2019年12月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年2月号、発売されました。表紙は『恋する小惑星』。望遠鏡、地図、鉱物などなど手にした地学部創設メンバー5人がずらり勢揃い。ええ、いよいよ始まろうとするテレビアニメを予告する、そんな表紙でもありますね。背後に星空。興味を持った分野に、皆それぞれに前のめりで取り組んでいく、そんな生き生きとした様子、それがとても素敵な漫画。この表紙にもそうしたよさが溢れています。

今月は新規ゲストが4本です。

『せんぷくボンバー!』

戦隊もの思わせる設定。けど主役は悪の結社サイドなのか。と思ったら、なんとレッドがスパイとして潜伏しとるのね。構図にちょっとした工夫あり。あまりにポンコツの過ぎる悪の構成員たちを見て、持ち前の正義心がために守ってあげたくなるとか、よかったですよ。面白かった。

戦隊もののお約束もろもろ、うまく活用して面白さに持っていくのもよかったです。なにかと不憫なセクシー担当、これはおかしい。あと、怪人巨大化技術の発端とか、これは笑いましたよ。細かいくすぐり含めて、いろいろ楽しませてくれるところ。非常に好感です。

敵の目的が、人間の悲鳴を集めて云々っていうやつ、生贄砲を思い出したりしたんですが、悪は悪でも彼らを見るかぎり、生贄砲みたいな悲惨さはなさそうですよね。このほのぼの、いい味です。

『背後から失霊します!』

連続掲載の1話目で主人公側の状況説明して、最後に次回への引きを作る。うまくいっていたと思います。

このところ、いろいろ不運が続く背後纏。いったいなぜかというと、悪い霊に狙われてるから。名前からして、霊につきまとわれやすい体質(?)とかなのかなと思ったら、違った! 呪いなのか。物置で見つけた腕輪が呪われていた。知らずにつけたらもう外せない。

この子孫のピンチに、お婆ちゃんが霊となって戻ってきてくれたっていうんですね。姿は変幻自在、というので子供の姿になってるんだけど、それで信じてもらえないっていうの、なるほど納得。主人公纏もお婆ちゃん、麗華も可愛くて、また纏をつけねらう、ええとこの人は霊なの? 迷子と思われて警官に保護されかかってたけど、人? ともあれ、キャラクター可愛く、呪いの災いもそこまで致命的ではなく……。いや、マンホールは死ぬよ。結構事故例がある……。でも、死んだり傷ついたりはなさそうなところ。これはよいですよ。

『カラフルな旅行先』

冒頭から、ちょっと違和感あったんですね。主人公の女の子が、街行く女性カップルを見て、自分も恋人が欲しいという。カフェにいっても女性カップルばっかりで、ええと、これはきらら誌掲載だからなのか。それとも男がいない世界なのかな、みたいに思ってたら、そのまさかだよ。男がいない世界だったのか。だから女性同士で恋をするのも当たり前。

そんな世界に迷い込んできた女の子。普通に男のいる世界、つまり我々の住む世界からやってきた白花冬鈴。声をかけた主人公、姫沢美樹の家に泊まることになるんだけど、ここから明らかになっていくカルチャーギャップ。なるほど、異世界ものの一種というわけですね。

異世界ものといっても、我々の世界の常識が向こうの住人である美樹から違和感持って評価されるという構図、これもよかったです。

『夢色×パステル』

よかったですよ。同じクラスに夢を食べる妖怪、バクがいた。いろいろと超人的な能力をチラ見せする桜井夢乃。同じ食べるなら、せちがらく薄汚れている大人の夢ではなく、若くて可愛い女の子を夢がいい。それだけの理由で、女子高生に化けてるっていうんですね。

そんな夢乃が夢を食べている現場に遭遇した栗山ももか。夢乃が妖怪と知っても物怖じすることなく、友達になろうと近づいて、いや、夢乃はちょっと迷惑がってるんだけど……。ともあれ、このふたりのほのぼのな交友関係描いていくのかなと思ってたら、最後にビターな側面差し込んで、ああ、このくだり、よかったですね。

本来バクは人の悪夢を食べるんですよね。夢乃、いい仕事をしてくれたと思います。けれど悪夢はこうして食べて消せても、現実に残る悲しみ、そちらは消えない。なので、こちらは友人としての夢乃に期待したい。そんなこと思ったのです。

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