2022年9月30日金曜日

『まんがホーム』2022年11月号

 『まんがホーム』2022年11月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。運動会でしょうか、リレーのバトンを受け取ろうとしているらいかがメインです。『孔明のヨメ。』孔明、月英のふたりは二人三脚を、『ヲトメは義母に恋してる』鈴と寿々は応援合戦? チアガール鈴に応援団寿々の組み合わせが可愛いです。『あやかしの嫁にほだされてます』柳仙は蕙芳と卓球で対戦。この勝負、どうも蕙芳に分があるみたいですね。

『孔明のヨメ。』

周瑜からの依頼を受けて女装した月英! いやもう愛らしい、と思ったら孔明さんも同じこと思っていらっしゃった! ここでの孔明の心配ごと。男性のふりして孔明に同行している月英だけど、月英を男と思いながらも女装した姿に惑う男も出てきてしまうのでは!?

いやもうピンチですね。いらぬ心配事が増えてしまいましたね!

さて、曹操軍の様子を探るため宴の船に偽装し偵察を行うという危険な任務。敵の中に入り込むという度胸もさることながら、まんまと偵察しきって逃げ果せるというその強かさ、さすがのものがありました。

この偵察行において、まさか曹操軍にて見回りをしていた徐庶に孔明の乗り込んでいることがバレるとは! まさかの展開でした。徐庶はさすがにすぐさまバラしはしなかったものの、その船の不自然さから徐庶以外にも不審を買って荀攸に報告を上げられ、結果追われることになろうとは。さすがに曹操軍、甘くはないのだなあと思わされました。

そして今回、突然に吹いた強風。吹く直前に察知している孔明はいったいなにを感じ取ったのか、その謎は明かされていないのですが、ああ、これは今後の展開に大きく関わる要素になってきますね。妖術でも祈祷でもなく、自然現象としての風をここにこうして折り込んできた。あとはこの風をいかに利用するか、その策の組み上がりに期待です。

『天国のススメ!』

霊現象における太一の頼もしさ。それは草間の祖父にまで知れ渡っておったというのですか。

萩先生のところに現れた謎のカボチャ妖怪。カボチャに足、そして目がつくという怪異に加え、口にするのはタイチ、タイチという謎の名前! って、太一だよ! でもまさかこれが、カボチャが太一に引きあわせてくれるよう頼んでるだなんて思わないじゃん! というか、自分の孫直通じゃなく、太一を経由する方が生存率、成功率があがると判断しているわけでしょう? どれだけ太一の信頼は厚いのだろう。

この信頼がために、太一はいつだっておかしなことに巻き込まれちゃうわけですね。

今回は、萩先生が選ばれたことで、目論見どおり無事太一に辿り着けたの、本当によかったですよ。しかしその過程が大問題で、萩先生大パニックから、太一の母ちゃんもパニック。そのカボチャが太一なんじゃないかって、あの子ならありえるって、いや普通はないよね!? 太一ってどんだけ普通じゃない人生を送ってるの!?

無事太一のもとに辿り着いてからの、すらすら解決に向かうところ。これは太一がくぐってきた経験のたまものだなあ。こういう時はどうすればいいかというノウハウが身についていて、ああ、本当に頼もしい。けれどその頼もしさゆえに、こうした不思議事案をまたも引き込んでしまうことになるのが太一なんでしょうけど、ほんとそれでもしっかり期待に応えてくれるのですから、もうこうなるのもしかたがないって感じしますよね。

『座敷童子あんこ』

あんこと幸太がクマに遭遇。幸太よりもリュックの中身、食料が大事というあんこの通常運転っぷり。妖怪だけにクマを怖れないのかな? と思ったら、実際クマより強いんか! いや、なんかそういう気はしてた。あんこならなんとでもしてくれるという、妙な信頼感がある、というかクマ逃げて! って感じの方が強いですよね。

でも今回のクマ、実際に気の毒な結果に終わって、チョップ一発かよ! あの絵面見て笑わないのはちょっと無理でした。

あんこがクマに見せた対抗心。強さで張り合い、かわいさでも張り合う。本当、あんこのアイデンティティはどこにあるんでしょう! 強さで最強、かわいさでも最強を目指してるのでしょうか。いや、目指す以前にそうであると考えてそうですよね。

2022年9月29日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年11月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年11月号、一昨日の続きです。

『通勤通学クエスト』

ウメちゃんの悩み。ここに描かれてることは、最近のというより昭和の高度経済成長期あたりを思わせるものがありますが、ほら工場の煤煙が空を覆い連日の光化学スモッグ発生、垂れ流される廃水は河川海を汚染してどぎつく色づいて泡立ち、煤煙とともに公害病を次々と発生させる、みたいなイメージですね。あんまりにあの頃が酷かったから、今ではずいぶん規制されて比べるべくもないほどに綺麗にはなったんですけど、ウメちゃん、人間が自然に及ぼすもろもろを見て、知って自分たち種に対する不信を覚えてしまったというのですね。

いや、でもまあわからんでもない。自分にもそうした時期はあったり、今まさに毎年見舞われる大型台風、大雨、洪水、河川氾濫。もううんざりして、嫌んなって、そうした気候変動に人の活動が関与している事実があらば、ウメちゃんが抱えるような悩みに近い感情を持ってしまうわけです。

いつになくアンニュイなウメちゃんと、その絶望に共感する気持ちもあらば、日常にあるささやかな喜びとかしあわせに支えられる気持ちもまたわかる。ウメちゃんには不安、心配に共感してくれる友達がいてよかったね。明るく元気に見える松島にも悩みはあった。自己嫌悪することだってあった。そうしたネガティブな気持ちをこうやって話して分かちあって、それで苦悩から抜け出していくところ、ここにこの子たちの健全性があると感じられて、ええ、いいエピソードだったと思いました。

彼女たちが感じたようなこと。グローバルなこともあれば、もっと私的なこともある。誰だって不安に思って、落ち込んで、どうしようもなくやるせない思いに囚われることだってある。そこから抜け出してふたたび前向いて進めるようになるための秘訣。とりあえず今は、柏木に共感してネガティブを分かちあえる誰かがいるといいなって思いましたよ!

『敷金礼金ヤンキー付き』

たえちゃん、ヤンキーは平気だけどお化けは怖いんだ!

雨の夜、ばくぜんと不安を感じていたところ、窓の外から覗き込む怪しい視線! 人の姿からかけはなれたそいつに怯えるたえ。いや、まあ、怖いよね。仮にこれが人だったとしても怖いよ。でもそいつの存在をアパートの皆に話しても誰も信じてくれない。ああー、たえちゃん孤立無援か! と思ったら、速攻七恵が味方になってくれた。というか、七恵もお化けに遭遇ですよ!

いやもう、ちょっとした新機軸ですよ。このアパートの住民が大家以外にここまでビビらされたこと、かつてなかったのでは? しかも対策講じるもどれもこれも結果がかんばしくなく、あの深夜にお化けに遭遇した七恵のダッシュとかね、ほんと申し訳ないんだけど、おかしかった。いやもう、夜になると部屋から出られないですねこれじゃ。

ここからの、自室に篭りながらも仲間の存在を感じる作戦がおかしかった。パラリラパラリラで七恵は元気だよアピールも面白いんだけど、借金取り立てボイスで存在通知する佳もたいがいだな。と思ったら、たえが癒されている……。ほんと、よっぽど追い込まれてたんだな。でもこの作戦の広がりがね、もともと結束力の強いアパート住人のより強い結束促して、ああみんないい関係築いてるなあと思えて微笑ましい。ええ、お化け騒動の不穏とかすっかり上書きされてしまいました。

そしてお化けの正体発覚! まさかレシーブのフォームで!? って、お化けにゴミ袋投げつける大家も大家だけど、それを的確に拾っていくお化けもすごいな! で、このお化けの中身ですよ。おお、姫子だったんだ! おおー、姫子さん、和装が似合って素敵ね! やっぱり美人さんはなに着ても似合わはるわあ。ってのはいいとして、無茶な調査してる姫子への大家のツッコミ、お前こそ捕まれよ、は最高度におかしかった。いや、ほんと、大家、めっちゃ正論でしたよ。

で、最後に残った謎。姫子不在の時間に七恵が遭遇したあれは誰? というの。見返したらですよ、その時のお化けにだけ人魂が浮いとるの! うわー、やっぱり出るんだ。というので、しばらくは夜に篭るスタイル続くんですかね。さすがの大家もビビってましたけど、まだビビり期間は続きそうですね。

『オネェの恋のはじめかた』

夏服のよさを語りあう男子たち。新鮮、薄着、見えないところが見える! と高揚ぎみに語りあってるわけですが、ちょっと方向性が違ってる時宗。さすがだ。ひとり毛色が違う! といいたいが、鎖骨のくだりは対象女子で理解を示すやつが絶対いるぞ!

ともあれ、男子連中からも性志向をしっかり理解されている時宗。だからといって距離置かれるわけでなく、奇異の目で見られるわけでもなく。こうしたところ見ても、この学校の生徒たち、いいやつらだなあって思えてくるんですね。

さて、そんな時宗が皆が知るところの性志向とはかけ離れた恋をしているらしいという噂。男子連中はガセだ嘘だ冗談だ、そう思ってすぐには信じられなかったというのですが、そんな男子にしてすぐさまに時宗の恋心を知るにいたるあの瞬間。遠くに見ゆる時宗の、桜子に向けたあの表情。それはどれほどに言葉を重ねるよりももっと確かにその思うところを明らかにして、また桜子の思いもまた彼らにははっきりとうかがい知れるものだったようなのですね。

今回はまたいつもとは違ったテイストの語り口。導入こそはにぎやかだったけれど、物語の核心に触れる終盤は、言葉少なに情景でもって表現されることになった。その静かな様子こそが時宗の心情を物語るにより相応しいものだったと感じました。

2022年9月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年11月号、発売されました。表紙は『ササエルの中には誰もいない』。我らがササエルとクジベェくん、そしてヤッチーに稲井が並んで登場。いや、この組み合わせ、ヤバいのでは? 舞台は海、皆水着に着替えて、って、クジベェくん、無理矢理がすぎないか!? 稲井の持ってる浮き輪がササエル柄だったりと、このへんしっかりキャラクター性押し出して、そしてササエルはというとフランクフルトくわえながら水鉄砲装備。これから、この周辺を塗りまくりそうな勢いですね! この可愛さ感じさせない目付きの悪さがササエルの魅力ですよ。

今月は新規ゲストが1本です。

『どんちき!』

この漫画、ビジュアルがヤバいですね! よっちー、ちゃんまな、はるはる、かなおの4人がメイン。それぞれに個性のある可愛い子ばかりだというのに、時に差し挟まれるヤバめのビジュアル! アイドル大好きよっちーのために、アイドル柏木くんそっくりのアンドロイドを調達してサプライズを仕掛けようってところまではいいとしても、よっちー、あまりのあまりに驚きすぎでは!? 美少女四コマにあるまじき表情してみせるそのビジュアルショックたるや。ベースの絵柄がしっかりばっちり整ってるだけに、そのインパクトはよほどのものがありました。

しかもキャラクターの行動が極端すぎる。そもそも完璧に動作するアイドルそっくりアンドロイドを調達可能な時点で尋常でないのですが、憧れのアイドルに全力フルパワーで腕を組んでいくよっちーの加減のなさ! そこからの強化腕に換装していく流れもふくめて、異常なことが当たり前みたいに進んでいくところ。それはあたかも読み手の常識を侵食していくかのよう。絵のうまさ、組み立てのうまさもあるんでしょうね。一種危険なほどに引き込んできて、いやもう、この行き着く先は病みつきってやつなのでは? 危ない魅力がありますよ。

で今回のヤバい落ち。柏木くんが友人たちのサプライズと理解したまではいいけど、それで首を持ち歩きますかよっちー!? ほんと、ビジュアルがヤバい。あの力の入った描写の説得力がヤバい。ええ、ほんと、あの瞬間笑いが強張った。それほどのビジュアルショック。一話目にしてすごいもの見せられました。

『ササエルの中には誰もいない』

ササエル、仙台に遠征! ローカルアイドルの青羽未萩をクジベェくんとともに応援することになるんですが、楽屋にてさっそく未萩と衝突するササエル! さすがササエルだ。無駄に誰かに噛みつかせたら宮城一だぜ。

でもこの生意気そのものだった未萩が、この子も勢いでやらかしちゃうタイプみたいですよね、すぐさま反省してササエルのもとに挨拶に訪れるっていうんですよ。なんだよ、素直ないい子じゃん! からの、未萩の変装、めちゃくちゃ可愛いじゃん!

ここからの未萩の誤解。普段着ササエルいやさ小依を男の子と勘違い、からのぐいぐい押していく小依ですよ。未萩、すっかり勘違いして、その気になっちゃってる!? いやもう、このまま後戻りできなくなるくらいまで小依のこと好きになってしまって、そこで小依が女の子と明かされる、そんな展開を期待したい。ほんと、未萩は後戻りすることなくそのまま覚悟決めて突き進んで欲しいと思ったのであります。

『RPG不動産』

ルフリア、ここぞというところで頑張りましたね。ファーを原動力としてこの島を破壊せんとするサトナ。怯えながらも毅然とサトナに反抗してみせたその意気込み。そこには仲間に対する思いと、これまで噛みしめてきた後悔の苦さがあったのですね。自分の命に代えてもファーを守ると明言して、でもそんなルフリアに迫るサトナの魔の手。

というか、本当に正真正銘、嘘偽りなく魔の手ですよこれ。ルフリアを拷問にかけ、尊厳さえも奪ってみせるというサトナ、その言葉にも嘘はないのでしょう。そしてルフリアを掴むサトナの腕の禍々しさ。どうなるフルリア。ここで助けは入るのか。

そのピンチもピンチの局面でセレニアの介入があり、辛くも危機を脱したルフリア。ファーとともに脱出を図るも、今度はセレニアの命が危ない!?

ほんと、この漫画、全然油断がなりません。RPG不動産の面々こそは無事でいますが、セレニアはどうなるのか。そしてこの島の命運やいかに。心を強く持たなければついていくのも大変な展開が続いて、そしてこの状況にて我らが主人公琴音はどのように活躍してみせるのか。

毎号を翻弄されるようにして読んでいます。

『恋する小惑星』

イノ先輩が卒業です。って、もう!? 時間のたつのははやいなあ!

卒業してゆくイノ先輩を送るため、みらとあおが企画したのが謎の地図。卒業記念街探検というのですが、イノみらあおの3人に途中イヴと宇佐美の新聞部組ふたりも加わって、さらに賑やかさを増すのが楽しかった。

イヴも卒業。これからの抱負希望が語られたり、かと思ったら基準点を見つけて記念撮影、イノ先輩らしい展開もあって、やっぱりこういうのが嬉しいですよね。基準点というしぶいポイントがあれば、カラフルなマンホールに消火栓。さらにそれらを扱ったマンホールカードに消防カード。いろんなのがあるんだなあ! マンホールカードは知ってたけど消防のは知りませんでした。こういう知らないことに触れられる喜び、それもこの漫画の楽しさのひとつですよね。

そして寄り道が許されない街探検。その理由、その意図が終盤明かされるの。なるほど、GPSアートだったんですね。こうした地図を巡る冒険の一ページ。イノ先輩を送るには相応しいエピソードだったと思いました。

そして数日後、普通に部室に現れるイノ先輩とイヴ。ああ、私服イヴの可愛いことったら! はいいとして、イノからお返しのGPSアート。いい交流の情景、ほっとさせられるようなよさがあります。

2022年9月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年11月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年11月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。童心に帰ろう? 山下さんが手に師長と榊医師のパペット装備して、楽しげなことなさっています。その周辺には小さくなった主人公たち。『小森さんは断れない!』しゅりもちんまりと、すごいな幼なくなるとさすがに雰囲気がこうも違ってくるんだ。『おしかけツインテール』花梨も実に愛らしく、そして『らいか・デイズ』らいかのこのほのぼの感! ええ、こうした年代の物語もちょっと見てみたくなる、そんなよさありますね。

『となりのフィギュア原型師』

朝倉ゴーレムにあってきたという半藤にショック受けている代表。半藤が内通者だったなんて、とかいってますけど、ほんとに心が弱ってるんだなあ代表。こんな弱気な姿、これまで見たことがなかったように思います。

けれどここからの半藤の快進撃。決して口が達者とはいえないこの男が、ここまで懸命に代表を元気づけようと頑張って、そしてついにここまで代表の気持ちを動かすにいたるだなんて! これ、口から出まかせ効果もあったかもですが、それ以上に朝倉ゴーレム対策をしっかり講じてきた、その誠意が本物だったからこその結果ですよね。

でも、これだけの展開があってまさか代表が負けてしまうだなんて、本当にびっくりしました。朝倉ゴーレム、まぎれもない実力者だったんだなあ。そしてそこからの代表の姿。よほど悔しかったのでしょう。負けたことが悔しかったこともあろうけれども、半藤の期待に応えられなかったことも悔しさの理由のひとつだったんじゃないかなあ。

今回のトーナメントイベントは、個性的な原型師がたくさん出てきた、そういう面白さもあったわけですが、それに重ねて代表と半藤の絆が深まったり、代表も半藤もより一層の研鑽を積もうと意識するきっかけができたり、そうした人間ドラマとしての面白さもありました。

ええ、えにぐまちゃん、また出てきてほしいですね。

『おしかけツインテール』

いい話でした。

受験が終わった花梨を慰労すべくバーベキューを企画した俊郎。合否の発表はまだというのですが、俊郎は花梨が落ちるだなんて夢にも思っていないのかな? いや、実際ここで不合格ってことはないと思うんですけどね。

バーベキューをめぐるいろいろ。花梨にサプライズをしかけるつもりが、いっぱいボロ出しちゃってるふたりとかね、そして頑固に花梨を働かせないようにしようとしたりとか、こういうおかしみ、実にいい。この人たちのキャラクター、そのチャーミングさ、よくよく出ていて、ああこういう関係性が好きだったなあ。しみじみ思ったりしたわけですよ。

そしてまさかの『シャーマゲドン』。そうだった、花梨受験の前夜、テレビでやってたやつですね。それがまさかこのタイミングで引っ張ってこられるだなんて予想外。ほんと、このばかばかしさ? なんともいえないわけわからなさと、対しやけに力の入ったビジュアルのアンバランスがおかしくって、いやもうなにかサメ映画見てみようか、そんな気持ちになってしまいました。

今回の話、なにがいい話だったか。それは俊郎の決めたルール2でした。今日の事をずっと覚えていること。大学に合格すればこの家を出ていく花梨たち。そんな彼女にはなむけとして楽しい思い出を持っていってほしかったのでしょうね。この心配り。受験だけでなく、この家に住んで暮してきた日々のすべてをいい思い出として残してほしい。そんな俊郎の思いにぐっと感じいって、ほんと、俊郎、どうしようもない人みたいな描かれ方も多かったけれど、こうしたところはさすがに大人だなあと思った。

ええ、ルール2を聞かされた瞬間の花梨の表情。それもまた忘れ得ぬものになりました。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

ファミレスなのかな? 新しいお店がオープンしますよ。って話題で持ち切りの八重周辺です。よほどのことなのか、クラスメイト何人もから同じ話題をふられて、その度にノリノリで答える八重と大河。ふたりともよほど楽しみなんだなあと思ったら、大河はなんとなくのノリなのか! こういうところに見える性格、面白いですね。

新しいお店、リンゼに対する反応。リンゼを知らない、ピンとこないといってるみなちゃんを、一気にハイテンションに変えた亜紀がすごい! ヒデーブとコラボしたお店だよ! なるほど、知ってるものを引き合いに出せば理解も一気に深まるよね! でも、あれ? なんでそんな表情してるの亜紀ちゃん? と思ったら、そうか、コラボした時にはこの町にリンゼがなかったから、クリアファイルもらえなかったのか! ああ、つらいね、亜紀ちゃん。わかるよ、その気持ち。

話題になってるの高校生たちだけかと思ったら全然違うんですね。八重の情報源は母。母は職場の人から聞かされた。なるほど、大人の間でも話題になってるんだ。普段はなにもないから、ひとつ話題ができればそれで持ち切りになる。それを絵の具に例えるのがまたおかしかったです。

でもその持ち切りの話題が、皆の憧れリンゼから思いがけず八重にとまったトンボに変わっていくのがまたすごい。しかもこの話題、数日余裕でもつんだ! ネットとかだとなんでもかんでも秒で消費されてしまうけど、口コミ、対人環境だとここまで長持ちするのですね。これ、話題に乏しいからみたいにいわれてますけど、こうして長く同じ話題で話せるのは豊かなことかも知れないなんて思いましたよ。

2022年9月26日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号、昨日の続きです。

『ちょっといっぱい』

すずめ亭を継ぐことについて、伯父と話すことに決めたもみじ。しかしその前に、俵屋グループの花園の話していた雷神亭出店交渉について、話しておかないと……。

ここからの展開、想像を絶しましたよ。ええーっ、そんなことあるの!? としかいいようのない展開見せて、炉ばた焼器持ち込みで現れた花園に決死の覚悟で話しかけたもみじに返ってきた衝撃のセリフ。

なんでその話知ってるの?

って、あんたが、あんたが話したんだ!

そこまできれいさっぱり忘れてしまうものなんだ。いや、まずくないかな。この人、これまで酒でかなりやらかしてきてたりするんじゃないかな? ともあれ、社内情報を漏洩させてしまっていた花園。まったく悪びれないのもすごいですけど、もう話してしまってるんじゃあしようがないとばかりに、出店の交渉が断られたことを教えてくれて、さらには他のチェーン店からの申し出もすべて断っているという追加情報まで。

もみじからの相談を受けて、その意図を察したのかな? そう思ったけれど、どうも違うみたい。もみじがそうであるように、すずめ亭の変わってしまうことに抵抗があるのかも知れない。となれば、もみじの申し出、それを受けてどう応えてくれるだろうか。

物語が動きますね。もう大詰めなのでしょうか。もみじの凪に頼もうとしていること、それはなにか。その動きひとつひとつが大きく事態に関わりそうで、目が離せません。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

異世界から佐渡島に転移してきたロゼ。もとの世界では相当な魔法の使い手だったロゼですが、今回はその魔法を見事披露してくれて、いやあ、ここまで大掛かりなことできるんですね。

島民から持ち込まれた相談ごと。伊藤さんちの美乃梨ちゃんが迷子なんだっていうんですよ。はやく捜さないとと焦る紗菜に、空から探せばはやいというロゼ。いやもう、そりゃあわかんないよね。ヘリがあるわけでなし、はやりのドローンってわけでもない。なにをいってるのだろうと戸惑ってるところに、魔法書召喚からの空まで一気に急上昇!

この場面、一気に状況の変化したことを示して、ビジュアル的にも大きな見せ場でありました。魔法なんて存在しない現代日本に魔法を使える女の子がやってきたということを、思いっきり見せつけてくれて、そして眼下に広がる佐渡の情景! すばらしいインパクト、一気に引き込んでくれるものありました。

そして異世界からきたことがロゼから説明された終盤。同時にこの世界に魔法はないことが知らされて、異端として自分は排斥されてしまうのではないか、ロゼの感じた不安から払拭にいたる流れ。ああ、ただ感謝という素直な気持ちだけでここまでロゼの気持ちは揺れ動いたのだな。故郷では望んでも得られなかったもの、それを得られたロゼの喜び、嬉しさ。この気持ちをともにこの佐渡に暮らしていくことになるロゼのこれから。なにを見て、なにを思うことになるのか。さらなる活躍とともにそうした反応を見るのが楽しみになるラストでした。

『さよなら幽霊ちゃん』

最終回を迎えましたね。空き教室に出る幽霊のゆうとの交流が描かれてきたこの漫画。こうして最後まで読み終えてみれば、きれいに整理がついて、あの時のあの展開、こういうことだったんだなとすっと納得をもって入ってくる。

見た目に可愛い子たちの和気あいあいと日々に若干背を向けながら過ごす、そんな日常の描かれた漫画でした。けれど見た目ほど可愛いばかりじゃない。死に向きあうようなできごともあれば、逃げ続けてきた現実に立ち向かわなければならなかったこともあり、緩く生きたい、つらいことからは逃げたい、そういう思いとはうらはらに、逃げられない時には腹をくくるしかない。苦さも飲まねばならないこともあるのだと、そんなメッセージを感じたりしていました。

それだけに終盤に近づくほどに増していく不穏に、つのってゆく不安。生につきまとう死の存在感もいや増して、これ穏当に決着するんだろうかって思いながら読んでいました。それがこうして終わってみれば、そうした心配もぜんぶ杞憂ってやつで、かつて自ら命を断った先輩の記憶に覚える罪悪感とこの社会に感じる生きづらさから死に引き寄せられるようにして自身も命を断とうとした雪息に、すんでのところで幽霊部の皆が間にあった前回。そこからのこの最終回の穏やかなる様、ああ、これは時に飲まねばならない苦さを飲んで、やるべき時には腹をくくって、しっかり生に向きあったゆえの結末なのだなと思われたのでした。

さよなら幽霊ちゃん。幽霊ちゃんとはお別れだったのでしょうか。あるいは、雪息とのあのふたたびあうことを約束しつつの別れ。このタイトルにもまた、死と生がそうであったように、別れや再会、そうした相反するもののともに内包しあうような関係性を思うラストでした。

2022年9月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号、昨日の続きです。

『スローループ』

箱根旅行も終わり、小春、ひよりのふたりも帰宅。お家にはおばあちゃんもいて、夕飯の希望をうかがえばお鍋がいいと。それで釣ってきたニジマス使って鍋にするのですが、困ったことに小春が疲れて眠っています。

というところからの、ひよりと父、母、3人で鍋に挑戦することになるっていうのがね、なんか面白かったんですね。とりわけ母のあのやる気に満ちた表情、逆八の字の眉がいい! めちゃくちゃ可愛いよね、お母さん。

今回は楽しいばかりの話かと思ったら、小春が夢で見ていた情景。かつての自分なのでしょうか。がらんとした和室で窓の外を眺め、ひとり涙を浮かべている。大晦日、父は仕事。寂しかったのでしょう。そんな小春に声をかけたおばあちゃん。祖母の前では物分りよく明るく振る舞う小春の、けれどその内にある気持ちに祖母は気づいていて、そこでおばあちゃんのかけてくれた言葉、お鍋一緒に作ろうか。その思い出が目覚めた小春の今に繋がるというの、胸にしみるものありましたよ。

食事の情景! 料理作った3人がそわそわしてるの! ほんとこうした気持ちが描かれるの、いいよね。みんな、すごくチャーミング。そしてそこからの小春アレンジ? しめのラーメン。小春の押しの強さよ! 自分の希望をいうだけじゃなく、それがどんなに魅力的であるか言葉巧みに語るんですよね。ほんと、この子のしたたかなところだ! すごいなって思います。

『球詠』

白菊に課せられたミッション。それは美園学院リリーフ黒木の初球を打ち取ること。必ずくるという直球をホームランにすべく、ずっと準備をしてきた。はたして芳乃の策は当たるのか。この一球に対する白菊の思いをともに振り抜かれたバットは見事ボールを捉え、このままホームラン!?

そう思わせて、わずかに届かない。ほんと、このボールの伸びていく、その間の描写。期待とはらはらのいりまじって、手に汗を握るとはまさにこうした気持ちなんでしょうね。

残念ながら芳乃の作戦どおりには運ばなかった。けれど1点差にまで持ち込めて、そしてこの好打に対し喜びよりも落胆に近い表情を見せているのは誰か。相手方の心理を読むことで、新越谷の司令塔、芳乃の存在に辿り着く美学園川。この描写も実にスリリングで、本当にこうした気持ちのゆきかい交差する様子、見事だと思わされています。

芳乃は芳乃で美学の計略に気づいて、このままだと抑えられてしまう、その予感に青くなっているんですね。光が対策されている可能性に怖れを抱きながらも、エースヨミに希望を見る芳乃です。ええ、作戦を超えたところに勝ち負けを分ける機微がある。ならばヨミはここでなにを見せてくれるのか。ただ見守るばかりの私にしても、気持ちがぐいぐい引っ張られる思いです。

『最果てのともだち』

ああ、いい終わりを迎えましたね。小学校に現れる幽霊。こどもと教師、ふたりのお別れの日。それが彼女らにとっての卒業式であるというのが見事に響いて、ああ、本当に泣かされるものありました。

アサヒとユウ、ふたりが準備したもうひとつの卒業式。自分たちの卒業式の翌日に、キヨの卒業式をすることにしたというのですね。この日を迎えるまでのできごと。あの日アサヒに救いを見たキヨの願い、アサヒの卒業するときまでここに居たいという気持ちを受けて、ユウとも和解し、そして3人でともに授業を受け、キヨの望んでやまなかった学校での生活を送ってきたというのですね。

そのしめくくりが今日のこの日なのでしょう。キヨのための卒業式。手作りの卒業証書が渡されて、そして先生の言葉、これで授業が終わることが告げられたその時のこともまた、胸に迫るものがあったのでした。

旧校舎のふたりは、学校に夢見て、そしてその夢を失ってしまっていた。そのかつての夢見た思いがこうして報われる日を見たのですね。先生に贈られた花束。応える先生のお礼。もうね、たまらないものがある。続くキヨとのお別れ、いや、キヨと先生の旅立ちのシーンも力感をともに深く心に訴えるものがあって、きっと悲しい終わりにはならない、そう思っていた私にして、知らず涙がこぼれて、でも悲しさよりも晴れやかさ、よかったねという思いの方がずっとずっと強く感じられた。やはり、悲しい終わりにはならなかったのでした。

はじまった当初は暗く重く怖い、そんな印象の強かった漫画でしたが、その暗闇を抜けた先にこうした光に満ちて明るく暖かい終わりを用意してくれていたのですね。最後まで読めてよかった。アサヒとユウには前途が、キヨと先生には救いがあって本当によかった。晴れ晴れとした寂しさをともに、皆の旅立ちを祝いたくなる、そんなお話でした。

2022年9月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年11月号、発売されました。表紙は『球詠』。バッターボックスにてバットを構える白菊と、白菊を応援する菫と稜。声援を送る菫と、その横でこぶしを突き出す稜。応援のスタイルがそれぞれに違っているところ、そこに性格の違いが表れるように感じられるところ、面白く感じます。そしてここでの主役、白菊。本編での様子とは違いリラックスしたその表情、笑みも浮かべているその様。のびのびと野球を楽しんでいる、そんな気持ちが伝わってくるようです。

『高瀬さんはドル活に夢中です』

ドル活とはアイドル活動? と思ったら、違った! そっちか! ドール趣味でありましたか。

主人公江田はPOPという名で活動しているドール作家。まだ界隈に認知されておらず、SNSに写真をあげてもぱっとしない、そんな状況に落ち込む日々を送っているのですが、そんな彼がたまたま言葉をかわすことになった職場の高瀬さん。氷しか食べてないから貧血ぎみといって倒れた彼女を介抱したのですが、いやいや、それは因果が逆では!? 栄養とってなくて貧血になって鉄が不足してるから氷ばっかり食べたくなるやつでは!?

というのはいいとして、食費も削って打ち込むものがあるという高瀬。その打ち込んでいるものというのが、江田同様にドールだというのです。

ドールの専門店に委託していた江田のドールが売れていました。そしてその店で出会ったのが、職場とは違い生き生きとした高瀬! ドールを前に高揚する高瀬にドキドキする江田ですが、愛らしい笑顔に!? それとも収入全放出する勢いで買いまくるその散財っぷりに!?

しかしこの行動見れば、高瀬が栄養失調に陥る理由、それも判明ですね。いや、ほんと、死にますよ?

高瀬が注目しているというドール作家、それがまさに江田であったということが判明する終盤。江田はPOPの正体が自分であると明かすのか!? と思ったら、まさかここで高瀬が倒れる! いや、これ、予想外の展開きたな。飢餓状態に急に高栄養与えると体壊すっていいますが、それ!? でもって病院直行? ともあれ、江田が自分が作家であること話す機会、見事につぶれた気がします。

『お嬢様はメイドハーレムを取り戻したい』

この御屋敷では、メイドはどういう扱いですのん? お嬢様はメイドをはべらせて一緒にゲームをするのが趣味。って、待って、メイドの仕事邪魔してない? と思ったら、案の定その所業を母親に見咎められて別荘送り。いや、待って? 仕事の邪魔をしたからじゃなくて、母のお気に入りを独占したのが原因か!

いやほんと、娘もそうなら母もそう。メイドについての常識が世間のそれと大きく乖離している模様です。

お嬢様、屋敷から別荘に追放されたというのですが、これおしおきですね。一週間の限定隔離。メイドがひとりつけられているので身のまわりのもろもろは大丈夫そう、と思ったら、このメイド、難ありなのか。見た目は良好、性格は駄目。ちょっとおゆがみ遊ばしてる? と思ったら、腹黒とかいうことはない模様。でも雇い主といっていいお嬢様相手にいいたいことをずばずばいっちゃうところ。なるほど、これが性格が駄目といわれる所以かな? でもこの御屋敷ではそうした距離の近さもまた許容されそうに思うんですよね。

そしてこのメイド、まだ駄目なところがあって、ランチ対決にて作ったハンバーグ。見た目は完璧、味は最悪なのか。ああ、料理が駄目なのね。お嬢様の作った見た目も最悪に比べるとずいぶんマシに思えますが、でも料理が駄目という初心者が作ったハンバーグは危ないかも知れん。

あえて家事全般が苦手というメイドを娘につけた理由。それはメイドをはべらせて遊ぶ娘に自活できるようになってほしいという親心があったのかも知れませんね。いや、ただのおしおきかも知れませんけど。そしてメイドにしても、これを機会にスキルアップにつとめてほしい。そんな気持ちもあったのかも知れません。

家事能力に欠けるふたりが、ともに苦楽を共にした一週間。それで深まる絆が描かれて、たくさんいるメイドのひとりでしかなかったこの子を特別なひとりへと変える、そんな過程こそが描かれていたのかも知れませんね。

2022年9月23日金曜日

@SIMPLE DLシリーズ Vol.22 THE 歩兵~戦場の犬たち~

 Nintendo 3DS、ダウンロードソフト販売終了を受けてのソフト探し。だいたいはセール中のソフトを眺めて気になるものをピックアップしていくのですが、時にはゲームとしての面白さではなくネタとしての面白さを優先してしまうこともあります。今回取り上げる『@SIMPLE DLシリーズ Vol.22 THE 歩兵~戦場の犬たち~』はまさにそのネタとしての面白さから購入したもの。税込612円が100円。ゲームとしての出来は正直まるで期待していなかったものの、その価格なら許せる。その一心で購入を決めました。

もともとはPlayStation2用のSIMPLE2000シリーズだったゲームですよね? PS2版はプレイしたことがないので3DS向けにリリースされる際に変更が加えられたかどうかはわからないのですが、まあそのあたりは別になんら気にならないというか、むしろ気にするところではないように思います。

このゲームでプレイヤーは歩兵となって戦地に赴くことになるのですが、最初に軍曹からあだ名をつけられるとか、そういうところからネタ的な要素がはじまっていて、気分は『フルメタル・ジャケット』ですよね、さあどんな酷いあだ名がつけられるのだろうとわくわくしながらありがたい軍曹殿のお言葉を待っていたら、なんと「ジャイアントバイソン」なるあだ名をくださりました。

って、なんだそれ、普通じゃん! ほら、もっと屈辱的な、役立たずのウジ虫野郎みたいなあだ名がつけられるんじゃないんですか!? ジャイアントバイソンとか、なんか大柄で突進力のありそうな、気は優しくて力持ち、ここぞという時には奮戦するぞ、みたいなかっこいい系? じゃありませんか。

ええ、このゲームのがっかりはこのあだ名の時点からはじまっていたように思います。

もともとゲーム性は期待していないのでかまわないのですが、操作性が悪いのはほんと困ります。スタンド、腰を落とす、匍匐前進と姿勢を変えられるのですが、移動中には姿勢変更できないとかね、ええー、マジかよ。なので移動中に敵を発見、すみやかに匍匐前進に移行して接近、とか思ったら、その都度足を止めないといけない。しかも姿勢変更が妙に遅い。なので、いきおいスタンドないし腰を落とした姿勢のままで強行することになるというんですね。

主人公は歩兵です。ということは小隊のひとりとして前線に立つのかな? と思ったら、マジかよ! ひとりで行動するの!? しかもデフォルトの武器は拳銃とナイフのみ。いや、待って、歩兵だろ? せめてアサルトライフルを下さいよ。拳銃なんて、ライフル弾撃ち尽してからの最後の武器みたいな扱いなのでは? そもそも距離あったら当たらないじゃん!

といいたいけれど、このゲームでは拳銃でも当たります。エイムはだいたい敵兵の方向いてたら勝手に調整してくれるようで、雑に動いて撃っても当たります。このあたりはありがたかったですね。じゃないと厳しすぎる。

武器は、まだ途中までしか進んでないので、というかちょっとくじけてナンプレやってるので全部出尽してるってことはないと思うのですが、拳銃からアサルトライフル、狙撃銃とバリエーションがあるので、スタイルによって使い分けできるのはよいところだと思います。というか、拳銃とかだと大量の敵に囲まれてばかすか撃たれながら撃ち返すみたいな戦いになってしまいがちなので、可能ならアサルトライフル、理想的には狙撃銃で敵の感知範囲外から撃っていくのがよさそうなゲームです。ナイフや、あるいは刀を使って接近戦挑んでもいいのですが、接近武器は微妙に当てにくい上に攻撃後に硬直が発生するので使いづらい。

でも、弾がもったいないのでどうしても刀振りかざして突撃みたいな戦い方になってしまっています。

弾がもったいないというのには理由があって、正規軍所属の歩兵のはずなのに武器弾薬が供給されないんですよ。なので前線に出て敵が落とす武器や弾薬を拾っていかないといけない。クリア済みのステージを何度も繰り返しアタックしながら、武器弾薬のストックを増やしていく。

ゲリラかな?

だんだんなにやってるかわからなくなってくるゲームではあります。

このゲームの悲しいところは、例えば狙撃をする際に敵の上半身が丸見えなのになぜか障害物に阻まれて弾が当たらないってことがあることです。見張り塔から撃ってくる敵を排除するために、狙撃姿勢に入ってヘッドショットを狙う! みたいなシチュエーションで、なんで頭がちゃんと見えてるのにカーンとかいって外すの?

角度が悪いのかなにが悪いのかわかりませんが、多分見張り塔の柵かなにかがあるんでしょうね。こうした見えないオブジェクトに阻まれることはしょっちゅうで、移動でひっかかる、膝下くらいの障害物越しに撃っても弾が阻まれ当たらない。ええ、こういうところが残念で、いやむしろこれでこそSIMPLEシリーズだ! といった納得感があります。

文句ばっかりいってますけど、こういう文句やツッコミを入れながら遊ぶのがこのゲームの醍醐味だと思います。100円だから許せる! に加えて、こいつはすごいぞ(悪い意味で)、想像以上のゲームだぜ! そうした楽しみもあるにはあるというわけです。不健全ですけどね。

2022年9月22日木曜日

王国の道具屋さん

Nintendo 3DS、ソフトダウンロード販売の終了を受けてよさそうなソフトを探すべく夏のセール品を眺めていたら、ふと気になったのがこのタイトル、『王国の道具屋さん』。800円が400円になっていたのも気になるポイントでしたが、それよりもキャラクターの可愛さが興味をひいたのでした。内容は素材を集めて商品作って店で売るという、典型的なお店屋さん系ゲーム。400円ならたとえハズしたとしても惜しくはない、試しにプレイしてみようと思って買ってみたらですよ、これがもう大当たり。遊んだのはエンディングまで4日間、全称号入手まで8日間と短かったのですが、充実した楽しい時間を過ごすことができました。

もともとが800円のゲームなので、そんなにボリュームを期待していなかったのも大きかったのだと思います。というか、最近のゲームって、とりわけ大作や話題作となると価格以上に楽しませようとしてくれているのか、かなりボリュームがあって、普通にクリアするだけで30時間オーバー、ちょっと寄り道したら50時間とかかかるのもざらだったりしますでしょう。さらにそこにクリア後の追加ステージとか称号やらトロフィーやらをコンプリートするとなると、余裕で100時間以上とかになって疲れはててしまうこともしばしば。

だいたいメインストーリー進めてる途中で疲れてきて、まだ、まだ終わらんのか、とりあえず探索は雑にすませてクリアだけしてしまおう……、みたいになることがこのところ多いんですね。ええ、長すぎると思う。2回目プレイしようとかまったく思えないくらい長い。

その点、3DSのこぢんまりしたDLソフトは、普通に遊んで10時間くらいでクリアできたりするから、コンパクトに遊んで、疲れのでないうちに満足感とともに終わることができるのが嬉しい。

王国の道具屋さんだとエンディング到達時点で7時間半! 称号コンプリートで28時間半くらい。でもこの28時間というのはプレイした実時間ではなく、スリープ中などに店に並べておいた商品が売り切れるまでの時間も加算されてるっぽい。だから、本当に隙間時間に遊んで、楽しいな、面白いな、もうちょっと遊びたいんだけどな、みたいな気持ちのあるうちに終われて、お別れの寂しさとともにゲームから離れるという、最近では珍しい体験をすることができました。

いやもう、ほんと、大作ゲームとかだと、ああー、やっと終わった、もうしばらくは見たくもない、みたいな感じで終わるんだもの。やっぱりサイズ感っていうのは重要です。

実際、楽しかったんですね。主人公キャラを取り巻く人たちが愛らしかった。いろいろサポートしてくれる爺やにはじまり、レシピを教えてくれる工房の店主たち、素材入手を手伝ってくれる傭兵に、お店を訪れるお客さんたち。

店を繁盛させるには素材を集めて、工房でレシピを見つけて商品作って店に並べる。売るほどに店の評判もあがるので、より一層に売れるようになるから、売れ筋用意したり、なかなか売れないけど単価が高いの作ったりと、別に工夫しなくても店は成長していきますけどね、でもいろいろ試したりできるのは面白かった。

材料集めを手伝ってくれる傭兵が、冒険終わるごとになんか感想いってくれるんですよ。それも楽しかった。なんか身近な感じがするじゃないですか。それを何度も何度も繰り返して、正直、鉄とか水とか、必要性が高いのにすぐなくなるから何度でも取りにいかないといけなくて、もう面倒だわー、ってなるようなことがあっても、その面倒な繰り返しを一緒に乗り越えてくれた同志感が出てくる。

そしてお店も、最初はちょっとしか置けなかった商品が、種類も数もどんどん増えていく、手をかけて育てたという感触を与えてくれるものだから、やっぱり愛着だって出るでしょう?

そうした愛着がある人や場所がゲームの中にできてしまって、けど自分が遊び終えてこのゲームをやらなくなったら、この店には商品が並ぶこともなくなって、時間のとまったまま寂れていってしまうんだな。ゲームの終了が見えてきた頃、そんな寂しさや未練を感じてしみじみとした思いが胸に広がったことを覚えています。

そんな感覚になったのは、それだけゲームが与えてくれたものが豊かだったからだと思います。大作ゲームのような物量はないですよ。本当にこぢんまりとした、てのひらに乗るようなちいさなお店にすぎないんです。でもその小さな世界が愛おしいと感じた。

ええ、そうした気持ちをともに遊んで別れられたことがさいわいだと思える、そんなゲームでありました。

2022年9月21日水曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年9月20日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、昨日の続きです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

イトちゃん、ほんとに桔香のこと好きなんですね。というか、いつも自分を頼ってくる桔香なのに、自分を差し置いてなだっちと一緒に遊園地にいっちゃってる! 前回の突発遊園地ですね。それがあまりにショックだったか、カネポンの誘いにのって映え写真とりにモールにいっちゃうっていうんですよ。

ほんと、嫉妬に突き動かされるイトちゃん。桔香がなだっちと一緒に遊ぶんだったら、自分にはカネポンがいるもんねといわんがばかりの行動に、この子の桔香に対する感情がうかがえて、めんどくさいけど可愛いですね! でも、そんな負の感情で動いてるからか、写真写りが悪い! で、カネポン、ちゃんとその表情の違い、わかるんですね。すごいや、カネポン。しっかりイトちゃんのこと見てるんですね。

偶然モールにきていた桔香と話をすることになったイトちゃん。ちょっとスネてたのが、桔香に映画に誘われて、イトちゃんだけだよ、他の子には内緒ね、なんていわれて、一気に機嫌直っちゃって、というか、こうなったら今度はカネポンと一緒にいるのバレたくなくなるんだ! いや、桔香はきっと気にしないと思うよ? でもイトちゃん自身が気にしちゃうんでしょうね。ほんと、可愛い子だと思います。

クールに見せて、結構表情に感情表してくる子です。そんなイトちゃんの浮き沈み。この子にとってはきっと大きなできごとだったんだろうなってことがうかがえて、ええ、やっぱり友達ってのは大事なのです。イトちゃんもきっと桔香の一番頼りになる友達でありたいんでしょうね。

『社畜さんと家出少女』

ナルとの暮らしを終え、実家へ戻ったユキ。あの日から数年を経て、ユキも成人、家から、母から適切な距離をたもちつつ、それなりに平穏に暮らしているようです。

今日はナルとユキが再会を果たす日。ミユとアオの店で待ち合わせ、ってホドさんは? と思ったら、海外に3ヶ月ほどいっちゃってるんだ。そして再び出会ったナルは、あの時と同じように笑って迎えてくれて、それから懐かしい一緒に暮らしたナルの家でのやりとりが描かれるのです。

一緒に飲むお酒は、ナルが飲んでいた安くて強いアレ。酒に呑まれて、それからのユキの行動は、子供だったあの頃には思っていてもできなかったこと? あるいは互いに自制していた気持ちを酒の勢いが後押しして、そしてふたりのこれから始まろうという新しい関係を示唆して終わったこの漫画。

静かに推移したように見えるけれど、そこには大きな、大きなできごと、気持ちの動きが確かにあって、苦しみもつらさ、悲しさもある人生だけど、それでも生き辛い人生をともに越えていきたいと思える相手を、ふたりともに見いだし、それを確かなものにしていく過程こそが描かれてきたのだと感じさせられるラストでした。

守られるだけの自分ではなく、支えられるだけの自分でもない、ともにふたり歩んでいく、ふたりはそんな関係に辿り着いたのですね。

『今日の授業は恋愛です!』

恋愛に前向きになれない右京さがりが、過去に類を見ない5人カップルを成立させつつ、学院一を目指し奮闘してきた、その結果が出たのですね。

成績優秀者へのピンバッジを贈呈するのは名雪。思えば、さがりが自身の恋愛に対し抱えていた負の感情を克服しながら、同じく恋愛に、自分自身の感情に問題を抱えていた少女たちに関わり、ともにそれらを解決していった、その5人がここに揃ったというわけですね。

皆、それぞれに晴れ晴れとして誇らしげな表情を見せるところ。ああ、やりとげたんだなと思わせてくれて感慨を覚えます。そしてこの栄誉を受けてなお感情を動かすことのなかったさがりが、ピンバッジの授与を受けたその帰り、一番になったことの実感を得て涙をこぼすくだり。そこで去来した思い出、カップルとなった皆と過ごした日々がなによりもさがりにとって価値があったのだと物語るようで、さがりという子の思いの深さにしみじみと感じいるものありました。

恋愛がわからない、人の心の機微に疎い、そんな風に思われがちなさがりでしたが、その子にしてもただ学年で一番になることよりも大切なものを掴んでいたのかも知れませんね。あるいは、そんな大切な人たちと一緒に勝ち取った一番だからこそ、より一層に価値のある、そう思う気持ちもあったのかも知れません。

そして、そうした思いあらばこそ、高揚感とともに口にしたその言葉。ああ、騒動の勃発だ! 争いの引き金ひいちゃった! というのは別にしても、さがりのうちで育まれてきた気持ちと皆との関係性。強い結びつきがありながらも、曖昧になんてしたくない、そんなアンビバレンスの潜むスリリングな関係がうかがえて、きっとこれからもこの5人で和気あいあいと、紆余曲折をも楽しむように過ごしていくのでしょうね。

2022年9月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、昨日の続きです。

『ななどなどなど』

小町ちゃん、ご乱心ですか。体育の授業、マラソン大会に向けた練習が嫌で嫌で仕方がない。それでなんとか休めないかと考えた挙句が、ななどにビームを撃ち込んでもらうというもので、いやいや、無茶しすぎですよ。もうちょっと、こう、マイルドななんかは思いつかなかったんですか。

しかしマラソン大会。小町はそりゃあ苦手ですよね。基本、運動に関わるものはどれもこれも苦手。屋内でのんびりごろごろしてるのが好きという性質でしょうから、延々走り続けるとかいろいろもたなさそう。実際、胃液の逆流で喉がやられてるのか。ほんと、若いのに大変だな、小町ちゃん。

本番を想定しての練習、4km走るっていうんですが、思ったより短いな。ななどは小町どころかすべての人類を振り切って疾走していっちゃうわけですが、我らが小町ちゃんはというと、そりゃもう最後尾ですよ。サボってるわけじゃない。彼女なりの一生懸命。途中でこのみを煽ったらコンプレックス刺激されたり、さらには小町を置いて先にいったはずのるるが順当に順位下げて3人横並びになったりと、この悲しい最下位グループの様子。本当、サボってるわけじゃないんだけど、それこそ最下位組は最下位組で、本当の最下位は嫌だと少しでも前に出るべく争ってたりはするんだけど、でもそれがどうにもぱっとしないという……。

このあたりの悲しさはわからないでもない。ええ、頑張れとしかいいようのない、可能なら普段からちょっと体動かそうといいたい、そんな状況。涙なくしては見られませんでした。

しかしそれでもやっぱりなんとか頑張って、走りきってるんですから、そこはもうえらかったと思いますよ。こういう体育やなんかは、他の誰かと競ったりするんじゃなく、自分自身の目標に向けてやればいいと思う。なので、るるに、このみに置いていかれようとも、きっちり走りきった小町ちゃん、立派でしたよ。

『ぬるめた』

いきなりぶっ倒れたさきな。なにごとかと思ったら、風邪? 不調だったんですね。

そんなさきなをおぶって保健室へと向かうしゆき。ここからのふたりの様子。とてもよかったですよ。ちょっと甘えているさきな? いつもよりも近しい距離に戸惑い感じているしゆき? それでもこれまでそうそう見られなかったような関係性、状況見られて、あのしゆきを枕兼書見台にするさきなとかね、どう見たって甘えに甘えまくってるじゃないですか。その上、この状況で人に触られるのは好きじゃないとかね、つまりはしゆきだったら触られてもかまわないってわけですか!?

ほんと、なんかふたりのなにかが変わっていって、発展しちゃいそうな情景。期待ばかりが膨らんでしまいます。

でも、しゆきにもたれて甘えまくっているさきな。ほっぺたもにもには不許可なの? わからん、さきなの許可不許可ライン、わからん。でもしゆきよ、ここはもにもにし続ければよかったのでは? あえて鈍感を装ってもにもにし続けることで開いた扉もあったかも知れませんよ。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

最終回を迎えましたね。人の世界に暮らし、人と妖怪の仲立ちを続けている睦子を邪魔立てし、あまつさえ人や妖怪に危害を加えるまでにいたった、睦子の先祖である大妖怪、山ン本五郎左衛門。

五郎左衛門が求めていたもの、睦子に眠る妖怪の血を目覚めさせてでも果たしたかったこと、それはなにかというのが明らかにされたのですが、そうか、五郎左衛門はひとりながらえることに耐えられなくなってしまっていたのですね。

自分の生を終わらせてくれる誰かを求めていた。それを叶えてくれるのは睦子しかいないと思っていた。そうした終わりを望む五郎左衛門に、また別の可能性、個人としての人の生は短くとも、綿々と続く一族としての人の生。またあるいは、ともにあってくれる人の連なりが絶えることなく五郎左衛門に寄り添ってくれることが示唆された。寂しさ、悲しさから解き放たれるとしたら、五郎左衛門のなそうとしていること、それもまた変わっていくのかも知れませんね。

この漫画は、人と妖怪の共存する社会というものを多様で個性的なキャラクターを通じて描いてみせたころに面白さがありました。人、妖怪の営みに彼らの暮らす社会や世界が見えてくる、その広がりや奥行に魅力を感じていました。漫画としては今回で終わってしまいますが、これまで語られ描かれたその世界の広がりが、今度は逆に彼らのそこでこれからも暮らしていくだろう様子を想像させてくれるように感じています。

2022年9月18日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、昨日の続きです。

『コンビニ夜勤あくまちゃん』

花火大会で街が賑わいを見せています。こうなるとさぞやコンビニも混むだろう、と思ったら実際そのようで、出勤可能メンバー総動員。ただ少しは気持ちに余裕もあるようで、いや、そういうのじゃないな、本部主導のマーケティングか。皆、浴衣で接客をするというんですね。

力仕事とか大変だ!

でもおかげで、浴衣のアルールやイレイナを見られたのはありがたいかぎりです。

道頓堀花火大会とのことですが、モデルになってるのはおそらくは淀川の花火大会ですね。あの近辺の施設でバイトしてたことがあったので、花火の日にはめちゃくちゃな人出をさばくため延長勤務とかやってたの思い出しましたよ。だからちょっとアルールたちが身近に感じられる。いやでもほんと大変なんですよ。いつもはこない人がやたら増えるので、いつもなら考えられないような事態が発生したり。でもそれでも事故発生時みたいな緊迫感やギスギスした感じは少なかったかも。むしろ客より社員の方が余裕なくしてた、そんなこと思い出します。

実際花火大会といっても、興味のない通勤客とかからしたら帰りが混んで大変、なんてもんだったりしそうなものですが、それでも花火があがると見てしまう。そうでした、花火があがる時間は皆がそっちに向かうので、むしろ周辺施設は空くんですよね。川の方見れば少しは花火も見えて、と、またそんなこと思い出して、ええ、打ち上がる花火を見上げていた時の感情、それに似たものをアルールも感じているのかも。と思うと、やっぱり共感度があがるように思えたのでした。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

これまで出会ってきたゾンビとはまるで違うバケモノに対峙する面々。動作は機敏、相当な跳躍力を持ち、かつ明確に狙いをつけてくる。姿を隠しても匂いで居場所を特定してくる難敵を相手に、持てる力をすべて注いでいく皆!

レサナをかけようにも機敏に動く相手です、有効距離に近づくこともままならず、そこでアヤがとった行動とは!?

自分を囮にするのか! 噛みつかせたまま押さえ込んで、そこに自分もろともレサナをかけてもらうという強硬策。いやもう、本当にヤバい状況、でもこれでなんとか倒せた……、いや、倒せてないよ!? からの、リルーが狙われて吹っ飛ばされてしまうというピンチ!

身を呈してリルーを守ろうするミツハにアユム。この状況、誰かの犠牲を払わなければ突破できないのか。あるいは、全滅の危機!?

黒魔導士を自称するサキ、この子が奇跡を起こしてくれましたよ! ただの偶然なんだろうけれど、彼女の願いが通じたか、高所から飛びかかろうとするバケモノが避雷! まさかここからまだ動くなんてことあるまいな? ほんと、不安の収まらない状況。けれどなんとか危機は脱せたようで、リルーも無事、アヤも無事、ミツハもアユムも、サキ兄妹も無事。ええ、本当によかった。ほっと安心しましたよ。

今回、アヤの秘密が描かれましたね。バケモノに噛まれた時に反応した三日月形のアザ? もしやこれがゾンビ災害を収束させる希望になるのかも。あるいはアヤだけがレサナで気持ちよくなる理由がここに!?

そしてリルーレベルアップ! リルーレベルアップイベントはあると思ってたんですよ。でもこのタイミングだとは思わなかった。レサナの使用回数が増えるんだな! と思ったら、違った! レサナの使える数は変わりませんでした! アヤ、がっかり!

でもモンスターに気づかれにくくなる魔法が使えるようになって、ええ、今回のような積極的に狙ってくる相手に有利をとれそうですね。

『SAN値直葬!闇バイト』

今回はちょっとした箸休め回でしたね。いや、全然穏やかではない。むしろバイト先のヤバさがいよいよ極まっていると感じられる、そんな回。日常に潜む怪異も怖いけど、その怪異を収集蓄積しているこここそはもっとヤバい。そらバイトも居着かないわ。金さえ積めばオッケーのあかりの異質さ、それもまた際立った回でした。

あかりのすごさは、金さえ積めばやる気天井知らずというだけじゃなく、状況への順応性ですよね。どう見ても異常、まともじゃない環境においても、気づけば当たり前に対応している精神の強靭さ。しゃべる暗黒ぬい相手にも煽りいれつつもてあそぶ始末。アンティーク部屋の教授のことも、なんだかんだ馴染んで普通にコミュニケーションとってるでしょう? まともじゃない。あかり、まともじゃないですよね、ほんと。

でもそんなあかりもショゴスは苦手なんですね。見た目がキモい。言動もキモい。店長からのご褒美に悶え喜ぶ様子もキモい。大抵のことには順応してしまうあかりにして耐え難いというショゴスの異質さ。どれほどなんでしょうね。実際、私たち読者にしても漫画になってるから耐えられるだけで、本物を目の当たりにした日にはこよに同じく正気度吹き飛ばされてしまうんでしょうね。

2022年9月17日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、昨日の続きです。

『リリカお嬢様に振り回される!』

お嬢様! 振り回すのは永野だけになさいまし! いえね、今回のスマホゲームでの振る舞いですよ。お嬢様ってところがリリカに刺さったんだろうとは思うんですが、プレイヤー同士の協力プレイが必要になるゲームはリリカお嬢様には向かない。いや、ほんと、リリカの社会性というものを本気で心配したくなる、そんなエピソードでありましたよ。

リリカ自身は本当は悪い子じゃないんですよ。といいたいところだけど、人っていうのはその振る舞いで評価されるものだから、困ったプレイヤー、有害なプレイヤーと評価されてしまうのは、まあ自業自得、しかたないよなあ。しかしこれ、ネットにプレイヤーネーム入りで晒されるレベルの行動ですよ。きっとリリカのキャラ、†凛々禍†の名前はネットで、あるいはプレイヤー間でそこそこ知れ渡ってしまってると思う。ほんと、結構な数のアンチがいるんじゃないかなあ。

とか思って心配していたらですよ、そうか今はネットに晒すだけじゃなくて、規約違反からのBANがあるのか! そうか、そうだよな、BANの可能性は考えてなかった。いやもうビビりたおす展開でした。

これ、ガチャを引く前にBANしてもらえていたらねえ。というか、†凛々禍†の言動に嫌気さして退室したきららんさん、この人ひとりの通報だけでBANにはならんよね。いやほんと、†凛々禍†被害者の会とかありそう。そんでもって、通報も結構な数が積み上がっていたんじゃないかなと思われるこの展開。

いやあ、リリカお嬢様、社会性を、社会性を最低限でいいから身におつけあそばして……。

リリカ、内弁慶の印象あったんですが、とか考えながらふと思い出したのですが、ネット弁慶って言葉もありましたね! ほんとこの子はただ寂しかったりするだけなんだけどな。満たされない気持ちをもてあましてしまってるだけなんだけどなあ。とは思うけれど、でも人はその振る舞いで評価されるものですから……。

いやもう、なんともいえないおそろしい話でした。

『瑠東さんには敵いません!』

もう今回のふたり、愛の告白合戦だったのでは!?

和村がいきたい場所に連れていってほしいといっていた瑠東。ところが和村は瑠東が喜ぶだろう場所を考えて、水族館を選んでくれて、その気持ちが嬉しくないわけではないのか。ただ、自分だけが楽しいのは不公平だと思っているんだ。自分優先ではなく、和村の気持ち優先で動いてほしかったんだ。

そうか、瑠東が抱えていた気持ちというのは、いうならば負い目だったのですね。

でもそれで瑠東と一緒にいるだけで嬉しいと、思うところをありのまま伝えざるをえなくなった和村ですよ。人前でね、誤解を招きそうな言動発して、一旦は嘘ついてごまかしちゃうんですけど、それ、それが和村ちゃんの悪いところ! と思ったら、即ちゃんとフォローしましたね。よかった! ええ、和村が瑠東が好き、大大大好きってことでいいではないですか。

瑠東の語る、自分が抱えている欠点。それゆえの求められる以上にやりすぎてしまうというの、わかる気がします。私は優等生にはなれないけれど、瑠東のいう察せないゆえに加減なく突き進んでしまう性質は自分にもあって、ただ私の場合限界がくればおのずとそこで止まらざるをえない。ところが瑠東はそのポテンシャルがゆえに、止まることなく目標達成してしまうのか。その結果、本来の自分とはかけ離れた優等生キャラになってしまって、それが瑠東をまた縛るハメになってしまったのだとしたら、瑠東は不憫でありますね。

そんな瑠東の思いを知れば、和村という存在のかけがえなさ。さらにはもっと瑠東のことを知っておきたいといってくれる言葉のありがたみたるや。本当にどれほどに嬉しいものだったのでしょうね。

今回の水族館は、ちょっとぶつかるところもあったけれど、ふたりのより一層に近づくことのできた、そんな機会になりました。ええ、もっと仲良く、もっと好きになっていくといいです。

『こみっくがーるず』

かおすの父ちゃん、イラストに挑戦するんだ!

かおすの挑戦、オリジナル作品でのゲスト掲載、第1話の反響が出ましたよ。寮のみんな、漫画家仲間からは好評。おもしろいといわれるのはいいけど、意味のわからないオチとかなくてさみしいっていうのは微妙な気分にさせられるものありますね! 家族からも好評。いや、家族の反応はある程度予測できましたよね。編沢さんからも手応えありといってもらえて、そしてですよ、かおすに届いた手紙です。

そうか、家族以外からのファンレター、かおすにとってははじめてのものだったんだ。どうしてもネガティブになりがちなかおすが、勇気を出して手紙を読んでからのあの気持ちの揺れ動き。ああ、泣くほどに嬉しかったんだ。自分の描いたもの、表現したものが誰かに届く。好きといってもらえる。ただ送り出すだけでなく、ちゃんと受け止めてもらえてるという実感が得られたこと、それが言葉となって返ってきたこと。それはどんなにか励みになるものなのだろう。

かおすを見守ってきた編沢の思ったこと。これまでかおすが苦しんできたことを知ってるだけに、今のかおすの心情、深く思いいたるものありそうで、ここにもまた泣かされる思いです。

寮に帰ってからのかおすの行動。嬉しかったのはわかったけど、お手紙を大切に思ってるのもわかったけど、それにしても奇行一歩手前よ、かおすちゃん! と思ってからの、あの変貌。自分の漫画、第2話目に向けるかおす自身の意識が変わったんだ。ちゃんと受け止めてくれる誰かがいるという実感が、かおす自身の気持ちを変えたのか。もっと、より以上に、届けたいものがあるんだって、読んでくれる誰かがいると具体的に思えるだけで、こんなにも変われるものなんだ。

そしてかおすの挑戦、それが切り開いた自身の可能性。きっとむくわれる、きっとむくわれてほしい。これがかおすの掴みとる、最初の自信になってくれればいいと願います。

2022年9月16日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。秋の日、暖かみあるやわらかな日射しのもと、スケッチブックに絵を描いているひとりたちです。しかし衣装が凝ってますね。ひとり、すなわちぼっちの服はゴッホの星月夜。喜多ちゃんのはクリムト、接吻。そして眼鏡も可愛い虹夏はモンドリアンのブロードウェイ・ブギウギ! 秋、ゆえにアート。ただ描くだけでなく、意匠にもアートを盛り込んだイラスト。いや、これ、実に素敵だと思います。

今月は新連載が1本、新規ゲストが2本です。

『わからせろ!ナマイキツネ様』

神社に出没するゴスロリ衣装のケモ耳少女。命婦専女神、壱与と名乗るその子はこの神社の氏神を自称しているのですが、その格好からも明らかといっていいものでしょうか、威厳もなにもあったものではなく、むしろ参拝者をザーコザーコと煽る始末。

こうして参拝者を煽って、おちょくって、参拝者の上司からかかってきた電話を勝手に受けて無駄に煽って事態悪化させてしまう神様。なにかしらのご利益あったりはしないの!? これだけやらかして、なんらの結果も出せないじゃ限りなく貧乏神に近い存在だよ!?

なんて思っていたら、実際巫女にきつーくおしおきされて、泣いて謝ることに……。で、この巫女のいうことには、うちの駄目妖怪。ということは、神様を自称しているだけの妖怪なのかい!?

いやもうおそろしく罰当たり。巫女どころじゃなく神様からのきつーいおしおきがあったりはせんのでしょうか!? 巫女が代わりにおしおきしているから助かってる? だとしたら壱与は巫女の桜子に感謝しないといけませんね。

『何の因果か主人公が多すぎる!』

魔法少女にアンドロイド、超能力者やら吸血鬼やら。やたらと個性の強い子たちが多数通っているこの学校。で、肝心の主人公ひなたはというと、特になにかしらの属性があるわけでもない普通の子。いや、このとりわけこれといった個性がないというところこそ、日常系の主人公たる資質なのでは!? そう考えると、本当に主人公に求められる資質とはなにか、なかなかに難しくなってきますよね。

さて、今回ひなたに目をつけられたのは、B組の神宮寺さん。この町を守るべく変身して戦う魔法少女のひとり。戦う姿を目撃して、どうせなら変身シーンも見たかった。なんてこといってるのはオタク趣味の友人せなちゃん。変身するときは裸になるとかいってますけど、それはもう結構昔の話で、最近はなにかしら身につけてることが普通ですよね。ほら、ワンピースみたいなの。

ともあれ、帰宅途中に話題の魔法少女、神宮寺の後をつけて、敵幹部との接触を目撃。その幹部の正体も、うちの生徒会長だと早速判明して、さらにここから念願の変身シーン! 飛び出して写真撮りまくるんかい! ツッコミ担当のちとせさんがきつく釘を刺してますね。ええ、この漫画の良心、それがちとせさんなのかもですね。

そして今回の落ち。やたらと激しい魔法少女の必殺技! これを食らった生徒会長の命運やいかに!? からの、生存で安心、けど平凡な日常のありがたみを噛みしめざるを得ない破壊がもたらしたインパクト。ええ、やっぱり人には持って生まれた領分ってもんがあるんだなと思わされるラストでした。

『ほーんてっど!』

主人公、幽霊なのか。レイナ。廃校に現れて訪問者を怖がらせるのが使命。いや、ただの趣味? なんかね、どうにも明るい恐怖とかそういった感情とは縁遠そうな女の子。今回驚かそうとした相手、オカルト研究部部長のツグミも、その友人イズナも、まるでビビってない。むしろほのぼのと会話が成立しているというんですね。

しかも幽霊であることが明らかにされてからも、笑って仲良くなってしまう始末。取り憑かれるかもという心配も、それはそれで面白そうに楽しげに語られて、この緊張感のなさ! いや、ツグミの肝の太さもあるんでしょうけど、それ以上にレイナのキャラクター、そのほのぼの感が大きいな!

かくして友達になった3人。もともとは人を怖がらせてその結果成仏する気だったレイナも、友達ができて嬉しそう。さらに過去の因縁? 幼ない頃にレイナと出会っていたツグミ! その時のツグミの姿の意外性! こうした思いもしないところに驚き、面白さ、くすぐりを放り込んでくるところ、とてもよかったです。

2022年9月15日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年9月14日水曜日

みんなでナンプレ

『みんなでナンプレ』、危険なゲームですよこれ。

来年3月でNintendo 3DSのソフトダウンロード販売が終了するというので、駆け込みでよさそうなゲームを探しては買っているのですが、いまのところ、これだ! っていうのはなかなか見つかってなくてですね、なので、これだ! というのをご存じの方はどうぞ教えてくださいますと助かります。というのはいいとして、つい先日、サマーセールの対象になっていたのがこのゲーム『みんなでナンプレ』でした。ナンプレ、ということでどういうゲームかは説明不要ですよね。ええ、ナンプレ、数独、マス目に入った数字を頼りに1から9までの数字を埋めていく、あのゲームです。

500円が250円でした。全然期待しないで買った、というか、そもそも頭を使うのは面倒くさいし疲れるので、パズル系のゲームってあんま好きじゃないんですよ。

なのになぜ買ったのかというと、これを買う数日前に100円のセール対象を十数本立て続けに買ったら、不正利用を疑われてカードがロックされてしまいましてね! カード会社とやりとりして解除されたかどうか確認するのにちょうどよかったのがこのタイトルだった。

ほんとになんで買ったのかわからんような買い方をしています。

でもね、これがもう危険すぎる。

問題数がイージー、ノーマル、ハード300問ずつ、そこにベリーハードが100問加わって、全部で1000問あるというのですが、なんせ初心者ですからね、まずはイージーから遊んでみるじゃないですか。ちょっと手間取るものの、こつこつやってれば解けるくらいの難易度。クリア条件にしたがって風船がみっつ飾られるのですが、パズルをクリアでひとつ、10分以内にクリアでひとつ、そしてヒントを使わずにクリアでひとつ。まだイージーだからか、クリアとノーヒントで風船ふたつは固いのですが、最後の10分以内、これが結構大変。最初のうちは15分くらいかかってしまって、いやあ、こうなるともうムキになりますよね。

ええ、やめられんのです。

慣れないうちは仕方がないと、風船ふたつでいいからクリアしていって、20問クリアしたところで最初にもどって風船埋めを開始しました。問題との相性もあるのでしょう、調子がいいと初見で10分かけずにクリアできるものもあったのですが、苦手なタイプだと何度繰り返しても10分を超えてしまって、続けて挑戦したり、気分を入れ替えるべく違う問題に取り組んだりしながら、いやあ、なんとか20問すべてを風船みっつにすることができました。

で、まずはこれを300問やるわけね?

ナンプレ、面白いですよね。人気があるのがよくわかります。問題によってクリア方法が違ってるのが面白くて、地道に埋めていくにしても、9マスのグループから埋めさせるものあれば、列を完成させていくものがあるなど、こういう趣向の違いを感じさせるのがパズル製作者の腕の見せどころなのでしょうね。

またハードとの相性もいいと思います。3DSというかDSの特性であるタッチスクリーン。これのおかげで、直感的に遊べるのが嬉しい。最近のゲームは説明書がついてないじゃないですか。なので最初に説明書を読む文化を失ってしまっていてですね、遊びながら覚えるみたいになって久しいのですが、それでも充分遊べます。

この説明書がなくてもタッチで遊べる、直感的にさわれるというDSの強みが生かされているの、いいと思います。ゲームに触れてこなかった層でもきっと問題なく遊べたんじゃないかなあ。こうした受け入れる間口の広さを考えると、ナンプレのようなメジャーなパズルとDS系ハードの相性のよさを感じさせられて、ああ、DS、3DSは本当にいいハード、名機だったなあと実感させられるのでした。

ナンプレの危険なのはプレイ時間もそうで、イージーだったらだいたい10分前後と非常にお手頃。ん、ちょっと時間があいてるな。みたいな時にちょっとさわれる、遊べる、そしてやめられない!

いやもう危険なゲームです。ほんと、500円で半年遊べそう。

2022年9月13日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年10月号

 『まんがタイムきらら』2022年10月号、昨日の続きです。

『センキュー!80!』

ついに免許をとったみつき。部室まで車でくるというんですが、はたしてどんな車なんだろう。可愛い見た目の軽かコンパクトカーあたりだろう。みんなそれぞれに予想するのだけど、おっとー、えらいの乗ってきましたよ。なんと、ジープ。しかもかなり古い型式っぽいですよね。キャンバストップのドアなし。これ、ドアも幌とかのやつなのかな? と思ったら、チェーンかロープが渡してあるだけなんだ! いやもうほんと、すごいのがきた。俄然面白くなってきたってやつですよ。

当然エアコンなんてついてないから、暑さにふらふらになってるみつき。そんな彼女を誘って、涼しいところ、山道走りにいくっていうんですが、ジープだけあって未舗装路がベストマッチ! さらに、登坂能力生かして勾配40度ほどもある急坂を登っていく!

これ、レバーでもって2駆4駆を切り替えるんですね。しかも4駆にするとハンドルがめちゃ重くなるって、そうだよなあ、パワステなんてない時代の車だよなあ。しかも時速20キロくらいしか出ないっていうのね、音はすごいのに! っていう、この車の個性、臨場感が際立ってくる展開に魅せられるものありました。

現実にはこうした車を維持していくのは大変でしょう。それだけに、こうして漫画で雰囲気だけでも味わえるのはありがたい。それは車の魅力をしっかり伝えてくれるものあってですよね。面白かったです。

『おててつないで』

ほんとに可愛い漫画ですよ。パンダパンをきっかけに知りあったみのりとリリ。一緒に動物公園にいこうと約束していたのですが、そこにみのりの友人ふたりが加わることになりました。杏に咲良。みのりと違って派手めの子たち。どういう友達なのかな? と思ったら、幼稚園時代からの幼なじみなんだ。

そんな子たちとリリの交流ですよ。意外と? 結構? 子供に好かれる咲良、そのコミュニケーション能力よ。子供に近い目の高さで対してくれるところがいいのかな? なんか距離感をぐっと縮めてくる、その踏み込み幅が大きくて、そこに加えてリリの興味を引くのもうまいですよね。

仲良くしている咲良とリリを見て嫉妬にかられるみのり! でもね、帰り道、リリに嬉しいこといってもらえて、ええ、みのりとリリの特別感? そうしたもの感じさせてくれる関係の再確認ですよ。これでほっとするみのり、明るく楽しそうなリリの表情もとてもいい。ふたりは互いに、相手が特別で、相手の特別になりたいのかもですよ。

こうして深まる仲、とてもいいなあって思わされるのです。

My Private D☆V

『SAN値直葬!闇バイト』のムクロメです。

D☆Vポイントは「ゲームめっちゃ誘ってくる後輩」。しかも誘ってくるゲームってのがびっくりするほどタイムリー。イカ3だってんですから、いやほんと。もしこんな後輩が誘ってくれるというのなら、自分もイカ3買っていたかも知れない。というか、後輩とか女の子とかD☆Vとか関係なしに、こうして一緒に遊んでくれる誰かがいるっていうのはしあわせですよね。

しかしこの人の描くキャラクター、魅力的ですよね。ちょっと古典的美少女って感じがする。かといって古臭さとかは感じさせない。ちょっと昔めのテイスト持って、でもあくまでキャラ造形は今風で、そうしたかつて夢見て懐かしむニュアンスのにじんだ現在を感じさせてくれる画風であると思います。

しかしほんと可愛いな。こんな後輩が遊んでくれるというのなら、私は何百、何千回とチャーに打ち抜かれてもかまわなかった。ああ、見果てぬ夢にまどろむのですよ。

2022年9月12日月曜日

『まんがタイムきらら』2022年10月号

 『まんがタイムきらら』2022年10月号、昨日の続きです。

『むすんで、つないで。』

高校生になった花ノ子。思えば彼女が神隠しにあっていなかったら、高校生のつなぐはこの花ノ子と一緒に学校に通っていた可能性があったわけですね。そう思えば、あの神隠しは花ノ子と家族、そしてつなぐの人生にも大きな影響を与えていたのだなあと改めて実感させられました。

しかし花ノ子よりも先に大人になったつなぐ。進学して、それも卒業して、今はお店を開くべく頑張っている。野見山様の近く、祖母の残してくれた家で小物を売りつつカフェを開こうとしているんですね。

この夢に向かうつなぐの姿。凛々しくて素敵な女性になったなあ、と思ったらその瞬間くじけはじめる。ああ、そうかあ。やっぱ店開くとなると大変だよねえ。でもそれでもしっかり目標のできたつなぐ。やっぱり大人びたなあって感じますよね。

つなぐのもとを訪ねてきた花ノ子。この子もしっかりしていて、ほんと大人っぽいんだけど、それでもつなぐに比べると幼なく見える。なんかつなぐに甘えてるっぽい感じもない? でも確実に甘えてるのが白百合! この子もすっごく美人になったよね。でもこの子がつなぐの前だと自分のことゆりって呼んじゃうの。ほんと可愛い子だと思います。

この漫画、変わるものがあり、過ぎる時間があり、けれどそれでも切れることなく続く結びつきがある。そんなこと感じさせてくれて、花ノ子とつなぐの縁、そこに永遠に似たものを感じるのでした。つなぐの開こうとしているお店の名が「結」。漫画のタイトル『むすんで、つないで。』。まさしくそれだったのですね。

『スロウスタート』

びっくりしましたよ。かつて果実が見たという、ギャルゲーをプレイする女の子の配信。たまてが一度だけやって、家族にしかられてやめたという配信。まさかそれが思い出の配信なのでは!? 知らず繋がっていた果実とたまての縁!

ああ、いい話だなあ、素敵な関係だなあ、みたいなこと思っていたら、まさかの深堀りですよ! しかもなんか微妙に展開が不穏。たまての告白からはじまって、縁の不思議に皆が感動していたら、ママンヌからの動画提供! わくわくしながら皆で動画視聴してみたら、なんか、なんか、思ってたのと違う!

一番衝撃だったのはたまンヌだったろうなあ。冒頭の、記憶に残る配信の様子と全然違うんだもの。だってのっけから怪しい面。怪しいテーマソング。さらにそこからのぐだぐだ展開。ギャルゲー配信をやったつもりでいたけど、ギャルゲーまで辿り着けてない!

ここからのたまての悶えっぷりったら! なんでこんなの取っておくんですかに始まり、家族で上映会されてると聞いてさらにショック。おおう、なんたらタトゥーってやつだ。

しかし今回のたまて黒歴史。思い出ばかりが美しく彩られているみたいな話で、あるいはうつろいやすい人の記憶? ほんとたまてのショックに、それが花名に伝染するとかね、誰しもが持つ思い出したくない過去を掘り起こしてしまいかねない、そんな危険なエピソードでした。

『しあわせ鳥見んぐ』

御積島に向かいます。ここは海鳥の繁殖地として保護されている島。さっそく見つけたのはウミウ。見事に潜って魚をとる鳥ですが、濡れた羽を乾かすとかね、面白い行動があるんですね。そして島ではウミネコが抱卵をしていて、そして堆積したフン!

これ、グアノとかになったりしてたのかな。鳥のフンの成分でできた黄金に光るうろこ状の岩肌があるというくだり。龍神のすみかとして崇められてきたということは、グアノを採掘して肥料にするみたいなことはなかったかも知れませんね。

さて、鳥たちが綿々と続けてきた営為が島の伝説をかたちづくるにいたったという話が語られ、そして翼の祖父が旅館を閉めるつもりでいると話してくれる。このふたつは対照なのでしょうね。続いてきたものがある。反面、終わりを迎えるものがある。そこで表情を曇らせる翼。自分が島を出たことで、繋がれてきたものが途切れようとしているのではないか。島の、旅館の終わりに自分は加担しているのではないか。責任を感じてしまってるようなんですね。

重苦しい気持ちを抱えている翼。この気持ちのまま島を去ることになるのかと思ったら、定期便が欠航、帰れなくなってさらに一泊することに。この一夜の延泊が、翼にとってなにかしら大きな転機を与えることになるのでしょう。そのきっかけ、なにがどう翼に働きかけることとなるのか。見どころだと思います。

2022年9月11日日曜日

『まんがタイムきらら』2022年10月号

 『まんがタイムきらら』2022年10月号、一昨日の続きです。

『ほぐして、癒衣さん。』

夏鈴、おそろしいほどに大人気だな。別部署からわざわざやってきて癒衣に頼みごとしていく八潮。しかもこの人、癒衣に対して熱い思いを抱えている!? そんなふたりがなにをしてるか、気になってしかたのない癒衣。こっそり覗き見てみれば、なんとこれはチューですか!?

いや、違う、頭をなでてるんですけどね。でもぱっと見のインパクト、あれはでかかった。いやもう、こうなったら癒衣さんももっと、もっと、攻めの姿勢でいきませんとね!

八潮に呼ばれてメディア事業部にいった夏鈴。ひとり残された癒衣が悶々と悩んでいるのがね、不備というか、まさしく空回りってやつで、しかもそこに癒衣に思いを寄せる富美子が顔を出すも、いまいちこの人も押しが弱いよね! というか不憫ナンバーワンの彼女。ただ見るだけで満足なのですか? そんなことで満足している間に、癒衣と夏鈴はもっと先に進んじゃってますよ!

とか思ってたら、夏鈴無事帰還して癒衣の悩みも解消。夏鈴への貢献ポイントも集めて、お礼のハグタイムですか? ほら、富美子さん、置いてかれちゃってますよ! と思ってからの、まさかのお礼を間違える夏鈴!

おそろしい。まさしく罪ってやつですよ。知らず多くの女を惑わす魔性ってやつですよ。

『蜂も刺さずばうたれまい』

蛍、いつもひょうひょうとして感情を表に出さないこの子が、憂鬱? アンニュイ? 実家の華道のイベントに居づらさ感じて抜け出して、それでひとり佇んでいるところをすずめに見つかってしまうというのですね。

ここからのふたりのやりとり。しばらくしたら蛍は催事場に戻るのかと思ったんだけど、そうじゃなかったのか! 靴擦れを治療するためすずめの家に連れていかれて、着物を脱いで、くつろいで、さすがにほっとしたのか、いつになく素直に自分の気持ちを言葉にするもんですから、いやもう、なにこれ、好感度爆上がりイベント勃発なの!? このままいったらイベントスチル必至だわよ!

なんて盛り上がったのですが、いや、ほんとに好感度めちゃくちゃ上がってますよ! 自分の馴染めなさと、ちょっとした自己嫌悪を飲み込んでしまっている蛍。でもそんな自分のよいところを見つけてくれるすずめ。さらには無理しなくていいと安心させてもくれる。

こうした言葉が蛍にとってはずっと欲しかったものだったのかも知れませんね。すずめのそばですっかり安心して、自分がいたいと思える場所になってしまっていてという今回。ええ、見事にイベントスチル級展開を見せてくれました。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

今回はルチア成長の回でした。いい子にしているとクリスマスに奇跡がおきる。漫画で得た知識をもとに、いわば願掛けしてるというのですが、その願いというのが切実。噛み癖、呪文の詠唱をトチらないようにしてほしい。

でも神頼みだけでなく、ちゃんとエルの特訓に参加して頑張ってはいるんですね。とはいうものの、呪文を間違えては自信を失って、その苦手意識のせいで詠唱の特訓にも消極的になってという悪循環に陥っていた。そんなルチアが苦手を克服し、一歩前へ出ようと思ったそのくだり。誰かを守りたいという気持ちと、かつて自身に誓った言葉が背を押すように鼓舞してくれたその一連の描写に、ルチアの確かに自ら殻をやぶった瞬間が描かれていたのですね。

でもまさかこれでルチアが賢者へのクラスチェンジを果たすとは! 予想外ではあったのだけど、これまでは僧侶として回復呪文、補助呪文に専念してきた、そんな彼女が攻撃の魔法への可能性をものにした。その成長がこうしたかたちでむくわれたわけですね。

2022年9月10日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年9月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年10月号

 『まんがタイムきらら』2022年10月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。花名と果実、そしてたまての3人が、やたらと薄い服で揃っておしゃべりしてるのでしょうか。3人の中央にいる紫色のカメのぬいぐるみがちょっと謎、いい味を出しています。しかし3人、素直にパジャマパーティなんでしょう、色違いでリボンなんかつけましてね、そうしたところに仲良し感を出してくる。ええ、実際仲良しの3人です。

今月は新規ゲストが1本です。

『はやく猫になりたい』

学校帰り、神社に寄っては願掛けをしている咲良。毎日通って願い事をすると叶う、そんな噂を聞いての行動なのですが、その願掛けというのがまた独特といいましょうか。生まれ変わったら猫になりたいというのですね。

ちょっと個性的な咲良が同じく神社に通っている小学生とであって、話して、うちとけ……てはいないな。けれどこの子も咲良同様猫に生まれ変わりたいと願っていると知ってより一層の親近感。と思ったら、なんかちょっと違うんですね。咲良はあくまでも今生をまっとうしてからの生まれ変わりを夢見て、対してその子は今生への未練がないのか、はやく生まれ変わることを望んでいる。

似ているようで違った願い。また咲良をこばむこの子。うちとけるのはいつのことになりましょう。そのすれ違いやギャップの埋まっていくだろう行程にこそ見どころありそうです。

『それでは、ステキなセッションを。』

ライブ終了後、ロノから渡されたお助けアイテムで、これまで経験したことのないような演奏を繰り広げる是沢、一色、加島の3人。ロノの力で、世界中のミュージシャンの演奏が3人に流れ込んでくる。過去の演奏から今この時にもっともふさわしいものをチョイスして再現する。

ああ、ロノの力はいわばサンプリング能力なのですね。

過去の名演を自分のものとした一色に加島は、その高揚に身も心も委ねてすっかり力を出し切って、かと思ったら是沢ひとりは自分を失っておらず、それは是沢の目指しているものが過去の演奏の中には存在しない、自分にしか辿りつけない境地であるからこそというわけですか。

是沢の発言は、この漫画における重要なキーになっていきそうですね。他の誰でもない、ミュージシャン是沢芽依としてステージに立ちたい。その確固たる意思が導く是沢の音楽世界。独自であり続けようとする彼女に、てんちゃんはいかなるサポートをすることができるのか。

ロノが力を見せつけたからこそ、それを超えていくだろう彼女らの道のりはより魅力あるものになりそうです。

『けいおん!Shuffle』

今回は蘭花可愛い回だった! いや、蘭花はいつだって可愛いよ!

バスケ部との合同合宿に参加している軽音部。これを機会にもっと先輩と仲良くなるんだと意気込んでいる蘭花のふんすですよ。めちゃくちゃ可愛いな。けど紫からは睨み顔に見えちゃうんだ。こういうところ、この子の損しちゃうところだな。もう紫たちは大丈夫だろうけど、知らない人からは不機嫌とか怖いとか思われて誤解されちゃう。でもこうした不器用さゆえ生じるギャップがもうたまらない。

ええ今回もギャップ、赤面、その可愛さにやられまくりましたよ。

しかし蘭花さん、どんだけ不器用なの。先輩たちと仲良くなる作戦、紙に書いてまとめてきたんだ! しかもそれを落っことしちゃって、拾われちゃって、読み上げられちゃって、可愛いっていわれちゃって、しかも即バレする。

蘭花の気持ちを知った先輩たちとリサが共謀して、蘭花が皆と仲良くなれるためゲームを企画してくれるの。この、蘭花の愛され具合がまた素晴しいですよね。王様ゲームをやるっていうんですが、王様がことごとく蘭花に絡んでくんですよ。イカサマなんですが、おかげで蘭花は自分の好きなこと、興味あること、いろいろ話すきっかけができて、そして紫の決定打! 軽音部に入ってよかった? からの察して赤面蘭花さん!

ほんと、今回は蘭花さんめちゃくちゃ可愛い回。そして紫がいつになくお姉さんしていた、そんなエピソードでもありました。紫のそうそう見せない妖艶な笑み、素晴しかったです。

2022年9月8日木曜日

『まんがタイム』2022年10月号

 『まんがタイム』2022年10月号、昨日の続きです。

『良倉先生の承認欲求』

映え目的に若者のトレンドに興味津々の良倉。そのあまりの前のめりさに、水元がどんどん誤解していくのが面白くて、だって良倉の念頭にあるのはあくまでもぶんちょー紳士。けれど水元は良倉がぶんちょー紳士に関わりあること知りませんからね。だからシルクハットが普段着とか聞いて、なにごと!? みたいになってるの。

いや、これ、良倉も悪いよね? これ水元だったから助かってるけど、氷高先輩だったらもう身バレしてたよ!? でも素朴で素直に良倉の言葉を受け取って、そのまんま解釈して、ストレートに聞いちゃう水元。この子のこういうところもちょっと怖いよね! いやもう実際星畑にバレてる実績あるわけだからさ、良倉先生、ほんとのほんとに気をつけないと秘密の共有者、増えちゃいますよ?

今回はファッションの話題だっただけに、想像だけとはいえゴスロリ星畑見られたりね、とんちきな帽子を被った一美が見られたりね、こうしたところもとてもよかったです。というか、あんなとんちきな帽子でもばっちりキマってる一美、すごいな! なんというポテンシャルなんだろう。

そして今回ラストに語られた良倉の私服姿。あまりに不明な状況にさらに困惑する水元ですが、ここで重要なキーワードは上枝先生とスイーツブッフェですよ? デートですよ? ええ、水元さん、ここは素直にストレートに解釈してしまいましょう。

『瀬戸際女優!白石さん』

爽太くん、頑張りましたね!

白石に思いを寄せている爽太。つきあってほしいといったはいいけど、白石はその気はない模様。あいりからはつきあっちゃえばいいのにっていわれてますけど、いやあ、実際のところどうなんだろう。真島との関係もあるし。ええ、白石、こういうところで不義理は働けない性分ですよね。

そんな白石相手に爽太、渾身の一手ですよ。白石が好きな漫画、ヤンキーボーイズが実写化。男気あって喧嘩も強い総長アキラは白石の憧れの男性像そのもので、誰がこの役をやるのだろう。白石が興味かきたてられていたその裏で、爽太がアキラ役のオーディションに挑戦するという!

やるなあ、白石の過去を知ったんだ。その上で、白石好みの男性像を演じてみようと思ったんだ。アイドルから役者へ、ステップアップを図る時期でもある? キラキラと笑顔が可愛いキャラから、男気と迫力、気迫に満ちたそんな男性への変貌を見せた爽太に、おおう、白石さん、ときめいちゃってますよ!

ほんと、思わぬ爽太の頑張りに、真島ピンチ? そして白石の選択やいかに! いやもう、爽太が役を勝ち取るのか、そのあたりも気になる展開です。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

元気に欠ける琴音。なにか悩みごとかと思ったら、気象予報士の試験勉強で睡眠を削っているんですね。ちゃんと休むよう牧からいわれるも、頑として譲らない琴音。ええ、こういうところ実に琴音らしいと感じます。

さて、そんな琴音に牧から依頼です。少年野球の応援。いつもお弁当を持ってきてくれるお弁当屋さんのおかみさんが、息子の試合を見にいけないから代わりにいって欲しいというんですね。そのいけない理由というのが、試合当日がまさかの雨で順延。2週続けて店を休めないから泣く泣くあきらめることとなった。

ええ、ここに天気予報が関わってくることで、琴音にとって他人事ではなくなった。かくして応援にいくモチベーションもより強くなるというわけですね。

でもそれでチア衣装着てくるだなんて、牧もいうようにやりすぎ!? でも、こうあってこその琴音という気もしますよね。気持ちもあがって、テンション高く、その生き生きはつらつとした琴音の応援が、お弁当屋さんの息子さん、勇馬くんに響く!

勇馬の活躍に繋がるこの応援と、勇馬が琴音に返した応援の言葉と、このやりとり、心に響くものがありました。やっぱり琴音はひとりで根をつめるより、誰かのために動いて、その思いを受け取っていくのがいいのだと思う。意固地になってしまっていた琴音の視野がふたたび開かれる、いいエピソードだったと思います。

2022年9月7日水曜日

『まんがタイム』2022年10月号

 『まんがタイム』2022年10月号、発売されました。表紙は『ローカル女子の遠吠え』。秋の味覚ですね、大きなカゴを担いで栗ひろいしているりん子がどーんと登場です。しかしこの人を見ていると、季節のイベント! というよりも、なにか仕事感出てくるというか、レクリエーションではない! そんな雰囲気ありますよね。対して楽しんでいる雰囲気が見て感じられるのが『花丸町の花むすび』、着ぐるみかぶって甘栗食べている花子。『秘密のお姉さん養成ノート』、オーバーオールが素朴によく似合ってる芋掘りしてる蛍。そして『この契約は恋まで届きますか?』、クールにブドウを食べている八千代さん。この人もクールなんですけど、りん子とは違うんですよね。その差異もまた面白いです。

今月は新規ゲストが1本です。

『幼女先生は大忙し!?』

すごいな、シチュエーションを成立させるために、細かいこと全部すっ飛ばした感ありますね。

子供になった夢を見た。と思っていたのに現実だった。保育士をしている本間律。後輩の柚庭円からもらったドリンクを飲んだら、まさかの子供に戻ってしまって、本田りりと名をかえて自分の働いているこども園に通うはめになっているというんですね。

子供になったものだから、大人だった頃とは勝手が違う。握力が足りない、そもそも不器用。髪も自分では結べなくて、こうしたところから子供たちの気持ちに思いをはせるところなどはとてもよかったです。

そして園では、ついつい出てしまう保育士としての行動。また、憧れの日ノ本晃先生と手を繋ぐことにもなって。こうした恋愛の要素もまた面白さに一味添えられているものと思われます。

『ローカル女子の遠吠え』

今回、すごかったな。なにがすごいって、富士山閉山の話題から始まったと思ったら、なんと水馬の策略にりん子が見事はめられる!

もう閉山したつもりで話してたりん子の完敗ですよね。五合目くらいならいく、もう閉山だから次の機会。そういってしまったのが運の尽き。閉山は今週だから、まだ少しだけ余裕があるのか! で、まさかの翌日すべり込み!?

水馬の行動力というか、富士山がからむとあの手この手、見境なくなる過激派っぷりが光っていました。

しかしそれでもね、しぶしぶ連れていかれてたりん子が、いざ山についてみるとテションあがって、楽しそうに富士山体験して、そして今回の目的地、宝永火口にて富士山の魅力に感動するまでにいたるってね! いやあ、よかったじゃないですかりん子さん! と思ったら、即座に水馬が見せる悪い顔!

あー、すっかりカタにハメられてしまいましたね、りん子さん! いやもう、水馬の策謀。相当なものでした。

『午前0時のおねだりごはん』

三元の誤解? 米沢と牛喰がつきあってるって思い込んでるの、まさかこんなにダイレクトに本人に聞きます!? びっくりしましたよ。牛喰ともっとイチャイチャしないのかって米沢にいっちゃって、米沢×牛喰は私の推しのカップリングだなんていっちゃって、置いてきぼりの米沢ですよ。

ほんと、びっくりしました。こんな展開のさせかたがあるとか予想もしなかった。しかし、三元、君は希望の星なのか。ええ、ええ、あなたのいうとおり、もっとふたりはイチャイチャすればいいんですよ!

三元の誤解と米沢の困惑、そして牛喰の思惑のいりまじってややこしさ膨らんでいった今回。もう三元の妄想はそのまま育つに任せておきましょう。で、問題は米沢と牛喰の意識のすれ違いですよ。あくまでも米沢はそうした関係には意識がゆき届いてなくて、対して牛喰はその気でありましょう! このギャップ! まあ、米沢が気づかないのはわかるよ? でもそれでデートに漕ぎ着けた牛喰、頑張ったのでは!?

まあ、これをデートと思っているのは牛喰ばかりかも知れないけれど、同じデートといっても、ふたりの思うところ、その食い違いがね埋まる日がくるものなのでしょうか。ええ、埋まればいいよね、とは思うけど、埋まる日はこない気がします。

牛喰、強く生きていけ!

『この契約は恋まで届きますか?』

八千代に連れられて妹さんにあいにいきます。その行き先は病院。妹さん、入院していたんですね。

そんな気はしていました。ずっと以前に八千代には秘密がある。どうも家族が入院ないししている、そんな風なこと感じさせる描写がありました。なのでてっきり母が病気がちとかなのかなと思っていたのですが、それが今回妹さんと明かされたわけですね。

妹さん、渚、思ったよりも明るくて元気な子だ! 野田を見て最初こそは驚いたけれど、手芸作家ののっちと聞いて一気にテンション上がる! 手芸作品見せられて大喜びに喜んだりね、こうした感情のストレートに表されるところ、姉とはちょっと違うんだなあ!

恋愛ごとについての感度、それもまた違うようですよ。八千代はその方面、まるでうといじゃないですか。対し渚は、姉が野田と話しているところを見て、なにか思うところあるみたいなんですよ。自分のためにいろいろ面倒見てくれる姉のこと、心配したりしてるんでしょうね。ただ素直に姉にはしあわせになってほしい、そんな気持ちがありそう。いずれにしても、野田にとっては心強い援軍となってくれるのではないかな。なんて思われた今回の出会いでした。

そして普段あまり見せない八千代の笑顔。そこに少しほっとさせられるものありまして、八千代にとって妹に応援したい気持ちをともに自作の手芸品を手渡せたこと、それがどんなにか大きなできごとであったかというのが伝わるようでした。

しかしほんと、今回野田は一歩前進といった感じでしたが、その思い、ここから恋まで届くにはまだもう少しかかりそうですね。ゆっくり見守っていきたい関係です。

2022年9月6日火曜日

『まんがタウン』2022年10月号

 『まんがタウン』2022年10月号、昨日の続きです。

『食欲しか勝たん!』

こころんの抱えていた問題、見事解決を見ましたね! こころんを心配して家まで訪ねてきてくれたみかみーとたんなる。ふたりとも笑顔を見せているけど、どこかぎこちなさ感じさせて、不安や心配を抱えてることが伝わってくるんですね。

しかしまさかこの対面からホットケーキに繋がるだなんて!? どんだけテクニカルなんだろう、こころん。みかみーが叫ぶように口にした、ずっとほっとけないじゃんという言葉が、ずっとホッケーキないじゃんに聞こえたんですか!? しかもそこからずっと思考がホットケーキに支配されて、ああいつものこころんだ。どんなに休んだってこころんはこころんのままなんだ!

心配するあまり本気でぶつかっていこうとするたんなるに思いの丈をぶちまけるこころんが圧巻。ホットケーキ食べたいよぉ……!

いや、たんなるもみかみーもそんなこといわれるだなんてまるで予想せんかったよね? 当惑してること明らかで、ここからのホットケーキ調理、そしてもりもり食べるこころん。ずっと不安に思っていたこと、ネガティブに考えていたこと、それをふたりにきちんと話せて、受け入れてもらえてよかったですね。

新生こころんの再スタートですね。もう我慢しなくていい。そんな彼女の活躍。歯止めがなくなってえらいことになるんじゃないか。ならばむしろそのノンストップな彼女を見てみたいところです。

『恐竜とカッパのいる図書室』

卸町と薬師堂の関係、少し進みましたね。いつもひとりで本を読んでいる卸町。ケータイ持ってるのかと聞いてみたら、持ってないとあからさまな嘘をついてくる! あの時のふくれてる卸町、めちゃくちゃ可愛かったですよ。

ケータイで友人たちとのメッセージ交換に夢中の薬師堂。誰とも繋がろうとしない卸町を理解できなくて、その生き方、選択をつまらなさそうと決めつけていた彼女が、通信障害でネットワークから切り離されたことをきっかけに、卸町の見ている世界に少し触れることができた。

あの時の、本を読み始めた薬師堂の前に広がった世界、その物事の確かに動き、変化していった様がほんの少しの描写にありありと鮮やかに物語られて、ああ、薬師堂、彼女は本の世界、物語の世界にどのような思いを残し、どのような感情を紡いでいくことになるのだろう。

いよいよはじまろうとしている、そんなうずうずとした感触が頭をもたげて、ふたりのこれから知る、出会う世界、それが楽しみになっています。

『ルナナナ』

新しい登場人物、これは期待できる逸材揃いですな。いや、なんといってもキャラが強い。やたら意識の高く押しの強い天馬はるか。この人が主人公格だな! うん、キャラが立ってるもの。と思ったら、まさかの元アイドル、藤のぞみ登場にアキがその本性を露にする! すごいよ、アキさん。一番常識人に近そうなのに、ひとつタガがはずれるとこうだもん。そのヤバさがひしひしと感じられた一連の描写。最高でした。

そして深大キク。野良科学者らしい。とりあえず初回ではその真価というかなんというかはまだ発揮されていないものの、いやもう絶対一癖も二癖もある人だよ、この人。でも、意外とこの中では一番まともかもなあなんて予感もさせられて、期待とともに見守りたい人でありますね。

そんな彼女らと旧主人公トリオとの対決! アキとナオがやる気ない! と思ったら尋常でない睡眠力を見せつけて、このヤバさこそが月だとリコがなんかまとめてますけど、いやそうなのかい!? そのふたりのヤバさは、月のヤバさではなく、アキ、ナオふたり持ち前のヤバさなのでは!?

この対決を通じてか、なにかわかりあうところあったと見えますね。1号室を引き払った新人3人。まさかリコたちの隣室に移ってきた!? って、もう完全に仲良しじゃん! ほんと、今後のからみ、どんなめちゃくちゃが見られるのだろう。わくわくですね、これは。

『あの世で猫になる』

夜にコンビニにいきますよ。朝倉の夜歩きを心配するタマだけど、それがまさか一緒にいきたいと解釈されてしまうだなんて。

このアパート周辺、幽霊だかなんだかが出るらしいっていうんですよ。その噂なんですけど、さっそくタマが怪しい人威嚇してビビらせてるし、コンビニでは朝倉がひとりでしゃべって不審だしで、ええ、こういうのが噂の出どころになるんですよ! しかも加えて、シロを散歩させている吉井さん。シロの後ろ姿がぼうっと白い影になって……。うん、これがきっと噂の出どころだってタマがいってますけど、今夜はさらにタマ自身も噂の原因になっていますよ……。

とか思っていたらね、寄り道しようっていう朝倉との遠回り、そこで出会った三つ目の影! なんかちょっと可愛いな。しかしいったいなんなんだ、家よりデカいよ? ダイダラボッチみたいなのかな。また出てきてほしいな。

自分の生前についていろいろ情報探しているタマですが、一向にそれらしいものも見つからず、朝倉との生活が平穏に続いていきそうです。でもこの暮らし、突然変わったりすることなどもありそうで。いや、もし変化があるとしたら、ネズミの健康不安、それが実現するのが最初になりそうな気もします。

2022年9月5日月曜日

『まんがタウン』2022年10月号

 『まんがタウン』2022年10月号、発売されました。表紙は『派遣戦士山田のり子』。山田のり子が9月12日発売の単行本を手にVサイン、と思ったら、その後ろに『主任がゆく!』の北見主任が! 双方ともに長期連載ですよね。まだまだいける、そんな風格さえ感じさせるふたり。そのタッグの心強さ!? コラボ企画もスタート、ということで、山田のり子と北見主任のかけあいを漫画で読むことができますよ。そして『鎌倉ものがたり』のおふたりも。作者さん50周年なんだ。すごいですよね。ほんと、超のつくくらいの長期連載、偉業です。

『押しかけギャルの中村さん』

やっぱり中村さんは攻勢に出てる時の方が表情豊かでチャーミングだなあ。デートのマニュアル本を引きあいに出した時のあの顔! 耳に寄せてダーリンと囁くあの表情! えらいこと高威力じゃありませんか! でもその前ページの腕を組んでちょっと頬赤らめるところとか、続くゲーセンにて楽しそうに笑うあの表情とか、そうしたところにはこの人のピュアな部分がのぞいて、それもまた魅力を高めていると思うのですね。

さて、買い出しに出かけたついでにゲーセンデート? っぽいことしてる秋山、中村のふたり。そんな彼女らが遭遇したのが、かつて秋山たちのオフ会にも参加していたウテナさん。2丁拳銃で見事死霊どもを撃退する凄腕ゲーマーっぷりを披露されていたのですが、そんな彼女に警戒心バリバリの中村さんですよ。

秋山がなんかウテナといい雰囲気なのが面白くないんですね。あからさまに不機嫌になっちゃって、いやほんと、今回の中村の気分の高低、その落差たるやすさまじい。上機嫌から不機嫌まで、転がり落ちるどころか急降下ですよ。

でもね、こうした中村の嫉妬心、それを煽っていたのがウテナさんなのかい! しかもその意図が! 決して中村に敵対するとか、秋山をとっちゃおうとかそういうのんじゃなくて、ただただ嫉妬する中村を見て愛でたかったから!? あれまあ、このカップルを推すんですか? 推すんですね? でもそれでも刺激加えていろんな表情、いろんな味わいを確かめたい。そんな気持ちがウテナを突き動かしてしまってたんだ!

というか、ちょっとした危険人物だ!

まさかの波乱が秋山、中村に接近。さあどうなる。気持ち沈んじゃった中村、その気持ちやいかに。秋山になにかしら伝わって、なにかしら展開などあるのでしょうか。

いやほんと、こうした感情の動きなどがウテナにとっては大ご馳走なんでしょうなあ!

『新婚のいろはさん』

デジタル作画を教えに颯人が大門晃なる人を連れてきます。はじめの師匠。アシスタント時代の先輩なんだそうですが、体育会系、めちゃくちゃきびしい。と聞いて、すっかり男気たっぷりのゴツイ人がくるもんだと思ったら、あれまあ、えらいこと可愛らしいお嬢さんではありませんか。

しかもミニスカートやぞ。えらいこと気合い入っとるぞ。気になる後輩を奪っていった女のもとに勝負かけるべく本気出してきたのか!?

いや、それもあながち間違いじゃなかったのか。デジタル作画を教えにきたといいながら、本当の目的はいろはと会うことだった大門。まずははじめとの間になにごともなかったことを明言、いろはの心配を解くところからはじめるあたり、ああ、なるほど、一本気な人だ! 正々堂々いろはに向きあって、そしてはじめが結婚してからどう暮らしているのか、そのところを知りたい一心であると告げた。対しアシスタント時代のはじめについて知りたいと応じるいろは。

このいろはと大門、ふたりの気持ちの通じたと思われた瞬間、あの笑みの語る心情など、とてもよかったと思います。

そしてはじめの語る、はじめサイドからのアシスタント時代、大門との関係、その淡い思い。はじめにとって青春を感じられる時間だった。遠く過ぎ去った日々だからこそこうして振り返ることのできる、そんな感慨もにじむかのよう。対し大門にとって今日のこの日は、青春に決着をつけるための決戦、ひとつの区切りであったのかも知れませんね。

『兎なりのウサギさん』

みたらしが呼び寄せる人と人の縁。青枝の友人たちと、そして紅詩とその友達がみたらしを中心に引きあい、ともにみたらしのもとを訪れることとなりました。

おお、紅詩の友達、牧田美沙さん、いいですね! そしてみたらし大好きの佐々木と加藤。加藤くんはすごいな。ビワの葉をくれるだけでなく、牧草とバナナのクッキーなんぞまで作ってきてくれる。そうか、焼成するというよりも、乾燥させて作るんだ。

紅詩が気合いいれてブラッシングしすぎたせいで不機嫌なみたらしも、加藤のクッキーで一発で機嫌なおすのね! しかも人がいっぱい、なんだか興奮しちゃって、いつもよりよく動いてる! こういうサービス精神? いや、なんかにぎやかさに楽しくなっちゃうとかいうの、ウサギにもあるんですね。もっとマイペースで、こういう周辺の雰囲気をあまり気にしない印象があったから意外でした。

青枝は佐々木が紅詩のこと好きになっちゃうんじゃないかって心配してましたけど、よかった、そのへん問題なかった。というか、牧田さんのことが気になっちゃってるんですね、佐々木くん。いや、でもわかるよ。牧田さん、いいよね? ええ、その気持ちすごくよくわかります。はいいんだけど、ふたたび牧田に会いたい一心で、みたらしの家を作ろうと丸太をノミで削ってる! 気持ちの向かう先がちょっと不思議。やっぱりみたらし中心の縁なんですね。

『猫またはごはんを。』

そうか、フクはお風呂が嫌いか。ネコマタとはいえ、そのメンタリティは猫のそれだから水につかるなんてもってのほかなんですね。

そんなフクの頑張りと失敗! それがきれいに繋がってるのがね、ほんとよくできてるなあ! と感心させられまして、風呂上がりのビールにカレーで味つけしたホットドックが用意されたの、まさかこのホットドッグという名前にまつわる会話もろもろが、落ちのフク水没で回収されるだなんて。ああー、ほんと、最初の最初、おやつかと思ったらバスボムだったってところからこのラストまでぴしっと一本通ってる感じ! 気持ちよささえ感じるほどでした。

しかし今回はカラーページ。色つきで描かれるカレー味のホットドッグ、その威力の強さよ! 夜中に読んでいいような漫画ではない! いや、夜中に読んでるんですけど! いやほんと、危険な誘惑、意思の強さを確かめられるかのようです。

2022年9月4日日曜日

『まんがホーム』2022年10月号

 『まんがホーム』2022年10月号、昨日の続きです。

『スナックあけみでしかられて』

台風が接近。かくしてスナックあけみもお休み、というのですが、こういうエピソードをもう数日もしたら台風がくる! って状況で読んでいるのもなかなか不思議というか他人事でないというか、妙な切実感あってひやひやしますよね。だって、今沖縄近くにあるという台風11号、相当強いっていうじゃないですか。4日時点の予報だとどうも関西にはこないみたいですが、ホームの発売日、2日くらいだともしかしたら関西にもくるかも! なんていわれてて、そんな時に台風の話題。

うん、会社が吹き飛ぶのはかまわないけど、家が吹き飛ぶのはちと困るよね……。

不安がちょっとしみじみと込み上げたりしたのです。

ほら、何年か前に巨大台風が関西を襲って、ものすごい暴風にやばさ感じたり、また電柱があちこちでバキバキに折れて広範囲で長期停電したりしたことがあって、それからもう台風の季節は気がめいってしゃあないのです。

けれど災害に不安はあれど、台風を話題にこうして明るく話している様子など見ると少しはほっとできますよね。このお店に集まる人たちも、台風だけじゃなくいろんなことに心動くことがあっても、あけみさんのこの人柄に触れてほっとできる、そんな気持ちもあったりするのかもですね。

みたいなこと思った今回。それでも台風の日は慌ただしかったり不安もあったり。そんな非日常にあって、日常の大切さをかみしめるイベント。それが台風なのかも知れません。

『歌詠みもみじ』

最近のコードのないBTイヤホン、耳につけてるのわからないっていうのもなるほどだけど、そうか、電池切れるとそんなことになるのか! 電車内でゲームタイトル爆音再生! みたいな事故、しばしば聞きますよね。今回のもみじもいうならばそんな感じ。でもそんなにヤバい動画見てたわけじゃないから、よかった、命拾いしましたね。

今回は日常のできごと、いろいろ扱ってみましたといった風情。置き配を待つ父娘の姿。直接受け取ればいいじゃないかっていわれてますけど、今、リアルの世界じゃ感染症のリスクがあるから、配達する側も受け取る側も、こうして直接の対面を避けるのがベスト、だったりするのかもですよね。とか思っていたら、感染症に関わらず置き配の方がよかったケースなんての描かれて、そうか、確かに今どきは副業とかしてる人もいるといいますね。

ええ、思いもしないところで出会って気まずい。でもこれ、事前に情報なければ避けようがないですよね。ママさん、次にパート先で上司さんにあうの、その時もまた気まずそうです。

『うちの秘書さま』

なんと夏の終わりにプールですよ。七瀬にプールにいこうとごねるはじめ。同行するのは七瀬に田中さん、とくればやっぱり山田もはずせない。で、このふたりが水着の七瀬、田中さんを迎えたときのあの行動!

まさかの土下座!

いや、ほんと、極まってるよね、ふたりとも。

今回のプールイベント。はじめは宿題させられてプールどころではなかったわけですが、はじめにいろいろ教えてくれているお姉さん方!? で、その様子遠巻きに見て複雑な七瀬の心境。これは恋の自覚ですか!? と思いきや、全然そんなことなかったという。というか、七瀬は自分が父親ポジションでいいんですか?

通報受けた山田の安定感、これもよかったのですが、ウォータースライダーに興じる田中に一緒に滑るのを拒否されながらも、繰り返し行列に並ぶ彼女をただただ見守るという一途さ、あるいは偏執的衝動! ほんと、山田、すごいキャラに育ったものです。でもってはじめが七瀬と一緒にウォータースライダー!? という夏とっておきのイベントを全力で阻む山田!

いやほんと、あの無表情のはじめよ。めちゃくちゃ面白いよ。いやもう、これ、山田の介入がなかったらはじめと七瀬の密着イベント発生していたんでしょうか。七瀬からしたらはじめは弟みたいな感覚でしょうし、あるいは発生していたのかも知れませんね。山田、渾身のインターセプトでした。

2022年9月3日土曜日

『まんがホーム』2022年10月号

 『まんがホーム』2022年10月号、昨日の続きです。

『孔明のヨメ。』

曹操の船団が動いた! その様子を見て焦る必要はないという周瑜。船の進む方向が違う。ゆえに守備を固めようとする曹操軍の意図を読み、そこに孔明の発言、長期戦が企図されている。ならば今のうちに休んでおこう。状況を受け、次から次へと変化していく双方の方針。曹操軍が退くことは前回描かれたわけですが、それを意図まで見抜いたばかりか、今すべきことを即決する孔明。その今すべきことというのが休息というの、いやもう面白かった。いや、休息は立派な仕事ですよね。

休息後に知力30%アップしてる周瑜と魯粛。いや、それは疲労で知力を落ちてたのが回復しただけじゃ……? いや、休息ボーナス値かもな! ともあれ、知が冴えわたる周瑜の次の一手ですよ。船遊びを装い敵陣を偵察に出るときた! 宴に見せかけるとなれば女性がいるな。というので、孫尚香から侍女を借り受け、そしてさらに孔明と月英もスカウト!?

いや、これ、孔明は楽器係で月英は女装係よね? いやね、まさか孔明も女装なの!? なんて思っちゃいまして、いや、私はそれでもオッケー、というかむしろウェルカムですが!? いやほんと、次回描かれるだろう偵察はなかなかに面白いことになりそうです。

『座敷童子あんこ』

あんこと母上の夏じまい風景、最高だったな。ビニールプールを片付けようとしてふたりで水遊び。さらには水鉄砲も同様で。その遊んでる時の母上の表情がね、この上もなく素敵だったんですよ! いやもう、この漫画でこんなチャーミングな瞬間が見られるなんて! まったくの予想外。思いもしないボーナスタイムでした。

そして父上とあんこ。溶解しているあんこを集めて型に入れて星形あんこに! って、いや、待って。妖しいもの大好きな父ちゃん、このおよそ普通ではないあんこを目にして、妖怪コレクターとしての血は騒がないのん!? 父上も夏の暑さにまいられたのかなあ。ともあれ、父上のコレクションにされることなく生き延びたあんこ。いやあ、よかったですね。無事、秋を迎えられましたね。

『魔界の愛されCEOは元勇者』

魔王ののんびりさ加減、かなりのものですね。部下にいろいろ連絡をするのはいいのだけれど、魔王のひいては魔族の今後に関わる勇者についての情報、そのプライオリティが低い! 魔王は勇者のこと怖くないの? というか、あんまり気にしてないよね。そうした危機感のなさを心配して、ソヴァンが率先して動く! ええ、魔王、いい部下に恵まれていますね。

でもソヴァンも優しいやつじゃありませんか。遠路てくてく徒歩でやってくる勇者を、レガードの魔法で遠くに飛ばす。とっちめるとかやっつけるとかじゃなく、とりあえず遠くに追いやるだけなのね。こうした勇者の扱い、元同僚ゆえの仏心なのか。しかもその知りあいという自分の立ち位置を最大限活用して、勇者の注意をレガードから逸らす! いやもう、やること酷いっちゃあ酷いんですけど、勇者の頑張りがパーですからね! でも悪辣とまでいかないこのやり口、どこかしら平和的でいい感じ。勇者もちょっとは恨みが残るかも知れないけど、根の深い対立とまではいかなさそう。

いずれ和解なりする未来があるならと思うと、こうしたほどほどの対策がいいんだろうなって思ったりしましたよ。

『天国のススメ!』

お社でおそなえ物チャレンジに成功すると、光る珠が現れて願いをかなえてもらえるという噂! それを聞きつけ実際にいってみた草間。でもそうしたスポットには女子がたくさん! 草間はその見た目からあちこちで大人気! 王子だ王子だそーま様だと騒ぎになったんだ。

で、女子避けに太一についてきてくれるよう頼んだと。願いごとは太一が好きに祈っていいからっていうの、草間の目的はあくまでも不思議現象で願い事じゃないっていうのあからさまにされていて、おお、草間よ、君は本当にブレないなあ!

ここからの展開。神様の望みは大福という噂が神様本人から否定されて、しかも光る珠の正体、というか目的? 意図? 願いが叶うよ合図じゃなくて、アイスをおくれサインだったんか!

わかるかそんなもん! でも今回は太一パワーで神様の望みも意図もすべて判明したわけですが、ここで単純に太一と草間がアイス買ってきてめでたしめでたしにならなかったところ。かつて神様の声を聞き、勘違いとはいえずっと大福をそなえ続きてきたその人に、神様の望みをかなえる役割を託したところ、それが本当によかったと思ったのですよ。

ああ、ここに人の気持ちを大切にしたいと思うふたりの粋があるじゃありませんか。誰の思いもないがしろにしない、そうした優しさが、神様にもその和菓子屋さんにもしっかり通じた素敵なラストでした。

2022年9月2日金曜日

『まんがホーム』2022年10月号

 『まんがホーム』2022年10月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。芸術の秋、音楽の秋でしょう。ちょこんと座ってオカリナを吹くらいかがメインで登場です。『先輩に推されて仕事になりません!』は瀬谷の指揮で花村が鍵盤ハーモニカを吹いてるのですが、どうにもうまくあわせられないようですね! ふたりそれぞれに違うセーラースタイルが素敵です。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は横笛に月琴。と思ったけど、月琴にしては竿が長いな! これ、当時の楽器なのでしょうか。かも知れませんね。

今月は新規ゲストが2本です。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

唐突に職を失い公園でひとり途方に暮れるキョースケ。しかしこの人、すごいな。公園の猫総取り? 大量の猫に取り巻かれてたかられて、そんな彼を驚かせた突然の物音。不安に思いつつもくさむらを確かめてみたら、デブい猫ちゃんがばったり倒れていたというんですね。

まだあたたかい! 生きてる!

からの即座に行動に移すキョースケ。夜中に開いてる動物病院を探して奔走するのですが、いやいや、待って待って、動物の治療費は高いよ!? 職を失った、しかもろくに金も持ってなさそうじゃないですか。仮に診てもらえたとしても、今度はキョースケが干上がっちゃうよ!

と常識的な判断は彼にはないようで、次々病院の戸を叩いては袖にされ、それでも諦めずに辿り着いたのがさくらば動物病院。翌朝リニューアルオープンというこの病院を、なかば無理矢理に開けさせて診てもらって、というのですが、その猫ちゃん、もしかしてただ寝てただけ? いや、どうもそれだけではない模様。首もとの意味深な星形模様。キョースケの記憶にうっすらと残る猫の記憶。などなど、困ったキョースケを助けるために、星の世界から戻ってきてくれたかつての愛猫なのですか!?

ともあれ、こうしてさくらば動物病院と知りあうに至ったキョースケ。うってつけといっていいのか、丁度スタッフ募集中。院長はちょっと厳しくて、それとどこかしら変わり者っぽいんですが、こうしてふたり一緒に病院を切り盛りすることになる!?

そうした導入ともいえる今回。まずは前提、しっかり作りあげてきましたね。

『ヲタサーの姫は30歳』

職を失った桃栗あんず。なんかゲスト掲載、主人公が揃いも揃って不景気だな。ともあれ、あんず29歳は離職をきっかけに学びなおそうと大学入学。いいじゃありませんか! 大学というのは、学びたいと思った人が思った時に飛び込んでいける、そんな場所であってほしい。

あんずは周囲の学生よりも10歳近く年上で、ちょっと気後れもある模様。しかしそんなあんずを迎え入れたばかりか姫と持ち上げてくれる油谷青年。アイドル研究会の中心的人物? アイドル好きが高じて、自分で衣装を作るようになってしまった。しかもかなりの凝り性なのか、相当デキがいい模様。しかも小柄なあんずにばっちりフィットというのですから、あんず氏はこの研究会に入るべくして入ったってやつなんでしょうね。

しかし相当なミスリードを食らってしまいましたよ。油谷氏が、衣装を着てくれる女子がいなかったと嘆いていたのですが、そうか、てことは女子はあんず氏ひとりか。と思ったそれが早合点。うわー、女子、いるんじゃんか。ボブカットの似合う雪氏。そうか、油谷氏がいってた衣装を着てくれない女子か、この人!

年齢を偽っているあんず氏。その秘密に気づきながらも、黙ってくれるという雪氏。あんずの描いたイラスト、少し昔のアニメ、それが取り持った縁なのですな。(そのアニメが)好きなんですか? (そのアニメが)好きだよ。からの百合妄想に発展して、油谷氏、この世の春でありますか!?

しかし、あんず氏、ちょべりぐはさすがに29歳アラサーにしてもちょっと上の語彙では!? いやもうほんと、放っておいたら勝手に年齢バレしそうな危ういあんず氏です。

2022年9月1日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年10月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年10月号、昨日の続きです。

『死神ドットコム』

夏の暑さにやられているのか、あるいはもとからこんなものなのか。炎天下、熱に浮かされたタマが釣りに興じようという。いや、それ当座の食事のあてなの? 汗だくで川釣りしようというのだけど、道具もない。適当な枝にメルメルの髪の毛結びつけて、ザリガニでも釣ろうか……。

いや、ほんと、いろいろあかんすぎる。

今回は、あの嗜虐の大家、春風も暑さで弱ってしまって、いじめる元気もない。それどころかスイカまで恵んでくれる。ほんと、こんなに親切な春風とかものすごくめずらしいんじゃないでしょうか。熱中症で弱ってるメルメルに、スイカを与えるタマ。無心にスイカを食べるメルメルはちょっと可愛いと思ってしまいました。いや、この漫画、基本みんな可愛いんですよね。それ以上に奇行が目立つだけで。

スイカのおかげか回復したメルメル。よかった、と思ったら、春風も一緒に回復していて、そこからの攻勢が酷い! いやもう、春風、いろいろ困った人。でも、スイカ大好きで皮がぺらぺらになるまで食べたの指摘された時のうろたえた様子。この時ばかりはちょっと可愛かったなって思ってしまいました。

ええ、この漫画、基本みんな可愛いんですよね。奇行が目立つだけで。

『ニチアサ以外はやってます!』

巨大セットを組んでいる特撮研の面々。強遠近のセットといってましたが、手前こそは人のサイズだけど奥にいけばもうまんまジオラマ。ちんまい木を必要分作ったり、それを塩梅よく配置したりと、細かな手作業、調整が必要になる大変な作業なんですね。

しかしこの作業を通して部員の結束が強まっていく。一緒に作業している3人。そして遠くその進捗を知らされたあかねも同様で、自分の不調に陥ることとなった原因であるたすくとの決着をつけよう。彼女を呼び出して、彼女とのこじれた関係を修復すべく働きかけ、そしてたすくの求めに応じ、バスケでの対決を申し出る。

思えばこのところ続いている展開。少し重めで、人との関係に苦しむ。そしてその先に対決が待っているというのは、まさしくニチアサ、とりわけ仮面ライダーによく描かれるタイプのドラマをここにこうして描いてみせようということなのかも知れませんね。

そしてこの対決の先には、対立していたたすくとの和解、そしてかなうならば仲間としてともに並び立つことのできる未来があってくれればいい。そんな思いで読んでいます。