2019年12月5日木曜日

『まんがタウン』2020年1月号

 『まんがタウン』2020年1月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。クリスマスのイルミネーション? 街なか、背後の樹々には灯りが点々と灯って、そんな中、ふたり寄り添って話しているふたり。ああ、長いマフラーを一緒に巻いて、こういうところにも仲のよさ感じさせられます。これって本編のふたりでもあるのかな? 始のかたわらにあるの、いろはへのプレゼントですよね。それを知ると始の表情、それもまた意味深に思えます。そして新連載告知のカットもございます。

今号は新連載が2本です。

『異時間オーナー店主交代!』。なるほど、面白い設定ですね。ひとつの店舗を時間で分けて共有している。昼はカフェ、夜はバーをやっていて、時間がずれているから、店主同士は顔をあわさないのか。バーの店主は腕はたつけれどシャイなのかな? 姿を見せずに接客している。なにごとにもきっちりしていて、店の調度やら整理やらも完璧きっちりにしないと気がすまないんですね。対しカフェのオーナーは実におおらか。にこにことしてマイペースで、お客さんともばっちりコミュニケーション。ただちょっと大雑把で、バーオーナーとの相性は悪そう? このふたり、店の入れ替わりでの置き手紙他、そうした顔をあわさないコミュニケーションで仲を深めていこうっていうのかな? でもいずれは直接接触することになりそう。互いに相手を知らないわけでもない、そんな関係からの発展ないし紆余曲折に期待されますね。

『私たち同じ人を好きになりました』。タイトルからは三角関係もの? と思わせて、どうも違うっぽい? 地元就職したつもりが、思わぬ本社勤務で東京にいくことになった主人公。いろいろ考えがちなお嬢さん。広報の仕事に日々頑張りながら、うまくいかなくて落ち込んだり、けれどちょっとしたことが落ち込んだ気持ちを癒してくれたり。いろいろ感受性豊か、共感に富んだ人という感じなんですね。しかし、好きな人というの、ケンさん? どんな人なのかと思ったら、なるほど役者なのか。知人じゃない。ファン。地方在住だった頃は壁が多くて舞台見にいくのも大変だったのが、東京に出ればずっと気楽にいける。ふと思い立って見にいくことになった舞台で、これからを左右する出会いがあるの? ええ、今回はまず主人公の人となりの紹介、前提を提示したという感じですね。次回、いよいよ動きそうです。

『新婚のいろはさん』。漫画家たちのクリスマス会。めちゃくちゃ面白い。クリスマスまでに仕事をやっつけようという趣旨なのに、会場でまだ仕事してるやつがいる! そうか、タブレットで仕事してるんだ。始が興味もっちゃって、いろいろ教えてもらってるくだりが最高に面白くって、颯斗がタブレットが邪魔で料理置けないっておかんむり! なるほど、テーブルから追いやられましたか。あの隅っこでちんまりしてるふたりがまた面白かったです。颯斗が料理をおいしくいただくことにすごく神経とがらせてるのいいですよね。このそれぞれに大事に思ってることが違うというところ、そこに個性が見えてね、ああ魅力的だ。今回のテーマは待つだったんですね。始の結婚話から、のろけ? 語るごとに皆がダメージ負っていくのが面白い。そして待たせていたいろはのこと思って、今日こそは自分が待とうという始。そういう姿勢がこの人のいいところだなって思いました。でも、待つ時間が短かったからって、そんな顔しちゃいけないよ! そして落ちも実におしゃれ。ええ、いい関係のふたりだなって思います。

『珈琲と猫の隠れ家』。これ、いい話だった。飼っていた猫を亡くしてしまった。最初は母と娘、ふたりでこれでもかと落ち込んでいたのが、だんだんに日常のいろいろに追い回されているうちに回復していって、もうすっかり猫の死が過去のものになったと思っていたというのに、全然過去になんてなっていなかったと気づかされる瞬間ですよ。猫カフェで働いてる後木、この子の友達だったんですね。ふとばったり出会って、そして猫カフェで働いてるんだって、店にくるようさそってね、そうしたらたくさん猫に触れたせいか、亡くした猫のこと思い出して、どこかずっと現実じゃないみたいに感じていたことが一気にリアルさもって思い出されて、ああこの瞬間、思わずもらい泣きですよ。後木のかけた言葉、あれがよかったなあ。もう本当に感動させられた。すごくうまい漫画だと思います。

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