今日はまんがタイムKRコミックスの発売日、ということでいそいそと買い出しに出かけまして、買った漫画の中には『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』の4巻があって、そして『ぼくの生徒はヴァンパイア』。もし後もう一冊ヴァンパイアものがあったとしたら、ジャックポット!! オール吸血鬼出ましたー!! となるところだったのに、ちょっと惜しかったです。そういえば『○本の住人』も買っていたのでした。危なかった。もう少しでオール幼女が出てしまうところでした。あ、ああ、違うか。『○本』は幼女じゃありませんでした。つつしんでお詫び申し上げます。
さて、『ぼくの生徒はヴァンパイア』は『まんがタイムきららMAX』にて連載中の四コマ漫画。タイトルからもわかるように、ヴァンパイアもの。けど、このヴァンパイアはちょっと毛色が違っていて、確かにヴァンパイアなんだけれど、妙に気の小さい女の子であるというんです。お化けが怖いというのもどうかと思いますが、それよりなにより人間が怖い。そこへ人間の家庭教師がやってきて — 。
ちょっとずれた吸血鬼と天然の家庭教師が繰り広げる、ほのぼのとしてちょっとどたばたの日常が楽しい、そういう漫画であります。
どたばたとはいいましたが、けどあんまりどたばたの色は強くない漫画です。少なくともスラップスティックではない。すごく穏健で、読むほどに優しい気持ちになれる、そんな雰囲気がありまして、それはそれぞれに少しずつずれた登場人物が、ちょっとずつ毒気や軋轢じみたそぶりを見せたりしながらも、実際には仲がよさそうだなあと感じられるからだと思うのです。軋轢ったってたわいもない、それこそじゃれあっているみたいなもの。毒気といっても、悪意というよりも無邪気、口でいうほどにはみんな悪くないよね — 、ってそういう要素持ってるのは、ヒロイン、カミラの妹であるガブリエラとその使い魔ミナくらいか。肝心のヒロインは、まるで天使のような娘だものなあ。って、吸血鬼なんですが。
人見知りが激しくて、なかなか打ち解けなかったカミラが、家庭教師ブラムにちょっとずつ馴染んでいく、その様が見ていて悪くないんです。いつまでたっても素直になれないし、そもそも自分の感情にも気付いていないような純粋なところのあるカミラがです、ブラムに対して、独り占めしたいような、もっとかまって欲しいような、そういう態度を示しましてね、それがいいのですよ。いわばこの漫画は、カミラのブラムに対する気持ちにならない気持ちを軸に話を進め、そしてそこにキャラクターそれぞれのちょっと意外な一面、不思議と鈍くさかったり、無闇とマイペースだったり(あ、これは意外でもなんでもないや)、 — 素直なその人らしさがアクセントを添えるんです。そのアクセントが、そっと触れてぱっと風合いを変えさせる、目先を変えてくれるから、穏健ながらも単調にはおちいらず、フレッシュで心地のいい気分を持続させてくれる。そしてそこにキャラクターのはなやぎが、やわらかくのせられるんですね。
蛇足
カミラの使い魔、メイベルさんです。
- 玉岡かがり『ぼくの生徒はヴァンパイア』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2007年。
- 以下続刊
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