2022年9月5日月曜日

『まんがタウン』2022年10月号

 『まんがタウン』2022年10月号、発売されました。表紙は『派遣戦士山田のり子』。山田のり子が9月12日発売の単行本を手にVサイン、と思ったら、その後ろに『主任がゆく!』の北見主任が! 双方ともに長期連載ですよね。まだまだいける、そんな風格さえ感じさせるふたり。そのタッグの心強さ!? コラボ企画もスタート、ということで、山田のり子と北見主任のかけあいを漫画で読むことができますよ。そして『鎌倉ものがたり』のおふたりも。作者さん50周年なんだ。すごいですよね。ほんと、超のつくくらいの長期連載、偉業です。

『押しかけギャルの中村さん』

やっぱり中村さんは攻勢に出てる時の方が表情豊かでチャーミングだなあ。デートのマニュアル本を引きあいに出した時のあの顔! 耳に寄せてダーリンと囁くあの表情! えらいこと高威力じゃありませんか! でもその前ページの腕を組んでちょっと頬赤らめるところとか、続くゲーセンにて楽しそうに笑うあの表情とか、そうしたところにはこの人のピュアな部分がのぞいて、それもまた魅力を高めていると思うのですね。

さて、買い出しに出かけたついでにゲーセンデート? っぽいことしてる秋山、中村のふたり。そんな彼女らが遭遇したのが、かつて秋山たちのオフ会にも参加していたウテナさん。2丁拳銃で見事死霊どもを撃退する凄腕ゲーマーっぷりを披露されていたのですが、そんな彼女に警戒心バリバリの中村さんですよ。

秋山がなんかウテナといい雰囲気なのが面白くないんですね。あからさまに不機嫌になっちゃって、いやほんと、今回の中村の気分の高低、その落差たるやすさまじい。上機嫌から不機嫌まで、転がり落ちるどころか急降下ですよ。

でもね、こうした中村の嫉妬心、それを煽っていたのがウテナさんなのかい! しかもその意図が! 決して中村に敵対するとか、秋山をとっちゃおうとかそういうのんじゃなくて、ただただ嫉妬する中村を見て愛でたかったから!? あれまあ、このカップルを推すんですか? 推すんですね? でもそれでも刺激加えていろんな表情、いろんな味わいを確かめたい。そんな気持ちがウテナを突き動かしてしまってたんだ!

というか、ちょっとした危険人物だ!

まさかの波乱が秋山、中村に接近。さあどうなる。気持ち沈んじゃった中村、その気持ちやいかに。秋山になにかしら伝わって、なにかしら展開などあるのでしょうか。

いやほんと、こうした感情の動きなどがウテナにとっては大ご馳走なんでしょうなあ!

『新婚のいろはさん』

デジタル作画を教えに颯人が大門晃なる人を連れてきます。はじめの師匠。アシスタント時代の先輩なんだそうですが、体育会系、めちゃくちゃきびしい。と聞いて、すっかり男気たっぷりのゴツイ人がくるもんだと思ったら、あれまあ、えらいこと可愛らしいお嬢さんではありませんか。

しかもミニスカートやぞ。えらいこと気合い入っとるぞ。気になる後輩を奪っていった女のもとに勝負かけるべく本気出してきたのか!?

いや、それもあながち間違いじゃなかったのか。デジタル作画を教えにきたといいながら、本当の目的はいろはと会うことだった大門。まずははじめとの間になにごともなかったことを明言、いろはの心配を解くところからはじめるあたり、ああ、なるほど、一本気な人だ! 正々堂々いろはに向きあって、そしてはじめが結婚してからどう暮らしているのか、そのところを知りたい一心であると告げた。対しアシスタント時代のはじめについて知りたいと応じるいろは。

このいろはと大門、ふたりの気持ちの通じたと思われた瞬間、あの笑みの語る心情など、とてもよかったと思います。

そしてはじめの語る、はじめサイドからのアシスタント時代、大門との関係、その淡い思い。はじめにとって青春を感じられる時間だった。遠く過ぎ去った日々だからこそこうして振り返ることのできる、そんな感慨もにじむかのよう。対し大門にとって今日のこの日は、青春に決着をつけるための決戦、ひとつの区切りであったのかも知れませんね。

『兎なりのウサギさん』

みたらしが呼び寄せる人と人の縁。青枝の友人たちと、そして紅詩とその友達がみたらしを中心に引きあい、ともにみたらしのもとを訪れることとなりました。

おお、紅詩の友達、牧田美沙さん、いいですね! そしてみたらし大好きの佐々木と加藤。加藤くんはすごいな。ビワの葉をくれるだけでなく、牧草とバナナのクッキーなんぞまで作ってきてくれる。そうか、焼成するというよりも、乾燥させて作るんだ。

紅詩が気合いいれてブラッシングしすぎたせいで不機嫌なみたらしも、加藤のクッキーで一発で機嫌なおすのね! しかも人がいっぱい、なんだか興奮しちゃって、いつもよりよく動いてる! こういうサービス精神? いや、なんかにぎやかさに楽しくなっちゃうとかいうの、ウサギにもあるんですね。もっとマイペースで、こういう周辺の雰囲気をあまり気にしない印象があったから意外でした。

青枝は佐々木が紅詩のこと好きになっちゃうんじゃないかって心配してましたけど、よかった、そのへん問題なかった。というか、牧田さんのことが気になっちゃってるんですね、佐々木くん。いや、でもわかるよ。牧田さん、いいよね? ええ、その気持ちすごくよくわかります。はいいんだけど、ふたたび牧田に会いたい一心で、みたらしの家を作ろうと丸太をノミで削ってる! 気持ちの向かう先がちょっと不思議。やっぱりみたらし中心の縁なんですね。

『猫またはごはんを。』

そうか、フクはお風呂が嫌いか。ネコマタとはいえ、そのメンタリティは猫のそれだから水につかるなんてもってのほかなんですね。

そんなフクの頑張りと失敗! それがきれいに繋がってるのがね、ほんとよくできてるなあ! と感心させられまして、風呂上がりのビールにカレーで味つけしたホットドックが用意されたの、まさかこのホットドッグという名前にまつわる会話もろもろが、落ちのフク水没で回収されるだなんて。ああー、ほんと、最初の最初、おやつかと思ったらバスボムだったってところからこのラストまでぴしっと一本通ってる感じ! 気持ちよささえ感じるほどでした。

しかし今回はカラーページ。色つきで描かれるカレー味のホットドッグ、その威力の強さよ! 夜中に読んでいいような漫画ではない! いや、夜中に読んでるんですけど! いやほんと、危険な誘惑、意思の強さを確かめられるかのようです。

0 件のコメント: