2007年5月26日土曜日

ドリームハンター麗夢

 昨年、『ドリームハンター麗夢』のDVD-BOXが出るんだってよ! というニュースに小躍りしつつも、買うか買わないかで迷ったなんてことがありました。まあ結局買ったんですけど、買って、届いて、見て、よかった。中学生の時分だったかなあ、よみうりテレビが春夏冬の休み期間にやっていた『アニメ大好き』という番組でこのアニメに出会い、なんでか知らんけど忘れられなくなってしまった。ビデオ録っときゃよかったよなんて悔やんだのが、こうしてDVDで見られるようになって、こんなに嬉しいことはありませんでした。でですね、DVD-BOXが売れたら残りの『麗夢』もDVD化されるかもなんて期待もあって、おそらくファン連中は皆その日を心待ちにしていたんだろうと思うんですが、そう、ついにDVD-BOXの2巻が発売されたのですよ。うちには今週中ごろに届きましてね、見たい見たいと週末のくるのを心待ちにしておりました。

BOX2に収録されたものは、『新ドリームハンター麗夢』と銘打ってリリースされた二本、『夢の騎士達』、『殺戮の夢幻迷宮』です。これらは私にとっては初見となるものですから、一体どういうものなのだろうと楽しみで楽しみで、当初は土日に分けてみるつもりでいたのですが、思わずぶっ続けで見てしまいました。

ストーリーとしてはシンプルで、けれん味も少なく、やけにおとなしいと感じられる『夢の騎士達』。舞台をヨーロッパに移し、けれどレギュラーメンバー勢ぞろいしての大活劇が楽しい『殺戮の夢幻迷宮』。私の好みとしては『殺戮の夢幻迷宮』かな。『夢の騎士達』はちょっとシンプルすぎて、活劇としては楽しめるのですが、ドラマとしてはちょっと食い足りません。けれど、これは『麗夢』全般にいえることかも知れず、だってストーリーを楽しむにはちょっと粗が多いといわざるを得ないものですから。法もへったくれもなく拳銃ぶっ放す警部がいたり、女学校が治外法権並に強固に守られていたり、だってそもそも麗夢にしても、リボルバー持ち歩いてるのはまだしも、愛車にはミサイルランチャーが装備されているなど、あまりにあまりの重装備っぷり。これを見てまゆひそめるのは野暮ってなもんです。おいおいなんだそりゃと突っ込みながらも楽しむ、これが『麗夢』とのつきあい方だと思います。

という風に考えたら、『夢の騎士達』には突っ込みどころが少なすぎたんだと思います。ストーリーはよくあるパターンといえばパターン。けれど『ドリームハンター麗夢』のパターンからはずいぶんとはずれて、現実世界における麗夢の活躍はなくてですね、だからアクションは夢の中に限られているんです。あ、突っ込みどころはあったわ。麗夢を取り巻く男連中の無茶っぷり。相も変わらず法もへったくれもない無茶やってくれて、面白いんですが、けどちょっと小粒かなあ。みたいな印象で、だから見せ場は夢の中での大立ち回り、ここですね。

反対に、設定にぷんぷんとあふれるけれん味含めて、楽しめる箇所が多いのが『殺戮の夢幻迷宮』でした。第1巻(『惨夢、甦る死神博士』)からの因縁がここにきて再び息を吹き返して、しかもその被害の範囲といったらシリーズ中屈指といってもいいくらい。突っ込みどころは相変わらずあるけど、けれどそれはさっきもいったようにこのアニメの楽しみどころでもあるわけで、充分に満足して見終えることができました。ただ、ちょっと切ない話かもね。確かにああいう決着の付け方が話の流れからすると自然で、しっくりとはいってるんだけど、こういうのには結構弱いのですよ、私は。弱いといいながら嫌いではないのですが、だからまた今度余裕を見て見直してみたいと思います。

さて、DVD-BOX2はこれだけで終わりではありません。特典盤と銘打たれた三枚目には過去にリリースされたCDドラマが四本収録されていて、加えて『怪奇 黒死城殺人事件』も収録されています。とはいえ、権利の関係上カットされていたり、また『黒死城殺人事件』は音声が収録されてないなど、ちょっと残念といわざるを得ないところもあって、けれどこれらは特典なんだから、文句をいっちゃいけないと思います。だって、こういうの、普通なら収録されなくて当然のものばかりです。それがこうしてまとまって、聞いて、見ることができるだけでもありがたいといわねばならないと思います。

そして、もう一点。漫画がついてきます。大塚あきら『ドリームハンター麗夢』。ページ数にして192ページ。充実の単行本ではありませんか。これにしても普通ならDVD-BOXには収録されないような特典で、こういうところを見ても、スタッフはファンにできるだけのものを届けたいと骨折ってくださったのではないかと思うのです。実際はどうかわかりません。けれど、十年以上も前のアニメの、関連する諸作品をできるだけ多く収録しようとしたことはBOXの構成からも感じられて、本当にありがたいことだと思います。

VHS

CD

書籍

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