『まんがタイムきららキャラット』2010年11月号、発売されました。表紙『GA — 芸術科アートデザインクラス』、これはお誕生会なの? いえね、右肩のコメントにそんなことが書いてあって、ああ、なるほどねと気付くんです。『まんがタイムきららキャラット』5周年! おー、これはとてもめでたいこと。そうしたわけで、表紙はこれでもかと祝祭的雰囲気につつまれて、なかなかによいものですね。中央にて花びらをまいている如月さん、素敵です。
『ひだまりスケッチ』、夏の帰省の話。ずっと実家暮らしの私には、こうした感覚は実はちょっとわかりにくいんです。帰省する。家族に会いに帰る。ああ、それはよいものなのかどうなのか。多分ですが、私がひとり暮らししたとしたら、きっと面倒くさがって、帰省とかしないと思うんだ。
でもって、さてさて、ひだまり荘からはふたり帰省しないお嬢さんが出まして、夏期講習に全部出たい、受験を優先に考えているってことなんですね。しかし、夏期講習、やはり美術を専攻してるだけあって、そうした実技なんですね。今回は、実家に帰る帰らないといった個々人の事情、その様子も面白いのですが、ひだまり荘に三年生がたくさんやってきて、受験勉強。そこにまじるゆのさん。ゆのさん、奇行が光っています。慣れない人を前にして緊張してるみたいです。そして、沙英さんヒロさん、ふたりの気持ちの語られるところ、これがよかったんです。自分の気持ちを素直に伝える、そうしたふたりの様子、それがとてもしみたんですね。
『せいなるめぐみ』、乙女の内面と外面、あいかわらずすごいギャップですな。もう、必ず面白いネタ、みたいになっています。今回は、みなで祠に石を納めにいくという話。祠にて、なにか聖の過去の思い出が刺激された? ただのデジャブ? いや、なにかの転換点になりそうなエピソード、そんな感じがするんです。さっぱりとした聖、なにか不思議とすっきりしていて、そうした表情、ああ、この人は魅力的なお嬢さんだなって、心底思わされたのでした。そして、ひよりのコンプレックス。いや、背が低くてもいいじゃんか。こよりをそそのかす聖、一生懸命お祈りしてくれるこより。そのたびにいい反応を見せるひよりが素敵でした。けど、今回は聖ちゃん、彼女が一番でしたね。
『ねこみみぴんぐす』、最終回でした。部活の最中、世界卓球の話をしていたかと思えば、教室での雑談、そして舞台は一気に未来に……。いや、これ夢オチだろう、絶対そうだろう、そう思って読んでいて、世界卓球の舞台にて苦しい戦いに打ち拉がれそうになっているひより。そこにやってくるのは、昔の仲間。葵で、花で、先輩たちも先生も、ライバルの穂咲さんもいて、その現場での様子は、いつものごとく紆余曲折、シリアスとおかしみの間をうろうろとしながら進むのですけど、それでもね、シリアスに落ち着いていくところ、じんとさせられたんですね。
夢オチなんです。予想のとおり、夢だったんです。けれど、ただ夢といってしまうには、あまりに深く印象が胸に残って、それゆえに夢を夢と確認するひよりの姿、しんみりと切なさをそえて感慨が胸に広がるのですね。彼女らの未来は、可能性をともに大きく開かれている。けれど、今はまだ私たちのそばに、変わらぬ彼女らのままいるのだよ。そうした、今によりそうかのようなラスト。変わっていない、けれど変わりゆくもの感じさせる、開かれている、とてもよいものであったと思います。
『inote! — アイノテ!』、怖い話! で、お姉ちゃんは怖いのあかんのか。怖いもの見たさというんでしょうか、怖い怖いいいながらみんな怖い話は好きだったりしますよね。夏にやってた心霊再現ドラマ、あなたの知らない世界、みんなで見てたなあ、懐かしく思い出しましたよ。
というわけで、怖い話を軸に学校の情景、そしてちえの自宅へ話が進んでいくのですが、学校でのこと、幽霊相手だとやたらにクールなちえちゃん、おかしくて、で、なんでかーこは花子さんにそんなに肩入れしてるのか? 思い余ってかかとおとしまでしてしまう始末。で、これがなんだかちょっと色っぽい。なんでだろう。
自宅にて驚かそうと待ち構えて寝てしまった三人。って、おばあちゃんも気持ちが若いです。このやりすぎる感じ、その後ナチュラルに晩御飯に突入してるところ。この仲のよさ。気のおけない感じ。これはものすごい魅力だと思います。で、最後の最後、大オチもよかったです。
- 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第11号(2010年11月号)
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