2007年11月4日日曜日

DS文学全集

 お友達ががっかりしていましてね、なにがっていいますと、任天堂の『DS文学全集』のラインナップですよ。なぜ森鴎外のドイツものが未収録なんだと、漱石にしても『夢十夜』がないのはどうしてなんだと。気持ちはわかります。鴎外のドイツものといえば『舞姫』が特に有名かと思いますが、確かにこれが収録されてないというのは意外な話で、ほー、思い切ったなあ。なんて思います。でもまあ、選ぶっていうのは大変なことですからね、きっと泣く泣く削ったというものもたくさんあったはずで、『舞姫』あたりはその代表格なんじゃないかなあなどと思います。あ、そうそう、『夢十夜』に関しては確かにそのようで、サプリメントに含まれています。

気持ちはわかるといいました。そうですね、やっぱり私にも思い入れみたいなのがありますから。大宰に関しては『富嶽百景』があるからいいかなって感じもしますが(私は大宰ではこれが一番好きです)、やっぱり『駆け込み訴え』はなくってね、まあこれは入らなくても仕方がないって感じもしますけど、『女生徒』もないですよね。まあいいかって気もしますけど。

漱石ではどうかというと、九作も収録するこたあないだろ、などと思いつつ(猫と坊ちゃんに関しては、どちらか一方でいいんじゃないかな)、『倫敦塔』はさすがに入らんよなとか、『幻影の盾』も仕方がないか、って、私の好みはやたらマニアックだな。でも『硝子戸の中』は欲しかったような気がします。

とまあ、こんな具合にきりがない。

昔、新潮が百冊選んでCD-ROM媒体で電子ブック詰め合わせを出したことがありましたが、そうした電子ものに対する本読みの評価ってなんだかだいたい辛いなあ、なんて思ってきたのですが、『DS文学全集』にたいしてもどうやらそういう嫌いがあるようで、けど、そういう不満って、むしろ期待なんだろうと思います。電子ブックというものに期待をしつつ、それでも本という古い媒体にとらわれて、それでもやっぱりこうした新しそうなものがでたら気になって仕方がない。そりゃ、こういうのを実際の本と比べちゃいかんですよ。本はやっぱり紙を束ねたあれが読みやすい。けど、かさばるとか場所塞ぎとかそういうデメリットもないではないから(切実です)、こうしたハンディにして収録数も充実というものが出たら、期待しちゃいますよ。

私は、今ではそれほどでもありませんが、やっぱり本が好きでして、azur通して青空文庫読んだりしていましたが、やっぱり紙の本の方が読みやすく、最近azurは起動さえもしていないなあ。でもそれでも電子媒体による読書というものの可能性は拭うことができず、もっといいインターフェイス、もっとダイレクトに反応してくれるようなデバイスが出たら、その時こそは本の優位が崩れるかも知れないと思っています。

でも、できればその日がこなければいいなあと思ったり? わがままなものですよ。

あ、そうそう、まったく関係のない話。iMac買って、常時アクセスポイントが用意されてる環境が整いました。パネポン、復帰してますので、また出会いましたらよろしくです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

実は私も青空文庫ビューアの BlueSkyReader は最近全然起動していない事に気付きました。いわゆる電子ブック、もしくはハンドヘルドビューア見たいので良いのがあれば欲しい気持はあるんですけどね。

電子ペーパーみたいな記事が出れば期待して待ってるんですけど、なかなかこれっ!ってのは無いですね。

matsuyuki さんのコメント...

青空文庫は、今更改めていうほどのこともないほど魅力的ですが、それは蔵書の魅力であって、デバイスはまだもうちょっと追いついてないなあって思ってます。電子ペーパーは魅力的ですが、問題はレスポンスかなって思っていて、それこそウェアラブルなデバイスで、実体をもたない仮想的本でもいいやなんて思ってます。手に、感触を与える(薄手の)グローブなんて付けられたら最高かなって。

電子ペーパーが出たらやってみたいのは楽譜の表示で、譜めくりをフットペダルかなんかで実現したら便利だなって思ってます。譜面台が大量の楽譜で混乱したり、なだれ起こしたりも避けられるし、早く出てきてくれないものかなと思っています。