2022年4月7日木曜日

『まんがタイム』2022年5月号

 『まんがタイム』2022年5月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』がメイン。ピッチャーですね。ボールを投げるその姿。それを打とうとするのは『茨城ってどこにあるんですか』多恵でしょうか。しかし、バントで堅実に走者を進める模様です。『花丸町の花むすび』花子は、これ、なんだろう。マスコットキャラ? ユニフォームにボールの被り物して、颯爽と登場してくるところです。『午前0時のおねだりごはん』牛喰はチアガールですね。元気に応援。その笑顔、実にチャーミングです。

『ローカル女子の遠吠え』

実は静岡が全国1位シリーズ。桜餅に用いられる桜葉の塩漬け。この生産量は静岡が全国シェア7割を占めているというの。ということは、自分が食べている桜餅やその他和菓子に使われている桜葉の塩漬け、実は静岡で作られたものかも知れないっていうわけですね。なぜ桜葉の塩漬けが産業化したのか、その経緯も面白い。もとは炭焼きに使われていたオオシマザクラが、産業の衰退とともに生き残りをかけ桜葉の塩漬けを作るにいたったんだ。この栄えたものが時代とともに退場、また違うあり方を模索するというの。りん子のいうように、生活するということ、生きるということの大変さ、その頑張りの様子が思われます。

そして今回語られた、静岡県民は新しもの好きという話。その傾向は江戸の頃に由来するというの、本当かどうかはわからないけど、なんか納得感ありますよね。そうした県民性があるために、企業が新商品をテスト展開するのが静岡だったりするとか、そうした話も面白かった。というか、まだ、まだ生き生きしていたころのはっちが……。

そして浜松の餃子の話。まさかの宮崎が餃子支出額1位に躍り出て、そのショック? 名々伏直伝のゴマ擦りテクを雲春が試してみたり、なかなかめずらしい展開も見られた今回。本当に幅広い展開してみせて、実に濃密、読み応えたっぷりでした。

『茨城ってどこにあるんですか?』

ついに多恵が東京にやってきました。まさかの東京駅で度肝を抜かれ、あまりの感動に立ち尽すこと15分、ずっと眺めて飽きないというのが多恵なんですね。

そんな多恵の東京めぐり。茨城っ子の血のなせるわざか、せっかくの東京、せっかくの銀座だというのに、茨城のアンテナショップに引き寄せられ、さらには水戸との縁が深い小石川後楽園に興味ひかれたりと、どうしても茨城からは離れられない、そんな心からの結びつき感じさせてくれるのがよかったです。

そして東京スカイツリーでも。展望デッキから眺める東京。東京の名所を望み興奮を隠さない多恵だけど、一番に驚かされたのが、まさかの筑波山!? さらには牛久大仏まで見つけて、って、これほんとに見えるんだ! 実際のところは肉眼だと難しいんでしょうね。森戸には見えなかった大仏を普通に見つける多恵、これも茨城愛のなせるわざかも知れません。

そして多恵のこれまでの頑張りが実を結んだ!? 茨城の紹介動画を見てくれている人が声をかけてくれて、ああ、よかったねえ多恵。でもまだまだ茨城の知名度、高いとはいえなくて、これが多恵のモチベーションを高めることになったのがとてもよかったなって思いました。

多恵はいずれは東京に出ていくのかも知れないけれど、まだしばらくは茨城からその魅力を発信していく。そうした彼女のポジションが定まったラスト。多恵の前向きな姿も見られたの、なによりでありました。

『この契約は恋まで届きますか?』

八千代さんと家事、手芸のコーチの交換契約を結んでいる野田。けれど家事ならなんでもお任せというわけでなく、高所の電球交換なんかは無理せず自分を頼ってくれた方がいい。そんなところからはじまった今回のエピソード。人に頼ることを知らない八千代の、すべてを自分でやろうとしなくてもいい。わからないこと、苦手なことは人に頼る、助けを求めてもいいんだということを知るにいたる流れがよくできていて、これもこの人の成長なのでしょう。そうした変化がとても魅力的に描かれた回だったと思います。

八千代の上司、佐倉真紀子部長との関わり。以前、野田と八千代が一緒にいるところを目撃してしまった人ですね。心を開かないように見える八千代に、少々の心配をしていた佐倉でしたが、そんな彼女がたまたま見つけた野田の手芸アカウント。八千代のデスクに置かれたマスコットと気づいて、それをきっかけに八千代との仲を少し深めていったところ。最初はなんとかごまかそうとしていた八千代が、野田の手芸を褒められて、自分の好きなものをよくいってもらえて、嬉しかったんでしょうね。少しほころんだ表情見せて、ともに心も開かれて、佐倉のアドバイスも自然と受け入れられるようになったところ、悪くなかった。とてもよかったと思います。

『午前0時のおねだりごはん』

この漫画、最初のころ、だんだんと牛喰のおねだり料理を一緒に食べる仲間が増えていくのかな。ほら、米沢の他にも肉の産地に由来する名前の人たちいるじゃないですか。その人たちも、牛喰の料理のもとに集うことになるのだろうなあ、みたいに思っていたから、米沢兄妹のみの特権であり続けているのが実に意外で、けれどその特別感は悪くないとも思われて、ええ、予想外な楽しみを感じているわけです。

先日登場した三元さん。この人の目撃する、米沢、牛喰の意味深な関係。それが投げ掛ける混乱と、そこからの脱却。皆が知ることとなった牛喰の料理の魅力。より深まっていく仲。そうした描写はよかったですよね。で、そうした様子の向こうっかわに、牛喰ひとりじめしてる米沢の優越感とか、そしてさらなる米沢、牛喰のラブラブ意味深会話が目撃されるとか、まだまだ三元の混乱? 誤解はおさまらなさそうで、今後どんな展開になるのか期待もふくらみます。

とはいうものの、三元の誤解みたいにいっていた米沢、牛喰のラブラブ感、これはさすがに誤解ではすまないのでは!? いや、これ、とてもよかったと思います。少なくとも、この雰囲気、牛喰は大歓迎してますよね。ほんと、このまま突き進んでくださってもなんらかまわない。私も大歓迎です。

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