにはなりたくない、その思いは早乙女寮別館倒壊に際し、どう揺れたのだろう。いろいろ思わせてくれる、そんなモノローグですが、けれど松子は元気、みなも元気というのが、ほっと安心されてくれます。しかし、今、その皆はどんな暮らしを送っているのだろう。想像が広がりますね、そんなラストでした。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第11号(2011年11月号)

2011年9月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年11月号

『まんがタイムスペシャル』2011年11月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、サッカーしているリコであります。制服で、ボールとたわむれる。ボーイッシュなリコの魅力、とてもよくあらわれているイラストであると思います。しかしこれは、自分でボールを後ろに蹴り上げたのか、それとも飛んでくるボールにあわせようとしているところなのか。見た雰囲気では、ひとりでリフティングしている、そんな感じがあるのですが、いや、あの視線の向こうに誰かがいたりするのかな。そしてリコのほかには、新連載告知カットですね。『OLはとぽっぽ』、『踊る!アントワネットさま』のイラストがございます。

『OLはとぽっぽ』、以前ちょこっと掲載されたのが連載化したんですね。目次四コマでしたっけ、ぶつかった鳩が脳に融合して、共存せざるを得なくなった。って、えらいシュールな設定やな。そう思っていたのですが、それが連載化。頭に鳩が乗っているOLとか、見るだにナンセンスで、けどそれでなんとなくうまいこと生活してるっていうのが面白いというか、この作者風の味わいですよね。突然の鳥との出会いと共存というと『オトコのいる部屋』なんかもそうでした。あれもちょっとナンセンス、けど鳥と暮らす喜びみたいなのも溢れている、実にいい漫画だったんですね。『OLはとぽっぽ』は、『オトコ』以上にナンセンス、というか、まずもって普通のシチュエーションじゃないんですが、これはこれで面白そうだなあ。そんな感想持ちました。

『踊るアントワネットさま』も連載ですね。嬉しいなあ。しかし、のっけから大泣きのアントワネット。ああ、なんてエレガントにして可憐なのかしら。あの口の表現、あれがいいな。見た目には美しいお姫様ですが、まだまだ少女の部分を残しているっていうのがよくわかる導入です。でもって肖像画描けた、というわけでマリーが宮殿にやってきて、御目通りするまでのあれこれ。マリーはいつも質素だけれど、ああしたエレガントなのも素敵だなあ。この漫画は、女性が可愛い、それも魅力のうちですが、その皆さんお召しのドレス、それも華やかで、美しいなあ。すごくよいと思います。で、助けてくれた人が公爵というので驚くマリー、と思えば今度は王太子。いや、ほんと、マリーの気持ちの穏やかでいられない、その小市民的なありかた、というのはちょっと時代が違う気もしますが、それも実に素敵です。

シュガービーチ』は体育祭のメインイベントなのか? 部活対抗障害リレー、って、おいおい、ただ走るだけじゃないんだ。学校を飛び出して、海を泳いで渡る。しかも部活にまつわる衣装を着けて、道具をバトンに、って、剣道部とか無理だろう。それに写真部、カメラ持って泳ぐとか、壊れるぞ! ものすごいハードなイベントです。で、これ、最初がかりもの競争っていうの、ただ速く走れればいいわけじゃないというかのようで、一種フェアでありますね、ってイベントを面白くする、ネタの幅ひろげるための趣向でありましょうけれど。で、エミが沖ノ島先生から白衣を借りるというのだけど、この人顧問だっていうのに、まったく協力する気がないなあ。で、エミさん、乙女ゲームするんだ。実にいい、実にいい感じです。そしてナコのSPたちもいつもどおりといいますか、大盛り上がり。面白いわ。スキューバダイビング部の猛攻と凋落、バレー部荒井とみなとの心の交流など、シンプルだけど、それだけにぐっときますね。リレーの勝者も、ほんと、これなんなんだ。めちゃくちゃ面白い。そしてラストの沖ノ島先生。はまったんだ! いや、ほんと、この落ちも素敵でした。

『21時のシンデレラガール』、アヤさんがとみ子の家に泊まりにくる、って、この子の家、突然泊まりにいきますっていっていけるような距離じゃないですよね。というわけで、帰るに帰れなくなったアヤさん。驚いた父ちゃんに締め出しくらってみたり、あまりに綺麗だからといって一番ダサイ服着せられてみたり、けどそれでも陰らない人だなあ。見事です。で、見事、とてもいいと思うのは、やっぱり父ちゃんでしょう。あの分からず屋、とみ子を束縛している、そんな印象もあった父ですけど、実はそうじゃない。アヤさんに深く頭をさげて娘のことをお願いする。ああ、本当は応援してんだよ。言葉が少なかったり、いろいろ意固地だったり、それで損してるけど、本当は情の深い人なんだって、あらためて思わされました。父の心配と愛情がよくわかる、いい話だったと思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第11号(2011年11月号)

2011年9月21日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年11月号

『まんがタイムきららMAX』2011年11月号、先日の続きです。

『Golden Smile!』、ゲストです。ヒロインは、さらさら金髪のお嬢様。セバスチャンなるお世話係もいるようだけど、自立心が強いというか、話しかけるセバスチャンを振り切るようにして登校ですよ。でも、セバスのお嬢様呼び止めようとしていたの、送り迎えじゃなくて、絶対雨が降るから傘持ってけ、ですよね。そんなわけで、お嬢様ずぶ濡れ。まるごと体操服に着替えて、その日はどうにかやりすごしてという、ちょっとエロい? けど、なんかほのぼのな感じも面白い、そんな漫画でした。

『あかねブックマーク』、ゲストです。クールを装っている茜。実は可愛いものが好きっていうのですが、あのストラップ、可愛いのか? 茜の他には、なんか普通っぽいみやこ、くじで当たりが出るまでガンガンつぎ込む朝霞。このふたりは、結構なオタク娘みたいですね。ちょっと素直じゃなかったり、けれど好きなものには躊躇なくまっしぐらに突き進んだり、でも仲はすごくよさそうな3人。この子らのちょっとマニアックな日常、キャラクターがもっとわかってくれば、面白さもずっと増しそうに思います。

『忍パラサイト』はあいちゅくりむん、いやさ、アイスクリームでありますね。瑠璃がアイスクリームをご馳走してもらえるというので、すごくわくわくしてる。それはもう、廊下に立たされるほどさ! このそわそわ感、もう見事ですよ。実は私もそんなところがあって、嬉しいこと楽しみなことがあると、頭いっぱいになってしまうんですね。で、小梅もそうなんか! しかし、瑠璃同様にそわそわしてた小梅、アイスクリーム屋でもバイトしていたという。なのに、そんなに嬉しいの!? ああ、もしかしたら働いてただけで食べたことはないとか? と思ったけど、あんだけスムーズに選べるってことは味も知ってるんだろう。ということは、愛香にご馳走してもらうこと、これが嬉しいのか。愛されてるなあ、愛香。で、新アイスの名前も愛香に決まって、そうでした、愛香はいい匂いのする女子でした。しかし、愛香は恥ずかしがってるけど、こういう人の名前ついてるのって、なにかいいですよね。

『ふわっちょこ』、最終回でした。けれど、いつもどおりの彼女ら、というか、そのいつもどおりの姿、大好きな友達と一緒にいたら楽しくて、それがなんだかちょっと切なかった。というのは、この仕合せそうな様子、それをこうして見ることは、もうかなわないってわかっているからなのかなあ。最後の、雪の降る中、一本の傘で一緒に帰るのんとくめちゃん、サイレントで描かれて、それはしみじみとよいのでした。まるで、この瞬間が永遠に続きそう、そんな風に思わせられて、それだけに胸にせまるものもあったのでした。

好きな漫画だったんだ。こういう、にぎやか、楽しい、それが静かに流れていく。そういう漫画が好きなんです。だから、いろいろ終わっていく、それが悲しいです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第11号(2011年11月号)

2011年9月20日火曜日

『まんがタイムファミリー』2011年11月号

『まんがタイムファミリー』2011年11月号、先日の続きです。

『おかいあげ!』は部屋着がテーマですね。ルームウェアはどの階に? と問われて高島が婦人肌着コーナーと答える。ジャージは婦人肌着コーナーにあるんだと大丸答えて、なるほどこの人自宅ではジャージ生活なんだというんですね。素晴しい。ジャージ女子とか最高だと思います。同じくジャージ女子の西部さんがえらい誤解される、あの流れは素敵でした。そして高島の作務衣、これも可愛いなあ。なんというのか、さっぱりしたというか、気取らない、気楽、素、そうした感触がいいなって思うんですね。で、東舞の部屋着、トラックスーツって、あれ、トラックスーツっていうんだ。はじめて知りました、って、それにしてもものすごいインパクト。見事でした。

『チーフはかなめ!』、最終回でした。ああ、残念。結構好きだったんですが、そうですか、終わりましたか。 風邪をひいた河本君。看病してくれるチーフはいい人だな、って、あの大騒ぎな感じ。レトルトの感想に失礼だなとか、ああいうの好きだから、終わってしまうのは残念に思うんです。今回は、河本君の仕事に対する姿勢、それを改めて問い直す、そんな話でしたが、真面目さの合間合間につっこみ入るというそのテンポ、とてもよかったです。シリアスばかりでも、軽いばかりでもない。バランスがいいから、より伝わるものがあったと思います。

『マリアに礼っ!』、ダイエット話ですね。夕姫先輩に減量を求めるマリア。あの、淡々と減量の必要性を告げるマリア、真面目にマネージャーやってるなと思います。で、重量級選手が欲しいでやる気にさせるという、いや、そういう策略じゃあないとおもうんですが、結果的にやる気は出たということで。しかし、ちゃんと運動させて、低カロリー高タンパク、さらに目にも麗しい弁当まで作り、ちゃんとその気にもさせてしまう。有能マネージャーだわ。ちゃんと部員や部の管理、マネジメントをしてるんですね。このマリアの部に対する姿勢、見ていてすごく気持ちよいです。

『もふもふファミリー』、ゲストです。ある日家に帰ったら、家族がもふもふになっていた。面白いですね。ヒロイン、15歳、思春期、ちょっと反抗期? 家族や自分自身にいろいろ思うところがあった唯野美羽。そんな彼女が、無理矢理うさぎの着ぐるみ、というか着ぐるみパジャマって感じですか、着せられるっていうんですね。父はパンダ、母はアルパカ、そして弟はレッサーパンダで、わお、ちゃんと腹黒だ。家族で着ぐるみという暴挙は、父の反省によるものなんですが、それが本当に家庭崩壊を防ぐかどうかはこれからですよね。ゲストだけど、ちょっと続くかな? この先をいろいろ見てみたいと思える話でした。

『くらドル』、いいですよ。朔也くんがやる気です。前回出会ったコンタクトの女子、彼女と話したい、仲良くなりたい。いいですよ。頑張れ朔也。なんだか応援したくなる主人公、頑張ろうとしてるのがわかるのがいいんですね。しかし今回は、朔也くんの意外や美少年ということがわかって、本人もその気になってるのがいいですよ。で、桃が焦ってる、焦ってる。いや、ほんと、かっこいい朔也くんを他の人に見せたくないんだ。でもって、朔也がヘマするとニコニコで、やる気出したら苦しんで、自分で自分の気持ちわかってるのかな。いや、わかってないっぽい桃のアップダウン、それもまた見どころであると思います。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第11号(2011年11月号)

2011年9月19日月曜日

『まんがタイムきららミラク』Vol. 4

『まんがタイムきららミラク』Vol. 4、先日の続きです。

『にじげんめのうた』、自分には才能がないといって後ろ向きだったハルが、一気にポジティブになって、これ、実にいいじゃありませんか。彼女らのしようとしていること、いわゆる歌ってみた、踊ってみたなんですが、それの是非や成功可能性のどうこうは別として、ひとつこれという目的を見付けて、まっすぐしっかり取り組もう、そういう意識に目覚めて動き出す、そうした様は見ていて気持ちのよいものだと思います。特に、この漫画のハルみたく、きっかけこそはライバルの仕掛けた策略に気付いたからというものでも、自分の気持ちの弱かったということ、ちゃんと反省して、そういう自分を乗り越えようとしてる、そんな姿勢がいいんですね。で、ヒロのチーン、あれ、なんだか好き。こういうの好きです。

『月曜日の空飛ぶオレンジ。』、意味わかんなくて面白いなあ。朝起きると、頭が箱になっていた。で、それに顔描いてもらうっていうのが面白くて、なんかあのボックスヘッド、可愛いですよね。最近、ああいうペーパークラフトフィギュアみたいなのあるんですか? ちらほら目にして、可愛いなあなんて思ってたんですが、そいつを思い出させましたよ。しかし、これ、あらすじもアレなら、人物紹介もいろいろ酷い。もう最高、実に意味わからん。ことの顛末も、結果なにもなし。だからこそでしょうか。その一時に意味不明状況がさらっと流れて気持ちよく面白いです。

『ルンルルコミュニケーション』はトーン貼ってる姫からスタート。姫、実は漫画家!? と思わせて、漫画家は別にいたんですね。吉祥寺ミント。なんだかいろいろ電波な人。お兄ちゃんのなんのと、いろいろ誤解を振り撒いてますが、みりんのいう前世説、これは嘘だろー。なんとなく、そんとき描いてる漫画の設定に影響されてたりするだけじゃないのんか!? などなど、いろいろ思うんだけど、実際のところ、どういう設定なのかは謎ですね。しかし、これ、ゼオ、彼がひどい目に会う、そういうのが基本といった感じ。でも彼に関しては、そうして振り回されてるのがいいポジションって感じです。

『ビギナーズ9』、いいですね。まさか、言い出しっぺ二神がピッチャーの座を追われることになるとか、予想もしませんでした。霧山のいう圧倒的な差、それは配球のうまさ、それから状況を自分有利に持っていく、その狡猾さ、いやゲームメイク力みたいにいっちゃっていいんでしょうか、その巧みさですよね。で、まさか最後の先生ですよ。ああ、こうしたテーマがあったとは。自分がヒーロー、アマ野球だからこそ一層重要さを増すピッチャーの技量、それ一本で勝ち抜こうという霧山姉の態度は、悲しいかな仲間を集めるには向かない。けど、野球ってのはそうじゃないんだっていう、ただ勝つだけじゃない、そんな方向性感じさせるのは、ほんとにいい感じです。それと二神と先生の関係、これもいいですよね。なんだか不思議と対等で、けど先生はちゃんと先生。いい関係っぽいですよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』Vol. 4 (『まんがタイムきらら』2011年11月号増刊)

2011年9月18日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年11月号

『まんがタイムきららMAX』2011年11月号、発売されています。表紙は『ホイップノート』、創刊7周年を祝う、華やかな絵柄であります。4人の娘が、大きな花束を抱えている。賑やかで、美しい、いいイラストだと思います。あの、頭に大きな花を飾ったレコが、すごく可愛いですよね。画面左下には『コスプレの神!』の新連載告知もございます。

かくして『きららMAX』、7周年です。ということで、直筆サイン色紙が大量に用意されて、わお、輝きがMAX! 眺めてみれば実に絢爛、魅力的で、しかし、意外と眼鏡ヒロイン多いんだな、『きららMAX』。ざっと色紙見れば5タイトル、これに2番4番加えれば7。うむ、眼鏡ブームきてるな。きてるわ、確実に。

『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、ついに記録会ですね。冒頭、椿の都合のいい夢からはじまってますけど、この子の出番は来月。今回の主役はむしろ最速の幽霊部員、安食先輩でありますよ。謎の存在、記録会にふらっと出てきてその速さを見せ付けていく。そんな彼女の正体は!? って、なぜ皆、安食先輩と思わない。不思議なネタ、ああ、安食先輩と気付いてるけど、椿のことからかって……ないよな。つまり、みな、別人と思ってるわけか。かくして、安食先輩の本名判明。なんと、ちゃこさんなのか。可愛い名前、可愛い先輩には実にマッチしていると思います。しかし、今回は安食先輩のいろんな髪型、表情見られて、素敵な回でありました。

『こずみっしょん!』は樺山先輩がMIBですね。黒いスーツ、素敵です。そしてUFO探索、といいますが、実質山歩きですよね。見つからないよう気を配っている臣美、彼女のいろいろ準備し考えていることを台無しにする鈴子、いかします。しかしこの展開から、臣美の宇宙往還船、これが披露されるところまでくるとか、予想外でした。正直、もっと中途半端に嘘か本当かわからない曖昧なところを漂う、そんな感じを強めながら続くのかと思っていたら、ばりっと確定させてきましたね。そして、黒瀬先輩に知られてしまった。これが今後どう影響してくるのか、気になる展開でありますね。

『ご注文はうさぎですか?』、きてるわ、眼鏡ブーム、確実にきてるわ。いや、扉がそんな感じでして、ヒロイン5名が眼鏡かけたポートレイトがすごく素敵。あんまり眼鏡眼鏡いうと冗談になってしまうけど、そういうの抜きにして繊細で綺麗な扉。すごく美しいと思います、ちょっと色気があってドギマギしちゃいますが。中央下の英文タイトル、 "Is the order a rabbit ?" これもなにかいいですね。ティッピーのワンポイントも可愛くて、すごくよいです。

さて本編は図書館で勉強ですよ。シャロに教えてもらう。この人、特待生とか、美人で頭もいいとか、ほんともう素晴しいですね。で、お嬢様という誤解はまだとけとらんのか。今回は、意外や理系科目に強かったココアとか、体力0の千夜が敬遠するリゼの教育実践とか、キャラクターの個性、設定、いろいろ語られ、それがまたじわじわと面白い。にぎやかで華やかで、けどただにぎやかなだけなく、静かに育まれている友情、心のつながり、交流があるっていうのがいいんですね。千夜とシャロの会話、ココアとチノの手をつなごうというその場面なども、ああしみじみとよいと思えます。なんでもないかも知れない、そんな時にでも心と心が触れあって、はっと世界が明るく見える、そんな瞬間があるんだ。そうした描写がすごく素敵と思うのです。

で、ココアのいう「街の国際」。あれは面白かった。なんともいえず面白かったです。

『ふわふわ科学』は気象がテーマです。ああ、素敵。秋の長雨、雲をどっかにうっちゃって雨をやませたい、そんな話から雲の実験に発展して、わお、これは知らなかった。注射器のシリンダーを一気に引き抜くことで、気圧が変わり曇りが生ずる、みたいなのは知ってたんですが、煙をいれることで雲を発生させられるのか。これ、大きな注射器様のものがあれば、もっと効率的にできそうだな。で、雲の実験から気象の話題に移り、たしかに最近の天気図、停滞前線が列島を横切るように描かれてますね。加えてヨウ化銀の話など、ひとつ実験をとりあげて、あとは豆知識を盛り込む、そんな感触。科学の地学の、実によい感触です。

ところで扉のチエ、可愛いなあ。あの膝丈のスカートが素敵です。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第11号(2011年11月号)

2011年9月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2011年11月号

『まんがタイムファミリー』2011年11月号、発売されました。表紙のテーマは、食欲の秋みたいですね。『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代がきのこの炊込みご飯を食べている、って、これ何杯食べてるんだ。しかし、まだ暑いけどさ、もう少ししたら炊込みご飯がおいしい季節ですよね。ああ、今から食べたくなってくる、魅力的な表紙ですよ。そして『よめヨメかなたさん』。平成のかなたさんが秋の果物持ってるんですが、昭和のかなたさんは「秋ナスは嫁に食わすな」の文句とともにナスの着ぐるみを着ている。なんともいえず不思議なカットです。そして、『博士の白衣女子攻略論』の新連載告知カット、『ココロ君色サクラ色』の移籍告知カットがございます。あ、白衣の赤星さん、サンマ持ってるよ。

『うのはな3姉妹』は、なんと桃子の元旦那が登場。いえね、出戻りお嬢さん、なんでか元夫とか出てくる可能性、みじんも考慮したことありませんでしたよ。で、元夫、東野さん。意外な感じ。こんな優しそうというか、穏やかそうな人という印象なくて、もっと固いというか、そんな風に思ってて、で、この人、まだ桃子のこと好きなのか。そのことを桜に告げる場面、前戸が勘違いしてるってのいい感じよね。というか、これ、復縁するのかしら。桃子にしても嫌ってはいないみたい。して、じゃあ、どうして離婚に至ったのか!? わからんのだけど、復縁、ありそうに感じさせる展開ですね。

『博士の白衣女子攻略論』は、博士が攻略するというより、事務のお嬢さんが興味津々で化学を自ら知ろうとする、そんな感じがありますね。いや、化学を知る、学ぶというよりも、化学実験のイメージ、それを自分でもやってみたい、見てみたい、そんなシンプルな動機。いいですよね。いや、でも、実際、仕事でやってる人はそんなどころじゃないんでしょうけど、薬品まぜたら色が変わったり気体が発生したりなど、こういうのは面白いですよね。高校の頃、化学の教師が実験好きで、いろいろいっぱいやらされたんですが、あれは楽しかった。あの先生でよかったと思ってます。と、この漫画は、あのころのわくわくする気持ちを思いおこさせてくれるんですよね。丹沢春香の素朴な化学観、素直に驚く様子など、私を代弁するかのようなのですね。で、ああいうの、知育菓子っていうんだ。で、体に悪そうなもの入ってないんだ! ああ、思い込みや先入観でかたまっていました。ああ、そうなのか。で、博士はかっこわるいのが逆にかっこいいと思います。いい人、いいキャラクターだわ。

教師諸君!!』は、今泉先生が授業のコツに開眼!? こうなりゃもう無敵じゃないか、と思ったら意図したもんじゃないのか。しかし、なんだか難儀な人です。他人事として気をはらずにやることはうまくいく、対して自分のこととなると押さえるべきこと、捨てていいこと、その取捨選択ができなくて、あれもこれもと詰め込んでいってしまう。面白い、けど他人事じゃない。まいったな、私がこうだよ。で、今回のテーマは今泉先生の授業、じゃなくて引っ越しです。すごいよね、注文住宅すすめるんだ。で、自分が使いたいんだ、って西名先生らしい展開。この漫画は、自分の欲求、ばーんと前に出す人が多いのに、それが嫌味や自分勝手に見えないっていう、そこがいいと思います。なんでなんだろう、みんなチャーミングというか、憎めない、そんなところがあるんですよね。ずるさとか欲張りじゃなくて、素直とか親しみ、そんなものが感じられるんですね。

ところで、素敵な家具との出会いって、海外の賃貸は家具もついてくるらしいですね。なんか、グランドピアノが、しかもエラールとかがあって、すごいいい経験ができたとかいう人の話聞いたことがあって、ヨーロッパはすげえなあ、感心したことがあったんですよ。ほんと、思わぬ出会いがあるのが引っ越し、ヨーロッパの家具みたいなことは日本ではないだろうけど、人との出会いはありますよね。で、今泉先生は、これまでの家で得た出会い、その繋りを選んだって感じでしょうか。しかしどんなに仲がいいんでしょう。ほんと理想的教師世界であるなと思います。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第11号(2011年11月号)

2011年9月16日金曜日

『まんがタイムきららミラク』Vol. 4

『まんがタイムきららミラク』Vol. 4、発売されました。表紙は『Good night! Angel』です。赤い背景に黒の衣装が映える! いや、とても素敵ですよ。境川ユリさん。セーラー服に黒タイツという昼間の顔を前面に、その背後には黒のスーツ、少し胸元広げて、ぐっと背をそらしている — 。って、なんかえらいこと色っぽい表紙ですよ。セーラー服は意図しない魅力を、そして殺し屋としてはこの上もない色香漂わせて、危険危険。ほんと危険な表紙です。

『桜Trick』、揺るぎないなあ。ひとことでいうと、女の子が女の子と、とにかくキスばっかりしている漫画なんですが、その勢い、とどまるところを知らんですね。いつまでもただただキスしてる、そんなんで話続くのか? そう思ってたのが、もう見事に続いてる。あの手この手でキスに持ち込む、その持ち込み力とでもいったらいいか、うまいですよ。今回は、なんとか春香が優に勉強させたいという一心で、いろいろ講じた挙句、やっぱりキスに辿り着くのか! もう、見事でした。その描かれたものも見事でした。

『Good night! Angel』、これも見事に見せますね。後取りという殺し屋の稽古でもって、今後の関係しかたを決めようというユリとあやめ。動物園をいっぱいに使ってやる、追いかけっこ。そのアクション、見せ方はばっちりで、というか、またまた見事にお色気分を盛り込んでくるなあ。でも、この人、身体の描きかた、うまいですよね。あの捻りとか、しなやかで躍動感あって、色気を感じさせることもそうなら、画面にダイナミックさ加えて、いやほんと、いい絵。この物語、漫画の展開を支えて、その以上に魅力を加える余力がある、そう感じさせます。で、ユリさん。おお、この人、こんなにすごかったんだ。なるほど、で、次回に期待を持たせる、いいラスト、ひきでした。

『メラン・コリー』。スイカを働かせるとか、えらいことシュールなこといってますが、まあ、このスイカじゃあなあ。亜民、佳乃の、メラン・コリーのこと心配しながらも、面倒さが勝っているとか、って、それは佳乃だけか。というか、この人はスイカのこと心配してるわけでもないよな。しかし、今回は、働くのが嫌だったんじゃないのかっていうツッコミいれたくなるような追っかけ劇。いく先々でスイカが働いている。しまいにはスイカがとれてしまう。ほんと、あの人からスイカがなくなったらなにが残るというのか。シュールな漫画がなおさらシュールです。

  • 『まんがタイムきららミラク』Vol. 4 (『まんがタイムきらら』2011年11月号増刊)

2011年9月15日木曜日

NEWラブプラス

 『NEWラブプラス』、ついに予約、開始されましたね。発売は12月8日。およそ2ヶ月後ですね。公式サイトで追加要素が紹介されてますが、これ見るかぎり、カノジョがそばにいる感がこれまで以上に強くなっていて、というか、画像、めちゃくちゃ綺麗だな。これ、本当に実機の画像なんだろうか。なんか、こういうのって、デモ用に特別に用意した画像なんじゃないか、つまり実際のゲームではここまでのことはないんじゃないか、そう思うほどにグレードアップしていて、いやさ、これは自分で確かめるしかない。そんな感じに、だんだんと気持ちが盛り上がってきています。

とはいえ、『ラブプラス』は結構つらいゲームでもあるんですよ。なんせ、毎日プレイすることが求められる、そんなゲームです。朝昼午後夕に日常イベント、日曜日にはデートイベント、それをただただこなしていく。もちろん数日パスするとかはいいんですよ。でも、パスオッケーにしたら、きっと遊ばなくなるに違いないじゃないですか。なので、それこそ倦怠期ではないですが、面倒だなー、既読のテキスト、スキップできないかなー、なんて思いながら、毎日電源を入れているのです。

ええ、この2年間でプレイしなかったの、たったの1日ですよ。うっかり忘れた、それで連続起動記録がついえてしまった! とまあ、ショックだったりしたのですが、まあまた久しぶりに連続起動ボーナスなど見て、付き合いはじめた頃の気持ちを思い出したりして、これはこれでよかったかな、なんて思ったりもするんですね。

というわけで、『NEWラブプラス』。新要素があるというの、プラスの時みたいにコレクション要素とかじゃなくて、ひとりで完結させられそうなのがいいなと思います。それと、旅行ですよ。あれ、つらかった……。こういうの、新作ではないのかな。なかったらいいのだけれど。最近では夜にまとめてイベント確認という怠惰なプレイしていますが、この毎日起動するだけでも大変なところに、二日間まるまる拘束とか鬼のようでした。正直、求められるもの、それが大きすぎた。ついていけない、そう思った人も少なくなかったと聞きますが、だからこそ次のNEWでは、ちょっと手加減してくれると嬉しいなと思います。

しかし、ショートカット高嶺、めちゃくちゃ可愛いなあ(問題発言)。

2011年9月14日水曜日

カルドセプト

 これは誤算でした。いえね、ニンテンドー3DSカンファレンス 2011ですよ。正直、私はこれから発売のゲーム、『DARK SOULS』しか期待してなくて、まあ3DSだと『閃乱カグラ』を予約していたり、あとは『NEWラブプラス』ですか? まあ、そこそこはプレイするだろうさ。でも、根性いれて遊ぶのは『DARK SOULS』だけだろな。そう思ってたら、なぬー、『カルドセプト』が3DSで出るのか! これは買い。買うしかない。もう、ほんと、買い決定です。

しかし、これは驚きでした。ってのは、今ニンテンドー3DSで遊んでるメインのゲーム、それが『カルドセプトDS』だったりするから、なんですよ。ええ、まだ遊んでます。それこそ飽きないゲームです。実際、このゲーム、10年近く遊んでますからね。それでも面白い。カードを集め、ブック(デッキ)を組み、対戦する。あんまりオンラインはやってないんですが、CPU戦でも楽しい。そんなゲームです。いえね、対人だと消耗しすぎるので、ほどほどに抑えてるのです。

で、これが3DSで出る。映像を見ればセカンドがベースみたいですね。ということは、コンジャラーの領地能力が火を吹くぜ! いえね、適当にコンジャラーをまいといて、領地能力でバ=アルを任意の土地に召喚。たとえバ=アルがアンサモンで引き抜かれたとしても、テレグノーシスで再度召喚だ! いや、これ、実際、対人戦でもかなり有効だと思ってるんですが、おかげで水メインを自称しながら、対人戦では火ブックばっかり使ってるという、意味わからない状況でありました。いや、だって、使いやすいんだもん。

そのセカンドが3DSで帰ってきます。いや、これは楽しみですよ。けど、このゲーム、正直飛び出す意味ないよね。そう思いながらニンテンドーeショップで出展映像をダウンロード、そうしたら、おお、想像していた以上に迫力あるなあ。それに画面もかなり見やすくなってる。いや、それでもやっぱり目に負担はかかるので、長時間プレイがデフォルトのこのゲームする時は、3Dオフでやりそうに思うんですけどね。いや、わかんないですけど、まあ、オンにしたりオフにしたりでしょうね。

発売は2012年。あんまり急がなくていいから、いい仕上り、待ってます。

2011年9月13日火曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年10月号

『まんがタイムジャンボ』2011年10月号、昨日の続きです。

『先生だって嘘をつく。』。ひとりマッパはさびしいだろう… いいよ…私も脱いでやるよ…って、あれか! 最初、すぐにわからなくって、けどなんか妙にひっかかってくるんだよな、そう思ってたら、アレだよ! もう、やめてよ。泣いちゃうじゃない。いや、もう、ほんと、あの台詞だけで充分やられるくらいになってます。で、本編。あれね、南先生を止めるんじゃなくて、撮影しちゃうとかじゃ駄目だったのか? それでもって、対等とはいわずとも、せめて少しは上下関係のギャップ、それを埋めるとか駄目だったのか? いや、駄目なんだろうな。そんな写真を持っているということが、すなわちリスクである、そんな感じがします。しかし今回、大神、長持、両者のポジション、それが見事に明らかにされた回だったと思います。そうかどっちも下層なんだ……。そして最後にメリーの真心。不発だったけど、いやほんと、いい子ですよね。

『ちっこいんちょ』。改名されたのか。豊田アキヒロからトイシキに。意識して覚えておきたく思います。さて、本編。ちいさくてもがんばる、そんな委員長が可愛いなあ、そんな漫画であるんですが、それだけですまない感じが実にいい感じです。例えばそれは、ちょっとばかし色っぽかったりするところ。あるいは、電車のエピソードやハチなんかの、ちょっぴりブラックなところ。そして、最後のエピソード。ああ、あのコマはなんかじんとさせられる。こういう、人の誰かを応援したい、そういう気持ちをやわらかに表現するところ、見事ですよ。押し付けなんかじゃない。ただ自分が応援したいんだっていう、その気持ちががんばれのひとことに凝縮されている。そんな気持ちがするんですね。

ボクの社長サマ』は、いい感じに大槻妹、小月が活躍ですよ。小森があからさまに気にしてる。でも、小月はばりばりお兄ちゃん一直線で、社長、よかったねえ。しかし、この妹の大槻と小森を間違えた理由、てゆーか他人と兄貴の区別背広だけ!? 見事ですよ。こういうインパクトのあるキャラクター、実にあろひろし的テイストに溢れていて、しびれます。でもって、妹、最強の模様。あのしてやったりといった顔、あれが妙に可愛い。いいキャラクターが登場してきたと思います。

『はなな大増刷!!』、ついに文化祭ですね。ぎりぎりで準備して、そして当日。昭和の漫画家コスプレ、これ逆に可愛いじゃん。で、せっかく部誌ができたのに、恥ずかしくて売り込めない。そんなはななたちの背を押す郁子ちゃん、いい先輩だと思います。それで部誌が売れて、それがとても嬉しくて、そう思ったら家族バレ、そして校長も。いや、これ家族バレはいいとして、いや、本人にしたら全然よくないだろうけどさ、あの校長先生、先生からしたら上司バレなんだけど、それはいいのか。いや、平気そうだな。この最後のコマの先生、なんかしあわせそうで可愛くってよいなあ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第10号(2011年10月号)

引用

  • にょりこ「先生だって嘘をつく。」,『まんがタイムジャンボ』第17巻第10号(2011年10月号),98頁。
  • あろひろし「ボクの社長サマ」,同前,149頁。

2011年9月12日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年10月号

『まんがタイムジャンボ』2011年10月号、発売されました。表紙はお月見ですね。そういえば、今日は中秋の名月だそうで、なるほど、まさにタイムリー。メインに『じょしもん』、美々が十二単を着て、手にはおだんごのせた三方。ここに天女の格好した『レーカン!』天海さん、月からかぐや姫を迎えにくる使者を迎え撃とうとしている朝倉さんのカットが加わります。あと、水森みなもの新作『サチウス』の告知カットもございます。

『サチウス』、新作です。不幸体質のお嬢さん、向井サチがヒロインです。階上から捨てられた水を浴びた、と思ったら2連発だ、って、これ事故じゃないよ、事件だよ。ともあれ、運が悪い、トラブルに次々みまわれるサチは、明るく元気で前向き。友達にも恵まれてるっぽいですね。と思ったら、眉目秀麗成績優秀、けど実はオカルト大好き変な人、極楽院ミサ子に憧れといって狙われて、けどいつかふたりは友達になりそうです。

おねがい朝倉さん』は敬老の日の話題ですね。敬老の日、と限ってではないでしょうが、祖母に会いに帰省する。それが9月の新行事、って感じで語られる回でした。朝倉さんが帰り、神田が帰り、そして西薙、東もそうっていう。で、よかったのが最後だったんですね。帰省した朝倉さんがお婆さんに会う。入院してる、けどそれを孫に知らさなかった。そうした気持ち、それから痩せた祖母のこと。これはしみじみと訴える、そんなシーンでありました。ほんと、ぐっときた。私には祖母はもうおらんのですが、それでも思わされるもの大きかった。そんなエピソードでありました。

『でり研』、東雲がなんかめちゃくちゃ可愛いな。合宿恒例と聞いて枕投げを思う。そうしたら女子の風呂を覗こうというものだった、っていうんですが、いや東雲くん、これ裏切りというか、正しいでしょう。東雲くん支持やわ。だって裏切るもなにも、最初から一味やないやん。表返りである、といって堂々としていたまえ。そんな感じ。で、枕投げ。そんなに楽しみなものなのか? でも、そのはしゃぎっぷりがすごく可愛い。と、ここまでが楽しいパート。後半はちょっとシリアスになって、ああ、部長の過去、語られましたね。なるほど、そうしたことがありましたか。自己嫌悪に苦しむ東雲、慰める海原。いい話、ラストもすごくよかったです。で、海原は小さなこと気にしてるみたいですが、充分大きい、というか、むしろ大きすぎるといってもいいくらいじゃないか、と思うわけです。

特別企画「今だから話せる中二病列伝」。執筆者は坂巻あきむ、ひらふみ、みなづき忍、今豊太郎、桐原小鳥です。で、「ぼくのマ●ー」は時代を先取りしすぎたんだ…って、いったい、いったい、どのあたりをさしていってるのだろう。さて、中2のころの思い出。ゲームのために部活さぼるはやったなあ。まあ、私はその時、中学生ではなかったので、よけいにアレなのですが……。しかし、こういう好きなものに一生懸命だった、で、視野が狭かった。そうしたこと語られて、きっとたいていの人が、こういった道を辿ってきてるのだろうなあ。で、そうした道を完全に過去にできず、みなづき忍氏のおっしゃるように、多分一生中2病といえるような人が、こうした表現者になるのかもなあ。みたいなこと思わされる企画でありました。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第10号(2011年10月号)

引用

  • ひらふみ「中2病其ノ弐」,『まんがタイムジャンボ』第17巻第10号(2011年10月号),74頁。

2011年9月11日日曜日

ゆるゆりのうたシリーズ♪

 アニメ『ゆるゆり』のキャラクターソング、ゆるゆりのうたシリーズ♪。これ、最初はメインの4人だけで展開する予定だったのが、人気があるから生徒会の分も出そう、みたいな話になったとかなのでしょうか。確か後からリリースすると発表された覚えがあるのですが、いや、どっちでもいいんです。全8枚、いやさミラクるんを含むと9枚ですね。ゆるゆりのうたシリーズ♪ これ、なかなかにいい感じでして、このところ、これか『ロウきゅーぶ!』かを聴いてることが多いんですね。

さて、ゆるゆりのうたシリーズ♪ これ、アイキャッチ(そう、あの妙に長いアイキャッチ)で使われてたりするので、聴いてみれば、あ、これ覚えがある、そう感じることうけあいです。いえね、最初、あれは単にキャラクターのテーマ曲だと思ってて、実際アイキャッチ以外でもいろいろ使われてたりするから、ほんとキャラクターテーマと信じて疑うところがなかった、いつかサントラで聴く日が楽しみだ、そう思っていたらですね、なんとキャラソンだった! 驚きの展開でありましたよ。あかりのうた、『私、主役の赤座あかりです』を聴いて、あの印象的なリコーダーのフレーズ、わお、なんとそういうことか、理解したのでした。

しかし、見事にキャラソンですよね。だって、あかりのなんて『私、主役の赤座あかりです』と『背景』ですからね。タイトルがそうなら、内容、テーマも当然そう。もちろん歌詞だってそうですよね。私はまだアニメでしか見てないから、その歌詞に盛り込まれてるすべてがわかるわけではないですけど、けれどそれでも、そうとちゃんとわかる。それだけの盛り込みはされていて、いや、見事ですよ。すると、なるほどこういうネタないし展開ないしがあるんじゃないか、歌聴いて思いをはせる。そんなことにもなって、なんだか順序が逆ですが、まあこういう楽しみかたもありですよね。

キャラソンとしてのインパクトは、やっぱりあっかりーん、だと思うんです。なんせ、存在感がありませんという、作中でも繰り返し繰り返し出てくるネタ、それの駄目押しともいえる非常に狙った歌。これは徹底してるなあ、感心するわけですが、はまってるのはどれかというと、断然02、結衣先輩の2曲ですよ。『ごゆるりワールド』、『クールナンバー』。はじめて聴いた時は、なんだかちょっと乱暴というか、擦れっ枯らしな感じがして、あんまり由衣先輩っぽくないなあ、なんて思ったのですが、それはあくまでキャラソンとしての評価。その曲だけを評価すれば、すごくいい! まずは『クールナンバー』にはまった。なんべん聴いても飽きない、癖になる。『ごゆるりワールド』にもはまった。こういう感じの歌、もっといろいろ、たくさん聴きたいなあ、そう思ったくらい。ほんと、この2曲、ものすごく好きになってます。

あんまり由衣先輩の2曲が好きなせいで、なかなか歳納京子とちなつの歌が浸透してこないんですが、これらもいずれ好きになりそうな感じ、というか、実際好きになりつつあります。気になるところ、いくつもあって、それらをとっかかりにして好きになる、そんな感じでこれらの歌は聴いています。

あ、そうだ。コミックマーケットで先行発売されたミラクるんのCD、通販が開始されていたので、買いました。これも劇中に流れてましたね。この、キャラソンが別個のものではなく、本編と関係してるというのがちょっと嬉しい、なんて思っています。

  • なもり『ゆるゆり』第1巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2009年。
  • なもり『ゆるゆり』第2巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2010年。
  • なもり『ゆるゆり』第3巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2010年。
  • なもり『ゆるゆり』第4巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第4巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年;限定版,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第5巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第6巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第7巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第7巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年;限定版,2011年。
  • 以下続刊

Blu-ray

DVD

CD

2011年9月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2011年10月号

『まんがタイムきらら』2011年10月号、昨日の続きです。

『箱入りドロップス』、これはいい感じ。カラーも素敵。女の子ふたりの浴衣、柄も色合いも綺麗で素敵です。いや、ほんと、扉の雫、にこにこしてすごく可愛い。萌の紺の浴衣も落ち着いてしめやか。素敵なお姉さんです。で、本編の雫さん。びっくりのおどおどだ。手をつなぎませんか、って、わお、萌さんやってくれます。うん、これは陽一が手をひいてあげるべきでしょう。しかし、はじめてのお祭りに嬉しさいっぱいの雫、もうたまらんなあ。この、隔離されてて、これまで楽しいことも全然経験してこなかった、そんな女の子を、みんなで応援しようっていうね、そんなところが見えて、もうなんかじんとしちゃった。あの熊のくだりですよ。萌の反応、これで一発インパクト加えておいて、その次の一本ですよ。ああ、みんな頑張れ! そう思いたくなる、そんなエピソード。もう、たまらぬ。ほんと、すごくいい、すごく楽しく、気持ちぐいぐいひっぱられる、そんな話でした。

『サンタとトナカイが、小学生で。』、ゲストです。戸中井由智乃と三田木香歩子は、人の姿に身をやつしているトナカイとサンタクロース。夏のこの時期にプレゼントを配っているというんですね。何故!? ここ、南半球? って、いや、去年のクリスマスで配りきれなかったらしい……。防犯システムの進歩が、サンタクロースの活動を妨げてる! って、なるほど。しかし、あの侵入、いやプレゼント配布に用意された道具のアレなこと。で、プレゼントもBLとか、なかなかナイスですね。ちゃんと欲しがってるものをあげるんだ。この、届けにいって遊んじゃうとか、このへんが小学生サンタなんでしょうね。連載にはむいてない? そう思ったりもする漫画ですけど、はしばしに気のゆきとどいたネタ、見せかたがある。悪くないように思います。

三者三葉』、今回は西山近藤の話っぽいですね。この扉、すごくいい。で、本編、西山を怒らせたといって近藤がへこんでる。って、この人、本当に無自覚なんだなってのがわかる。いや、これまでもいろいろ描かれてきたことですけど、ほんと、近藤さん、容赦ありません。まあ、今回とどめを刺したのは双葉ですけど。でも、無茶ブリに機嫌そこねながらも、ちゃんと期待に応えようとする西山さんですよ。いい子だなあ。なんでやねん! とかも、ほんと、健気な人。その健気さがあるからこそ、最後の最後、近藤のとどめ、これが効くんだろうなあ。ほんと、西山近藤にスポットあてつつ、メインメンバーにも光を当てていく、実に面白い回でした。

『だいすき♡』は、太一志津回ですね。いやほんと、千夜がからまないとこんなに穏やかなんだ。って、え? 穏やか? しかし志津さん、この人も太一のことちゃんと心配して、いい人よね。あんまり幻想持ちなさんなと忠告して、いや、けど自分にもダメージとかね。この人もいい感じに深みにはまってますよ。で、その後、デートっぽくなっちゃうのね。靴屋での雰囲気とか、いいじゃない。このふたり、付き合っちゃえばいいのにね、そんなこと思っちゃうくらいで、喫茶店でもね。互いにいいとこ悪いとこ、わかってる。そんなふたりはいい関係だと思います。地味で静か、そんな回だけど、よかった。しみじみする話でした。

My Private D☆Vはほた。です。で、これ、なんとショートストーリー仕立てか! 驚いたけど、こういうのもいいなあ。女の子ふたりの、友情からほのかな恋心? 淡く曖昧な思いをすくいあげて、だんだんに深まっていくその様子描かれて、なるほどイラストも実にいい感じ。話が主でなく、イラストが主でもなく、そのふたつがあいまってともに支えあう、互いのよさを引き出す、そんな風合い。やわらかでやさしげで、とてもよかったです。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第10号(2011年10月号)

2011年9月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2011年10月号

『まんがタイムきらら』2011年10月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』。ちょこんとすわっているゆずこ、なんかいつもと雰囲気違うな。ちょっと現実よりのプロポーション、男の子っぽくもあるけど、けど間違いなく女子な雰囲気、すごくいいですね。背後の淡い緑、パステルでいいのかな? 淡い色合いでもって浮んでくる文字、その散らされかたがなかなかにナイスで、ちょっとポップ、ゆずこのTシャツもポップ。かわいくていい表紙だと思います。

チェリーブロッサム!』は、大倉山先輩のおうちですよ。って、すげえ、なんだこれ、お城かよ。いやしかし、先輩、いいお姉さんだなあ。あの、頼っても良いんだからねって、いや、くいくいのところ、扉の時点からめちゃくちゃ可愛いんですけどさ、いや、いいわ、大倉山先輩、好みだわ。で、この人の下着姿やらなんやら、見られることに躊躇ないっていうの、この環境で育ったからこそなんだろうなって思うんですね。単行本でもそうだったでしょう。着替えに、そして今回はお風呂、他人、使用人が普通にそこにいる。だから、見られることが日常、あたりまえだったのかもなあって思わされるんですね。しかし、ほんと面白い人。パンツを仕込んでいた。で、この仕込みに気付いてる時点で、大咲、欲望に負けたってバレてるよな。しかし今回は、本当に大倉山先輩回でした。幼少のころ、だんだんに大きくなっていく、その節目節目の先輩が写った写真とか。いや、あれは魅力的。でもって、ちょっとブラコン? 使用人にも愛されてるようで、すごくいいラストでしたよ。

『スマイル・スタイル』は、百合さん、大活躍だな。百合のこと、なんだか気にくわないわ、って感じの女子ふたり。なんかノリのいい楽しい人たちだな。ツリ目さんが可愛いぞ! で、百合にちょっと困った人たちをけしかける、って、結果的にそうなってるだけで、このふたりは観察してるだけか。しかし、それで連戦連勝の百合ですよ。委員長陥落、ツンデレ陥落、不思議ちゃん陥落、で、モブ子ってなんだこりゃ。特徴もない、顔も描かれない少女A、この子も陥落、生徒指導の先生も陥落。すばらしいな。クラスメイトもすっかり百合のこと受け入れて、しかもなっちゃんまで。で、この二人、あっちゃんとなっちゃん、単発キャラなの!? それはなんだかもったいない! いや、ほんと、もったいないですよ。

『隣のあるの。』、ゲストです。幼なじみのあるの、ずっと彼女に守られてきた佑二があるのと再会する。いえね、佑二はすっかり男の子になって、反面あるのはなんだか残念どじっ子に育ってて、そんなふたりのでこぼこな関係なのでしょうか。佑二を守ると意気込むあるの、鎧とか着込んで、ほんとやる気。対して佑二はしっかりして、けどあるのにはドキっとさせられて、この前提はいい感じだなって思いますですよ。で、犬と同室なのか。すごいな。というか、座敷犬なのか、こいつ! どう見てもグレートデーンなのに! 

『ましゅまろ×タイフーンッ』、最終回ですよ。なんか、ばんばん終わるなあ、そう思ってたら、これ、2巻出るのか。よかった。2巻完結なら、わるくないサイズかなって思えます。で、最終回は海ですよ。女の子4人で海。テンション高めなきなこ、そう思ったら、クール気取ってる花乃、うん気取ってるだけなんだね。この、からかったりしてる、その雰囲気すごくいい。で、海でもいつもどおりのきなこなんだけど、あの雛のピンチにかばってくれた、そしてみんなもやってきた。これ、いいですね。これまでに登場した人たち、みんな一緒の最終回。にぎやかでいいなって思ったのでした。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第10号(2011年10月号)

2011年9月8日木曜日

『まんがタイム』2011年10月号

『まんがタイム』2011年10月号、昨日の続きです。

『もいんの高校野球日誌』、これ、素晴しい扉だな。ボールを磨く、それさえも嬉しい。もいんの磨いたボールの輝きがすごい。この1ページだけで、もいんがどんだけ野球のこと好きかがわかろうもので、で、ページをめくっていけばそれ以上。もいんの、内気で気弱そうな風貌、これが野球に対する意欲の発露、それと強烈なコントラストを見せる。これが魅力であり面白さでしょう。素晴しいと思います。しかし、あの監督にずけずけ指摘するっていうのとかね、しびれますよ。采配ミスの指摘も素晴しい。ほんと、この子が監督したらいい。雨の中、率先して準備する、ほんと、野球にかける青春、どころか人生もかけそうな勢いね。この熱意が部員をひっぱってるってのもナイスだと思います。

『まだまだ浅野さん』は、そのセンスの源がわからない。食パンをたてにスライスとか、よくこんなこと思い付くなあ。で、50ccの計量カップ。この発想もわからんのだけど、浅野さんが内心止めて欲しいと思ってるのが変に面白い。この、最初のうちは、これどうなんだと思って、踏み込むべきか退くべきか、決めあぐねて読み進めるうちに引き込まれている。って、前の妖怪ものがそうだったんですが、浅野さんも同様、なかなかにあらがえないものがあります。

『営業侍和華さん』、ゲストです。って、昨日の「新人さんいらっしゃーい!!」に参加されてたG3井田氏の漫画です。って、これが初掲載なら、そりゃ特別企画の自己PR、あれ見てもわからんわけですよ。だって、順番が逆なんだもん。さて、本編。山奥で修行していた相馬和華。武術と山菜の見分けに自身ありの彼女が、中途採用で入社してきた! って、よく入れたね! これ、武士っぽい価値観の和華さん、この人はあれだけど、心配してるとこ見るにお母さんは普通っぽかったり、またつっこみ役の吉田、つっこみつっこみ絶望する、その様面白かったり、けど一番強烈だったのは、私は社会の生ゴミです、でした。

  • 『まんがタイム』第31巻第10号(2011年10月号)

2011年9月7日水曜日

『まんがタイム』2011年10月号

『まんがタイム』2011年10月号、発売されました。表紙のテーマは、秋の味覚? でも『おとぼけ課長』が食べてるの、あきらかに渋柿で、ああ、あのしびれるというか、いがいがするというか、渋い感じ、それがいかにもな感じで伝わってくるイラストです。そして『だってあいちてる』、ぶどうですね。畑中がぶどうを食べさせてもらってます。介護じゃないよ。

『ロコ・モーション』、ゲストです。ヒロインは伊那地ひろこ、ロコって呼ばれてます。その友人、白鷺ももこ、この子はモコと呼ばれていて、ふたりでロコモコ、じゃないな。高校3年生。そろそろ進路を決めないといけない、そんな時期にのんびりしてるロコ。対してモコは筋金入りの鉄道マニアらしく、そうか車掌になりたいのか。昔なら女性で車掌とか運転士とか、難しかったろうけれど、今では普通だものなあ。彼女のような夢を見ながらも果たせなかった人もいるだろう。うん、モコにはいい時代になりました。しかし、モコに好きになってもらいたい、その一心で鉄道研究会に入るロコ。そこでの聞いても理解できない会話とか、あれってインバータだっけ? なんか懐かしい響きです。キャラクターは可愛く、話の流れも期待できそう、そんな感じ。楽しみに続く掲載を待ちたく思います。

で、ロコがモコにモーションかけるから、ロコ・モーションでいいのかしら。

『ニッポンのワカ奥さま』、これ、わからない! 秋の夜長、あんな素敵な奥さんがいてすることないとか、なにいってるの、ダンナ! ほんと、いってることわかんない!

特別企画「新人さんいらっしゃーい!!」、ペンネームの由来&自己PRであります。参加者は宮下二三(『ハードボイルドになりきれない』)、きんのりふみ(『もいんの高校野球日誌』)、G3井田(『営業侍和華さん』)、岩田鷹吉(『極小刑事ミニさん』)、城戸みつる(『まだまだ浅野さん』)です。アピールのうまい人、苦手な人、これは重要かもなあ。ちょっとそう思いました。こういっちゃ失礼ですが、正直作者、覚えてない。そこでちゃんと自分の漫画のタイトルないしキャラクター描いてくれる、それで、ああ、あの人か、一気に近しくなるんですね。といいたいが、城戸みつる氏。この人はすごいな。あの強烈な自筆署名、あれだけでなに描いてる人かわかる。強烈な味がある人だと思います。しかし、新人さん4名、みんな男性なんだ。意外というか、4コマ新人で男性ばかりってめずらしい、そんな印象もあったりします。うまいことレベルアップして、長く描かれるようになるといいなあ、そう思っています。

『ハードボイルドになりきれない』、すごく気にいっています。所長のダメっぷり、っていったらあかんのかな、いや、さっきの企画のネタでそんなこと書かれてたので、でも、この所長のあかんとこ、それが素晴しい。知らない人と会話できないとか、その様子が描かれた、完全に心を閉ざしたという表現、バンバンバン、あれはいかす。顔がさ、いかします。この漫画は、所長の放っとけなさ、助手の有能というかやり手な感じ、それがすごくいいんですけど、今回の「尾行」みたいに、面白い案件、そういうのもあるのは強みのように思います。しかし、探偵さん、全部つきあったのか。

  • 『まんがタイム』第31巻第10号(2011年10月号)

2011年9月6日火曜日

蛍火の杜へ

 アニメ『夏目友人帳 参』、これがおすすめといわれて、見れば確かに素晴しい。しみじみと伝わってくる心情、その豊かさ、ささやかなしあわせを大切にしようというかのような夏目の思いは、静かながらも強く心を揺さぶって、ほんと、教えてもらえてよかった。知らずにいたら、人生の楽しみにおける損失だった、そう思うほどです。さて、『夏目友人帳 参』見てましたら、『蛍火の杜へ』のCMが流されてまして、ふーん、興味あるかな? そんな風に思っていた。けど、今は見にいきたいな、そう思っていて、それは原作を読んだから、なのですね。

今日書店にいったら、愛蔵版というのが出ていたのでした。これは、どうしよう。ちょっと考えて、買ってみた。それは、映画への興味もあったのだけれど、同時にこの人の描く漫画、それはどういう感じなのだろうと思ったから。これが大きいように思います。私が知っている緑川ゆきは、あくまでもアニメの『夏目友人帳』でしかなくて、実際のこの人の手になるものを見たことはまったくない。『夏目友人帳』は現在12巻刊行されていて、今から買うにはちょっと気力が必要。ええ、1巻で完結する『蛍火の杜へ』は都合がよかったのですね。続刊がない。短編。手軽に買えて、手軽に読める。雰囲気を知るには最適と思われたのでした。

アニメはしみじみと語られる散文の物語、対して原作、漫画は詩のようであるな。淡く綴られる心象の風景。コミカルな描写もあれど、時に挿入されるモノローグ、それはしたたかに心を打って、かすかに痕を残して消える。描かれるものは、物語の起伏であるというよりも、思い、感情、気持ちの継続していく、その流れであると思われて、ゆえにその気持ちの心にそっと秘められつつも、いつか思いをあらわにせねばおられないまでに大きく動いてしまう。その明かされる瞬間の、閃くような眩しさは、幸福であり、悲愴であり、もう言葉などいらぬよな。そう思わされるほどの充実で、しかしその鮮烈を受けて静けさに返す、そうした言葉もまたしなやかに息衝いているのでした。

私は、これほどまでに強く人を思ったことがあろうか、そう思わされる物語でした。そしてこれが、アニメとなって、また違った表現手法で語られるとなれば、どのような世界を見せてくれるだろうか。見たい、それを知りたい。そうした気持ちがとどまらないのです。

  • 緑川ゆき『愛蔵版 蛍火の杜へ』(花とゆめCOMICSスペシャル) 東京:白泉社,2011年。
  • 緑川ゆき『蛍火の杜へ』(花とゆめCOMICS) 東京:白泉社,2003年。

CD

2011年9月5日月曜日

『まんがタウン』2011年10月号

『まんがタウン』2011年10月号、発売されました。表紙は秋の味覚ですね。ぶどう狩りにいったしんのすけでしょうか。ひまわりは梨を持っています。これに『少年アシベ』、『ちはるさんの娘』、『今夜も家呑み!ご当地グルメでカンパーイ!』、『はいぱー少女ウッキー!』のカットが散らされています。

『ちはるさんの娘』は宝塚ならぬ宝束の歌劇ですよ。一度見たいと思っていたちなつさんのために、武者小路がチケットを都合した。って、これすごいな。大階段のシーンとか、宝塚的魅力がばっちり描かれてると思うもの。本物は羽根とかもっと派手な気もするんだけど、でもあの表情、髪型、あれら、すごいよね。ということで、トップとお食事とか、なにこれ、夢のよう? というか、普通に梅本がついてきてる謎。というか、梅本、最低だ! これはちなつ先生争奪戦から脱落だな、そう思ったら、わお、武者小路も脱落だな、これ。というわけで、園子さんがちなつに助けられて、恋に落ちて、ちなつさんは困ってるみたいだけど、でもこのカップルが一番仕合せになれそうな気がします。がんばれ、ソノさん!

『今夜も家呑み!ご当地グルメでカンパーイ!』、新連載です。お酒飲むのが好きだったのに、結婚して子供もできて、飲みにいくことすらままならない。なので、ちょっとでも居酒屋気分を味わおうということで、郷土料理つくって、ちょっといいお酒用意して、そんな企画ですね。第1回はちりめん山椒、京都の料理らしいですが、こんなん知らんなあ、と思った時点で理解した、ああ、知ってるよ。あれ、ちょっと苦手なんだよ。うちでは多分常備してるんじゃないかな。弁当のおにぎりに入ってたりして、ぴりぴりして苦手だからやめておくれといったことある。そうか、あれか。確かに普通にある料理。うちのは母か父か知らんけどが作ってるな。ざるに山椒の実が山程あけてあったりするよ。

というわけで、郷土料理、おつまみによさそうなのをそれっぽく作ってみます、レシピも載せます、そんな漫画。気のきいたの、いろいろ紹介されたらいいな。そう思わせてくれる第1回でした。

『夢からさめても』、ゲストです。公務員、星幸久にはヒミツの能力がある、ということで、夢で未来を見るのだそうです。しかし、この人、筒井さん、いやさ美弥さんに関係する夢しか見ちゃいないじゃないか。堅物の眼鏡さん。そう思っていたら、なんかえらい可愛いっぽい。でもって、実際そうっぽい。ぬいぐるみのクマがないと寝られないとか、幻想の生物みたいだ。けど、さすがの予知夢の威力というべきか、幸久、美弥さんと付き合うことになりそうな雰囲気。けど、この漫画が続くにはここで付き合っちゃったら駄目なんじゃないか? いや、いいのか、付き合っても。などなど。なかなか悪くない、楽しんで読める漫画でした。

『かりあげクン』は、さすがに昔のような勢いはない、といいたいのだけど、でも今なお強烈に作用するネタが溢れているから、ほんと、ものすごいなと思います。日曜大工、日曜シェフときて最後に日曜パパで落とす、この時の子供の楽しそうな顔とか、地味にいいなあ、そう思ってたら、のり弁の落ち。あれは面白い。なんというのだろう、あの絵が面白い。基本安定して面白いところに、こういうナンセンスだったり、小ネタが効いてたりする、そういうのがぐっとくる、そう思わされました。

  • 『まんがタウン』第12巻第10号(2011年10月号)

2011年9月4日日曜日

ロウきゅーぶ! キャラクターCDシリーズ

  ええと、まだ原作第1巻を読み終えてないのですが、『ロウきゅーぶ!』、楽しく見ています。というか、結構はまってる部類かも知れません。小学生美少女たちのバスケ部をコーチする、そんなキャッチーな設定見て侮ってかかると意外やしっかりしたバスケものという、そのギャップがナイスです。とはいえやっぱりキャラクター重要、ということでキャラクターソングCDなど連続リリースされておりまして、現在2枚目まで出ています。で、これがなかなかにいい感じ。楽しみにして買って聴いているのであります。

2枚、ということで現在出ているのは湊智花と三沢真帆ですね。収録内容は、それぞれのキャラクターソングが1曲、キャラ別にアレンジされたテーマ曲『SHOOT!』が1曲、そしてモノローグですね。智花の場合は「ひとりごと」。真帆は「そうだんごと」。その後ひめごと、なやみごと、ならいごとと続くのですが、これが強烈。めっちゃくちゃ面白いの。というか、聴いててにやにやする。非常にまずい。人に見せられない、そんな状況ができあがってしまう、そんなトラックなんですね。智花はやけに変態チックだし、まほまほは紗季に電話してる、そんな状況なんですが、収録されていない相手の声が聞こえてくるかのようにいきいきとしたモノローグ。面白いわ。うまいわ。とてもいい、ちょっとファンになってしまいそう、そんな勢いです。

しかし、メインは歌ですよ。智花は花澤香菜さん、まほまほは井口裕香さんが歌ってるわけですが、井口裕香さん、『SHOOT!』でもそうだったんだけど、『SHOOT! -No.5 MIX-』もこれがまほまほとは思えない大人っぽい歌い方で、わお、これすごくいいよ。そう思ってたら、途中のラップが当然まんままほまほでくるから、ギャップがすごい。強インパクト。うわあ、すごいな。まいっちまってるわけです。もちろん『SHOOT! -No.4 MIX-』も好きなんですけど、あのテンポのはやさ。すごいよね。自分の固有のテンポが遅めのせいもあるみたいなんですけど、ついていけなくてまごまごするくらい速くて、聴いてる途中、どんどんテンポが走ってるみたいに感じられて、けどこの快速快活な感じ、これが智花なのか。なのか? わからんのだけど、びゅんびゅん先に進んでいく、その感じ、大好きですよ。

で、キャラクターソングも好き。『SHOOT!』は結構意外性が強い、そんな印象があったのですが、キャラクターソングは正統的って感じですよね。とにかく可愛い、そんな感触があって、『自主恋 Shoooooter!』も『ミライ☆シュート』も、どっちもいい。『自主恋 Shoooooter!』の方が落ち着いてる、というか、おっとりしてる? 『ミライ☆シュート』は、これ難しそうよね。途中、調性を見失いそうになる、そんな感覚がクラクラキラキラな感触を叩き込んできて、いや、いいですよ。

キャラクターCDは、次の永塚紗季で折り返し。あと3枚残っています。はたして『SHOOT!』はどうなるのか、またキャラクターソングは? すごく楽しみで、けど毎週発売とか、意欲的ですよ。でも、買う方としては、一度にどんと出して欲しかったりしますよ。

  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第2巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第3巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第4巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第5巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第6巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第7巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第8巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 以下続刊
  • たかみ裕紀『ロウきゅーぶ!』第1巻 蒼山サグ原作 (電撃コミックス) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • たかみ裕紀『ロウきゅーぶ!』第1巻 蒼山サグ原作 (電撃コミックス) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 以下続刊

Blu-ray

DVD

CD

PSP

2011年9月3日土曜日

『まんがホーム』2011年10月号

『まんがホーム』2011年10月号、昨日の続きです。

『南の島のサツキ』、ゲスト2回目です。離島に暮らす女の子。クラスの人数、いや学校全員か、が5人。そこに転入生がひとり加わって、やっとこさ6人になったという、そんな土地。サツキは素直で元気で明るくて、とんでもなくいい子、そんな感じなんだけど、転入してきた結城冬眞、この人はなにか不満でもあるようで、荒れている? けれど、こんな彼をサツキが変える。そんな展開が用意されているように思えます。けど、いきなり制服脱いで飛び込んでって、鮮烈だけれど、違う意味でドキドキするな。あれ、あがる時どうなるんだろう。いらんこと心配しています。

『あゆみさんは心配性』って、まだゲストだったのか。心配性のお姉さん、なんだけど、初期の頃の見てるこちらが心配になるような心配性から、ああ、またお姉さん、やらかしちゃったよ! そんな感じになったものだから、今は安心して楽しめる。失敗にもほのぼのとした感じがあって、いや、これいいですよ。安定して面白い。あゆみさんもすごく可愛い。あの固まっちゃってるっていうのも、いやほんと可愛い。まあ、ちょっと別の意味で心配だったりもしますけど、もういい大人なのに。お盆のお墓参り、おじいちゃんあばあちゃんにも愛されてる。お父さんには溺愛されてる。いや、その心配されるの、わかります。けど、心配されるのは危ういからだけじゃないよね。友達からも愛されてるもの。その感じ、いい人感がもうたまりません。

あ、そうそう、すず虫逃がして、弟に助けを求める。あの時の顔、あれはいいなあ。ものすごいキュートじゃん。それから、お母さんによく似てる! こういう、決めになるコマの表現、表情、それがすごく素敵です。固まる瞬間とかも、動きがあって、それが止まると感じさせる。すごくいい絵でした。

『腐女子主婦がゆく!』、えらいことになってきてるな。最初に出てきた馬のスクリーントーン。これ、いったいなんなのか、そう思ってたら、うわあ、驚きの手抜きアイデアだな。いや、さすがにこれはギャグ、本気じゃあるまい。そう思って、いやだって、パカランパカランのギャップ、どう見ても落ちなんだもの。M元嬢の帽子の指摘をうけて出された対応策とか見れば、なおさらギャグ。これ、ほんとに真面目に笑わせにきてるだろう。それこそ、BL作家を目標に! とかじゃなく、漫画家自虐ネタで笑わせよう、そんな漫画になっていると思います。

  • 『まんがホーム』第25巻第10号(2011年10月号)

2011年9月2日金曜日

『まんがホーム』2011年10月号

『まんがホーム』2011年10月号、発売されました。アイドルオンステージ、ということで、『らいか・デイズ』らいかがアイドルに! これ、なにか元ネタあるのかな? いかにもダンスしますよといった雰囲気させています。この他には『椿さん』が往年のアイドル風に歌ってて、『夫婦な生活』は袖にヒラヒラつけて、ロカビリー? アイドルというと、ちょっと懐かし風になっちゃうんでしょうか。そして『そよ風そよさん』。いちごの被り物しています。って、隣にあるの、リアルサイズのいちごか。すごいな。

『ふつつかな文香さん』、ゲストです。文香さんは兄嫁。いろいろあれこれ、いたらぬお嬢さんで、片付けできない、炊事洗濯だって駄目。けど、凜はそんな兄嫁のことが気になってしかたない。ずっと年上なのに、いたいけ、可愛さにぐらぐらきていて、けど文香さんは夫のことを愛してる。この、見事に一方通行、まったく実りそうにない片思い事情。けど、兄嫁にいろいろ思うというのは、古典的でさえありますよ。これ、凜君、もう辛抱たまらぬ! みたいになることはないんだろうなあ。いや、なっても困ります。

『東京!』は季節のエピソード、文化祭であるのですが、おばけやしきだなんだと、ありがちに傾きそうな状況、そこに不参加という意見を叩き込むムサコ。これはなんだか新しかったな。いかな私も、これは思い付かなかった。しかしお化け屋敷の仕掛けを作るという、それだけのことで、えらいこと怖がるたまこ。小動物感が出てて、すばらしくいいな。で、ムサコの威力をそぐために用意された猫の着ぐるみ。こいつをトレードするっていうのも、ほんと、たまちゃん、輪をかけて怖くないな。今回は文化祭の準備の風景。ということは、次号は文化祭当日なのかな? お化け屋敷がどうなるか、それから渋谷の女装。いろいろ楽しみなしこみがいっぱいです。

特別エッセー企画は「理想のお手伝いさん」。執筆者は楯山ヒロコ、カワハラ恋、櫁屋涼、井上トモコ、水沢あゆむです。いきなりの四コマの枠ひいてくれる人にやられて、いやほんと、えらいこと面白かったのですが、他の人のを見ても、意外といたれりつくせり的なものを求めてない。堅実ですよね。ご飯作ってほしい、いざという時にスーパーな自分に助けてもらいたい、って、いや、それお手伝いとかじゃなくて、自助だから! わんこのお手伝いさんっていうの、これ、手伝いしてくれなくとも、可愛い生き物と高度なコミュニケーションが成立する、それだけでも充分に癒されそうな気がします。

『センセイあのね?』、素晴しいなあ。目の前で好きな女の子に泣かれてしまった。それで落ち込む早乙女ですけど、なんと、彼、ちっさなころはつぐみに守ってもらってたのか。そうか、ほんとつぐみが王子様だったんだな。で、越後屋さんににらまれ、マリちゃんにもにらまれ、で、つぐみの視線に勘違いしてと、ほんと、アップダウンのはげしい男であります。いや、まあ、最後にダウンするんですけどね。つぐみは王子様っていわれたりしてるけど、しっかり女の子だよなあ。色っぽくて可愛い。そりゃ早乙女も好きになるだろうよ。でも、その気持ちが片思いと知らされる。ああ、もっとひっぱると思ったんですよ。でも、このすぱっと決着をつけたというの、彼にはよかったなあ。今後、やっぱり悩んだりするんでしょうかね。

  • 『まんがホーム』第25巻第10号(2011年10月号)

引用

  • 楯山ヒロコ「理想のお手伝いさん」,『まんがホーム』第25巻第10号(2011年10月号),84頁。

2011年9月1日木曜日

百合男子

 『百合男子』、ちょっと話題になってましたよね。なんせ、私の耳に届くくらいです。具体的に名前を知ったのは、『ゆるゆり』アニメにて流された『百合姫』のCMでだったかなあ。ゆ、百合男子!? その異質な響にちょっとぎょっとして、しかし、これどんな話なんだと興味を持ったら、作者がなんと倉田嘘。『いつか王子さまが』の人か! これは、これは買うしかないなあ! かくして購入とあいなったのでした。

しかし、これ、主人公、無駄に凛々しいなあ。表紙には思案している男、表紙めくれば、わあ、なんだ、得意気にサムアップかよ。これが啓介。百合を愛し、ゆえに苦しむ男。ただただ愛する百合的世界。しかし自分自身を顧みれば、理想的百合世界にはまったく不要な男ときています。百合を知り、百合を臨むに際して欠くことのできない主体でありながら、その存在が理想を汚してしまう。なんという不条理。かくして、啓介はひとつの結論に辿りつく。

我思う、故に百合あり だが そこに我、必要なし…

な、なにいってんの!? 兄ちゃん、大丈夫か!? そう思うんですが、いや、まあ、気持ちはわかる(ような気がする)。なんというのか、理想的世界を夢想して、しかしそこに自分の居場所などは徹底的にないのだ、それを自ら思い知らされる。誰しもあるんじゃないかなあ。私にもありますから。とまあ、こうした感覚を抱いて、絶望的な切なさに打ちひしがれたことのある人にとって、それから百合に興味のある人にとって、この漫画は強烈に作用する。そんな気がするんですね。で、人によってはその作用、共感が同族嫌悪を引き起こしたりするんだろうなあ。

しかし、この漫画、啓介、こいつは困ったやつだなあ、身につまされながら苦笑しつつ楽しむ、そんなことも可能なんですけれど、これ、実に百合もののガイドとしても読むことができる、そんなところもあって、なんとそうか、『ささめきこと』、読んどくべきだったか。加えてゲームなんかもいろいろ出てきて、いや、もう、危険ですよ。どんなもんだろうと手を出しそうになる。ほんと、ただのレビューやガイドじゃないから、そこに描かれる感情情動をともに押し出されてくる。いや、もう、たまらん、危険であるのですよ。

危険といえば、過激派原理主義とか荒れ狂う百合漫画総合スレとか、ええーっ、百合漫画総合スレってそんななんだ! いや、存在は知ってるんだけど読んだことないから、いや、でも、なんとなくわかる気がする。で、『オクターヴ』が地雷とか! いや、でも、私は『アフタヌーン』購読してるから『オクターヴ』も読んだことあるんですけど、そうか、あれ百合ものだったか。同性愛ものというくくりでは読んでたんだけど、百合ものという認識がなくて、ああ、ここに自分の百合というカテゴリー、その線引きの微妙に揺らいで違う、そういうものを確認した思いです。なるほど、ひとことで百合というのは簡単だけど、人によってそのくくり、許容や認識の範囲が違うっていうのはあるよな。それを実感させた、あの場面。で、許容度が互いに低いと荒れ狂うんだ。すごいよね、面白いよ。で、しまいには鍋が飛んでくるんだ。

いや、しかし、ほんと、面白いです。ある程度踏み込んでしまってる人からしたら、もうたまらんものがありそう。いや、受け付けないって人もいるんでしょうけど。ほら、連載当初は切り取り線がついてたとか、すごいよね。ある意味、ちょっとした冒険、挑戦だったのかも知れませんね。で、リスクをとってリターンを得た、そんな感触のある一冊ですよ。

  • 倉田嘘『百合男子』第1巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • 以下続刊

引用

  • 倉田嘘『百合男子』第1巻 (東京:一迅社,2011年),30頁。