『まんがタイム』2022年5月号、一昨日の続きです。
『瀬戸際女優!白石さん』
真島と一緒に暮らすことに不安を感じていた白石に、大人らしい包容力を見せてくれた真島。さすがだなあ、年長者としての余裕があるわ。そう思って安心してたら、あ、あかんっぽいな……。
一緒に暮らすとなればより広い家に移ることになる。それでさっそく物件探しで揉めるんだ。贅沢指向というほどでもないのかもだけど、居室にお金をかけることを厭わない真島と、質素? 手頃な物件を求める白石で真っ向から対立。いや、真島の言い分にも一理あるんですよ。セキュリティとかにも気を配ろう。なんてったって、白石は芸能人なんだよって。でも、オートロックなんてうっかり閉め出しくらっちゃうよ! って、基本のライフスタイルが根本から違うんだな!
ライフスタイルもそうですが、価値観もまるで違っていてこの問題、根が深そうです。
お試しの同居、これもまた揉め事のもとになってしまって、いざ仕事となれば根を詰めてまわりは一切目に入らなくなる真島と、そんな真島のことを心配する白石とのすれ違い。真島、まったく白石の存在を頓着せず、いったいこれで同居といえるのだろうか。さらには真島から、台本読みの声を抑えてほしいとの要望まで出て、白石が自分が尊重されていないと感じるの、実際そのとおりだわ。
今のところ譲歩が見られるのは白石だけで、真島は自分のスタイルを頑として崩そうとしない。真島のアプローチもありとは思うんだけど、これは互いにそれで心地よいと思える場合だけだよね。それこそ同じ家に暮らしても、互いに干渉せず、相手がなにやっていても頓着せずなら、一緒に暮らす意味ないじゃん、白石のいうことももっともなんですよね。
ということで、かくもスタイルの違いすぎるふたりの生活。この解決はなるのかならないのか。いやもう、ラストによぎったふたりの疑問。ええ、ここから問題をふたりして乗り越えられるのか否か。それが最初の課題ですよね。これを乗り越えられるようなら、今後もなんとかなりそう。でもそうじゃないなら、ちょっと同棲は無理かもね。そんな試金石となるような局面になってきましたね。
『良倉先生の承認欲求』
一美からの申し出で、写真部クリスマスパーティが開かれることになりました。生徒たちだけでなく良倉も声をかけられて、ああよかったね先生。
でもここからの良倉の苦悩。プレゼント交換をどうするか。生徒の喜ぶ、さらにはさすが先生! そう思われるようなプレゼントをしたい。自意識が先立ってるように見えるんですけどね、でも上枝と一緒に買い物にいった時の様子を見れば、ただ生徒からよく思われたいだけでなく、彼彼女らが喜んでくれるようなものを贈りたい。そうした先生の気持ちがしっかり表れていて、ええ、やっぱり良倉、いい先生なんだと思うんですよ。
そしてクリスマス会当日。ああ、先生、生徒との間に一線を引きましたね。でもただ線を引くだけでなく、ちゃんと大人として子供たちひとりひとりにプレゼントを贈って、これがフォトフレームというの、とてもいいのではなくって!? なんせ写真部ですから。そして、君たちが過ごす青春の日々、その思い出を大切に残してほしい、そんな思いも感じられるようで、ええ、先生、クールでスマートな良い教師ですよ!
で、これを自分でいっちゃうのがいいですよね。上枝の前でめっちゃいい笑顔してみせたりしちゃって、ああ、良倉よ、やっぱりかわいいおじさんだと思うんですよ。めちゃくちゃにチャーミングですよ、先生。
『お天気おねえさんの晴れ舞台』
留莉と一緒に収録することになりました。ふたり一緒に商店街をまわって、新旧スイーツを紹介するのですが、新はピスタチオケーキ、旧は二重焼き。地域によっては今川焼きだったり大判焼きだったりするお菓子ですね。
そのロケの描写に、留莉と琴音、それぞれの支持層の違いが現れて、10代に絶大な人気を誇る留莉に、お年寄りと子供メインの琴音。でも琴音も最近は若い子たちから支持されるようになってきました。制服の子から声をかけられている琴音を見て、ちょっと嫉妬を感じる留莉。琴音同様、お年寄りと子供からの人気がほしい。
留莉の視野が広がったと思っていいのかな。広く知られ愛される存在になりたい。そんな留莉の頑張りが光った今回。おばあちゃんが二重焼きを作っているお店でうまくコミュニケーションできなかったのが、琴音のアシストで一気に打ち解けた。ここからの留莉の悩み、反発する気持ち。それが琴音との会話で氷解するところがいい。そして一歩踏み出してみた留莉の、琴音とは違うアプローチながらも、自分の興味、自分の分野でしっかり年配の層に声を届かせ、気持ちを掴んでいく。
ええ、今回は留莉の成長の見られたいいエピソードでした。琴音と違う個性を持った留莉。違うからこそ助けあえる。また違っても思いあらば通ずる気持ちもあるということ。その違うということのよさ、違うからこそのよさが光っていました。
- 『まんがタイム』第42巻第5号(2022年5月号)
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