2022年3月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。4月からのアニメ放送を目前に、主要キャラだけじゃないな、懐かしいあの人もこの人も一緒にわーっと表紙に登場ですよ。中心にはもちろん我らが琴音が元気にジャンプしていまして、その周辺にRPG不動産のスタッフが。背景の青にオレンジという強めの配色が勢いをより一層印象づけて、その勢いを背に受けるように推進している、そんな様子が気持ちいい。ええ、生き生きと元気に溢れた表紙であります。

今月は新規ゲストが1本です。

『働きたくない!!聖女様!?』

魔王により崩壊目前となっていた世界。そこに現れ、世界を救った妖精国の聖女ルミナリア。平和になった世界でルミナリアはなにを思うのか……。

メロンパンになりたい? おおう、意味がわかんねえな、聖女様。

ルミナリア、仕事が嫌なんですね。妖精国にひきこもって食っちゃ寝生活をだらだらと満喫したいというんですが、わかる、わかるわ。でも、世界を危機から救った、それだけじゃあかんかったんかな。なぜその後も世界の平和を守る仕事をさせられているのだろう。それこそ侍女? のティアがいうようにルミナリアは身を引いて、後は勇者に任せてしまえばいいのでは?

それができない理由があるのか。いや、魔王相手ならともかく、魔王不在の世界においてなら、たとえ弱くとも勇者に任せておけばいいんですよ。でもそれができないの、なんだかんだで世界を守った強者のプライドみたいなのがあるのかな。人に任せられないタイプの上司なのかな。でも、その後の勇者の振る舞い見れば、任せられなかった理由はわかる気がする。ルミナリアばかりがちやほやされることに嫉妬して、聖女を亡きものにしようと軍を差し向けてきたですって!?

でもこれ、ちやほやして、生活その他保障して、悠々自適な隠居生活に入っていただいていればよかったのでは。それをせず、むしろこうして喧嘩売るような真似するからこんな酷い目にあうわけで。

どんなにぐーたらでもふりかかる火の粉くらいははらう。やる気を出さないルミナリアが出した実力。おそらくこれでも全力じゃあないんだろうなあ。あまりに過ぎた能力は、自身をも蝕むのか。世界統一後の仕事生活見るに、この人の性格と能力は微妙にミスマッチなんだろうなって思いました。ほんと、統一した世界を誰かに譲ればよかったんですよ。でも勇者のくだり見るかぎり、それができない性分だったりするんでしょうね。

『またぞろ。』

あまりにも私服がダサいと駄目だしされた殊ちゃんの、私服を見繕うべくアウトレットに繰り出す面々。そのやりとりが楽しい回でありましたよ。

今回の見どころは、殊をとりまく友人たちの和気あいあいと買い物を楽しむ情景や、殊をいい感じに着せ替える、その目にも楽しいファッションショーイベント。けれどそれと同時に、麻里矢が殊の置かれている状況、その人間関係の実際を知り安心するに至るところが重要だったように感じています。いわば打ち解けるきっかけですよね。当初は、殊を囲い込むやばいやつなのでは!? みたいなイメージだった麻里矢が、このメインの4人、その人間関係の輪に自然と入り仲を深めていく、そうした新しい関係性の兆しに期待もふくらむエピソードだったと思いました。

さて、肝心の殊の衣装ですよ。誰コーデが一番よかった!? どれが好み!? といわれたら、巴のちょいお姉さんイメージですよ。どうもちょっといいとこのお嬢さん系衣装が好みのようです。殊以外だと麻里矢の私服、これがかなりキてました。

『ニチアサ以外はやってます!』

ぶつかる唯と苺。特撮研のSNSアカウント。苺が管理しているんですが、この前作った予告編の惹句に女子高生と入れたものだから、軽く炎上。女子高生を売りにしている、可愛さアピールで媚び売ってると、唯からも反発されてしまったんですね。

今回は苺という人を知る回でした。あかねは、唯や博見が知らない苺の側面を知っている。苺は可愛さを売りにするような子じゃない。むしろ、可愛いと思われることを嫌がっているとさえ。その理由は彼女の生い立ちにあって、ああ、男の子向けの特撮が好きだったのに、母の好みで可愛いもの、可愛い格好を強いられてきたんだ。

本当は可愛いよりかっこいいの方が好きなのに、そうした気持ちを表現することに後ろ向きになってしまっていた。そんな苺が変わろうとするきっかけを作ってくれたのが、中学時代のあかねだったんですね。そして一歩踏み出そうとした苺の勇気を挫いたのが、中学時代の唯だったんか!

いやでもしかし、これは唯も悪いよ。相手が好きといってるものを初手から否定したら、そらこじれるって。高校生になった苺は、あの時の自分の対応をあまりにも子供だったと反省していたけれど、これはきっと唯も同様だったんでしょうね。互いに相手の嗜好、自分とは異なる感性に対し、受け入れ、尊重することができずにいた。けれど今回のできごとがふたりを一歩前へ進ませて、過去のわだかまりからも、それぞれ自身をしばっていた頑なさからも自由になれたようですね。

そして今度はあかねの番? あかねの抱える向きあわなければいけない過去とはなにか。予告編でヒーローを演じるあかねを見ている女性は誰なのか。

しかし今回思ったのは、特撮とかに熱中してると子供っぽいとか馬鹿にされがちだけど、女子となると男子以上の大変さがありそうってことでした。だって、今回のトラブル、女子というラベルがあってこそ生じたものばかり。苺の母の嗜好の矯正もそうなら、唯の苺に対する女子を売物にしているという決めつけもそうだった。実際、SNS上での特撮女子に対する偏見なども見たことありますものね。いやはや、ただ好きなものを好きと表明したい、それだけのことがこんなにも不自由なんて。シンプルなはずのものが、いろいろ難しくされている。難儀な話です。

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