『まんがタイムオリジナル』2021年8月号、一昨日の続きです。
『敷金礼金ヤンキー付き』
そうか、七恵、学生だったか。すっかり忘れてました。
さて、梅雨時の悩みごと、定番どころは洗濯物がどんどん溜まるというやつですが、佳がえらいことになってる。これ、一週間分なの? 干すの忘れてたってことは一度は洗ってあるのか。いや、それぜったい生乾きのにおいするから、洗いなおした方がいいよ!?
と、そういう常識は通じません。いいこと思いついたとばかりにとりあえずアパートの廊下に洗濯物干して、でもこれで終わらないのがおかしいですよね。大量の洗濯物のせいで廊下が通りづらい。さながら障害物、というので、配置をわざわざ工夫して障害物競争タイムアタックやるっていうんですね。
いやあ、これ洗濯物落としたりしたら本末転倒でない? みたいなこと思っていたら、さらに上いくのがこの人たちで、まさか墨いれたバケツまで吊るの!? いやもう、絶対酷い目にあうやつだこれ! この、一番最初の目的の、洗濯物を干すというのが見事にふっとんで面白いに全振りしてしまうところ、おかしくって、でも後先考えずとにかくやってみるスタイルは、人生を楽しく生きるコツかも知れんぞ? みたいにも思ったりするんですよね。
いや、多少は懲りてもいいのかも知れませんけどね?
『カントリー少女は都会をめざす!?』
都会に憧れる八重。SNSも写真主体の、いわゆる映えるってやつをやっていて、でも自分からはなにも発信していないのか。クラスの皆のSNSの使い方、亜紀はアニメ実況してるというの、今は衛星放送とかオンデマンドとかあるから地方住みにも優しいですよね。ただリアルタイム実況となるとちょっと難しいのか。
八重がSNSに投稿しないのは、田舎暮らしとバレるのではないか、その恐怖がためなのか。気にしなくていいのに、というか、それで都会だ田舎だといって気にしたりチェックしたりするの、多かれ少なかれあなたの同類だと思うですよ?
ここからの八重の迷走、面白かったです。都会人はなにを撮ってもおしゃれに見える。いや……、そうかな? 消しゴムは消しゴムやで? たい焼きもたい焼きやで? この都会のオーラがすべてをよりよく飾ってしまう八重ビジョン、ほんとにおかしい。大河への過剰な評価もまさしくこれだよな!
面白かったの、都会人オーラを期待された大河なのに、笑いの方向に向かっちゃうところ。でもって、八重渾身の物ボケ。東京駅の避雷針!? わ、わからぬ……。画像検索までしたけどそれでもわからぬ……。ほんと、この自分の道を突き進んでいる八重、それが実に素晴しい。でも、東京駅の避雷針をSNSで公開するのはさすがに避けたいんですね。この八重のジレンマ、実によかったです。
『通勤通学クエスト』
メイとアカリの伯父さん、姪っ子たちが可愛くてしかたないんだな。それはいいのだけど、甘やかしてしまうからお母さんたちが大変。高いゲーム機買ってきたり、自作の漫画にアイシングクッキー、やたらとレベルの高い手作り品を持ってくるもんだから、周囲の大人たちへの期待もガンガン上がっちゃうのか。
この母と伯父、すなわち兄妹のやりとり、それが面白くて、あれもやめて、これもやめて、キツいダメ出しがあるんですが、そうかお兄ちゃんからしたら褒められてる気分なのか。でも、実際妹ちゃん、ちょっとツンデレ風なのかも知れない。料理のくだりとかそうだったでしょう? ドレスにいたっては、もう完璧にそう。
褒められて、評価されて嬉しい兄。いろいろしてくれて嬉しい気持ちもあるが、多少のやりすぎに思うところもある妹。このふたりの気持ちの時にコツンとぶつかったり、あるいはふと素直な気持ちが顔をのぞかせたりと、こうした機微がなんだかちょっとむずがゆい? よさがあったんですね。
『とびだせT.O.Z』
アガリ性の柳のためにと思い、いろいろ画策するマナ。緊張のあまり学年別大会でも失敗してしまうのではないだろうか。そう思っていろいろしてくれるのはありがたいけれど、その方法、特訓っていうのがゲーセンいって、ダンスゲームやらバスケのスローインやらで目立とう、目立たせようっていうんだから、ああー、ちょっと荒療治が過ぎない!?
このマナの勢いのよさ、躊躇のなさ。見ていてめちゃくちゃ面白いけど、巻き込まれる柳さんはいろいろ大変だな。結局緊張のあまりぶったおれちゃって、だだだだ大丈夫!?
でも、この一連のマナの行動、直接的な効果はもたらさなかったけど、その後の対話を通じて柳にいい影響与えてくれたっぽいですね。うん、結果オーライ。マナの行動、というかその気持ちといったほうがいいのかな? それがむくわれた、柳のためになったのはよかったなあって思いました。
そしてラスト。兄貴ですよ! さすがのマナも反省しました! すごいな、兄。ものすごい反面教師ですよ、兄!
『オネェの恋のはじめかた』
時宗と凪、調理実習にて頂上決戦勃発です!
いや、普通に、普通に作ればよいのではなくって!? なにも包丁さばき見せつけようと、大根や人参でバラだチョウだって作る必要はなくってよ!? このふたりの対決、ちょっとしたエンターテイメントみたいになってますよね。家庭科選択者はただただ面白がっていて、あるいは慣れきってしまっていて、ツッコミ役の翔人もいないものだからもう野放し。最後の最後まで、ふたりともに、課題の肉じゃがには着手しませんでしたよね!?
諦観しきってる時宗班の男子たちもおかしかった。被害者みたいに思っていいのか!? 補習食らったの時宗と凪ふたりだけみたいだから、男子たちはちゃんと生き延びられたみたいですね!
そして、時宗の愛の料理、ちゃんと桜子の口にもはいって、そしてぽろりと口をついて出た時宗の本心、それが見事に桜子にも届いて、これ、調理実習としては時宗大減点でも、こと恋愛の観点では前進あったようですよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第40巻第8号(2021年8月号)
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