2021年6月18日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年8月号、昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

うわわ、なんか重大な新事実が判明ですかい!?

つららの新メニュー、それを皆で試食するというのですが、やけに気合いの入ってる饗子、いったいいつから絶食してるというのだろう……。

雪女のつらら、この人のこだわり、すべての料理をひんやり冷たくというの、カレーにまで及ぶというのですか。でも、あれって油分が固まっておいしくなくなっちゃうよね? そう思ったら、伊織のアドバイス受けて、小麦粉やバターを使わないカレーを開発。こうした工夫、開発の努力、こりゃ妖怪とかなんとか関係なく面白い。そして伊織、つららの料理にまつわるエピソード、そこに睦子が関わっているというのがなんだかよくって、妖怪の皆のために奔走しているこの人の、知らず知らず与えている影響。妖怪の生き方、それを変えさせてきたんだなあ。人の社会で生きるという新しい可能性とともに、伊織にもつららにも、料理という新しい世界への目を開かせた。思えばこれまで睦子の関わってきた妖怪たちのエピソード。そこにも彼女の足跡がしっかりと残っていた、そんな感じでしたよね。

さて、ここで新事実ですよ。もうびっくりした。伊織、まだ小学生やったの!? ちょっと待って? 子供だっていわれてたのは覚えてるけど、そこまで小さいとは思ってなかった。社会勉強のため役所でアルバイト、というから高校生くらいなのかなって思ってた。いやあ、小学生をバイトで雇うの、妖怪だったら大丈夫なの!?

と、それだけでなく、睦子について、もしやという情報が開示されて、いやいや睦子とは明言はしていない。とはいえ、あのくしゃみ、書き文字の位置から、まさかの二口女!? いやいや、その後のつららたちとの会話でも、睦子の身の上に関わるニュアンス滲ませて、いやもう、これどうなんだろう。ミスリードなのか、あるいは本当にそうした可能性あるのかと、これ結構な宙ぶらりん状態に置かれた感あって、今後の展開に注目! なんですが、とりあえず今は伊織真実に動揺しています。

『瑠東さんには敵いません!』

和村ちゃん! 追試が確定! 対して瑠東はというと、見事な好成績。ほんと、和村ちゃん、出来がいいとは思ってなかったけど(酷い)、これほどとは……。平凡女子っぽいオーラから、平均かぎりぎり平均に届かないくらいのぼちぼちな出来を予想していたんですね。いやあ、予想を超えてきましたね! 悪い方向に!

きたる追試に向けて瑠東が勉強を教えてくれます! わりと無理矢理に。でもこうして教えてくれるの、ありがたいことだと思うよ。普段から復習ノートまとめて貸してくれたり、授業中もいろいろ助けてくれたりしてくれている。けど、むしろこれが悪いのかもよ。

学生の頃、ドイツ語の教師に他の学生に教えちゃいけないってしょっちゅういわれていたんです。なんで? その都度教えてあげた方がタメにならない? そう思ってたら、自分がちょくちょく教えてた連中、ことごとく不可とっちゃって、なんでや! ほんま、あれはショックだったわー。だからこそ、瑠東の気持ちはわかる気がします。君ら、ほんと、頑張れよ。

今回の瑠東のノリノリな様子、そうか、瑠東先生をやりたかったからなんだな。でもほんと和村の体たらく! 自分のことやで? 頑張って? とか思ってたら、瑠東の見つけた和村をその気にさせる方法! いやもうこれすごいな。瑠東だからこそできる技かも。自分がやったらなんかのハラスメントになっちゃうけど、瑠東さんなら大丈夫そうだ!

これ、瑠東にとっては和村にかまいまくれる、和村からしたら成績向上の成果を上げられる。Win-Winってこういうことかね!? ほんと、素晴しい指導法でした。和村にとっては屈辱かも知らんけど、とりあえず赤点常連から脱出するきっかけ、意気込みの向上に見事貢献しましたね。

『ホレンテ島の魔法使い』

うわー、これものすごいな。軽いものを動かす能力を持つかるて。その応用で鍵開けに成功していましたが、理解がすすめばどこまでも応用の範囲を広げていけると判明した今回。いやもう、尋常じゃないよこれ。

小さなものしか動かせない。機械式の錠なら鍵がなくとも開けられる。ならばその操作の対象を、砂にすれば自由に砂絵を描けるし、さらに小さなもの、分子に働きかけ運動エネルギーを加えてやれば熱だって発生させられる。

ずっと以前に読んだ小説RPGを下敷きにしたものなのですが、そこで語られる魔法の原理がまさしくこれでした。いわく、炎の魔法、冷気の魔法とは、分子に働きかけて生じさせた熱エネルギーを云々。ただ魔法というお約束で片付けるのではなく、その向こうにあるかも知れない原理を科学の装いでもって解説することで、ありえそうという確からしさを演出し想像させる、そんな魅力のある物語であったのですね。

ホレンテ島に関しては、これまでは島の伝承というロマン、魔法という夢物語の向こうに頑然と横たわる現実を描いては、強固にして崩せない日常の退屈さ、無常さを見せつけてくれていたわけですが、こと魔法の存在が明かされた今となってはまったく正反対に舵が切られて、ありきたりで退屈な日常、つまらない現実に隠されていた不思議、ロマン、夢の存在がこうも鮮やかに顔を覗かせてくるまでになって、いやそれどころかいよいよその存在感を強めてきて、あああれほど強固と感じられた現実が突き崩されるその瞬間を目撃した!

その実感、心が打ち震えるかのようで、いやもう鮮烈そのもの。素晴しい。今はこの一言に尽きます。

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