『まんがタイムきららMAX』2022年6月号、一昨日の続きです。
『うちのババアしか勝たん!』
女子高生にまで若返ってしまった祖母のウメ。孫娘のにこと一緒に暮らしているのですが、なんとウメさん、学校にも通われるのね! にこと同じ高校。しかし戸籍とかもろもろどうやって!? と思ったら、もうすっかり準備済み! ウメを若返らせてくれた奇跡は、サポート手厚く学校関係の手続きもすべて完璧に完了しておいてくれたというんですよ。
あの、入学証明書と生徒手帳を出してるウメちゃん、めちゃくちゃ可愛いですよね。さらには、ウメちゃん現役時代の制服! なるほど、私服校だから昔の制服を着て通っても問題ないのか。で、その制服姿がレトロモダンな感じですごくいいんですね。にこがね、真顔でかわいいじゃんとか思ってるの、実によかったです。
学校に通うのを心底楽しみにしているウメ。まるで遠足の前日みたいな盛り上がりで、でも寝るとなったら速攻なんだ! そしてにこの通う学校は、なかなかに荒れている? ウメ、ここでやっていけるのかなと心配されるも、そのなににも臆さぬコミュニケーション力、なんだか大丈夫そう。いきなり強面の学ラン少年をノックアウトでありますよ。
この学校でのいろいろ、最初の難関はにこの友人、ういみたいですね。にこのことが大好き。それゆえに、にこと一緒に行動しているウメのことが面白くない。このウメに対し嫉妬の炎を燃やすうい。ああ、なかなかに大変なことになりそう。この子といかにして仲よくなるのか、ウメさんの活躍に今から期待です。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
もしやアオイちゃんはリンゴちゃんの正体にお気づきで!? いや、どうなんでしょう。散々な思いで帰路につくリンゴちゃんを呼びとめてから、ラストに向かうくだりで見せたアオイの表情。これは、自分のことを好いている葉月氏が桔香のことを思いやってくれていることに報いたい、そんな気持ちが見せたものなのか、あるいはただリンゴちゃんへのねぎらいたい気持ちであったのか。なんかね、アオイちゃん、わかってるような気がしたんです。どうなんでしょうね。いずれにしても、リンゴちゃん、いやさ葉月氏の一日がいい思い出で終えられそうなこと、すごく嬉しく感じる展開だったのですよ。ええ、あの扉絵のリンゴちゃん、あの嬉しそうな表情、これがそうですよね。ええ、よかったなあ、葉月氏。
しかし、葉月氏の完璧な変装、キャップに眼鏡装備のリンゴちゃんの可愛いこと。その内心はアオイに向けるよこしまな思いに溢れかえっているにせよ、アオイと桔香と一緒の時間を過ごして、しかも心底リンゴのことを羨む桔香のために、自分の引き当てた権利を譲るというこの人格者ムーブ! ほんと、いい子だったと思う。
桔香もですよ。基本奔放に、自分の都合で動いちゃう、そんな印象もある子ですが、お目当ての馬、その騎乗の権利を得たリンゴをはげしく羨みながらも、それこそ涙目で震えるほどに羨みながらも、決して羨ましい、譲ってとはいわない。良かったねと、おめでとうと、自分の気持ちをぐっと堪えて、リンゴを讃える。こうしたところにも、やっぱり悪役にはなれない桔香のよさを感じるのですね。
しかし、ほんといい子たちでした。相手を思いやる気持ち、それが皆にあった。それが結果、皆に嬉しい結果をもたらしてくれた。ええ、いいお話でした。
『今日の授業は恋愛です!』
ずっと優しく接してくれていたひなが、このところ名雪の口にする相手、さぁちゃんが目の前にいると気づいて豹変。さがりを壁際に追い詰めて、名雪は渡さない! 大変な剣幕でありますよ。しかし、きちんと説明したらわかってくれた。ああ、こういうところいいですね。ちゃんと対話が解決の糸口に繋がるの、すごく安心できます。
しかし、たとえ状況がわかったとしても、またさがりの弁明が通じたとしても、名雪の気持ちのわだかまり、その思いの向かう先がさがりであるということは変わっていない。ちょっと荒れるひなさん。でもいいですよね。感情の振れ幅がそのまま表情となるから、多様な感情、多彩な表情が見ていて気持ちいい。可愛い人だと思います。情が深いんでしょうね。だからこそ後輩にも優しく接するし、恋愛ごとで余裕なくすと、こんなにも気持ちを露にしてくれる。
しかも、なにかあっちゃあいけないからと、感情抑えるべく自ら距離を置こうとするとかね、聡明だ! いやほんと、後先ちゃんと考えて動ける、しっかりしたお嬢さんであると思います。
そしてここからのさがりの行動。名雪に話を通しにいくんですね。このおかげで、ずっとわだかまっていた名雪の気持ち、それも少しは和らぐだろう。さらには、目を伏してしまっている名雪に、ふたたび視野の広さを取り戻させて、ええ、さがり、とてもいい判断をしたのだと思います。
かくして名雪とひなの問題はクリアされ、残すはしらべの悩みとなったわけですが、さがり、ちゃんと気づけているのかな!? これ、ちょっとしたピンチであるわけですが、ここにひな先輩がなんらかの助け船など出してくれるのかな。ええ、ひなとのやりとりがここにこうして描かれたこと、それがなにか今後に繋がるのではないかと思わせてくれるのです。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第6号(2022年6月号)
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