『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、昨日の続きです。
『SAN値直葬!闇バイト』
ショゴス、めちゃくちゃ有能では!? あかりの友人、うらんの危機を察知してあかりに知らせるその手際。いや、JKの制服に自分の体の一部を付着させて監視とか、あかりどん引き案件だったりするのですが、いやいや、それでうらんを危機一髪、救うことにも繋がったのですから大金星でありますよ。
しかしね、うらんを連れ去ったふたり組。この子たちは半魚人が人に化けていたのかと思ったら、一種の憑依だったんですね。以前、あかりたちが捕獲したダゴン。その消息を追っている半魚人たち。しかしこの漫画のガチ感はなんなのだろう。事情が飲み込めないうらんをガチ殴りするその描写。暴力の痛みと恐怖が伝わる、そんな生々しさが目の前に展開されて、あ、この漫画、やっぱり異色だ。きらら誌には珍しいタイプの漫画だ。異質な存在が我々の世界を脅かしている、いわば我々の日常とは地続きではないゆえ生ずる恐怖と、暴力というダイレクトな力の行使、我々の日常にも存在する恐怖が波のようにかわるがわる押しては返す……。
そして今回のうらんの顛末、危機こそは脱したけれど危うくその二種の恐怖の交わるところに落とされてしまうところだったそのくだりなど、ほんま、底つく怖さがありましたよ。
とはいえ、基本絶対大丈夫ではあるのだと信じたいところです。でないと心配でやってらんない! でもって、今回も見事に仕事をやってのけたあかり。相当な報酬手にして喜んでいますが、ふたたび全額寿司で溶かすのはやめとけ案件ですよ。食べるにしても、ほどほどにしておくのだぞ。
『ななどなどなど』
県民の日で学校が休み!? 自分が学生の頃はそんなのなかった! ええーっ、府民だからかな? 府じゃなくて県だと、こうして学校休みになる特別な日があったりするんですか!?
ともあれ、これで小町ちゃんたちの住んでいるのが東京都ではないこと、ドイズニーランドが県外ということは千葉県民でもないことが示唆されましたね。というか、この子たちの居住地、これまで示されたことってありましったっけ?
さてさて、最初はしぶる小町ちゃん。ここまではいつもどおりなんですけど、ななどに誘われると素直にしたがっちゃうんだ! 小町ちゃん、いいですね。そうか、これが友情パワー。なんて美しいのでしょう。
ドイズニーランドでも、最初はなんだかんだ文句いっていた小町ちゃんも目一杯楽しんでたでしょう。ああ、嬉しい。なんて素晴しいのだろう。るるとゲームに興じボロ負け。勝ち誇るるるもいいし、負けず嫌いな小町も可愛い。ええ、ほんと素直に自分の感情を表出してるこの子たち、見ていてすごく楽しい、嬉しい、よかったなって思う。ああ、これからもこんなしあわせな日よ続いておくれ。そう願わないではおられないエピソード。そんな友人たちを見守る萌もまた素敵でありました。
『妖こそ怪異戸籍課へ』
夏休みに突入! ということで皆で海に繰り出しましたよ。我らが睦子さんは保護者、引率枠なのかな? と思いきや、誰よりも率先して楽しむ気満々でありますね。
そんな彼女らを遠巻きに見守っているのが人魚のお嬢さん。人の世界に興味があって、けれど自分からそこに加わるまでにはいたらない。どこまでもおくゆかしい。かといって見ているだけじゃつまらないとばかりに、いろいろいたずら画策してみたりする、そんなお茶目さが魅力的な子でした。
しかし、今回の睦子率いる一行は、人魚の子にしても意外な面々だったようで、どう見ても妖怪、その上いろいろ物騒な人たちもいて、身に迫る危険!? さらには氷柱の奇行に驚かされたりと、つっこみに余念がない。ええ、こうした様子見るに、このメンバーにまじっても充分にやっていける、しっかりコミュニケーションとっていける、そんなポテンシャル感じさせてくれていたと思わされたのでした。
そしてこの子の勇気も素晴しい。妖怪対策課の夏生に対し、知りあいでもない子たちの身を案じて対話を試みようとするところ。ああ、こうしたところも魅力的な子でした。
そんな人魚の子に、睦子が残した怪異戸籍課の連絡先。いつか人の社会をただ見るだけでなく、自分もそこで暮らしてみたいと思えた時に、この子の世界はがらりと変わりそう。その変わっていく様、見知らぬものに出会っていく様子など、きっと楽しいものになりそうです。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第6号(2022年6月号)
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