2007年4月26日木曜日

うぃずりず

 なんでか私は金髪好きという誤解をされているのですが、けど、ほんとになんでなんでしょうかね。金髪大好きだなんて、ここでもどこでもあそこでも一度もいったことないのに、もしかして金髪好き? といわれて、いやあえらい誤解だ。あんときゃたまたま、CMで見るこの人が可愛くていい感じっていっただけで、別に金髪だからいいってわけじゃなかったんです。と、のっけから意味不明な話をしていますが、というのは今日出版された漫画『うぃずりず』がまさしくその金髪美少女ものでして、帯には金髪、碧眼、ランドセルの文字が踊っています。ええっと、金髪も碧眼も、ましてやランドセルなんて、好きでもなんでもないんです。たまたま、たまたま漫画が面白かったから買っただけで、金髪なんてなんとも思ってないんだからねっ!

私は『まんがタイムきらら』本誌で『うぃずりず』を、それこそ最初から一度もかかすことなく読んできたのですが、けどよくよく思い返してみたら、この里好という人はまさしくきららでデビューした人であったんですね。忘れてました。「きら☆スタ」という、新人発掘企画だったんでしょうかに『うぃずりず』で登場してきて、で、その最初の回を見て、私はちょっと好きじゃないなと思って、その原因はあの先生だったのかなあ。基本的にべたなネタで勝負するタイプの漫画、金髪碧眼の外国人という見た目ながら誰より日本的というギャップがたまらんといったところかと思うのですが、けどそれにしてもべたすぎるというか、なんかちょっとなあ……。みたいに思っていたんです。けど、今は普通に面白く読んでいますから、この最初抵抗を感じるっていうのは、もう私の癖みたいなもんなんでしょうね。変化を嫌うあまりに拒否的反応で返してしまうという、そういう悪い癖があるようです。

『うぃずりず』は回を重ねて、べたの度合いはさらに強まっていったのですが、けどべたというのははまれば強いもんだと思います。ヒロインであるリズ(そう、With Lizなんですな)のギャップはなおさら強烈になっていって、見た目と言動のギャップ、そこには最初にいってた金髪碧眼という外観と、そして小学生という年齢の二枚で勝負って感じでしょうか。外国生まれの外国育ちのはずなのに、さらに加えて小学生でなんでそんなことを知ってる!? てな具合。こういうべたネタはシンプルなだけにはまるといい感じに効いてきます。それに、ピックアップされるネタというのが、ちょうど私らくらいの年代の人間が、そうそうそんなのあったあった、と思えるようなのが多くて、だからなおさら面白いのかも知れません。

そして、ここにちょっと辛辣な感じのネタも混じってくるのですが、これが私にはちょっと微妙でありまして、稀に許容ラインを越えて引いてしまうことがあるんです。例えば最初にいってた、先生の話。ちょいとこりゃなあ、みたいな感じで引いて、まあこれはこうして引かせるためのネタではあるので成功といえば成功なんですが、あとは黒杉さんで引くことがあるかなあ。まあこれも引かせるためのネタだから見事機能しているわけですが、けど私にはもうちょっと微温的なほうがいいと思うことがたまにあります。ほら、例えばリズがいじけて辛辣な物言いをすることがありますが、ああいうのは大好きです。

あ、そうだ、これにも言及しとかないといかんでしょう。まんがタイムきららWebにて、うごうご4コマと称し『もっと! うぃずりず』が連載されているのですが、これAdobe Flashで制作されていて、アニメーションするんですね。で、私が驚いたのは、このFlashを作ってるのがほかならぬ作者その人であるようで、もうはじめて見たときには、多彩だなあって驚いたものでした。

蛇足

臆面もなく自分の孫娘を一番可愛い子だよといってのけてしまうじいさんがいい感じです。え? そうじゃなくって? えっと、たまに口を尖らせてるその尖らせ方が好きです。あ、これはじいさんじゃなくって。

  • 里好『うぃずりず』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社.2007年。
  • 以下続刊

引用

  • 里好『うぃずりず』第1巻 (東京:芳文社.2007年),帯。
  • 同前,97頁。

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