『まんがタイムきららフォワード』2011年11月号、一昨日の続きです。
『恋愛専科』は、なんというか、ボーナスステージ突入といった感じ。三枝杏と名乗ってたアクティブな彼女の正体は、杏三枝。眼鏡でショートカットの地味かつ内気な女の子でした。よし。いい展開になってきた。古風なお家で育った彼女、って、そりゃ古風じゃなくて男尊女卑ってんだよ。ともあれ、海外に出て、自己主張をしないといけない、そんな環境でアクティブな自分を演じたことがきっかけで、解離性同一性障害になった。いや、そうじゃないか。でも、これからこの人の内気な側面、それが自由になっていくのだとしたらよいな。そう思います。
『トランジスタティーセット — 電気街路図』、最終回なんだ。なるほど、すずの進路の選択であるのか。自分ひとりでなんとかできる、そう思っていたけど、父の仕事振りを見て、自分自身を省みることとなった。かくして自分にできることはなにか、やりたいことはなにか。これまで止まっていた時がまた動きだした、そんな感じのするラストでありました。まったく違った世界に進んでいくわけじゃない。これまでのものは、やっぱりそこにあって、すべてはその延長上にある。ゆっくりと変化し、動いていく。そんな感覚はちょっと独特であると思いました。
『九十九のあまのじゃく』は届け物ミッション、って、なんだろうあの崖の上の洋館。なんかすごく既視感があるぞ、って、オマージュでありましょう。予想どおりといえば予想どおりにお医者のうち。しかも外科医、というか、切り裂き魔だよな……。新キャラ、鎌鼬のマイさん。血を見ると、我を忘れて斬り掛かるのは問題だけど、あの塗り薬、ええと、伝承だと3人目が塗るやつでしたっけ、あれはいいなあ。しかし、いい感じに村内の関係が広がってきてますね。
『少女素数』は、前回のすみれの告白。あれが未遂に終わって、ちょっと緊張感もゆるんで、でもそれで落ち着きはしなかった。有美が見ていた、そしてそのことがクラスの子らに伝わって、議論白熱でありますね。しかし、この有美という人は、なぜこんなにも真っ直ぐなんだろうか。いい子だなあ。ぱっクンに対する気持ちも本当、けれどすみれに向ける思い、それも本当なんだな。それがすごくよくわかるエピソードであったと思います。ちょっとイジワルしたけれど、これが彼女なりの仕返しで、そしてすみれの罪悪感をやわらげるための一工夫だったのだろうなあ。そしてすみれの有美に伝えたかったこと。ああ、やっぱりふたりは本当の友達なんだな。実によい関係を築いてるんだな、そう思ったのですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第5巻第11号(2011年11月号)
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