『まんがタイムオリジナル』2022年11月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。童心に帰ろう? 山下さんが手に師長と榊医師のパペット装備して、楽しげなことなさっています。その周辺には小さくなった主人公たち。『小森さんは断れない!』しゅりもちんまりと、すごいな幼なくなるとさすがに雰囲気がこうも違ってくるんだ。『おしかけツインテール』花梨も実に愛らしく、そして『らいか・デイズ』らいかのこのほのぼの感! ええ、こうした年代の物語もちょっと見てみたくなる、そんなよさありますね。
『となりのフィギュア原型師』
朝倉ゴーレムにあってきたという半藤にショック受けている代表。半藤が内通者だったなんて、とかいってますけど、ほんとに心が弱ってるんだなあ代表。こんな弱気な姿、これまで見たことがなかったように思います。
けれどここからの半藤の快進撃。決して口が達者とはいえないこの男が、ここまで懸命に代表を元気づけようと頑張って、そしてついにここまで代表の気持ちを動かすにいたるだなんて! これ、口から出まかせ効果もあったかもですが、それ以上に朝倉ゴーレム対策をしっかり講じてきた、その誠意が本物だったからこその結果ですよね。
でも、これだけの展開があってまさか代表が負けてしまうだなんて、本当にびっくりしました。朝倉ゴーレム、まぎれもない実力者だったんだなあ。そしてそこからの代表の姿。よほど悔しかったのでしょう。負けたことが悔しかったこともあろうけれども、半藤の期待に応えられなかったことも悔しさの理由のひとつだったんじゃないかなあ。
今回のトーナメントイベントは、個性的な原型師がたくさん出てきた、そういう面白さもあったわけですが、それに重ねて代表と半藤の絆が深まったり、代表も半藤もより一層の研鑽を積もうと意識するきっかけができたり、そうした人間ドラマとしての面白さもありました。
ええ、えにぐまちゃん、また出てきてほしいですね。
『おしかけツインテール』
いい話でした。
受験が終わった花梨を慰労すべくバーベキューを企画した俊郎。合否の発表はまだというのですが、俊郎は花梨が落ちるだなんて夢にも思っていないのかな? いや、実際ここで不合格ってことはないと思うんですけどね。
バーベキューをめぐるいろいろ。花梨にサプライズをしかけるつもりが、いっぱいボロ出しちゃってるふたりとかね、そして頑固に花梨を働かせないようにしようとしたりとか、こういうおかしみ、実にいい。この人たちのキャラクター、そのチャーミングさ、よくよく出ていて、ああこういう関係性が好きだったなあ。しみじみ思ったりしたわけですよ。
そしてまさかの『シャーマゲドン』。そうだった、花梨受験の前夜、テレビでやってたやつですね。それがまさかこのタイミングで引っ張ってこられるだなんて予想外。ほんと、このばかばかしさ? なんともいえないわけわからなさと、対しやけに力の入ったビジュアルのアンバランスがおかしくって、いやもうなにかサメ映画見てみようか、そんな気持ちになってしまいました。
今回の話、なにがいい話だったか。それは俊郎の決めたルール2でした。今日の事をずっと覚えていること。大学に合格すればこの家を出ていく花梨たち。そんな彼女にはなむけとして楽しい思い出を持っていってほしかったのでしょうね。この心配り。受験だけでなく、この家に住んで暮してきた日々のすべてをいい思い出として残してほしい。そんな俊郎の思いにぐっと感じいって、ほんと、俊郎、どうしようもない人みたいな描かれ方も多かったけれど、こうしたところはさすがに大人だなあと思った。
ええ、ルール2を聞かされた瞬間の花梨の表情。それもまた忘れ得ぬものになりました。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
ファミレスなのかな? 新しいお店がオープンしますよ。って話題で持ち切りの八重周辺です。よほどのことなのか、クラスメイト何人もから同じ話題をふられて、その度にノリノリで答える八重と大河。ふたりともよほど楽しみなんだなあと思ったら、大河はなんとなくのノリなのか! こういうところに見える性格、面白いですね。
新しいお店、リンゼに対する反応。リンゼを知らない、ピンとこないといってるみなちゃんを、一気にハイテンションに変えた亜紀がすごい! ヒデーブとコラボしたお店だよ! なるほど、知ってるものを引き合いに出せば理解も一気に深まるよね! でも、あれ? なんでそんな表情してるの亜紀ちゃん? と思ったら、そうか、コラボした時にはこの町にリンゼがなかったから、クリアファイルもらえなかったのか! ああ、つらいね、亜紀ちゃん。わかるよ、その気持ち。
話題になってるの高校生たちだけかと思ったら全然違うんですね。八重の情報源は母。母は職場の人から聞かされた。なるほど、大人の間でも話題になってるんだ。普段はなにもないから、ひとつ話題ができればそれで持ち切りになる。それを絵の具に例えるのがまたおかしかったです。
でもその持ち切りの話題が、皆の憧れリンゼから思いがけず八重にとまったトンボに変わっていくのがまたすごい。しかもこの話題、数日余裕でもつんだ! ネットとかだとなんでもかんでも秒で消費されてしまうけど、口コミ、対人環境だとここまで長持ちするのですね。これ、話題に乏しいからみたいにいわれてますけど、こうして長く同じ話題で話せるのは豊かなことかも知れないなんて思いましたよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第41巻第11号(2022年11月号)
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