2010年9月20日月曜日

『まんがタイムファミリー』2010年11月号

『まんがタイムファミリー』2010年11月号、先日の続きです。

『美大道!』、今回は吉野さん、白衣ちゃんの話。スランプらしい。絵が描けなくなってしまって……。こういう気持ちはわかるように思います。稽古しても稽古しても思うようにいかなかったり、あるいはやらなければいけない、そうした気持ちが強くなりすぎて、目的、方向性を見失ったり。好きなことを仕事にすると辛いという話はよく耳にしますけれど、今回の吉野さんは、まさにこうした状況であったのでしょうね。吉野さんに対して先輩のアドバイス。おお、この人が先輩らしいと思えたの、これがはじめてだったりしないか? しかし、こうした良い反面少し重く深刻にもなりかねない展開に、彩のおかしなリアクション、奇妙な行動がいい緩衝材となって、しんみりしつつも面白く読めて、大変よかったです。この漫画、いい感じに青春を描いているなあ。そう思うところ多くてですね、なんだか目が離せないのです。

『ももかアンコール♪』。学業とアイドルを両立させなければいけません。ももかの、仕事に打ち込みつつも試験勉強を頑張る、その姿、描かれようが大変面白かったです。身のまわりのものに単語カードや元素記号一覧を貼るというの、工夫はなるほどと思わせるものだけど、その貼る場所には笑ってしまって、そして周囲の皆の応援してくれるところ。兄さんの口では厳しくいいつつも、実際には応援していますという、あの姿は実に微笑ましかったです。キャラクターの可愛いというところ、それも売りでしょう。けれど、ちゃんとキャラクターが動いて、そこに魅力や面白さ、楽しさが生まれてくる、そうしたところがしっかりしている。とてもよかったです。

『やどかり君』、これ、まだゲストなのか? とりあえず、貧乏ニップレスというのにひどく笑わされて、いや、あかんわ、めちゃくちゃ面白いです。こうした語感の面白さや、絵に見える動き、やってることの面白さもありますけれど、あのちょっと変な家族、ものすごく仲がいいんですよね。みんな一緒におかしなことやってる。その姿がすごく好きで、エレベーターの話とか、もうなんともいえん魅力があります。

今回のエッセー企画は「部活でファイアー!」、学生時分の部活動についての思い出なのですが、意外にといったら失礼ですけど、運動部に所属されていた人、多いのですね。佐野妙は水泳部、さとはバスケ部、三浦芳野、卓球部。水井麻紀子、バレー部。おお、みんな活動的。で、みな面白かったんですが、水井麻紀子の憧れの先輩、これは実に面白い。ドおたくだよ!? いかす! 先輩に憧れて、エースならぬオタクになっちまったというのですか。高校では文芸部、ああ、第2漫研とか第3漫研とかいわれたりすることの多い部活ですね。思えば私も部活がらみで、オタク、マニアの傾向を深化させたものだったなあと懐かしく思うところありまして、ええ、私は第3漫研とかいわれたりする吹奏楽部でした。文化系部活はマニア、オタクの巣窟である。しかし、運動部も例外ではないのですね!

『ともえ一本背負い!!』、ゲストです。高校時代、女子高柔道部にて青春を燃焼させたお嬢さんたちの約束。もう… スポーツなんてやめて絶対彼氏作ろうね! って、これは面白いなあ。お嬢さん、三人が三人とも魅力的、可愛いんですが、恋愛に発展させることができない、って、一連の行動見たら、そらあかんわ、としか思えない。男性に慣れてないってのもあるんだろうけど、どこか間違っている。それは、女子高かつ運動部的価値観のためかも知れないものの、その割合は半分くらい、いや以上かな? 本人の問題が大きいですよね、どう見ても。あのジャージ生活とかさ、私は好きだけど、そりゃ駄目だろう。そうした駄目さが描かれるところは面白く、あの土下座告白とか最高だと思います。

三人が三人ともにちょっとずれてて、いや、あの背の高いお嬢さんだけはまともだったような気もしないでもない。けど、ふわふわひらひらの女の子、瑤子さん、この人、まともに見えてそうじゃなくって、まさに友恵に同類。頭突きとか気合いとか、最高でした。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第11号(2010年11月号)

引用

  • 三浦芳野「やどかり君」,『まんがタイムファミリー』第28巻第11号(2010年11月号),142頁。
  • 芦浦だんご「ともえ一本背負い!!」,同前,159頁。

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