2022年4月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年6月号、一昨日の続きです。

『ちょっといっぱい!』

すずめ亭を訪れたもみじ。しかし、ケイが気になることをいっていまして、もみじがすずめ亭を見に来れるのは今日が最後かもしれない。

そうか、建屋の取り壊しまで、もう視野に入っているんですね。建物の維持にも費用がかかる。老朽化も随分進んでいるから、仮にこの建屋を引き継いで店舗として稼動させようと思ったら、リフォームが必要になりそうですね。

前回思ったこと、もみじがこの建屋を継いですずめ亭をよみがえらせるのではないか、そうした決意をしたのではないかという予想は、さすがにちょっと甘かったといわざるを得ないようです。

こうしてもみじがすずめ亭を訪れることとなった意味。それは思い出とのお別れなのかも知れませんね。すずめ亭という店はなくなり、そこで働いていた人たちも去って、残されたのはその古びた店舗だけ。たくさんの器に包丁をはじめとする調理器具、それは今も命を保っているけれど、それでもこの店がそのまま息を吹き返すというのは無理そう。ええ、これは決別の局面、そして形見分けの場面であるのかも知れません。

けれど、同時にもみじの触れたもの。引き出しに残された、ここで働いていた人たちの痕跡。たくさんの判子をきっかけに、すずめ亭の精神がこはる屋に今も引き継がれて残っていることにもみじが気づくんですね。そして、この店に関わりを得た人たちの中に、思い出として、人と人を結びつけるよすがとして、すずめ亭の息吹が残されていることを知って、ああ、そうか、この別れを経ることで、もみじはすずめ亭の過去に立ち返るのではなく、もみじとしての新たな道を進むことになるのだと理解したように思ったのでした。

悲しく寂しいエピソード。けれど、その中に未来へと向けられた視線の感じられる健全さがある、その強さに胸がうずきました。

『追風のジン』

侍のマサムネがジンとスパナの戦いに介入。その手にした忍具、月虹の力でもって、ジンの風を無効化、自身の攻撃として跳ね返してくるというんですね。

しかし、今回はスパナの好感度がガチ上がりしますね。七虹架大全は祖父の形見。もともとスパナに受け継がれるべきもので、祖父の遺言に従って回収しようとしていると明言されたことで、じいちゃん大好き孫娘キャラが際立ってきちゃった!

対し、その忍具の有用性、危険性から、野に放つべきではないとする幕府側、マサムネの言い分も納得感を帯びてきて、このそれぞれに理のあるという対立がいかに丸くおさまるか。それが今後の見どころになりそう! とはいうものの、今回のエピソードだけじゃあ無理そうかもなあ。それこそ長い時間をかけて、だんだんわかりあっていかないことには決着しなさそう。少なくとも、マサムネにジンが信頼に足る人物であると理解させられないうちは、どうにもならなそうなんですね。

ここで動きがあるとすれば、灰尊商隊が忍者と組んでいるとスパナが指摘したこと。あえて第4の極を作ることでマサムネを動かし、自身に有利な状況を生み出す。こういう攪乱などは、まさしく我々の知る忍者らしい振る舞いと思えますよね。かくして、スパナはまんまと逃げおおせるも、目当ての本はマサムネに押さえられてしまってという、いわば痛み分けの決着。そしてジンはというと、灰尊商隊に捕われているココロとツバキの救出に間にあうのか!?

と思ったら、思いもしない展開見せちゃってびっくりですよ。これ、いかにマサムネを説き伏せるか、その勝負になるのかと思ったら、ココロの腕っ節が唸る! いやもう、ちょっとどうなるかさっぱりわからないな! これ、どういう決着するんだろうな! ほんと、最後に一発かまされてしまいましたよ。

『ねことちよ』

今日はちよの誕生日。同僚の柴さんが仕事を引き受けてくれたおかげで、はやく帰ることのできたちよ。ねこと一緒にケーキを買って、一緒に誕生日を祝おう。そう思っていたらですよ、ねこ、まき、ふみの3人が、ちよの帰りを待っていてくれた!

扉を開けたら、クラッカーとともにおめでとうですよ! テーブルにはお祝いの料理が並んでいて、そしてちよのためにねこが買ってくれたケーキも待っている。

このケーキのくだり。少しずつねこがお金を貯めていた理由、ここでちよが知ることになるんだ。そうか、ちよはねこの目的を知らずにいたんだ。これ、本当のサプライズだ。こんな小さな子が自分のために、お手伝いのお礼の10円をずっとこつこつ大切に貯めて、今日のこの日に使ってくれた。はじめての買い物が自分の誕生祝いのケーキとか、ああ、これ、ちよとしてはたまらないものあるんじゃないでしょうか。

あの目を細めていくちよの様子。その心情やいかに。なによりも先にケーキを食べるというその気持ち、ほんとよくわかりますよ。もうね、こんなの泣いちゃうじゃないですか。ええ、すごくいいお話。もう、沁みるとか響くとかそんなんじゃすまない。押し寄せるものありました。

そして、このお話も次号で最終回。そうか、終わっちゃうのか。なんだか意外と思われて、なんでなんだろう、なんだか永遠に続いてほしいとか思っていたようですよ。

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