2007年5月11日金曜日

コミックエール!

なんか、芳文社がまた新しい雑誌を出すらしいよ。てな話を聞きまして、それもなんだか妙に力が入っているようでしてね、発売前からBlogが用意されていて、しかもドメインまでとっている。正直、恐ろしいなあ。なにが恐ろしいといっても、男の子向け少女マンガ誌なんだそうですよ。なんだそりゃ一体。まあ、いわんとすることはわかるような気もするけど、男の子向けなんて謳ったら、女性が買いにくくならないかね。てな具合にいろいろ怖れてみたり、勘弁してとも思ったり、いろんな意味で消極的ではあった私でありますが、けど第1号くらいは買っておこうと思ったのでした。後が続くかなんてわからないし、一応『まんがタイムきららキャラット』の増刊だっていうから、押さえておいてもいいかなあなんて、そういう理由で買おうと思ったのでした。

にしてもですよ。売ってない。いつものコンビニに売ってない。このコンビニは『まんがタイムジャンボ』を除く芳文四コマ誌がすべて揃うという夢のような店であるのですが、当然のごとく入荷すると思っていた『エール!』が入荷しない。そうか、四コマじゃないからか。いや、けど『フォワード』は入荷するぞ。増刊時代から入荷してたし……。ってことは、『エール!』の誌名にきららとついていないからか。いや、むしろ『まんがタイム』とついてないのが悪いのか。とにかく、いつもの店で入手できず、その後コンビニを一軒、四コマ誌の充実する書店も一軒回ったのですが入荷はなし、仕方ないからちょっと遠い書店に足を伸ばして、ようやく買うことができたのでした。

読んでみました。まずい……。面白いやんか。巻頭作は雑誌のカラーを決めるといいますが、とすると『エール!』はおたく男子寄りの雑誌といってよさそうです。と思ってたら、次にくる漫画が男性向けという感触を払拭して、これが少女マンガ誌を標榜する所以か? こんな具合に、おたく男子傾向に揺れたり、女性誌傾向に揺り戻ったりと変に一定しない感じではあるのですが、けれど不思議と違和感はありません。むしろ違和感があるとしたら、既存読者を引っ張ってくるために用意された、系列誌連載作であったかも知れません。『恋愛ラボ』は違和感なく読め、『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』もわりと綺麗におさまっていましたが、『らいか・デイズ』はちょっと厳しかったです。なんか、そこだけ違う空間になっていたというか、浮いているように感じました。けど、おんなじ引っ張ってくるなら、タイム系からじゃなくてきらら系からの方がよかったんじゃないのかなとも思うんですが、そうもいかなかったのかな。『フォワード』とバッティングするから? よくわかりませんが、『らいか・デイズ』は好きな漫画であるだけに、あの違和感でもって読み進めるのはちょっと厳しかったです。

雑誌全体から感じられる雰囲気は、少女マンガというよりもやっぱりおたく向けです。けれどなかには、『御伽楼館』や『溺れるようにできている』みたいにばっちり女性誌に載っていてもおかしくないようなのもあって、というか後者はやっぱり少女マンガじゃないだろう。少女というには大人すぎるし、レディーズというには若い。そういう中間の年代をつくような漫画で、私は気に入りましたけど、男性には向かんのじゃないかな。

『コミックエール!』、次号は8月に出るのだそうで、きっと私は買うでしょう。その時にどれだけ気に入った漫画が残っているかですが、けど問題は気に入らなかった漫画、つまらないと思った漫画がないってことなんですよね。アンケートにはつまらなかった漫画を書けだなんて非情な項目があるのですが、残念ながらひとつもなかった。特に好きな漫画はあったけれども、あえてつまらないといわなければならないようなのはなかった。そのようなわけで、『コミックエール!』は私にはずいぶんと相性のいい雑誌であったようですよ。

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