2021年6月12日土曜日

『まんがタイムきらら』2021年7月号

 『まんがタイムきらら』2021年7月号、昨日の続きです。

『えるくえすと!』

連載になってきましたね。連載初回ということで、ゲスト時のおさらいをざっとすませて、さらに膨らませてきたといった感触。たいへんよかったです。謎のゲームソフトから飛び出してきたエルヴィーラと、後に合流してきたルチア。そのあらましやプロフィール語られたと思ったら、舞台となるゲームショップの日常。何曜日には混みやすいみたいな話も出てきて、こういうの結構好きなのでいい感じでした。

今日は暇な曜日。なのでゲームをしましょう。店長ご乱心!? かと思いきや、この世界のことをまだよく知らないエルとルチアに、ゲームというものを知ってもらおうという試みだっていうんですね。加えて、プレイ映像を流して販促にも繋げようとしている。結構ちゃんとしている感じ。さすが店長! といっていいものでしょうか。

エルの経験してみたゲーム、いきなりがエクササイズ系っていうの、意外で面白かったですよ。こちらの世界にやってきてしばらく、規則正しい生活を送り、日々の鍛錬も欠かしていないといってましたけど、戦闘もそんなに発生しないし、というので鈍ってたりする!? ぜーぜーいってるエルがいい感じに面白さ盛り上げてくれていました。

そこからの多様のジャンルに触れていくくだりね、反応が面白くて、FPSで画面酔い! というか、エルもいまいち状況把握できてない。というか、あのおっとりした店長が人の変わったように! いやもう、面白かったですよ。

かくして経験を積んでレベルアップ。使える魔法の増えたルチア。毒消しは二日酔いとかに効きそうですね! 今回は魔法を覚えなかったエル、それを気にしていたのもよかった。こうしたところに、エルの人となり、というか注目されたい気持ちが見えるの、なんか愛らしさありましたよね。

『推しごとびより』

ロゼとの対決、ついにその日がやってきたというのですが、いまいち緊張感がないのはこの子たちらしいといっていいのでしょうか。というか、心町、ロゼを応援する気満々じゃん!

心町の姉もなかなかで、審判をやるっていうんですが、もう最初っからロゼ優勢と思ってるの。これ、公正といっていいのかどうなのか。いや、公正であることは間違いないな。身内びいきとかまるでないっていうの、シビアだ……。というか、ちょっとくらいひいきした程度で結果は覆らないってことでもあるのかもなあ。いずれにしてもシビアだ……。

ライブ対決前に前座対決? 前哨戦でアイドル能力いろいろを試す対決やってみようっていうんですが、今回はこれがほぼメインじゃないですか! でも面白かった。こういうこんまいことはカラフルリウムに分があって、握手対決ではなるの勝ち。サイン対決では柚葉が活躍と、それぞれの個性が存分に発揮される。というか、アイドルクイズ対決とアイドルアニメソングイントロクイズは、心町と空の土俵すぎない!?

これ、花を持たせてくれたのかもよ? それほどまでにライブ対決で差が開いて、ああ、勝ちのポイント制ではなかったんですね。前哨戦は前哨戦、本戦は本戦、そこはきっちりわけて、ぐうの音も出ないほどにきっちり彼我の差を見せつけてくれたロゼ。勝敗については、カラフルリウムの皆も納得せざるを得ないほどに明確で、ここまできっちり自分の負けを認めざるを得ない展開見せられたら、ああ、これは次は負けを飲んで先に進もうってやつだ! ってなりますよね。

なりましたよ! かくして夏合宿へと続きます。ええ、この子たちへの動機づけ。きっちり丁寧に段階つけて、けれど過酷だったりみじめになったりはさせず、面白さ、楽しさをちりばめながらのステップアップに、カラフルリウムの皆のみならず、読者である私たちにも向けられた優しさのようなもの感じたりしましたよ。

『むすんで、つないで。』

学園もの、それも凛々しい女生徒のかっこよさが際立つような古典寄り少女漫画のテイスト感じさせてくれるつなぐ。七色に話しかける、その姿の凛々しくも美しい様! 吹く風すらも味方につけて、揺るぎない自信が下支えしている、そんな言葉の数々に、ああ、なんて素敵なのつなぐさん! と思うんだけど、実は自信なんて欠片もありませんでしたーっ!

って、こりゃちょっとしたパロディだよね。私たち友達になりましょう、あなたのことをもっとよく知りたいの、そうした言葉のストレートさに、ハンサムガールの系譜に連なるつなぐ像など感じながらも、その背景が同時に開示されていく親切仕様。セリフつっこみの数々。失敗したかなという不安。でもね、これね、今まで見てきたハンサムな彼女たち、その凛々しくも尊い笑顔の向こうにはこうした気持ちも波打ちさざめいていたのかも知れないね。そんなこと思ったりなんかして、この漫画は笑わせよう、面白くしよう、そうした工夫でこれら隠した気持ちの開示をやってるわけだけれど、でもそこには人付き合いのリアルが感じられて、より一層につなぐの、七色のこと、悩んで迷って勇気出して思いきって、懸命に生きている、そんな存在の厚みを感じさせる効果にもなっていると思っちゃうんですよ。

もうつなぐも七色も大好きですよ。進みそうで進まない。けどつなぐの言葉に思い切って踏み出そうと決意した七色、その気持ちの一瞬の高揚にはぐっと胸を打たれて、なんだこれ、美しいぞ! 素晴しいなあ! って、薗部苺、ここでお前が割り込んでくるんかーっ!

いやもう、めちゃくちゃ面白かった。お前なあ、美少女なのになあ、なのにオールマイティ残念キャラだよなあ。いやもうほんとに、美しいキャラ、美しい仕草、美しい気持ちの揺れ、触れ、動く様をこれほどに積み重ねた挙句に、こんな落とし方してくるの。贅沢といっていいのか!? 贅沢といっていいのですか!?

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