昨日、『広辞苑』について考えてみて、改めて電子辞典の便利というものを確認したように思います。特にそれは、今私のしているように、コンピュータを用いて文章を書いているときにこそ意味があって、手を止めず語義を調べ、すぐさまエディタに戻ることができるという、その連携こそが便利なのです。思えば大学の論文をシステムソフトエディタでもって書き上げたあの時に、この便利を思い知ったのでした。『岩波国語辞典第五版』と『小学館類語例解辞典』が標準で付属していたエディタ、ショートカットで選択中の語を辞書に送ることができるのも極めて便利でありました。記録によればこのソフトを購入したのは1995年だから、12年にわたり『広辞苑』第4版を使ってるってことになりますね。そりゃ慣れるわけだわ。
さて、今日は日本語以外の辞書の話、フランス語の辞書について調べたことを覚書ほどにまとめてみます。
なんでフランス語なのかといいますと、私の第一外国語がフランス語だからでして、実はLeopardに日本語の辞書がつくときいたときに、当然フランス語の辞書もつくに違いないと勝手に期待して、そしたらついてこなくてがっかり。えー、フランス語ないんだ。ほんと、がっかりでした。
私はフランス語を読むにも書くにも、冊子の辞書を使っています。けど、できれば電子辞書を使いたいなあと思いましてね、DVD-ROM版『広辞苑』が呼び水になったわけですが、またこのタイミングでクリスマスのメッセージを和訳してよと頼まれたという、そういう偶然も手伝っていたりします。どうせなら、フランス語も便利に読めるようにしたいなあって思ったんです。
で、調べてみたんですよ。そしたらまたがっかりですよ。かつては隆盛を誇ったというフランス語ですが、今では悲しいかなマイナー言語であります。そうした状況が反映してか、現状購入できるフランス語電子辞書(PC利用のもの)はたったふたつしかないんです。ひとつは『クラウン仏和辞典 コンサイス和仏辞典』、そしてもうひとつが『プチ・ロワイヤル仏和・和仏辞典』。これ、両方冊子で持ってるや。まあそれはさておいても、ここでまたがっかりさせられることがありまして、クラウンはなんとWindowsにしか対応してないんだそうですね。もんじゅー、なんてこったい! マイナー言語フランス語を使う、マイナーOSユーザーである私には選択肢なんてないんです。
けど、Mac OSに対応しているプチ・ロワイヤルにしても、どうもLogoVistaのブラウザでしか開けないらしく、やっぱりうまくないなって思うんですね。LogoVistaの辞書はとにかくいろいろ出てるから、きっとこれで揃えたら素敵環境が完成するんだろうな、なんて予感がしますが、それは結局は今の環境とは別に新たな環境を持つということに他ならず、かくして私のコンピュータには、OSの辞書とegbridgeの辞書、そしてLogoVistaの辞書の三環境が揃うのでありました! ……みたいのはちょったやだな。ごちゃごちゃしすぎてる。
一番いいのは、EPWING対応のフランス語辞書を買うってことなんですが、というのはegbridgeの辞書ビューアはEPWINGの5版に対応しているものですから、私のニーズを満たすにはそれが一番いいのです。ですが、EPWINGの仏和辞典はかつて出ていた形跡こそありますが、現在は入手困難。なんだかうまくいかないなあ、なんてここでもまたがっかりするのでした。
けど、あきらめるにはまだ早いようですよ。なんと『ロワイヤル仏和中辞典』にはCD-ROMがついてくるそうなんですが、それをEPWING化するハックがあるんだそうですよ。そのためのスクリプトはロワイヤル仏和中辞典第2版変換スクリプトにて公開されており、そして私はこれを『ロワイヤル仏和中辞典 for Mac OS X』で知りました。おお、これ、素敵すぎ。EPWING対応の仏語辞書はないけど、いい感じのデータならある。じゃあ、自分で作っちゃえばいいんじゃない!? ってな発想はまさしくクリエイティビティにあふれる、素敵解決法です。しかし、こういう技術のある人は素晴らしいなと思います。これ見て、私、『ロワイヤル仏和中辞典』を買ってこようかなって思ってますから。しかし、ほんとに運のいいというか、こういうスキルのある人がフランス語をやっていたという、そういう巡りが本当に運だと思います。
- 『ロワイヤル仏和中辞典』東京:旺文社,第2版;2005年。
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