2022年5月31日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年7月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年7月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

衣替え、初日から夏服を着るかどうかで悩む八重。え? そういうの悩むものなの? こういうのでいろいろ考えてしまうのは、流行に聡い女子特有の悩みなのでしょうか。いや、八重はなんかこじらせた自意識みたいな感じもしますよね。

同じく悩んだみなだけど、八重と悩みの質が違ってるのも面白かった。八重のそれは駆け引き感じさせるものなのに対して、みなは不安に突き動かされていて、ああ、みなちゃん、君に幸あれ……。

これが大河ともなれば、とにかくマイペース、まわりを気にしないどころか衣替えそのものに気づいていないレベル。ほんと、皆がそれぞれに性格、行動もろもろ違えているのが面白いんですね。

亜紀がまさかの衣替え者でした! みなをそっと呼び寄せて、パーカーの下を見せる。流行の最先端……、って、いや、みなちゃん、八重に毒されすぎてるよ!

ここからの八重もまじえたパニック風展開。ほんと、そこまで大変じゃないことを大事にしちゃう八重、面白いわ。この子の無闇な盛り上げ、才能を感じます。そして亜紀のパーカーアピール。うまくいかなくてしょんぼり亜紀も可愛かったけど、アピール成功した時のハイテンション亜紀、そのアップダウンの激しさ! いやもう、たまらん面白さでした。ここまで興奮している亜紀っていうのも珍しいですよね。

『通勤通学クエスト』

タケちゃん、おそるべき交友関係持ってるなあ。朝ご飯ができたと父に呼ばれて食卓にいったら、なんとタケちゃんが飯食ってた。なぜかと聞けば、遊びにきたと。きくちゃんと友達だからという、そのきくちゃんっていうの、お父さんなのね。将棋仲間。ほんと、タケちゃん、交友関係も謎だけど、趣味もまた幅広ですよね。

この息子さん、タケちゃんの父、竹重の同僚よね? というより、柏木と一緒にいることが多い彼よね? その人が家だとお父さん大好き感丸出しにしてて、いやもう面白いな。タケちゃんと父を取りあうその様子。親離れしてない子供か? タケちゃんがすごい的確なとこ突くのね!? 君、中学生よね。すごいな。大人を前にして負けてないぞ。

そのタケちゃんときくちゃんの交流、そして負けっぱなしの息子。ほんとおかしい。でもなんだかんだで息子とも仲良くなってたよね、タケちゃん。ほんと、この子の交友関係の広がり、その勢いたるや! ええ、よほどの巧者ですよ。

『オネェの恋のはじめかた』

時宗の背後から迫る怪人!? いったいなにごと!? と思ったら、ゲームをしてるんだ。桜子もくるからと誘われて、慣れないゲームにほいほい参加した時宗だけど、ゲームは苦手なんだ。携帯機でもPCでも同時に遊べるゲーム。ゲーム内で、桜子そっくりのアバター見て卒倒しそうになってる時宗がおかしい。ほんと、どんだけなのか。

このゲーム、鬼ごっこといいますが、追い掛ける側、鬼すぎませんか? これね、てっきり鬼NPCかと思ったら、鬼の中身は翔人なのか。おどろおどろしい仮面をつけた殺人鬼。ゲームに慣れてない上に、桜子と一緒で注意力散漫になってる時宗がいいターゲットになって、えらいこと追い詰められるのな!

思いっきり捕われて吊られてる桜子、とか思ったら、捕えられてるんじゃないなこれ! かなり猟奇的な情景よ!? 胴体にでかいフックが突き刺さってるよ!? で、ピンチの桜子を助けて好感度アップ? と思ったら、速攻で一緒に吊られてるじゃん、時宗!

いや、まあ、同じ経験をすることで育まれる好感っていうのもあるからさ……。元気出せよ……。

桜子と一緒でデート気分。水面に見透かされてる時宗だけど、肝心の桜子は気づいてないのね。ええ、時宗、ちょっとは言葉にして伝えた方がいい。でもそれができないんだろうなあ……。すなわちこれが慣れぬ恋ってことなんだろうなあ……。

2022年5月30日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年7月号、先日の続きです。

『RPG不動産』

サトナのバックグラウンド、どんどん明らかになっていきますね。亜人の王族のひとりだった。国からは存在を消されていた。その正体はブラックドラゴン。ファーやその母は人の姿をとることができるけれど、サトナはそうではないのかな。あるいは、サトナのとる人の姿はこれまで見せてきた姿とは似ても似つかないものなのかも知れない。今のこの姿は人の皮を被っているのだという。

笑顔でそれを語るサトナだけど、本来のその皮の持ち主は? 人とは、さらにいえば亜人とも、相容れぬ存在であるのかも知れない。そう思わせる描写でした。

ファーを健やかに、大切に育ててきた、その理由も判明。本当ならば殺してしまいたかったけれど、悪意のあるものはファーに触れることができない。そのため、いずれ利用するためにファーを育て、同時にファーの資質を活用する方法も研究してきた。

本当にこの状況、どうやって打開しようというのだろう。サトナの目的は、ファーの魔力を使い、強化された魔導砲で島もろともセレニアを葬ろうというもの。悪意を持つサトナはファーに触れることができないが、そこでルフリアが使役されて……。いやほんと、これどうなるんだろう。ルフリアひとりが皆から切り離された状態、なんら情報を得ていないという状態。この格差もまた悲劇的と感じます。

『恋する小惑星』

ナナチカちゃんが地学オリンピック予選を突破。それでつくばへと向かうのですが、会場で出会った冴木。地オリの常連で、もうすっかり慣れたもの。そんな彼女との交流、さらには距離感がやたらタイトな土屋由依も加わって、ナナとチカ、冴木いやさリオとユイ、4人の個性の見えて面白い地オリの3日がはじまります。

キャラクターが魅力的で面白い。それに加えて、今回は化石から判明する古生物の食性。そういったトピックも刺激的で、この多方面に広がる知の楽しみ、たまらないものがありました。

私は地学は選択科目で学んだ程度で、地学オリンピックとかまるで縁もなかった人間ですが、それでもこうして知らない世界? 地オリというものに間接的にでも触れることができるのは感謝ですよ。しかし宿舎のこと独房っていうのね。ニコニコ笑顔でナナチカちゃんに独房を紹介するユイのインパクト、なかなかのものありました。いやあ、この子、すごくいいです。プロフィールノートとか、小物の威力もなかなかです。

『mono』

なんとかマップカーのカメラって市販されとんの! 190万円。やべえ。さすがにこれは手が出ないから、ノープロの360度カメラを使います。これ、スポーツ分野とかでも定番のやつですよね。

さつきが全天周カメラを車載しようと思ったの、ただの思いつきとかじゃなくて、仕事に活用するためだったんですね。というか、これ、作者の経験談そのまま漫画に落とし込まれているのでは? カメラを選ぶ時の注意事項。どうやって車に固定するかなどなど。カメラに命綱つけてるとか、旅の帰りにぶっ飛ぶと悲惨とかも、作者の経験則と感じます。

でも、こういうのをただのノウハウ紹介とかでなく、読んで面白い、そんなやりとりに仕上げてくるの、さすがだと思います。実際、これ、どんな風になるんだろう。完成して撮影ドライブに出る、その様子の描かれるのを楽しみにしています。

2022年5月29日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年7月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年7月号、先日の続きです。

『となりのフィギュア原型師』

おこめ代表と競うことになった原型師が半藤の名を呼んだ!? 知っているのか半藤! からの、心当たりなさそうな様子。なんだこのしまらない展開! 一方的に知られてるだけなのかなと思ったら、専門学校での同期なんか! 半藤、見事に覚えていないのか。というか、柳沢ヨシタツ、半藤と同期なのにこういうイベントで呼ばれるまでになってるの、すごいな。

クラスメイトの顔も名前もまるで覚えていない半藤だけど、卒業制作のフィギュアはしっかり覚えてる。その出来、ディテールまで覚えてますよね、これ。ほんと、人には興味ない、興味あるのはフィギュアだけっていう半藤の傾向が見事に表れたやり取りだったと思います。

さて、ヨシタツ、半藤に嫉妬ですよ。滝館おこめと同行してる。つきあってるのか!? 疑惑から、飯塚イスカまで知りあい!? もう許せんってなるの、ヨシタツ氏、人間が小さいよ! でもこのモチベのあげ方、いい感じだな。さらに、この言動におこめ代表もお怒りだ。こんなにシリアスな表情見せる代表、もしかしたらはじめてでは!?

そこからの展開、半藤のサポート、資料提供を受けてファン納得の原型を制作、見事に勝ってみせたおこめ代表。おお、あのガッツポーズ、すごくいい! いやもう、ほんと、面白いなこのイベント。というか、得票見ればおこめ代表は15億、対するヨシタツ氏は14億って、ヨシタツ氏もすごくない!? 負けた方の原型でも充分売物になりそうじゃん。

いやほんと、なかなかに熱い戦い。かと思ったら、ラストのあの落ち、このがっかり感、しまらなさ。見事な落差を見せつけてくれて、ほんとおかしかった。最高です。

『ネコがOLに見えて困ります』

ミコトくん、16歳、高校生になったんですね。背も高くなって、ちょっと大人びたミコト。動物が人に姿に見えるのは変わりないのだけど、すっかり慣れたと思ったら、いや、ちょっと待って? これ、夢なんか。まだ13歳のままだった。

すっかり騙されたよ!

圧の強いリコちゃん、この子頼もしいですよね。OLさんに、社長ちゃんにぐいぐいこられて、ドギマギしちゃうミコトに、気にするな、普通にしてればいいとビシバシ指導してくれる。ちょっと言い方はキツいけど、ミコトのこと考えてくれてるのは間違いなくて、いやほんと、ミコト、いいお友達がいてよかった、そう思いました。

そしてOLさんの魅力に慣れようと、頑張ってお腹さわってみるも撃沈するミコト。ほんと、純情少年。ヘタレっていわれてますけど、このちょっと内気で肝が座りきらないところが可愛い。ほんと、ラストまでミコトの可愛いがつまっていました。

『敷金礼金ヤンキー付き』

大家のそっくりさん!? 見た目そっくり、けれど性格は大違い。あまりに似ているものだから、道を聞かれた佳もにわかに信じられなくて、またまた大家が騙しにかかってるなって、それで殴っちゃうのは酷いですよ!

いやほんと、これそっくりさんだったからよかった(よくない)けど、もし本物の大家だったら今ごろ佳さんボコボコでしたよ?

この人、駿河茶摘さん。静岡からきた大学二年生。って、大学生とそっくりな大家、いったいいくつなんだろう。結構若いの、大家? だとしたら認識変えていかんといかんな。

駿河さんを連れて町をぶらりひとまわりしてみれば、ヤンキーには怖れられているものの、町の皆には大人気、いろいろ助けてもらってる、さらには人材斡旋の副業まで? とにかくあちこちから感謝されている大家の姿が見えてくる。アパートの大家としての顔だけでなく、地元にいろいろ貢献している様子がうかがえるの、ヤンキーらしいといっていいんでしょうか、溢れる地元愛感じさせてくれて実によかったです。さらには女子高生にも結構知られてる? そうか、美人と評判なのか。いやほんと、今回はまさしくディスカバー大家回でした。

でもね、これだけで終わらんのがすごいよね。七恵、大家のそっくりさんと聞いてさっそくケンカ売りにいくの!? ウサ晴らしって、それただの迷惑行為だよ!? と思ったら、本物の大家に暴言吐いちゃって、ああー!

ほんと、これ、冒頭の佳も同じ目にあうところだったんだ。

交番で友達と再会できた駿河さん。おお、ヒメコも駿河さんにあえましたね。ヒメコと大家、今回は大家本人ではないけど、ふたりの絡みが好きなので、最後の最後にこうして出てこられたの嬉しかった。あのまじまじと見ちゃうところ、そしてラストに佳と一緒にツッコミいれるところ。ええ、おいしいところ持ってったヒメコです。

あ、そうだ。実はこの駿河さん、大家の親戚、たえの近親者とかじゃないかと思ってたから、本当に他人の空似でびっくりしました。

2022年5月28日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号、先日の続きです。

『ちょっといっぱい』

登校日、久しぶりにあえたもみじを前にハイテンションになってる凪。言葉が気持ちに追いついてなくって、これがまあ可愛いな、ほんともみじとあえたのが嬉しいんだなあ。

けど、もみじが一瞬表情を曇らせたこと、決して見逃さないんですね。もみじの語るすずめ亭の現状。建屋も道具も残っていたけれど、無人の店内は、あの時とはもう違うのだという現実をもみじに突きつけるようで、それがショックであったと、今の自分があるのはあの店のおかげなのに、自分はあの店のためになにもすることができない。

涙ながらに語るもみじに凪のかけた一言。それは安易な言葉かも知れないのだけど、おそらくはもみじに一番必要だった言葉で、そしてここからの凪の踏み込んでいく様! ああ、もみじがすずめ亭になにかしてあげたいと思ったように、この子ももみじになにか返したいと思ったのかも知れません。もみじはひとりじゃない、自分が一緒にいて手伝うと、真剣な面持ちをともに発せられたその言葉! この子の気持ちの奥にあった強さ、それがここにきて表に現れたかのよう。物語もまた強く押し動かされずにはおられまい、そう実感させられた瞬間でした。

『巴マミの平凡な日常』

マミのジャージに穴があきました。打ちひしがれる巴マミ、とはいうものの、すごい物持ちがいいお嬢さんだな。中学ジャージを普段着に愛用し続けているというんだけど、この物語のマミってもう30歳まわってるわけだから、10年以上使い続けて穴のひとつもあけてなかったわけですよ。人によっては在学中に穴のひとつやふたつあけたりするものなのに。それだけ大切に使ってきたんだなあ、ってことのわかろうものですね。

しかし、そんなにショックなもの? って、まあ気持ちはわかります。しかたがないから代わりのジャージをと思い探すも、なかなかこれというものが見つからない。マシなの見つけたと思っても、どこかしら気になるところが出てきて、ついには現行見滝原中ジャージの購入をまで考えるにいたるって、どんだけ中学ジャージへの愛が深いのだろう。

というか、その目論見がモデルチェンジで阻まれるのはいいとして、マミさん、あなたブルマ時代の人でした? さすがにあなた、短パン世代なのではなくって?

けれどなんとか頑張って補修して使い続ける目処がついたというの、これ朗報なのか、あるいはいつまでも足踏みし続けることが確定してしまった一種の悲劇であるのか。まあ、魔法少女は老いないんですよね? だからまあ、足踏みし続けていても大丈夫といえば大丈夫なのかな。いや、でも、他の魔法少女たちはなにかしら変化していったりしてるのに、そうした中で変わらずにい続けているマミさん。中学ジャージこそがその象徴のように感じられた回でした。

『最果てのともだち』

アサヒ、キヨと先生のいるあの校舎にいかなくなって一年が過ぎてしまったというんですか。これ、このままアサヒが金輪際、二度とあの学校に、廃校舎に関わらずにいられるのなら、まあいいのかな? みたいにも思えますけど、別れたあの日のキヨの様子を思えば、すっかり悪霊になってしまっているのではないか? もしなんらかの理由でキヨがあの校舎の呪縛から解き放たれることがあれば、あるいはアサヒがあの校舎に近づくことがあれば、それはそれは怖ろしいことになってしまうのではないか。

今回は、アサヒの11歳の誕生会の様子、いわばめでたい日の情景が描かれたわけですが、ユウという友達ができて、すべてが変わった。居づらかった学校も、苦しかった毎日も、ユウのおかげですっかり変わった。ふたりで一緒に作りあげてきた思い出の数々。それを写真をともに振り返るアサヒたち。こうしたしあわせな日がこれからも続くのだろうなあ。

そう思えば思うほど、キヨの脅威が増してくるように思われて、いやもうページをめくるのが怖い怖い。流れ星を見に、夜の河川敷に繰り出すアサヒとユウ。もう夜というだけで怖い。背景に描かれるマンション、それが校舎を思い起こさせて、これもまた怖い。いや、君、ビビりすぎだろうと思われるかも知れないけれど、物語がどういう方向に向かうのか、わからないうちはそりゃあ怖いですよ。

でも、怖いばかりでありませんでした。流れ星へのお願いをきっかけに、キヨとの約束を思い出すアサヒ。キヨとの楽しかった思い出と、そして約束を守れていないことに苦しみを覚えるこの子の姿は、本当に悲しくて、キヨのことは大好きだった、大切な友達であったことは間違いなくて、けれどユウというこの世に生きて存在している友達のできた今、ユウとならできて、キヨとだったらできなかったこと、それを意識させられているところもまた悲しくて、アサヒはキヨとのこと、ずっと整理をつけられずにいるのですね。

キヨに対する罪悪感。それがアサヒを押し潰したりしませんように。また、キヨの苦しみの晴れる日がきますように。今回のラストで先生がキヨに問うたこと、それがまた今後の鍵となっていくのでしょう。でも、それがどうキヨに、アサヒに関わってくることになるのか、それがわからないからもどかしくさせるのです。

2022年5月27日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年7月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。ファンタジー色強めの色調が素敵なイラストにしあがっていますね。一面に咲くグスタフの花の中、旅行カバンとともにひとり佇む琴音であります。あの魔法使いの帽子、くしゃくしゃって感じになっているのが雰囲気出していていい感じ。吹く風になびく服もまた、この世界の広さを感じさせて魅力的です。琴音の視線、その先にあるものはなんだろう。そうしたこと思わせてくれました。

今月は新規ゲストが6本です。

『ひよ&びびっと!』

動画サイトで活躍している配信者、あやもりんに憧れてついには自分も配信デビュー? いや、主人公ひよはそうした大それたことは考えていない模様。友達の咲から、やってみればとそそのかされるも、頑として断わる。自分には無理、できないと、いわば分をわきまえているんですね。

しかし、そんなひよの運命の転機? なんと、今日やってきた転入生、小戸森綾、この子が件のあやもりん。咲もその可愛さに見事打ち抜かれ、ひよはというとあまりのことに魂持っていかれてしまってる……。

思いがけず憧れの人と知り合うことになってしまったひよ。これまでは応援するばかりだった彼女が、自分の気持ち、感情を伝えようと、精一杯頑張って綾に向きあおうとしている。そうした頑張りの先に、この子の可能性が開かれたりする、そんなこともあったりするのでしょうか。

『はこにわどーるず』

人が寝静まった頃、ひっそりと動きはじめるドールたち。その活動を人間に知られてはいけない。そんなドールたちの仕事は、人に害をなす厄を祓って家を守ること。流し雛的な縁起物? いえいえ、実際にかたちを成した厄を相手に、武器を手にして大立ち回りするというんですね。

人知れずこっそりと人のために戦っていたドールたち。しかし、あまりの騷ぎに起き出してきた綿子に見られてしまった。人形を苦手としている綿子。はたして自分の目にした人形たち、あれはなんだったのか。必ず秘密を暴いて、家から追い出してやる。そう心に誓っている綿子ですが、いや、それあかんのでは!? 家に巣喰う厄が野放しになってしまうのでは!?

『うさパン焼いて悪いかよ!』

ヒロインのハチ、難儀な人ですねえ! 八房ちりみ。どこからどう見ても立派なヤンキーであるハチだけど、バレではいけない秘密があった。それは可愛いものが好きというもの。可愛いものが好きとバレそうになると、隠すために凄む、さらには暴力にまで訴える……。

いや、もうここは可愛いもの好きでいいのでは? 沽券とかそういうのなのかい? いやもう、難儀な性格です。

そんな彼女が出会ったのがうさぎのパン屋さん。可愛いうさちゃんパンが人気というのだけど、見た目うさぎというよりタヌキでは? それでも可愛いと買っていくハチ。ついには通い詰めるようになって、そうしたら店員にも覚えられて、すっかり常連なんだけど、あくまでも可愛いパン目当てとはいわせない。無理矢理にでも誤魔化して、いやもう難儀な人です。

で、そのパン屋の職人、オッサンだと思っていたその人がなんとハチと同い年で、悪いことに同じクラスに転校してきてしまった!? かくして秘密を知る人間が身近にできてしまって、さあ大変。暴力に訴えかねない勢いでオッサンのこと黙らせて……。いやもう、ハチさん、難儀な人ですよ……。

『中の人なんていませんっ!』

バーチャル系の動画配信者、根岸羊子はアラサー酒飲みOL。二次元キャラに身をやつし、リスナーから御布施をたんまり頂いていたのだけれど、事故でで命を落としてしまった挙句に、自分の演じていた二次元キャラ、らむねに転生させられてしまったというのですね。

転生にあたり制約がつけられて、らむねのキャラ設定からの逸脱不可。キャライメージから外れたことをすると、神の雷により裁かれてしまう。かくしてらむねとして、らむねを演じることになるのだけれど、キャラ的に酒の力は借りられない! 素面でキツい演技に耐えながら、なんとからむねを続けていくその苦闘っぷり?

ただ演じるだけにとどまらず、これまでの罪を償うべく、迷惑かけてきた人の悩みを解決していく。この経験が、嘘つきだった羊子から真摯ならむねに変えていく、そんなことにもなるのかも知れませんね。とはいえ、配信用のキャラで生活しないといけないという制約、相当な罰ゲームだと思います。ほんと、これ、大変ですよ。

『魔法少女はやめさせない!』

悪の組織から世界を守るべく、魔法少女になった赤咲陽。しかし宿敵を倒すことかなわぬままに16年の月日が流れ、かくして陽は26歳に。魔法少女というにはちょっとキツい状況、退職を希望するもかなわぬまま、今日も魔法少女に変身し悪と戦っているというんですね。

これ、26歳だけど変身したら10歳当時の姿になったりせんのかな? そう思ったら、ああ、ならないんですね。大人の姿に見当った衣装にも、……ならないのか。10歳当時の衣装で今もなお頑張っている陽。戦う相手は、女帝スター・ムーン。陽のライバルというのですが、つまり敵幹部も26歳……?

いや、敵幹部なら別に大人でもそうおかしくないか。そう思ったら、スター・ムーン、二代目に代替わりしとんの。母、引退なさったの。というか、子供いらっしゃったの。この、ライバルに子供がいたこと知ってからのくだり、めちゃくちゃ面白いですね。年齢計算して、スター・ムーンと戦っていなかった期間に思い至ったりなどなど。こうした妙な生々しさ? 実に悪くありませんでした。

二代目の強さもまたいい感じ。と思っていたら、この二代目のこじらせたファン感情。これもたまらんものありました。そうか、陽、すなわち魔法少女ラブ・シャインのこと好きなんだ。と思ったら、それも普通の好きじゃないよ? アラサーのデカリボン、そのキツさにときめいちゃう、いやときめいてはいないな、なんだこの感情。こじらせた偏愛としかいいようがない。

ほんと、登場人物、微妙にいろいろこじらせた人ばかり。なかなかにいいキャラ立ちしていると思います。

『わんるーむ☆さんせっと』

高校入学にあたり、入寮することになった千花。人づきあいが苦手、コミュ力低めな千花だけど、寮の先輩たちと知りあって、仲良くなれる。その可能性に心をときめかせている様子、これ大変によかったです。千花と同室になるのは、3年のかなた、かっこいい系のお姉さんだ。ファンがめちゃくちゃいる模様。そしてもうひとり同室になるのが、2年になるはずのさら。こちらは可愛い系? なんかふきだしに花を咲かせて、こうしたところも愛らしい? と思ったら、なんか一癖も二癖もある人っぽいですよ、さら先輩。

千花たちの部屋、202号室の惨状。千花には見せられないと無理やり片づけたさらだけど、ロッカーから流れ出るゴミの量! この上、さらにはまだ秘密があって、千花の見つけた0点のテスト。ああ、さらは去年1年で今年も1年。あまりの成績の悪さに、留年が確定してしまっているというんですね。

本来ならば、学校の方針で、3年2年1年生が同じ部屋で暮らすことになるはずが、3年1年1年生の組になってしまうというイレギュラー。ただいいこともあって、千花とさら、そして千花の友達、心菜が同じクラスになって、千花、知りあいがクラスにふたりも! 幸先のいいスタートです。

でも、心菜はさらが二度目の1年生だとは知らない。別にさらは隠そうとか思ってないっぽいですけどね。ちょっと謎まじりの交流関係が楽しそう。寮で同室の3人も、皆それぞれに人懐こくて、先輩ふたりも千花のこと可愛がってくれていて、実際千花の幸先よさそうですよ。

2022年5月26日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年7月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年7月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。梅雨明けの晴天がテーマのようですね。空にかかる虹のもと、師長のプリントされたシャツを干さんとしている山下さんをメインに、古きよき? 洗濯板で洗いものしている『らいか・デイズ』らいか、カゴにはいった洗濯物を運ぶ『小森さんは断れない!』しゅりがサイドを固めます。よく見れば、榊医師も洗濯板で洗いものしていますね。洗濯機よりも洗濯していることのよく伝わる、そんなアイテムが印象を強めてきます。

今月は新規掲載作が1本です。

『夜明寮のモフモフ住人』

夜明寮に暮らすサラリーマンたちは、モフモフの毛皮の動物たち。ええと、これは動物擬人化ものなのかな? と思ったら、そういうのともちょっと違ってるんですね。人の姿に身をやつし、人間社会に紛れて暮らす動物たちの物語。普段は人に化けている彼らが唯一本来の姿に戻ることができるのが、ここ夜明寮というのですね。

管理人は人間なれど、先祖代々受け継ぐ能力で人に化けたケモノたちの本来の姿を見通すことができる。そんな彼と、彼の身内の子たちが、ケモノの住民たちとともに暮らすなかで育まれていく信頼や共感を描こうという漫画の模様です。

しかし、管理人とともに暮らすこととなった甥の照、姪の結。この結ちゃんがやたら元気というか人懐こいというか、住民に対しぐいぐいのがすごいですね。とりわけ、人間不信のニホノオカミ、尾上氏のことが気にいったようで、反発する尾上氏にまるで斟酌することなく、当たり前にくっついていくし、部屋にも普通に入り込んじゃって、この行動力! いや、今でこそつきまとわれて困っている尾上氏だけど、いつか結のこと受け入れる日がきたりするのかも知れませんね。

不信から信頼へと変わる、そのきっかけとはいかなるものであるのか。見どころでありますね。

『おしかけツインテール』

ああ、そうか。隣町で清掃のボランティアしてた花梨の一件。花梨が見つかりました、めでたしめでたしとはいかんですよね。

学校を休んでふいっと姿をくらませたこと。そのことで俊郎、母からお叱りを受けようというのですが、これ、普段と立場が逆なのか! なんという大人たちか! とは思うものの、頭ごなしに叱りつけるのではなく、なにがいけなかったのか、理由をあげてちゃんと伝えていくところ、そうしたところはとてもよかったなあ。さらには、いつまでも叱られモードじゃいけないと、いつもの日常に戻れるよういろいろはからってくれてるとかね。すごいな、ここの大人、そこらの大人よりもずっとちゃんとしてる。

無闇に叱るだけでなく、いうべきことをちゃんといった上で、次は聞く態勢に入るというのもすごくよかった。母は母として娘に向き合い、そして俊郎も、見るべきものを見、ちゃんと見守ってくれていることの伝わった今回。ああ、本当にいい話だった。それだけに、最後にダメージの入ってしまう感、あれには笑わされました。ここで思いっきり落としてくるのですね。見事でした。

『Dr.こよりの美味カルテ』

医者のこより先生は食べることが大好き。なので、いつもちょっと食事にはわずかでもこだわりを添えて楽しむようにして、というんですが、最終回だからなにか特別なものになるのかなと思ったらならないところがこの漫画らしいですよね! 内視鏡にカンファレンスにと、とにかく忙しいこより先生。あちらこちらに駆け回るようにして、気づけばもう夜の8時前。

病棟の飲食店が8時で閉まるから、この時間だと売店しか選択肢がないという、この状況で急変の知らせを受ける同僚を見送っての売店駆け込み。食いっぱぐれた同僚のための差し入れも用意しつつ、自分用には確保済みのしらすとブドウ? それを売店で買った弁当に添えてちょっと豪華にするっていうんですね。

というか、ここにきてほんとなんら特別でもないお弁当がくるというのだからなあ! でも、こういう日常の食事に、ちょっとの工夫が彩りを添えて、そしてなによりもこのご飯をおいしくさせてくれるもの。実習の学生からの問が導いた、こより先生のモットー。これが本当にこれまで描かれてきたこより先生のらしさを一層に際立たせて、ええ、本当にいいお医者さんだなって思わせてくれました。そしてあの笑顔。ええ、おいしさを物語りその笑顔の向こうにあるものに気づかせてくれた。それが本当に素敵です。

2022年5月25日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号、昨日の続きです。

『スローループ』

恋先生、ネットで活動なさってるんだ。動画サイトにてタイイング教室などなさってて、おお、パーミットのチャンネル登録者、えらいことなってない? 恋先生の動画を見ながらフライを巻いている小春。動画で扱われているのは、以前にもやりましたっけ? マラブーを使ったフライの製作。で、その動画のコメントが微妙に面白い。視聴者がどんなこと考えてるか、みたいなのが感じられておかしかったんですね。

しかし、恋先生、最高やな。

今回は恋先生のタイイング教室動画、これがメインになるのかと思ったら、メインは後半にこそ置かれていました。小春たち、祖母に会いに介護施設へといきました。けれど、おばあちゃん、ちょっと痴呆が進んでいて、小春のこと、小春と認識してくれない。子供の頃の母を思わせるみたいですね。ええ、母が子供だった頃、その時代にまで帰っていらっしゃるのかも知れません。

そしてひよりの触れる手。この場面、言葉少なに、けれど多くを語っている、そうした触感が素敵だったと思います。

おばあちゃんも一緒に旅行にいくんですね。そこでのふれあい? なにか心情に触れるようなできごと、起こりそうな予感がします。

『球詠』

美園学院4番、諸積、怖るべしですよ! 三塁に五十嵐を置いての打席。詠深の球を見事に捉えてみせて、強直球にも合わせてくる。そしてあの落ちる球にもばっちり対応して、長打どころかホームラン!? いやもう驚きの展開。3回裏で4点を取られて、これ、厳しいのでは!? いやもう、芳乃はギリギリとかいってますけど、これ、普通だったら諦めの入る局面だと思いますよ!

しかし今回面白かったの、美学の諸積と五十嵐、ふたりの気持ちの通じてなさですよ! これ、五十嵐がどうにもにぶいからっぽいんだけど、諸積の五十嵐に対するリスペクト、これが全然伝わっていないじゃん! いやほんと、あのちぐはぐなコミュニケーション。なんだろう、なんだか微笑ましかったです。

さて、新越谷、打たれた詠深はというと、むしろわくわくしているというんです。この子もすごいな。士気があがっている。そして新越谷の作戦は続行。ピッチャー園川の変化球、これをことごとく見送り続けて、その不気味さ? いやほんと、この策がなにを目的としたものなのか。それがわからないからこそ、この先に起こるだろうこと、そこへの期待も高まろうというもの。

しかし、芳乃の作戦、なにを主眼としているのか。その真意を見通せぬ美学が陥る罠とはいかなるものなのか。本当、なにを見せられるのかとわくわくさせられます。

『ねことちよ』

いよいよ最終回! ああ、いったいなにが描かれるというのでしょう。

と思っていたら、はじめてのおつかいだー、これ!

今夜はハンバーグにしましょう、けれどお肉がありません。ちよは仕事で手が離せないし、まきもふみも用がある。なのでねこにお願いします。ひとりでお肉屋さんへといって、あいびき400グラム買って帰ってくる。

かくして任務を担ったねこの冒険がはじまろうというのですが、これ、ほんと面白いな。まきとふみがこっそり後ろからついて、ねこを見守ってるのもそうなら、お肉屋さんの奥さんも事前に状況知らされてるな! うまいことねこのアシストしてくれて、買い物が成功するようはからってくださるんですね。

小さなねこと、この子を見守る人たちのお話。その集大成みたいなエピソードだったと思います。ひとり自宅でねこを待つちよ。思い出されるのは、生まれてすぐのねこと出会った時のこと。あんなに小さかったねこが、ひとりでお買い物できるくらい大きくなりましたよ。その成長にしみじみ思いを及ぼすちよのその姿。ああ、それはどれほどの喜びであるのでしょうね。

2022年5月24日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年7月号、発売されました。表紙は『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』。真っ白な羽根が舞う中、焦った表情を見せている女の子、この子が主人公でありましょうか。月をかたどった髪飾り、首にはハートがあしらわれた銀のメダルのペンダント。このペンダントがキーアイテムのようですね。この子、東楓音。楓音のかたわらにいる金髪の少女、この子と楓音との関係は!? 余裕のない楓音とは対照的に余裕たっぷりな金髪少女。表紙では主人公よりも目立ってる、そんな印象ありますよ。

今月は新連載が1本、新規ゲストが1本です。

『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』

さて、表紙にて目立ちまくっていた金髪ガール。なんと、この子は天使なのだそうですよ。謎のペンダントの効能で、口づけでもって人を癒やす力を手にした楓音。この力こそが天使リリエルからのギフト。というか、状況をいまいち理解していないうちに、なんとかかんとか言い含められて協力することになってしまった。かくしてリリエルの差し金で女の子を救いまくることとなる楓音。悪魔の呪いを中和するため、次から次へと女の子に粉をかけ、キスをしまくることになるようですよ?

しかし、リリエル、学校にまで潜入してくるんだ。どうにもこうにも逃げられないぞ、楓音。そもそも楓音が選ばれた理由なんてのも気になりますよね。たまたまだったのか、あるいは才能が見込まれたのか。今のところ、とりたてて楓音でなければならない理由もなかった模様? このあたりは今後、話が続いていくうちに掘り下げられたりしていくかも知れませんね。

『狸メイドの信楽さん』

信楽焼の狸にすがったら、そいつが見事に応えてくれた!? やる気出した陶器の狸が大見得切るあの絵面、なかなかにインパクトがあっていい感じ。ほんと、大丈夫なの!? そんなこと思ってしまったけど、どうもそれは主人公の幸も同様だった模様です。ええ、思いもせぬまま主人公との共感を得てはじまったこの漫画。ほんと、この狸、どんな活躍を見せてくれるというのでしょう。

いやいや、正直期待や予想を超えてきました。不運続きの幸。職場で、私生活で普通の人なら遭遇しないような不運に次々見舞われて、傷心とともに帰宅したところ、狸の信楽が晩ご飯を用意して待っていてくれた! って、なんで玄関に? というか、それ晩ご飯じゃないのか。信楽が晩ご飯に化けてたのか。人の姿になって世話を焼いてくれるのはいいのだけど、どうにもいろいろ足りてないようで、その頑張りがいまいち役にたってない。とはいえ、幸の不運で生じたマイナスを埋めあわせられてないだけで、信楽が状況を悪くしているみたいなことはないんですけどね。

幸の不幸をカバーすべく、縁起物パワーとやらを発揮させるくだり。なるほど、信楽焼の狸の笠のいわれとか、はたまたしっぽに付された意味であるとか、そういうの語られて、生かされるのは面白かったです。いや、まるで幸の役にはたってなかったんですけど、話の展開のギミックとしてね?

基本、活躍よりも失敗の目立った信楽だけど、かつて本当の狸だった信楽と幸の縁から、見事幸の大失敗をカバーして結果出すところなど、やる気の空回りからの逆転劇、面白く読むことができました。やっぱりこうして見せ場があると気持ちも盛り上がりますよね。そしてここでも、狸の縁起物パワーが発揮されて、ええ、立派な活躍でした。

2022年5月23日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年7月号、昨日の続きです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

繋のお母さん、すごいよな! 娘が犬になりきってるの、知っててかつ許してるんだ! いやね、普通だったら成績のよしあしに関わらず、そんな馬鹿なことやめときさない! ってなりますやんか。でもテストでいい点取ったら犬のマネっこしてもいいって!

いいのか!? ほんとにお母さん、いいんですか!?

かくして、繋、今こそ頑張りどころ。なんとしてもいい点数取らないことには、桔香とのきずなも途切れてしまう。犬として振る舞えない、さらにはシャツも返却、これまでこっそり集めていた桔香の出したゴミともお別れしないといけなくなる!

ヤベえ。この漫画の子ら、微妙にヤバめの子ちらほらいますけど、繋はその中でも特別にヤバくない? いやもう、一線越えそうなヤバさの片鱗を見た思いがします。

さて、繋に勉強を教えるの、葵がいたらもう万全では? と思ったらあかんのか! じゃあ絃? と思ったら、威圧感がすごい! 残る頼みは桔香だけど……、残念ながら繋の成績、改善を見ず、ああ、繋の犬としての生活や風前の灯火!

ここで、桔香のお姉さんが関わってくるとは予想外でした。優しいお姉さん、繋にしっかり寄り添って、安心させた上に要点をしぼって覚えていきましょう。ああそうか、桔香たち、教えようという思いが強すぎて、あれもこれもと全部盛りにしてしまってたんだ。

桔香たちも頑張ってましたけど、お姉さん、やっぱり頼りになりますね。より広い目で、力の入れどころ、抜きどころを見極めた上で、無理なく繋のペースにあわせてくれる。こういう余裕、包容力あると感じさせるところ、さすが年長者と思わせてくれました。で、同時に厳しいのも姉であります。あのラストの桔香! あれー、人に勉強教えたら自分のためにもなるというのに。もしかしたら、桔香、ちょっとサボっちゃったのかも知れませんね。

『今日の授業は恋愛です!』

さがり、病欠! そこで地味に繰り広げられるマウント合戦。誰よりもはやく情報を得たのはりっか。連絡先を交換してることアピールして、ちょっとした優越感を得ていたら、なんとしらべがさがりの家を訪ねる権利を手にいれていた!

この、プリントを届けにいくという病欠あるあるが、まさかさがりにしらべの転科の意思を知らせるきっかけになろうとは予想外。でも、これは次回以降のお話ですね。しらべが抱えている問題を知り、この受けたボールをいかに投げ返そうというのか。まさに乞うご期待といったところです。

さて、今回はしらべ宅へと向かったりっかたちを揺るがす新ライバル登場です。ギャル風の女の子。気づかいのできる、そんないい子だったわけですが、しらべの家へと向かうりっかたちの前を歩くこの子。なんと、この子の向かう先もしらべの家だったというのですね。

最初ね、お姉さんかと思っていました。あゆむさん。さがりとの親密アピールに余念のないこの子。あれ? 幼なじみ? 従姉妹とか? みたいにいろんな関係性を予想しながら読んでいたのですが、りっかたちはさがりの恋人なのではないか、不安ゆえか決めつけてしまってましてね、恋愛科でのいろいろがさがりに恋愛への前向きさを取り戻させた。その結果、新たに作った恋人があゆむ!?

いやもう、この子、ほんとに面白かったです。実はさがりの妹でした。皆を翻弄して面白がってるっぽい、そう思っていたら、なんとまあガチでさがりのこと好きなの? ほんと、さがりは気づいていないけど、法律を変えてでもさがりとの婚姻関係を実現しようとしている!?

いやもう、想像を超えた子でした。この子の存在が、今後のりっかたちとさがりの関係にもなんらかの影響及ぼしそうな予感がします。というか、面白いのでちょくちょく出てきてほしい子ですよね。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

新しい状況へと向かおうとしていますね。人として学校に通っている帝華。学校で友人を作り、一緒になんでもない普通の学園生活を楽しんでいる、そんな毎日に陰りが! 読書感想文用の本を探そうと神保町界隈に出てみれば、帝華の知り合い、すなわち妖怪怪異の皆さんに出会う出会う。まずはシュタイン博士とフランケン。シュタイン博士、いいよなあ。どう見てもちびっ子にしか見えないのに、えらいこと偉そう。この見た目と中身のギャップ。不審に思われてる? なんかいろいろ探りたそうな友人たちを誤魔化しながら次へ次へと話題を移そうと頑張る帝華だけど、あんまりうまくいってないみたいですね。

今回は、帝華の身に起きたことだけでなく、人の社会に同化し生活している妖怪たちにとっても、その生活を揺るがしかねない、そんな事件が描かれました。睦子の先祖にあたる山ン本の差し金で、普通に人の生活に馴染んでいた鬼瓦氏、彼が鬼としての本性を引き出され、人を害してしまった。

これ、鬼瓦氏、下手をしたら罪に問われるよね? あるいは友人を守るためとはいえ、鬼瓦氏に怪我を負わせた帝華も? 人虎としての姿を友人に晒してしまった帝華を待つ運命、これこそが今回の主なテーマだけれども、それ以外にも派生すること、事態の大きさにちょっと穏やかでおられません。帝華もだけれども、鬼瓦氏についても丸く収まってくれるといいなと思います。

2022年5月22日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年7月号、昨日の続きです。

『コンビニ夜勤あくまちゃん』

そうか、アルールはまだ研修中でしたか。あんまりにも働き方がこなれてるから、普通に研修期間終わってるのと思ってましたが、ようやく一ヶ月過ぎたところとな。ああ、結構有能なのでは? 実際わりと一ヶ月目くらいだと、あれこれ対応できずにうろたえたりしますよね。まあ、アルールはアルールで変なところでうろたえたりしてますけどね。

最後の研修を受けにいったアルール。他店舗の新人、華と比較すると、やっぱりちょっとどこか変ですよね。やたらと態度がデカかったり、それから語尾のなのだ。しかもこれ、封じられるといろいろ支障が出てしまうのか! こうしたところ、なんでもないことがウィークポイントになってるの、実にアルールらしかったです。

しかし、アルール、実地の研修となるとやたら生き生きしてくるのが頼もしい。むしろ優秀そうだった華の方が対応しきれなくて、反面アルールは余裕? 大量のお客にも物怖じせずどんどんこなしていくし、さらにはイレギュラー対応にも強い。ベテラン感があるなあ。ほんとに一ヶ月目なの!? ここぞという時に頼れる、有望さ感じさせる堂々した姿が見事でした。

でもワンオペは苦手なのね。あのワンオペと聞いて絶望するところ、いや、なんとかできんもんなの!? まあキビしいのはわかる。ほんと、時給アップと仕事のキツさ、はたしてちゃんと比例してるのか。微妙なところですよね。コンビニの仕事見てると、その量、内容に対し安いと思う。ラストのアルール見てると、改めてそんなこと思ったりしましたよ。

『リリカお嬢様に振り回される!』

今回はまためずらしい展開見せましたね。リリカの部屋にクモが出ました。それで永野に助けを求めるんですけど、パニックリリカが、パック中の永野を見てさらに悲鳴あげるとこね、シンプルだけどめちゃくちゃ面白かったです。

しかし今回なにがよかったって、永野がクモを苦手としてると知ってからのリリカの行動でしたよ。最初はね、そこまでじゃないと思ってたんでしょうね。でも小さなクモを見ただけで、涙目でリリカにしがみつくほどに苦手。それで勇気を出して自ら動いてみせるリリカの姿に、この子の芯の強さ、いつもわがままいって困らせてばかりだけど、ほんとは永野のこと大切に思っているとわかるのが、本当に素敵でした。

怖々とクモに触れたリリカが、なんともないじゃんって、平気になるところなんかも、この子の可能性の広がり感じさせてくれてとてもよかった。永野に感謝されてまんざらでもないといった表情もまた悪くない。ええ、今回は頼りになるリリカの姿に見事打ち抜かれた思いでした。

『ぬるめた』

なんだこれ、素晴しいな。ゴスい格好してるちあき、いや、ほんと、最高では? もっと自信持とうよ。もっとこうキメポーズとって見せてよ。ほんと、めちゃくちゃ可愛い。ええ、ちあきは可愛いですよ。べらぼうですよ。

今回、皆で服を持ち寄って互いに着せ替えしようというんですね。次から次に可愛い格好した面々、どーんと2段抜きで登場してきたりして、うわー、素晴しいなこれ。ああ、カラーがたった2ページで終わるのが本当に惜しい。全編カラーで見たい、そんなエピソードでしたよ。

シンプル可愛いしゆきにくるみ。そしてバニースタイルのさきな。ああ、さきな、素晴しいのでは? 2021年9月を超えた私には、なんとバニー衣装が効くのですよ。ほんと、最高では? なぜカラーじゃないんだ? いやもう、ゴスちあきとバニーさきなの攻防、この世のものではない素晴しさでした。

その後のワイドページの彼女らもよかったですよね。シンプル可愛いちあきは当然として、くるみ、さきな、しゆきも尋常でなく可愛い。最高では? いやもう、なぜカラーでないのだろう。悔やむばかりですよ。

で、可愛いだけで終わるのかと思ったら、最後の最後には残念コーデでしめるんだ! くるみの絶妙残念感、これ、ものすごいな。でもさきなはわりと大丈夫では? え、私のセンス、最悪? いやもうほんと、ラストのテンションもまた彼女たちらしい、そんな楽しさあって実によかったです。

2022年5月21日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年7月号、昨日の続きです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

カヨちゃんのパパを救うべく、ゾンビの徘徊するホームセンターに向かった面々。

いや、しかしめちゃくちゃ丁寧に作られてますよね。ピンチを切り抜ける鍵となるアイテム、発想などなどは、基本その回の序盤にそれとなく話題にされていて、今回もそれ! その時、その場になってはじめて、あそこで触れられてたの、後々の危機脱出にかかる振りだったんか! って気づけるんですね。

いや、別に触れられていようといなかろうと、どんなピンチがくるかなんて読者にはわからないから、その対抗策なんてのも同様わからなくて当然なんですけどさ、でも事前に情報提示されてると、あれか! あれがここでか! って、すんなり入ってくるように感じられるんですよね。ええ、とても丁寧。しかも情報提示もすごく自然でスマート。この丁寧さが地味に全体の飲み込みに影響して、ピンチになった、危機を脱した! という流れに乗りやすくしてくれていると感じます。

さて、今回はそうしたピンチによる緊張とそこからの解放が、複数個バランスよく塩梅されていて、ペロの警告で緊張、新しい血痕でさらに緊張、どんどん緊張が高まっていった先に、アヤの発想による一段階の解放、そしてカヨの思いきりとリルーのレサナによる完全解放。素晴しかったと思う。たったひとつ残されたレサナが絶望的な状況を好転させる。そしてそのレサナはたまたま偶然残されたわけじゃない、カナの父を助けたいと皆が願ったゆえだったと明らかにされるあのくだりなどは、もうたまらなく感動的でした。

本当、丁寧に描かれた漫画だと思います。エピソード、その顛末もそうなら、登場人物の気持ちの綾も、すごく愛らしく、時にドキドキさせて、そしてほっとさせてくれる。その優しさもまた嬉しく思います。

『ななどなどなど』

ああ、そういえばもう少ししたらクリスマスですね! で、ななどさん、クリスマスやサンタクロースの知識はあっても、その実在性とか現実的な方面もろもろにはまるでうとい……。いや、マジで!? そうか、サンタの実在を疑ったりしないんだ、ななどさん。さらにいえば、麒麟や河童も! この子、幽霊、妖怪、エイリアンクラフト、その他もろもろ伝承のたぐい、すべてを純粋に信じていそうですね。

そんなななどと、すっかりスレてしまっている小町ちゃんの、なんの因果か意図せぬプレゼント交換が実現する今回。ななど、小町ちゃん、それぞれを焚きつける面々の説得状況も面白くて、基本素直でストレートなななどだけど、小町ちゃんに対する負の信頼が酷いな! そして小町ちゃんも、焚きつけたるる自身が負の感情でとかいってるのがおかしくって、いやもう、こうした微妙ネガティブが混じるところ、たまりません。

プレゼントを選ぶところも、なんでも出てくる家とか、そういう小ネタからしてもう面白く、ななど、小町の先に相手を寝かそうとする攻防なんかも、高度な頭脳戦みたいな要素皆無で、ほんとこの子たち可愛いよなあ。で、速攻サンタコスプレがバレるななど! バレて悔しいはないちもんめ、泣いて抗議するななどに、サプライズに恨みたぎらせる小町など、ほんとどういう感情のこじらせ方なさってるの!? みたいな描写からのプレゼント交換にいたる展開は、ほのぼのと暖かみあって、嬉しく思わせてくれるものありました。

そしてラストのななどのセリフ。やっぱり微妙に酷い! でもこういう関係築けてるところ、なんかいいんですよね。変に気を使ったりしない、そんな気持ちのストレートさがいいんですかね。

『瑠東さんには敵いません!』

うわ、和村ちゃん、きれい。最高よね、アイドル衣装? なんで、また、どうして? と思ったら、なるほどアイドルモチーフのスマホゲームに和村さんハマってらっしゃる。しかもそのゲーム、微妙にあかん感じなの? オタク友達に話題を振るたびに、サービス終了? といわれるほどなんだ。そうか、キビしいな……。

さて、和村の推しの新カードが登場ですよ。それでなんとか引き当てたいと、和村ちゃん、ガチャに挑戦するわけですけれど、そうか、石を貯めに貯めて100連分確保しとるのね。でも普通には引かない。なんとしても当てたいと、ガチャのジンクス、験担ぎをこれでもかと気にして、試してみるその様子が、おかしいやら可愛らしいやら。

いやいや、気持ちはわかるんよ? 気持ちを向けすぎるとハズれるからよそ見しながら、気にしない素振りでガチャを引くとかさ、わからんでもないのよ。でも、結局は確率でしかないからね、ガチャって! でもそれでも、なにもわかってない子供に引かせると大当たりが出たとか、そういう報告がSNSにあがってきたりするでしょう。だから皆、自分なりの験担ぎをしたりするんでしょうね。

ということで、和村の験担ぎ。友達に引いてもらうっていうやつね、残念、最初の10連はハズレでした! ここでほのかに期待していた和村に、さらに遠くからひそかに期待してくれていた瑠東と、ほんと今回はなんかこの距離感もおかしいな。でも10連なら軽度がっかりくらいよね? 続く10連もハズレ。で、和村ちゃん、感情の起伏がヤバいよ! ほんと今回は、推しのユメたん新カードからもうなんかおかしかった。感情の浮き沈みにともないその表情もころころと変わって、ここまでの起伏もまためずらしいでござるな和村氏。ほんと、私もそんな和村氏が好きでありますよ。

どんどん追い詰められていく和村ちゃん。乱数調整なる、よく耳にはするけど現実的に効果あるんかないんかわからん行為を挟みつつ、さらには運の総量云々。ほんと、全部が全部まるで意味ないんだけど、ガチャ引いて精神状態おかしくしちゃってる人にはもうなにをどう話しても無理よねえ。ええ、でもあの打ち拉がれる和村ちゃんを見ていたら気の毒で、なんとかなって欲しいよね、そう思わないではおられない痛ましさありました。

今回のラストに訪れた和村ちゃんの奇跡。この展開、きっと瑠東が絡むんだろうなって思いながら読んでいたから、こういうかたちで決着したのは本当に意外でありました。最後の和村ちゃんハイテンションも、妹百々ちゃんが知るだけで、瑠東は知らぬわけでしょう。ほんと、めずらしい展開。ええ、今回は和村と瑠東に直接の絡みがないという、なかなかに稀有なエピソードで、でもそれが不思議と面白かったです。

2022年5月20日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年7月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

なんというカレー充!

かつてない程にネームに自信があるかおすちゃん。けれどそれがゆえに、もし駄目だった時のことを思うと不安が一層に募って、ああ、自信がなくても問題、あっても問題。でもこういう気持ちはよくわかる。とはいっても、今回の琉姫ほどにかおすの心情に迫り得たものもまたいないでしょう。

共感が結びつけるふたり! ひしと抱きあうその姿よ。ああ、なんと素晴しいのだろう。で、ここからまさかのカレー調理回に突入していくとは、これは、これは予想できなかったよ! るきさんまめちしきによると、不安な時にはカレーを作るのだそう。そして今回は、同じく不安なかおすもともに一緒にカレーを作ります。

って、スパイス調合からなの!? すごいな、本格的ってもんじゃないよこれ。

しかし不穏なカレー調理風景ですよ。作ってる時、とりわけ玉ねぎのくだりのあやしさったら! さらにそれを超える翌日、翌々日の情景。カレーをちょいと失敬しよう、あるいは自分好みの味つけしようとする寮生たちに泣いて迫る! ホ、ホラー回!? いやもうすごかったです。

そしてふたりともに報われたラスト。ああ、よかった! 皆でカレーを囲むその様子、しあわせそのものではないですか。そこに編沢さんも加わる? 加わったらいいなあ! ええ、ネームもカレーもかおす先生の力作ですよ!

『マグロちゃんは食べられたい!』

学校でも結構やりたい放題なみさき。やるなあ! 教室に冷蔵庫を持ち込むんだ。それを風紀委員の指原みなとに非難されるも、まるで意に介さず強気のみさきが頼もしい。みさきの揺るぎないメンタリティ、その根底にある魚への偏愛が光るわけですが、それにしても生魚でなければならない理由があったのですか!? それこそ一夜干しとか、冷蔵庫を持ち込まなくてもおいしく食べるやり方もあったのでは!?

と思ったところで、でも七輪持ち込みは避けられないと気づいてしまった。ああ、七輪持ち込むんだったら冷蔵庫までいっちゃっても同じですね。屋上にて七輪調理をするみさきの表情、いきいきとしてとてもいい。で、みなとが勝手にみさきのバックグラウンドを想像して同情してという謎展開。ああ、この人もちょっと変わった人だ。まぐろから人になったまぐろも相当だけど、もとから人の彼女らも相当で、いやまぐろを上回ってるよね?

そして仲のふかまるみさきとみなと。予想外のあだ名がついたラスト、こいつのせいで、誤解から理解に進み友情の育まれるふたりの様子に得た読後感が一気に塗り替えられて、いやもう、この感情の落差。見事でした。ほんと、最後に一番面白いのを残してました、そんな感触。ほんとさしみの表情、そのつっこみも素晴しかったです。

『SAN値直葬儀!闇バイト』

ヤバいバイトにさすがに忌避感覚えはじめるこよ。対し、のりのりでやる気に満ちているあかり。このふたりの温度差よ。バイトにいくのしぶるこよに、心細いよとかいっちゃってるあかりですけど、嘘だろ、あんたそんなキャラクターじゃないよね? ほんと鉄の心臓、神をも畏れれぬふてぶてしさ。この気弱を装う手管もまた、この子のしたたかさでありますなあ。

今回の仕事は店番だそうですよ。ああ、じゃあちょっとはマシかな? そうは思ったけど、この店自体がまたヤバいな。写真を撮ったら、ここで命果てた者の顔が写り込んでくる! ヤベえ。こよの正気度がもはや限界迎えようとしている! さっきまで制服可愛いとかいってたのに、1ページもたたずにこれだよ!

で、ここからがまたヤバいよなあ。お客って人じゃないの!? 見た目からして爬虫人類!? しかも言葉が通じない。なのにほぼ動じないあかり、その精神構造どうなってんの!? どんだけ強いの!? で、このお客さん、歩く音がベチャベチャベチャベチャなの!? 歩いた後に水が残ってるんだけど、ヤバいなあ。この肌感覚に訴える嫌な感じ。さすがやわ。

このお客とふたり応接室に取り残されたこよの狼狽ぶりもまた大変だった。水のくだりね、まさかああ使うとはね! でもってお客さんの狼藉!? いや、あれ店長が介入したから助かったの? そうじゃなかったらどうなってたの? ほんとに写真撮りたかっただけなの?

ともあれ、今回も無事命果てたこよ。この子、何回正気を崩壊させた? もう本当に、怪異が迫るだけでなく、こよ昇天もまた毎回の恒例事案となりそうです。不憫!

2022年5月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年7月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。BOCCHI IN JAPAN FESのタオルを掲げた後藤ひとりを中央に、喜多ちゃんと虹夏が一緒に写るこの構図。なにかの記念写真? まさしくフェスの真っ只中。虹夏の手にしたエナジードリンク2種が、楽しいながらも過酷な時間を物語るかのようですよ? というか、ひとりの表情、結構限界に近かったりしていませんか!?

今月は新規ゲストが2本です。

『お狐さまは小生意気!』

百年ほど封じられてしまっていた狐がようやく自由の身になったと思ったら、今度は神社の娘の支配下に? しかしこのお狐さま、時代に即してか黒いゴススタイル。生意気ながらもちんまりと愛らしい少女の姿がまずかったようで、花ケ前桜子の魔の手にかかる!?

おさん狐の壱与を一目で妖怪と看破。神を騙ってはいるものの、実際のところは狐狸妖怪であることは間違いなさそう。甘いお菓子に懐柔されて、いや懐柔されてはいないな、なんとか逃げようとしてるところを無理矢理強引に引き込まれとるぞ。そして壱与が桜子の部屋で目撃したもの! ケモミミ百合もの同人誌!? かくして桜子はヘンタイ呼ばわりされる始末。でも、まあヘンタイで間違いはなさそうです。

百年の年月を経て現在によみがえった壱与。その妖力も桜子には及ばず、慣れぬ世界で天敵桜子のもと暮らすハメになってしまって、さあこれからいかなる暮らしがはじまろうというのか。なかなかのハードモード、身の危険が身近にあるの、落ち着かないですね!

『ラスボスは逃げ出した▽』

落ちが奮っていましたよ!

人と魔族が相争うこの世界において、どうも魔族は劣勢である模様。どんどん力をつける人間の勢いをとめることができず、人間の軍勢は魔王城の目前にまで迫ってさあピンチ。この状況にいかに対抗しようというのか。魔王の手腕やいかに!?

で、逃げるというんですね。

しかも魔王は逃亡の常習犯。配下の魔族も慣れたもので、魔王捕獲にかかった時間が65秒。さらにこれを賭けのネタにしている始末。魔王が魔王なら、魔王直属の配下である四天王も四天王で、余裕を見せている堕天使はというと、どうも健忘が過ぎるあまりに現状の危機もすっぽり頭から抜けてしまう。残る3名も勇者を迎え撃つはずが優先順位を間違えたり、賃金が低いからとサボタージュしてみたり、そして最後の砦は自滅!?

これね、勇者を前に立ち塞がる中ボスラッシュからのラスボスという局面なのに、どうにもしまらない、そんながっかりギャップを面白がろうという漫画なのだね。そう思って読んでいたらですよ、あの落ち! 魔王軍のあまりのだらしなさにやる気失った勇者が逃げた、そう思わせてからの、あの勇者の危機察知能力! まあ、ありもしない危機ではあったんですけど、これまでのコメディ展開にあり得たかもしれない策謀を見せてきて、あ、これ面白い!

ええ、一発でそう実感させてくれました。前後編一気に掲載されたのも、その実感をより強めてくれたと思う。ダレなく待ちなく一気に読めたの、これは好感触でした。

2022年5月18日水曜日

カイの冒険

 昨日の今日で、また『カイの冒険』です。私がこのゲームを思い出すきっかけとなったのは、FF関係にあるアカウントさんがTwitterに公開された短いムービー。60階に到達したカイが悪魔ドルアーガにより石にされてしまう、まさにその場面が切り抜かれたものだったのですが、ああ懐かしい! このゲーム好きだった! そう思って少しやりとりしましたら、YouTuberさんのゲーム実況の影響で買われたと判明。なるほどー、そういうのがある時代なんだ! というか、『カイの冒険』、Switchでプレイ可能になっとったんか! となるとなんか黙っちゃいられない。ええ、気持ちがわくわくと盛り上がってしまったんですね。

そのtweetというのがこれ!

そしてやりとりしていたtweetのうちひとつにいいねをくれた方がいらっしゃいまして、馬小屋ねる子さん、レトロゲーム系VTuberさんだそうですよ! ねる子さんのtweetsを少しさかのぼってみましたら、おお、ありましたありました、『カイの冒険』100階クリアに挑戦の動画!

なるほど、これは確定っぽいですね。この方の動画が今回の話題の起点でありますね。

それでね、いったい私がかつてクリアできずにいたのは何階だったのだろうと気になりまして、ねる子さんの動画アーカイブを90階あたりから見てみたんですよ。そうしたらですね、おや? 97階のあのふわっといってから右にぎゅんって動き、覚えがある。98階の頭を打ちながら帰るのもやったことあるよ?

ってことは、あーた、99階なんですかい? ええーっ、そうか、もうクリア目前だったんじゃん。ああ、そうか、当時はエクストラが何階まであるのか知らなかったから、120階あると思っていたから、これがラス面と思わなかったんだ。しかもクリア動画見ると、あれ? そんなに難しくないっぽいな? なのになんで自分はクリアできなかったんだろう????

ほんと謎! いやもう、これ、今だったら突破できるよな! なんならどこでもセーブと巻き戻しを駆使して、昔よりもずっと楽にクリアできちゃうよな!

そう思ったらもう抑えがきかんですよね! ええ、どうも『カイの冒険』、買おうとしているっぽいですよ?

ただここで問題が。『カイの冒険』単体で買うか、10本セットで買うか、それが問題です。10本セットで買ったって、あんたろくに遊ばんでしょ? といわれたら、あー、うん、そうねー、と答えざるを得ない。でもさ、なんかね、遊べるものが手元にあるとさ、ちょろっと遊んじゃったりするじゃない。そのちょろっと遊べる状況ってのが重要だと思うのさ。少なくとも『スカイキッド』は遊ぶでしょう。『ファミリーピンボール』も遊ぶなあ。で、あとの7本は?

いやまあ、無駄遣いですねえ。でもそれでもちょっと気になってしまうんですよ。『ディグダグ』とか、遊んでしまうと思う。

けれど、きっと昔のようには遊べない。ゲームが貴重で、手持ちのゲームを何度も何度も遊んだような贅沢なゲーム体験はもうできない。

あるいは、昔できなかった、あれもこれもつまみ食いするようにして遊ぶ、そんな体験を今リベンジするようにしてやってみたいのかも知れません。

あ、そうそう。『女神転生』はワゴンで安くなってたので買ってたのでした。クリアしていません! つまみ食いしてるじゃん!

2022年5月17日火曜日

カイの冒険

 『カイの冒険』がNintendo Switchで遊べるようになってるって!? いえね、twitterにクリア動画が流れてきましてね、うわー、懐かしい! このゲーム好きだったんだよー。名作、といっていいのかな、今の常識からすれば理不尽な謎解きゲーだと思う『ドルアーガの塔』、私はこれが大好きだったんですが、『カイの冒険』は『ドルアーガの塔』の前日譚にあたります。悪魔ドルアーガを倒すべくイシターの加護を得て挑んだカイがドルアーガに負けてしまい(『カイの冒険』)、その後にカイの恋人であるギルがドルアーガを打倒すべく塔に挑む(『ドルアーガの塔』)という建て付け。さらに後日譚として『イシターの復活』があるのですが、これ、私は未プレイです。いつかは遊びたいなあと思いながら、今の今までその機会がなくってですね、もし叶うなら遊びたい、といいながらも、今だとちょっと無理かもね。太刀打ちできないんじゃないかと思います。

さて、『カイの冒険』です。プレイヤーは巫女カイを操作し、悪魔を封印すべく塔の最上階を目指すこととなるのですが、残念ながらカイには攻撃手段がない、というのがこのゲームの肝であります。塔の各フロアには罠や敵モンスターが存在し、それに触れるとカイは死亡。残機をすべて失ってしまうとゲームオーバーです。

前述のとおり、カイには攻撃手段がないので、ふわふわとした低重力環境思わせるジャンプを駆使し、敵を避け、罠を避け、とにかくすべての障害を避けきって先に進んでいかないければなりません。ゲームとしてはアクションになるのかと思いますが、先に進むにつれてシビアになっていく障害を潜り抜けていくその感触は、ふんわりジャンプアクションでもって解いていくパズルに近いものとなっていきます。ぎりぎりの隙間を抜けるべく最適なタイミングでのアクションが要求される、その難度は相当なもので、第1エンディングにあたる60階クリアこそはかないましたが、残念、その先に用意されたエクストラステージを踏破することは当時の私にはできませんでした。

今だったらできるんですかね? 正直できる気がしないんですよね。もう昔のことなので、細かいことはほとんど覚えていないんですが、クリアを阻んだそのステージのどうしても抜けられなかった箇所は、おぼろげながらも思い出されます。

また、もうひとつ覚えていることといったら、5階ごと? 10階ごと? だったかに現れてはプレイのヒントなど教えてくれる女神イシターのコメント。エクストラはもうお祭りみたいなもんですからね、イシター様もすっかりくだけて打ち解けて、なんか面白いことおっしゃるようになるんですけれども、イタリアントマト(当時ナムコが経営していたイタリア料理店)のおすすめメニューとか教えてくれまして、ええ、このイタリアントマトコメントが大好きでした。

いや、もう具体的になにがおすすめされていたとか、思い出せないんですけどね。

『ナムコットコレクション』はどこでもセーブ機能と巻き戻し機能があるそうなので、そのどうしてもクリアできなかったステージ開始時点でセーブ、巻き戻しを駆使しつつクリアを図るとかするといいのかも知れません。知れません……が、当時クリアできなかったのは、どうしてもそこで残機が0になって先に進めないよー、じゃなくて、コンティニューだけは無限にできましたからさ、何度やっても何度やっても突破できないっちゅうねん! ええ、セーブできようが巻き戻せようがやっぱりクリアできないんじゃないかなあ、みたいなこと思っちゃうんですよね。

昔のゲームはクリアできなくて当たり前。エンディングにまで、最終ボスにまで、最終面にまで辿り着けずに終わったゲームなんてざらでした。『カイの冒険』もそうしたひとつだったんですね。ちょっと心残りだったんですが、どうにかしてその心残りをすっきりさせられたらなあって思いはじめています。

2022年5月16日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年5月15日日曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年5月14日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年5月13日金曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年5月12日木曜日

『まんがタイムきらら』2022年6月号

 『まんがタイムきらら』2022年6月号、昨日の続きです。

My Private D☆V

『先輩、ちょっといいですか?』の黒宮魚です。

D☆Vポイントは「拙者、女の子のジト目好き好き侍にて候」。

かくしてイラストを見てみれば、なるほど納得! 『先輩、ちょっといいですか?』の有効成分がそこにあるではありませんか。3人の女の子で4種のジト目を提示して、デフォルトがジト目、1000000点。バカにするようなジト目、1000000点。ふくれっ面でジト目、1000000点。そして後輩の女の子の上目遣いのジト目、500000000点!

100万、100万、100万、5億かよ!

いや、でもわからんでもないんだ。かくいう自分もジト目は嫌いじゃない。後輩かどうかは別としても、デフォルトジト目代表として描かれたこの子、こういう雰囲気はかなり好みで、なので不知火零も結構好きだったりするんです。零は無垢な感じが強め、に対してデフォジトの子はアンニュイ成分強めに仕上がっていて、ああ、こういう雰囲気いいですね! 自分に対しての特効持ち、相当なダメージが期待されます。

2022年5月11日水曜日

『まんがタイムきらら』2022年6月号

 『まんがタイムきらら』2022年6月号、昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

すずめを慕うあまり、学校周辺を徘徊していた不審人物。無事、すずめと対面あいなりました。

現騎士滅悪総長である朱音。しかし、この子、めっちゃくちゃ可愛いよね。不良だヤンキーだっていうけど、見た目はちょっとやんちゃな感じのお嬢さんじゃん。赤いニットベスト、最高に可愛いよね。髪に差すメッシュの赤も印象的で、なんだよ、最高では!?

このあかねさん、とにもかくにもすずめが好きなんですよ。すずめがチームを脱退してからは、すずめロスに陥り、心の隙間を埋めるべく代替すずめを下っ端の飯田に探させる始末。

過去のすずめに思いを寄せるあかねと、今のすずめと友情を育む蛍に咲姫。その対立は根深い? と思わせて、今のすずめにもほだされてしまうあかねのチョロさ。悔しさのあまり泣いてしまうほど!? めちゃくちゃ可愛いのでは!?

しかし、この諦めの悪いあかねさん。いかなる方法で今のすずめに食い込んでいこうとするのか。すべては飯田の策にかかっている!? いや、なんかうまいこと今のすずめのペースに引き込まれてしまいそう。そんな予感がしますよ。でも、ほんと可愛いですな、あかねさん。

『スロウスタート』

大玉に乗っかって一緒に転がってしまった花名の末路! 無事でした! ちょっと楽しそう? 災難と思われたできごとがポジティブに回収されて、ええ、楽しい体育祭の魔法ですね!

しかし今回はイベント盛り沢山ではありませんか。榎並先生の全組対応リレーとか、なかなかに面白い見せ場が描かれたりね、そして一年生リレーあり、花名のふんわりダンスありと、見どころが次から次に押し寄せてきて、そのあちらこちらに好きという感情が現れてきたり、楽しい気持ち、頑張ろうと取り組む真摯な思い。そうした皆の一緒にひとつことに取り組む中で醸成される友情、助けあい。大変なごちそうだったと思います。

体育祭はなおも続きます。ということで今回はまだまだ中盤、ブリッジ的な回ですか? おそらく勝敗の行方は次回!? はたしてその結果やいかに。たとえそれがいかなるものになろうとも、なにか見せてくれるものあるだろうと期待させられます。

『むすんで、つないで。』

なにいってんだ、薗部さん。バレンタインに欲しいというカップチョコ。うん、そういうチョコは知ってるよ。おいしくないよね? ちゃんとテンパリングされてないもんね。でも、薗部にはそうしたチョコにこそ求めるロマンがあるという。ほんまか? まったく理解しない白百合に、やっぱり理解できない花ノ子。うん、自分もわからんです。白百合の求める、一粒で満足する高級なの、そっちがいいなあ! しかし白百合さん、まだ幼いのに舌が肥えてますね。

バレンタインデーに友チョコを贈ろう。薗部に煽られて自作することになったつなぐ。この子、なにか適当にそれっぽいの作るのかなと思ったら、めちゃくちゃ凝ってるじゃん! お友達の八千代、感激。七色にいたっては宗教的法悦の境地に。うん、いつもながらぶっちぎってますよね七色。しかし八千代も七色も、めちゃくちゃ可愛かった。

小学生組のやりとりも、姉妹でお菓子づくりしてるその姿も可愛ければ、苺に豚と間違えられて恥ずかしい花ノ子の赤面も素晴しい可愛さ。苺にスカラベモチーフのデコレーションチョコ贈った白百合が、フンコロガシと明言していくのも地味におかしくて、スカラベだったらエジプトの縁起物だけださ、フンコロガシはさあ、食べものにフンコロガシってさあ! いやほんと、このコミュニケーション、とてもよかったです。

しかし今回みたいなお話。ほのぼのと楽しくて、見ているだけで嬉しくなる、そんなエピソードがずっと続いてきたわけですが、ちょっと物語が動くのでしょうか。かつて花ノ子が神隠しにあった野見山地区で工事が!? これ、なにか悪いことがおこったりしちゃう!?

ちょっと胸騒ぎさせられますよね。悲しいできごとがおこらなかったらいいなあ。

2022年5月10日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年6月号

 『まんがタイムきらら』2022年6月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

飛島に皆でいこうという話。なぜか翼が乗り気でなくて……、という描写が気になった前回。今回はそのあたりを掘り下げるのかな? と思ったら、皆で花見をしていますよ。

満開の桜の花の下、お弁当を囲んで乾杯。けれど興味はどうしても鳥に向かって、まずは鳴き声に誘われてウグイスから。でもそこで、すずがメジロと勘違いしてというよくある間違いして見せて、そこから広がる鳥の話題。鳥が花の蜜を吸うことで、花がまるごと落ちてくるとかね、そうした描写が面白い。あまりコアな話に向かわず、親しめるところから間口が広がっていく、そんな感触あるエピソードでした。

ラストあたりで触れられた翼が飛島を苦手としている話。同様にひなも少し億劫に思っている? ひなのいうのは、その場所に苦手があるというのではないのですが、それでも皆と一緒は楽しみと、翼もそうでしょうと水を向けるところに、ふたりの通じあってるところ感じられて、これもよかったと思いました。

そして、突然加わってきた酔っ払い、あやめ。これはただ闇雲に参加してきただけではなくて、今後もなにか関わりを持つことになるのかな? 人間関係の輪も広がっていく、そんな回なのかも知れません。

『ほぐして、癒衣さん。』

つくづく不憫な人だ、富美子さん。お腹がすいているとバレたから、仕事帰りに一緒に食事にいきましょう。参加者は癒衣さん、そして夏鈴のふたり、以上! 富美子の出番はありません!

これあとで知って荒れるパターンでは!? なんで私はその時いなかったんだっていって、落ち込んだり悔やんだりするやつでは!?

ともあれふたり居酒屋で、お酒飲みながら語らう情景。夏鈴、結構飲むんですね! あんまり強くなさそうなのに、なんかビール一杯で悪ノリトークが出る程度に酔っちゃってるんだけど、そこから先もまるでセーブしようという雰囲気がない。次々頼んで、どんどん飲んで、普段だったらありえないノリで悪い冗談いっちゃったりして、ヤベェ、ヤベェな夏鈴。この人、お酒で失敗するタイプ? いや、それはそれで最低限は守れてるのか!? ほんと? ほんとかな?

お酒のせいか、いつもとは違う雰囲気ただよわせている夏鈴。まさか癒衣を自宅に招くことになって、ああ、富美子さん、つくづく不憫な人だ! 富美子のいぬ間にどんどん進む癒衣と夏鈴の関係。かつてないほどに深まってしまうのか否か。いやもう、予想通りとはいかないまでも、なにかしらの波乱はありそうですよ。

『それでは、ステキなセッションを。』

てんちゃんが聞くのですよ、是沢と一色の出会いについて。奏ドレスの出現に、ふたりの関係性が関与しているのではないか。そうした疑問に答えて語られるふたりの出会いのエピソード。まだ高校生だった頃のふたりの、一緒に音楽を奏でるにいたるまでのやりとりに、まだよく知らない相手に見出した友情の萌芽の可能性。あるいは自分の知らない世界に連れていってくれるかもというわくわく感。

ピアノを習ってはいたものの、主体的ではなかった一色が、是沢と出会い、彼女の音楽に向ける思いに触れることで、自分の知らなかった音楽の楽しみを知るにいたる、そのくだりには、一色が求めていたものを是沢が持っているのではないかという期待感や、自分の感じたことのない音楽の楽しみ、面白さを自分も知りたいと思う渇望に似た感情が見てとれて、とても魅力的でした。一色にとって是沢がどれだけ特別で、その関係性は今もなお変わりのないことがわかる、そんなエピソードでした。そしてそれは同様に是沢の一色に向ける思いをも物語って、是沢がベースに取り組んで、うまくなりたい、よりよい演奏ができるようになりたい、そう思う気持ちの根っこがここに描かれていた。ああ、こうした歴史あればこそのふたりのシナジーなのだと実感させられたのでした。

しかし、この話、奏ドレスの理解に結構重要だったと思うのですが、てんちゃん、寝ちゃって聞いてなかったですね。核心に迫れないままだけど、今はまだそれでいいのかも知れませんね。

2022年5月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2022年6月号

 『まんがタイムきらら』2022年6月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。遥乃と瞬が一緒にゲーム!? 思わず体が動いちゃう? 遥乃の体が傾いて、瞬にぐいぐいいっちゃってるのが面白いですよね。瞬が困ったような、ちょっと嫌そうな顔してますけど、実はそんなに嫌じゃあないのでしょう!? ええ、思いもしないふたりの楽しそうな様子。すごくいいなあって思ったのでした。このゲーム、レースものみたいですね。小さなロケットにちんまりと乗る海果とユウが目を回したりしてまして、ああ、クラッシュしたのかい!? ええ、こういうところも愛らしくてとてもよかったです。

『星屑テレパス』

部長会にて部の活動報告をすることになった海果。朝早く、ひとり登校して教室で報告の練習をしているのですが、その姿を見守るユウの視線が切実で、ああ、立ち入ることのできない、そんな雰囲気があったりするのかな? と思ったら杞憂でした。普通に教室に入って、ぐいぐい接近していってる!

そして続いて遥乃と瞬もくるのですよ! おおお、ロケット研究同好会の皆、仲間としての結束が見えてきましたよ。皆を前にしての報告の練習。瞬は辛口批評なんですけど、でも無闇と厳しいわけじゃなく、彼女なりの誠実な向き合い方がこの58点なんだと思う。そしてここからの遥乃のアドバイス。聞いてくれる側が海果のことを理解してくれたら、そのテンポや苦手な気持ちを知って、海果の言葉を待って聞こうとしてくれたなら、きっと大丈夫。そのアドバイスを取り入れようとした時の海果のあの表情。ああ、この子は成長していますね。変わろうと願い、実際に動いてみせるこの子の決心。その強さにはっしと打たれる思いがしました。

海果、部長会にて結果を出せましたね。まわりにいる人たちは敵じゃないんだ。それがわかったことも大きかったのだろう。ひとつ、前へと進むことができた。その達成感がまたも海果を強くするのだろう。それはすごく喜ばしいこと。けれど、ユウは少し寂しく思ってしまうのだな。そのユウの切実な視線、海果にすがるようにして呼び止めるその様子。これもまた胸を打ちますね。たまらないものありますね。

『けいおん!Shuffle』

扉絵、可愛いな! さて、今回はリサと真帆のすれちがい。街に出た真帆が見掛けたリサの姿。そのかたわらには楓がいて! 衝撃受ける真帆がすごい。ズルいと思った? ただただ羨ましかった? でも涙目になるほどにショックだったというのですからよっぽどです。

これ、リサは真帆のこと、どの時点で気づいていたんでしょうね。アフタヌーンティーの時点では気づいていたような気がする。あえてあの話題を出して、仲良くしたいと切り出すつもりが、その前に真帆が席を立ってしまった。リサ、しくじったと思ったりしたのかな。今回は真帆の側から、この子の不安に思ったり失望したりする心情が描かれたわけですが、ずっと余裕と見えるリサ、この子にとっては今日のできごとはどうだったろう。

自分の気持ちが誤解されてるんじゃないか、リサが不安に思っていただろうこと、真帆に対する、あ〜 やっぱり〜、という言葉に集約されていましたよね。それだけにこの子の真帆を意識していたかも知れない昨日のお出掛けの状況、いろいろと思いを馳せてしまうんですね。いやね、もしかしたら最初の振り向きの時点で気づいてるでしょう? だとしたら、真帆の合流を阻んだ? その意図は? 真帆と同じ席についたら、楓に真帆のことを相談できなくなるから? いや、気づいたのは遠くから自分たちのこと気にしている真帆の姿を見た時なのかな? いや、あるいは席を立ったあの時なのかな?

ええ、リサの真帆に気づいたタイミング、それがいつかと思うだけでも、その時々のこの子の行動、発言に解釈する余地が生まれてくる。打たれ強そう? 大抵のことは気にしなさそう? そんな風に見えがちなリサの、でも決してなんでもかんでも平気じゃないっていう本当のところをうかがえる、そんなエピソード。いやあ、含みと膨らみが素晴しかったです。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

エルヴィーラのこと、ずっと気にしている女の子。アルバイトしたいと申し出るのですが、残念、今は募集してないって断わられてしまいました。

このお嬢さん、エルヴィーラのことを知っていた。けどそれは、この世界に住んで、ゲームショップで働いているエルヴィーラという個人を知っているのではなく、ゲームに登場するキャラクターとしてのエルヴィーラを知っているってわけですね。エルのことは、エルヴィーラのコスプレをしている人だと思ってるのでしょう。またセリのビキニアーマーも、隠し要素までフォローしてると感心している。ええ、すなわちゲームの中でも村娘セリが戦士にクラスチェンジする隠し要素があるってわけですね。

今はゲームはしていないというこのお嬢さん。なぜなのか。ゲームが嫌いになったわけではなさそう。でもゲームを続けられなくなった、そんな過去がありそうで、おそらくはエルたちのもともといた世界である、ゲームをプレイしたことがあったりする? エルたちのもといた世界、魔女に関係するとまでは思わないものの、ゲームについてのなにかしら重要な情報を持つ、そんな人物になりそうです。

今回は、エルたちの素性を隠し守るために、バイトとしてやとわれることのなかったお嬢さん。けれど、店のポップ作りに参加することになって、店の仲間たちからも好意的に受け入れられて、ええ、今後の登場、活躍に期待されます。なんか、近々仲間になりそうな予感ですよ。

2022年5月8日日曜日

『まんがタイム』2022年6月号

 『まんがタイム』2022年6月号、昨日の続きです。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音、活動の幅を広げていきますよ。琴音の天気予報のファンという社長さんの御縁で、結婚式場のCMに出演することとなった琴音。ウェディングドレスに満面の笑顔がまぶしい。そんな琴音の活躍、いかなるものとなりましょう。いえね、元気な笑顔、明るい笑顔が魅力だけれど、ちょっと演出意図にそぐわない。愛おしそうにほほえむというのができないんですね。

このへんは役者さんじゃないから難しいですよね。留莉からもアドバイスもらいながら表情、感情の持っていき方もろもろ、模索してみる琴音の行き着いたゴールが面白い。タケちゃんが差し入れに持ってきてくれるという、おばあちゃんのおはぎ! それも特別バージョン、お赤飯のおはぎというのですが、このおはぎに向けた感情がすべてを解決しちゃうのね。

ええ、あの笑顔、どれほどにうっとりとさせるのでしょう、その特別なおはぎは。今はまだ恋とか結婚とか視野に入らない琴音の焦がれる感情。食欲が解決させるというのがこの子らしいですけど、おそらく同時にこれは祖母への思慕などもあったりしたのだと思ったのでした。

『午前0時のおねだりごはん』

新人の三元さん。米沢と牛喰がイチャつく現場を目撃してからもう大変。いろんな感情がぐるぐるしちゃって、米沢を見て赤面。その色気にまどったと思えば、牛喰を前にしても落ち着かず、質問攻めにしてしまいかねない。なんとか秘密を秘密のままにと奮闘する牛喰。けど、三元さん、プライベートに踏み入るのはよろしくないよ!? ええ、デリカシーを学ぶのもまたひとつの社会経験です。

ということで、仕事上がりの米沢の後をつける三元です。ああ、これはいよいよおねだりごはんがバレる!? いや、あるいは牛喰との意味深な関係、より誤解が深まるかたちで目撃しちゃうのかな!? なんて思っていたら、ああ、眼鏡を落として米沢を見失っちゃった! いやもうこれで、三元さん、眼鏡卒業だとか、思いもしない展開でした。

ふたりの関係が三元にバレかかってることを米沢に告げる牛喰。けれどここでふたりの認識のズレが確認されて、ああ、牛喰よ、まだまだそこまでの関係には踏み込めていないようですよ。そして三元は三元でふたりの関係を完全に誤解して、ええ、いいんじゃないでしょうか! この誤解、米沢よりも牛喰に伝えてあげてほしかった。いや、あくまでも誤解で、この発言が関係に影響したりはしないでしょうけどね。

『良倉先生の承認欲求』

古岩が良倉に助けを求めます。いったいなにかと思ったら、デートに同行してしてほしいですって!? 古岩と良倉、年の差デートなの!? と思ったら、古岩の誕生日を祝おうといってくれた星畑。他の部員が都合つかなくて、結果ふたりで街に出ようということになったのですね。

かくして大晦日デート。ここに良倉は介入するのかどうなのか。ああ、良倉は上枝の良倉擬人化同人誌を売るべくイベントに出るのですか。めっちゃ笑うな。というか、見事に完売なんだ。さすが上枝、人気イラストレーターだけはありますね!

さて、問題は古岩のデートですよ! 私服星畑に、かわいいんですけど!? 発言。キレてると思われちゃってるの、おかしい。これね社交辞令だと思われるの、実に不憫で、古岩の生真面目さが悪い方向に作用しちゃったなあ! けどそこからのふたりのやりとり。星畑、いいお姉さんじゃん! それとなく古岩をリードして、彼の嫌そうなこと、ちゃんと理解して、その見守ってくれている感じ。ああ、どんどん星畑への思いが深まっていく! その魅力、見事に描かれてたと思います。ええ、古岩と一緒に読者も星畑のこと好きになっていく、そんなよさありましたよ。

でも星畑との会話にたびたび現れるぶんちょー紳士。それが古岩の嫉妬心に火をつけて、あの鳥!! って! いやもう、古岩には悪いけどこれは笑っちゃいましたよ。しかもそれでよりにもよって良倉に、打倒ぶんちょー紳士を表明してしまう。ほんと、なんの因果なんだろう!

思いもしない文言にショックを受ける良倉が可愛い。ええ、予想外の飛び火、最高におかしかったです。

2022年5月7日土曜日

『まんがタイム』2022年6月号

 『まんがタイム』2022年6月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。通巻500号かつおとぼけシリーズ連載500回を記念する号であること押し出されてまして、すごいな、500号で500回ってことは42年間、一度の抜けもなく毎月連載を続けてこられたっていうわけか! 植田まさし氏は四コマにおけるトップランナーで、掲載誌も最近でこそは減ったとはいえ(それでも多い)、一時期などはそれこそ複数タイトル並行でいつつもむっつも、いやそれ以上? 描かれていたはず。40年現役で雑誌の顔というのも驚異的ですが、その質もまた尋常でなく、ええ、私の四コマ読み始めも植田まさし氏だった。面白かったし今も面白いものなあ。それだけの激務をされてなお健勝であられること、まさしく偉業であります。

『おとぼけ部長代理』

500回記念ということで、特別編だそうですよ。おとぼけ一家がアルバムを広げ、昔を懐かしむという趣向。扉下の1本目、これがまたおかしくて、あの怒ってるお母さん、お父さんも新婚当初の新鮮さを忘れずいてあげてくださいよってついつい思っちゃうラスト一コマでした。続く思い出四コマも面白くて、おとぼけ夫婦が時に不満を感じたり文句をいったりしながらも、助けあいながら今までずっと過ごしてきた、その歴史が垣間見える、そんな四コマの数々でした。

しかし、いつもとは少し趣向の違う振り返り思い出話。おとぼけ一家の人間味、その厚みなんての感じさせてくれるいいテイストありました。そうなんですよね。父と母、こずえにひろし、そしてシロ。それぞれ家族の役割を演じる、そんな機能を担いながらも、キャラクターとして立っている。その個性、人柄の感じられるところがまたよいのだと思わされました。

『大家さんは思春期!』

チエちゃん、たまにはだらだら過ごしたい! と思うのだけど、どうにもいろいろ気になって、天気がよければ布団を干したい、ゴミやほこりを見つけたらさっと掃除をしておきたい。

ああ、根っからの働きものなんだなあ。でもこうしたことを苦もなくこなせるの、心身の健やかさ感じさせてくれて、私としては反省です。

だらけられないチエちゃんにだらけ方を指南するのは、その道のプロ、レイコさん。まずはスタイルから、というので制服からゆったりニットとハーフパンツに着替えさせるんですが、いいじゃないですか、このゆったりチエちゃん。で、ゴロゴロするよりも座り姿勢の方が楽で落ち着くというチエちゃん。ああ、体幹が鍛えられてるんだ。体幹がしっかりしてない人は、その座り姿勢の維持が大変なんですよ。ええ、体幹、大切です。

夕方からは前田さんにだらけ講師を交代。ゆったりニットに裾を折ったズボン、このゆったりチエちゃん外出仕様、素晴しいのでは? あんまりフェミニンじゃない。可愛すぎない。でもボーイッシュってとこまでいかない。そのゆるさ。でも決してだらしなくは見えないのがこの子ですよね。

前田に連れられて、いつもの街を散歩。なのにご近所さんとも行きあわず、商店街を通っても声かけられることもなく、これは前田のモブ能力!? チエにとって新鮮な体験だったみたいで、このいつもとは違う休日、ゆったりながらも刺激のある一日だったようですね。ええ、最後の笑顔、実によかった。いつもと違う時間の過ごし方。気づかないことに気づけたりもして、ええ、楽しかったんですね。

『この契約は恋まで届きますか?』

野田、病に倒れます! 38度の熱を出してしまって、今回は手芸を教えられなさそう。仕事で疲れてたのかと八千代に心配されるも、過労の理由は最近ハマっていたビーズ細工。呆れながらも、ビーズ細工に興味津々の八千代が実によかったです。

今回突発の看病イベント。熱とか出すとちょっと弱気になりますよね。気持ちが弱ったところに沁みる親切。野田にはえらいこと効いてたようで、ええなおさら八千代のこと好きになっちゃいましたね。でも若干の接近ありながらも、しっかり距離を保っている八千代です。野田がさみしくならないようにと配慮してくれたぬいぐるみパレード。あれはよかったなあ! 八千代の意図とはちょっと違って、すごい圧! でもこの状況、きっと八千代にとっては夢のようなシチュエーションなんでしょうね。

週明けのふたりの様子もよかったです。それとなく言葉かわしながら、仕事のやりとり風に見せる技術を発揮するその様子。完全に事務的、と思わせて互いにちゃんと配慮、心遣いがゆきとどいていて、ああ、いい関係なのでは? というか、ビーズのマスコット、これが八千代にえらいこと効いてるのが最高でした。どんだけ可愛い系小物お好きなのか。たびたび看病イベント発生するのはマズいけど、それを願ってしまうほどに直撃する可愛さだったようですよ。

2022年5月6日金曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年5月5日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号、一昨日の続きです。

『ニチアサ以外はやってます!』

タチバナ先生、結構生徒に好かれてますね。というか、マスコット扱い? 理科室に入り浸って、タチバナちゃんの世話してくれてる生徒たちがいる。さみしくないようにって。ひとりにしたら心配だからって。けど、この生徒の言い分、実際転んで子供扱いされて泣いちゃうタチバナ見せられると、あながち面白がってるだけじゃないっぽいなと思わされて、いやまあ、いろいろちょっと危ういところありますよね、タチバナ先生。

そんな先生が学内で出会った少女。座り込んで泣いている。迷子になってしまったらしい。制服を見るに他校の生徒らしい。心配して声をかけたらですよ、タチバナのことを迷子の子供と誤解してしまって、ほんとどれだけちびっ子感漂わせているのかタチバナ先生。まあ、あのおどおどした態度、教師っぽくはないですよね。

タチバナ先生が出会ったこの子、冴島たすく、特撮研に用があるらしい。海城あかねを訪ねて足を運んだというのですが、タチバナに話すあかねとのいろいろ、それがどうにも不穏で、タチバナにして会わせてはダメな気がする、警戒させてしまうんですね。

実際その予感は正しくて、たすくと出会ったあかねがあからさまに動揺を見せて、いったい過去になにがあったのだろう。ヒーローごっこで誰かを悲しませてしまった過去、それはいったいどうしたいきさつなのか!? いやまたなにか不穏な人間関係がうかがえて、なんだろう、あっちにもこっちにも人間関係の地雷が埋まっててヤバい現場ですよ!

『リバースゾーン』

『ニチアサ以外はやってます!』劇中にて、あかねたちが所属する特撮研。その先輩たち8期生が作ったのがこの『リバースゾーン』。部長の博見も同学年の唯も2年生だから、ちょうどふたりが入学するその前年に作られたものみたいですよ。

舞台は月面。月への思いの深さから、月の裏にある調査基地への留学を果たしたマヤ・アルテミスが出会うトラブル。月のウサギを探すという子とともに、ウサギを、そしてカニを探すというのですが、月面に棲むカニの登場してくるあの場面! いやあ、すごい迫力では? さらに月のウサギ、カニ退治用人工知能兵装ウサギアとともにヒーローに変身して戦うカグヤの勇姿。

これ、続くんですよね!? だとしたらおおいに期待したいところです。たとえ毎月でなくとも、たまに思い出したようにでもいいので、この特撮世界の広がり、8期生の生み出した世界を見せてくれたらば、それはどんなにか楽しいこととなるでしょう。

でも作画カロリー結構高そう。本編と並行して2本連載となればきっと大変。無理ないところで続いてほしいです。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

ねねとののを呼び戻すべく、夜の公園で怪しげな儀式をはじめるしずね。自作の呪文、チモフワチモフワローキオヨーハは、引っくり返してみれば怪しくもなんともないんですけど、まさかねねとのの、この呪文で苦しみはじめる! いやもう、いったいなにものなのかこの呪文。想像以上の謎シチュエーションです。

夢の中で謎の冒険に駆り出されていたねねたち。これ、人の姿になる力を失いつつあるねねたちが、その流れに抗おうと苦闘するイメージかなにかなのかと思っていたら、全然違ってたよ!? しかもしずねの儀式に呪文、残念ながら特に役立ってはいなかったことが後に判明する。いや、むしろふたりを苦しめただけ? いやほんと謎でした。

すべて終わってしまえば、安心の大団円でした。ねねとののの冒険、あれ、まさかの修行だったんだ! 試練を乗り越えレベルアップ。ねねからスペシャルねねに進化して、あのおさわがせの休眠もレベルアップ前の準備期間だったのだろう。いやもう、みんないろいろ不安になったり別れの予感に震えたり大変だったけど、ねね、ののふたりが頑張ることで切り抜けられる試練だったと知って安心しました。

レベルアップしたねね、のの。ふわふわ感アップです。うん、抱きまくらとしては順当な進化と見える。そしてこの顛末、日奈野先生にすべて目撃されていて、でもちゃんと理解して受け入れてくれました。ねねとののの秘密、知ってくれている人がいるの、ちょっと嬉しいですよね。そしてしずねとねね、あかりとのの、楽しく過ごす時間がこれからも続くこと、これがなによりも嬉しい。しずねが夢見る、ねねと一緒に学校に通う夢とかもね、いつかかなったら素晴しいよね!

ええ、夢見ること、その思いの健やかに育まれることが美しい、そんなお話。しずねの夢のかなうことを願わずにはおられません。

2022年5月4日水曜日

『まんがタウン』2022年6月号

 『まんがタウン』2022年6月号、一昨日の続きです。

『猫またはごはんを。』

ネコマタのフク、ひとり外出デビューですか? いや、こないだコンビニだったかいってなかったっけ? 今回の目的地は公園みたいですよ。猫たちの集会に参加するのが目的っぽい。

フクは人間社会のいろいろにやたらと詳しいネコマタですけど、ずっと屋内飼いだったから、実際の社会については長けていない。そうした実務経験のなさが悪い方向に出ちまいましたね、今回。夜の公園にいってみれば、猫たちがネコマタが降臨されたとばかりに平伏、大歓迎してくれるわけですが、そこで教えてもらえた情報がね、動物保護団体が猫に避妊手術をほどこす活動しているってやつなんですけど、それが一歩遅かった!

知ったその矢先に捕えられてしまって、ヤベえ! フク、手術されちゃう!? いや、ちゃんと首輪してるもんな、どこかで飼われている猫だとわかってもらえるだろう。ただ問題は、どうやって家に帰るか、ですよね。首輪にサチの連絡先でも書いてあれば、連絡もはいろうものですが、そうでなかったらどうして帰ればいいのだろう。

と思っていたら、フク、ボランティアの前で人の言葉しゃべっちゃったの? ああー、ネコマタの秘密、でかけた初日にバレてるんじゃん。ほんと、フク、野生を失ったネコ、かつネコらしさを失ったネコマタならではのポカでした。ほんと、これどう帰りつくのだろう。このお兄さん、サチとの秘密の共有者となってくれるのでしょうか。

『食欲しか勝たん!』

今回の食欲トリップ、はやかったな! CDショップでのアルバムリリースイベントにお客さんがたくさん詰め掛けて、お店の中にお客さんがぎゅうぎゅう!

ということで、今回は牛丼です。でも牛丼に心魅かれたきっかけは、このCDショップへの移動中、見掛けた牛丼店がずっと心にひっかかっていたゆえだ! はやい。今回のエピソードがはじまる前に、すでに物語ははじまってしまってたんだ!

赤色担当のこころんを推すファンが、何本もの赤いライトでアピールしてくれている。そのたばねられた赤を見て、紅生姜を想像しちゃうのね! さらにステージ後の特典会、サインを書くべきところに牛って書いちゃって、慌ててぐりぐり塗り潰したら思いもしないハートマークに! さらに加えて、たまたまイベントを見て興味持ってくれたお客さんにも、めちゃくちゃ意味深なこといっちゃって、あー、こころん、あなたは魔性のなにかなのですか!?

いや、この子が意識しはじめれば、この無意識アピールは力を失ってしまうんだろうな。まだ幼ないから? いや、たとえこのまま成長しようとも、このうっかりアピールしちゃう特性は変化しない気がする。いずれにしても、意図せずがんがんファンを落としていくこの展開。見ていて圧巻。怖るべしチャーム、無垢ならばこそなおさらの威力です。

『あの世で猫になる』

猫になりきって暮らしている地縛霊のタマ。朝倉さんの寵愛をひとりじめしたくてたまらないというのですが、その執着心、霊的にはまずいのでは!?

さて今回は、タマにライバル登場ですか? 朝倉さん以外に誰も住んでいないこのアパート。新たな住人が入ることになりまして、見ればその人のかたわらに怪しげな犬耳青年が! やったな、大島! また迷える霊を動物霊と言い含めて、ペットに憧れながらも諸事情で飼えない相手に押しつけたな!

ええ、まさしくそのとおりでした。

新たな被害者、シロと名づけられた男の霊。がたいのいい男が、腹黒眼鏡に捕えられ、縛られるわ檻に押し込められるわ、この見た目! さらに犬耳つけてるその姿もインパクトあって、こりゃあいいですね! 作者の持ち味、発揮されそう! で、最初はシロのこと気の毒がってたタマがですよ、朝倉が犬好きと知って一気に態度を硬化させる!

いやもうここからのシロの不憫さ、タマの理不尽さ。お手、お座りと、いろいろ芸を求められて困ってるシロを見て、むしろうらやむレベルなのですか、タマさん! どんだけ朝倉さんとられて悔しいの。ほんとめちゃくちゃ面白い。というか、タマの朝倉にべったりなところ、実によかった。とはいうものの、悪霊化したらちょっとした祟りになりそうでヤバいかもですよ。

2022年5月3日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号、先日の続きです。

『mono』

この漫画、ほんとびっくりする。ほぼ今回、電子工作しかやってない。それも半田ごて手にしての地味なやつ。失敗しないためのノウハウを先人から授かって、そこからもくもくと作業。で、これでしっかりきっちり自作デバイスできあがるんですから、なんか面白そう、やってみたくなるなこれ、いややらないけど。みたいな伝わる面白さがあったんですね。

これ、作者は実際に作ってそう。今回春乃が作ったデバイスも、実は作者が作って使っているものがモデルです! みたいにいわれたら、あー、やっぱり? としか思えない。ええ、自分の感じた面白さ、それを知らしめようとする意図がここにも感じられる、そんな気がしたのですよ。

で、次は車に全天周カメラを搭載するの? いや、ほんまに!? 冗談よね? いや、ほんまに!? ええー、ほんまに!?

『恋する小惑星』

スズヤベーカリーのバレンタインフェア風景ですよ。すずはみさに会いにいってるので、残された芽を軸に地学部の皆が頑張ります。

これが初日なのかな? 例年に比べて売行きがよろしくない。それはすなわち、そんだけ姉すずがすごいってことなのかな。落ち込む芽をはげましながらも、売り上げ向上目指して、販促アイデアを皆で出していくくだり。文化祭のカフェ企画進めている時を彷彿させる、ええ、イベント感が増してきて、わくわくさせられるのですね。

商品案内のポップを作る。試食で実際に商品を試してもらう。バレンタインカードのプレゼントなどサービスの充実もはかる。そしてこのアイデアの実現されるくだりがまたよくて、製作者ごとに異なるポップのテイストは、そのパンを推そうとする人の顔が見えるように感じられるし、さらに商品の配置で動線の工夫をしてみるなどなど、アイデアが生き生きと動きを持ってお客さんに届いていく。大変に魅力的な活動でありました。

こうしてバイト、というか期間限定のお手伝いでも、お店のいろいろに意見出していける環境というのもまたいいですよね。スズヤベーカリーのフレンドリーさ、地域に愛されているその理由などもわかるように思いました。

『またぞろ。』

なんとまあ、詩季さん、家出ですか。穏やかでないですね。転がり込む先はというと、殊の家。殊のご両親も家出までとは知らされてないのかな、好意的に迎えてくれまして、よかった、詩季さん、身の安全はばっちりです。

というか、親には外泊するってちゃんといって出てきてるのね。だったらなんも問題ないよね。

家でなにかあって家出、となるとたいてい親とぶつかってとかになりそうなところですが、詩季の場合、ぶつかったのは姉だったんですね。過保護な姉。皆とお泊まりしたいという話をしたら、頑強に否定されて、それでさすがの詩季も怒っちゃった。まあ頭ごなしだもんなあ。

で、これで予期せつ外泊前倒しになっちゃってるんだから、姉もしくじりましたな。というか、詩季がうまいことやったといった方がいいのかも。

詩季の話を聞いて、なんかあらぬ方向に気を使ってた殊が、ゲームで対戦したのをきっかけに地を出していくくだりとか面白かったですよ。詩季の滞在がよいものになりますように、そう思いすぎると、最初のあの妙に他人行儀な対応になっちゃうのねこの子。でも詩季の求めてるのはそういうんじゃなくて、もっとうちとけたもの、気を使われるんじゃなくて、自然に、当たり前に遇してもらえることだったのでしょう。その点において、ゲーム機持ち込みで殊の気づかいバリアぶち壊して環境改善に成功した詩季、やり手でありますねえ。

そしてこの家出の顛末。翌朝、詩季の姉が迎えにきて、めでたしめでたし? 玄関先で土下座で平謝りという、ご近所で噂になっちゃう系の騷ぎ引き起こされて、穂波家、大丈夫? はまあいいとして、この姉、またなんかヤバい系の人ですなあ。最初、殊を目の前にして気に食わないっていったのかと思ってビビりましたが、ああ、本人を前にしてそういうこといわないだけの社会性はあるんだ、よかった。ともあれ、妹に対するヤバめの執着。かつての麻里矢など思い出させる、囲い込む系のヤバいやつの匂いさせて、ああ、この一件、もうしばらくは続きそう。またなにかしらの悶着がありそうです。

2022年5月2日月曜日

『まんがタウン』2022年6月号

 『まんがタウン』2022年6月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。はじめといろは、ふたりで映画館にきてるんですね。『映画クレヨンしんちゃん』からの繋がりでしょうか。けれど、ふたりの見ようとしているのは『ウォーキングサッメ』という、とんちき度高そうなサメ映画みたいですよ。いや、これ最後のバッテン、メじゃなくてXなのかい? そして新連載『もくもくもくのキャン』の告知カットもございます。

今月は新連載が1本です。

『もくもくもくのキャン』

スーパーでレジ打ちをしている原田さんは、なんだかいろいろ失敗しがちなお嬢さん。3点の買い物で1万円超えるというの、これ原田が悪いというよりレジがおかしいのでは!? というレベルですが、1万円超えてるのをおかしいと感じず笑顔でそのままお客さんに伝えちゃう、そのチェックが機能しないところもなかなかに危うい感じがします。

そして原田とは対照的に、もくもくと仕事を完璧にこなしているのが木野さん。こう書いて、もくのさんと読む。仕事ももくもく、お弁当もひとりもくもくと食べている木野。ただ無口というのではなく、効率よくテキパキと、なんでもそつなく完璧に。そんな印象を感じさせる人なんですね。

その木野さん、原田に声をかけられて、とりあえずは苦しまぎれに聞かれた休日の過ごしかたに答えて曰く、ゲームしたりしてます。ということは、なるほどインドア派なんだね木野さんは。

と思ったら全然違う! 休みの日には車を出して、景色のいいキャンプサイトにてもくもくとテント設営、ひとり焚き火などしながらゆったりとした時間を楽しんでいるのですね。その時にゲームをしている、というので休日はゲームとかしていますという答になったわけですが、いやいや、これキャンプはもう当然の前提だからあえて答えるまでもなかったってことなのかい!?

なかなかに謎の人物。木野のキャンプ趣味に原田が気づく日、くるんでしょうか。

『兎なりのウサギさん』

ウサギのみたらしを病院に連れていきます。ええと、こないだいったのはペットショップだったか。病院ということは、どこか悪いところが!? 青枝が心配するんですが、健康診断なのですか。見た目には元気そのものだけど、見えないどこかが悪いかもしれない。あるいは、病気を隠しているかも。

小動物は弱ってることがバレると命の危機に直結するので、なるたけ平気を装うというんですね。そうかあ、ウサギも大変だ。

今回の面白ポイントは、紅詩の運転でした。ハンドルを握ると豹変するタイプ、というんですが、予想していたのとはなんか違うぞ!? 性格が荒くなるとかじゃなく、その逆。くるまのうんてんこわいよう、なんと幼児退行しちゃってますよ!?

ただ怖くて涙目になるだけじゃなくて、赤信号の判断もあやしくなってる! 紅詩さん、あなたいろんな意味で運転しちゃいけない人では!? 今回は青枝がついてアドバイスしてたからいいけど、ひとりの時だとどうなるんだろう……。

病院でのみたらしも面白かったです。そうか、ウサギの健康診断ってひっくりかえして足裏チェックとかするんだ。飼い主から状況聞きながら、診断進めていくの面白いな。門歯の確認、足の脱臼チェックとか、いろんなところチェックするんですね。

しかしみたらし、今回の診断はかなりショックだったみたいで、そうか3時間ほどすねちゃいましたか。こういう繊細なところも、ウサギの小動物、狩られる側ゆえだったりするのでしょうか。いや、みたらしの個性かも……。そんな気がします。

『押しかけギャルの中村さん』

ああー、さすがの中村さんもさすがにそれは気にするんだ。

玄関に落としてしまっていた下着。秋山が唐突に二者択一の状況に追い込まれてしまい、悩んだ末に、秋山をからかうべくわざと放置してあると判断、堂々と中村に申告しちゃってさあ大変。

いや、これは双方よろしくなかったよね……。秋山は最大限の安全マージンを考慮すべきだったし、中村はこうしたトラブルの起こりうること考えて、無闇に面白がって水着見せつけたりしちゃあいかんかったんだ。

ということで両成敗? と思いきや、ああ、秋山氏土下座。いやまあ、中村のこんな顔見せられちゃあ謝りたおすしかないですよね。ほんと、中村さん、こういうの気になさるのね。意外といったら申し訳ないけど、いやほんと、思いもしない展開、想像もしなかった表情にちょっと驚きでした。

で、ここから中村のリベンジなんですが、この展開も予想しえないわあ。被害のバランスとるために、秋山のパンツを見る。いや、それ、楽しくはないよね? でもちゃんと辱めになっているのか? ほんと、あまりのことに平常心失っておられますな。で、悪いことにこの異常な状況を榎本に見られてしまう。

今回の騒動というかなんというかは、共同生活送るにあたっての役割分担であるとか、互いに気を使うべきところの確認とか、そういうルールづくり、ふたり円満に暮らしていくための下地づくりといった感じがしていい雰囲気ありました。なんというか、このふたり、親密まっしぐらなのでは? 今回のトラブルも、いずれ懐かしく思い出せる、そんなエピソードになりそうです。

2022年5月1日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号、先日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

ええー、なんだろうこの扉絵!? いったいどういう趣旨なのかと思ったら、ああ今回はバレーボール回だったんですね。

下級生から慕われたい、そんな紡を頼ってきたのがこぢんまりとした素直で気弱な一年生、斯波明。屋内運動場へのいきかたを教えてほしい。バレーボール部に入りたい。ここでやたらと警戒示す紡さんがおかしい。つらつら語られる運動部に対する恨みつらみ、いやさ偏見。可愛がりに悪質タックルと、相当な暗部を聞かされてさっそく怯える明。いやまあ、こんなこと聞かされたらそうなるよね。この学校の運動部がそんなのばっかだって思われちゃいますよね。

ここで必死にフォローする初野さんが頼もしかったです。

明を案内したら、後輩たちから参加していってほしいと乞われて、急遽参戦することになった紡と初野。で、ここでブルマなんですが、あれ? ちょっと待って? この時代にこの体操着はないよね? と思ったら、ええ、ちゃんと時代に即した膝丈ブルマーも描かれて、いや、私、こっちの方が好きよ? 襟ついてたり、足元もふんわりしてたり、可愛いじゃありませんか。

しかしここからのバレーボール。紡がまるであてにならん! ここは文武両道初野ちゃんの出番やな、期待したら、こっちはこっちであかん! あれー、この子、球技あかんかったっけ。ああ、そうだ、軽井沢でもテニス散々だった! でもって入部希望者の明さん、この子はというと、あー、やる気はある。うん、なにをどうしてもちゃんと試合の成立しそうにない悲しい状況生じてしまいましたよ。

でも、それでも最後まで頑張ろうって明をはげました紡、これはよかったですよ。紡も初野も前向きで、運動苦手ながらも強く大きくなりたいと願う明の気持ちをしっかり受け止めて、後押し、サポート。ええ、先輩として立派な態度でした。結局は負けるにしても、あの最後のアタックに繋ぐ皆の献身、無茶だけども感動的でありました。

かくして明から、さらにはバレー部員たちからの尊敬を勝ち取った紡。もしや今後、この子たちの、少なくとも明の出番があったりするのかな? なんて思ったら、かわいい後輩、雪佳からも慕われる紡お姉様ですよ。ええ、今回は紡さん大人気でした。

『ポンポコタヌキとへっぽこ王子』

豆子と兎丸、ふたりにミッションが課されましたよ。演劇部員全員を訪ねて、新歓合宿の出欠を確認してくる。今日が締め切りなので、急ぎの御用。スタンプラリーという響きとご褒美のお菓子に気持ちのあがっている豆子が、単純というか素直というか、いい子感よく出ていて可愛いかったです。

しかしこのエピソード、すごくありがたい。こうしてふたりが部員を訪ねていってくれるおかげで、演劇部にどんな人がいるか、すごくしっかりおさらいできる。学年氏名、人となり。そしてどんな役職、仕事をしてるかなんてのもわかるようになっていて、とてもありがたい! ええ、こうして登場人物の整理がつくだけで、きっともっと面白みがしっかり感じられるようになる。見通しよくなる、あるいは愛着も増す、そんな効果がありますよね。

なんてこと思いながら部員たちの交流、面白く読んでいましたらね、このスタンプラリー、豆子と兎丸、ふたりに部員全員と顔合わせさせてあげようっていう先輩の配慮だったりして、ああ、読者である自分にとってそうであったように、豆子たちにもありがたい、そんな企画であったのですね。感心していたら、ああ、締め切りギリギリだったのも間違いなかったのか……。

ええ、これ一石二鳥を狙ってらしたんですね。

『まちカドまぞく』

小倉しおん! 復活!

ばんだ荘から桃邸に避難していたリコたち。なんとそこでいろいろやらかしたらその結果、小倉がねじれて死んでしまった。ここでいろいろ明かされていったこと、それもたくさんあったわけですが、肝心なところは小倉が魔族であるということ。本体は人の姿のそれではなく本。その本体は受け取った巨大データの消化にリソース奪われて、人小倉に構っていられる余裕がない。

なるほど、そう考えると、わりと大丈夫な状況なのかな。いえね、キャパを遙かに超えるデータを渡されて、小倉のシステムが吹っ飛んだとか思っていたんですよ。システムは健在、処理落ちしてるだけ。そうなら、この処理さえ終えれば復活できそうですね。

ここからはシャミ子の活躍が光ります。まぞくの武器をかいふくの杖に変形させて、小倉を回復させる。けど、なんか文字化けしてるんよ? これ、ちゃんと変換したら読めるようになったりするんか? ともあれ、いろいろ言語方面? エンコード? が使いものにならなくなってる小倉を、シャミ子のケータイ経由でアップデート!

って、アップデート終わるのはやいな! アップデートするの、データ受信に数時間、更新に数時間とかかかったりしないのか。

けれどこれで小倉が無事復活して、ああよかった、可愛い小倉が帰ってきた……。でもこれ、アップデートってことはなにか能力があがってたりするのん? より魔族寄りになってたりするのん? 今回はシャミ子のダウンでこれ以上の進展は見ませんでしたが、新バージョンしおんちゃんの真価、いかなる変化があったのか今から知るの楽しみです。もらった巨大データもすらすら使いこなせたりしちゃうんでしょうかね。