先日の続きです。
『まんがタイムきららキャラット』2022年6月号、『mono』
この漫画、ほんとびっくりする。ほぼ今回、電子工作しかやってない。それも半田ごて手にしての地味なやつ。失敗しないためのノウハウを先人から授かって、そこからもくもくと作業。で、これでしっかりきっちり自作デバイスできあがるんですから、なんか面白そう、やってみたくなるなこれ、いややらないけど。みたいな伝わる面白さがあったんですね。
これ、作者は実際に作ってそう。今回春乃が作ったデバイスも、実は作者が作って使っているものがモデルです! みたいにいわれたら、あー、やっぱり? としか思えない。ええ、自分の感じた面白さ、それを知らしめようとする意図がここにも感じられる、そんな気がしたのですよ。
で、次は車に全天周カメラを搭載するの? いや、ほんまに!? 冗談よね? いや、ほんまに!? ええー、ほんまに!?
『恋する小惑星』
スズヤベーカリーのバレンタインフェア風景ですよ。すずはみさに会いにいってるので、残された芽を軸に地学部の皆が頑張ります。
これが初日なのかな? 例年に比べて売行きがよろしくない。それはすなわち、そんだけ姉すずがすごいってことなのかな。落ち込む芽をはげましながらも、売り上げ向上目指して、販促アイデアを皆で出していくくだり。文化祭のカフェ企画進めている時を彷彿させる、ええ、イベント感が増してきて、わくわくさせられるのですね。
商品案内のポップを作る。試食で実際に商品を試してもらう。バレンタインカードのプレゼントなどサービスの充実もはかる。そしてこのアイデアの実現されるくだりがまたよくて、製作者ごとに異なるポップのテイストは、そのパンを推そうとする人の顔が見えるように感じられるし、さらに商品の配置で動線の工夫をしてみるなどなど、アイデアが生き生きと動きを持ってお客さんに届いていく。大変に魅力的な活動でありました。
こうしてバイト、というか期間限定のお手伝いでも、お店のいろいろに意見出していける環境というのもまたいいですよね。スズヤベーカリーのフレンドリーさ、地域に愛されているその理由などもわかるように思いました。
『またぞろ。』
なんとまあ、詩季さん、家出ですか。穏やかでないですね。転がり込む先はというと、殊の家。殊のご両親も家出までとは知らされてないのかな、好意的に迎えてくれまして、よかった、詩季さん、身の安全はばっちりです。
というか、親には外泊するってちゃんといって出てきてるのね。だったらなんも問題ないよね。
家でなにかあって家出、となるとたいてい親とぶつかってとかになりそうなところですが、詩季の場合、ぶつかったのは姉だったんですね。過保護な姉。皆とお泊まりしたいという話をしたら、頑強に否定されて、それでさすがの詩季も怒っちゃった。まあ頭ごなしだもんなあ。
で、これで予期せつ外泊前倒しになっちゃってるんだから、姉もしくじりましたな。というか、詩季がうまいことやったといった方がいいのかも。
詩季の話を聞いて、なんかあらぬ方向に気を使ってた殊が、ゲームで対戦したのをきっかけに地を出していくくだりとか面白かったですよ。詩季の滞在がよいものになりますように、そう思いすぎると、最初のあの妙に他人行儀な対応になっちゃうのねこの子。でも詩季の求めてるのはそういうんじゃなくて、もっとうちとけたもの、気を使われるんじゃなくて、自然に、当たり前に遇してもらえることだったのでしょう。その点において、ゲーム機持ち込みで殊の気づかいバリアぶち壊して環境改善に成功した詩季、やり手でありますねえ。
そしてこの家出の顛末。翌朝、詩季の姉が迎えにきて、めでたしめでたし? 玄関先で土下座で平謝りという、ご近所で噂になっちゃう系の騷ぎ引き起こされて、穂波家、大丈夫? はまあいいとして、この姉、またなんかヤバい系の人ですなあ。最初、殊を目の前にして気に食わないっていったのかと思ってビビりましたが、ああ、本人を前にしてそういうこといわないだけの社会性はあるんだ、よかった。ともあれ、妹に対するヤバめの執着。かつての麻里矢など思い出させる、囲い込む系のヤバいやつの匂いさせて、ああ、この一件、もうしばらくは続きそう。またなにかしらの悶着がありそうです。
- 『まんがタイムきららキャラット』第18巻第6号(2022年6月号)
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