2014年9月30日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年11月号

『まんがタイムオリジナル』2014年11月号、先日の続きです。

『どす恋!りきしー女』、じわじわ話が進んでいきますよ。ついに試合というんですが、なんと、女子相撲、結構な人数がいるんだ。8団体? 3人一組で2勝したら勝ち抜き。軽量中量重量と揃って、茜が結構な活躍ですよ。軽量級だと、だーんとぶつかって組んで勝つというんじゃなくて、その体さばきでもって戦うってことになる、そんな様子がよくよく見えました。団体で3位入賞。おお、頑張りました。女子相撲という、なかなかなじみのない、けど頑張ってる人がいるスポーツをとりあげて、こうして見せてくれる。それがいいなって思っていますよ。

『みつめるっ!上野さん』は、キャラクターを増やしてきましたね。博物館の展示についての知識を増やそうと図書館を訪れた上野さん。そこで出会った心を読む司書さんが面白い。上野さんを先回りして、どんどんいろいろ教えてくれる。本の名前教えてくれて、さらには江戸文化、風俗について知るにはこの本をとおすすめを教えてくれるんですね。まあ、ほんとはレファレンスは、利用者を先回りすべきじゃないんですけど、それはそれとして、漫画ですから。根津さんも登場して、まさかのファッション誌をチェックする、その目当てが例のイカ蔵さまなんですね。さて、この面々が夜には小料理屋なんぞやっている。司書の谷中さんが女将! って副業いいのん? いや、いいんだ、漫画だから。あの、皆のくつろいだ雰囲気、あれはいいですね。仲間うちで楽しんでる、そんな雰囲気が実によかったです。

『春雨平安日記』、わお、冬子に夏子、ふたりとも、どんどん美しくなるなあ。って、なんでふたりとも拳法の構え? あ、春雨君もそうか。本編もさすがに面白いです。知らない香りねから柔軟剤、丸洗いしてるのかよ! あの流れは素晴しい。女の子を連れて家に入るところを目撃された春雨の、詳細聞いたら回転ドアでしたとか、このはずしっぷりも素晴しい。信頼度ゼロからマイナス。夏子と冬子の激突もまた見事。憎み合うふたりなのかあ。まあ、そりゃそうだろうなあ。源氏物語が出てきたの、あれで不思議に打ち解けるふたりも面白い。っていうか、冬子様美しいなあ。というか、スパイとか放ってるのか。もう、ノリノリのキレキレだと思います。問題の少女、春雨の妹だったんですね。千秋。ダイナミックな子供。面白いなあ。ところで、意外とロマンチストな夏子。しまったギャグだったこれ! ほんと、最高だと思います。

『花と女子高生』、牡丹ちゃん、大活躍ですね。スタンドフラワーの依頼、牡丹指名で入ったんですね。それでみんなで牡丹のイメージ話しあったりするんですね。って、願望になってるんじゃん。牡丹のデザイン画、いきなり猫がのってて驚きなんですが、それをうまく、牡丹を傷つけることなく方向転換させた双葉、あの誉められてるところがナイスですよね。双葉、睡蓮の牡丹への愛を表したフラワーアレンジメント、それ見て逃げる牡丹がすごくいい。まあ、そら逃げるわなあ。そして見事に仕上がった牡丹のスタンドフラワー。双葉、睡蓮の付け足しが蛇足になってなかったっていうのが意外なラストでした。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第11号(2014年11月号)

2014年9月29日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年11月号、昨日の続きです。

『ばーどすとらいく!』、なんか変なことになってますよ。クルが総統となんか遊んでたら、電気使いすぎてブレーカーを落としてしまった。怒って踏み込んできたのは隣室の住人。総統との連絡用機器を見て、クルの科学力にすっかりまいってしまう。刈茅せっか。天才なのはいいけど、学校にいってないのか。それで委員長が派遣されて、とりつく島もない、と思ったら、クル様を見て飛び出してくる。全然対応がちゃうがな! せっかの部屋、フィギュアやら抱き枕やらいろいろあるんだ。PCでもって、地球外知的生命体探査に協力してる。けどその目的は、宇宙人の不在を証明したいから。なんとも不思議な人です。って、委員長、抱き枕に抱き付いてみたり、さらにはちょっとえっちなゲームに興味津々。この委員長がやたら面白かったです。そして、せっか、クルに連れ出されて、今後の学校生活、どうなるのか面白そうですね。

『ホワイトサンドに手をふって』、これ、めちゃくちゃ面白いな。キャラクターがいきいきしてて、見てるだけでも面白い。魚の個性ね、ほんとハイテンションでいけてます。そして魚のご飯ね、おりぎりに、白っぽいそうめんみたいなのにと、えらい可愛らしくできあがってるんですが、白いのは糸ミミズなのか。こうしたところ、ちゃんとした食性に応じたものになってるんですね。面白い。2ヶ月前の水槽づくりの情景とかも、大量にはびこるコケの退治とかね、そしてイシマキ貝さん殉職とか……、これアクアリウムやってると、ああ、あるある、あるよね、そんな話なんだろうな、きっと。詳しい人ほど面白い類の漫画なんだと思います。ほんと、ナポリタンとか、うまくパターンにして繰り返して、最後の最後まで面白かったです。

ののかノート』は、雪乃の飼い犬を預かるんですね。チワマル。小型犬で、お利口さん。ののかの命令では伏せないのに、あやかだと一発です。ああ、エサ持ってるから! お利口なんですね。チワ丸のお腹をののかが撫でたら、あやかもお腹を出してくるっていうんですね。そうか、ちょっと太ったのか。そしてお風呂に鼻血と、地味にお色気なのであります。しかし今回、チワ丸を甘やかすののかを見て、自分の行いを省みる、そんなあやかの姿があって、これはあやかには大きな転換ですね。そしてののかも、チワ丸の世話にちょっと疲れて、あやかの苦労をしのぶ。おおお、花が増えましたよ! いろいろな経験が、ふたりを少しずつ成長させている、そんな様子が見えてとてもよかった。あの、チワ丸に情が移ってしまったののかの涙もね、とてもよかった。そして、チワマルって、犬種なのか! 名前はきなこなのだそうですよ! これはやられました!

あまゆる。』、扉絵のユウ、なんでそんなに打ちひしがれてるの!? なるほど、バレンタインの情景だったのですね。マオとアヤが、皆を驚かそうといって、一緒にお菓子作るんですね。って、アヤ! バレンタインを知らんのか! マオ、お世話になってる人にお菓子をあげる日って、ちょいと嘘をついちゃうんですね。ハルとユウが、マオ、アヤの内緒に気づきながら、気づかぬふりをしてくれる。そして、ユウがマオへの愛に苦しむんですよ。ハルの軽口に動揺して、ほんと面白いなあ。バレンタイン当日、アヤに向けられた視線、あれってもしかしてそういうこと!? そしてユウの扉で落ち込んでた理由がちゃんとわかって、ほんと、どんどんテンションがさがっていく様子、最高に面白かったです。ねえ、ほんと、マオごともらっちゃえばよかったのに。そして、アヤからハルへの特別なプレゼント。って、特別すぎるよ! どんだけ頑張った! けど、ほんと、このふたりの様子もまたよくって、純朴で、それだけに感情が素直に伝わってくる。ほんと、みんな、いい子たちです。

フレラジ☆』は、葵がなんだか不審な行動ですよ。映画監督に会うことになって、それはいいんだけど、マネージャー氏に契約書とか持ってきて欲しいと要求する。なんと、やめることを考えたりしてるのかい!? なんか唐突だな。なにを考えてるかわからない。理由は特にない。ある日突然気持ちが変わってしまった? いろいろ思うところがあるみたいなんですね。この監督の、昔の思い出。遠くの友達に映画とか撮って送りたいという子と出会ってて、って、これ葵か! ということは、遠くの友達って茜か! あの頃の葵の夢と今歩んでいる道は違ってしまっていて、けどそれでも選んだ道を尊重する、応援するという監督の言葉は、葵になにかを伝えたみたいですね。そしてマネージャー氏の失敗。なんと、茜に葵の迷いが最も悪いかたちで伝わってしまった! 茜の突撃。葵はどうする! どうなる? であります。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第11号(2014年11月号)

2014年9月28日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年11月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』、トオルが意外やおしゃれさん。両手にいっぱいの紙袋、服とか小物、アクセサリーとか、いろいろ買い込んだって感じ。この子のイメージとはちと違う、そんな雰囲気。可愛い服、スカート、しかも下にヒラヒラ、そうした様子も印象的で、ほんと可愛い。おしゃれもショッピングも、全部楽しんでます、そんな風なのであります。

『癒さレクチャー!』、面白いなあ。麗が花粉症? クシャミ鼻水がとまりません。それでもやシスがあがる? かと思ったら、他のことに熱中してるととまるんだ。部活での、なにが癒しになってるか、それを発表する様子がね、面白くて、お風呂が好き、おいしいもの食べるのが好き、そこまではいいんだけど、両方組み合わせるっていうね、お風呂にオムライスを全部こぼしたっていうね、思いもしないダイナミズム、蓄積された勢いが一気に花開くような展開に見事にやられました。聖の文具愛、書店愛、あれもよかった。常識人に見えるけど、フェティッシュな喜びに突き進んで、素晴しいな。機能に向けた偏愛、この子はいいプログラマになりそうな気がします。汐里の地味な喜びもいい。そして、七瀬です。変態です。もう終盤は七瀬の変態が大爆発だな、そう思ったら、聖もいい線いってますね。七瀬の、しゃべらなきゃ美人という評価。実によいです。

『まちカドまぞく』、いいですよ、いいですね。優子、シャドウミストレス優子って名乗ってる。シャミ子、シャミー、シャミりんと、適当にあだ名がついていくけど、お気にめさない模様です。しかし、桃色魔法少女との対決、見事に大負けで、なるほど、サッカーに例えるなら1-7くらいの負けっぷり。しかもその1点は、杏里の、友達としてのよしみであるのか。逆境だなあ。魔法少女、桃がいいですね。シャミ子、いやさ優子がまったくいいようにあしらわれていて、圧倒的に実力不足の優子のこと、暖かく見守っていてくれてるんだなあ。電話番号交換して、って、これ、教えただけか。そして対決と見せてトレーニングにつきあってくれてるっていうね、この優子のいたらなさ。桃の面倒見。まったくもって、からまわりでから騒ぎ。面白かったです。

『オトとこのこ。』、ゲストです。ナンパから助けてもらった、そういってる女の子、は仮の姿。実は男の子だっていうんですね。そして助けてくれた女の子、こちらも中身は男の子。ふたりともに見た目は女子、中身は男子、けどその事実をいつ告げようっていうんです。助けてもらった子は、このこ。助けた方はオト。このこが高校生で、オトは中学生なのか。オトは、このこのこと、男だって気づいてるんだけど、可愛いから気にしない。でもって、ふたり、ちょっと仲よくなって、女子談義に花を咲かせるんですね。そして最後にお互いカムアウト。さらにはふたりつきあうことになって、って、なんだろう、複雑な感じ? けど、それでも、ふたりがしあわせそうだからそれもいいか、なんて思わせてくれる様子はナイスでした。

『ブレンド・S』は、苺香の家族が出ましたよ。苺香が病欠、皆でお見舞いにいくことになって、店長もついてくるんだ! 迷惑になるよ! そう思ったら、おや、意外と大丈夫でした。苺香の姉、愛香が驚くんですね。苺香にお友達が! そして苺香の兄、香一も驚くんです。苺香にお友達が! どんだけ、この子、友達がいなかったのか。目つきの悪い妹のこと心配している兄姉。ああ、ほんとだ、兄も姉もすごくおっとり、まなじりも下がり気味で、優しげな表情です。けど、そうかと思ったら、店長にナチュラルに責めが入って、いや、おもてなしなんです。裏目に出てるだけなんです。お茶責め、煎餅責め、そして質問責め。よほど妹のこと心配していたと見えるんですが、それで苺香が大激怒。本家本元のドSだそうですよ。あの、怖れる兄、姉の表情が実によかったです。というか、苺香もきりっと凛々しい美少女なのになあ。

『天罰デス!』、ゲストです。これ、面白いな。ある朝、頭の上に数字が出ていた京極ちえみ。なんと、死を司る天使、アズラエルによる裁きだというんですね。凶悪犯罪の数々、ってこれ、冤罪なんですけどね、同姓同名、別人の罪をおっかぶせられてしまった。とはいえ、このちなみ自身変態で、いきなりアズラエルのスカートに頭を突っ込む。ぶん殴られたら、頭の数字が減る。ほう、この数字が0になると死ぬような目にあわされると。そういわれて、あえて試してみよう、カウントを0にするためにアズラエルの胸を揉みまくるとか、なんという変態か。このチャレンジ心。メンタルの強さといっていいのん? けど、それで起こったことは、中学時代のポエムを町内に公開されるというもの。それで、ちなみ、羞恥に目覚めるとか、変態のランクがどんどんアップしていくな。ちなみは、制服着てるとこ見ると、高校生なんだな。でもって、幼稚園のバイトに応募するという、それを聞いて一気に4つポイントを減らすアズラエルがね、うん、いい危機管理だと思いました。このへこたれず打たれ強い変態と、地味に罰を加えるアズラエルのコンビ。面白さとしては、『キルミーベイベー』のカテゴリーだと思う。ええ、このテイストなどなど、大変よかったです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第11号(2014年11月号)

2014年9月27日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年11月号

『まんがタイムオリジナル』2014年11月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんを中心に、テーマはガチャポン? カプセルから小さな山下ナース人形とか榊くん人形とか出てきてて、それがなんだか可愛いんですね。これ、売り出してくれないか? 『らいか・デイズ』らいかは、ぬいぐるみですね。カプセルあけたら、ナバウサギが出てきて、ああ、こいつ、なんか懐かしい。そして『小森さんは断れない!』の単行本告知カットもございます。

『満開!Sister』は、なんとサツキさんと食事ですよ! って、サツキさんがお礼したいっていってるのは、たけしじゃなくってカンナになんですけどね。カンナになにが好きかと聞いてみたら、たけしだよ! いい笑顔だ! たけしと一緒ならなんでもおいしい、そういう答が得られたから、家族皆で食事することになりました。って、箱いっぱいの金時芋! あの鼻息の強さ、最高だな、サツキさん! 庭で焼き芋。落ち葉集めて、焚き火かと思ったら、おおう七輪に焼き芋用鍋、って、そんな鍋あるのん!? わっせわっせと石を運び芋を運び、ゴウゴウ火をおこすサツキさん、ワイルドで素敵! ほんと、芋食べる時も皮むかずそのまま! たけしが野性的だなっていったら、喜んじゃって、ええ、サツキさん、大和撫子なんかじゃない、ワイルドな女子だったんですね。けど、それでがっかりするわけじゃなく、そうした魅力を認めるたけしであります。ほんと、にこにこ、素敵な人だよ! そしてさくら。うん、見た目通りじゃないよね! この子! ほんと、今日の皆はなんかいろいろ魅力的で、とてもよかったですよ。

『よゆう酌々』、先日の台風、キャンセルが出ること見越してフレンチ食べにいった戸田君、誘ったのは森永だったのか。いや、ほんと、あのいろいろ気を回す? 粧子さんが面白く、うん、女将、最初に誘われてたのね。森永の指摘であります。戸田君とずいぶん仲良くなった、そういわれて、むしろ変わったのは女将の意識ではないか。ああ、気付いちゃった!? なんだか女将、戸田君前にして神妙で、戸田君も少々戸惑う感じ。しかし、なんだろう、この味わい。バツ1の名残はほろ苦いのだ。このしめやかさ、なんだかとても心に沁みて、よかったですよ。

『ゆらゆら薬局プラリネ』、池田さんの正体、それが過不足なくみさきに伝えられて、胸ない、肩ある、確かに藤吉先輩、ってなんという切なさよ。なぜ池田が男として勤務していたのか、その理由も語られて、ああ、みさきは兄の女性嫌いがあってのことか、そう思うんだけど、どうもそれだけじゃないみたいだという。ああ、ホストクラブ勤めされてたんですよね。って、ホステス志望で面接受けたのに、ホストクラブに回されたのか。面白いな。武蔵野さんとのお付き合いも否定が出て、しかしこれで池田は兄貴とのフラグを立てたのか? いい方向に向かうんじゃないかな? 願望ですかね? なんかいろいろ思っちゃいますね。

『かでん屋さんの基礎知識』は、運動会というか洗濯機というか、ですよ。町内会の運動会に出たまま、その格好でやってきた園宮ですが、いきなり汚いといわれる、ロボット掃除機も後をつけるレベルの汚なさらしい。けど、そこからセクシーショットに繋がるとは、まったくの予想外でした。草薙ちゃんも無茶します。洗濯機の、タテ型とドラム型、ほー、こすり洗いと叩き洗い、そういう違いがあったんだ。はじめて知りました。草薙の、タテ型だと体格的に上から取りにくい。逆にドラム型だと背の高い人はちょっとしんどい。なるほどなあ。いろいろあるのだな。学校の体育祭は最近5月に行われるようになってる、って、へー、そうなんだ。ほんと、いろいろ変わってきてるんだなあ。学生時代の園宮、軽トラに炊飯器と電気ポット、電子レンジって、電源は学校の使ったのかい? いや、ほんと、面白いなあ。この漫画は、こうしたダイナミック、それがいい。園宮、草薙の思い切り、それが気持ちいいんでしょうね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第11号(2014年11月号)

2014年9月26日金曜日

江戸しぐさの正体 — 教育をむしばむ偽りの伝統

 私自身、江戸しぐさにはまったくといっていいほど関わりを持っておらず、テレビで流れていたという公共広告機構の啓発CMも、見たの1回とか2回だけじゃないかなあ。傘かしげ、とか、そのへんの話だったと思う。ふーん。ともなんとも思わず、最近はとにかく江戸っつうのがはやっとるなあ、それくらいの印象だったと思う。けれど、その江戸しぐさとやらが、まったくもっての胡散くさい代物で、その根拠となっている江戸、そこになんらの真実もないのだとしたら、おやおや、なんだこれは、そう思うのもしかたない。ええ、これ、近年の創作だったというのですね。しかも、これが気付けばまことしやかに教育の現場に浸透しつつあるとかないとか聞けば、さすがにちとやばかろう、それくらいは思おうものです。『江戸しぐさの正体 — 教育をむしばむ偽りの伝統』、本書は、そうした江戸しぐさの実際について、多様な資料をもとに解説し、批判しようというもの。出ると聞いた時には、待ってました! そうした思いがしましたね。

江戸しぐさが、架空の江戸を真実といって権威づけするようなことなく、生活の中で気をつけたいマナー集として普及していたら、そもそもこうして批判されるようなこともなかったろうと思うのです。すれ違う時には傘がぶつからないよう互いによけましょう、電車では座席を互いに詰めあいましょう、そういったものであったら、まあそうだねと、大抵の人が素直に受け入れて、けど、批判はされないだろうけど、ここまで普及もしなかったろうなあ。やはり、江戸というフレーバーが江戸しぐさには重要で、マナーとして優れているからではなく、江戸だから、伝統だから、といった面でうけたのだろう。となると、やはり江戸しぐさは批判をまぬがれえない、端からそんな代物でしかなかったのだろうなといわざるをえません。

ひとつひとつのしぐさに対し、ここがおかしい、ここが変だというのは、この本においてもそれなりのページを割かれてはいるものの、本質ではないのだろうと思っています。むしろ、なぜこうした偽の歴史をでっちあげる必要があったのか、なぜこうした偽の歴史がこうもはびこるのか。偽を偽と指摘すれば、偽でなにが悪いのか、そうした開き直りもしばしば見られる始末。人が、社会が時に陥る病的状況。この本が主眼を置くのは、そうした私たちの社会が抱える病理であります。これまでにいくつもあった偽史やオカルトを取り上げ、それらの構造と江戸しぐさのそれを比較してみせる。江戸しぐさを受け入れる時代の素地があれば、それを自分たちにとって都合のいい道具として利用するものもある。真実よりも嘘がまかりとおる背景には、嘘でもいいから信じたい、嘘だとわかっても離れがたい心理があり、また嘘でもいいから自身の利益優先で押し通したい、そうした心理があるのでしょう。

江戸しぐさが流行ったのは、今の日本の社会が弱って、どんなでもいいから立派な過去に飛び付きたい、立派だった日本にすがって、今の自分たちの惨めさを忘れたい、そうした心理もあるのかも知れません。あるいは、今の惨めさは、立派な過去から遠ざかったせいだ、立派な過去を取り戻しさえすれば、今の惨めさは払拭できるに違いない。ええ、江戸しぐさというものは、もともと芝三光氏が、自分にとって気に食わない現状を否定し、自身の求めるユートピアとして作り上げた、ありもしない江戸の昔が発端とのこと。そうした芝氏の心情と、今の社会の精神は、どこか似通っているのかも知れません。現状を否定したいばかりに、ありもしない夢にすがろうという弱さをともに抱えてしまっている。その結果、不誠実なコンサルその他のカモにされてしまっている。これは、歴史にとっても社会にとっても、不幸でしかありえない、そんな状況であるとつくづく思わされるのでした。

2014年9月25日木曜日

Rainy morning, taken with GR DIGITAL IV

GR BLOG、月末のトラックバック企画であります。今月のテーマはホームであります。ストレートに家でも野球のホームベースでも、他にもいろいろ、ホームという言葉を自由に解釈していいですよ、とのことなのであります。なので、まずは冒頭の写真、なんでキーボード? って、ホームポジションでありますよ、って、それはいくらなんでも無茶な! と、無茶はここまで。トラックバック企画「ホーム」に参加します。

とはいえ、決してストレートではないのです。自分の家、また自分ないし誰かの安心できる居場所、そうした写真はちょっと最近撮れていない。というわけで、いろいろと見てまわって、そうだなあ、これだなあ、と選んだのは、家路? そういったイメージのある写真でした。これは私の個人的な経験に基づくものでしかないから、他の人が見てもなんてことない、そんな写真に過ぎない。けど自分には、この写真を見れば、家を、ホームを思い出す、そうしたものであるのですね。

2014年9月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2014年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2014年11月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』、芸術の秋ですね。タミがですね、マチの絵を描いてるのですよ。すごく楽しそうに描いていて、けどその絵を見るハナの表情が微妙すぎる……。ちょっとマチが不安そうにしている、その吹き出しの中の顔が可愛かったです。というか、本当にどんな絵だったのか、ちょっと見てみたい。見えないことが、さらに興味を持たせる、そんなイラストであります。

『天地せっちゅー』、ゲストです。四コマですね。学校帰りの女の子が拾った輪っか。これ、なんだろう? 天使の輪だったんですね。それで落ちてきた天使と知り合って、一緒に遊んで、クレープ買い食いしたりね、ゲームセンターいったりしてね、地上の楽しみを享受するんですね。仲良くなって、また一緒に遊びましょう。私の地元を案内しますよ、って、それ天国じゃん。いつ頃空いてます? との問いに、70年後くらいかなと答える、その応答が面白かったです。

夢喰いメリー』、いやはや、はらはらを持続させてくれますよ。神社にて白儀と対面する夢路とメリー。あからさまに警戒するメリーに、色がついていないと安心する夢路。けれど、それはむしろ夢路の安心を打ち壊すものであったんですね。まさかと思いましたよ。このまままた白儀は逃げ切ってしまうのではないか。けれど白儀も、もう隠してる必要なくなったんでしょう、メリーの追求に自分がなにものであるか、段々に明らかにしていって、ああ、メリーと同類なんだ。彼の目的は、彼の完璧主義、そこにあるのか? 悪意などもなにもなく、ただ自分の納得いく状況を求めている、それだけなんだろうか。幻界と現界を混ぜようというのか、そう問うメリーに、メリーの存在を指して、もう世界は混ざっていると指摘する。本当、一気に状況は変わってしまった。現界に現れてくる夢魔に、当然発生する戦闘、完全に状況は違ってしまって、そしてそのピンチに駆け付けたエンギ由衣、その格好よさ! ああ、本当に状況は全然違ってしまっています。

『トリガーハッピーウィッチ!』は、極楽堂大繁盛です。モモのくまちゃんが大人気なんですね。って、コーナーがすごいな。そこに現れたマサムネ、チーとモモに用があるみたいなんですが、それにはたくさんのお客をなんとかしないといけない。ナーススタイルに着替えて、って、いかがわしいのか、せっせと接客するんですが、あのくまちゃん持ってるところとか、めちゃくちゃ可愛いですよね。マサムネの用は八路地、前回の戦いでモモを操ってやつなんでしょうね、そいつに対する情報収集で、チーもモモもその名に心当たりがない。いやほんと、けれどその危ないやつが極楽堂に!? というか、そうした本筋だけでなく、あのシュークリームのくだりとかね、そういう描写が面白くて、ほんと、チーって魔女装束がなくなると、ただの子供に見えますね。

『鬼が出るか蛇が出るか』、おお、前提が整理されましたね。村に住む美少女3人。彼女らとの衝撃の出会いの数々が優の心をかたくなにして、けれどもうすべてを話そう。ええ、彼女ら皆、いわゆる妖怪とか、そういう感じのものだったんですね。蛇の鈴に加え、牛鬼の坂上霞、蜘蛛の平坂美来。うむ、美来さんが大変よろしい。というのは置いておいて、この村には男がひとりもいない。なんとかして娘たちに子をなさしめたい。そして、その相手として優が選ばれた理由もわかって、おおう、彼が女子に好かれなかったの、蛇の鈴の呪いかなんかかと、それこそつばつけられてたからかと思っていたら、そうじゃないのか、優の持ち前の能力だったのか! とりあえず優にとって望んだものではない状況、けれど美少女3人にかこまれたハーレム状況ができあがりましたね。ええ、優のこれから、どういう方向に向かうのか。最低な展開を期待しながら、これからを待ちますよ!

『病めるときも健やかなるときも』、うおお、なんかすごいことになってるな。詩季のもとにいる人形、姫沙羅の美しくも妖艶で、その上なんと怖ろしい。詩季、完全に姫沙羅の支配下にあると感じられる。いばらの人形たちは、いばらの血でもって命を吹き込まれているのだけど、どうも姫沙羅は違う模様。中の蟲? なんともおどろおどろしい言葉が出て、なにか妖怪めいたものなのか? 柘榴たちはどうなのか。そしてまた動き出した新たな人形。部長のドールが動いとどこかへいってしまった。解体を願う人形の真意はなにか。きてますね、きてますよ。ひきこまれるかのようですよ。

愛しの花凛』、もういよいよクライマックスなのだなあ。客として遊園地を訪れた豊。花凛にマフラーのお礼をいいたかった。そんな彼を助け導くのが、まさかのクマ! あの時のクマ! いや、もうしびれましたよ。中の人、蘭ですが、花凛のこと、親身になってるのだな。クリスマスカードの絵、あれ、すごくいいですね。そしてめるんの配るクリスマスカード。ゴンドラで待ってる。ゴンドラはラストの船、あと一人分空いているという、それをクマがかっさらっていくんですね。クマ、すげえな! スタッフが、いやキャストっていうのか? 動揺しとるがな。それで特別に一隻出ることになって、そしてそこにはめるんちゃん、いやさ花凛が! うおー、クライマックスか。これは期待されます!

2014年9月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号、昨日の続きです。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、ありすちゃん、その気になったら星ひとつくらい、簡単にぶっ壊せるんだ。素敵だ。いいなあ、ありすちゃん。ありすちゃんの人智を超えているというところ、たまにこうして描かれますけど、あ、よく見たら扉絵、宇宙空間でありすちゃんとゆせだけヘルメット被ってない! 人智を超えてるなあ。みちこがおかしいんですよ。いまだにありすちゃんのこと、銀河だって認めていない。不思議なことなんて、なにもおこってないじゃない。って、ゆせがとんでもないところから、とんでもないもの引っ張り出してるところ、何度も目撃してるのに、認めようとしない。うん、正しい心の働きと感じます。結婚に対するありすちゃんの感想がいかしました。ペットの時と説明が似てますね。いかす! さすがありすちゃんだ! ワンダーがあるよなあ。けど、彼女の語り、そしてしでかす数々のワンダー、それらが人間の営為に似てるところがある、それって、この漫画のテーマですよね。ええ、私たち人間もまたワンダーなのだ、そうしたこと思わせてくれるんですね。

『みずいろミュージアム』は岩井沙夏奈の初任給からスタートです。ああ、自分の時はどうだったろう。覚えちゃいないなあ。好きな場所で好きなことに取り組んで、しかもその上お給料までいただける。まるで天国みたいなこといってるわけですが、ああ、羨ましい。自分も頑張るべきなのか。ありたい自分と、そうであれない自分、そのギャップが描かれて、はたしてそれをどう埋めるのか。レミがね、悩んでるんですね。イルカのトレーナーになりたかった。海獣班にいきたかった、そう思っていたけれど、魚班に配属されて、その時は悔しさが募ったものだった。成さんの言葉っていうのが、理想なのかも知れないし、きれいごとなのかも知れないけれど、でも実際そのとおりかもなあ、そう思われたんですね。側でじっとしがみついてれば扉が開くことがある。それを思えば頑張れるのかも知れないなあ。なんて思った。ええ、なにか気持ちをフレッシュにさせてくれるものをこの漫画は持ってますね。

『アテナの初恋』は、ギリシャの神様のコメディにして、現代の私たちの暮らす世界、社会を描いているなあ。今回もそんなこと思わされたのですよ。子供を置き去りにして逃げる女性を見てしまった。それでアテナが、その子の面倒を見ることになって、けどその子供というのがサテュロスだっていうんですね。ということは、デュオニソスの従者の系列か。この子がとんでもないやんちゃ坊主で、アテナも振り回されてしまって、あの余裕のなくなってるアテナの目、素晴しいな。でもって、なんで私のはとらないんだ!? って、ちょっと、なにおっしゃってますの!? この顛末、母親がちゃんと現れて、けどただその人が悪者だという風にはならないのがよかった、そう思うんですね。育児の神、ヘラがいうんですね。相談しなさい、いつでも頼りなさい。思えば、こうした支援のあればクリアできる問題はたくさんある。そうした我々の問題が、コメディタッチでさりげなく描かれて、そんなところ、実にいいなって思ってるんですよ。

メェ〜探偵フワロ』。ヴィヴィアン! ほんとにフワロ氏のこと思ってらっしゃるのだな! ヴィヴィアンのところに予告状がきたんですな。鳥人二十面相。ああー、あいつ。脱獄だけはうまいあいつな。でもってその美術品というのがロバンの品。ろくなもんじゃない。ほんと、村起こしにもならんっつうね。鳥人二十面相についても、どうせ逮捕されてもすぐ逃げるんだから放っておくという。けど、これでラウールがやる気を見せるんですね。平和な村に退屈するフワロ氏とラウールの対決ですよ。双方ともに、相手の出方を予想して、準備に余念がない。それがもう楽しそうで、このふたりとも、ある種、似たもの同士なのだなあ。しかし、これはラウールの勝ちなのか? それとも出し抜かれながらも、きちんと見抜いたフワロ氏? いや、取り押さえたヴィヴィアンなのかなあ。フワロ氏に熱をあげるヴィヴィアンだけど、ちゃんと連れ合いのことも思ってる。そういうところはいいですよね。そして、ヴィヴィ孫、あの人、その気持ちの奥? 感情が少しずつ見えるようになってきてるといいますか、そうしたらなんか不思議と可愛いんですね。ええ、愛すべき登場人物たち。皆、とてもチャーミングです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第11号(2014年11月号)

2014年9月22日月曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、絵を描いているマキであります。芸術の秋、なんでしょうね。けど、その描かれているのがダッキーというのが彼女らしい。まとめられた髪、頬には絵の具がちょっとついて、その笑みも実に素敵なお嬢さんです。『うぶコメ!』主役のふたり、一緒に写真を撮っているカット、そして『ミッドナイトレストラン7to7』、ものすごいサンドイッチのタワーのカットもございます。

どろんきゅー』、めちゃくちゃ面白かったです。アキと一緒に出かけた先で、佐倉さんが迷い込んだのは人ならぬものが集まるフロア。なんとサクラは幽霊? おばけ? の間での有名人になっていて、近づいただけで成仏しかける、四谷のも骨抜きにされた、とか噂になってるんですね。しかし、ほんと、面白かった。あのガイコツの兄さん、鉄板の血肉臓物ネタが強烈で、めちゃくちゃ面白い。そこにアキもやってきて、堂々イカサマをしてトランプ勝負に勝っていくっていうんですね。もう最高。佐倉の泣き顔にキュンときてるガイコツ兄貴に、犬の置物についた霊? エレベータの下りるボタン押して、ハンカチ振ってさいなら。ほんと、こいつらいいなあ。めちゃくちゃ面白かったです。

『ピンポン☆ブー』、あややのクイズ研でのポジションが決まったー! なるほどなあ。夏祭りでのこと。欲しいのいっぱい手にはいるって、あややがすごくはしゃいでて、なんでかというと、その強運なんですね。くじびきで1等をもぎとる。2等3等と連続でもっていく。すげえ。なんでなのか、その説明がね、昔事故にあった時に、この子を助けてくださいと、神様に祈ってくれた人がいたっていうんですね。僕の運をすべてあげてかまいません。それで、あややにはふたり分の運が備わっているらしい。ほんと、この素朴で真摯な願いと、それを語るあややの口調、それが不思議にしみじみしました。そしてその人のシルエット、大平先生っぽいなあ、そう思ったら、ああ、本当にそうだったのか。そうかあ。今のクイズ研の面々は、大平先生の意思も運も引き継いでいるんですね。

笑って!外村さん』、おお、由井さんと和解して、はじめてのデートですよ。あの性格の悪いっていう子ね。実は気にいってるんですが、ほんと、外村さんに、素敵だ、大好きだ、そういわれて赤面。最高じゃん! この子、直球に弱そうだな。春野さんと三人で街に遊びにいくんですね。気負う外村さんに、ダブルつっこみが入るっていうのがね、もう本当に面白かった。由井さん、外村さんを男の子に仕立ててみたり、また外村さんのあの表情を怖れない、いやむしろ決まってると喜ぶ店員さんとかね、実にいいですよ。ハンカチのギフト包装、落ちの外村さんの表情、こういうのも珍しいですね。すごく可愛い。しかし、外村さんの周辺もにぎやかになりました。性格の悪い由井さんも、ほんと最高にいい友人です。

ゲキカラ文化交流』、最高だな。カレーにリンゴ、カレーにサンマ。もう、ガツンガツンきましたよ。

『BONSAIガール!』、ゲストです。これ、いい感じですね。絵に魅力があって、扉のヒロイン、小さな盆栽持った梅山ももこがぱっと目を引く、そんな華やかさを持ってとてもいい。ええ、そんなお嬢さんが、ホームセンターにて園芸コーナーの係になりました。蜂とか毛虫は苦手。溶接面かぶって、ごつい手袋して、盆栽を虫から守る。健気な様、実にいい。ももこが、育っていく自分の手をかけた鉢を見て、段々盆栽に興味を持っていくんですね。名前をつけるレベルですよ。それを見ていた竹林マネージャー、ちょいとアドバイスなんぞして、どうも詳しいらしい。けどそれを隠している。なぜか? なぜなのか? 謎がありますね。売れ残った盆栽をひきとったももこ。マネージャーのアドバイスをうけながら、盆栽を育てていくのかな。なかなかに面白くなりそうな予感がしますよ。

ところで、すごいな。溶接面でネタがかぶるとか、ミラクルを感じます。

『前略、パリは甘くて苦いです。』、『踊る!アントワネットさま』のにしうら染の新作です。舞台はパリ! パリ!? パリとはいえど、今度は現代のパリですよ。星川洋平、パティシエの卵。製菓学校を出て、実家の洋菓子店で働くつもりだったのに、修行してこいとパリに送り出されてしまうんですね。父の友人の店のお世話になる。住居もろもろ用意してもらうという、結構いたれりつくせりのパリ留学じゃん! 夕食に、ありあわせの材料でパンケーキを作るんですね。それで偶然? 知り合った女性、向かいのアパルトマンの人、魚焦がしちゃってね、それで夕食、パンケーキいかがですか、誘うんですね。ちきしょうめ。魅力的な女性です。フランス語での会話、今はvousで呼びあっているふたりですが、今後より親しくなって呼び方が変わる、そういうのが描かれそうだぞ。vouvoyer、tutoyerってやつなんですが、2人称、今はちょっとかしこまって話してるってことが表現されてるわけです。この女性、ミシェル・ベルナール。驚きの味覚、パンケーキを食べて、なにが使われてるかどんどん当てていく。洋平が修行する店で働いてる人だったんですね。どうもおっちょこちょいらしい、ミシェル。厳しそうなオーナーのもとで、ふたり修行する。面白そうですよ。

『光れ!メシスタント』、ゲストです。漫画家志望の遠野光が、アシスタントに入ったのは漫画家近藤早月先生のスタジオです。先輩アシは檜山陽に中辻杏、って、中辻さんは光と同い年なのか。アシスタント初日は、とりあえずご飯を作ってくれ。陽のリクエストはがっつり肉。杏のリクエストはあっさり野菜。その相反する注文を、光、ピカタで見事に応えてみせるんですね。かくして、その真価を見出された光は、このスタジオの重要なポジションを占めることとあいなりまして、それは飯スタント。今後の食事はよろしく! 漫画もちゃんと教えるよ。けど、より以上に飯! うん、悪くないと思う。光の動機、その希望からはちょっとハズれながらも目的には向かいつつ、料理を描き、レシピもちょい載せ。そして陽、杏という違う個性、違う好みに応えていく。キャラクターもうまく揃った。表現の筋道もしっかりしてる。そう思ったんですね。というか、先生と杏、可愛いよね。どえらい可愛いよね。

『タフオ☆カスタマイズ』、ゲストです。新人まんが展から、とのことです。面白かったですよ。ゆみ氏とタフオは幼なじみ。って、ちょい待て。タフオって本名か? タフオが恋をしたという。太ってる人は好みではない、そういう情報得て、やせようと決意した。なので、ゆみ氏に助言を求めたというのですね。しかし、タフオ、ずっと太ってきた。ゆみ氏は、太ってるタフオしか知らない。実は気になってたんですね。タフオ、やせたらどうなるんだろう!? タフオ曰く、すごいイケメンでしょう。ゆみ氏は、んなわけねーだろ、って思ってますよね。しかし、デブになる生活が身についてしまってるタフオ。それを見事やせさせることができるか!? いやいや、ゆみ氏、前途多難そうですよ。はたまたタフオの恋も前途多難そうですよ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第11号(2014年11月号)

2014年9月21日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年11月号

『まんがタイムきららミラク』2014年11月号、先日の続きです。

『ハルソラ行進曲』、秋から冬に近付いてる季節。朱莉がもう寒がりで寒がりで、この子、活発そうなのに、結構あかんたれでいいですよね。寒いといったら、サヤが抱きついてくる? 警戒したら、まさかの上着。ちょっと拍子抜けなんですね。距離が近いのは困るけど、もう慣れちゃった。ひとはだでとかいわれた方が、むしろ安心しちゃうんですね。いいよ、いいよ。今日はパソコン実習なんですね。なぜパソコンなのに作業着とかいう話があったり、作業着がめちゃくちゃ嬉しい若乃とか描かれたりして、うん、若乃、いいなあ。つよいんだ。いいなあ。けど、若乃はパソコンみたいに具体的にかたちのないもの扱うのは苦手。そんな感じで、皆、コンピュータについての印象語ってね、そしてポケコン、ロマンやらクールやら、ガジェット趣味が見てとれたりね、こういうのがなんだかいい。そして若乃のいたずら描きとかもね、知らない誰かと加筆しあってね、だんだん仕上がっていくの。ほんと、この子らの授業受けてる感じ。自然体というか、無理なく彼女ららしい、それがすごくいいんですよ。

アンネッタの散歩道』、うおー、すごいな。これ、核心に迫ってるよね。アンネッタが母の思い出を探している。なにも覚えていない、だから館の使用人に聞いてみて、そうしたら日記を渡された。母のありし日の記録。それを読んで、ああ、アンネッタ、思い出すんですね。母と妖精のこと。アンネッタには幻視家の目があること。そして、母が妖精に連れていかれたこと。うおー、おそろしいよ。しかし、これでアンネッタの意識がぐっと変わるんですね。妖精について、怪異について、知らなくてはいけない。アイルランドの怪異と人との関係、それを知らなければならない。ああ、それがメイヴの直面している問題、それを乗り越えさせる契機になるのでしょうか。ほんと、一気にぐーっと深まった。ひりひりしますね。もう、ずっと心つかまれっぱなしですよ。

ゆずりはコーポレーション』、おー、単純に会社おこして、地味に販売がんばる、そういう展開に留まることなく、ぐいぐい話を広げて、これすごくいいですね。刻環静流、総合商社刻環産業の娘が、夜桜HDの娘ゆずりはに挑む。それもテレビを巻き込んで、売り上げ対決をする。手探りで、少しずつ進めてきたゆずりは達と違い、静流は最初からメディアも巻き込んだ戦略をたてていたんですね。刻環と夜桜の代理対決。いやに挑戦的な静流に、それもまた宣伝になるからと、受けて立つゆずりは。ちょっと無茶かも、みたいに思うけれど、これでより一層がんばらないといけない。モチベーションがより明確になって、けど決して無理はしない、させないという彼女らの取り組み方にいろいろが見えた。ゆずりはの、友人たちへの気持ちや、またこの子の意外と芯がしっかりしているところとかですね。ええ、ゆずりは、意外に社長の器なのかも知れませんよ。

『となりの魔法少女』、最終回でした。けぇとウサの心にひっかかっていたもの。その気になるものを追った先に、あの日消えてしまったあきがいたんですね。夕暮れの教室。ふたりを待っていたあき。ああ、ハッピーエンドか。よかった。クマがあきに、自分の中にあった魔法を返してくれた。それであきは戻ってこれて、けぇとウサと再会、別れてから今日までに見て経験してきたこと、皆で話し合うんですね。けど、それで終わらなかった。ずっとこの漫画のどこかに漂っていた陰鬱さ。それは最終回にも健在で、ああ、あきを支えている魔法、それが足りない。もう数時間ほどでまたあきは消えてしまう。それで、残りの魔法を使って、ふたりに自分のいたという記憶を残すんですね。ああ、残酷だ! けれどあきの気持ちはわかる。あきのことを記憶にとどめたい、そう願う友人ふたりの気持ちもわかる。ああ、本当、寂しくて、悲しくて、けれどその決然と終わりを描いて、見事でした。しみじみと心に残すもののあった、そんなラストでした。頑張りました。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第11号(2014年11月号)

2014年9月20日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年11月号

『まんがタイムきららMAX』2014年11月号、昨日の続きです。

アリノス☆ワンダーランド』、大学の風景が描かれますよ。たかみん、ナカちゃん、ふたりの通学の情景。そうか、ナカちゃんに先にいかれると、たかみんは泣いちゃうんだ。大学は丘の上、学校へ向かう坂道で息がきれるたかみん。デザイン科の教室に向かう階段でさらに息のあがるたかみん。けどダイエットは兼ねないのか。ふたりの、技術はともかく理論に苦しんでみたりね、そして校内で迷ってみたりね、そうした新入生らしさ、フレッシュさがあっていいですよね。そしてルリ。おお、なんかルリがしっかりして、かっこいいぞ。そう思ったら、みかの前だとやっぱり気が抜けるのか。バレないつもりでいちゃいちゃしてたら、たかみん、ナカちゃんに見られてた。そうか、たかみんはそんな関係に憧れてるんですね。しかし、それが相撲になるとか、ほんと、ナカちゃんの発想、勘違いにまいりました。

『うにうにうにうに』、めちゃくちゃ面白いな。まんなかのおねーちゃん、サツキが帰ってくるんですね。って、なんで、ゆき姉ちゃん、そんなに邪険にするんだ! いきなり締め出すどころか玄関の扉にバアンと挟んでみたり、もうヒドい! うち定員4名だから。もう、ほんと、ユキ姉ちゃんったら酷い! 最高におかしかったです。サツキ、フランスで宇宙の研究してるんですね。それでうにのことを警戒する。危険な宇宙人らしい。けど、全然そんな風にならなくて、っていうか、うにの可愛さにサツキ、陥落しそうになってるじゃん! ほんと、噛み合わない会話にいじわるなユキ姉ちゃん。しかもサツキ、それがいいのか! 変態かよ! サツキのいうことが理解ができずにいるうに、いやもう、おかしかったです。

ご注文はうさぎですか?』は、なんとメグの隠された一面でありますよ。体育の授業でやった創作ダンス。最初はずっとうまく踊れなかったメグが、チノ持ち込みのバレエ音楽で、見事にバレリーナ! って、今回のテンション、これ、また、なんかおかしいぞ。なるほど、メグのお母さん、バレエの講師をしてるのね。それでチノもちょっと習ってみることになって、それがココアはじめ他の面々にも波及していくのか。くつろいでる(風に見える)ココアが可愛かったな。でもって、お嬢様学校組の仕上りのはやさ! ほんと、なんともいえない元気なノリ、それがあってメグのあの笑顔でしょう? ほんと、素敵なエピソードだった、そう思います。メグのお母さんもよかったですよね。

ホームメイドヒーローズ』、お、進んでる、進んでる。正義側のヒーロースーツ、それがだんだんかたちになってきていて、人口筋肉によるアシストとか、なるほど地味にパワードスーツ。マスクも、酸素ボンベ内蔵で15分ほど潜水可能。すごいな、やるじゃんお母さん。今回はね、こういったスーツ開発の話で終わりかと思ってたんですよ。この後に、悪の組織側のスーツが披露されて、こちらは人の科学を超えた力でしょう。けどそれなりに現実のものにしばられて、こうしたおかしさだけで終わると思ってたんですよ。それがまさかの展開ですよ。うおー! お披露目か! ついに打って出たのか! 空に現れた謎の影。さあ平和を揺るがす悪の登場。いや、ほんと、これ、ほんとにこうして動き出すんだ。びっくりしました。すごいわくわくする。

『アイはぐ』、いよいよ本番ですよ。それで緊張する面々。ひかりは平気なんじゃないかと思ったんだけど、この子が一番緊張するのか、って、おいおい、レイラは魂抜けてるじゃん。今回は、ひかりの心に押し込んでる気持ち、それがぐーっと表に出るんですね。本当はこう思ってる。思ってることをいえてない。けど、そうやって弱気になってるひかりを皆でハグしてはげます。ああ、なるほど、タイトルの本来がここにきて描かれたというわけですね。頑張る娘たち、それを見守る大人たち。ステージも素敵で、この皆の気持ちが伝わって、繋がってる。そうした実感がとてもよかったです。

『みことの一手』、これもなんか不思議なテイストのある漫画ですよ。合宿にいきます。行き先は海です。蛍の親戚の別荘で、というのですが、部室から海までが一瞬。って、ワープか! 別荘では、海に気持ちをつかまれつつも、ちゃんと全国大会の対策も考えます。で、葵がやばいんですね。コスプレ? 変身? 一番弱い自分を大将にして、勝ちを稼ぎましょう。その捨て石扱いに興奮してる……。そしてみことが自分の弱点を克服したい。人前でも平常心を保てるようにしなければ、その思いを口にすれば、蛍がコスプレプランを提示する。海で、九路盤を使っての対戦。日射しで目を痛めちゃいけないとサングラスを差し出し、帽子、上着も差し出す蛍がやろうとしてたの、コスプレプランの実践なのか。ほんと、この、みこと曰く変な事。おかしくて、けれどまさかこの変な事がみことにひとつ気付かせる。おかしいんだか、真面目なんだか。この塩梅、なんともいえません。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第11号(2014年11月号)

2014年9月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年11月号

『まんがタイムきららMAX』2014年11月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』、メインの5人が揃い踏みであります。中央にかしこまったシノ、両手にアリスとカレンなんですね。アリスが担いでいる蛇の目傘、ちょっと大きくてですね、アリスの小柄さが際立っております。そして後ろに、綾、陽子。大人しい綾、元気な陽子。右に大人しい組、左に元気組が揃って、けれどこれでうまく調和している。こういうところが、『きんいろモザイク』のらしいところなのかも知れないですね。

きんいろモザイク』、金髪同盟がすごいな。シノと穂乃花。先日できた同盟ですけど、ふたりの金髪愛、金髪趣味は、もはや常人のついていける領域ではなく、綾がもう本当に見事なつっこみ役に。カレン曰く、ふたりはそれぞれタイプが違うらしいんですけどね。オールマイティ・シノと一点特化穂乃花。って、これは単にシノが見境ないってだけなのでは……。しかし、今回はシノと穂乃花の金髪愛をかけた対決とかおかしなテンションが面白くて、ほんと、なんなんだろう、このノリ。もう、最高でしたよ。

いちごの入ったソーダ水』、皆のペンネームが決まりましたね。って、ほんとにこひめはがんもでいくのか。がんもか。なんか、昔のアニメ思い出すな。しかし、それでるーちゃんのペンネームがいちごになるとは、って、ああ、そうか、タイトルのいちごってこれ!? 今回は、月の真夜に対する男前攻撃、あれが見事でした。先生、完全にやられちゃってますよね。ほんと、まっすぐな黒髪、皆に誉められて、喜んでるのか、照れてるのか、あるいは過去の悲しみに襲われてるの? 先生、翌日も髪下ろしてて、よほど嬉しかったんだなあ。なんか、この交流とてもよかったです。そして我らが杏奈。いかすな! 全然むくわれねえな! ところで、月と雛菊がコラボすると、いちごだいふくになるのか……。

『透明スマイル』、ゲストです。クラスの目立たない女の子、遠野さんに声をかけてみた藤森君。って、私が見えるんですか、そのセリフに、もしかして幽霊なの!? いや、そういうわけじゃないのか。人魂飛ばしてたりしたから、本当に幽霊なのかと思いました。目立たない。誰からも声をかけてもらってなかった。それが、こうして話し掛けられて、ちょっと驚いて、けどなんとかして友達増やしていこう。目立つ服装してみたり、それでよりによって幽霊というのもなんですが、結果、これで演劇部の友達をひとり、そして学校に怪談をひとつ作っちゃうんですね。今はまだふたりだけの友達。これからいろいろチャレンジして、友達が増えていくのでしょうね。

『新米アニメーターひなイズム』、ゲストです。新人アニメーター、大泉ひながやってきたのはスタジオ練馬。今日からアニメーターデビュー、とのことですが、待遇の悪さから社員がひとりもいないという会社です。社長の桜台もか。発注に対し、ふたりで必死に描く、そんな具合であります。ひなは新人にして即戦力級とのことですが、ということは専門学校とかで描いてたってことなのかな? 新人は最初は動画から、みたいなことを聞いたりしてたんですけど、この漫画の「すごくリアル」というところは、どれくらいリアルなのかな? このあたりは、その周辺に詳しくない自分にはよくわからないところでありますね。しかしのっけから報われないひなですけど、これでこの先、どう続けていくのか、そのひなのモチベーションが問題ですね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第11号(2014年11月号)

2014年9月18日木曜日

『まんがタイムファミリー』2014年11月号

『まんがタイムファミリー』2014年11月号、昨日の続きです。

『軍神ちゃんとよばないで』、面白いなあ。黒田勢の追撃に移った虎千代軍。一気呵成に畳み込むかと思いきや、まさかの休憩。お尻が疲れたから!? けれどそれが功を奏して、敵の謀を阻止。むしろさらに追い込むというんですね。柿崎景家が面白い。めちゃくちゃ弱ぇえなあのオッサン! 名言ですよ。さらにこの人、考えなしに動く。めちゃくちゃ面白い。あの部下の、柿崎様が雑兵と一騎討ちしようとしているッ、何で大将のくせにああ血の気が大いんだあの人ァ! 名言続々。これ、キャラクターが面白いですよ。宇佐美、黒田、柿崎と、見事にみんな面白おかしくて、さらにはなんだか魅力的。これはほんと、なかなかやってくれます。

『パパとあそぼう!』、面白いな。娘とのコミュニケーションに難のあるパパ。起死回生の一打なのかい? 『魔法少女プリマじょ』。これ、さくらが楽しみにしてるだけじゃなく、パパもそうなのか、っていうか、パパ、本気すぎだ。映画をやる。もちろんさくらは見にいきたい。となると、パパは自主的に情報集めて、どの映画館なら特典があるかなどなど、きっちりばっちりですよ。ママが地味に困ってる、あれがいい。けど、映画の間、好きに買い物してたら? その一言で見事な笑顔ですよ。ああ、そうだよなあ。たまには子供から離れて、自分の楽しみ、自分の時間を持ちたいよなあ。いや、ほんと、これはいいよ。まあ、優しさから出た言葉じゃないんですけどさ。映画館でのパパの逆境。パパはプリマじょが見たいんだ!! これ、名言ですよね。そして、入場者プレゼントがもらえなくてショック! しびれますよ。ほんと、グッド、必死に映画見てるパパ、ほんと、グッドでした。満喫ママもグッドですよ。

『かしこみかしこみ』、なんと、抱き合って石段を転げ落ちたムクと山椒が入れ替わっちゃった! って、あれ? ああ、これ、映画撮ってるんだ。ショートフィルムコンテストが開かれる。グランプリは駄目だろうけど特別賞は狙いたい。といったわけで、ムクと山椒がひっぱりだこなんですね。このエピソードで描かれるのは、ムク、山椒の入れ替わりもの。山椒のふりをして、ちょっと凛々しい、凛々しい? ムクが面白く、あの肉屋のおじさんのシーン、なんか面白いなあ。しかし、これ、なにがよかったかって、賞の行方ですよ。受賞はムクと山椒。特別賞でかつ殿堂入り。すごい! って、ああ、山ほど出たから殿堂入りにして、次回から出演不可になったのか。この決着、面白かった。そして賞金のゆくえ、映画に関わった皆で打ち上げしようというのね、本当にこのほのぼの感がたまりませんでした。映画づくりこそを楽しんだ、そうした様子も見えて、なおよかったですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第11号(2014年11月号)

2014年9月17日水曜日

『まんがタイムファミリー』2014年11月号

『まんがタイムファミリー』2014年11月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』がメイン。秋の味覚なのかな? カツ代がたくさん買い込んだ肉まんを、海老原さんごが狙ってるんですね。後ろから飛び付いたのかな、思いっきり抱き付いてるさんごの表情、あれは大変いいものです。そして『大家さんは思春期』、アメリカンドッグを食べるチエちゃん、イカの姿焼きとたこ焼き両手にした『椿さん』。見事に食欲の秋であります。

『ダ・ヴィンチ系女子高生』、こないだからスペインにいっちゃってますが、ソフォニスバ、快活で勢いあって、ちょっと失礼っぽい女性。すごくいいですよね。こういう女性はとてもいいですよ。女性だからといって、いろいろ制限のある時代、状況に、なんとか打破してくれんと情熱をたぎらせるその意欲、姿勢はほんとかっこいい。実際、くだらないもの、くだらないことに足なんてひっぱられたくないもんな。そして、クロナカ、今度はミケランジェロのもとに跳んでいって、しかもそこから時代を遡る! ヤングミケランジェロ! ということは、レオナルドもまた出てくるのか!? この時代や人を転々とするクロナカの旅、ほんと目が離せない。というか、男装クロナカから目が離せないんですが!

『教壇のポラリス』、タイトルが変わるのかあ。次回から『先生と星が教えてくれたこと』になるそうで、ええーっ、ポラリスの方がよかったー。『教壇のポラリス』でわかりにくいのなら、サブタイトルに新タイトルをつけるでいいじゃないですか。ポラリス、北極星の意味するところ、いろいろ思うんだけどなあ。さて、受験の話、杏がAO入試の一次を決めてきた。というわけで、次は面接。杏をずっと担任してきた、鯨井先生が心配しているんですね。バスケ部だった時のこと、杏が話したがらない。面接のウィークポイントになるのではないか? 杏のバスケ部での顛末、それを知ってるだけに、心配がつのるんですね。なにがいけなかったのか、それは今ではよくわかっている。杏が、天川先生が天文台時代のことを話すとき、寂しそうだという。けれどなぜ教えてくれるのか。そうしたところ、先生と生徒の交流にこそこの漫画の面白さはあって、天文のロマン、そして同じ目の高さで向き合っているふたり。けど、それでもやっぱり天川先生は、ちゃんと先生なんだなあ、そう思わせてくれるところあって、ほんと、よかった。やわらかで、しみじみと心にしみる思いがある。ほんと、いい漫画だと思っています。

『火消しなでしこ』、ほんと面白いな。今日の体育は鬼ごっこをやります。30m×30mのフィールドに入って、5分間、鬼から逃げられたら勝ち。最初は鬼が2人、1分ごとに1人ずつ増えて、全滅したらペナルティ。鬼側は、逃げ切られたらペナルティ。おおう、ペナルティ大好きだな。教官のニコニコ顔がおそろしい。今回は、いつも苦労してる住吉がいきいきしてて、なんと、鬼ごっこは得意なんだ。けど、さすがに5対1となったら多勢に無勢、勝てないもんなんだなあ。あの、学校近くの女子高生? 彼女らが思ってる状況と実際との違い、それがおかしくて、鬼ごっこだから遊びとはかぎらんのですね。ペナルティはスクワット。鬼がつくスクワット。けど、住吉はじめ小隊の皆がみんな前向きで、気持ちいいよ。じっくり育っていく、今がその過程ですよね。よいですよ。

『寺島さんは悟っている』、ゲストです。お寺の娘さん、寺島さんは悟っている。落ち着いてて、無私無欲、それで皆から慕われているっていうんですね。って、拝まれるほどなのか。父ひとり娘ひとりで寺を守るのだけど、よくできた娘、寺島伊霧とは違って、父親、住職の紀寿は雑念あり、煩悩ありで、その父の駄目さが娘のよくできている様、というかできすぎてるよな、もうちょっと娘らしくてもいいんじゃない? そう心配するほどにすっきりさっぱり悟っているところ際立って、なかなかによかったですよ。このクール女子、可愛さを押し出してないはずなのに、なんだかちょっと可愛い。ええ、魅力的なキャラクターだと思いましたよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第11号(2014年11月号)

2014年9月16日火曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年11月号

『まんがタイムきららミラク』2014年11月号、発売されました。表紙は『幸腹グラフィティ』、リョウがピザを食べてるんですが、うわあ、これは本当においしそう。エビ、ベーコン、コーン、マッシュルームにトマト、ピーマン、あとあの四角いのなんだろう。チーズ? あののびるチーズの感触と、そして軽く焦げ目のついたその質感が最高で、それを食べてるリョウの表情がまたすごくいい。ぐっと目をひく、そんな魅力的イラストと思います。というか、ピザが食べたくなるんですが!

『202号室の×××ホニャララちゃん』、新連載です。高校進学を機に一人暮らしをはじめた久世。けど、引っ越し早々、どうも隣人トラブルに見舞われてるんですね。隣室202号室からドンドンと音が聞こえる。隣室は、ナノという、ピンク髪にスーツの女の子。なんか謎。すごくマイペース? 会うたびに服装変わるし、行動もちょっと変わってる、そんな女の子が住んでいて、でもって、またドンドンという音が続く。けど、なんかおかしいんですね。その音、ナノが留守の間にも聞こえてた? このアパートには出るらしい。ええ、どうもなにかおかしいんですね。問題の音も、隣室ではなく、外から聞こえる……。幽霊? でもってそれをぶっとばしたのがバニーガール? ナノなんですね。ゴーストバスターやってるの? これ、久世は記憶消されるそうですが、しかしじゃあ次回はどういうはじまりを見せる? 間違いなくナノと久世の関係、それがメイン。なのに記憶を消しちゃって、どうなるのだろう。気になります。

『フェリス★ファミリア — 王立魔法建築学校』、ゲストです。建築ものとは珍しいですね。魔法の存在する世界。建築を学びたくて、都会に出てきたリンゴ。彼女が、引きこもり系ルームメイトミーテと一緒に、街に出て、出会ったのが変な人、レム・リリア。ふたりの通う学校の先輩なんですね。魔法建築家になりたいけれど、魔法がろくに使えないリンゴ。なんでも本から学べる、知ることができると思っているミーテ。ふたりに、実際に自分の目で見てみなければ、経験してみなければわからないものがある。魔法なんかなくても、人の心に訴えかけてくる。そういうものがあるって教えてくれるんですね。このレムという人、この国のお姫様なんですね。ところで、この世界の建築様式、我々の世界のものと同じなんですね。なるほど、このへんのくだり、どう描かれるのかな。楽しみですよ。

『Noir Babies』、ゲストです。憧れの生徒会、その手伝いにやってきたまりなは、ご奉仕するのが生き甲斐、みたいな女の子。というか、やばいよ? いろいろやばいよ? 靴を舐めるとかいってるよ? それも嬉々としていってるよ! どうもご奉仕というよりも、被虐趣味というべきものがある。そんな子が、生徒会の秘密を知るんですね。生徒会、なんと生徒会長が魔女なのだそう。わお! 魔女とマゾが揃ったよ! じゃなくて、生徒会長ジュリは、猫のミミとコウモリのリリを使い魔として使役してたんですね。疲労が蓄積すると、魔力が切れる。ふたりも人から獣の姿に戻ってしまって、それをまりなに目撃されてしまうんですね。かくして、まりなはジュリたちの仲間となって、ちょっと妖しい感じ。わくわくしますよ。

『悠久図書館のヨミ子さん』、ゲストです。学校の怪談? 特定の手順で図書室の扉を開くと、異世界への扉が開く、というんですね。この世のすべての書物があるという悠久図書館。そこで出会ったのが、館長を名乗るヨミ子。ヨミ子さんに捕まると、本に閉じ込められてしまって、二度と帰れなくなる。そういわれていたのだけど、ヨミ子さんは、別にそんなことはしないみたいです。普通にピンチに助けてくれて、ちゃんと帰してくれるといいます。ライカが悠久図書館にきたのは、未来の本も読めるからなんですね。昨日出たライトノベル、その続きを読みたかった。本の楽しみをヨミ子と共有して、そして仲良くなっていく。この、他の生徒は、ただの怖いもの見たさ、肝試しみたいな感覚で図書館にくるのに、ライカだけは違った。本の楽しみで繋がる不思議な関係、それは悪くないものでしたよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第11号(2014年11月号)

2014年9月15日月曜日

のぞむのぞみ

 のぞむのぞみ』、完結巻です。女の子の格好に興味のあった少年のぞむが見舞われた災厄。突如性別が転換してしまってからの日々。いつか男に戻れる日まで、体の変化をいかに隠し通すか。彼の一種追い詰められた状況がどういう決着を見るのか、すごく気になっていたのでした。彼の変化に気付く誰かがあらわれるのか、それとも最後まで隠し通せるのか。そして彼の経験したこの奇妙な出来事、それがどのように彼の心に痕を残すのか、あるいは残さないのか。どうにでも展開させられるだろう現実味のない前提、それゆえにこの先がどうなるか予想がつかず、それだけに描かれるものには、強く作者の意図が反映されるに違いない。そうした期待があったのでした。

驚きました。こうなるんじゃないか。こういう展開があるんじゃないか。いろいろ予想していたことが、もうまったく通用しなかったのです。どれだけ自分は不自由なのか、そう思わずにはおられなかった。しかし、その予想外の展開に、戸惑いながらも、驚きながらも、こういう道があるのか。1巻時点では足りなかったピースが、2巻で徐々に埋まっていって、そしてあの結末。物語としてはすごく正しく、そして魅力的だった。のぞむが、違う性を経験することが、身体内面ともに新たなのぞむとしてのあり方に繋って、得たものもあった、失ったものもあった、けれどそのすべての経験があって、今ののぞむであるんだろうな。その変化こそに意味があった。そう思えるラストであったのでした。

しかし、このラストを迎えて、やはり思いを強くしたのは、この漫画は、性別の転換というショッキングな、あるいは突飛なものを描いて、けれどそれを決して非現実的なものとして扱ってはいないということでした。非現実的ではないとはどういうことか。ひとつは、性別の転換や違和感は現実にも存在するということ。ISであるとか、あるいはGIDというあり方、それが読んでいる間、ずっと私の意識にのぼっていた。IS、インターセクシャルはその性別を幼少期に確定させることが難しく、また外形でもって決定されていた性が、成長にともない違う性に向かうこともある。そうした話は現実にも聞き及ぶものであり、すなわちのぞむのありよう、変化への戸惑う気持ちも悩みもすべて、あながち非現実的なファンタジーと切って捨てられるものではないのだ、そういう気持ちが拭えなかったのですね。

そしてもうひとつ。のぞみの戸惑うのは、男の体から女の体に変わってしまったことだけではないということです。自分の身体が、女性として成熟していく、その違和感、不安。それは、男だった自分が女になっていくから、単純にそれだけではないのです。性の転換がなくとも、子供から大人になる、その変化に戸惑う気持ちは多かれ少なかれ誰にでもあろうかと思われます。この、自分の身体が徐々に違っていく。その違和感、知識では理解していても実際にそれが訪れるとなると、簡単についていけるものではない。なのに、気持ちをおいてけぼりに、身体だけは、状況だけはどんどん先へと進んでいってしまって、ええ、のぞむの経験していることは、多少、とあえていいますが、多少誇張されてはいるものの、一種普遍的なものであり、誰もが抱える、自身のイメージとその身体、そのギャップ、それを性の点にしぼって濃密に描いてみた、そういえるものなのだろうと思ってしまうのでした。

ものごとは、極端にデフォルメされることで、その実際が明確になる、そういうことってあります。すなわち、『のぞむのぞみ』とは、極端に描いてみせた、性をとりまく青少年の意識の物語であり、それは主役のぞむの周辺にいる友人たち、そして妹の気持ちや思いの揺れ動き。彼、彼女らはなにを見て、なにに引かれ、受け取り、さらにはなにを選びとっていくのか、そうした様子に彼らが時に自由であれず、また時に与えられたものから自由となる、精神のダイナミズムが見えてくる。ええ、このダイナミズム、見事でありました。

ちょっとネタバレになるかもだから、嫌う人はここでストップ。ほんと、ヤス、お前のこと、ちょっと尊敬する。この人は、見えるもの、その外形的なあり方にとらわれることなく、本質を見つめていたんだな。なにが自分にとって真実であるか、しっかり見据えて、その一番大切なものをずっと離さないでいた。ほんと、真正の人だ。

  • 長月みそか『のぞむのぞみ』第1巻 (TSコミックス) 東京:少年画報社,2012年。
  • 長月みそか『のぞむのぞみ』第2巻 (TSコミックス) 東京:少年画報社,2014年。

2014年9月14日日曜日

オリンライジング! — アイドライジング!外伝

  ハセガワ・オリン、見事燃焼してみせたのか。見てくださいよ、3巻のこの表紙! 舞い散る紙吹雪の下、見事、してやったりというこの表情。どんだけ魅力的であるのだろう。戦うアイドル、アイザワ・モモの活躍を描く『アイドライジング!』。その外伝である『オリンライジング!』では、モモのライバル、ハセガワ・オリンの戦いが描かれて、そしてこの3巻こそは、モモ、オリンふたりの戦い、あるいは関係にひとつの決着がつけられるのですね。思えば、ふたりの関係は、モモのアイドルとして歩きはじめる、その時に既に始まっていたのでした。だから、モモを描くにはオリンははずせない。また、オリンを描くにはモモをはずすことはできない。ええ、これはふたりの見事な山場にして、素晴しい決着。そしてまた新しいはじまりであった。開かれたエンディングが清々しくさえある。そんなオリンの生き様、オリンライジングがこれでもかと表現されていた、そして伝わってくる物語であったのですね。

なにからいったらいいんだろう。オリンの事実上のお披露目となった、マツリザキ・エリー、アイザワ・モモ戦への乱入。あれが、モモと共に挑んだリベンジマッチへの布石となっていたことか。最初は、派手な負けっぷりでもって観客を魅了すべく、すなわちはじめっから負けるために戦った。その彼女が、今度こそは モモとともに勝利をつかみに格上の相手に挑む。同じ演出を選びながら、しかしその心の奥底に根付く思いはまったく違っている。なぜか。なにが彼女を変えたのか。そのオリンの辿った心の道行こそが、この物語の背骨であることは間違いなく、けれどそれをいったら、オリンの屈辱的なはじまり、そこまで遡らなければならないし……。

多くのものが、オリンの決着に流れ込んでいるんですね。モモとの確執。下積み地下アイドル時代に掴んだものから、アイドライジングの舞台に臨んで、その過程で得たもの、あるいは与えてきたもの。それらすべてが、最後のモモとの勝負のゆくえに繋がっている。豊かだったと思うのです。どうすれば観客を楽しませるか、それに特化したオリンの戦いは、時に無様で、時に滑稽、あるいは卑怯にさえ見える。真っ向勝負なんて柄じゃないといいたげな、変幻自在なエンターテイナー。けれどそんなスタイルの向こうには、いつだって彼女の真っ向勝負があった、全力だった。時には納得いかないことも、いやむしろ、いつだってアウェイだったといっていい。そんな舞台ばかりだったのに、オリンは自らを賭け金にして、逆境を引っくり返してきた。観客を沸かせ、魅せるために燃焼しきって、だからいつだって、あんなに清々しい負けっぷり、その影に見せる最高の笑顔はオリンと読者だけが知っている — 、ええ、特権ですよね。魅せられた、それは読者も同じだったんですね。

そんなオリンの完全なアウェイ、負けることで勝つ彼女が、本当に負けてしまった戦い。それが、この漫画のテーマであるオリンの生き様、オリンライジングを際立たせていた、そう思っています。彼女が本当に戦わなければならないものはなんだったのか。彼女の戦いの舞台は、はたしてどこにあるのか。それが掘り下げられて、ええ、そこではオリンの生き様、勝敗の外側にある勝利を掴むための真っ向勝負、それが失われていたんですね。なによりも大切にすべきだった、オリンのスタイル、それが忘れられてしまった理由。ずっと根深くオリンの心に潜んでいた確執や嫉妬がより明確にされた。オリンは、自分の弱さに立ち向かうことができなくて、結果、自分でそうと決めた自分の生き様、そいつを貫くことができなかった。勝負の以前にすでに負けていたんです。誰のせいなのか。モモなのか。だらしなかった自分なのか。鬱屈していたもの、すべてを曝け出したあの瞬間、オリンの戦いが転換したんだと思う。物語が、ドライブにシフトを入れた、そうした実感をさせたあのシーンは、これまで描かれてきたものを、一気に掴んで、ひとつの方向へと向かわせるための起爆装置であったんですね。

挫折があったからこそ、その後の躍進が光る。けれど、ほんと最後の最後まで、油断できないのがオリンライジングです。やってくれましたよ。けど、あのラストへの道行は、そのまま未来への布石となって、そしてモモに対するオリンの約束であったのですね。おそらくは、より苦しく険しい道を選ぶことになるだろう選択なのだけれど、自分の気持ち、その奥底にある信念に従わないではおられなかったオリン、彼女のその選択こそがオリンライジングである。打算もなく、自分の生き様、その内なる声に従った結果がこれ。ほんと、最後まで油断できない彼女の、彼女らしい、清々しい決着。その未来へと開かれた様は、きっと彼女がこの先辿るであろう道行、その可能性の大きさを感じさせるものであった。目の離せないアイドル、オリンの生き様が凝集されて、際立つ — 、そう思わされるものだったんですね。

ああ、そうそう。ちょっとネタバレになるから、嫌う人はここでストップですよ。モモとオリンによるリベンジマッチで、モモの切り札であるトリックアーツが温存されたまま決着して、あれー、使わなかったのかあ、まあオリンちゃんが主役だもんなあ、そうぼんやり思ってたんですよ。いや、ほんと、予測できないって。いや、ほんと、あれはやられました。今だにやられるピザもそうですが、ほんと、ハセガワ・オリンは必ずやる。ド肝を抜く。思いきりやられて、それがもう最高です。

  • 藤島真ノ介『アイドライジング!』第1巻 広沢サカキ原作 CUTEGキャラクターデザイン (電撃コミックスNEXT) 東京:アスキーメディアワークス,2013年。
  • 藤島真ノ介『アイドライジング!』第2巻 広沢サカキ原作 CUTEGキャラクターデザイン (電撃コミックスNEXT) 東京:アスキーメディアワークス,2014年。
  • 藤島真ノ介『アイドライジング!』第3巻 広沢サカキ原作 CUTEGキャラクターデザイン (電撃コミックスNEXT) 東京:アスキーメディアワークス,2014年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第1巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第2巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第3巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第4巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2012年。

2014年9月13日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年10月号

『まんがタイムジャンボ』2014年10月号、昨日の続きです。

『花の任侠物語・しずか』は、またぐっと先に進めましたね。静花が自分の身の上をいつか友達に明かしたい、そう思うのだけど、いきなりだとショックが大きいかも知れない。というわけで、舎弟をひとりずつ紹介していこう、なんてことになるんですね。って、それ、駄目だろ。どう考えとも駄目だろ。というわけで、紅葉が抜擢される。夏祭りですね、紅葉をともなっていくことになるんですが、紅葉はくれはとしても約束してる。どうしたらいいのか? ええ、ちょっと大変なんですね。しかし、友人は気を利かせて? やってこず、結局紅葉と一緒にお祭りを回ることになって、しかし、それがどうもくれはの正体、それを静花に気づかせるきっかけになるっていうんですね。はたして、どうなるのか。あのくれはを見つめる静花の目。これは、次回、なにかドカンときそうですね。

『凪くんの不運な棚ぼた』、こちらも動きがありそうです。座敷が座敷ママと一緒に買い物にいって、残されたのは平太郎と疫病神のふたりだけ。以前は平太郎を意識して、いろいろ疫病神が慌てたりしたもんですが、今回は余裕余裕で、って、いや、やっぱりそんなことはなかったのか。自分ばかりドギマギしてバカみたいじゃないか。怒っちゃうんですけどね、実は平太郎も同じだという。しょっちゅうムラムラしてるという。いや、たしかにそうなんだろう。もしかして、ふたりの仲、進展しちゃう!? そんな雰囲気になっちゃって、けど、それは許されないことなのか。神様の世界なのかな? 疫病神を監視していた男がいうんですね。連れ戻さねば。ええ、平太郎の心配していた、いつか座敷や疫病神がいなくなってしまうのではないか。その心配がかたちになる……。ええ、これは山場ですよ。

『事件です!シャーロッ子さま』。潤がいいですね。平民、って、今は平民ばっかりですけどさ、いいとこのお嬢様じゃないってことですね、気にしちゃってる。それでちょっと凹んでるところにからかわれたもんだから、怒っちゃって、けどそれが樹莉の相談にのることで、ちょっとやわらぐんですね。いやあ、樹莉、いいですよ。潤が中庭で拾ったノート。樹莉の書いたものだったんですね。ミステリーを書いている。けど、それを秘密にしてるのは、事件とか殺人とか、物騒な本ばかり読んで、物騒なことばかり考えて、そのことを父に否定され、友達にも距離を置かれて、それで孤独だったのか。潤が樹莉にいったこと、樹莉は少し先にいってるだけだよ。もう少し大人になったら、同じ趣味の友達も見つかるよ。その言葉、とてもよかった。ほんと、いいお姉さんだなあ。樹莉とも仲を深めていきそうで、ええ、いい関係つくっていきそうじゃありませんか。そしてシャーロッ子さまとも和解、潤が頭を冷やして、シャーロッ子さまも素直じゃないながら謝って、ええ、こちらもいい関係になりそうですね。ふたりは対等なんですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第10号(2014年10月号)

2014年9月12日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年10月号

『まんがタイムジャンボ』2014年10月号、発売されました。表紙のテーマは、天海さんと仲間たち。天海さんが眺めている机の上、チビキャラ、デフォルメされた『レーカン!』の面々が、いろいろ元気、マイペースに動きまわっていて、実に可愛い表紙にしあがっています。ちんまくても、それぞれのキャラ性、うまいこと出てますよね。いいですよ。

『保健室のつむりさん』、ゲストです。養護教諭つむり先生は、保健室のベッドで寝ていることしばしば。なるほど、弟が在学中なのか。マイペースな姉つむり。弟にいろいろ世話を焼いてもらって、またちょっと姉っぽい傍若無人さも持ち合わせていて、自分の部屋が散らかってるからと、弟の部屋とトレードする。学校でもマイペースで、生徒にいろいろ世話してもらってる。そんな先生なんですね。けど、そのマイペースさが生徒に人気、あの聞き上手なところなど、よかったですよね。

『タヒチガール』、すごいことに! あとひとり入部したら、タヒチアンダンス部発足というところまできて、その最後のひとりがなかなかこない。お嬢様がやる気出してるところ、いいですね。むしろマイもマハナもマイペースで、リンがひとりでいろいろ頑張って、やきもきしてる、そんな雰囲気。そんな中、まさかの雅のファインプレー。なんか、ちっこいのを小脇に抱えて持ってきたぞ! ほんと、やばいぞ、この子! 最高だ! で、この子が待望の新入部員になるんだろうな、そう思ってたら、おおう、男の子か。女の子に間違えられたくない、その一心でこの学校に入ってきたっていうんだけど、なぜ元女子校、男子の少ないこの学校に? って、なるほどなあ、女子ばかりなら自分でも男子と見てもらえるに違いない、その一心というのか! おかしかった。オリタヒチは戦いに赴く戦士たちも踊ってた、そうした情報を得て、入部を決意。で、あの落ちでしょう? いや、期待どおりですよ? でも、ほんと、すごく似合って素敵でした。うん、いける、いける!

『きつねとパンケーキ』は、ゆめの家、パン屋に皆でおとずれるんですね。いや、もう、ゆめ、めちゃくちゃ可愛いな。ゆめのパパ、月山颯太も素晴しい。24歳パン職人。って、えらい若いのに、店持ってるのか、すごいな、やり手じゃん。和巳、結人が若さに嫉妬してるのがおかしかった。って、31なんてまだまだ若いじゃんよ! あの、お父さん好き好きのゆめのオーラが素晴しい。紺乃、昴と三人で店の手伝いしてみたりね、ほんと、この感じ、とてもよい。お客さんがどっときて、てんてこ舞いになったところで、颯太が助け船を出す。ほんと、このゆめとパパの関係がすごくいいんですね。っていうか、昴んところは非常にアレだし、紺乃のところも結構アレだし……。ねえ。でも、この、娘大好きパパの魅力がたまらん漫画です。

『けいさつのおにーさん』、ゲストです。長野県を舞台にした警察ものですね。若手の穂苅士朗に、ちょっと年配の手塚衛。主にこのふたりのコミュニケーションを描く? で、ちょっとなんかラブラブっぽい? 手塚さんの手作りごはん大好きー! って、君! 穂苅、手塚のことがいろいろ気になるんですね。それでいろいろ聞き出そうとしたり、けどなんかそれっぽくかわされちゃう? そんな手塚を動揺させる穂苅の笑顔とか、ちょっと赤面の手塚とか、署長大変です、ふたりがデキてしまいそうでわくわくします!

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第10号(2014年10月号)

2014年9月11日木曜日

『まんがタイムきらら』2014年10月号

『まんがタイムきらら』2014年10月号、昨日の続きです。

『ランキンガール』、なるほど、皆がこうして仲よくなっていくわけですね。ランキング2位のほたるに妹みやびを引き合わせてみたら、有名人だっていってものすごく緊張してる。そこからなんだかだんだんに仲よくなって、それがね、上手に弁当を作ってきたみやびのこと、ほたるがすごいって誉めるのね。また、ほたるが素直にありさ、ほたるのこと気にいっていて、最初の緊張もとけていく? いや、完全に打ち解けたわけでもないっぽいけど、でも皆知り合って、それで自然に自分の地を出していく。無理してたありさが、普段の自分を出して、それを美鈴がスクープ。親しみやすさ感じられたからでしょう、ランクも上昇するっていうんですね。上位ランカーでしのぎを削る、そうした話ではない。皆で仲よくしているところ、それがメインに出てきてというところ、それを自然に楽しんでいくのがよさそうだなって感想でありますよ。

『しゅばりえーる』は、のっけからセリーゼですよ。寝惚けてがおーって叫ぶは、フルヘルムかぶったまま寝てるはと、ほんとこの子は面白いです。さて、今回のメインはサツキでありますね。姉になにかプレゼントしたい、そう思って街に出るんですね。そこでジャスミンと合流。ジャスミンの見たかったという服屋につきあって、いろいろ試してみる。ジャスミンのドレス姿、いいですよ。普段、あんまり見慣れない格好ですけど、いやいや、とても魅力的。綺麗といわれてなんか困ってますが、いやいやなにを困ることがあるのでしょう。今日はサリアの聖人のお祭り。店主の好意に甘えて、ドレス姿で繰り出せば、いよいよ街の人気ものといった次第。ふたりの躍る姿が大人気なんですね。ふたりのダンスを楽しむ様子。そしてサツキから贈られた髪飾り。そうした交流、ちょっといつもとは違って、悪くなかったですよ。

『かなはメランコリー』、かなはは兄貴がモテるのが気に食わない。いや、別に嫉妬とかじゃなくって、単純に悔しいんですなあ。自分の目立たなさをなんとかしたいと思って、兄貴と対決してるわけですが、それでもパッとしない。知名度は上がってるけど、兄貴あっての知名度。あんまり嬉しそうじゃないんです。しかし、今回も兄貴と対決していて、じゃんけんで負け、コイントスで負け、あれでもこれでも負ける。というか兄貴の強運? それが際立ってるんだなあ。これは、かなはの、とにかくなんとか対抗しようと頑張って、立ち向かってみても、全然かなわなくって、くやしー! そうなってる様子を見てなごむ。そんな感じの漫画ですね。別に負けてもみじめじゃない。けど納得いかない、って、そんなかなはがいいんだと思います。

My Private D☆V、『そよ風テイクオフ』のうみのともであります。描かれたのは、大正レトロモダン。矢絣に袴、足元はブーツの女学生、海老茶式部とかいわれたそうですね、そんな子がかわいいと、また女給さん、着物にエプロン、カチューシャもつけて、そうした和洋ミックスがよいというんですね。そう、この和洋ミックスはいいと思います。当時のモダンが取り入れられてる。それが不思議とマッチしていて、独特の魅力を作ってる、そう感じさせられますよね。私もこうした時分の習俗には興味があって、いろいろ見たり読んだりしてました。ええ、レトロモダン趣味、その魅力、たしかにわかりますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第10号(2014年10月号)

2014年9月10日水曜日

『まんがタイムきらら』2014年10月号

『まんがタイムきらら』2014年10月号、昨日の続きです。

『ギタ×マン!』、文化祭当日ですよ。あめり、うるるが緊張してる、と思えば、るっか、マサ、ええ!? 大丈夫か、君ら! ギター組ははんぱでない緊張に陥ってるんですね。ギター組、心配だなあ。そんな彼らを救うのが、まさかのマサの妹なんですね。りりあ、いけてる女の子。ハキハキとして、明るくて、みんなびっくりしてるんですが、この子、まさかの兄萌えヘタレ萌えときたもんだ。変わった子ばっかりで、でもよいなあ。この子に可愛いといわれて、ちょっと嬉しいゆもちゃんも素晴しい。そして本番。ギター組の準備ができるまでを、マンガ組が繋ぐんですね。即興でリレー漫画。って、OHP使って、いいな、この思い切った感じ。このふたりですからね、即興漫画も急激な切り返しの連続で、ほんと、めちゃくちゃ面白かったです。というか、うるる先輩、変装してるのバレてないのか。ほんと、マンガ組、よく頑張った。そして次回はギター組。どうなる!? めちゃくちゃ楽しみですよ。

『サンタクロース・オフ!』は、エルナに町を案内するんですね。そんなに回る場所もないっていうんですが、駄菓子屋に、書店にして文具店、とこれだけなのか、確かにそんなになかったな。梅ジャムってあるんだ。すっぱいんだ。知らないなあ。ちょっと食べてみたい。そして村観丘にいってみようとなって、そこで意思疎通の欠片と出会うんですね。意思疎通の欠片の頼み、タンポポの種、それをより遠くへと飛ばして欲しい。樹にひっかかっていたのを集めて、風に乗せてやる。ちょっとしたこと、けどこのちょっとしたことにあらわれるもの、感情やなにか、それがよかったです。

『凸凹□(でこぼこボックス)』、これ、まだゲストなのか。今回は皆でプールにいくのですよ。すずめは乗り気じゃないんだけど、おきなちゃんはめっちゃ楽しみにしてるみたいで、押し切られちゃいましたね。おきなちゃん、スクール水着ですよ。って、これは競泳用とかじゃないのん? ゼッケンとかないから大丈夫よ! と思ったら、そうでもないのか。というわけで、ひめが選んでくれました。これで全員ビキニスタイルとなったわけですね。けど、一口にビキニといってもそれぞれに個性があって、セクシーなのから可愛い感じまで、こうしたバリエーションもよいですね。さて、すずめがプールに乗り気でなかった理由、わかりましたね。泳げない。おきなの教え方はいろいろ適当で、なのでひめが教えます。それでちょっとでも泳げるようになった。あの泳いでるすずめの表情、凛々しくてよいね! 今回のプールの、皆が楽しんだ、そうした様子、実によかった。すずめの笑顔、最高でしたね。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第10号(2014年10月号)

2014年9月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2014年10月号

『まんがタイムきらら』2014年10月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』の三人娘でありますよ。可愛いですね。秋の装い。これはどういうジャンル、カテゴリーの服なんだろう。森ガール? ちょっとフリルで、アースカラーが落ち着いて素敵。降ってくる本やお菓子、果物、お茶の中、3人も一緒に降ってきてるの? 三様のポーズが実にキュート。姫の葉っぱ柄、真宵の熊のあしらい、それがまた可愛いですね。

チェリーブロッサム!』、大倉山先輩の優雅な時間? かと思ったら、そうでした、そうでした、つばきが大変なんでした。大咲とゆうの関係を疑ってるんですが、ゆうはそんな事実はないと思うよ、他人のふりして伝えるんですね。でも、まあ、信じないよなあ。大好きな大咲が誰かにとられちゃう、もう不安が暴走しちゃってるんだろうなあ。でも、そのつばきの様子が、むしろゆうの内心に働きかける。もう今までの関係ではいられない。気持ちがもう変わってしまった。そうはっきりと意識してるつばきの表情はむしろ穏やかで、これは愛の強さなのか!? ところで、大咲、沙咲野とそんないかがわしい遊びを!? というか、つばきさん、やばいよ! 大咲の意識がやばいよ!

スロウスタート』は、万年さんの大変身ですよ。まあ、変身させすぎたからってんで、軽めの変身にとどめるんですけどね。コンビニにもいけない、そんなだった彼女を、その気にさせた冠が素晴しい。あの怒っちゃうところまでがセットですよね。今回は万年さんの社会復帰第一歩、それもあったけれど、でもやっぱり花名と万年さんが、いや花名とひろえが強い共感を持ってその気持ちを交換しあう。本当の友達になった、いやむしろ同志みたいなノリ? もしかしたら、はじめての理解者かも知れない。はじめて同じ境遇で、同じ不安を抱えて、互いに共感しあえる、そんな人ができたのだと思う。よかった、ほんとにそう思います。

『オリーブ! — Believe, “Olieve”?』、新連載です。手品部、オリーブ。新入生歓迎会? 部活紹介にて見事に花を出してみせたオリーブですが、真ん中のひとり、よく見ると浮いてる……。どうしてるんだろう、仕掛けを知りたくてスズが手品部を訊ねると、なんだか巨大な怪物が戦ってた。ああー、なるほど、この子ら、本当の魔法使いか。けどバレたくはないみたいで、必死で適当に誤魔化す。新歓でのことだって、ちゑは緊張すると浮くタイプなんだ、って、そんな言い訳通用するのか!? したよ! 皆で足湯にいって、話して、だんだんに打ち解けていく? 魔法でもってふわっと浮いた、それを自分の実力? そう勘違いしたりするの、いいですね。ええ、悪くなかった。スズが楽しみだっていってますけど、読者の私も同様、これからが楽しみですよ。

『コミュ障アイドルれいかちゃん』、ゲストです。メイドの格好で生ライブ、と思ったら、ネット配信なのか。なるほど、ウィッグで変装して、衣装は友人に借りて、なのか。ウィッグなしのショートヘアも可愛いですよね。この子、麗華、人とのコミュニケーションが苦手で、今日は入学式だっていうのに、はやくも学校にいきたくない。ネガティブな想像が足を重くさせるんですね。そこを、お隣、ではないのか? 窓から侵入してくる花凛に連れられて登校。新入生向けのガイダンス? そこで生徒会ユニットのライブを見ることになるんですね。って、生徒会がユニットでアイドル活動してるの!? ナンデ!? メンバー1人募集中、って、選挙とかすんじゃないの!? ともあれ、麗華は彼女らに憧れて、花凛に背を押されて、無理矢理に立候補させられるんですね。けれど意欲を感じられないと会長に拒否されて……。うん、麗華、ネットで頑張れ! そう思ったけど、そうはならんのでしょうな。なんらかの転換、気持ちの切り替えがあるのでしょう。どんな展開するのだろう、楽しみに待ちますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第10号(2014年10月号)

2014年9月8日月曜日

SHOW BY ROCK!!

サンリオ発!バンドテーマの『SHOW BY ROCK!!』TVアニメ化決定、って記事が流れてきたのですよ。へー、サンリオでバンドなんだ。そう思って見てみたら、なんと、最近のサンリオってこんななのか! 驚きましてね、キャラクターが可愛いんですよ。うん、サンリオだから可愛いのは当たり前ですよね。けど、可愛さの傾向が違ったんです。ファンシーキャラとしての可愛さじゃなくて、萌え萌えじゃんよ! そんな感じ。へー、って思ってたら、これ、もとはゲームだったんですね。リズムゲーム。曲にあわせて、落ちてくる音符をタップする。ゲームは基本無料で遊べます。とのことで、こいつはちょっと遊んでみようか。ええ、プレイしてみましたよ。

面白かった。面白かったですね。とりあえず意外だったのは、アニメのキービジュアルに見える彼女ら、ゲームの中だとサンリオ的ファンシーキャラクターとして表現されてて、萌え萌えビジュアルは出てこない? 出てこないのかい? でもいいや、ゲームとして面白いから、小さなことは気にしない。いえね、コンボが一定数続いたら、特殊演出でムービーが流れて、ファンシーキャラから萌えキャラにバージョンアップ! みたいなシステムだと思ってたんです。けど、実際そういう演出があったら、落ちてくる音符がわかりにくくなるから、困るよね。

よく考えられてるなあ、そう思わせるところ、多かったです。ゲーム内のポイントは3種類あって、バンドやカードを強化するのに使うもの、ガチャを回すのに使うもの、レアガチャを回したりカード所有枚数やフレンド数を増強するのに使うもの。この最後のものが有料アイテムなんですね。カードはたくさんあるに越したことがない。属性が5種類あって、カードごとに強い属性、弱い属性がある。そのカードを5枚1セットにしてステージに臨むわけです。ステージに属性があるから、あわせていかないと高得点が狙えないんですね。

カードが揃わないと、ステージに対応できない。カードに余裕がないと強化もできない。カードを入手するにはガチャを回さないといけない。より有利に進めようと思ったら、レア、スーパーレアカードが欲しくなる。となると、10連上級ガチャを回したくなる。となれば、課金アイテムが欲しくなるよな! なるほどなあ。よくできています。自分の贔屓キャラのカードをストックしておきたいと思ったら、カード所有枚数も増やしたくなるしな。それも可及的速やかに増やしたくなるものな。ええ、よくできていると感じました。

ゲームとしては面白い、そういっていました。難度は低め、といいたいけれど、イベントのノーマルプレイしたら即死でした。先は、先は長そうだ……。

ああ、そうそう、キャラクターの話。最初はね、黒髪縦ロールのシアンのビジュアルがガツン! ときたんです。でも、よくよく見れば、レトリーが金髪ツインテ眼鏡という3コンボ。さらに引きこもり傾向ありですって! 4コンボ達成。というわけで、微妙にレトリーちゃんに傾いております。はじめてのレアカードもレトリーちゃんでした。ああ、運命を感じますね!

2014年9月7日日曜日

『まんがタイム』2014年10月号

『まんがタイム』2014年10月号、昨日の続きです。

はこいり良品』、古書店対抗ビブリオバトルでありますよ。前回の続きですね。コンセプトは、人を通して本を知る、本を通して人を知るとのこと。けど、メインは後者ですよね。各店主の個性がこれでもかと描かれて、いや、みんな、自分とこの事情を押し立てすぎでしょう。特に三番手。どれほどの不幸にみまわれたというのでしょう。今回の優勝はまさかの青空古書店。じーちゃんの商魂が見透されてたってのがおかしかったです。

『ちょっと舞ってふわこさん』、ちょっと気にいっていますよ。ふわふわ浮いてる女の子、ふわこはなんとスポーツ万能だというのか。これは意外、意外でした。けど、この浮く能力がズルいといわれる、むしろ排除されてきた、そうした過去があるものだから、とりわけあゆむが苦々しく思っていて、ええ、ふわこのかわりにあゆむが怒るところ、こういうのがいいのだと思います。そして今回は、いつも自分を守ってくれているあゆむ、彼女に自分の好きなことをやって欲しい、ふわこがそう思うんですね。それでサッカー部の助っ人に推薦して、結果的に負けたんだけどさ、悔しい、次こそは、そう思う気持ちがあゆむにあると、ちゃんとふわこが気付いて指摘してあげる。ええ、ふわこがいつも世話をされてる、けれどそればかりじゃないっていうのがわかった今回。ふわこにとっても、あゆむにとっても、互いに大切にしたい、時には支えたい、そう思える友人同士なんですね。よかったですよ。

『ノコひけ!工業娘。』、I科の女子連中がいまさらですがヤバくって、加減とか限度とかないんですね、この子たち。木で作るとなると全部木製品で揃えたい。学校の実習でR18作品を作っちゃう。って、BL? そして皆さんご期待、植原桜のストーカー日記。強烈で、最高で、ほんと、面白いです。そして今回は、普段あまり活躍しない、すなわち大人しい面々、小林香、村主晴子が終盤の重要人物となりまして……、いや、すまん、普通じゃない、大人しくもなかった。いきなり枝ごといっちゃうんだ! 壁の修復がうまくいったの、そんなに嬉しかったんだ。極めつけはラストですよ。ウチらただのI科なんで。うわー、I科の普通ってすごいなー! ほんと、しびれました。まともな子はおらんのか。

『ひらめけスイッチ』、梶木ちゃん、なんて可愛いの! 体が硬いんですね、って、どんだけ駄目なの! 背を反らす運動、まったく反ってないっすよ、それ! だいたいですね、冒頭のやさしさってのから面白かったんですよ。けど、それはむしろ静の面白さで、それが一気に扉で動に転じる。ページめくれば、さらにアクションシーンまであるという。ほんと、おかしいやら可愛いやら、最高でした。岩名の平目に共感思えるところなどもよかったですよね。でもって、平目の体が柔らかい理由、あれが面白かった。姉ちゃん、最高だな。というか、この漫画、ちょっといろいろドキドキさせられて、いやもう、へそまで見えてる!? 私は岩名が憎い。憎いのです。

  • 『まんがタイム』第34巻第10号(2014年10月号)

2014年9月6日土曜日

『まんがタイム』2014年10月号

『まんがタイム』2014年10月号、発売されてます。発売日、昨日だったんですね。書店にいったんだけど、気付かなくて、書店さんも気付いてなくて、今日改めて買いにいきましたよ。表紙は行楽の秋でありますね。今は昔でしょうか、昭和の風物。鉄道の窓から弁当売りを呼び止めて駅弁を買う、そんな時代の風景であります。弁当売りが『おとぼけ課長』、列車の窓から手をあげて呼んでるのが『まりあ17』のまりあ、って、すげえマッチングだな。すごいよ。めちゃくちゃ似合ってるよ、ふたりとも。そして『わさんぼん』牡丹も登場。着物で、ホームに出て呼び止める? なんだか、ちょっとシュールな感じになってますよ。

大家さんは思春期!』、前田さんのハーレムが完成に近付いてきている……。帰ってきた102号室の住人、星谷捺美でありますよ。泣き虫どじっ子、ただし男。甘えたがりでペット系。いろいろいわれていたなっちゃんですが、キラキラさせて、花なんて飛ばして、そして前田にアタックですよ! よしきた、いいぞ! もっとやれ! 麗子さんは警戒してるんですけどね、チエちゃんには癒されるだけ、むしろ狙ってるのは前田なのかい? しかし、なんで? ですよ。前田ばかりがなぜモテる? ですよ。ほんと、なっちゃんとしあわせになってください。

鉄仮面のイブキさん』、素晴しいな。喜多くん、お姉さんがいるんですね。でもって、お弁当作ってくれるんですね。いいお姉さんだなあ。怒らせるとお弁当が貧相になる。なにやって怒らせたんだろう? なるほど、ドロ助、わんこを散歩に連れていくと怒るのか。伊吹さんが、喜多くん姉と仲良くなろうなんて考えるんですね。いや、もう、姉ちゃん、めちゃくちゃ面白い。人見知りなのか。伊吹さんのこと怖れてしまって、ほんと、なんか可愛い姉ちゃんだなあ。いやもう、今回は素晴しかった。キュートな姉ちゃん、ドロ助と遊ぶ伊吹さんの美しさ、そして男装伊吹さん。なんという凛々しさ! 美しさ! ほんと、素晴しかったです。ところで、喜多くん、モブとして認識されてるんですね。けど、いつかはビッグになるのかあ。

天子様が来る!』、「大冒険」の女の子、可愛いなあ! しかし、やってくれます。豪華な食べ放題、2本目2コマ目、作者の弟の名言ってのが、ほんと、ウェイターのいい笑顔もあいまって、しびれました。ほんと、弟ネタ、面白すぎてたまりません。

『ゆとりノベライズ』、おお、売れたのか。TW文庫でヒット。3巻はデカく、ドラマCD付けたりなんぞしてみよう。いやいや、すごいじゃん。あの編集さんの、自信持ってくださいといわんばかりの言葉の数々、しびれましたね。都の、気持ちがまだついていっていない様子に、その背を押そうという編集さん。このやりとり、実によかった。あと、この編集さんの都ゆとり好き好きっぽさがいいですよね。なぜそんなに着せ替えしたがるのか? そしてこのやりとりの直後に「コンビニへ」でしょう。これはやられました。都と里美のやりとりもまたおかしい。都が、ゆとりを失ってなのか、里美を挑発するかのような言動。ぐいぐいいきますね。里美ですよ。いい先輩だなあって思う。TWで売れてGLXでは売れないと焦る都に、きちんと向き合って、その作風とその強みを伝えてくれる。そんな里美がかっこよかったです。GXLの編集氏も同様に都のことを買っていると見えて、ええ、都、いいですよ。

『ツイてるベートーヴェン』、なんとも不思議な漫画です。よくあるクラシックファンってやつなのか? 音楽に合わせて指揮しちゃうみたいな、そんな話? なりきりベートーヴェン? と思ったら、霊媒体質の姉がウィーンでなんかを拾って帰ってきた模様。って、姉ちゃん、妹のクレジットカードを勝手に使うとか駄目だ! 犯罪だよ! だって私カード持ってないんですものー、とか、いやいやニコニコ笑いながらいうセリフじゃないっすよ! あ、カードを使ったんじゃなくて、カード番号を記憶させてあるネット通販のアカウントをクラックしたのか。いや、それも犯罪だよ! ニコニコ笑ってる場合じゃない。幽霊だかなんだかを拾って帰ってくるとかよりも、姉ちゃんの性格、モラルのなさが怖ろしいよ! といったわけで、運がいい、ツイてるお姉ちゃんと、ツイてない妹の私。うん、妹黄菜子の運が悪いのはわかった。確かに運が悪いのは事実なんでしょう。けど、姉がらみの問題は、運のよしあしじゃないよなあ。これ、姉ちゃんじゃなくてなんらかの霊、今回はベートーヴェンなのかい? そいつがやらかしてるって思ったらいいのかなあ。昨日の今日でピアノを買ってたりね、でもってそん時の姉ちゃんの表情見たら、姉の普通のそれではなくって、つまりこの傍若無人はベートーヴェンの仕業ってことなのかい?  とりあえず奇矯な姉ちゃんがいます、困ります、そういう話かと思ったら、そこにちょっとした恋愛の要素も飛び込んでくるんですね。なるほど、これ、姉ちゃんをきっかけに恋愛のどうこうが始まる、そんな感じっぽいですね。

  • 『まんがタイム』第34巻第10号(2014年10月号)

2014年9月5日金曜日

『まんがタウン』2014年10月号

『まんがタウン』2014年10月号、発売されました。表紙は『押しかけ時姫』、時姫をメインにして、上はセーラー、下は巻きスカート、独特の出で立ちに弓を持って凛々しくございます。そして他には『クレヨンしんちゃん』しんのすけに『居間には今外国人がいます。』の万希、『ちょい能力少女あゆむ』のあゆむ、『派遣戦士山田のり子』のり子の姿もずらり、華やかであります。

『押しかけ時姫』は、合戦を前に姫さま、意気軒昂でありますよ。学校で小山から聞いた。合戦の準備だ! 体育祭なんですね。時姫はすっかり戦と勘違いしていて、海斗の忠告も全然届かない。騎馬戦がある! いや、実際に馬に乗るわけじゃないから……。小山との会話もなんとなく成立して、なんとなくすれ違って、その塩梅が面白い。ええ、よかったですよ。二人三脚の解釈とか、でもって引っ張り回される小山さん! 最後にね、海斗からスニーカーを買って貰って、この時の嬉しそうにしてる姫が実にいい。ええ、姫、素晴しいですね。

『居間には今外国人がいます。』。万希、進級して中学2年生。あの個性的外国人たちとの生活にもすっかり慣れ、でもそれが微妙に納得いかない様子。ええ、これも思春期ってやつなんでしょうか。新しい自分を模索し、けどうまくいかなくて落ち込む。うん、そんな万希がいじらしくて、そんでもってちょっとちょろい。この子の、やっぱりちょっと子供なところ、それが美点だと思う。ひとり遊びに、そして進級祝いの大宴会。喜んでいいのかいかんのか、あの混乱している万希もナイスでした。

『涙の数だけ輝いて!』、直子のもとに届く脅迫状。恥ずかしい写真をバラまくぞ! って、半目写真! いや、これ、いいじゃん。なんか、いいよ。なんか逆に可愛くない? うん、いいよ。晴香がやっぱりいいポジションなんですね。身を引こう、そんなこと思う直子に、また逃げるのかと発破をかける。いや、直子以外段取りわかってないからって!? いや、どこまで本当なのか。ほんと、この真面目に向きあっていいのかいかんのかわからんところ、とてもいいです。エピソード通しての感想、それもとてもいい、ですね。直子を訊ねてやってきた松柳理瀬。自分のファンがやったことだと謝ってきて、そして、彼女もまたアイドルとしての再起をかけて活動しているんですね。いろいろあったけど、まだなんか不安もあるけど、でも同じこと目標にして頑張ってる仲間だって思えたりしたのかな、ええ、いい和解だったと思う。ピュアドールズの結束も高まって、高まって? わかんないけど、ええ、よかったですよ。晴香がとてもいい。

『大正乙女カルテ』、遠足なんですってよ。久しぶりに勉学を忘れて楽しもう、そう思ってる路乃が言葉の選択誤ったせいで、病に伏せってる、そんな風に勘違いされてるの、面白かった。かのとはなんか面白くないんですね。とにかく勉強したいから? いや、違ったんですね。兄に婚約者ができたのか。その婚約者に弁当を持たされたのか。それが面白くない。とにかく面白くない。この、不機嫌なかのとがなんかやたら可愛くて、夜になったら路乃のうちを強襲。兄妹げんかなのか。どっちも引かない、そんなふたりだから、なんか長引きそうですね。でもって最後のかのと、やっぱりいいわ。素直じゃないわ。

  • 『まんがタウン』第15巻第10号(2014年10月号)

2014年9月4日木曜日

スロウスタート

 花名、一ノ瀬花名はちょっと面倒くさい女の子。ちょっとのことで落ち込んで、自信なくして、内にこもってしまう。秘密がね、秘密があるんですね。友達にはとてもいえない。けれど心の中にずっと位置を占めている、そんな秘密があって、それが花名を少し重くしている。高校受験、試験の前日、おたふく風邪を発症してしまった。当然試験にはいかれない。だから本命は諦めて私学に賭けよう。その思いも消えてしまって、そうした花名の状況、大したことなんてない? いや、一大事だよ。花名の気持ち、痛いほどわかるよ。もう立ち直れない。そう思うのも当たり前。知り合いのいない場所でやりなおそう、そうなるのも全然おかしくない。ええ、ほんと、これ、衝撃でしたよ。

これ、いっちゃっていいのかな、ちょっと迷うんですが、自分の高校時代の友達にも、一年待った人がいたんです。そりゃ気も使いましたよ。けれど本人が明るくしてたから、なんでもないようにして付き合って、でも本当は影ではいろいろいわれたり、苦労もあったのかなあ。

もし自分がその立場だったら、その学校には通えない、そう思ったと思う。だから、花名のこと、思うと胸がずきずきする。いつかその秘密に発する不安やら後ろめたさやら、払拭される日がきたらいいな。そう思わないではおられない。ええ、花名、ほっとけないんですね。

花名、不安をともに通いはじめた学校で友達に恵まれて、十倉栄依子、百地たまて、千石冠、みんな個性的でマイペースで、いい子たちだと思うんですよ。花名のお世話になってる従姉、志温がその友達の話を聞いて安心する気持ちがわかる。父も母も、花名に対する心配が少し和らぐ、それもすごくよくわかる。ええ、いい友達に恵まれたね。一緒にいて楽しくて、花名が嬉しそうに過ごしている様子が見ていてとても安心できる。けど、だからこそなんだと思います。折りに花名の気持ちに射す影。彼女の秘密、それが花名にとって重荷になっているというそのことがひしひしと伝わってくる。その表情から、そのそぶりから、彼女の抱えている怖れが伝わってくる。心配が不安が流れ込んできている、それがわかるから、もうほんと花名、ほっとけない。

友達と一緒の時間が楽しければいいなと、花名の心配が和らげばいいなと、そう思う気持ちが折りに湧き出して、だから花名の両親、従姉にかなり近い位置から彼女のこと見ているのかも知れない。ほら、父がさ、母もだけど、花名にかける言葉がさ、なにげないんだけどさ、花名のこと思っているってすごくわかるの。こういう、ちょっとしたところに、その人の気持ち、思い、それを浮かび上がらせるのがうまいと思う。また、同じ浪人仲間といったらいいのかな? 万年さん、彼女の存在が花名にとっての救いに、また花名が彼女にとっての救いとなればいい。ええ、やっぱり花名のことを親身に思っている、そんな風に読んでしまっています。

親身になるのは、花名の存在が、ふわっとしながらも、そこに感じられる、そうした確かさを持ってるからなんだと思います。そして彼女を取り巻く人たちも、近しく感じられる、そうしたところがありますからね、花名、よかったなあ、そう思えるし、ああ、それが友達ひとりひとりが持って、確かにそうと感じられる魅力ってやつなのだろうなあ。ええ、皆が静かにしみじみとしてそこにある。そうした感触がとてもいい。とてもいい漫画なんですよ。

  • 篤見唯子『スロウスタート』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2014年。
  • 以下続刊

2014年9月3日水曜日

『まんがホーム』2014年10月号

『まんがホーム』2014年10月号、昨日の続きです。

『うちの秘書さま』は、七瀬と一緒にいくはずだった映画、それが仕事で駄目になった。それでごねるぼっちゃまが子供で子供で、メイド曰く仕事に嫉妬する新妻らしいですが、いやいや、子供っすよ、子供。しかし、メイド、いろいろ画策して、楽しそうです。プロポーズと勘違い、仕事に嫉妬するぼっちゃん見て楽しんでる。でもって、ぼっちゃん、会社にまでいくんですね。それで七瀬の様子を見て、随分考え改めたようで、けど、あの頑張るという決意ね、もうどうしようもなくってさ、七瀬の鉄拳制裁。いや、ほんと、ここに七瀬のがっかりした様がありありと現れていた、そんな風に思いましたよ。

『歌詠みもみじ』、久しぶりだ。嬉しいなあ。もみじの朝は川柳からはじまる。っていうんですが、もたもたしてるとお母さんが怒るのか。母かえで。いい感じにざっくりしたお母さんで、またもみじの川柳趣味にも理解がある、というか、これ母譲りなのか? 川柳を使っての母娘のコミュニケーション、面白かったです。そして父も登場。大学の教授なのか。ということは、川柳は父から? 母は父の教え子だった? しかし、父の川柳が酷い。セクハラ紛い、というか、まんまセクハラで、母のつっこみが唸る! 馬に船見るか乗るかで大きな差、こうしたものも面白い。ええ、今回もよかったです。

『そもそも受付嬢には向いてません!』、素晴しいな! 丸尾もこもいいんですけど、やっぱり先輩の竹さんがいい。扉の竹さんとかね、あの見守ってる、そんな雰囲気感じさせる表情がいい。ええ、ほんと、いい先輩ですよね。今回は、そんな先輩の歩み寄りがちょっと見えて、いつももこが引き込もってる机の下に入ってみたりね、なんか可愛い。もこと同じ業務なのに自分だけ太って悩んだり、それでもこの運動を取り入れようとしてみたり、って、人見知りになるのか! あのもこのリアクション、おかしくて実にいい。そして先輩渾身の丸尾の真似。最高だな! ほんと、もこも反省するほどなのか。素晴しかったです。

『マチ姉さんの妄想アワー』、これも素晴しい。今回は特に飛ばしてたなあ、そう思ったのは、猿蟹合戦以降ですよ。やめてよオジさん達ファミリー誌だよ、とか、博士モテないでしょ、さらには、浮気はするけどキスはさせない程度の気づかい、ほんと面白い。こういう俗っぽさ。わかっててやってる感。最高だと思います。かぐや姫の続柄なども実にいい。また夏の雪女も素晴しい。って、爺ちゃーん! あの下マツゲ2本の雪女も妙に可愛くて、こういう感触もまたいいですよね。

  • 『まんがホーム』第28巻第10号(2014年10月号)

2014年9月2日火曜日

『まんがホーム』2014年10月号

『まんがホーム』2014年10月号、発売されました。表紙のテーマは、楽器みたいですよ。メインにはエレキギターかまえて、ちょっとパンクな『らいか・デイズ』らいかです。ナバウサギの帽子被って、ちょっと可愛い感じに仕上げていますね。『スカートダーリン』から新宿さんは、制服姿のベーシスト。『まんがの装丁屋さん』はショルダーキーボードの律さんにタンバリンで間の手いれる事務所の面々。そして最後に『孔明のヨメ。』、琴を爪弾く孔明に笛を合わせる月英さん。この、いかにも苦手な感じがいいですね。

『孔明のヨメ。』は、郭嘉の塩と鉄の策を崩したこと。それが今後、どう影響するのか、そうした話を皆でしている。ええ、孔明は月英のことを心配し、月英はというと孔明のことを心配している。徐庶がですね、孔明を守るためにいろいろ講じてくれていたんですね。夜、孔明の故郷の歌を聞いて、その調べに胸を痛める孔明。そうした描写に、孔明の歩んできたこれまでを思わせてくれて、ほんと、これはこの先、より苛烈になる彼らの運命を予感させる、そんな描写ではあるまいか、なんて思わされたりしたのですね。そして最後に月英の発明品。おお、弾丸打ち出す筆! 007みたいだ。ええ、こういうのいいですね。かっこいい。

『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』は、月夜野さん死にかける、でありますよ。日中の日差しは、もう殺人的だという。その話を聞いて試してみた? 翌日、体調不良で月夜野さんがバイトを休むんですね。いや、試したわけじゃないんだけど、勢いよく雨戸を開けたら、殺人的日差しを全身に浴びてしまった。見事に包帯女です。しかし、これで確定しましたよ。バイト君と月夜野さん。ちゃんと吸血鬼であることを諒解してるんですね。これまで、適当に話をあわせてくれてるのか? それともちゃんと理解してる? 後者だとわかってすっきりしました。しかし、血でもって傷を癒やす。そうした様、目の当たりにしても動じないバイト君もすごいな。しかし、ほんと、バイト君、月夜野さんのいい理解者。ふたりの会話を見ているだけでも面白いですね。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』は、テレビの夏休み特番、宇宙人は存在するのか!? に冷ややかな笑みでもって応えるパトラちゃんがいかします。まさか地球人は自分達が最高の知的生命体だと信じているのか? 確かに、地球人類を超えた科学力を持つ存在からしたら、滑稽極まりない話だろうなあ。なかなか納得させられて、いやむしろ小気味いい、そんな描写でした。けど、そんなパトラも自分の宿題となればまったくもって駄目で、というか、絵日記なのな。まあ、地球にきたの、自由研究とか、そんな話だったものなあ。おやつにスイカ。パトラの星では種まで食べる。これ、エジプトの風習に関係してたりとかするのかな? わからんのだけど、あの種をめぐるディスカッション。最後にはちょっと騙されたりする、そんな様子、面白かったです。

『敗者復活戦!』、古書店で働く人たちの話。徹夜でネット販売の荷造りとか、仕事とはいえ大変だなあ。けど、月穂、ずいぶん肝が太くできていて、呼び出しの電話が鳴ってるのに、それをあえて無視。部屋の外に電話機ごと追い出してしまうんですね。こういう、したたかなところ魅力的。明るく朗らか、素直なニーナといい対照を描いていますよね。ニーナもバイト申請が通って、正式に働けるようになって、けど今のところ、あんまりばりっと働いてる感じはないですね。昼はあんまり忙しくないんだな。帰宅すれば、ニーナの兄。ニーナのこと甘やかしてくれるんだけど、ニーナは自立したいと思ってる。今回は、そうしたニーナの仕事に対する意識、バックグラウンドが見える回でありましたね。

  • 『まんがホーム』第28巻第10号(2014年10月号)

2014年9月1日月曜日

アリノス☆ワンダーランド

 単行本で読み返してみると、すごいな、構成しっかりだ。ルリとみか、ふたりの女の子の同居もの。しっかりもののルリと甘えんぼのみか。いや、逆じゃないの? 甘えんぼのルリとしっかりもののみかの話ですよね? いえ、そのどちらでもあるっていうんですね。ふたりは子供の頃からの仲良しだったんだけど、いつのころからか立場が逆転してしまったというのです。昔のルリは凛々しくて、しっかりしていて、かっこよくて、みかにとっての憧れだった。なのに、なぜルリは変わってしまったの? 今はすっかりダラけてしまって、でもそんなルリがふとしたきっかけで昔を取り戻すことがあるんですね。なんとかして、昔のルリに戻したい。そんなみかと、なんとしても今の自分を維持したい、そんなルリのかけひき。それが実に見事、面白くてたまりませんでした。

いやね、みかがやばいんですよ。大人しくて常識人で、面倒見もいい、そんな子なんですけど、昔のかっこいいルリに出会うと、タガがはずれる。いや、一回だけか、でもあのみかは必見だと思う。どれだけこの子が、昔のルリのこと好きで好きで、憧れていたのか。それが端的に描かれた、そんなシーンだったと思うんですね。内気で引っ込み思案だった自分の手を引いてくれたルリに、友情を、憧れを超えた感情を抱いていたみか。それはみかの思い出エピソードの端々に語られて、そしてその気持ちは今もなにも変わっていないというわけです。だからこそ憧れのデキるルリに戻って欲しい。そんなみかの一途な思いは、果たして叶うのかどうなのか。

この物語は、昔のルリに戻って欲しいみかと、みかに甘えられる今の関係を維持したいルリの感情のせめぎあい。なにかのきっかけでルリは昔に戻る。けれどルリにとっての昔のルリとはどういうものであったのか。それが語られることで、だんだんわかってくるものがあるんですね。ルリは決して変わってしまったわけではない。むしろ、今、みかの前で見せているもの、それこそがルリのルリらしい姿ともいえる。なるほど、そうなのか。あの、凛々しくかっこよかったルリとは、ルリのまとっていた鎧であったのだな。そうとわかれば、わからなくなる。果たして、みかの望むように、かっこいいルリに戻ることがルリにとってしあわせなのか。ひいては、ふたりにとってのしあわせになるのか。それがわからなくなるんですね。

対立する願いを描いて、それをふたりともに納得いくかたちで決着させる。その道行が実に素敵であったのでした。ふたりの願い、それがなにに根差すものであるのか、どうした思いに発したものであるのかが、回を追うごとに次第に明らかになっていく。終盤で一気に向かう方向を明確にするところなどは、ああ、ついに、こんなにもふたりにとって望ましいところに着地点を見出して、本当に素敵な物語だったなって思わされたんですね。

ふたりの間にあったものは、ちょっとの誤解。必要だったものはちょっとの勇気だった。ふたつの問題がともに解消して、その先にあったのは、昔のふたりでも今のふたりでもない、これからのふたりの関係だったという、そこにこの漫画の最大の魅力と物語の醍醐味があった、そう感じています。