『まんがタイムきららミラク』2014年11月号、先日の続きです。
『ハルソラ行進曲』、秋から冬に近付いてる季節。朱莉がもう寒がりで寒がりで、この子、活発そうなのに、結構あかんたれでいいですよね。寒いといったら、サヤが抱きついてくる? 警戒したら、まさかの上着。ちょっと拍子抜けなんですね。距離が近いのは困るけど、もう慣れちゃった。ひとはだでとかいわれた方が、むしろ安心しちゃうんですね。いいよ、いいよ。今日はパソコン実習なんですね。なぜパソコンなのに作業着とかいう話があったり、作業着がめちゃくちゃ嬉しい若乃とか描かれたりして、うん、若乃、いいなあ。つよいんだ。いいなあ。けど、若乃はパソコンみたいに具体的にかたちのないもの扱うのは苦手。そんな感じで、皆、コンピュータについての印象語ってね、そしてポケコン、ロマンやらクールやら、ガジェット趣味が見てとれたりね、こういうのがなんだかいい。そして若乃のいたずら描きとかもね、知らない誰かと加筆しあってね、だんだん仕上がっていくの。ほんと、この子らの授業受けてる感じ。自然体というか、無理なく彼女ららしい、それがすごくいいんですよ。
『アンネッタの散歩道』、うおー、すごいな。これ、核心に迫ってるよね。アンネッタが母の思い出を探している。なにも覚えていない、だから館の使用人に聞いてみて、そうしたら日記を渡された。母のありし日の記録。それを読んで、ああ、アンネッタ、思い出すんですね。母と妖精のこと。アンネッタには幻視家の目があること。そして、母が妖精に連れていかれたこと。うおー、おそろしいよ。しかし、これでアンネッタの意識がぐっと変わるんですね。妖精について、怪異について、知らなくてはいけない。アイルランドの怪異と人との関係、それを知らなければならない。ああ、それがメイヴの直面している問題、それを乗り越えさせる契機になるのでしょうか。ほんと、一気にぐーっと深まった。ひりひりしますね。もう、ずっと心つかまれっぱなしですよ。
『ゆずりはコーポレーション』、おー、単純に会社おこして、地味に販売がんばる、そういう展開に留まることなく、ぐいぐい話を広げて、これすごくいいですね。刻環静流、総合商社刻環産業の娘が、夜桜HDの娘ゆずりはに挑む。それもテレビを巻き込んで、売り上げ対決をする。手探りで、少しずつ進めてきたゆずりは達と違い、静流は最初からメディアも巻き込んだ戦略をたてていたんですね。刻環と夜桜の代理対決。いやに挑戦的な静流に、それもまた宣伝になるからと、受けて立つゆずりは。ちょっと無茶かも、みたいに思うけれど、これでより一層がんばらないといけない。モチベーションがより明確になって、けど決して無理はしない、させないという彼女らの取り組み方にいろいろが見えた。ゆずりはの、友人たちへの気持ちや、またこの子の意外と芯がしっかりしているところとかですね。ええ、ゆずりは、意外に社長の器なのかも知れませんよ。
『となりの魔法少女』、最終回でした。けぇとウサの心にひっかかっていたもの。その気になるものを追った先に、あの日消えてしまったあきがいたんですね。夕暮れの教室。ふたりを待っていたあき。ああ、ハッピーエンドか。よかった。クマがあきに、自分の中にあった魔法を返してくれた。それであきは戻ってこれて、けぇとウサと再会、別れてから今日までに見て経験してきたこと、皆で話し合うんですね。けど、それで終わらなかった。ずっとこの漫画のどこかに漂っていた陰鬱さ。それは最終回にも健在で、ああ、あきを支えている魔法、それが足りない。もう数時間ほどでまたあきは消えてしまう。それで、残りの魔法を使って、ふたりに自分のいたという記憶を残すんですね。ああ、残酷だ! けれどあきの気持ちはわかる。あきのことを記憶にとどめたい、そう願う友人ふたりの気持ちもわかる。ああ、本当、寂しくて、悲しくて、けれどその決然と終わりを描いて、見事でした。しみじみと心に残すもののあった、そんなラストでした。頑張りました。
- 『まんがタイムきららミラク』第3巻第11号(2014年11月号)
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