2020年1月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号

『まんがタイムきららMAX』2020年3月号、昨日の続きです。

『いのち短し善せよ乙女』

めちゃくちゃ面白い。天使よりも天使らしい優しく清らかな少女、神成夏芽。ただ欠点はあって、二重人格? びっくりすると凶暴性が出てしまうっていうのね、それを乙女が悪霊にでも憑かれてるんじゃないかって、そうしたら杏エリカが当たり前みたいに取り憑かれてますよって、ほんと、この展開、おお夏芽がただただ優しく清らかな天使を超える天使になってしまうというのですか!

ほんと、心底やられまくりました。神成夏芽親衛隊の出現にも度肝抜かれたんですが、夏芽に憑いた悪霊が髪を操りグサグサ突き刺していくあのシュールな様! そこに生き残った親衛隊と乙女が協力して立ち向かうっていうの、あの絵面! すごいよな! 普通転がるか!?

しかし今回一番面白かったの、悪霊の由来ですよ。憑かれたの、今回冒頭、あの瞬間か! 二重人格とはなんの関係もないやんけ! ほんと、この徒労感! 労多くして益まるでなし! いや、そうでもないか、乙女の一善が達成されたもんな。ともあれ、気をきかせてくれた悪霊。ええー!? 君、本当に悪霊か? むしろいいやつやんか! もう、めちゃくちゃ面白かったです。

『六条さんのアトリビュート』

ああー、六条さん、めちゃ好み。冒頭1ページ目、あのバアアンと振り返ってみせるあの姿、最高だったと思う。けどそんな六条さんの、なんもかっこよくないところがエピソード通して語られて、いや、そんなあかん子六条さんも魅力的でしたよ。

部屋いっぱいに積まれた本やらなんやら雑多なもの。いきなり崩れてさあ大変なんですが、本を打ちこみ継ぎの石垣みたいに扱うのはいかんよ! 痛むよ! 本棚は木彫りが占領? いろいろ面倒で手をつけられない子なのに、木彫り作ったら即、本をどけて木彫り陳列してって、そういうことはできるのか! なるほど、パッと着火した瞬間はエネルギー漲るタイプだね? わかる! わかる気がするわ。

どたばたのおかたづけ。細かくマメなこのみと六条さんの対比はいいし、途中途中出てくるヤバいもの!? そうした合間に、ちょっとシリアス味感じさせる六条さんの生前の記憶へのきっかけかもっていうの出てきたりね、こうしたコミカルとシリアスとのいったりきたり、ふいに現れてくる真摯な美術エピソード。これ、いい幅になっていると思いました。それに、ただ美術の知識や解説になるのではなく、加えて六条さんを知る可能性になるかも知れない、そんなこのみとの関係の進展思わせたりするところもいろいろ興味を引いたのですね。

『ぬるめた』

この漫画、すごいな。テンションがすごい。あと、見せ方が自由度高くて、こういうのも面白いな。読むテンポ、リズムが時々で変わってくるの、新鮮というかシンプルに面白かった。まさか、途中にナチュラルにワイド四コマ化してくるってね。コマの広さを活用した会話の広がり。さらに、ハンドレッドくるみのインパクト! これか、最終的にこれやりたかったから、大きなコマが必要だったんだな。わかった。素晴しいね。目的のために手段が選ばれているんだなって、ほんと関心しましたよ。

しかし、溢れるようなキャラクター性。ちあき、さきな、くるみにしゆき、4人ともに個性がよく伝わってきてチャーミング。しかも個性が強くて、それぞれに違う理由で友達いなさそうっていうのがおかしいんだけど、あ、くるみは除くよ? でも今回のくるみ増殖騒動でさ、なんか仲良くなっちゃってるのがさ、あれ、よかったよー。なんかほのぼのとした? 気持ちが暖かくなった。ほんと、ちあきはなにこれとかいってますけど、そのなしくずしのハグ。みんないろいろ寂しかったり悲しかったり、それをこうして友達同士で癒しあうのかい? ちあきだって、苦笑もあるかもだけど、そんなに悪い感じしてないっぽいじゃん? ああ、ほんと、よかったですよ。

くるみ増殖から減らしていくときなんかもね、皆の個性、よく出てました。しゆき、共感性が高いんだな。あるいは思い入れ。うん、この子の情の深さ、それにほだされましたよ。いい話。

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