2004年12月23日木曜日

ジュマンジ

 クリスマス特集第四弾は、ロビン・ウィリアムス主演の映画『ジュマンジ』です。え、どこがクリスマスかって? えーっ、しっかりクリスマスじゃないですか。物語が完結して実に仕合せあふれるラストは、まさにクリスマスだったではないですか。ロビンもサンタクロースのコスプレしてたでしょ。そしてそこに、ともにジュマンジの苦難を乗り越えた子供がやってきて、ああ、私はあのラストシーン大好きです。一緒にWe Wish You a Merry Christmasを歌ってもいい! と思うくらい好きです。

え、好きの表現がおかしい? いや、いいんですよ。この歌は、あなたとあなたの一族によい知らせをもたらしますよという内容ですからね。まさに、ハッピーなエンディングにはふさわしい曲だと思いませんか。

『ジュマンジ』は、街中をCGの動物たちが走り回る! というSFXのすごさが話題となった映画で、けどこの評判は映画にとってはあんまり良くなかった。と言うのは、そのSFXの派手さばかりが先行しすぎて、あんまり内容が評価されてこなかったような感じなんです。ちょっと切ない扱いですよね。内容も決して悪いもんじゃないのに、けれどあんまりちゃんと見たという人を知らない。だから『ジュマンジ』で話して盛り上がったりなんてことはめったになくって、なんか残念に思います。いや、ほんと残念です。

『ジュマンジ』の扱うテーマというのは、父と息子の確執であったり、けれどメインとなるのは、人間やらねばならんときには逃げずに立ち向かえ、ということでしょうね。ロビン演ずるアランは、ジュマンジの試練を乗り越えて、どこか逃げ腰だった駄目な自分を克服するわけです。実際、父親役のジョナサン・ハイドは二役でヴァン・ペルトもやっていて、やはりこれは厳しい父を乗り越えて少年が大人になるという、成長の物語だったのです。

映画としては佳作であると思います。あんまり感動作を期待してはいけないし、テーマの扱いも普通。けれど、ロビン・ウィリアムス出演の作品が持つ暖かさや親しみというのは『ジュマンジ』にもあふれているわけだから、ロビンファンにはきっと楽しめるはずです。

そして、『ジュマンジ』には私の大好きな要素があります。それはなにか? それは、秘密の共有です。結果的にアランとサラは『ジュマンジ』の秘密を共有し、そしてきっとジュディとピーターに関してもそうではないのでしょうか。残念、ラストはパラドックスをはらんでしまっているためにその真偽は定かではないのですが、あの『ジュマンジ』の試練を乗り越えた四人は、それぞれ自分のうちにわだかまる闇をはらって一回り成長したのだと、そして四人はその秘密を共有しているのだと私は信じています。信じるからこそ、私はこの映画のラストに笑みを隠せなくなるんですね。

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