2022年4月30日土曜日

『まんがホーム』2022年6月号

 『まんがホーム』2022年6月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。白無垢、花嫁さんのらいかがメインに登場です。今号は6月号、ということでジューンブライドでしょうか。ヒロインそれぞれの花嫁姿が表紙を飾って、『ヲトメは義母に恋してる』鈴、寿々のふたりが揃いのドレス。『孔明のヨメ。』孔明に抱き上げられる月英も真紅の衣装、これは当時の結婚衣装なんでしょうか。『若王子主任は後輩ボイスに抗えない!』若王子さんは、投げられたブーケを受け取って、ああ、次の花嫁となるのですか!? ええ、結婚にまつわるひとつの瞬間でありますね。

『孔明のヨメ。』

突然の凶兆!? 日食が起こったというのですが、これ、今ならちょっとした天体イベントで、皆で観測して、話題になっておしまいってなもんですが、この時代ならそうもいかないでしょう。と思ったら、月英さん、日食の原理、月が太陽を隠す天文現象であること、ちゃんと理解なさってるんですが!? いや、すごいな中国の知。ここで語られている研究というのが、太陽系に近いものかはちょっとわからんですが、ただ日食を不可思議のものとして怖れるのではなく理論理屈でもって捉え、理解しようとする試みがしっかりなされていたのはさすがです。

さて、劉琦をはじめ日食を怖れる人たちが続々出ることを予測する孔明たち。はたしてこれをどう収めるか。そのくだりに見える人となりが面白く、まるで意に介さない劉備。この人はもう、一見大雑把、肝が太いというかどっしりしているというか、でもこの楽天的な性格が周囲に安心をもたらすとも感じられて、いやはや人徳。そしてこの劉備の言動に孔明の策、その方向性が決まるのもよかったです。

この日食をめぐる動揺やそれを収める孔明の策などは史実ないし演義ないしに描かれていたりするのでしょうか。日食すなわち凶兆と不安の広がりかねないところに、むしろこれを自陣営を後押しするきっかけとしても利用する。そのしたたかさ。なかなかにしびれさせるものありました。

『歌詠みもみじ』

ママさん、アイドルにハマるの巻。意外といっていいものでしょうか。ママさん、ハマるととことんまでいっちゃうタイプなんですね。

パパさんの気づいた異変。普段はママさんの買わないファッション誌にシネマ誌、その表紙やなんかから、ママさんの推し活動の芽吹きを察知するんですね。おお、結構な観察眼では? それで指摘しつつも、決してそれを否定したりしない。むしろ心の健康にいいみたいなこといっちゃったら、ママさん、とまらなくなっちゃった!

最初は出演番組チェックするとか載ってる雑誌買ってくるとかだったのが、グッズやポスターがどんどん増えていくの。さらには推し活の資金を捻出するため、ついにパパさんへの皺寄せも出てきてしまうとか、いやいや! ママさん、それはさすがに一線越えちゃってませんか!?

でも、ママさんくらいのファンでも、アイドルが結婚するとなったらちょっと気持ちも冷めちゃうんですね。それこそ「母のスタンス親目線」からすれば、姑目線でお相手評価することにもなっちゃって、よけいややこしくなったりするのかな? で、これでひとまず落ち着くのかと思ったら全然そうじゃないっていうから大変!

ああ、誰かを推す生活がすっかり身についちゃったんですね。

『ウメボシオニギリ』

オニギリ、いろんなものをあっちこっちから持ってきては自分の寝ぐらに隠しちゃってるんだ。イナホのイヤホンにはじまり、靴下やらオモチャやらガラクタやらと、でもまあこれも犬の習性なんだろうなあ。取り返そうとしたら、目をうるうるさせてボクのたからもの……って、こりゃ確かにちょっと強く出られないのもわかります。

でも、これ、しつけやら訓練でなんとかしたりできないものなのかな? だって、持ってかれちゃ困るものだってあるわけでしょう? とか思っていたら、早速ゲームのコントローラーをやられちゃって、さらにはコマチの洗顔用スポンジまで。

こうやって犬が集めたもの、取り上げるのはストレスになるからよくないって、そりゃあ困るなあ。おやつと交換で返してもらうといいっていうけど、これを評して盗品市というの、うまいことおっしゃる! 面白かったです。

オニギリの宝物集めも、家の中ですんでるうちはいいですけど、他のお宅がからむとちょっと話が変わってきますね。お隣さんの家にも出入りしているオニギリ。蝶野さんのヘアバンドを持ってきちゃったり、さらには塩田くんのも持ってきちゃってる!? これはさすがにいけないと、コマチもきつくオニギリを叱って、ああ、さすがに効いてるみたいですね。ええ、これでちょっとはオニギリの物品収拾癖も収まるといいですね。

けど、このお気に入りを持ってきちゃうの、その物が欲しいからじゃなく、その持ち主への愛着がゆえというのが示されるラストのくだりは、なんだか微笑ましくて嬉しくなるようなものありました。好きな人といつも一緒にいたかったんですね。しあわせそうにしてるオニギリがまたよかったです。

『うちの秘書さま』

おお、はじめのお母様が登場だ。このテンションの高さ! ころころと変わる表情もチャーミングなお母さんだと思います。と思ったら、お父さんも一緒に帰ってきてらしたのね? でもまさかドデカいプレゼント箱に入れてくるとか。はじめへのお土産っていってますけど、あまりにも不審で、はじめが引いてますがな。ほんと、サプライズとか考えず、普通に帰られた方がよかったのでは?

父、これが初登場じゃないですよね? お母さんの覚えはあるんだけど、お父さん覚えてないんですよね。ともあれ父もお調子者、七瀬にハグをして、はじめびっくり、母おかんむり。ころころ表情が変わるチャーミングなお母様であらせられます。

父が帰ってきたの、母の日にあわせて父の日を先取りしようって目論見だったんですね。ここで行使されるはじめの過去の負債、かたたたきけん。物持ちいいなお父様! そして七瀬がはじめの好みにドストライクと語り出すの、そうかなるほど、保育園児の時分から好みのタイプ変わってないんだ、はじめ。でも、これで父がぐいぐいいっちゃうの、いかん、いかんよ、状況次第では訴えられちゃうよ!?

しかし今回すごかったの、これだけのドタバタがたった50分のうちに生じていたと明かされるラスト。せっかちすぎるというはじめの言葉にも笑い誘われますけど、これだけの時間でこれだけのことしでかせる、その時間活用のうまさ。これこそがはじめ父のビジネスマンとしての有能さを示しているようにも感じられました。はじめが大人になった時、父と同じようにてきぱきいろいろこなせるようになるのかな? いやあ、なかなか難しそうに思いました。これからのはじめの頑張り、成長次第なんでしょうね。

2022年4月29日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年6月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

皆でショッピングモールにいきました。電車に乗るだけでちょっとした遠征感が出るというの、八重がはしゃぐのはよくわかるけど、大阪では当たり前に電車に乗っていた大河もこちらの子たちに感化されてるのが面白かったです。だんだんと都会の大河さんから、八重たちと同じカントリー少女になってきていますよ!

地方では若い人がいくような場所はショッピングモールしかないから、知りあいに出会いまくるネタが出てきましたね。でも大河やみなはそうでもないの、これ、それだけ八重の顔が広いってことですよね。この子の社交性の高さ、それがよくよく実感させられたエピソードでした。

これだけ知りあいの多い場所で迷子になって、呼び出しアナウンスなどされたら恥ずかしい。そうした話題もまた自然で、楽しかったです。

で、今回のラスト。知らないワクワクを共有したいがために、ショッピングモールのこと調べずにきた八重。でも調べたい欲を抑えるために、カレールーについて調べてました。って、この子、なにか調べないではおられないのかい!? いや、ちょっと気持ちはわかるけどさ。そしてこの時のカレーの話題が皆の脳裏にインプットされて、どんどん膨らんでいくというのがおかしくって、いやもうよほどのカレーの威力。不思議と納得させられるものありまして、皆のお昼がカレーになるのもうなづけました。

『通勤通学クエスト』

柏木が電車を遅延させた! ああ、前回の事故! でも噂というのはなかなか正確には伝わらないもので、というか今回は竹重が全面的に悪いな! 柏木が駅員にめちゃくちゃ怒られてた、っていうのはまあ嘘じゃあないだろうな。被害者も悲しんでた、って、いやそれは嘘だ! まあ、出血したおっさんと青ざめてた女子中学生、このふたりも嘘じゃないな。なるほどつまり実際に起きた事故について詳細わからないまま、状況だけで話盛ってるわけですな、竹重。うん、噂の典型的な作られ方だ!

でも、会社の同僚にやられたら、ちょっとダメージでかいよな。

とはいうけれど、駅で暴れただろうといわれて、それ認めちゃうんだ柏木! しかも詳細な説明もしないんだ。いやほんと、柏木、潔いといっていいのか説明不足といっていいのか。うん、今回のことは後者かもなあ。確かに線路に降りたのはよくないことだけど、倫理的に悪いことしたわけじゃないからな。

今回明確にされた柏木の弱み。それを確認しつつ、私が守ってやらないと、そう思いながら突然スクワットはじめるお姉さんもなかなかすごかった。ええ、ちょっとびっくりの展開でしたよ。いつもこういう感じなのかな? と思ったら柏木も困惑していて、いやそうだよな、ビビるよな。思わず柏木と心が通じた瞬間でした。

『とびだせT.O.Z』

目標を達成できずやさぐれる兄貴。さすがのマナも励ましにいくのですが、普通に元気づけようとしても全然言葉が届かない。で、結局キレちゃうのだけど、いやこれマナ悪くないよ! マナも悪いとこあるのかも知れないけど、兄貴もよくないよ! ということで、互いに思っているところをぶつけあって、こうなったらマナの方が圧倒的に強い。けれど結局こうして遠慮しあわない方がこの兄妹はいいんでしょうね。

しかしここで兄が休学してしまうとは予想外の展開でした。で、修行の旅なの? 自分探しとかいってるから、新しい境地に達しようとするのかな? なんて思っていたらですよ、新境地じゃないよこれ! ただグレードアップしただけじゃん! 注目浴びるとか好機の目とかいってるけど、もうそんなのじゃすまないのでは!? いやほんと、通報レベルよ? 今兄貴がやってること、まんま声かけ事案よ?

これからもマナと兄貴の変わらぬ日々が続きそう、そんな風に思わせてくれたラスト。よかったといっていいのかな? いやはや、大変そうだけどこれはこれでしあわせそうにも思えます。

『オネェの恋のはじめかた』

時宗、胸のデカい男が好きなのか。いやね、桜子ちゃんってあらゆる方面でデカいって印象のない子でしょう? だから、……そうか、なるほど、時宗自身も桜子に恋したことが予測もできない突然のできごとだったのか。それゆえに戸惑う。性別もタイプもまるで違うとくれば、これまでの経験も通用しない。心の準備をする間もなく未知の領域に踏み出すこととなった、そんな体験だったわけですね。

今回はそんな時宗の自問自答と、再びの桜子転落! いやいや、桜子さん、おドジな子じゃすまないっすよ。時宗が通りがからなかったら大惨事よ? けれどこうしてまた桜子のピンチを救って、そして桜子の言葉にときめく時宗ですよ。好きじゃなかったはずのかっこいいって言葉も、桜子にいわれると嬉しい。この時感じた時宗のままならなさ、それは理屈などまるで関係なく動く思いのそれゆえか、桜子という子が自分にとってあまりに特別であることを改めて自覚させられたゆえなるか。いずれにしても、そうした気持ちを自分で一度受けとめて整理できる時宗ってやつは立派だなあ。なんてことを思ったのでした。

時宗の恋は突然。対し桜子の恋は少しずつ育まれていくもの。そうしたふたりの恋のテンポの違いなども示されて、ええ、時宗、決して進展してないってわけではないですよ。ただ、恋愛強者っぽい時宗も、こと桜子のこととなると気づけないんですね。こうしたところもままならない。そんな感じで面白いのですね。

2022年4月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。今月で通巻200号を迎えるキャラットを祝うRPG不動産の面々でありますね。一番手前でクラッカーを鳴らず琴音。その後ろにはイチゴをたくさん盛りつけたケーキを持ったラキラ。きっとこの子が焼いたケーキですね。そしてファーとルフリアが、ふたり協力して指で200の数字を作っているのが可愛い。ちょっといたずらっぽいルフリアの表情、これがいいですよね。

今月は新規ゲストが1本です。

『オモロとジュリエッタ』

高校に入学して、これからのいろいろに期待が膨らむ江藤寿理と緒諸無。なにか面白いことをといって、あれやこれややってくれる緒諸だけど、基本すべてがすべり芸。駄洒落? も決して面白くないし、体を使ったギャグ? もやっぱり面白くない。けれど江藤には、そんな緒諸が可愛くてしかたないんですね。

江藤と緒諸のふたりが新たに初めようと思っていること。なにか部活に入りましょう。それで勧誘されるままについていった先がお笑い研究部。けれど部長? の内輪遊。この人にこれといった明確な目標とかはない模様? それよりも、今は敵になっているという部員の存在が気になります。

この漫画、緒諸と江藤がふたりで漫才? お笑い? に取り組む、そういう話になるのかと思ったら、なんだか違うようですよ。緒諸と内輪がすっかり打ち解けてしまったことに、もやもやした気持ちを抱える江藤。そんな彼女に声をかけたのが、謎のフード女子、南泉キリハ。

ああ、この子が内輪のいっていた敵か! つまらん団団長を自称する南泉に引き込まれて江藤は緒諸と対立することになるのでしょうか。いやもう、初回からどういう展開するのか、まるで見えないところにひかれます。

『RPG不動産』

アニメで最初から復習できているおかげで、このあたりの時系列がわかりやすくていいですね。

グスタフの花に囲まれた田舎の一軒家に住まう大賢者ルナ。彼女を訪ねてきたセレニアの目的は、母を討った者を知るということ。しかしルナが語るには、勇者一行は魔王討伐には関わっておらず、また勇者もその能力から魔王を打ち倒したとは思えない。

ここで語られることとなったのが神官サトナのこと。戦いのはじまった頃に現れた彼女。強く博識で、国の中枢にも食い込んで、そして魔王討伐の局面で勇者とともにあったというのがサトナ。

ああ、これでサトナ入れ替わり説はなくなりましたね。本来のサトナと入れ替わるかたちで、あの妖魔のようなサトナが国の運営を牛耳ることになった。この漫画の冒頭に描かれたサトナを思えばこそ、その可能性を捨てたくなかった。けれど今回明らかになったことからすれば、サトナははじめからあの妖魔としてのサトナでしかなく、しかもセレニアの母の日記に語られたことを鑑みるに、かつて自分を排除した王家への復習がこの戦いの目的だった?

いやもう不穏な情報が次々と明らかとなって、状況こそは明るくなったけれど見通しは暗い……。ええ、魔族の王からも化け物と怖れられる、そんな存在を相手にどう立ち向かえばよいのか。琴音たちのこれからが危ぶまれて、不安ばかりが募ります。

『ササエルの中には誰もいない』

天河市公認キャラ、クジベェくんとのコラボ動画企画が決まりました。それはいいのだけど、以前のササエルとの絡み、あれがあってよくゴーが出たよね! クジベェくんは放送事故キャラとして話題。ササエルも下剋上狙いとして認知されつつあるとのことですが、これは悪名は無名に勝る的な理解でいいんでしょうか。

クジベェくんサイドもなかなかにすごいですよね。司会のお姉さんが役所の人。ということは公費が出ている、あるいは役所主導の企画なんでしょうけど、役所というと悪目立ちとか嫌いそうな印象があるのに、この人、企画課の涌谷直希という人は、まるで頓着していないように見えますね。むしろ今回の企画でも、クジベェくんが負けることを折り込んでいるような雰囲気。ああ、この人もなかなかにアレな人っぽい。日和子も結構なアレですけど、負けず劣らずのアレな感じであります。

しかし、ササエルは可愛いよね。クジベェくんにヒドいことしたくない。ササエルを悪者にもしたくない。その健気さ、優しさ、ああササエルは、ひいては小依はいい子だなあ。と思った矢先に、ササエルを怖れるクジベェくんの中の人、常子に繰り返し凄んでしまうという……。

これだよなあ、ササエルは。基本常識的で、基本無茶はしない性格なのに、なにかスイッチが入ったら豹変して過激な行動をとってしまう。で、そのスイッチというのはまあ金で、今回もギャラ3倍をちらつかされたら、負けるつもりだったはずなのに、クジベェくんを煽ってからの投げ飛ばし、さらにはカメラに向けてスパンキングって! さすがの日和子も焦ってますけど、あんた、自分の妹の性格、傾向をちゃんと把握した上で指示を出そうよ。いやほんと、なんか好評でクジベェくんサイドも喜んでるみたいだからよかったけど、ええ、結果オーライってやつですね。

けれど今回の顛末見て、頭が煮えるとトラブル引き起こすけど後からマズいことしてしまったと反省する小依、現場では小依のトラブルに焦りまくるけど結果よければオールオッケーになる日和子、そうした傾向がよくよくわかってきたように思います。そして涌谷はというと、きっと最初から最後まで変わることなく酷いんだろうな。なんか、そんな覚悟が決まりきっている涌谷の人格も見えてきたように感じます。

2022年4月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年6月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。テーマは世界旅行でありますか。山下ナースがキャビンアテンダントとなりまして、毛布を差し出してくれるホスピタリティ。その周囲には、ええとこれはチロル? 『小森さんは断れない!』しゅりが着てるのはディアンドルでしょうか。帽子はなんかオランダっぽいです。そして『らいか・デイズ』らいかがですよ、ええと、どこだろう、見たことあるんだけどわからない。黒地に金糸の刺繍が豪華なローブ。いやあ、こういうシックなものも似合いますね。

『となりのフィギュア原型師』

いったいなにが起こっているというのでしょう。

突然、滝舘おこめに届いた招待状。開けてみれば、動画に導くQRコードが。そしてその目的はというと、なんとまあ、フィギュア原型師たちを競わせようという企画。なんかものすごく凝った演出なんですけど、はしばしに現実的な要素が顔を出して、そのギャップが笑わせてくれます。

唐突な申し出にもかかわらず、ちゃんと都合にも配慮してくれるし、さらには原型作成にかかる拘束時間にもちゃんと報酬出しますよっていうんですからホワイトだ。

参加する原型師は、いかにも色物っぽいキャラ立ちしている面々が揃って、この漫画らしいっちゃあらしいけど、これ顔出しOKかつキャラ的に目立つ人を選考したにしてもキツい人が多いな! いや飯塚イスカ氏は普通の綺麗なお姉さんに見える。三々沢みみ氏も、可愛いキャラ登場じゃん! と思ったら、予想外のギャップが放り込まれてきてびっくり。

ともあれ、かくしてはじまる最強原型師選抜戦。代表の対戦相手はいかにも序盤で負けそうなキャラを背負ってる悲哀の人ですが、この人、半藤となにか縁があるの? この思いもしないところに飛び火する感じ。ただではすまさない、そんな予感させられますね。

『おしかけツインテール』

家を飛び出してしまった花梨。その行き先はというと、隣町の公園、しかも清掃ボランティアに参加しているという、なぜこんなことに感満載のエピソード。悪くはなれない、そんな花梨の性格がよく表れていて好感ですよ。しかも隣町のおばさまがたにも可愛がってもらえて、ほんとよかった。というか、するすると自分のこと、家のこと聞き出されてしまったの、それだけおばさま方が凄腕なのか、あるいは花梨もチョロいのか。

青春の蹉跌ってやつなのでしょうか。でもこの子の場合、ほんとにほんとの失敗までにはいかずにすみそう。そんな安心感もあって、その安心を下支えしてくれるのが、例のおばさまたちと、そして花梨を見守る身近な大人、俊郎の存在ですよね。ええ、この俊郎の登場、使い魔ならぬまさかの猫頼みではあるのですが、予想外の方法で花梨の居場所を把握して、それでちゃんと追ってきてくれる。ええ、俊郎、本当に頼れる年長者になったなあって感動しました。

そして花梨の成長。不安、悩み、それらを自身のうちにくすぶらせているだけでなく、ちゃんと頼れる相手に話して、解決の道を探る。それができるようになったらもう大丈夫だ。ええ、今回の花梨、やっぱり成長だったと思います。小さなつまづき、けれどそれが決して大怪我にならない。そんなちゃんと見守られている姿、家族といい関係築けているのが素敵です。

『ネコがOLに見えて困ります』

リコがミコトの秘密に気づいていた!? 動物が人に見えるミコト。しかし、なぜ気づいたのか。そのきっかけは? と思ったら、幼稚園のころ、ミコト自身がリコに話していたんだ! というか、よく覚えていたね、リコちゃん。いや、でもこの秘密が知られていたとショック受けるミコトに対し、それを特に気にしないリコ。その温度差! また皆から逃げ出して、なにもかもにやる気をなくしたミコトのこと、ちゃんと叱ってくれて、はげましてくれて、この頼りになる感! ええ、リコ、いい子ですね。

そして、なにが一番ミコトの心に届くのか、それもちゃんとわかってる!

ええ、リコ、そしてOLさんの活躍、ミコトをとりまく友人たちの暖かさ、素晴しい、心の底からそうした気持ちがわきあがってきました。

そして次回最終回。そうかあ、こうしたひとつの盛りあがりが作られて、決着してからの最終回。どうした情景が描かれるのか楽しみでありますね。

『敷金礼金ヤンキー付き』

誰を相手にしても恐れることなく喧嘩を売る。それがヤンキーの心意気、みたいな導入なのに、いきなりブルってる七恵よ! いや、それでも自分よりも柄の大きい大人の男性相手に啖呵切るのはすごいよ。しかも相手、間違いなく怒ってるじゃん。とはいうけれど、不必要に喧嘩を売ってまわって、トラブル招いて、それ処理するのも自分でしょう。ヤンキーの習いとはいえ大変だ。以前いわれていた、ヤンキーは見栄っ張り。こうした、怖そうな相手にもひるまない自分をアピールするのも、見栄張る上で欠かせないんだろうなあ。

今回は七恵と佳の見栄の張りあい。ビビる七恵をちょっとからかってみたら、自分こそどうなんだといわれて引くに引けなくなってしまった佳。いやしかし、この煽りあいよ。弱いと思われたら面子が立たない。どうあろうと、相手よりも強いと示さなければならない。

あー、ヤンキーの習いとはいえ本当に大変だ。

でも、この喧嘩売り対決、ふたりともにビビりだからどうにもしまらないのがおかしくって、というか、道歩いてるだけで意味もなく喧嘩売られる通行人が大変だな。最初に通りがかった強面のおっさん、連れてるワンコが小さくて、なにこのギャップ、めちゃくちゃ可愛いな。これ、きっと、おっさんもいいやつやで! とか思ったら、よかった七恵、ワンコと楽しくコミュニケーションだ。

いいのか、七恵、それで。

そして佳の対戦相手は姫子。国家権力だ! でも姫子は知りあいだから、うまいこと叱られるくらいで手打ちにしてもらえないかな? とか思ったら、やっぱり喧嘩売れないんじゃん!

このどうしようもない対決風景。ほんと、これ、双方ビビりで勝負成立せず、引き分けってことでいいじゃないですか。続く大家もすごかった。ああ、これはあかん。ただでさえ大家なのに機嫌悪そうだ。パチンコで負けたか? いやもう、この巡りの悪さ。手頃な相手が出てこない。続く不思議お嬢さんも、もうどうしたものか悩む、いや、そっとしてさしあげるべきだと思う、彼女の平穏を乱しては申し訳ない。いやほんと、この街ったらなんだろう、治安云々とはまた違う不思議な落ち着かなさが出たエピソードでしたね。

と、ここで最後に一気に落ち着いてアットホームになるのがすごかった。大荷物のたえちゃん。佳と七恵、ふたりで荷物を持ってくれて、ああ、三人ともに笑顔! なんだよー、やっぱこうして仲よくしてるのがいいんじゃん。ええ、なにごともなかったかのように和やかに暮れる今日という一日。これまでの全部が嘘みたいに、ほのぼのと暖かみ感じさせるハートフルエンディング。急転直下の落着、急減速なれどスムーズな着地、素晴しかったです。

2022年4月26日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年4月25日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、一昨日の続きです。

『瑠東さんには敵いません!』

瑠東さん、珍しく、いやこれまでもちょくちょくあったような気もしますが、他の誰かと親しくしている和村を見てやきもち焼いちゃうんですね。いつもならなにかしら絡んでくるのに、今日に限ってはずっと静かで、逆に和村が心配して声をかける始末。いやほんと、それで屋上で話をしたら、速攻一言目で瑠東さん、不安解消じゃありませんか。

でも、今回の高永先輩の介入が、ふたりの関係に大きな影響及ぼしましたね。ずっと和村と一緒に登校したかったという瑠東。ぽっと出の先輩に先を越されたのがよっぽど悔しかったのか、今回ばかりはわだかまる気持ちを抑えるのも難しいようで、駄々っ子感がすごい! いやまあそれで、和村の頭なでなでからの密接感が生じたのですから結果オーライではありますね。

ただこのふたりに関しては、なかなかそれ以上に深まる雰囲気にはならないんですね。ちょっとずつでも互いに相手のこと意識してる、自分が相手の特別でありたいと思う気持ちをあらわにするようにはなってて、でもなかなか素直になれないところはこの子たちらしい。というか、この傾向は和村に顕著ですよね。

これ、開き直るときっとまた関係が変わる。そうだよ和村、開き直ったらイニシアティブは君のものだよ。でもそうはできないのが和村なんだろうなあ。一歩前進。それでいてまだまだもどかしい関係。もうしばらくはこの温度感で続きそうです。

『のむラリアット!』

完結しましたよ。ヴェスパー戦に勝利した翼。再戦、リベンジの意思を見せるヴェスパーの後ろ姿がかっこいいじゃありませんか。これ、今後も翼の前に立ち塞がっては熱い戦いを見せてくれることになるんだろうな、そんな予感をさせる描写。ええ、願わくばそうした戦いの行方、ふたりのライバルとしての切磋琢磨しあいながら成長していく、そうした姿も見たかった。なんて思わせてくれる、余韻のあるシーンでありました。

梟池は念願のベスト4に入って、ちょっと浮かれムードでありますが、準決勝をいかに戦うか、楽観があったり意気込み見せる者もいたりして、このそれぞれの違いに梟池らしさというのが出ていたと思います。というか、このままならまた青井先輩は負けるのでは……!?

成長の実感を噛み締める先輩たちに、またさらなる成長を祈念し気分を一新、本気でプロレスに打ち込むべく決意を固める星など、これからを感じさせる描写が続いただけに、ここで終わるのが本当に惜しいと思える最終回でした。

2022年4月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号、一昨日の続きです。

『ちょっといっぱい!』

すずめ亭を訪れたもみじ。しかし、ケイが気になることをいっていまして、もみじがすずめ亭を見に来れるのは今日が最後かもしれない。

そうか、建屋の取り壊しまで、もう視野に入っているんですね。建物の維持にも費用がかかる。老朽化も随分進んでいるから、仮にこの建屋を引き継いで店舗として稼動させようと思ったら、リフォームが必要になりそうですね。

前回思ったこと、もみじがこの建屋を継いですずめ亭をよみがえらせるのではないか、そうした決意をしたのではないかという予想は、さすがにちょっと甘かったといわざるを得ないようです。

こうしてもみじがすずめ亭を訪れることとなった意味。それは思い出とのお別れなのかも知れませんね。すずめ亭という店はなくなり、そこで働いていた人たちも去って、残されたのはその古びた店舗だけ。たくさんの器に包丁をはじめとする調理器具、それは今も命を保っているけれど、それでもこの店がそのまま息を吹き返すというのは無理そう。ええ、これは決別の局面、そして形見分けの場面であるのかも知れません。

けれど、同時にもみじの触れたもの。引き出しに残された、ここで働いていた人たちの痕跡。たくさんの判子をきっかけに、すずめ亭の精神がこはる屋に今も引き継がれて残っていることにもみじが気づくんですね。そして、この店に関わりを得た人たちの中に、思い出として、人と人を結びつけるよすがとして、すずめ亭の息吹が残されていることを知って、ああ、そうか、この別れを経ることで、もみじはすずめ亭の過去に立ち返るのではなく、もみじとしての新たな道を進むことになるのだと理解したように思ったのでした。

悲しく寂しいエピソード。けれど、その中に未来へと向けられた視線の感じられる健全さがある、その強さに胸がうずきました。

『追風のジン』

侍のマサムネがジンとスパナの戦いに介入。その手にした忍具、月虹の力でもって、ジンの風を無効化、自身の攻撃として跳ね返してくるというんですね。

しかし、今回はスパナの好感度がガチ上がりしますね。七虹架大全は祖父の形見。もともとスパナに受け継がれるべきもので、祖父の遺言に従って回収しようとしていると明言されたことで、じいちゃん大好き孫娘キャラが際立ってきちゃった!

対し、その忍具の有用性、危険性から、野に放つべきではないとする幕府側、マサムネの言い分も納得感を帯びてきて、このそれぞれに理のあるという対立がいかに丸くおさまるか。それが今後の見どころになりそう! とはいうものの、今回のエピソードだけじゃあ無理そうかもなあ。それこそ長い時間をかけて、だんだんわかりあっていかないことには決着しなさそう。少なくとも、マサムネにジンが信頼に足る人物であると理解させられないうちは、どうにもならなそうなんですね。

ここで動きがあるとすれば、灰尊商隊が忍者と組んでいるとスパナが指摘したこと。あえて第4の極を作ることでマサムネを動かし、自身に有利な状況を生み出す。こういう攪乱などは、まさしく我々の知る忍者らしい振る舞いと思えますよね。かくして、スパナはまんまと逃げおおせるも、目当ての本はマサムネに押さえられてしまってという、いわば痛み分けの決着。そしてジンはというと、灰尊商隊に捕われているココロとツバキの救出に間にあうのか!?

と思ったら、思いもしない展開見せちゃってびっくりですよ。これ、いかにマサムネを説き伏せるか、その勝負になるのかと思ったら、ココロの腕っ節が唸る! いやもう、ちょっとどうなるかさっぱりわからないな! これ、どういう決着するんだろうな! ほんと、最後に一発かまされてしまいましたよ。

『ねことちよ』

今日はちよの誕生日。同僚の柴さんが仕事を引き受けてくれたおかげで、はやく帰ることのできたちよ。ねこと一緒にケーキを買って、一緒に誕生日を祝おう。そう思っていたらですよ、ねこ、まき、ふみの3人が、ちよの帰りを待っていてくれた!

扉を開けたら、クラッカーとともにおめでとうですよ! テーブルにはお祝いの料理が並んでいて、そしてちよのためにねこが買ってくれたケーキも待っている。

このケーキのくだり。少しずつねこがお金を貯めていた理由、ここでちよが知ることになるんだ。そうか、ちよはねこの目的を知らずにいたんだ。これ、本当のサプライズだ。こんな小さな子が自分のために、お手伝いのお礼の10円をずっとこつこつ大切に貯めて、今日のこの日に使ってくれた。はじめての買い物が自分の誕生祝いのケーキとか、ああ、これ、ちよとしてはたまらないものあるんじゃないでしょうか。

あの目を細めていくちよの様子。その心情やいかに。なによりも先にケーキを食べるというその気持ち、ほんとよくわかりますよ。もうね、こんなの泣いちゃうじゃないですか。ええ、すごくいいお話。もう、沁みるとか響くとかそんなんじゃすまない。押し寄せるものありました。

そして、このお話も次号で最終回。そうか、終わっちゃうのか。なんだか意外と思われて、なんでなんだろう、なんだか永遠に続いてほしいとか思っていたようですよ。

2022年4月23日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、一昨日の続きです。

『うちのババアしか勝たん!』

女子高生にまで若返ってしまった祖母のウメ。孫娘のにこと一緒に暮らしているのですが、なんとウメさん、学校にも通われるのね! にこと同じ高校。しかし戸籍とかもろもろどうやって!? と思ったら、もうすっかり準備済み! ウメを若返らせてくれた奇跡は、サポート手厚く学校関係の手続きもすべて完璧に完了しておいてくれたというんですよ。

あの、入学証明書と生徒手帳を出してるウメちゃん、めちゃくちゃ可愛いですよね。さらには、ウメちゃん現役時代の制服! なるほど、私服校だから昔の制服を着て通っても問題ないのか。で、その制服姿がレトロモダンな感じですごくいいんですね。にこがね、真顔でかわいいじゃんとか思ってるの、実によかったです。

学校に通うのを心底楽しみにしているウメ。まるで遠足の前日みたいな盛り上がりで、でも寝るとなったら速攻なんだ! そしてにこの通う学校は、なかなかに荒れている? ウメ、ここでやっていけるのかなと心配されるも、そのなににも臆さぬコミュニケーション力、なんだか大丈夫そう。いきなり強面の学ラン少年をノックアウトでありますよ。

この学校でのいろいろ、最初の難関はにこの友人、ういみたいですね。にこのことが大好き。それゆえに、にこと一緒に行動しているウメのことが面白くない。このウメに対し嫉妬の炎を燃やすうい。ああ、なかなかに大変なことになりそう。この子といかにして仲よくなるのか、ウメさんの活躍に今から期待です。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

もしやアオイちゃんはリンゴちゃんの正体にお気づきで!? いや、どうなんでしょう。散々な思いで帰路につくリンゴちゃんを呼びとめてから、ラストに向かうくだりで見せたアオイの表情。これは、自分のことを好いている葉月氏が桔香のことを思いやってくれていることに報いたい、そんな気持ちが見せたものなのか、あるいはただリンゴちゃんへのねぎらいたい気持ちであったのか。なんかね、アオイちゃん、わかってるような気がしたんです。どうなんでしょうね。いずれにしても、リンゴちゃん、いやさ葉月氏の一日がいい思い出で終えられそうなこと、すごく嬉しく感じる展開だったのですよ。ええ、あの扉絵のリンゴちゃん、あの嬉しそうな表情、これがそうですよね。ええ、よかったなあ、葉月氏。

しかし、葉月氏の完璧な変装、キャップに眼鏡装備のリンゴちゃんの可愛いこと。その内心はアオイに向けるよこしまな思いに溢れかえっているにせよ、アオイと桔香と一緒の時間を過ごして、しかも心底リンゴのことを羨む桔香のために、自分の引き当てた権利を譲るというこの人格者ムーブ! ほんと、いい子だったと思う。

桔香もですよ。基本奔放に、自分の都合で動いちゃう、そんな印象もある子ですが、お目当ての馬、その騎乗の権利を得たリンゴをはげしく羨みながらも、それこそ涙目で震えるほどに羨みながらも、決して羨ましい、譲ってとはいわない。良かったねと、おめでとうと、自分の気持ちをぐっと堪えて、リンゴを讃える。こうしたところにも、やっぱり悪役にはなれない桔香のよさを感じるのですね。

しかし、ほんといい子たちでした。相手を思いやる気持ち、それが皆にあった。それが結果、皆に嬉しい結果をもたらしてくれた。ええ、いいお話でした。

『今日の授業は恋愛です!』

ずっと優しく接してくれていたひなが、このところ名雪の口にする相手、さぁちゃんが目の前にいると気づいて豹変。さがりを壁際に追い詰めて、名雪は渡さない! 大変な剣幕でありますよ。しかし、きちんと説明したらわかってくれた。ああ、こういうところいいですね。ちゃんと対話が解決の糸口に繋がるの、すごく安心できます。

しかし、たとえ状況がわかったとしても、またさがりの弁明が通じたとしても、名雪の気持ちのわだかまり、その思いの向かう先がさがりであるということは変わっていない。ちょっと荒れるひなさん。でもいいですよね。感情の振れ幅がそのまま表情となるから、多様な感情、多彩な表情が見ていて気持ちいい。可愛い人だと思います。情が深いんでしょうね。だからこそ後輩にも優しく接するし、恋愛ごとで余裕なくすと、こんなにも気持ちを露にしてくれる。

しかも、なにかあっちゃあいけないからと、感情抑えるべく自ら距離を置こうとするとかね、聡明だ! いやほんと、後先ちゃんと考えて動ける、しっかりしたお嬢さんであると思います。

そしてここからのさがりの行動。名雪に話を通しにいくんですね。このおかげで、ずっとわだかまっていた名雪の気持ち、それも少しは和らぐだろう。さらには、目を伏してしまっている名雪に、ふたたび視野の広さを取り戻させて、ええ、さがり、とてもいい判断をしたのだと思います。

かくして名雪とひなの問題はクリアされ、残すはしらべの悩みとなったわけですが、さがり、ちゃんと気づけているのかな!? これ、ちょっとしたピンチであるわけですが、ここにひな先輩がなんらかの助け船など出してくれるのかな。ええ、ひなとのやりとりがここにこうして描かれたこと、それがなにか今後に繋がるのではないかと思わせてくれるのです。

2022年4月22日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号、発売されました。表紙は『ももいろモンタージュ』、今月からの新連載であります。左手にペインティングナイフ、絵筆を何本も持ち、そして右手の絵筆でキャンバスに思いを叩きつけるようにして描き込んでいく主人公、玉木モネ。その表情は真剣そのもの。果たしてモネは、どのような題材をそのキャンバスに描き出そうとしているのか……!? というのは、新連載第1話を見ればおのずとわかるようになっています。ももいろ絵師を目指すモネ。その活躍、その意気込みがしっかり表されて力強い表紙に仕上がっています。

今月は新連載が1本です。

『ももいろモンタージュ』

人体の美しさの表現にのめり込んでいる玉木モネ。瑞々しく、生々しくと追い求める画題はエロティシズム。いかに美しい人体、エロい裸体を描くか、そこにこの子の主眼はあるというのですね。

もともと、絵を描きはじめた頃は花をメインに描いていた。それが、美術館の公募に出展するにあたりいろいろ調べてみた結果、女性の人体にゆきついてしまった。まさに出会ってしまった感がありますよね。天啓のように人体の魅力に打たれて以降、取り憑かれたように人体の、裸体の描出にのめり込んでいく。その様は妹から、そして母からも心配される始末。とはいうけれど、裸婦画とか美術の典型的な画題だし、人体の表現は絵の基礎の基礎だしで、こんなに責められる筋合いはないよね。いや、裸婦画云々じゃなく、それがどのような画題であっても、それと心に決めて突き詰めようとする姿勢は、決してどうこういわれるものじゃないと思ったりしましたよ。

ええ、モネはそのまま突き進んでいくといいよね。実際、そのまま突き進んで、描き上げた絵で家族はおろか公募展にも認めさせて、そしてそのまま芸術大学に進学。そこでもやはり裸体に、エロに打ち込むことになるというんですね。

しかし、自由課題の題材は、市の図書館に展示されるから全年齢向けじゃないといけない。そこまでレギュレーション決められた上で、あからさまじゃなければいいんだ! そうだ、絆創膏で隠そう! って、いやいや、いやいや、それあからさまの方がマシでは!?

ともあれ、モネのエロに向きあう姿勢、様々なエッチの模索。その先に現れ、そして出会うもの、それはいかなるものなのか。なんか普通のところには落ち着きそうにないですが、どうせなら普通のエロの範疇に留まらない、枠組みさえも突き抜けた先に広がる、そんな領域に踏み込んでいってくれたら面白い、なんて思いましたよ。

『最果てのともだち』

いよいよ怖いよ。

これまでずっとひとりぼっちだったアサヒ。しかし進級を機に日暮という友達ができて、しかもこの日暮という子、霊が見えるというからアサヒにとっては好都合。キヨちゃんを紹介してあげると無邪気に旧校舎に案内するのですが……、不安しか感じない……。

かつてキヨに阻まれたことのある日暮。キヨのことを警戒していて、そしてその心配を裏切らぬキヨの振る舞い! アサヒにはあんなに親切にしてくれていたキヨだけれど、日暮の目には悪霊としか映らない。アサヒを自分の世界に引き込もうとしている、そんな怖れからアサヒの手をとって逃げ出して、ああ、そうなったらキヨも黙っちゃいないよね。私の友達、アサヒを連れていくな。そこから描かれたことですよ。

いや、もう、怖い。妄執に取り憑かれた霊のヤバさ、怖ろしさがこれでもかと描き出されて、あんなにもやさしくしてくれたキヨちゃんはもういないの!? いや、今ここに描写されているキヨこそが真実なの!?

その向かう先がまるでわからなくなっているんですね。

キヨを見捨てられないアサヒ。ずっとひとり苦しんでいた時に、助けとなってくれたのはキヨだった。その思いがあればこそ、キヨと離れるだなんて考えられない。

対し、あれは悪霊だと、このままだと取り殺されると警告し、これ以上関わってはいけないと説得する日暮。

ふたりの大切な友達、しかし同時にそのふたりに報いることのできず苦しむアサヒの心情がつらく、そしてひとり教室に残されたキヨの妄念。ああ、ついにアサヒへの思いが恨みにかわってしまった!?

怖い。ほんと、どうなるのか。いやもう、この先に皆の、キヨも先生も、救われる未来なんてあるんだろうか。

『スローループ』

扉絵、めちゃくちゃ可愛いな!

さて、免許をとるので勉強に余念のないひよりです。ええと、船舶免許? ともあれ、勉強に打ち込むひより、小春をかまう余裕がなくて、それで小春も元気をなくしているんですね。

そんな小春を誘ってくれたのが、ひよりの母、ひなた。旅行の買い物にというのですが、かくして向かったショッピングモール。そこでのふたりの様子、ただ日常の一コマが描かれるのかな、みたいに思っていたらですよ、女性としての先輩とでもいうべき振る舞いを見せたひなた。その様に、自分のそばにいない母という存在を思い、そして小春はひなたのことをお母さんと呼ぶにいたったんですね。

なにげないといえるような、そんな日常の情景だけれど、小春にとっては大きな転機となる、そんなできごとが確かにあったのですね。そしてひなたにとっても、小春との関係ががらりと変わった。小さいけれど、大きな変化の描かれた今回。ええ、ふたりにとってのなにげない、けれどとても特別な記念日ともいえる、そんな様子に引き込まれる思いがしました。

『球詠』

美園学院を前に、伸び伸びと投げる詠深の姿。どことなく楽しそうで、ノッている、そうした表現が非常によくはまって魅力的。ええ、詠深のよさ、詠深の本領が発揮されていると思わされたのですよ。

しかし、好調と感じられた詠深だけど、美学、さすがの強豪校ですよ。詠深の投球の組み立てに、早速攻略すべく動きを見せて、決め球となる変化球、それがくるまでに叩いていけばいい! そしてその策が見事に結果を出していくんですね。

不安を見せる芳乃。得点を許した上に、走者を三塁に置いた状態で4番を迎えることになる! この緊張感! 続きは次回、であるのですが、今回美学対策で変化球を振らないという策に出ている新越谷。芳乃がいうには正攻法ではない。自身賭けというその策の意図、目的、そして結果の如何。ここに逆転の目があるならばなおさら、伸るか反るか、気にならないではおられず、それこそ釘付けにされてしまいます。

2022年4月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、昨日の続きです。

『SAN値直葬!闇バイト』

ショゴス、めちゃくちゃ有能では!? あかりの友人、うらんの危機を察知してあかりに知らせるその手際。いや、JKの制服に自分の体の一部を付着させて監視とか、あかりどん引き案件だったりするのですが、いやいや、それでうらんを危機一髪、救うことにも繋がったのですから大金星でありますよ。

しかしね、うらんを連れ去ったふたり組。この子たちは半魚人が人に化けていたのかと思ったら、一種の憑依だったんですね。以前、あかりたちが捕獲したダゴン。その消息を追っている半魚人たち。しかしこの漫画のガチ感はなんなのだろう。事情が飲み込めないうらんをガチ殴りするその描写。暴力の痛みと恐怖が伝わる、そんな生々しさが目の前に展開されて、あ、この漫画、やっぱり異色だ。きらら誌には珍しいタイプの漫画だ。異質な存在が我々の世界を脅かしている、いわば我々の日常とは地続きではないゆえ生ずる恐怖と、暴力というダイレクトな力の行使、我々の日常にも存在する恐怖が波のようにかわるがわる押しては返す……。

そして今回のうらんの顛末、危機こそは脱したけれど危うくその二種の恐怖の交わるところに落とされてしまうところだったそのくだりなど、ほんま、底つく怖さがありましたよ。

とはいえ、基本絶対大丈夫ではあるのだと信じたいところです。でないと心配でやってらんない! でもって、今回も見事に仕事をやってのけたあかり。相当な報酬手にして喜んでいますが、ふたたび全額寿司で溶かすのはやめとけ案件ですよ。食べるにしても、ほどほどにしておくのだぞ。

『ななどなどなど』

県民の日で学校が休み!? 自分が学生の頃はそんなのなかった! ええーっ、府民だからかな? 府じゃなくて県だと、こうして学校休みになる特別な日があったりするんですか!?

ともあれ、これで小町ちゃんたちの住んでいるのが東京都ではないこと、ドイズニーランドが県外ということは千葉県民でもないことが示唆されましたね。というか、この子たちの居住地、これまで示されたことってありましったっけ?

さてさて、最初はしぶる小町ちゃん。ここまではいつもどおりなんですけど、ななどに誘われると素直にしたがっちゃうんだ! 小町ちゃん、いいですね。そうか、これが友情パワー。なんて美しいのでしょう。

ドイズニーランドでも、最初はなんだかんだ文句いっていた小町ちゃんも目一杯楽しんでたでしょう。ああ、嬉しい。なんて素晴しいのだろう。るるとゲームに興じボロ負け。勝ち誇るるるもいいし、負けず嫌いな小町も可愛い。ええ、ほんと素直に自分の感情を表出してるこの子たち、見ていてすごく楽しい、嬉しい、よかったなって思う。ああ、これからもこんなしあわせな日よ続いておくれ。そう願わないではおられないエピソード。そんな友人たちを見守る萌もまた素敵でありました。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

夏休みに突入! ということで皆で海に繰り出しましたよ。我らが睦子さんは保護者、引率枠なのかな? と思いきや、誰よりも率先して楽しむ気満々でありますね。

そんな彼女らを遠巻きに見守っているのが人魚のお嬢さん。人の世界に興味があって、けれど自分からそこに加わるまでにはいたらない。どこまでもおくゆかしい。かといって見ているだけじゃつまらないとばかりに、いろいろいたずら画策してみたりする、そんなお茶目さが魅力的な子でした。

しかし、今回の睦子率いる一行は、人魚の子にしても意外な面々だったようで、どう見ても妖怪、その上いろいろ物騒な人たちもいて、身に迫る危険!? さらには氷柱の奇行に驚かされたりと、つっこみに余念がない。ええ、こうした様子見るに、このメンバーにまじっても充分にやっていける、しっかりコミュニケーションとっていける、そんなポテンシャル感じさせてくれていたと思わされたのでした。

そしてこの子の勇気も素晴しい。妖怪対策課の夏生に対し、知りあいでもない子たちの身を案じて対話を試みようとするところ。ああ、こうしたところも魅力的な子でした。

そんな人魚の子に、睦子が残した怪異戸籍課の連絡先。いつか人の社会をただ見るだけでなく、自分もそこで暮らしてみたいと思えた時に、この子の世界はがらりと変わりそう。その変わっていく様、見知らぬものに出会っていく様子など、きっと楽しいものになりそうです。

2022年4月20日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、昨日の続きです。

『ぬるめた』

なんじゃこりゃ! ちあきがいつになく可愛いぞ! めちゃくちゃ可愛いぞ! というか、部屋着ちあき、本当に可愛いよね。しかもかなり打たれ弱いちあき。あの三角座りして泣いちゃうところとか、おおおー、ちあきー、なんという可愛さか。

と、なんでちあきが泣いちゃうかですよ。くるみが貰った宝くじ、なんと100万円になっちゃった! それでなにに使おうか、これはくるみの金だからくるみが自由に決めればいい。この段階だとちあき、めちゃくちゃかっこいいんですよ。凛々しい。ちょっとマッドを気取ってみたりもしてね、けれどこれ、まだちあきに余裕があった時だった!

今回、くるみのことをよく知らない、こごめがそんなこといっててね、確かにくるみの来歴とかいまいちわかってない。ということは、それがちょっとだけでも明らかにされたりするのかな!? とか期待していたらですよ、いやあびっくりびっくり、明らかになったのは、ちあきがいかにくるみにらぶちゅっちゅであるかってことだったりして、この時点でもうちあきの余裕はゼロ、いやマイナスですよ。

意外や独り立ちを考えていたくるみ。この子、こんな幼子みたいな風貌して、結構なしっかりものだったんだなあ、とか思ってたら、いやいや、そんなにしっかりした話じゃなかった! 結局100万円当選も勘違い、うたかたと消えてしまうわけですが、しかしこれではっきりしたのがくるみと離れたくないちあきの心情。この子のウェットな部分、愛惜の深さだったのが面白く、また愛らしかったです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

おおお、さらなる生き残りがいたじゃありませんか。これまで、この世界に残ったのはアヤただひとり! みたいな雰囲気漂わせていたわけですけれど、ここに新たに登場してきたのが、自転車少女! ゾンビの徘徊する街を自転車にて疾走する。いや、横手から飛び出してきたゾンビと接触して吹っ飛んじゃってるわけですけど! でもよかった、無事でした。

この子、カヨ、生き残りの少女12歳。バールを手にこの難局を生き抜いてきた模様。しかもその言動を見るに、どことなくのんびりしたアヤとは違い、かなりのシリアス帯びたサバイバルしてきているようなんですね。ゾンビにバールで一撃食らわせたかと思ったら、頭をつぶすか首を切り落とさないと、なんていっちゃって、そうしたらアヤもリルーも青くなって震えちゃって、同じ世界を生き抜いてきた子たちとは思えない温度差でした。

さて、カヨが焦っている理由。一緒に暮らしていた父が戻ってこない。それで心配になって、父が調達に向かったというホームセンターに突入しようというのですが、この話を聞かされたアヤ、協力すると申し出て、ああ、ここでしっかり気持ちを引き締めているアヤの頼もしさですよ。そうでした。この子も大切な父と別れている。あの父との別れのくだり思い起こせば、カヨの身の上、今の状況をひとごとなんて思えないのかも知れませんね。

それと、アヤの不思議? レサナが気持ちいいの、アヤだけなの!? ほんと、思いもしない情報までもたらされてしまいました。

『こみっくがーるず』

新連載に向け、父の取材に余念のないかおすです。仕事に向き合う父を凝視する、そんなかおすの胸のうちはというと、お父さんを美少女化、お父さんを美少女化。

めちゃくちゃおかしい。お父さんがそれをわかってないのがね、ほんとおかしい。いや、だって父としては、娘が俺の仕事ぶりを夢中で見ている、父として、仕事人として尊敬を集めている、って思うでしょうよ! でもかおすの目には、ついに父が美少女の姿をとって、このギャップよ! いやほんと、娘の心父知らずですね。

編沢のアドバイスを受けて父により踏み込んでいくかおすもまたよかった。母が語る父の若き日のこと。どじっ子パパさん! でもね、この思い出話、母が昔から父のこと憎からず思っていたんだなって、その関係性も見えてくるのがとてもよく、さらにそれがかおすの発想に一味添えていく。ええ、とてもいい循環が生じていますよね。

編沢だけでなく翼もアドバイスくれていますよ。で、ちょっと加減がわからなくなってきているかおす。でも、それで親子三人、川の字? で寝たりするところ、ああ、この家族の仲のよさよ。漫画の取材を抜きにしても、かおすが、この一家が、互いのことを好きで、大切にしているんだって伝わってくる。ええ、素敵なエピソードでした。

かおす先生の漫画家としての発想。その根源がわかってきたようにも思えましてね、ああ、この子、キャラクターに対する好きという気持ちが、そのまま漫画の発想に直結していくんだ。好きという気持ちが強ければ強いほど、そのキャラクターをこの子が身近と感じればそれだけ、ずっとぐっと自由に奔放に、彼らの活躍を生き生きと魅力的に広げ深めていくことができるんだ!

それだけに、この家族同士の仲のよさ、互いを慈しむ思いの深さ、それはかおすの力になるのだと思われて、ええ、かおすさん、頑張るのですよ。ええ、お父さんのかわいさを、広く世に知らしめるのですよ。この子のこれからの頑張り、そして活躍を予感して、わくわくとした気持ちがおさまらないのです。

2022年4月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』。かおすちゃんと小夢ちゃんが、ふたり揃って晴着に袴。ええっと、これは卒業式の情景かい!? ふたりともに花のあしらわれたその装い、目にも綺麗で華やかで、いとけなさ感じさせるその表情、仕草に将来への展望感じさせるようなはつらつとした元気さが見えるように感じられます。春の日の、うららかな日差し、そうした温かさも感じさせる、素敵な表紙です。

今月は新規ゲストが1本です。

『ギャルとネクラの吸血関係』

2話一挙掲載されたこの漫画。結果導入にはずみをつけることに繋がって、とてもよかったと思います。

女子高生たちは吸血鬼出没の噂でもちきり。クラスのあちこちでは、いくつものグループがそれぞれに、まるでお天気のあいさつでもするように、街に出没する吸血鬼の噂をしているのですが、友達もできずくすぶっている葉手川いよねは一緒に噂話で盛り上がる相手もおらず、ひとり教室の後ろ、孤独の時間を持て余しているというんですね。

田舎から都会に出てきたのをきっかけに、いわゆる高校デビューを図ろうと思ったものの、がんばって装ってみせたギャルスタイル、これがいまいちキマってなかった? いや、自己紹介で違う意味でキマってしまったのがまずかったか。クラスの皆から、ちょっと距離置かれてるよね。

そんないよねが抱いた希望が、隣の席の千翠まくる。ひとり本を読んでいるその子の横顔に魅かれたか、同じくぼっちの境遇にこれならいけると思ったか、話しかけてはみたものの、いまいちうまく響かない。そんなまくるといよねの共通点が、まくるの読んでいた漫画、『ユアブラ』。でも、一度は交流がはじろうかと思われたものの、まくるが一方的に退いてしまった。

その彼女の秘密。実は噂の吸血鬼であったと判明するのが第1話。そしてこれだけに留まらず、続く2話目にて明かされていく、いよねの特別な能力。普通の人間は、まくるの魔眼に見据えらると精神を掌握されいいなりになってしまう。ところがいよねには魔眼が効かず、かくしてふたりは対等な関係に!?

どうなるんでしょうね。いよねの血を吸うにいたったまくる。すっかりいよねを自分の眷属にしたと思っていますが、見た感じいよねは自身を失っていない。特になにか変わった感じもしない。はたして、この関係、まくるの思っているような主従関係となるのか、あるいはいよねのふるまいから見てとれるように、あくまでも好意好感で繋がる対等なものになるのか。

この次の動きが気になる引きに、ああ、2話を一度に読めたのはよかったと、そう思ったのでした。より印象的なところで、来月を待つことになったと思ったのでした。

『ご注文はうさぎですか?』

青山ブルーマウンテンとマスターのエピソードは、この漫画におけるもう一本の柱とでもいえるような確かな存在感がありますね。今回も心情に訴える、そんな物語を見せてくれて、ええ、大変によかった。数ページの掌編ながら、胸に訴える、そんな力を持っていて、マスターを待ち続ける思い人と、それでもあえてマスターがこの世界に留まろうとするその思いが、ひしひしと押し寄せてきて、これはおおいに沁みいるものありました。

マスターがティッピーの姿を借りてまでこの世に留まっているのは、ひとえに孫娘、チノのためであるのでしょうが、同時に青山翠のことも気にかけてくれている。そうしたマスターの気持ちが、青山のスランプによってより一層に深く、強く印象づけられたエピソードでした。これまで決して身内以外には明かさなかった秘密を、ここにはじめて家族以外にも知らせることになった。

青山に声をかけはげますことはあっても、真実を知らせることはなかったマスターが、うさぎの姿の自分を青山にさらした。この時の青山の心情。姿は変わろうとも、自分を支え見守ってくれていたことを知って、そして告げられる青山の思い。これはたまらないものがありました。もう会うこともかなわないと思っていた人との再会。伝えられた感謝の気持ち。これは奇跡以外のなにものでもないのだけれど、そうした奇跡に出会うことのできる木組みの街の夢のような時間。それが本当に素晴しいと思える好エピソード。ちょっと忘れられないものになりそうです。

2022年4月18日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年4月17日日曜日

今日は休みます

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2022年4月16日土曜日

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2022年4月15日金曜日

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2022年4月14日木曜日

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2022年4月13日水曜日

『まんがタイムきらら』2022年5月号

 『まんがタイムきらら』2022年5月号、昨日の続きです。

『ほぐして、癒衣さん。』

皆で岩盤浴にいこうという今回。無料招待券を入手、癒衣を誘いにきた富美子がこれでもかとダメージを食らい続けるのがもう本当に不憫で、この人、なんでこんなにいろいろがアゲインストなのだろう!

制作部を訪れれば、癒衣と夏鈴が日課(?)のハグをしていた模様。あの、ヤバい! とばかりに急いで離れるその様子が、ふたりの間の隠し事感をより一層に増さしめて、そしてせっかく癒衣を誘えたと思ったら、癒衣が夏鈴にも声かけちゃって、かくしてふたりきりの野望は早々に潰えてしまうのでありました。

いろいろダメージ食らっちゃう富美子だけど、癒衣から感謝の言葉かけてもらって心底喜びまくったりと、こういうのは、よかったねえと素直に思えますよね。でもそこからがあんまりうまくことが運ばなくて、いやね、途中癒衣と一緒に岩盤浴チャンスをものにしたものの、岩盤浴ハイに陥っちゃって当初の目的を見失っちゃたね? ひとり岩盤浴の心地よさを満喫しているその隙に、癒衣はのぼせた夏鈴といけない急接近ですよ! ああ、なのに富美子は気づいてさえいない。残念! ほんと報われないお嬢さんですよ。

そしてその後も癒衣の言葉で大ダメージ。夏鈴にこれからもハグをせがみ続ける癒衣の姿、その言動が、遠くふたりを見守る富美子の精神を削りたおす! いやあ、ほんと、富美子の不憫キャラぶり。もう完璧に持ち味になっちゃってますね。

My Private D☆V

『ほうかご再テンセイ!』のそめちめです。

D☆Vポイントは「カッコイイ〜系の女の子がカワイイ〜系の女子制服を着てるの好き〜!!!!」。

わかる。わかるわ。描かれている女性、高校生というにはずっともっと大人びて感じられる、そんな余裕すら感じさせる笑みも魅力的なこの人が、実は学生、制服を着ているという、ギャップといったら申し訳ないよね、だってもともと学生なんだから、でもなにかドキッとさせるような魅力あること、認めざるを得ませんでした。

この女性について、天然、王子様、不良、どんな設定でもおいしいとありますが、この中なら王子様系が刺さるな! と思った自分は、ふと『ぼくの上目遣い』を思い出しちゃって、ええ、あの表紙ににじむニュアンス、それに繋がるものをMPD☆Vのイラストにも感じとったのでした。でも、それともまた違う、より具体的なイメージあるんですよね。おそらくは『アイドルマスター シンデレラガールズ』、いやおそらくじゃないな、完璧そこからイメージを汲み出してる。速水奏だな。うん、きっとそう。イラストのお嬢さんはまた違う雰囲気なんですけどね。

そしてサブに描かれたぼーいっしゅ女子。あ、素晴しい。ほんと素晴しいと思います。いいよね。ええ、とてもよいと思います。

2022年4月12日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年5月号

 『まんがタイムきらら』2022年5月号、昨日の続きです。

『むすんで、つないで。』

年が明けました。それでつなぐは寝正月を決め込むのですが、いや、普通の寝正月ってだらだら過ごしていたらいつの間にか三が日が終わってたってやつだろう? なのにつなぐときたら、年末の大変さを埋めあわせようというでもいうのか、ばっちりアイマスク装備で布団から出ぬまま眠り続けるというんです。眠り姫!? 眠り姫なのね!? そんなつなぐを深い眠りから引き上げたのは、花ノ子、白百合姉妹です。正月の挨拶に訪れたふたり。健全な正月ライフをつなぐの前に提示して、ああ、つなぐ、なかなか対応できずにいるよ!?

今年の抱負についての話題だったんですね。書き初めで書いたんだね、きっと。白百合の冬虫夏草、いや違うな、元気溌剌だな、小学生が書き初めするにはちょっと難しい字だな。花ノ子は一期一会。これも小学生らしからぬシブさだな。対しつなぐが捻り出した抱負は、生きる。シンプルにして人の根源に触れる、そんな深みのある言葉。いや、これ悪くないですよ。とはいえ、つなぐはあんまり考えずに話していますよね。

バイト先で、つなぐ、正統派寝正月をたしなんだ七色に抱負の話をするんですよ。そうしたら七色がすっかり感心しちゃって、いやいや、この誤解よ。いい方向に受け取ってもらえるつなぐのラッキー。でも、これ、つなぐが学校でしっかりと学生生活を送ってきた証拠なんだと思うんです。そしてつなぐが七色に自分の抱負を話した時のあの表情。めちゃくちゃ素敵じゃないですか! いやもう、輝いてると思います。額にいれて飾りたいくらいに素敵です。

今回の皆の会話、正月らしいんだからしくないんだか微妙にわからない感もありましたが、正月をイベントとして過ごさない人にとっては妙なリアルさがありました。そしてつなぐの今の暮らしに充実と感謝を感じるくだり、これ、この子の健全さ感じさせてくれて、いやあ、駄目だなんだと自分のこと悪く考えがちなつなぐですが、全然そんなことないよ。すごく素直で謙虚、真っ当であろうとする健やかさが素晴しい。ええ、あらためてそう思わせてくれたエピソードでした。

『それでは、ステキなセッションを。』

ベーシストとして大切なものを掴んだ芽依。その演奏も、だんだんとその魅力を増してきています。ベースソロにて前に出た花ノ子のまとう奏ドレス。持続力はないといいますが、ここぞという見せ場でしっかり自分を打ち出していけるの、やっぱりこの子の可能性なのだろうなあって思わされるんですね。

そんな芽依に持ちかけられたメジャーデビューの話。バンド、スプリンターズのベースとして正式に参加してくれないか。一歩前進、実績にもなる。そうした話をてんちゃんづたいに聞いて落ち着かないのが一色。メジャーデビューするのが芽依のためになる、そう思いながらもなにかといろいろ面白くない。バンドやるなら自分とといってくれた、その約束が脳裏に残っているんですね。

芽依のその約束が本気であること、明確にされたあのコマ、芽依の見せた表情、きりっとして、決意のほどもしっかり伝わって、ああ、これはいいですね。そりゃあ一色にも思いっきりぶっ刺さりますわ。そしてここからのふたりのセッションの情景。ああ、以前誰だったかがいっていたとかいう言葉を思い出しました。

仲が悪くてもジャズはできるが、仲がよくないとロックはできない。

一色とともに演奏している芽依が見せる奏ドレス、その開かれていく可能性に、芽依にとっての一色、彼女のかけがえのなさを思ったのでした。

2022年4月11日月曜日

『まんがタイムきらら』2022年5月号

 『まんがタイムきらら』2022年5月号、昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

誰かに見られているような気がする、そんな話がささやかれるようになった頃から学校周辺で目撃されるようになったヤンキー。はたしてなにが起こっているのか。目撃者の情報によると、ヤンキー二人組のうちひとりの名前はあかね。それを聞いてピンときたすずめ。これ、おそらくすずめが以前所属していたグループのナンバー2、矢口朱音。すずめがいうには、重くてしつこい。ああ、蛍や咲姫が想像しているのとはなんか違う予感がする。なんかこう、暴力的な方向じゃなく、情愛もつれる、そんな感じなんじゃないかなあ。

さてさて、あかねさんですよ。髪に赤いメッシュをいれた女の子。でも見た目は怖いというより可愛いが強くて、してもってこの子、やっぱりすずめ大好きなんじゃん! すずめの今の姿を見て、当初こそは誰といぶかしがったあかねだけれど、すぐさま気づいて目をキラキラさせるのな。描かれていないしっぽがぶんぶん振られていそう、そんな子。

いやはや、すずめさん、愛されてますね。すずめの周囲、すずめ大好きな子がいっぱい集まっちゃってますよ。

『星屑テレパス』

わあ、扉絵すごいな。瞬が本編じゃ絶対しないような格好してるよ!

さて、頑張る海果さんです。クラスの子たちとも頑張って話すようになって、ほとんど話したことのない相手にもモデルロケットの魅力を伝えるべく思いきって踏み込んで、この頑張り、クラスの皆にも、部の仲間たちにも、いい影響与えている、そんな感じがするんですね。

連絡先を交換したクラスメイトが増えて、よかったとしみじみ感じいる海果のその表情! よかったなあと。嬉しさがにじんでいる。気持ちもまた穏やかに落ち着いて、こうした嬉しさを実感していくこと、自分の頑張りが成果に繋がっていくことを通じて、この子もさらに頑張れるようになる。ええ、成長を期待させてくれるのです。

しかし反面不安もつのる。ユウの体に生じた異変。やはりユウは、海果のイマジナリーが実体化した存在なのだろうか。海果が仲間を得、友人を増やしていった先には、もう役目を終えたとばかりにその姿を消してしまうのだろうか。

以前、海果が深く落ち込んだ時に、ユウが姿を消したことがありました。その時の不安がふたたびよぎります。ただし、今回は以前とは状況が違う。でもそれでも消えてしまうのだとしたら……。

今が、海果の周囲に集う皆と過ごしているその時間が、とてもしあわせそうに見えるだけに、ユウのこれからが本当に不安でなりません。

『ぎんしお少々』

最終回を迎えました。しろとすずが待ちあわせたお池。ここは以前の思い出の場所? 姉妹ふたりがこうして出会って、一緒にそれぞれが撮った写真を見ている姿。遠く離れて暮らしている、その相手に見えていないところを写真が伝えてくれる。写真が、話すべきことを導いてくれる。そんな広がりの感じられた時間。写真を撮るという行為が、遠くにいる大切な誰かを思わせるということもまた素敵と思われて、自分の好きなこと、いいと思った情景、それを分かちあえる。分かちあいたいと思える相手がいる。たとえ遠く離れていたとしても、その存在を思うことで埋められる気持ちの空白。ふたりともに、こうしてその気持ちの繋がることを実感しているかのような様子は、本当に成長を感じさせてくれるものでありました。

そしてもう一組の姉妹。まほろともゆるの関係も。学校の廊下に掲示されている写真部の活動。コンテストに出した写真だと聞いていたからでしょうね、まほろがこれ出したの!? って驚いてるのが本当におかしくて、いやだって真っ黒なんあるからな! でもこの写真の数々、写りのいいのも悪いのも、それら全部がもゆるの歩んできた道程なんだ。

そしてもゆるが姉に話したこと。カメラを持つと景色が特別になる。景色だけでなく、起こったこととかも全部特別にできる。まほろがいっていたことが本当だったといって、さらにその先に進んだ姿さえ見せてくれた、そんな様が本当に素晴しかったと思います。

カメラ、写真はただ景色や情景を写すだけのものではなく、そこにいた人の気持ちをも固定して、後々に振り返らせてくれる、ちょっとした魔法のようなもの。すずとしろ、もゆるとまほろ、そしてせつなもかなめも加わって一緒に撮った記念写真。なかなかスムーズにいかなくて変な写真になっちゃったとしても、その失敗さえも思い出になる。その時にわいわいと賑やかに話していたその感情さえも、つつみこんで残してくれる。

なんてことを思わせたくれたラストに、この物語のとじられる切なさ寂しさよりも、もっと穏やかな気持ち、じっくりと嬉しさに似た思いを得たのでした。

2022年4月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2022年5月号

 『まんがタイムきらら』2022年5月号、一昨日の続きです。

『けいおん!Shuffle』

リサ、煽る、煽る! 先輩たちのバンドに名前がついてない。それで名前をつけようと提案するのに、そこまで煽るのがリサなんですね。その煽りを真っ向から受けとめる真帆。板挟みになってる蘭花。とことんまでマイペースな楓に、楓にやすらぎ見出す蘭花。もうここだけでめちゃくちゃ面白い。

紫はすごいですね。いわんでもいいようなこといって煽るリサの言葉から、その主張の部分をこそちゃんと抜き出して、へこみつつも真面目に対応しようとする。この生意気ガールの主張、下手したら喧嘩になる、バンドが空中分解しかねない危機だというのに、皆ちゃんとリサの個性を認めて、真帆にしてもつんけんしながらも無下にはしない。ええ、なんだかんだで仲がいいんですよ。すごくいい。で、まさかのバンド名、リサとゆかいな仲間たちになってしまう!?

この、余裕しゃくしゃくの口達者リサに逆襲してみせる真帆も面白いんですけど、隣りの楓がね、多分本気でいいと思ってそうなのが余計におかしくって、いやもういいメンバーが揃ってる、そういわざるを得ないですよ。

そしてここからの2年生組の動き。なぜバンド名をつけようって話にならなかったのか。それを掘り下げていった先に、3人がバンドになにを求めていたのか、なにを得ていたのか、そこに近づいていくのが本当によくって、ああ、この子たちにとってバンドとはなんだったのか、その本質こそが浮き彫りにされていく、そんなエピソード。いやもう、素晴しかったと思う。紫たちにとって、本質こそが重要で、その周辺にまつろうもろもろは眼中になかったことが見えてきて、ああかくありたい、そう思わされるようなよさありました。

『しあわせ鳥見んぐ』

トリさんの中身がバレてしまった翼さん。呆然から慌てて釈明、さらには後ろにひっくりかえってしまって……、からのヒバリとともに場面転換していくあの描写、秀逸でした。空白となってしまった時間、その経過が実によく感じられて、なんだかニヤニヤしてしまうようなおかしさありました。

そしてここからの4人の対話。すずが翼の秘密を知ってたことが明らかになって、翼、結構なダメージだ! そしてひなも岬も一緒になって、翼の動画投稿を盛り上げていこう! となるこの流れ。すでに撮影で手伝っているひなに加え、すずに岬は絵、写真でサポートするといってくれて、ああ、これまで鳥が好きという気持ちで繋がってた彼女らが、ついにチームになる。そんな記念碑的な回であったと思います。

そして次の鳥見の話題となって、向かうは飛島、渡り鳥の中継地。けれどなぜかこの遠征に翼は乗り気ではないようで……。なにか過去に因縁でもあるのかな。翼の来歴などなど、それに触れることにできるエピソードが待ってたりするのかも。翼には悪いけど、ちょっと楽しみに思います。

『スロウスタート』

花名憂鬱のイベント体育祭がいよいよ始まります。ということで、朝からしょんぼりしている花名。大丈夫かい!? といいたいけれど、花名の気持ちもよくわかる。自分とは違い、クラスにも溶け込み、さらには責任感の強い花名となればなおさらプレッシャーでありましょう。本当、花名のこの心配、苦悩、これらが全部杞憂に終わること、望まれてなりません。

さて体育祭での皆の活躍ですよ。意外や足のはやい冠。この子が一番に活躍を見せたい相手はもちろん栄依子。だけどその姿が見えなくてしょんぼりしそうになった時に、まさかゴールラインの向こうに栄依子の姿を認めて、ああ、この描写、素晴しい。冠の一着をいちばん近くで観たかった、そういう栄依子のもとに、まさしく誰よりもはやく駆けつけて飛び込んでいく冠の姿。ああ、実にいい。ふたりの関係、本当によいと思います。

そして栄依子の借り物競争。榎並先生にぐいぐい迫るも、先生はいつもどおりといったものか、クールに対応して、なかなかに栄依子も踏み込めずにいるんですね。でもここでの栄依子、可愛いよね。で、榎並先生の気持ちにちょっと触れることが叶った? と思わせてからのあの展開! ムゴい! まさか栄依子がここまで翻弄されるだなんて(物理的に)! いやもう、なかなかに見られないもの見せられましたよね、これ。

そして花名、いよいよ登場! 大玉転がしにてたまてとみつきとの3人組で頑張るというのですが、いやいや、まさか花名、転んで、大玉に乗りあげて、そのまんま運ばれていっちゃうとかある!? ほんと、思いもしないもの見せてくれました。いや、でも、花名涙目でかわいそう! せめて1着とるとか、そういう方面で報いてあげて!

2022年4月9日土曜日

『まんがタイム』2022年5月号

 『まんがタイム』2022年5月号、一昨日の続きです。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島と一緒に暮らすことに不安を感じていた白石に、大人らしい包容力を見せてくれた真島。さすがだなあ、年長者としての余裕があるわ。そう思って安心してたら、あ、あかんっぽいな……。

一緒に暮らすとなればより広い家に移ることになる。それでさっそく物件探しで揉めるんだ。贅沢指向というほどでもないのかもだけど、居室にお金をかけることを厭わない真島と、質素? 手頃な物件を求める白石で真っ向から対立。いや、真島の言い分にも一理あるんですよ。セキュリティとかにも気を配ろう。なんてったって、白石は芸能人なんだよって。でも、オートロックなんてうっかり閉め出しくらっちゃうよ! って、基本のライフスタイルが根本から違うんだな!

ライフスタイルもそうですが、価値観もまるで違っていてこの問題、根が深そうです。

お試しの同居、これもまた揉め事のもとになってしまって、いざ仕事となれば根を詰めてまわりは一切目に入らなくなる真島と、そんな真島のことを心配する白石とのすれ違い。真島、まったく白石の存在を頓着せず、いったいこれで同居といえるのだろうか。さらには真島から、台本読みの声を抑えてほしいとの要望まで出て、白石が自分が尊重されていないと感じるの、実際そのとおりだわ。

今のところ譲歩が見られるのは白石だけで、真島は自分のスタイルを頑として崩そうとしない。真島のアプローチもありとは思うんだけど、これは互いにそれで心地よいと思える場合だけだよね。それこそ同じ家に暮らしても、互いに干渉せず、相手がなにやっていても頓着せずなら、一緒に暮らす意味ないじゃん、白石のいうことももっともなんですよね。

ということで、かくもスタイルの違いすぎるふたりの生活。この解決はなるのかならないのか。いやもう、ラストによぎったふたりの疑問。ええ、ここから問題をふたりして乗り越えられるのか否か。それが最初の課題ですよね。これを乗り越えられるようなら、今後もなんとかなりそう。でもそうじゃないなら、ちょっと同棲は無理かもね。そんな試金石となるような局面になってきましたね。

『良倉先生の承認欲求』

一美からの申し出で、写真部クリスマスパーティが開かれることになりました。生徒たちだけでなく良倉も声をかけられて、ああよかったね先生。

でもここからの良倉の苦悩。プレゼント交換をどうするか。生徒の喜ぶ、さらにはさすが先生! そう思われるようなプレゼントをしたい。自意識が先立ってるように見えるんですけどね、でも上枝と一緒に買い物にいった時の様子を見れば、ただ生徒からよく思われたいだけでなく、彼彼女らが喜んでくれるようなものを贈りたい。そうした先生の気持ちがしっかり表れていて、ええ、やっぱり良倉、いい先生なんだと思うんですよ。

そしてクリスマス会当日。ああ、先生、生徒との間に一線を引きましたね。でもただ線を引くだけでなく、ちゃんと大人として子供たちひとりひとりにプレゼントを贈って、これがフォトフレームというの、とてもいいのではなくって!? なんせ写真部ですから。そして、君たちが過ごす青春の日々、その思い出を大切に残してほしい、そんな思いも感じられるようで、ええ、先生、クールでスマートな良い教師ですよ!

で、これを自分でいっちゃうのがいいですよね。上枝の前でめっちゃいい笑顔してみせたりしちゃって、ああ、良倉よ、やっぱりかわいいおじさんだと思うんですよ。めちゃくちゃにチャーミングですよ、先生。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

留莉と一緒に収録することになりました。ふたり一緒に商店街をまわって、新旧スイーツを紹介するのですが、新はピスタチオケーキ、旧は二重焼き。地域によっては今川焼きだったり大判焼きだったりするお菓子ですね。

そのロケの描写に、留莉と琴音、それぞれの支持層の違いが現れて、10代に絶大な人気を誇る留莉に、お年寄りと子供メインの琴音。でも琴音も最近は若い子たちから支持されるようになってきました。制服の子から声をかけられている琴音を見て、ちょっと嫉妬を感じる留莉。琴音同様、お年寄りと子供からの人気がほしい。

留莉の視野が広がったと思っていいのかな。広く知られ愛される存在になりたい。そんな留莉の頑張りが光った今回。おばあちゃんが二重焼きを作っているお店でうまくコミュニケーションできなかったのが、琴音のアシストで一気に打ち解けた。ここからの留莉の悩み、反発する気持ち。それが琴音との会話で氷解するところがいい。そして一歩踏み出してみた留莉の、琴音とは違うアプローチながらも、自分の興味、自分の分野でしっかり年配の層に声を届かせ、気持ちを掴んでいく。

ええ、今回は留莉の成長の見られたいいエピソードでした。琴音と違う個性を持った留莉。違うからこそ助けあえる。また違っても思いあらば通ずる気持ちもあるということ。その違うということのよさ、違うからこそのよさが光っていました。

2022年4月8日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年5月号

 『まんがタイムきらら』2022年5月号、発売されています。表紙は『スロウスタート』。栄依子と冠が、ふたり、うさぎの耳つけて、可愛いお揃いの衣装着て登場です。これ、イースターですね。イースターのうさぎになって、そして周囲にはカラフルに彩られたイースターエッグがあって、このパステルカラーも目に楽しいイラスト。そして背景にいる着ぐるみうさぎ、まさか本編カラー扉絵にてその中身大公開! って、君らか! いや、そうだよな、君らだよな。思いきりのいいうさぎとちょっと躊躇のあるうさぎ? そんな風にも見えるのは、その中身を知ったからでしょうか。いや、そうでもないと思う。なんかその動きに個性がちゃんと感じられるんですよね。

今月は新規ゲストが4本です。

『まほっと!』

魔法使いの通う学校にて、いまだ馴染めず、友達もできずにいる南。魔法の実技もふるわず、自分の能力に疑問を抱いていたところ、学年トップの西家江奈に連れられて彼女の研究室を訪れることとなるのです。

西家から渡された薬を飲んだ南。手順が入り組んだ高度な魔法、散らかった部屋を片づけるよう西家にいわれて試してみた南が、自身思いもしなかったほどに鮮かにその仕事をまっとうしてみせて、その驚きと、西家の言葉に勇気づけられるにいたるこの流れ。ずっと自信を持てずにいた彼女が、西家の薬によって実証された自分の能力に、まず自分を信じようと思えるようになった。その変化。今はまだ自力で能力を発揮できない南だけど、前向きに取り組んでみようと思えるようになった。それがきっかけとなって魔法のことも、そして友達のことも、全部好転させていくというのですね。

しかし、この学校に関わりのあるという伝説の大魔女様。この人、もしや西家の関係者? いや、それどころか……? などなど、ちょっと、おや? っと思わせるようなくすぐりもある、そんな第1話でした。

『えど。ぶんか』

滅びた人類の文化を復元すべく、アンドロイドたちが人の文化を経験し、知っていこうという試み。ここ第五復元都市が取り扱う文化は、日本の江戸時代。断片でしか残されていない文化を自分たちで実地に試す。それで初回はなにをやるのかというと……、まさかのハラキリ!

新人、仁七の研修にてとりおこなわれた文化当てクイズ。その対象となる文化がハラキリだというのですね。

まずは人がやっているのを見る。腹に刀を突き立てて、その後おもむろに介錯。転がってくる首に混乱示すも、やってるのがアンドロイドですから死んだりしないのはせめてもの救いでありましょう。しかし、自ら肉体を損傷する意味とは、そのメリットとはなんだろう。非生産的としか思えない行動に、なにかしらの意味を見出そうとする仁七。あまりにもわからないからと、自分でも体験して、その意味とはなにか、なにを目的とした行為なのか、答を得ようというんですね。

出てきた答はおおよそ実際のものとは違うのだけど、情報の伝えられていないこの社会では答えあわせなどはできないわけで、ゆえにまずは自分で考える、仮説を立てる、そうした営為にて人の文化を知ろう、そんな話であるのですね。

『メイドなクラスメイト』

家の事情により、身分を隠して一般の高校に通うことになった水守華菜。皆に溶け込めるよう一般常識を勉強したという彼女だけど、教師データがおかしすぎる! なんでヤンキー文化から学ぼうとするの!? と、それはいいとして、華菜の通う学校、なぜかクラスにメイドがいる。制服ならぬ、メイドの装束にて過ごしている七月蛍。彼女との交流にて、だんだん化けの皮がはがされていく華菜ですよ。

いや、この場合はどういったものだろう。化けの皮ではあるけれど、メッキがハゲるとは違うよね。むしろニュアンスとしては逆。金の地金が出てきてしまうというか、育ちのよさは隠しとおせるものではない。会話のはしばしに漏れ出る、一般家庭らしからぬ言葉の数々。メイドは足りている、お父様と、語るに落ちるというやつなんですね。

メイドの格好している蛍、この子の目的は、いわゆるひとつの就職活動。お金持ちの家庭を見つけて雇ってもらいたい。というなら、一般家庭の子女が通う高校では目的かなわなくない? まあそれはさておいて、格好こそは一人前だけど、仕事に関してはかんばしくない。お茶汲みの技術も、それ、メイドのお茶汲みじゃなくて、四川の茶芸だ! どこかズレてる、それが蛍という子なんですね。

『笑うマコにはサユ来たる!』

人の幸運度を数値として視認することのできる石川サユ。ただこの子には悪癖があって、それは自分より幸運度の低い人を見下してしまうというもの。石川サユの幸運度は100。おそらくはカンスト。ゆえに、あらゆる人は見下されるべき対象で、その結果、石川サユは孤立を余儀なくされてしまうことになりました。

って、あなた、幸運だったんじゃないの!? 幸運値カンストで、友人ができない、めちゃくちゃ寂しいって、それ幸運が発揮されてなくなくない!?

ともあれ、そんな彼女が興味を示したのが、幸運度最低を示したクラスメイト。その数値たるや、サユとはまったく正反対のマイナス100。ただ昼食を食べようということさえままならぬ不運。弁当は、なぜか教室に入り込んでいた猫に奪われ、机もなぜか大破損。あまりの不運は周囲にも影響を及ぼして、ついたあだ名が不吉女。それで友達が去ってしまって今やひとりぼっち。

この不吉女と呼ばれてる彼女が、漫画のタイトルに出ているマコですね? でも本編で一度も名前が紹介されていない……。ふ、不幸だわ……。

幸運だけど友達のいないサユと、不幸ゆえに友達のいないマコ。まったくの正反対のふたりがこうして出会って、ついには友達になろうとサユからもちかけるにいたった。これ、マコの不運はサユに影響しないのか。また逆に、サユの幸運がマコを不運から救うことはできるのか。いや、どうもできないっぽいですね。だってさっそくマコは昼食の入手に失敗している。ええ、でもこうして友達のできたこと、それがまずは大切ですよね。ふたりにとっての一大事です。

2022年4月7日木曜日

『まんがタイム』2022年5月号

 『まんがタイム』2022年5月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』がメイン。ピッチャーですね。ボールを投げるその姿。それを打とうとするのは『茨城ってどこにあるんですか』多恵でしょうか。しかし、バントで堅実に走者を進める模様です。『花丸町の花むすび』花子は、これ、なんだろう。マスコットキャラ? ユニフォームにボールの被り物して、颯爽と登場してくるところです。『午前0時のおねだりごはん』牛喰はチアガールですね。元気に応援。その笑顔、実にチャーミングです。

『ローカル女子の遠吠え』

実は静岡が全国1位シリーズ。桜餅に用いられる桜葉の塩漬け。この生産量は静岡が全国シェア7割を占めているというの。ということは、自分が食べている桜餅やその他和菓子に使われている桜葉の塩漬け、実は静岡で作られたものかも知れないっていうわけですね。なぜ桜葉の塩漬けが産業化したのか、その経緯も面白い。もとは炭焼きに使われていたオオシマザクラが、産業の衰退とともに生き残りをかけ桜葉の塩漬けを作るにいたったんだ。この栄えたものが時代とともに退場、また違うあり方を模索するというの。りん子のいうように、生活するということ、生きるということの大変さ、その頑張りの様子が思われます。

そして今回語られた、静岡県民は新しもの好きという話。その傾向は江戸の頃に由来するというの、本当かどうかはわからないけど、なんか納得感ありますよね。そうした県民性があるために、企業が新商品をテスト展開するのが静岡だったりするとか、そうした話も面白かった。というか、まだ、まだ生き生きしていたころのはっちが……。

そして浜松の餃子の話。まさかの宮崎が餃子支出額1位に躍り出て、そのショック? 名々伏直伝のゴマ擦りテクを雲春が試してみたり、なかなかめずらしい展開も見られた今回。本当に幅広い展開してみせて、実に濃密、読み応えたっぷりでした。

『茨城ってどこにあるんですか?』

ついに多恵が東京にやってきました。まさかの東京駅で度肝を抜かれ、あまりの感動に立ち尽すこと15分、ずっと眺めて飽きないというのが多恵なんですね。

そんな多恵の東京めぐり。茨城っ子の血のなせるわざか、せっかくの東京、せっかくの銀座だというのに、茨城のアンテナショップに引き寄せられ、さらには水戸との縁が深い小石川後楽園に興味ひかれたりと、どうしても茨城からは離れられない、そんな心からの結びつき感じさせてくれるのがよかったです。

そして東京スカイツリーでも。展望デッキから眺める東京。東京の名所を望み興奮を隠さない多恵だけど、一番に驚かされたのが、まさかの筑波山!? さらには牛久大仏まで見つけて、って、これほんとに見えるんだ! 実際のところは肉眼だと難しいんでしょうね。森戸には見えなかった大仏を普通に見つける多恵、これも茨城愛のなせるわざかも知れません。

そして多恵のこれまでの頑張りが実を結んだ!? 茨城の紹介動画を見てくれている人が声をかけてくれて、ああ、よかったねえ多恵。でもまだまだ茨城の知名度、高いとはいえなくて、これが多恵のモチベーションを高めることになったのがとてもよかったなって思いました。

多恵はいずれは東京に出ていくのかも知れないけれど、まだしばらくは茨城からその魅力を発信していく。そうした彼女のポジションが定まったラスト。多恵の前向きな姿も見られたの、なによりでありました。

『この契約は恋まで届きますか?』

八千代さんと家事、手芸のコーチの交換契約を結んでいる野田。けれど家事ならなんでもお任せというわけでなく、高所の電球交換なんかは無理せず自分を頼ってくれた方がいい。そんなところからはじまった今回のエピソード。人に頼ることを知らない八千代の、すべてを自分でやろうとしなくてもいい。わからないこと、苦手なことは人に頼る、助けを求めてもいいんだということを知るにいたる流れがよくできていて、これもこの人の成長なのでしょう。そうした変化がとても魅力的に描かれた回だったと思います。

八千代の上司、佐倉真紀子部長との関わり。以前、野田と八千代が一緒にいるところを目撃してしまった人ですね。心を開かないように見える八千代に、少々の心配をしていた佐倉でしたが、そんな彼女がたまたま見つけた野田の手芸アカウント。八千代のデスクに置かれたマスコットと気づいて、それをきっかけに八千代との仲を少し深めていったところ。最初はなんとかごまかそうとしていた八千代が、野田の手芸を褒められて、自分の好きなものをよくいってもらえて、嬉しかったんでしょうね。少しほころんだ表情見せて、ともに心も開かれて、佐倉のアドバイスも自然と受け入れられるようになったところ、悪くなかった。とてもよかったと思います。

『午前0時のおねだりごはん』

この漫画、最初のころ、だんだんと牛喰のおねだり料理を一緒に食べる仲間が増えていくのかな。ほら、米沢の他にも肉の産地に由来する名前の人たちいるじゃないですか。その人たちも、牛喰の料理のもとに集うことになるのだろうなあ、みたいに思っていたから、米沢兄妹のみの特権であり続けているのが実に意外で、けれどその特別感は悪くないとも思われて、ええ、予想外な楽しみを感じているわけです。

先日登場した三元さん。この人の目撃する、米沢、牛喰の意味深な関係。それが投げ掛ける混乱と、そこからの脱却。皆が知ることとなった牛喰の料理の魅力。より深まっていく仲。そうした描写はよかったですよね。で、そうした様子の向こうっかわに、牛喰ひとりじめしてる米沢の優越感とか、そしてさらなる米沢、牛喰のラブラブ意味深会話が目撃されるとか、まだまだ三元の混乱? 誤解はおさまらなさそうで、今後どんな展開になるのか期待もふくらみます。

とはいうものの、三元の誤解みたいにいっていた米沢、牛喰のラブラブ感、これはさすがに誤解ではすまないのでは!? いや、これ、とてもよかったと思います。少なくとも、この雰囲気、牛喰は大歓迎してますよね。ほんと、このまま突き進んでくださってもなんらかまわない。私も大歓迎です。

2022年4月6日水曜日

『まんがタウン』2022年5月号

 『まんがタウン』2022年5月号、昨日の続きです。

『あの世で猫になる』

タマによる環境改善作戦。大量に雑霊の発生したのが原因か、体調が悪化している朝倉さん。なんとか彼女を守りたいと、ネズミの助けも借りてアパートの雑霊を祓っていく。タマの奮闘とその結果。これ、かたちを保てているタマと、その姿さえあやふやな雑霊の霊格の差が強さの違いとして現れているのかも知れませんね。

でも朝倉さんの不調の原因、霊が原因ではないようで、ということはただの風邪? かと思ったら、実家からもらってきてしまった猫の毛が原因かあ。アレルギーで息も苦しい、咳に鼻水、涙まで出て、これ大変だなあ。それゆえに、猫と思われているタマの存在が重要になってくるわけですが、いかに朝倉が猫を欲しているか、当のタマがそれを理解しきれていないのが実にもったいない。ええ、その涙のわけはアレルギーではないんですよ!

しかしタマと悪霊入りのネズミ。この両者、なんだかんだいいコンビになってきていますよね。でもこのネズミの中身の悪霊、どれほどだったのでしょうね。で、それを手玉にとっている大島。こいつの力量、どれほどのものなんでしょうね。ちょっと人智を超えていそうです。

『食欲しか勝たん!』

ついつい食に意識が持っていかれるこころん。名古屋公演ではみそかつに親しみ、そしてここ大阪公演では!? なんと、たこ焼きですか! いや、たこ焼きってそこまで大阪特有な食べ物なの? わりと全国にない? 近場というか身近すぎてそのあたりよくわからないのですが、他地域からすれば大阪らしいと感じさせる食べ物、少なくともこころんにとってはそうなんですね。

でも、びっくりしました。まさかのこころん、たこ焼き食べそこね!? イマジナリーたこ焼きに心捕われてうっとりしていたら、なんとまあもう帰路の新幹線車内だというんですから、ああ、しくじりましたね。あの、たこ焼きの舟を捧げ持っているはずの両の手が、やるせなく虚空に差し出されるばかりになっているのが物悲しい。ああ、こころん、まさかの失敗でした。

そこからの、あらゆるものがたこ焼きのイメージに繋がってしまうところ、これいつものこころんといえばそうなのですが、ただ今回が違うのは、このイメージの先に実際のたこ焼きを手にするルートが存在しないということ! 思えども叶わぬ思いの悲しさよ。そう思っていたら、マネージャーさん、冷凍たこ焼きを買っておいてくれた! その事実を知らされた時のこころんがヤバい。いや、それ、アイドルとか以前に、うら若いお嬢さんがする表情じゃないっすよ。

で、このたこ焼き礼賛翌日の意味深セリフ。ああもう、えらいことゆうてしまってます。でも本人は、なんらそうした意図もなにもないんだろうなあ。

『兎なりのウサギさん』

学校でハッパの受け渡しをしている青枝。そ、それは悪いハッパなのかい!? と思ったら、ビワの葉。なるほど、ウサギのみたらしへのおみやげですね。ウサギの好物。そんなになの? と思ったら、青枝の友人、佐々木が試食。いやいや、人が食べてもおいしいもんじゃあないよ! で、ビワの葉を持ってきてくれた加藤、この子がすごいマメなの。ビワの葉茶を作って持ってきてくれている。さらには翌日、入浴用ビワの葉まで! ほんと、マメ。君、見た目は男子高校生だが、その実態はおばちゃんだな。いやもう、一発で加藤くんのこと気にいってしまいました。

さて、ビワの葉を与えられたみたらし。好物なのに、基本久しぶりだと忘れてしまってるんだ! 警戒して匂いかいで、気づいた瞬間にテンションがMAX! この極端さ。すごいな、ウサギ。でもって、ここからみたらしの悪行が明らかにされて、なんとまあ、イスをかじるのか。これ、困るなあ。ウサギはげっ歯類だから、放っとくと門歯がどんどん伸びる。だから固いものをかじる必要があるんでしょうが、家具やらなんやらをかじられるのは困るなあ。しかも、紅葉がしかることをちゃんと理解している。悪いことだとわかった上で、何度も何度もチャレンジしてくる。

そうか、ウサギってこういう側面もあるんだ。もっとこう、なんも考えずボーッと生きている、そんな印象でした。意外や狡猾、意外やチャレンジャーなんですね。ウサギ観がちょっと変わりました。

2022年4月5日火曜日

『まんがタウン』2022年5月号

 『まんがタウン』2022年5月号、発売されました。表紙は『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』であります。「オラは誰の子? 忍者の子?」意味深なセリフが惹句として中央に配置され、背景には城、その左右にはみさえとそして忍者の母!? 意味深な登場人物もいろいろと描かれて、そしてしんのすけは普段着と忍者装束、ダブルでどんと登場。どういう内容になるというのか。その気になるところは、巻頭カラーの特集で少し語られておりますよ。

今月は新規ゲストが2本です。

『まあみさんとレトロ遊び』

16歳えーこのいきつけのお店は、まあみさんが店番しているおもちゃのトイダ。昔ながらのおもちゃ屋で、懐かしトイが当たり前に売られている!? これ、マニアにとっては宝の山では!?

今の常識と昔の常識、そのへだたりなんかも語られて、えーこが買ったプラモデル。はめあいがよろしくない。組んでもバラバラになる、というんですが、そりゃあ当たり前で、昔のプラモデルは接着剤でくっつけてやらなきゃいけなかった。いや、今でもジャンルによっては同様ですけどね。でもスナップフィットモデル、増えましたよね。艦船模型とかでもあるじゃないですか。パチ組みで充分楽しめる、そんな時代からしたら、接着剤使わないといけない。ものによっては単色で、色塗らないとどうしようもないがっかり感。さらには、ものによっては、パーツが最初から歪んでるから、手を加えてなんとかしないとただ組むだけのことも難しいとかね。

いやもう隔世の感ありますよね。

そんな今回のメインの話題はたまごっち。実は自分は通過してきていないんですが、シンプルに見えるデジタルペットが結構育てるの大変で、思ったように育たない、なのにそれでも放っておけなくて感情移入してしまって、みたいな話は仄聞していました。そんなおもちゃのひとつの側面、デジタルペットの死を扱って、その引き込まれて情の移る様。ええ、悲喜交々ででもその悲しみも魅力のうちであったということ、よくよく伝わりましたよ。

『バトラー吉野』

バトラーということは執事なのかな? 神田宮家に配属された執事の吉野雅美。見た目にも若いお嬢さんなんですが、この人、使用人イジメを楽しみにしている神田宮家の息子、英雄に対する天敵みたいな人なんですね。

有能執事? いや、どうもそうではない模様。というか、むしろ特殊な傾向持った人物で、いびられることをなによりも楽しみにしている!? イビられて、バカにされて、それであからさまに喜んで見せる。あまりの反応に、いびりに対策すべく演技しているのではないか、そう思ったところ、ガチのガチだったという。

あの手この手で吉野をイビる英雄。でも吉野がいびりをあまりに嬉々として受け入れるものだから、ひいてしまって、むしろ自分が逃げ出したくなる始末。でも最終的には吉野のことを受け入れて、といいたいけど、吉野のナチュラル煽りに英雄が後に退けなくなっただけか。相性抜群といっていいのか悪いのか。少なくとも、これで英雄のいびりで苦しむ使用人はいなくなりますね。

『勇者様!?こ…これってそういう意味ですか?!♡』

進む勇者の侵攻に、いよいよ四天王が直々に出ていこうという話になって、焦ったのがイルヴァ。ここで勇者をとられてしまえば、これまで倒せずにいた自分が笑い者にされてしまう!

それで勇者の元に急いだイルヴァだけど、まさか勇者と共闘せざるを得なくなり、そこで見せた全体攻撃を可能とする技。勇者が素直にイルヴァを認めて賞賛するでしょう。このくだり、ずっとイルヴァを苦しめていたものの正体が見事に実感させられて、認められたかった自分、ずっと欲しかった賞賛、それが思いもしない相手からもたらされて一瞬憑き物が落ちたようになるでしょう。これ、これまでもそうだし、今回も冒頭からしっかりイルヴァの焦りや憤りを積み重ねてきた、そうした描写あってのことですよね。ほんと、あの瞬間のふたりのやりとり、とてもよかったです。

ここでまさか仲間にならないかとスカウトされるのもびっくりだけど、これ、イルヴァの転向イベント、いずれありそうな予感がしてきましたよ。となると、ソーニャにはライバルが増えますね。いや、これまでもそこそこ攻め込まれてましたけど、それがこれからは本格的な恋敵になりそう。それはそれできっと面白いことになりそうですよ。

『惜しかけギャルの中村さん』

クラブにいくという中村さん。部活じゃないですよ? あの、音楽が鳴ってて踊ったりお酒が提供されたりするクラブ。なのに秋山が夜にクラブになんかいっちゃいけません! とかいっちゃって、あんたは中村のお父ちゃんか!

けど、そんだけこの子のこと心配に思ってる証拠だよね。中村は喜ぶがいいよ。

中村に付き添ってクラブにいった秋山の、場に馴染まない感じ、それはそれは大変なもので、でもお店のマキさん、大丈夫だっていってくれたの、ああ、よかった、秋山もちょっと安心ですね。

今回のクラブ、秋山にとって知らない中村の側面を知っていく、そういうイベントにも思えるんですが、それでも同時にふたりの共通項、これまで一緒にいろいろやってきたこと、それが生きてくるというのもまた魅力となっていて、知らない中村の中に知っている中村がいる、中村のいろんな側面、それはバラバラに存在してるんじゃなくてちゃんと繋がっているんだよって、秋山の知る中村の延長にクラブを楽しむ中村もいるんだよってこと伝えてくれるような好エピソードだったと思います。

知ってる顔と知らない顔、それは後藤においても同様で、バイト先で見る後藤とはまた違う表情を見せた彼に、素直に心動かされている? いや、中村にふいに踏み込まれたように、ヤキモチ焼いちゃった!? このちょっと優位感じさせる中村も、このところあまり見てなかった表情で、いやもう実に魅力的。

中村の多様な表情、後藤のいろいろな顔。人には、一面を見ただけではわからない世界がある。その多様性、多面性こそが人の厚みで、その人特有の魅力となる。そうした側面に触れていくことで、よりその相手を知ることに繋がって、そしてそれは同時に、自分の世界も広げていくことになるのかも知れないと思わされました。

2022年4月4日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年4月3日日曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年4月2日土曜日

『まんがホーム』2022年5月号

 『まんがホーム』2022年5月号、昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

ASMRってそんなにも堂々と口にしてもいいものだったんですかい!? いや、なんか間違った認識でいるっぽいこといっちゃってますけど、そうか、これ、いかがわしいものではなかったのか。日本語にすると自律感覚絶頂反応。マジか、知らんかった。ともあれ、こんなにもさわやかな表情で「ASMR聴いてるよ」みたいなこといっちゃっても問題ないことがわかったのは収穫でした。

しかし当たり前のように知ってるあんこ、さすがです。でもこれだけ知っていながら幸太に聴かせるの、黒板をひっかく音なんだ。この凶悪さ! というか、そんな黒板、なんで持っとるの!? ともあれ、今回のあんこの聴かせる特集。3rdシングルの破壊力もそうならあんこASMRも相当で、本当に座敷童子だいいながら、繁栄と幸運とか癒やしとかに無縁なところ、これもまたさすがでした。

『歌詠みもみじ』

理央先生の引っ越しに駆り出されたもみじとまりな。テストで赤点とった補習の代わりにというんですが、正直補習を受けていた方がずっと楽だった案件。理央先生宅にいってみるも、荷造りどころか片付けさえもできていない始末。家中に通販ダンボールとかいってますけど、それ以前の問題では? 捨てられるべきゴミが床に散乱しとるよ? これ、引っ越し前の一時的な状況とかじゃあないですよね。ほんと、一筋縄ではいかないシチュエーションです。

まりながね、結構憧れていた先生みたいなんです。かっこいいといって。でも実態を知れば夢も憧れも醒めてしまう。そのギャップというべきか、ほんと先生はちょっといろいろ隠す努力をした方がいいのではないか。家が散らかるたびに引っ越し、その都度生徒を動員しとるらしいからバレバレですよね。こうした隠さないところ、フランクさがかっこよさの一因のようでもあるから、まりなの憧れはいずれ醒める運命にあったんでしょうなあ。

理央先生の引越し先がまた奮っています。同じマンションの上階。いや、それなら全部梱包せず、ちまちま運んでいけばよかったのでは? と思ったけど、それは無理か。二室借りると家賃が二倍だもんなあ。ちょっと無理よね。

でも、業者を使わず生徒に手伝わせるというの、家具はどうするの!? と思って読み返してみれば、もともとあんまり家具がない家だったんかな? いや、ベッドがあるじゃん! ほんと、まりなともみじ、よっぽどな目にあいましたなあ。そりゃあ、二度と赤点はとらないと誓うわけです。

『うちの秘書さま』

前回、はじめと一緒にゲーセンいったこと知られて大旦那様にすねられた高倉、続けて登場ですよ。はじめと遊びたがる大旦那様をその都度阻止してスケジュールどおりに行動いただく。その手腕やさすが。有能なメイド連に同じく大旦那様愛持ち、そつなくサポートしながら、七瀬と同様の進路修正力を発揮する。いや、七瀬超えだよね。たびたびチョンボしてしまうところは七瀬同様みたいですけど。

ダダをこねる大旦那様見てると、はじめの祖父だなあ! って実感させられます。高倉に持ち掛ける勝負も、将棋かと思いきや将棋崩しじゃん! こういう可愛さ、ダダこねて仕事はいやじゃとじたばたしても愛される所以でありますなあ。

大旦那様のことを思い、はじめに遊びにきてくれるよう交渉しにいくところね、あ、これ、加減を間違えたらひとりで会いにいったと、またまた大旦那様にすねられるパターンにならん!? と思ったら、突然の高倉来訪に七瀬がパニック。上司だもんな、抜き打ちのチェックか、あるいは直々のお叱りか。恐縮する七瀬が自ら自滅の道を歩んでいくのが面白く、対しメイドの危機回避力よ!

でもって、今回の落ち! あー、こっそり遊びにきた大旦那様、確保されちゃった! いや、このまま祖父と孫、心置きなく遊んでいかれたらよかったのでは!? ほんと、大旦那様回収して帰っていっちゃう高倉。本来の目的、大旦那様の息抜きを忘れてしまっていませんか!?

2022年4月1日金曜日

『まんがホーム』2022年5月号

 『まんがホーム』2022年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがメイン。これは、お母さんが働いているファミレスの制服ですね。手にはお子様ランチ? 今回のテーマは新年度のはじまり、新生活、気分をがらりと変えて新たな職業体験といった風でありますよ。『ラブアマ』柴田は警察官の制服で敬礼。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は、食堂ですか? 月英は拉麺を伸ばして、孔明は饅頭の入ったせいろを手にしています。手前のものはパンダ饅頭、向こうのは劉備たち3人の饅頭。そうだ、饅頭は首の代わりに云々って聞いたことあるぞ。『俺と式神の主従契約』は、新生活? 陰陽師っぽい衣装着ている優一。これも職業体験やも知れません。

『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』

女子の格好して撮影会に参加した音瀬くん。カメラ向けられ、注目浴びて、高まるテンション。イベントが終わってもその気持ち冷めやらず、その一日を惜しむように女装のまま町に出てみたら、大学の知りあいに出喰わしてしまった!

これだけ着飾って、化粧までしてもばっちりバレるんだな! それこそ男の姿しか知らない者からしたら、気づかないレベルで印象違ったりしないものなのか。しらを切ろうとする音瀬だけど、鎌かけられて自分が音瀬であることをうっかり確定させてしまう。

その男、橘トオル。女装の秘密は内緒にしてくれると約束してくれた。しかし、音瀬の手をとって、条件がある!? ああ、ふたりはつきあうの!? つきあうのね!?

いや、『まんがホーム』だから一気にそこまでいくとはちょっと思えない。橘の提示しようという条件やいかに。しかし、手をとられた音瀬、ちょっとその気になってますよね? なってない? いや、なってますよね?

『孔明のヨメ。』

劉備と孫権の同盟、無事に成立してさあこれから曹操を迎え撃つための軍議がはじまろうとしています。

興味津々の孫尚香を押し止めようと必死の月英。ふたりして軍議の結果を待つのかと思ったら、孔明が月英を呼びにきて、航路についての知識が欲しいというその言葉にダブルでびっくりする孫尚香。月英の能力に、そして女子でありながら重用されているその状況にも驚いて、確かにこうした待遇、破格というか、劉備の陣営の自由さ? カルチャーショックだったんでしょうね。

とはいうものの、孫尚香、女子は引っ込んでおれといわれるのもまああるかも知れないけれど、軽はずみなその性格が災いしているとも思えなくもない。実際、月英という御目付け役がいなくなった矢先に、姿を変えて陣営をうろつくでしょう? これ、なにかあったらどうするの? というか、絶対これでなにかあるんだとハラハラしてましたよ。

そしてラストに魯粛の心労タイムです。孔明から孫尚香を引き渡されます! 何者かは存じない、それとなくわかってそうな孔明だけど、完璧に知らぬふりで押し切って、いやもうこの面白さ。というか、魯粛は大変だよね。肝が冷えた、寿命も縮まる思いであったことでしょう。

さて、そんな魯粛が最後に目にしたものとはなんなのか。これには期待したい。曹操側の策なりなんなりではないでしょう。なにか孔明あるいは月英が? いやあ、なにを目にしたのか、そしてそれが今後どうした役割りを持つのか、楽しみです。

『天国のススメ!』

草間、絶好調です。不幸の手紙の話題から、十子の家の寺に持ち込まれたまがまがしい手紙の話題となって、そこからの草間の行動よ。即座に跪き、おお閣下! 即座に草間につっこみ入ってますけど、当の十子はまるで頓着せず自然体であり続けてるところ、十子さんの大人物っぷりが垣間見えようものです。おお、閣下。

十子が皆に見せた手紙。手紙とはいうものの、中にはなにも書かれておらず、読めるのは霊力の強い太一だけ! あの、ひとりずっと警戒心あらわにしている太一の顔がものすごい。感動に涙流しつつ興奮を隠さない草間のそれとは見事な対照をなしていましたよ。

この手紙、三途の川への招待状、というかリクルートだったんですね。三途の川の渡し守が、人手不足でパートタイマーを独自に募集しようとした手紙だった。もう一通届くはずという十子の予測どおりに、よりにもよって草間のもとに届いた赤の手紙。手紙を開けたくてしかたない草間が、太一の心配、太一の忠告を思い出しながら必死に我慢するところ、ああ、よかった! 草間にも自制心があったんだ!

この事件、柘榴さんの介入で無事なにごともなく解決し、三途の川の渡し守も叱られこそはしたものの労働環境の改善を見たようでめでたしめでたしでした。しかしこの漫画、草間の変人っぷりが鉄板ネタになってきてますね。草間、余程のインパクトです。