2007年4月2日月曜日

となりのネネコさん

 『となりのネネコさん』はWeb上で連載されている漫画、結構話題になったからご存じの方も多いのではないかと思います。けど、実は私、その存在を忘れてしまっていました。随分前に、人から教えてもらってだと思うのですが、読みにいったことがあるのですが、続きを待っているうちになんか記憶から抜け落ちてしまったようで、ついぞその存在を今日まで思い出すことがありませんでした。思い出すきっかけになったのは、書店にて見つけた『となりのネネコさん』の単行本でした。実は、この作者宮原るりは『まんがタイム』系列誌に連載を持っている漫画家で、だから名前に見覚えがあったんです。そうか、他誌でも連載があったのかと思って、本を手に取って、表紙を見てすべてが繋がりました。おおお、そうだよ。この人知ってるよ、ネネコさんってあのネネコさんなんだ。そこで私は買うかどうか迷ったのですが、というのはちょっとネネコさんって……。けど、『まんがホーム』連載の『恋愛ラブラボ』とか馬鹿馬鹿しくって好きなんだよな、と思ったものだから買いました。なんというか、応援したいかなって思ったものですから。

なんで買うのに抵抗があったのかといいますと、なんというか漫画のクオリティの問題だと理解してくださるとありがたいかと思います。Web上で連載されていたときのを読んだ感想、素直なところをのべますと、ちょっときつかったかなとそんな感じだったものですから。ネネコさんがきた、つっこみどころは満載なんだけど、つっこむとなんかすごく危険な感じがするという導入、けどその導入の一連の流れがどうにも違和感ばりばりで、うまく流れていない感じがして、作者の中でうまく消化できてないというか、頭の中で都合よくたてたプロット通りというか、読んでる私としては、なんだろうこの受け入れにくさはと、そんな具合だったのです。狙いたいところはわかるのですが、狙いすぎというかまんま過ぎというか、それは読んでいてちょっとストレスに思うほど。あんまりにネネコがオールマイティ(全パラAクラスという意味でではなく、ジョーカー的な感じ)すぎるところと、まわりに対する態度のあまりのあまりさが受け入れがたかったのです。

だから、あの初読の雰囲気をもう一度味わうのはいやだなと思ったわけです。でも買った。そして読んだ。やっぱりいやな感じを味わった。この感覚、『みそララ』(『まんがタイム』連載)読んだときもそうだった。すごくあんまりな感じ。見てて不快だった。てな感じで、この人の導入手法は私にはとにかく合わないみたいです。

けど、合わないのは導入までで、ここを過ぎて登場人物がうまいこと動き始めたらそうでもなくなるんです。不思議なもんですが、最初の数回を読んでもういやだと思った『みそララ』だって楽しく読んでいますし、それに『ネネコさん』だって、最初の数回を乗り切ったらなんてこともなくなりましたし面白いと思えるところも段々増えてきて、とこれはWebコミックでの話。残念ながら単行本では、私にとっていいと思えるところまで話が進んでいないのですが、だから私にとっては第2巻からが本番といえるでしょう。あまりにも弱設定すぎるヒロイン山田とネネコさんの関係が熟し、一方的な粗雑さ粗末さが消える頃には、私はこの漫画を普通に好きといえるようになります。だから、これから。ネネコさんに関しても、あんまりにそのバックグランドに設定の生っぽさが感じられる嫌いがあって微妙ですが、それも、これから。巻を重ねればよくなると思っています。

なお、この漫画で私が好きなのはオタクのお嬢さんです。見た目は並以上極上なのに、中身はというと常軌を逸してるという、こういうキャラクターはどうも好きなようです。あるいは、生身でネネコさんに対抗できるっぽいところがいい、のかも知れませんね。ヒロインのあんまりの弱設定には、読んででかわいそうになったものですから。いや、でもこれもこれから。ヒロイン山田は、すごくいい子だと思います。

  • 宮原るり『となりのネネコさん』第1巻 (ウンポコ・コミックス・DX) 東京:新書館,2007年。
  • 以下続刊

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