2021年6月7日月曜日

『まんがタイム』2021年7月号

 『まんがタイム』2021年7月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。楽しくぬりぬり? ペンキ塗りがテーマの表紙。なぜ!? とは思うけど、背景の青地に黄色がいい色彩で、ぱっと目立って明るい気持ちにさせてくれる、そんなよさがあっていいですよ。『花丸町の花むすび』花子もハケで、『テレパス皆葉と読めない彼女』澄花もハケでペンキを塗ってる。あのちょいちょいついてるペンキ汚れが可愛いですね。あ、部長代理もですよ。

今月は新作ゲストが1本です。

『完食!!ラーメン淑女』

みわとゆうこは大学生。授業を終えての帰り道? ラーメン屋の行列にラーメン食べたい気持ちがむくむくと盛り上がってくるけれど行列には並びたくない。と思ったところに見つけたのが、行列のできないラーメン屋。見るからにハズレ店。

この漫画、主人公の女子ふたり、キャラクターがまったく違う方向に振り切ってる。感性のまま動くみわと、よくいえば思慮深く、あるいは思い切りに欠けるゆうこ。自分はゆうこタイプですね。失敗は少ないかも知れないけど、これという成果もあげられない。そんな人生を生きてきました。

今回の新規ラーメン店開拓もみわの無鉄砲あってのものでしたね。見た目がヤバい。いろいろこじらせている感があちらからこちらから漏れ出していて、ゆうこの第一印象、こわいだもの! でもラーメンのできは確かで、ああ、惜しいよねえ。こういう悪い意味でのこだわりがなければもっとお客に恵まれるだろうに。でもそのこだわりあってこその味だったりするんかな。と考えたら良し悪しだよなあ。

みたいなこと思ってたら、違うんか! ここでも無鉄砲なみわの大活躍。私語厳禁の店内で、店長ルールをものともせず賞賛を口にする。ここからのやりとりね、この店のルール、別に店長のこだわりじゃないんか。むしろ真似だったりするんか! ほんと、このふたりが入店してくれてよかったね。実際、店の雰囲気よくなったらお客も入ってるみたいじゃないですか。で、ここでもみわの行動力が光ってる。ほんと、この子、面白いですね。

『ローカル女子の遠吠え』

穂垂主任、いいですよね。アンガーマネジメントをダムの治水に例えて思う。覚えた怒りやストレスを、小出し小出しにして決して決壊させない。でも放水にタミヤをつきあわせるのか。

言葉を選んで、感情をなだめていく穂垂主任。その感情の機微をムシャムシャやりながらも的確にとらえていくタミヤ、この子すっごいな。この子のすごさ、その後も見事にあらわれて、穂垂主任の金原明善トーク、クライマックスに向けて盛り上がっていく気配感じとって、りん子、雲春の席に合流するの、りん子たちからしたら流れ弾食らったみたいなもんでは!? と思ったら、りん子の受けが的確すぎて、おおう、穂垂主任、見事に大回復やんか。めちゃくちゃ面白かったですよ。

しかし、今回の穂垂主任、素晴しく美しかった。りん子にいいとことられてシュンとする、その姿さえも美しい。憂いがあり、思慮があり、好きなものに向ける情熱あり。最高でありました。

『良倉先生の承認欲求』

今回は良倉と古岩、ふたりの時間ですよ。冒頭の、良倉先生はSNS映えに詳しいですよね? この問いから徐々に追いつめられていく感じ。めちゃくちゃ面白く、思い出される星畑の警告、そして古岩に嘘をついてる心苦しさ。ああ、良倉の真面目さが光りましたね。決して古岩をないがしろにはしない。そんな気持ちが見えたの、ほんとによかったです。

でも、まさか古岩くんがSNS映えについて教えを乞うとかね! これまでずっと深刻な顔してた良倉が、ここにきてものすごいいい笑顔見せるのな! そこからの映え講座も、ひと口に典型的な映えを教えるのではなく、古岩の個性、センスをベースにしたものを大切にしようという姿勢見せてですね、これもまたよかったなと。

でも、古岩の誤解! あー、そうか、そうだった。古岩、良倉のこと誤解してたわ! 忘れてたわ。最初とはまったく違う方向に追いつめられる良倉の焦り、戸惑い、めちゃくちゃ面白い。ほんと、まさかこんな展開見せるだなんて、まるで予想もできませんでした。素晴しい切り返し。すっかり翻弄されて、最高でした。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

皆葉の不調、解決しましたね。

自分の気持ちをつぶさに見つめることもままならない。そんな人の心の難しさみたいなものがこのところ描かれてきていましたが、離れた場所で見知らぬ男たちに絡まれて困ってしまっている澄花のこと、助けたいその一心で動いた皆葉が、さらにその先へと気持ちを進ませるんです。

なぜ澄花の心だけ読めなかったのか。その理由にまで辿り着いた。このところ働かなかったテレパスも復活し、向き合う男たちに対峙するその間、考えていること、その動きさえも先読みして、ああ、完全復調じゃないか。

そして、ここからも。皆葉は、この数日の不調を通して、自分の気持ちに向きあってきたんですね。けれど、ついにこうして不調を脱しても、第一に考えるのは澄花の気持ち。こうしたところは本当に皆葉のよさだと思う。誰かを思いやれる。おおごとにせず問題を解決できたことも、彼にとってはよいことだったんですね。これもまた澄花のためなのかも、なんて思えてね、ほんと、皆葉すごくよかった。

これまではっきりとしていなかった感情、澄花に向ける好意について、こうして自覚することとなった皆葉。大きな転換点、新しいステージに進みますね。

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