2022年9月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年11月号、昨日の続きです。

『ななどなどなど』

小町ちゃん、ご乱心ですか。体育の授業、マラソン大会に向けた練習が嫌で嫌で仕方がない。それでなんとか休めないかと考えた挙句が、ななどにビームを撃ち込んでもらうというもので、いやいや、無茶しすぎですよ。もうちょっと、こう、マイルドななんかは思いつかなかったんですか。

しかしマラソン大会。小町はそりゃあ苦手ですよね。基本、運動に関わるものはどれもこれも苦手。屋内でのんびりごろごろしてるのが好きという性質でしょうから、延々走り続けるとかいろいろもたなさそう。実際、胃液の逆流で喉がやられてるのか。ほんと、若いのに大変だな、小町ちゃん。

本番を想定しての練習、4km走るっていうんですが、思ったより短いな。ななどは小町どころかすべての人類を振り切って疾走していっちゃうわけですが、我らが小町ちゃんはというと、そりゃもう最後尾ですよ。サボってるわけじゃない。彼女なりの一生懸命。途中でこのみを煽ったらコンプレックス刺激されたり、さらには小町を置いて先にいったはずのるるが順当に順位下げて3人横並びになったりと、この悲しい最下位グループの様子。本当、サボってるわけじゃないんだけど、それこそ最下位組は最下位組で、本当の最下位は嫌だと少しでも前に出るべく争ってたりはするんだけど、でもそれがどうにもぱっとしないという……。

このあたりの悲しさはわからないでもない。ええ、頑張れとしかいいようのない、可能なら普段からちょっと体動かそうといいたい、そんな状況。涙なくしては見られませんでした。

しかしそれでもやっぱりなんとか頑張って、走りきってるんですから、そこはもうえらかったと思いますよ。こういう体育やなんかは、他の誰かと競ったりするんじゃなく、自分自身の目標に向けてやればいいと思う。なので、るるに、このみに置いていかれようとも、きっちり走りきった小町ちゃん、立派でしたよ。

『ぬるめた』

いきなりぶっ倒れたさきな。なにごとかと思ったら、風邪? 不調だったんですね。

そんなさきなをおぶって保健室へと向かうしゆき。ここからのふたりの様子。とてもよかったですよ。ちょっと甘えているさきな? いつもよりも近しい距離に戸惑い感じているしゆき? それでもこれまでそうそう見られなかったような関係性、状況見られて、あのしゆきを枕兼書見台にするさきなとかね、どう見たって甘えに甘えまくってるじゃないですか。その上、この状況で人に触られるのは好きじゃないとかね、つまりはしゆきだったら触られてもかまわないってわけですか!?

ほんと、なんかふたりのなにかが変わっていって、発展しちゃいそうな情景。期待ばかりが膨らんでしまいます。

でも、しゆきにもたれて甘えまくっているさきな。ほっぺたもにもには不許可なの? わからん、さきなの許可不許可ライン、わからん。でもしゆきよ、ここはもにもにし続ければよかったのでは? あえて鈍感を装ってもにもにし続けることで開いた扉もあったかも知れませんよ。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

最終回を迎えましたね。人の世界に暮らし、人と妖怪の仲立ちを続けている睦子を邪魔立てし、あまつさえ人や妖怪に危害を加えるまでにいたった、睦子の先祖である大妖怪、山ン本五郎左衛門。

五郎左衛門が求めていたもの、睦子に眠る妖怪の血を目覚めさせてでも果たしたかったこと、それはなにかというのが明らかにされたのですが、そうか、五郎左衛門はひとりながらえることに耐えられなくなってしまっていたのですね。

自分の生を終わらせてくれる誰かを求めていた。それを叶えてくれるのは睦子しかいないと思っていた。そうした終わりを望む五郎左衛門に、また別の可能性、個人としての人の生は短くとも、綿々と続く一族としての人の生。またあるいは、ともにあってくれる人の連なりが絶えることなく五郎左衛門に寄り添ってくれることが示唆された。寂しさ、悲しさから解き放たれるとしたら、五郎左衛門のなそうとしていること、それもまた変わっていくのかも知れませんね。

この漫画は、人と妖怪の共存する社会というものを多様で個性的なキャラクターを通じて描いてみせたころに面白さがありました。人、妖怪の営みに彼らの暮らす社会や世界が見えてくる、その広がりや奥行に魅力を感じていました。漫画としては今回で終わってしまいますが、これまで語られ描かれたその世界の広がりが、今度は逆に彼らのそこでこれからも暮らしていくだろう様子を想像させてくれるように感じています。

0 件のコメント: