『まんがホーム』2022年6月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。白無垢、花嫁さんのらいかがメインに登場です。今号は6月号、ということでジューンブライドでしょうか。ヒロインそれぞれの花嫁姿が表紙を飾って、『ヲトメは義母に恋してる』鈴、寿々のふたりが揃いのドレス。『孔明のヨメ。』孔明に抱き上げられる月英も真紅の衣装、これは当時の結婚衣装なんでしょうか。『若王子主任は後輩ボイスに抗えない!』若王子さんは、投げられたブーケを受け取って、ああ、次の花嫁となるのですか!? ええ、結婚にまつわるひとつの瞬間でありますね。
『孔明のヨメ。』
突然の凶兆!? 日食が起こったというのですが、これ、今ならちょっとした天体イベントで、皆で観測して、話題になっておしまいってなもんですが、この時代ならそうもいかないでしょう。と思ったら、月英さん、日食の原理、月が太陽を隠す天文現象であること、ちゃんと理解なさってるんですが!? いや、すごいな中国の知。ここで語られている研究というのが、太陽系に近いものかはちょっとわからんですが、ただ日食を不可思議のものとして怖れるのではなく理論理屈でもって捉え、理解しようとする試みがしっかりなされていたのはさすがです。
さて、劉琦をはじめ日食を怖れる人たちが続々出ることを予測する孔明たち。はたしてこれをどう収めるか。そのくだりに見える人となりが面白く、まるで意に介さない劉備。この人はもう、一見大雑把、肝が太いというかどっしりしているというか、でもこの楽天的な性格が周囲に安心をもたらすとも感じられて、いやはや人徳。そしてこの劉備の言動に孔明の策、その方向性が決まるのもよかったです。
この日食をめぐる動揺やそれを収める孔明の策などは史実ないし演義ないしに描かれていたりするのでしょうか。日食すなわち凶兆と不安の広がりかねないところに、むしろこれを自陣営を後押しするきっかけとしても利用する。そのしたたかさ。なかなかにしびれさせるものありました。
『歌詠みもみじ』
ママさん、アイドルにハマるの巻。意外といっていいものでしょうか。ママさん、ハマるととことんまでいっちゃうタイプなんですね。
パパさんの気づいた異変。普段はママさんの買わないファッション誌にシネマ誌、その表紙やなんかから、ママさんの推し活動の芽吹きを察知するんですね。おお、結構な観察眼では? それで指摘しつつも、決してそれを否定したりしない。むしろ心の健康にいいみたいなこといっちゃったら、ママさん、とまらなくなっちゃった!
最初は出演番組チェックするとか載ってる雑誌買ってくるとかだったのが、グッズやポスターがどんどん増えていくの。さらには推し活の資金を捻出するため、ついにパパさんへの皺寄せも出てきてしまうとか、いやいや! ママさん、それはさすがに一線越えちゃってませんか!?
でも、ママさんくらいのファンでも、アイドルが結婚するとなったらちょっと気持ちも冷めちゃうんですね。それこそ「母のスタンス親目線」からすれば、姑目線でお相手評価することにもなっちゃって、よけいややこしくなったりするのかな? で、これでひとまず落ち着くのかと思ったら全然そうじゃないっていうから大変!
ああ、誰かを推す生活がすっかり身についちゃったんですね。
『ウメボシオニギリ』
オニギリ、いろんなものをあっちこっちから持ってきては自分の寝ぐらに隠しちゃってるんだ。イナホのイヤホンにはじまり、靴下やらオモチャやらガラクタやらと、でもまあこれも犬の習性なんだろうなあ。取り返そうとしたら、目をうるうるさせてボクのたからもの……って、こりゃ確かにちょっと強く出られないのもわかります。
でも、これ、しつけやら訓練でなんとかしたりできないものなのかな? だって、持ってかれちゃ困るものだってあるわけでしょう? とか思っていたら、早速ゲームのコントローラーをやられちゃって、さらにはコマチの洗顔用スポンジまで。
こうやって犬が集めたもの、取り上げるのはストレスになるからよくないって、そりゃあ困るなあ。おやつと交換で返してもらうといいっていうけど、これを評して盗品市というの、うまいことおっしゃる! 面白かったです。
オニギリの宝物集めも、家の中ですんでるうちはいいですけど、他のお宅がからむとちょっと話が変わってきますね。お隣さんの家にも出入りしているオニギリ。蝶野さんのヘアバンドを持ってきちゃったり、さらには塩田くんのも持ってきちゃってる!? これはさすがにいけないと、コマチもきつくオニギリを叱って、ああ、さすがに効いてるみたいですね。ええ、これでちょっとはオニギリの物品収拾癖も収まるといいですね。
けど、このお気に入りを持ってきちゃうの、その物が欲しいからじゃなく、その持ち主への愛着がゆえというのが示されるラストのくだりは、なんだか微笑ましくて嬉しくなるようなものありました。好きな人といつも一緒にいたかったんですね。しあわせそうにしてるオニギリがまたよかったです。
『うちの秘書さま』
おお、はじめのお母様が登場だ。このテンションの高さ! ころころと変わる表情もチャーミングなお母さんだと思います。と思ったら、お父さんも一緒に帰ってきてらしたのね? でもまさかドデカいプレゼント箱に入れてくるとか。はじめへのお土産っていってますけど、あまりにも不審で、はじめが引いてますがな。ほんと、サプライズとか考えず、普通に帰られた方がよかったのでは?
父、これが初登場じゃないですよね? お母さんの覚えはあるんだけど、お父さん覚えてないんですよね。ともあれ父もお調子者、七瀬にハグをして、はじめびっくり、母おかんむり。ころころ表情が変わるチャーミングなお母様であらせられます。
父が帰ってきたの、母の日にあわせて父の日を先取りしようって目論見だったんですね。ここで行使されるはじめの過去の負債、かたたたきけん。物持ちいいなお父様! そして七瀬がはじめの好みにドストライクと語り出すの、そうかなるほど、保育園児の時分から好みのタイプ変わってないんだ、はじめ。でも、これで父がぐいぐいいっちゃうの、いかん、いかんよ、状況次第では訴えられちゃうよ!?
しかし今回すごかったの、これだけのドタバタがたった50分のうちに生じていたと明かされるラスト。せっかちすぎるというはじめの言葉にも笑い誘われますけど、これだけの時間でこれだけのことしでかせる、その時間活用のうまさ。これこそがはじめ父のビジネスマンとしての有能さを示しているようにも感じられました。はじめが大人になった時、父と同じようにてきぱきいろいろこなせるようになるのかな? いやあ、なかなか難しそうに思いました。これからのはじめの頑張り、成長次第なんでしょうね。
- 『まんがホーム』第36巻第6号(2022年6月号)
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