『まんがタイム』2020年1月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。テーマはスイーツでありますか。パティシエスタイルでもってケーキにホイップしている部長代理、その真剣な様子、いいですね。『花丸町の花むすび』花子はクッキーを焼いてるのですが、そのクッキーがおにぎりのかたちしてるの、面白いなあ。あくまでもおにぎり屋の娘であるというアイデンティティ、見せてくれますよ。『レーカン!』天海もパティシエール。差し出すケーキ、実に凝ってる! けど、あの猫なのね!
『六畳一間の憑き物石』。移籍してきて、まずは本誌の読者に基本のところを伝えようといった展開見せまして、いや、けどこれいいですね。これまでの連載で描かれてきたところ、こいしの出自や瞬との関係とかね、それから最近加わったメンバー、オカ研部長亜依とかも、すごく魅力的に描かれていて面白かった。たびたびに出てくるこいしの愛らしさ。瞬の接近、亜依からの追求、そのたびに照れてみせたりするその表情も実にいい。また着せ替えという見せ場、その前にこいしの過去を探るよすがとなる制服とかね、ただ必要な情報を列挙するだけではない、ちゃんと見せ場、面白さも盛り込んでくるの、よかった。ええ、実にチャーミング。漫画としての見せ方もいい。素晴しかったです。
『軍神ちゃんとよばないで』。関東管領に任命された虎千代。家から出たくないのに、関東は鎌倉までいかされることになってうろたえる虎千代と、謙信が関東に向けて出陣したといってうろたえる小田原と、その両者の思惑が交錯したり、そして両者の願いがかなわなかったりするの、面白く読みました。これ、史実なんですか? 季節外れの狐に不吉を感じ、歌にて祓おうとしたっていうの。その和歌のくだり、めちゃくちゃ面白かった。具体的な危機をいわばまじないにて対処しようとするの。そら息子はうろたえる。いや、実際、この時代の人はこうだったんかもなって、この息子は現代に生きる我々の違和感を代表してくれてるだけで、本当は皆この方面でノリノリだったのかもなあ。そしてこれ、最初は儀式のための鎌倉行きだったのが、知らんうちに出兵となって、呼応した武将がどんどん参加してきてって、どうなるのん? これ、大筋は史実のままなの? めちゃくちゃ面白かったです。
『良倉先生の承認欲求』。急に降ってきた雨に困っている星畑。先生に車で送ってくれっていうの、先生が断る理由ね、特別扱いはできないって大人なこといってるのに、その本心はSNS映え、いいね目的だろ! って星畑が見抜いてるのね、こういうところ最高でした。そして今回は、星畑と古岩部長の関係、それがしっかり描かれて、そうか、部長にとっての今は星畑であるのか。好意を持ってるのに素直にそれを伝えられない。それどころか照れてしまって、突き放したようなこといっちゃうのね、ああー、部長、損な性格だわー。でも、それでも星畑は素直ですよね。すごく親しく対応してくれて、そりゃ部長も好きになっちゃったわけだ! 今回は部長の視点に立って星畑を見るようなところあったせいか、星畑の魅力的なところ、すごくよく表現されてましたよね。ええ、応援したくなるふたりでありますよ。
『午前0時のおねだりごはん』。米沢の言動に振り回される牛喰ですよ。また今度連絡するっていわれて、言葉の意味そのままにとらえたらいいのにね、脈なし文句って同僚にいわれて、そうなのか? って落ち込んじゃってね、ほんと、どれだけ先輩のこと好きなのだろうこの子は。そんな牛喰が、米沢の粘る様子見て、自分も頑張ろうと、その待ってる間に、米沢を喜ばせられるよう、いろいろ試して研究しようって、その前向きさ! いや、牛喰さんはOLやってるより、実家の飲食店に打ち込んだ方がもうよくないか? なんか、いつかそんな道もありそうに思わせてくれますよね。そして今回、おお、料理の内容、そのレシピ、より詳細に記載されてるよ! これはいいですね。さらに米沢の隣でお酌して、この近しさ。なんなら一緒に食べて飲んでもいいのよ? おいしい料理に相好崩す米沢が魅力的。そんな米沢をニコニコと見守る牛喰がいい。ほんと、ふたりの関係、たまりませんよね。
- 『まんがタイム』第40巻第1号(2020年1月号)
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