2022年5月10日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年6月号

 『まんがタイムきらら』2022年6月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

飛島に皆でいこうという話。なぜか翼が乗り気でなくて……、という描写が気になった前回。今回はそのあたりを掘り下げるのかな? と思ったら、皆で花見をしていますよ。

満開の桜の花の下、お弁当を囲んで乾杯。けれど興味はどうしても鳥に向かって、まずは鳴き声に誘われてウグイスから。でもそこで、すずがメジロと勘違いしてというよくある間違いして見せて、そこから広がる鳥の話題。鳥が花の蜜を吸うことで、花がまるごと落ちてくるとかね、そうした描写が面白い。あまりコアな話に向かわず、親しめるところから間口が広がっていく、そんな感触あるエピソードでした。

ラストあたりで触れられた翼が飛島を苦手としている話。同様にひなも少し億劫に思っている? ひなのいうのは、その場所に苦手があるというのではないのですが、それでも皆と一緒は楽しみと、翼もそうでしょうと水を向けるところに、ふたりの通じあってるところ感じられて、これもよかったと思いました。

そして、突然加わってきた酔っ払い、あやめ。これはただ闇雲に参加してきただけではなくて、今後もなにか関わりを持つことになるのかな? 人間関係の輪も広がっていく、そんな回なのかも知れません。

『ほぐして、癒衣さん。』

つくづく不憫な人だ、富美子さん。お腹がすいているとバレたから、仕事帰りに一緒に食事にいきましょう。参加者は癒衣さん、そして夏鈴のふたり、以上! 富美子の出番はありません!

これあとで知って荒れるパターンでは!? なんで私はその時いなかったんだっていって、落ち込んだり悔やんだりするやつでは!?

ともあれふたり居酒屋で、お酒飲みながら語らう情景。夏鈴、結構飲むんですね! あんまり強くなさそうなのに、なんかビール一杯で悪ノリトークが出る程度に酔っちゃってるんだけど、そこから先もまるでセーブしようという雰囲気がない。次々頼んで、どんどん飲んで、普段だったらありえないノリで悪い冗談いっちゃったりして、ヤベェ、ヤベェな夏鈴。この人、お酒で失敗するタイプ? いや、それはそれで最低限は守れてるのか!? ほんと? ほんとかな?

お酒のせいか、いつもとは違う雰囲気ただよわせている夏鈴。まさか癒衣を自宅に招くことになって、ああ、富美子さん、つくづく不憫な人だ! 富美子のいぬ間にどんどん進む癒衣と夏鈴の関係。かつてないほどに深まってしまうのか否か。いやもう、予想通りとはいかないまでも、なにかしらの波乱はありそうですよ。

『それでは、ステキなセッションを。』

てんちゃんが聞くのですよ、是沢と一色の出会いについて。奏ドレスの出現に、ふたりの関係性が関与しているのではないか。そうした疑問に答えて語られるふたりの出会いのエピソード。まだ高校生だった頃のふたりの、一緒に音楽を奏でるにいたるまでのやりとりに、まだよく知らない相手に見出した友情の萌芽の可能性。あるいは自分の知らない世界に連れていってくれるかもというわくわく感。

ピアノを習ってはいたものの、主体的ではなかった一色が、是沢と出会い、彼女の音楽に向ける思いに触れることで、自分の知らなかった音楽の楽しみを知るにいたる、そのくだりには、一色が求めていたものを是沢が持っているのではないかという期待感や、自分の感じたことのない音楽の楽しみ、面白さを自分も知りたいと思う渇望に似た感情が見てとれて、とても魅力的でした。一色にとって是沢がどれだけ特別で、その関係性は今もなお変わりのないことがわかる、そんなエピソードでした。そしてそれは同様に是沢の一色に向ける思いをも物語って、是沢がベースに取り組んで、うまくなりたい、よりよい演奏ができるようになりたい、そう思う気持ちの根っこがここに描かれていた。ああ、こうした歴史あればこそのふたりのシナジーなのだと実感させられたのでした。

しかし、この話、奏ドレスの理解に結構重要だったと思うのですが、てんちゃん、寝ちゃって聞いてなかったですね。核心に迫れないままだけど、今はまだそれでいいのかも知れませんね。

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